システムの構成 ITパスポート対策テクノロジ系コンピュータシステム編③
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2023-10-262023-10-25
処理形態
コンピュータの処理形態を大きく分類すると特定のコンピュータにすべてのタスクを処理させる集中処理と複数台のコンピュータにタスクを振り分ける分散処理があります。
並列処理
一つのコンピュータ内でタスクを分割して並行的に処理するやり方を指す場合が多い言葉です。
レプリケーション
複数のコンピュータに情報を複製することをレプリケーションといいます。
グリッドコンピューティング
空間的に分散したコンピュータリソースをネットワークでつなぎ、共通の目標を達成するために使用する処理形態をグリッドコンピューティングといいます。
システムの構成
デュアルシステム
同じシステムを二系統用意して、両者で同じ処理を行った後、結果を相互に照合することで信頼性を高めるシステム構成です。
デュプレックスシステム
主系と従系2つの処理系統を用意しておき、普段は主系を使用するが、障害が発生した時には従系を使うシステム構成です。
これに対して1系統しかないシステムをシンプレックスシステムといいます。
コールドスタンバイ
障害が発生してから従系を起動させる方式を指します。電力等のコストはかかりませんが、切り替えに時間がかかるというデメリットがあります。
ホットスタンバイ
従系も常に起動させておき、障害時にはすぐに切り替わるようにした方式を指します。
ストレージの接続法
ストレージ(補助記憶装置)はコンピュータ(サーバー)に内蔵されている場合もありますが、大規模なシステムでは分離してネットワークを介して利用することもあります。ネットワークストレージには以下の二つがあります。
NAS
Network-Attached Storageの略で、サーバーやパソコンの接続に普段しようしているLAN(Local Area Network)を通じてアクセスすることができます。
SAN
Storage Area Networkの略で、専用のネットワークを介してストレージにアクセスする方式です。
役割によるシステムの分類
クライアントサーバシステム
あるコンピューターがサービスを提供し、その他のコンピュータはサービスを受ける立場になるシステムをクライアントサーバシステムといいます。
サービス提供側をサーバーといい、
- Webサーバー
- ファイルサーバー
- メールサーバー
- データベースサーバー
などがあります。
ピアツーピアシステム
クライアントサーバシステムと違ってサービスの提供者、受容者が明確にわかれておらず、各々が対等な立場でやりとりするシステムをピアツーピアシステムといいます。P2Pと表記される場合もあります。
コンピューターの仮想化
物理的なコンピュータの中にソフトウェアによって仮想的なコンピュータ(VM、仮想マシン)を作り出す技術を仮想化といい、近年クラウドサーバーなどでよく利用されています。
コンピュータの仮想化には以下のような種類があります。
ホスト型 | ホストOSに仮想化ソフトウェアをインストールさせて、その上でゲストOSを稼働させる方式。 |
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ハイパーバイザー型 | ハードウェアに直接仮想化用ソフトウェア(ハイパーバイザー)をインストールし、その上でゲストOSを稼働させる方式。 |
コンテナ型 | OSごと仮想化するのではなく、コンテナエンジンと呼ばれるソフトウェアを使うことでアプリケーションとその実行環境を分離する方式 |
VDI(デスクトップ仮想化)
VDIは、Virtual Desktop Infrastructureの略で、サーバーに仮想化されたデスクトップ環境を作り、ユーザーに提供する仕組みを指します。ユーザーは手元のパソコンを操作している感覚でも実際にアプリケーションが動作しているのはサーバー上の仮想マシンということになり、ローカルにデータが保存されないためセキュリティを高めるなどの効果が期待できます。
このようなクライアント端末に最低限の処理しか行わせないシステムをシンクライアントといいます。
ライブマイグレーション
あるハードウェアで動作している仮想マシンを停止することなく別のハードウェアに移動させる技術をライブマイグレーションといいます。
RAID
ハードディスクなどのストレージに分散してデータを書き込み、耐障害性の向上や高速化を図る技術です。以下のような種類があります。
RAID0
複数台のハードディスクにデータを分割して書き込む(ストライピング)。読み書きの速度は向上するが1台故障するとデータが欠けるため耐障害性は低い。
RAID1
複数台のハードディスクに同じデータを書き込む(ミラーリング)。信頼性は向上するが速度は上がらない。
RAID5
3台以上のハードディスクに分割したデータを書き込むとともに、パリティと呼ばれる誤り訂正用の情報を書き込む。読み書き速度が向上する上、パリティを利用することで1台が故障してもデータを復元できるため信頼性も高まる。
利用形態
システムの利用形態には以下のようなものがあります。
対話型処理
人とコンピュータがインタラクティブにやりとりしながら処理を進めていく形態です。
リアルタイム処理
要求が発生したらすぐにその場で処理を行う形態です。例えば、銀行の取引システムやオンラインゲームシステムなどがこれに該当します。
バッチ処理
データを蓄積しておいて、夜間などリソースに余裕がある時にまとめて処理を行う形態を指します。各種データの集計などによく利用されます。
確認問題(過去問)
ITパスポート試験平成28年秋問94
並列処理の説明として、 適切なものはどれか。
ITパスポート試験令和3年問82
ネットワークに接続した複数のコンピュータで並列処理を行うことによって,仮想的に高い処理能力をもつコンピュータとして利用する方式はどれか。
ITパスポート試験平成29年春問78
DBMSにおいて,あるサーバのデータを他のサーバに複製し,同期をとることで,可用性や性能の向上を図る手法のことを何というか。
ITパスポート試験平成29年秋問87
通常使用される主系と,その主系の故障に備えて待機しつつ他の処理を実行している従系の二つから構成されるコンピュータシステムはどれか。
ITパスポート試験平成28年春問75
デュアルシステムの特徴を説明したものはどれか。
ITパスポート試験平成27年秋問82
2系統の装置から成るシステム構成方式 a~c に関して, 片方の系に故障が発生したときのサービス停止時間が短い順に左から並べたものはどれか。
- デュアルシステム
- デュプレックスシステム (コールドスタンバイ方式)
- デュプレックスシステム (ホットスタンバイ方式)
ITパスポート試験平成30年春問62
1台のコンピュータを論理的に分割し、それぞれで独立した OS とアプリケーションソフトを実行させ,あたかも複数のコンピュータが同時に稼働しているかのよう に見せる技術として,最も適切なものはどれか。
ITパスポート試験令和元年問57
サーバの仮想化技術において,あるハードウェアで稼働している仮想化されたサ ーバを停止することなく別のハードウェアに移動させ,移動前の状態から引き続き サーバの処理を継続させる技術を何と呼ぶか。
ITパスポート試験令和4年問99
1台の物理的なコンピュータ上で,複数の仮想サーバを同時に動作させることによって得られる効果に関する記述 a~cのうち,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- 仮想サーバ上で,それぞれ異なるバージョンの OS を動作させることができ,物理的なコンピュータのリソースを有効活用できる。
- 仮想サーバの数だけ,物理的なコンピュータを増やしたときと同じ処理能力を得られる。
- 物理的なコンピュータがもつ HDD の容量と同じ容量のデータを、全ての仮想サーバで同時に記録できる。
ITパスポート試験平成30年春問77
4台のHDDを使い,障害に備えるために,1台分の容量をパリティ情報の記録に使用する RAID5を構成する。1台の HDDの容量が500Gバイトのとき,実効データ容量はおよそ何バイトか。
ITパスポート試験平成30年秋問94
バッチ処理の説明として、 適切なものはどれか。
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