ITパスポートの頻出計算問題を必要な公式一覧と共に解説。
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2024-01-112023-05-10
2進数に関する計算問題
10進数の2進数への変換
10進数を商が0になるまで2で割りつづけその余りから2進数を求める方法がよく知られています。例えば10進数の20ですと以下のようになります。
2進数の10進数への変換
2進数の一桁目は\( 2^0 \) 、二桁目は\( 2^1 \)、三桁目は\( 2^2 \)‥‥に対応するのでそれぞれの数字にかけたものを足し合わせると10進法の数値に変換できます。例えば、10100なら
\[ 1×2^4 + 0×2^3 + 1×2^2 0×2^1 + 0×2^0 = 20 \]となります。
なお、小数点以下がある場合は、\( 2^{-1} \)、\( 2^{-2} \)‥‥をかけていきます。
ITパスポート試験令和2年問62
10進数155を2進数で表したものはどれか。
ITパスポート試験過去問令和2年度
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財務系の計算問題
営業利益・経常利益・当期純利益
範囲を理解していればただの引き算で計算することができます。
\[ 売上高-売上原価 = 売上総利益\]\[ 売上総利益-販売費・一般管理費= 営業利益\]\[ 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益\]\[ 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 = 税引前当期純利益\]\[ 税引前当期純利益 - 税金 = 当期純利益\]ITパスポート試験令和3年問28
次の当期末損益計算資料から求められる経常利益は何百万円か。
ITパスポート試験 令和3年度分
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損益分岐点売上高を求めるもの
与えられた条件下で損益分岐点=利益が0となる売上高や指定された利益を達成するのに必要な売上高を求める問題パターンです。
\[ 売上高 - 変動費 - 固定費 = 利益 \]基本的に、固定費と変動費または売上高に占める変動費の割合(=変動費率)は不変などの条件が付いているので、変動費は売上高×変動費率でだすことができ、売上や利益が変化しても以下の式で答えを出すことができます。
\[ 変動費率 = \frac{変動費}{売上高} \]または、
\[ 変動費率 = \frac{製品1個当たりの変動費}{販売単価} \]\[ 売上高 - (売上高×変動費率) - 固定費 = 利益 \]ITパスポート試験令和5年問13
ある製品の今月の売上高と費用は表の通りであった。販売単価を1,000円から800円に変更する時、赤字にならないためには、少なくとも毎月何個を販売する必要があるか。ここで、固定費及び製品一個当たりの変動費は変化しないものとする。
製品一個当たりの変動費は不変なので販売単価が800円に変化した場合の変動費率は、1個当たりの変動費÷販売単価で700÷800=0.875です。
赤字にならないというのは利益が最低0になる必要があるということですので、売上をSとすると、
\[ S - 0.875S - 600,000 = 0 \]\[ 0.125S = 600,000 \]\[ S = 4,800,000 \]販売単価は800円ですので個数は、
\[ 4,800,000 ÷ 800 = 6,000個\]となります。財務分析指標
これらの式を覚えておけば解くことができます。
\[ 営業利益率(\%) = \frac{営業利益}{売上高}×100 \]\[ 自己資本益率・ROE(\%) = \frac{当期純利益}{自己資本}×100 \]\[ 総資産利益率・ROA(\%) = \frac{当期純利益}{総資産}×100 \]※ROAは当期純利益以外の利益を分子にとる場合もあります。
\[ 流動比率(\%) = \frac{流動資産}{流動負債}×100 \]\[ 当座比率(\%) = \frac{当座資産}{流動負債}×100 \]※当座資産は流動資産から商品(在庫)を除いたもの。
\[ 固定比率(\%) = \frac{固定資産}{自己資本}×100 \]\[ 固定長期適合率(\%) = \frac{固定資産}{自己資本+固定負債}×100 \]※自己資本は貸借対照表の右側にきて負債ではないもの。資本金、準備金、剰余金など。
\[ 自己資本比率(\%) = \frac{自己資本}{総資本(総資産)}×100 \]ITパスポート試験令和4年問28
A 社のある期の資産,負債及び純資産が次のとおりであるとき、経営の安全性指標の一つで,短期の支払能力を示す流動比率は何%か。
統計系の計算問題
平均値
データの総和をデータ数で割ったもの。
\[ 平均値 = \frac{データの合計値}{データ数}\]中央値
データを大きさに従って順番に並べた時に真ん中にくる値。
期待値
確率が絡んでいる場合の平均値。各データに確率をかけたものを足し合わせる。
ITパスポート試験令和4年 問59
次のデータの平均値と中央値の組合せはどれか。
[データ]10, 20, 20, 20, 40, 50, 100, 440, 2000
■平均値
全ての数を足し合わせてデータ数で割って求めます。
10+20+20+20+40+50+100+440+2000=2700
2700÷9=300
■中央値
データを小さい順に並び替え、データ数のちょうど真ん中にくる値が中央値です。
データ数が偶数の場合は、中心の2つの値の平均を中央値とします。
10,20,20,20,40,50,100,440,2000 データ数は9個なので、5個目の40が中央値です。
したがって「エ」が正解です。
伝送速度・伝送時間
伝送にかかる時間は、
\[ 伝送時間 = \frac{データ量}{実効伝送速度}\]ですが、単位を揃えて計算する必要があります。1バイトは8ビットです。
また実効伝送速度で以下のようになります。
\[実効伝送速度 = 伝送速度 ×伝送効率\]ITパスポート試験令和2年問95
伝送速度が20 Mbps(ビット/秒),伝送効率が80%である通信回線において, 1G.バイトのデータを伝送するのに掛かる時間は何秒か。ここで, 1G バイト=103Mバイトとする。
20Mbps×80%=16Mbps (2MB/秒)となります。
1Gのデータを2MB/秒で伝送するため、1,000 ÷ 2 = 500秒となります。
したがって「エ」が正解です。
稼働率に関する計算
直列の場合はかけ算、並列の場合は両方が稼働していない確率を1から引くことで求めることができます。
ITパスポート試験平成30年春期問80
稼働率0.9の装置を2台直列に接続したシステムに,同じ装置をもう1台追加して3 台直列のシステムにしたとき,システム全体の稼働率は2台直列のときを基準にする
と,どのようになるか。
これだけで受かるITパスポート
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売上総利益=3,000-1,500=1,500
営業利益=1,500-500=1,000
経常利益=1,000-15=985 となります。