スライドモード

システムの評価 ITパスポート対策テクノロジ系コンピュータシステム編④

3 views

2023-10-262023-10-26

システムの性能

システムの性能に関する指標や用語には以下のようなものがあります。

レスポンスタイム(応答時間)

システムに要求を出して終えてから応答が始まるまでにかかった時間を指します。

ターンアラウンドタイム

動作を開始してからすべての結果が返ってくるまでにかかった時間を指します。

レスポンスタイムとターンアラウンドタイムの違い

スループット

例えば、1分間に何件の処理ができるかなど、単位時間あたりに処理できる仕事の量を表します。

ベンチマーク

比較対象となる指標を定めておき、プログラムやシステムを実際に動かして処理時間等を比較、評価する手法を指します。

システムの信頼性

広義の信頼性は以下3つの尺度で測られます。

信頼性(Reliability)故障や障害の発生しにくさ。指標では平均故障間隔がこれに対応。
可用性(Availability)使用したい時にシステムが使用可能な状態になっているか。指標では稼働率がこれに対応。
保守性( Serviceability)メンテナンスや修復がしやすいか。指標では平均修理時間がこれに対応。

MTBF(平均故障間動作時間)

MTBFはMean Time Between Failuresの略で、故障から故障までのシステムが稼働している時間の平均値です。

\[ MTBF = \frac{稼働時間の合計}{故障回数} \]

MTTR(平均修復時間)

MTTRはMean Time To Repairの略で、故障してから復旧するまでにかかった時間の平均値です。

\[ MTTR = \frac{復旧時間の合計}{故障回数} \]

稼働率

稼働率は、実際に稼働している時間÷全体の時間でもとめることができますが、複数の要素からなるシステムでは、計算方法は、システムが直列であるか並列であるかによって異なります。

\[ 稼働率 = \frac{稼働時間の合計}{全体の時間} \]

また、MTBF、MTTRを使って以下のように書くこともできます。

\[ 稼働率 = \frac{MTBF}{MTBF+MTTR} \] \[稼働率 = \frac{稼働時間の合計}{故障回数} × \frac{故障回数}{稼働時間の合計+復旧時間の合計}\]

直列システムの場合

各装置が直列に接続されている場合は、各装置に稼働率を掛け合わせることでシステムの稼働率をもとめることができます。

\[ 全体の稼働率 = 装置Aの稼働率 × 装置Bの稼働率 \]
直列なシステム

並列システムの場合

並列に繋がれている場合は、1から両方が稼働していない確率(Aが稼働していない確率×Bが稼働していない確率)を引くことで全体の確立を求めることができます。

\[ 全体の稼働率 = 1 - (1 - 装置Aの稼働率) × (1 - 装置Bの稼働率) \]
並列なシステム

信頼性設計

信頼性を高める設計に関する用語には以下のようなものがあります。

フェールセーフ

災害や障害発生時にシステムをできるだけ安全な状態に導き被害を最小限にとどめるという考え方です。例えば、大きな揺れを検知した際に列車が自動で停止するようシステムを設計するなどがこれに該当します。

フォールトトレラント

冗長性を持たせるなどして障害が発生してもシステムの稼働が続けられるようにしておくという考え方です。フォールトトレランスと表記される場合もあります。

フェールソフト

障害が発生時も必要最低限の機能は維持しシステム全体が停止しないように設計するという考え方です。

フールプルーフ

不慣れな人でも誤った操作をしないように、また誤った操作をしても大事に至らないように設計するという考え方です。

システムの経済性

システムの経済性を評価する際には、システムがもたらした便益とかかった費用を比較する必要があります。費用に関する用語には以下のようなものがあります。

初期コスト(イニシャルコスト)システム導入時に必要となる費用。
運用コスト(ランニングコスト)電気代やメンテナンス費など運用中に継続的に発生する費用。
TCO(Total Cost of Ownership)導入から廃棄にいたるまでの総費用。サポートや教育にかかるコストも含む。

確認問題(過去問)

ITパスポート試験平成29年春問77

ベンチマークテストに関する記述として、 適切なものはどれか。

ネットワークスペシャリスト午前2平成30年問24

全国に分散しているシステムを構成する機器の保守に関する記述のうち,適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成26年春問69

あるコンピュータシステムの故障を修復してから60,000時間運用した。その間に100回故障し、最後の修復が完了した時点が60,000時間目であった。MTTRを60時間とすると、この期間でのシステムのMTBFは何時間となるか。

ITパスポート試験平成30年春問80

稼働率0.9の装置を2台直列に接続したシステムに,同じ装置をもう1台追加して3台直列のシステムにしたとき, システム全体の稼働率は2台直列のときを基準にすると、どのようになるか。

ITパスポート試験平成28年春問60

同じ装置が複数接続されているシステム構成 a〜 c について, 稼働率が高い順に並べたものはどれか。 ここで, 一ローは装置を表し, 並列に接続されている場合はいずれか一つの装置が動作していればよく, 直列に接続されている場合は全ての装置が動作していなければならない。

ITパスポート平成28年春問60

ITパスポート試験平成27年春問64

システムや機器の信頼性に関する記述のうち、 適切なものはどれか。

ITパスポート試験平成31年春問90

入力画面で数値を入力すべきところに誤って英字を入力したらエラーメッセージが表示され, 再入力を求められた。 このような工夫をしておく設計思想を表す用語として,適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和5年問93

フールプルーフの考え方を適用した例として, 適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和元年問96

販売管理システムに関する記述のうち,TCOに含まれる費用だけを全て挙げたも のはどれか。

  1. 販売管理システムで扱う商品の仕入高
  2. 販売管理システムで扱う商品の配送費
  3. 販売管理システムのソフトウェア保守費
  4. 販売管理システムのハードウェア保守費

ITパスポート試験令和3年問100

システムの経済性の評価において, TCO の概念が重要視されるようになった理由として,最も適切なものはどれか。

これだけで受かるITパスポート

https://ja.mondder.com

link-image

IT・ICT稼働率,MTBF,MTTR

ユーザーアイコン

Official

このアカウントで公開されている過去問に解説をつけたいという方がおられましたら問題差し上げますのでご連絡下さい。。

TwitterLINEHatenaURL