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プロジェクトマネジメント ITパスポート対策マネジメント系

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2023-10-162023-10-16

プロジェクトマネジメントの基本

プロジェクトとは

プロジェクトとは一定の期間内に特定の目的を達成するために行う業務活動を意味します。例えば、「x月y日までに〇〇システムを完成させ、顧客に引き渡す」などがこれに該当します。

プロジェクトは、複数人で行うのが一般的で、その計画の策定や進捗の管理を行うことをプロジェクトマネジメント、行う人をプロジェクトマネージャといいます。

プロジェクトに関連する用語には以下ようなものがあります。

プロジェクトマネージャープロジェクトの管理を行う人。
プロジェクトメンバープロジェクトに参加し、作業を行う人。
ステークホルダプロジェクトに何らかの関わりを持つ利害関係者。顧客、株主、協力会社など。
成果物プロジェクトで作成する製品やサービス。
スコープ成果物を作成するのに必要な作業の範囲。または、プロジェクトの目標達成に必要な成果物の範囲。

プロジェクト憲章

プロジェクトを立ち上げる際に、プロジェクトを公式に認可、承認するために作成する文章です。

  • プロジェクトの目的
  • 制約条件、全体条件
  • 予算の概算
  • 予定期間
  • 想定されるリスク

などが記載されます。

関連ガイドライン

PMBOK

Project Management Body of Knowledgeの略で、PMIという団体が公表しているプロジェクトマネジメントに関する知識やスキルをまとめたガイドラインです。広く利用されており、事実上の世界標準となっています。

PMBOKでは、「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・制御」「終結」の5つのプロセスや以下10の知識エリアが定義されています。

  • プロジェクト統合マネジメント
  • プロジェクトスコープマネジメント
  • プロジェクトスケジュールマネジメント
  • プロジェクトコストマネジメント
  • プロジェクト品質マネジメント
  • プロジェクト資源マネジメント
  • プロジェクトコミュニケーションマネジメント
  • プロジェクトリスクマネジメント
  • プロジェクト調達マネジメント
  • プロジェクトステークホルダーマネジメント

プロジェクト統合マネジメント

プロジェクトマネージャーが責任者となり、全ての知識エリアを統合してプロジェクト全体の最適化や管理を行います。

プロジェクトスコープマネジメント

プロジェクトで行う必要のある作業の範囲を定義します。作業項目を明確にするためにWBSが使用されます。

プロジェクトリスクマネジメント

プロジェクトに関するリスクを洗い出し、その対応策を決定します。

リスクの対応方針には以下があります。

回避リスクを取り除く対策をとる。プロジェクトを取りやめるなど。
軽減リスクによる影響を減らすまたはリスクの発生確率を下げる対策をとる。
受容リスクを受けいれる。
転嫁リスクの影響や責任を第三者に移転する。保険をかけるなど。

JIS Q 21500

日本産業規格(JIS)で制定されているプロジェクトマネジメントに関する規格です。PMBOKを国際規格化したISO 21500シリーズがもとになっています。

管理・分析技法

WBS

Work Breakdown Structureの略で、業務の遂行に必要な作業項目を木構造で表したものです。プロジェクトに必要な作業を洗い出すために使用されます。

WBS

人月

システム開発では、作業量(工数)を表すためによく人月という単位が使われます。これは、1人が1ヶ月働いた作業量を1としたもので、

人数×所要月数

で計算されます。例えば、5人で2ヶ月かかる仕事であれば5×2で10人月となります。月のかわりに日や時が使われることもあります。

また、受注金額を1人月あたりの価格で表したものを人月単価といいます。

ガントチャート

作業ごとの計画期間や実施期間を横棒で表した図で、進捗状況を視覚的に把握するために使用されます。

ガントチャートの例

マイルストーン

プロジェクトのスケジュール管理に置いて重要な節目となる時点のことをマイルストーンといいます。例えば、工程の開始時点、終了地点などがこれに該当し、進捗管理の目安として使用されます。

ガントチャート上にマイルストーンを書き込むこともあり、これをマイルストーンチャートといいます。

アローダイアグラム

各作業の順序と所要時間を図で表したもので、PERT図とも呼ばれ、プロジェクトのスケジュールを決める際に使用されます。

作業は矢印(→)で表して矢印の上に所要日数を記入し、作業の結合点は円(◌)で表します。点線の矢印はダミー作業といい、作業時間はゼロですがダミー作業を終えないと次の作業が開始できないことになっています。

アローダイアグラムの例

最早結合点時刻

後続作業を最も早く開始できる時刻が最早結合点時刻です。出発点から順に進んでいき、複数経路がある場合は、数値が大きい方(遅い方)が最早結合点時刻になります。

最早結合点時刻

最遅結合点時刻

これ以上遅らせると全体所要時間に影響する時刻が最遅結合点時刻です。最終点の最早結合点時刻から順に作業時間を引いていくことで求め、複数経路ある場合は、数値が小さい方を選択します。

