ファイルシステム ITパスポート対策テクノロジ系コンピュータシステム編⑥

ファイルの種類と主な拡張子

コンピューターにおけるファイルとはデータを一定の形式でひとまとまりにして管理できるようにしたものです。

ファイルは大きく分けると、文字コードからなるテキストファイルと0と1のビット列からなるバイナリファイルに分かれます。

拡張子とは、ファイル末尾に.以下の部分に書かれたファイルの種類やデータ形式を表す符号です。拡張子には以下のようなものがあります。

ディレクトリ

ディレクトリとはファイルを格納するための保管場所のことで、フォルダーと呼ばれることもあります。一般的なファイルシステムでは階層構造のディレクトリによってファイルを管理しており、最上位のものをルートディレクトリ、ディレクトリの中に格納されたディレクトリをサブディレクトリといいます。またユーザーやアプリケーションが現在操作しているディレクトリをカレントディレクトリといいます。

パスの指定方法

パスとは目的となるファイルやディレクトリまでの経路を示すもので、ディレクトリ名、ファイル名と以下の記号を使って記述します。

絶対パス

ルートディレクトリから指定したいファイル（ディレクトリ）までの経路を順に記述していきます。

相対パス

自分が現在いるディレクトリ（カレントディレクトリ）からの相対的な位置で経路を記述します。

フラグメンテーション

ファイルの作成、消去を繰り返していくと、ストレージに連続した空き領域が少なくなっていき、新たに記録するファイルが細かく分割されて記録されるようになってしまいます。この状態がフラグメンテーションで、読み込み、書き込みの効率が落ちるため、ストレージの領域を整理し再配置（デフラグ）することが必要となる場合があります。

バックアップ

ストレージに記録されているファイルが機械の故障や操作ミスで失われてしまわないよう、コピーをとることをバックアップといいます。バックアップで取得したファイルは、データの復元などに使用できるように世代管理をして別の場所に長期保管（アーカイブ）します。

バックアップのやり方には以下の3つがあり、バックアップにかかる時間は、フル>差分>増分、リストアにかかる時間は、増分>差分>フルとなっています。

フルバックアップ

全てのデータを一度にバックアップします。バックアップにかかる時間が長いことや必要なストレージ容量が大きいことがデメリットですが、復元はフルバックアップファイルだけで行えるためスピーディーです。

差分バックアップ

前回のフルバックアップから変更があった部分のみをバックアップします。データの復元はフルバックアップファイル＋差分バックアップファイルで行うことができます。

増分バックアップ

前回のバックアップから変更があった部分のみをバックアップします。データの復元には、フルバックアップファイル＋全ての増分バックアップが必要となるため時間がかかります。

確認問題（過去問）

ITパスポート試験平成28年春問97

拡張子 “avi” が付くファイルが扱う対象として, 最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験令和元年問83

ファイルの階層構造に関する次の記述中の a, b に入れる字句の適切な組合せはどれか。

階層型ファイルシステムにおいて,最上位の階層のディレクトリをaディレクトリという。ファイルの指定方法として,カレントディレクトリを基点として目的のファイルまでのすべてのパスを記述する方法と,ルートディレクトリを基点として目的のファイルまでの全てのパスを記述する方法がある。ルートディレクトリを基点としたファイルの指定方法をbパス指定という。

ITパスポート試験令和4年問90

ディレクトリ又はファイルがノードに対応する木構造で表現できるファイルシステムがある。ルートディレクトリを根として図のように表現したとき,中間ノードである節及び末端ノードである葉に対応するものの組合せとして,最も適切なものはどれか。ここで,空のディレクトリを許すものとする。

ITパスポート試験平成31年春問96

Web サーバ上において, 図のようにディレクトリ d1及び d2が配置されているとき,ディレクトリ d1 (カレントディレクトリ) にある Web ページファイル f1.html の中から、別のディレクトリ d2にある Web ページファイル f2.html の参照を指定する記述はどれか。

ここで, ファイルの指定方法は次のとおりである。

[指定方法]

• (1) ファイルは, “ディレクトリ名/・・・/ディレクトリ名 / ファイル名” のように,経路上のディレクトリを順に "/"で区切って並べた後に "/"とファイル名を指定する。
• (2) カレントディレクトリは "." で表す。
• (3) 1階層上のディレクトリは ".." で表す。
• (4) 始まりが "/"のときは, 左端のルートディレクトリが省略されているものとする。

ITパスポート試験平成28年秋問75

図に示すような階層構造をもつファイルシステムにおいて, *印のディレクトリ(カレントディレクトリ) から “..¥..¥DIRB¥Fn.txt” で指定したときに参照されるファイルはどれか。 ここで、図中のはディレクトリ名を表し, ファイルの指定方法は次のとおりである。

[指定方法]

• (1) ファイルは “ディレクトリ名¥…¥ディレクトリ名¥ファイル名” のように,経路上のディレクトリを順に “¥” で区切って並べた後に "\" とファイル名を指定する。
• (2) カレントディレクトリは “.” で表す。
• (3) 1階層上のディレクトリは “..” で表す。
• (4) 始まりが “¥” のときは, 左端のルートディレクトリが省略されているものとする。

ITパスポート試験平成29年秋問73

月曜日から金曜日までの業務で, ハードディスクに格納された複数のファイルを使用する。 ハードディスクの障害に対応するために、 毎日の業務終了後, 別のハードディスクにバックアップを取得する。 バックアップ取得の条件を次のとおりとした場合, 月曜日から金曜日までのバックアップ取得に要する時間の合計は何分か。

[バックアップ取得の条件〕

• (1) 業務に使用するファイルは6,000個であり, ファイル1個のサイズは3M バイトである。
• (2) 1日の業務で更新されるファイルは1,000個であり,更新によってファイルのサイズは変化しない。
• (3) ファイルを別のハードディスクに複写する速度は10M バイト/秒であり, バックアップ作業はファイル1個ずつ, 中断することなく連続して行う。
• (4) 月曜日から木曜日までは、その日に更新されたファイルだけのバックアップを取得する。 金曜日にはファイルの更新の有無にかかわらず,全てのファイルのバックアップを取得する。

これだけで受かるITパスポート

https://ja.mondder.com