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取引・労働関連法規 ITパスポート対策ストラテジ系-企業と法務編⑦

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2023-10-122023-09-29

契約の類型

企業と契約を結んで仕事をする場合、一般的な会社員であれば雇用契約を結びますが、他にも雇用契約した労働者を別企業に派遣する派遣契約、仕事を外部の法人(または個人)に任せその仕事の結果に対して報酬を支払う請負契約、自身に代わって法律行為をすることを専門家などに委託する委任契約等があります。

業務に関する契約の形態(雇用契約・派遣契約・請負契約・委任契約・準委任契約)

請負契約と委任契約の違い

請負契約では完成した仕事に対して報酬が支払われますが、委任契約では働いた時間や工数に応じて報酬が支払われます。法律行為を行うわけではないが、委任契約のように業務の遂行に応じて報酬が支払われる契約を準委任契約といいます。

守秘義務契約

守秘義務契約は、業務上で知りえた情報を外部に公開させないために結ぶ契約です。守秘義務契約、NDA(Non-disclosure agreement)とも呼ばれます。

労働関連法規

労働契約法

労働契約法は、契約の成立、変更、継続、終了など労働契約に関する基本的な事項を定めた法律です。個別労働関係紛争を解決するためのルールを整備する目的で2007年に制定されました。

労働基準法

賃金、労働時間、休憩、休暇などの労働条件について最低限守るべき基準を定めた法律です。

  • 1日の法定労働時間の上限は休憩時間を除いて8時間
  • 1週間の法定労働時間の上限は休憩時間を除いて原則40時間
  • 労働時間が6時間超~8時間の場合は45分以上、8時間超の場合は1時間以上の休憩を与えなければならない
  • 少なくても毎週1日休日を与えなければならない

などの定めがあります。

裁量労働制

実際の業務遂行や労働時間は個々の労働者の裁量に任せ、あらかじめ定めた時間分を労働時間とみなして賃金を払う形態です。すべての業務・職種に適用できるわけではなく、高度な専門職などに限定されています。

フレックスタイム制

始業時間、就業時間を労働者が自分で決定できる制度です。3ヶ月以内の清算期間を平均して1週間の労働時間が法定労働時間を超えてはならないという制約があります。

フレックスタイム制のもとで、必ず出社していなければならない時間帯をコアタイム、いつ出勤、退勤してもいい時間帯をフレキシブルタイムといいます。

労働者派遣法

労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護を目的とした法律です。

  • 建設業務など一部の業務での派遣の禁止
  • 派遣期間は原則3年以内とする
  • 受け入れた派遣労働者やさらに別の会社に派遣することの禁止(再派遣、二重派遣の禁止)
  • 派遣先による事前面接の禁止
  • 派遣先による派遣労働者を指名の禁止

などが定められています。

実際は、請負契約であるにもかかわらず、派遣契約を装って、発注者の指揮命令下で業務をさせることを偽装請負といい問題になっています。

取引関連法規

下請法

下請代金の支払遅延等を防止して下請事業者の利益を保護するための法律です。

  • 発注の際の書面の交付すること
  • 下請代金の支払期日を給付の受領後60日以内に定めること
  • 支払が遅延した場合は遅延利息を支払うこと

などが発注事業者に義務付けられています。

資金決済法

銀行以外の事業者が資金決済サービスを提供する際のルールを定めた法律です。商品券、プリペイドカード、電子マネー、暗号資産(仮想通貨)などを扱う際はこの法律に抵触する可能性があります。

金融商品取引法

投資者の保護および国民経済の健全な発展を目的に、株式、債券などの金融商品取引を規制する法律です。インサイダー取引禁止や業績など情報開示について定められています。

特定商取引法

訪問販売、通信販売など特定の方法で商品・サービスを販売する際に従うべきルールを定めた法律です。インターネットで物を販売する場合もこの法律に従う必要があります。

独占禁止法

私的独占、談合、カルテルなどの不当な取引制限、不公正な取引方法を禁止し,公正かつ自由な競争を促進して事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることを目的とする法律です。

2020年には、一部のデジタルプラットフォーマー(Google、Amazonなど)が独占的地位を背景に不公正な取引をおこなっていることが問題視され、取引の透明性と公正性の向上を目的とする特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律が制定されました。

リサイクル法

廃棄物の発生量抑制や使用済み製品の分別回収・再資源化・再利用について定めた法律です。

PL法

製造物責任法ともいい、製造物の欠陥によって損害が生じた際の製造業者等の損害賠償責任などについて定められています。

確認問題(過去問)

ITパスポート試験令和元年秋問1

労働者派遣法に基づき, A社がY氏をB社へ派遣することとなった。このときに成立する関係として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和3年問12

労働者派遣に関する記述 a ~ c のうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

  1. 派遣契約の種類によらず,派遣労働者の選任は派遣先が行う。
  2. 派遣労働者であった者を,派遣元との雇用期間が終了後,派遣先が雇用してもよい。
  3. 派遣労働者の給与を派遣先が支払う。

ITパスポート試験令和2年度問20

労働者派遣は,通常の派遣と,将来の雇用を想定した紹介予定派遣の二つに分けられる。前者の労働者派遣の契約に当たり派遣先が派遣元に要求する派遣労働者 の受入条件として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和4年問5

NDA に関する記述として,最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成30年秋問4

フレックスタイム制の運用に関する説明 a〜cのうち, 適切なものだけを全て挙げたものはどれか。

  1. コアタイムの時間帯は,勤務する必要がある。
  2. 実際の労働時間によらず, 残業時間は事前に定めた時間となる。
  3. 上司による労働時間の管理が必要である。

ITパスポート試験平成28年春問9

大手システム開発会社A社からプログラムの作成を受託しているB社が下請代金支払遅延等防止法(以下,下請法)の対象会社であるとき, 下請法に基づく代金の支払いに関する記述のうち, 適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和5年問22

資金決済法における前払式支払手段に該当するものはどれか。

ITパスポート試験平成30年春問35

PL法(製造物責任法)によって,製造者に顧客の損害に対する賠償責任が生じる要件はどれか。

  • [事象A]損害の原因が,製造物の欠陥によるものと証明された。
  • [事象B]損害の原因である製造物の欠陥が,製造者の悪意によるものと証明された。
  • [事象C] 損害の原因である製造物の欠陥が,製造者の管理不備によるものと証明された。
  • [事象D] 損害の原因である製造物の欠陥が,製造プロセスの欠陥によるものと証明された。

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