最遅結合点時刻

クリティカルパス

開始点から終了点までの各経路のなかで所要時間が最大となる経路をクリティカルパスといいます。

この例ですと、

A→B→D→F = 2+3+6+3 = 14

A→B→ダミー→E→F = 2+3+0+4+3 = 12

A→C→E→F = 2+4+4+3 = 13

となり、一番長いA→B→D→Fがクリティカルパスということになります。

また、最早結合点時刻と最遅結合点時刻が等しい結合点を通る経路がクリティカルパスということもできます。

クリティカルパス上の作業が遅れると全体で遅延することになり、逆に全体の時間を短縮するにはクリティカルパス上の作業時間を減らす必要があります。

クリティカルパス

確認問題(過去問)

ITパスポート試験平成30年春問44

プロジェクトの特徴として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成30年春問36

システム開発プロジェクトにおけるステークホルダの説明として,最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成30年春問37

システム開発プロジェクトにおける,プロジェクト人的資源マネジメントの活動として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和元年問38

システム開発プロジェクトの開始時に,開発途中で利用者から仕様変更要求が多く出てプロジェクトの進捗に影響が出ることが予想された。品質悪化や納期遅れにならないようにする対応策として,最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和元年問41

プロジェクトマネジメントの進め方に関する説明として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和2年問40

プロジェクトマネジメントの活動には、プロジェクト統合マネジメント, プロジェクトスコープマネジメント, プロジェクトスケジュールマネジメント, プロジェクトコストマネジメントなどがある。プロジェクト統合マネジメントの活動には, 資源配分を決め,競合する目標や代替案間のトレードオフを調整することが含まれ る。システム開発プロジェクトにおいて,当初の計画にない機能の追加を行う場合 のプロジェクト統合マネジメントの活動として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和2年問42

情報システム開発の詳細設計が終了し,プログラミングを外部のベンダに委託することにした。仕様,成果物及び作業の範囲を明確に定義した上で, プログラミン グを委託先に請負契約で発注することにした。発注元のプロジェクトマネージャの マネジメント活動として,最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和2年問50

プロジェクトメンバ間のコミュニケーションのルールを明確にするための施策として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和4年問36

プロジェクトで作成するWBSに関する記述のうち,適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和3年問42

システム開発プロジェクトにおいて,利用者から出た要望に対応するために,プログラムを追加で作成することになった。このプログラムを作成するために,先行するプログラムの作成を終えたプログラマを割り当てることにした。そして,結合テストの開始予定日までに全てのプログラムが作成できるようにスケジュールを変更し,新たな計画をプロジェクト内に周知した。このように,変更要求をマネジメントする活動はどれか。

ITパスポート試験平成27年春問41

PMBOKについて説明したものはどれか。

ITパスポート試験令和2年問54

システム開発プロジェクトにおいて,テスト工程で使用するPCの納入が遅れることでテスト工程の終了が遅れるリスクがあり,対応策を決めた。リスク対応を回避,軽減,受容,転嫁の四つに分類するとき,受容に該当する記述として,最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成29年秋問42

リスクへの対応策は、回避,軽減,受容, 転嫁の四つに分類することができる。ある会社で、個人情報を取り扱うシステムの開発を受託した。 その開発プロジェクトにおけるリスク対応策のうち, 個人情報漏えいに関するリスクの軽減に該当するものはどれか。

ITパスポート試験平成28年春問44

システム開発プロジェクトにおけるリスク対応には,回避, 転嫁, 軽減、受容などがある。 転嫁の事例として, 適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和4年問50

120kステップのソフトウェアを開発した。開発の各工程における生産性の実績が表のとおりであるとき,開発全体の工数は何人月か。ここで,生産性は1人月当たりのkステップとする。

令和4年ITパス問50

ITパスポート試験平成29年春問48

プロジェクトで実施する作業の順序設定に関して,次の記述中の a, b に入れる字句の適切な組合せはどれか。

成果物を作成するための作業を、 管理しやすい単位にaによって要素分解し,それらの順序関係をbによって表示する。

ITパスポート試験令和元年問42

システム開発において使用するアローダイアグラムの説明として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成30年春問43

システム開発を示した図のアローダイアグラムにおいて、工程AとDが合わせて3日遅れると,全体では何日遅れるか。

ITパス平成30年度春期問42 アローダイアグラム

ITパスポート試験令和4年問43

図のアローダイアグラムにおいて,作業Bが2日遅れて完了した。そこで,予定どおりの期間で全ての作業を完了させるために,作業Dに要員を追加することにした。作業Dに当初20名が割り当てられているとき,作業Dに追加する要員は最少で何名必要か。ここで,要員の作業効率は一律である。

令和4年ITパス問43

ITパスポート試験令和5年問41

次のアローダイアグラムに基づき作業を行った結果, 作業 D が2日遅延し, 作業 Fが3日前倒しで完了した。 作業全体の所要日数は予定と比べてどれくらい変化したか。

ITパスポート試験令和5年問41

これだけで受かるITパスポート

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IT・ICTプロジェクトマネージャー,WBS,PERT,アローダイアグラム

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