表計算ソフト ITパスポート対策テクノロジ系コンピュータシステム編⑦
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2023-10-312023-10-30
表計算ソフトとは
表計算ソフトは、縦横2次元の表を使って数値データの集計、分析、グラフ化などを行うことのできるアプリケーションです。
インストールして使うタイプの他、Webブラウザで動作するものもあり、よく知られた表計算ソフトには、
- Excel
- Googleスプレッドシート
- Numbers.
などがあります。
列・行・セル
表計算ソフトでは、個々のマス目のことをセルといい、セルには数値や文字を入力することができます。またセルの縦方向の並びを列、横方向の並びを行といいます。
セルの位置は、行番号と列番号の組合せで表示されます。例えば、B行の5列目のセルであれば,B5と表記されます。また、「:」をつかって、あるセルからあるセルの範囲を示すこともできます。
式の入力
セルには文字や数値だけでなく計算式も入力することができます。使用することのできる主な演算子は以下の通りです。
演算子 | 内容 |
---|---|
+ | 加算 |
- | 減算 |
* | 乗算 |
/ | 除算 |
^ | べき乗 |
例えば、セル内に、=8+2と入力すれば10が表示されます。
セル参照
直接数値を入力するのではなく、数値が入力されたセルを指定することで式を作ることも可能です。例えば、あるセルにA3のセルとB3のセルの合計値を表示したいなら、=A3+B4と入力することで実現できます。
この時、参照元のセルの内容を変更するとこれを参照する式の結果も自動で更新されます(再計算機能)。例えば、上の表で、B4の内容を7から10に変更するとC5の計算結果は18に更新されます。
複写(コピー)
計算式を入力したセルを上下左右にコピーすると列番号や行番号が自動で更新されます(相対参照)。
ただ式の全ての部分が自動で変更されると不都合な場合があります。こうした時は、行番号や列番号の前に「$」をつけることでその部分を変更させないようにすることができます(絶対参照)。例えば、 =B2*C$2としたセルを下に複写しても、=B3*C$2、=B4*C$2……となり、C$2の部分は変化しません。
関数
関数は様々な処理をまとめて簡単に使えるようにしたものであり、表計算ソフトでは予め多様な関数が用意されています。代表的な関数には以下のものがあります。
一般的な表記 | ITパスポートでの表記 | 処理内容 |
---|---|---|
SUM(セルの範囲) | 合計(セルの範囲) | 指定されたセルの範囲の合計値を求める。 |
AVERAGE(セルの範囲) | 平均(セルの範囲) | 指定されたセルの範囲の平均値を求める。 |
MAX(セルの範囲) | 最大(セルの範囲) | 指定されたセルの範囲の中から最大値を求める。 |
MIN(セルの範囲) | 最小(セルの範囲) | 指定されたセルの範囲の中から最小値を求める。 |
IF(論理式,式1,式2) | IF(論理式,式1,式2) | 条件を表す論理式が真だった場合式1が、偽だった場合式2が計算される。 |
COUNT(セルの範囲) | 個数(セルの範囲) | 指定された範囲の中で空白でないセルの個数を返す。 |
COUNTIF(セルの範囲,条件) | 条件付個数(セルの範囲,条件) | セルの範囲に含まれるセルの中で条件を満たすものの個数を返す。 |
他にも様々な関数が存在しますが、関数名と処理内容な試験中にも確認することができるので詳細を覚えておかなくとも大丈夫です。
IF関数
IF関数は、IF (論理式、式1、式2) といった書式で記述し、論理式が真(True)の場合には、式1が、偽(False)の場合には式2が実行されます。
例えば、=IF(売上-費用>0,"黒字","赤字")という式なら以下のようになります。
グラフの作成
多くの表計算ソフトは、指定した範囲のデータをもとに円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフなどのグラフを作成する機能をもっています。グラフ化によりデータを視覚的に表現することができ、プレゼンテーションの際にもよく利用されます。
その他オフィスツール
表計算ソフト以外に業務でよく使用されるソフトウェアには以下のものがあります。
文章制作ソフト
文章の入力機能の他、装飾、表の作成,図表の埋込み、校正支援、印刷などの機能を持ったソフトです。ワープロソフトとも呼ばれます。文章制作ソフトに関連する用語には以下のものがあります。
禁則処理 | 句読点などが行頭などの不適切な位置にこないよう調整する処理。 |
---|---|
インデント | 行頭に空白を挿入して文字の位置をずらす機能。 |
クリップボード | コピー&ペーストを可能にするためのデータ保存領域。 |
プレゼンテーションソフト
プレゼンテーションで使用する資料の作成やスライド形式での表示などをサポートするソフトウェアです。マイクロソフトのパワーポイントやグーグルのGoogleスライド、アップルのKeynoteなどがよく知られたプレゼンテーションソフトです。
Webブラウザ
Webサイトの閲覧を可能にするソフトウェアです。検索サイトを利用することで世界中から必要な情報を入手することができます。表計算ソフトや文章制作ソフトの中にはブラウザ上で動作するものもあります。
確認問題(過去問)
ITパスポート試験令和4年問71
文書作成ソフトがもつ機能である禁則処理が行われた例はどれか。
ITパスポート試験平成30年春問60
支店ごとの月別の売上データを評価する。各月の各支店の“評価”欄に,該当支店の売上額が A~C支店の該当月の売上額の平均値を下回る場合に文字“×”を,平均値以上であれば文字“〇”を表示したい。セルC3に入力する式として,適切なものはどれか。ここで,セルC3に入力した式は,セルD3, セルE3,セルC5〜E5, セルC7~E7に複写して利用するものとする。
ITパスポート試験令和元年問76
ある商品の月別の販売数を基に売上に関する計算を行う。セルB1に商品の単価が,セル B3〜B7に各月の商品の販売数が入力されている。セル C3に計算 式 “B$1*合計(B$3 : B3)/個数(B$3 : B3)” を入力して, セル C4~C7に複写したとき, セル C5に表示される値は幾らか。
ITパスポート試験令和2年問71
表計算ソフトを用いて,ワークシートに示す各商品の月別売上額データを用いた計算を行う。セル E2に式“条件付個数(B2:D2, >15000)" を入力した後, セル E3とE4に複写したとき, セル E4に表示される値はどれか。
ITパスポート試験令和5年問75
表計算ソフトを用いて,二つの科目X,Yの点数を評価して合否を判定する。 それぞれの点数はワークシートのセル A2, B2に入力する。 合格判定条件 (1) 又は (2)に該当するときはセル C2に “合格”, それ以外のときは “不合格” を表示する。 セルC2に入力する式はどれか。
[合格判定条件]
- (1) 科目 X と科目 Yの合計が120点以上である。
- (2) 科目X又は科目Yのうち, 少なくとも一つが100点である。
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