マーケティング ITパスポート対策ストラテジ系-経営戦略編②

マーケティングとは

マーケティングとは、市場調査により顧客のニーズを把握し、顧客満足を得られる製品の開発や仕入計画に役立ててたり、広告等による販売促進を行うなどの諸活動のことです。

マーケティングミックス

ある目的を達成するためのマーケティング諸手段の適切な組み合わせをマーケティングミックスといいます。

マーケティングミックスを決めるには、売り手側から見た、製品（Product）、価格（Price）、流通（Place）、販促活動（Promotion）の4Pと、買い手側から見た、顧客価値（Customer Value）、顧客コスト（Customer Cost）、利便性（Convenience）、情報伝達（Communication）の4Cが重要だとされています。

プロダクトライフサイクル

プロダクトライフサイクルは、製品が市場に投入されてから売れなくなって撤退するまでの過程を表したものです。

イノベータ理論

イノベーター理論は製品が認知度を獲得して市場に受け入れていく過程を表したものです。

最初に製品を早く購入する順に、イノベーター（革新者）→アーリーアダプター（早期購入者）→アーリーマジョリティ（初期追従者）→レイトマジョリティ（後期追従者）→ラガード（遅延者）と層分けされており、アーリーアダプターとアーリーマジョリティの間に大きな溝（キャズム）があるのでこれを超えるための施策が重要とされます。

新しい製品を比較的速期に購入し、その製品の評価について他者に影響を与える人はオピニオンリーダーとも呼ばれ、マーケティング上重要視されています。

UX

User Experienceの略語で、人が製品やサービスを利用する際の体験を意味します。単に機能だけを考えるのではなく、実際に人が使用してどう感じるのかを重視した設計をUXデザインといいます。

オムニチャネル

顧客との接点を1つのチャネル（販売経路）だけで持つのではなく、実店舗、カタログ販売、オンラインストアなど複数のチャネルで持とうとする取り組みを指します。

マーケティングの手法

ITパスポート試験で出題されるマーケティング手法には以下のようなものがあります。

マスマーケティング

対象を狭く絞らず幅広い層に製品、サービスをアピールしていくやり方です。TV広告などのマスメディアを使った広告が有効な手法となります。

ワントゥワンマーケティング

個々の顧客と個別に向き合うことで、深いニーズを把握し、それに見合う製品、サービスを提供していこうという手法です。

セグメントマーケティング

年齢、性別、地域などを基準に市場をいくつかのセグメントに細分化（セグメンテーション）し、それぞれにセグメントに対して適切な働きかけをしていくという手法です。ターゲットマーケティングとも呼ばれます。

ダイレクトマーケティング

流通業者を介さずに直接的に顧客と関わりをもつ手法です。通信販売などがこれに該当します。

クロスメディアマーケティング

雑誌、テレビ、インターネットなど複数のメディアを連携させてマーケティングに用いることで高い効果をあげようという手法です。

インバウンドマーケティング

直接的に宣伝をするのではなく、ブログやSNSで情報を発信することで、消費者側から見つけて貰うことを狙ったマーケティング手法です。

マーケティング戦略・分析手法

プッシュ戦略とプル戦略

販売店にリベートなどのインセンティブを与えることで製品を売り込んでいこうとするやり方をプッシュ戦略、広告等により消費者に直接働きかけて需要を生もうとするやり方をプル戦略といいます。

アンゾフの成長マトリクス

市場と製品がそれぞれ既存か新規か事業戦略を分類したものです。

ブランド戦略

製品カテゴリーとブランド名によってブランド戦略をライン拡張、ブランド拡張、マルチブランド、新ブランドに分ける分類法がよく知られています。

RFM分析

最終購買日（Recency）、購買頻度（Frequency），累計購買金額（Monetary）によって顧客の購買行動を評価し、重要度順にグループ分けするなどしマーケティングに役立てる手法です。

バスケット分析

あるものとどんなものが一緒に買われているかを調べる手法です。商品の販売記録を扱うPOS（Point of sale）システムの普及により、容易に行うことが可能となり、商品に陳列位置の決定などに役立てられています。

価格設定手法

商品の価格の決め方には以下のような手法があります。

Webマーケティング

Webマーケティングに関連する出題用語には以下のようなものがあります。

インターネット広告

インターネットを利用した広告で以下のようなものがあります。

SEO（検索エンジン最適化）

Search Engine Optimizationの略で、検索エンジンで検索した際、自サイトが上位の順位で表示されるようコンテンツやサイト構造を調整するなどの諸活動を意味します。リスティング広告と違い効果がでるまでに時間がかかりますが、上手くいけば低コストで長期間検索エンジンから流入を確保できるのが特徴とされます。

レコメンデーション

利用履歴等を分析して関連する情報や個人に最適化された情報を表示する手法のことです。ECサイトで表示される「一緒に買われている商品」や「類似商品」がこれに該当します。

デジタルサイネージ

液晶パネルなどの電子的な方法で表示されるデジタル表示パネルを利用した電子看板のことです。アナログな看板と比べると切り替えが容易、動画や音楽も扱えるなどの利点があり、近年利用が広がっています。

確認問題（過去問）

ITパスポート試験令和4年問2

年齢,性別,家族構成などによって顧客を分類し,それぞれのグループの購買行動を分析することによって,集中すべき顧客層を絞り込むマーケティング戦略として,最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和元年秋問15

自社の商品やサービスの情報を主体的に収集する見込み客の獲得を目的に,企業がSNSやブログ、検索エンジンなどを利用して商品やサービスに関連する情報を発信する。このようにして獲得した見込み客を,最終的に顧客に転換させることを目標とするマーケティング手法として,最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成29年春問2

マーケティングミックスの検討に用いる考え方の一つであり、売り手側の視点を分類したものはどれか。

ITパスポート試験平成29年秋問32

マーケティングミックスにおける売り手から見た要素は4P と呼ばれる。 これに対応する買い手から見た要素はどれか。

ITパスポート試験令和3年度問8

画期的な製品やサービスが消費者に浸透するに当たり,イノベーションへの関心や活用の時期によって消費者をアーリーアダプタ, アーリーマジョリティ, イノベータ, ラガード, レイトマジョリティの五つのグループに分類することができる。このうち,活用の時期が2番目に早いグループとして位置付けられ,イノベーションの価値を自ら評価し,残る大半の消費者に影響を与えるグループはどれか。

ITパスポート試験令和2年問18

UX (User Experience)の説明として,最も適切なものはどれか。

ITストラテジスト午前2令和元年秋問7

アンゾフの成長マトリクスを説明したものはどれか。

ITパスポート試験平成30年春問1

製品と市場が,それぞれ既存のものか新規のものかで、事業戦略を“市場浸透",“新製品開発”,“市場開拓”,“多角化”の四つに分類するとき,“市場浸透”の事例に該当するものはどれか。

ITパスポート試験平成28年秋問32

データベース化された顧客情報を活用し, 優良顧客を抽出する方法として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成27年春問24

顧客の購買行動を分析する手法の一つであるRFM分析で用いる指標で, Rが示すものはどれか。 ここで, 括弧内は具体的な項目の例示である。

ITパスポート試験平成28年春問3

インターネットショッピングにおいて, 個人がアクセスしたWebページの閲覧履歴や商品の購入履歴を分析し, 関心のありそうな情報を表示して別商品の購入を促すマーケティング手法はどれか。

ITパスポート試験令和元年秋問29

SEO に関する説明として,最も適切なものはどれか。

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