中小企業診断士 財務・会計過去問 令和3年度
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問題文正答率:50.00%
第1問 得意先への商品販売時に、10 日以内に代金を支払えば 2%の支払いを免除するという条件をつけた。その売掛金 200,000 円を販売から 9 日目に回収するにあたり、条件を適用した金額を小切手で受け取った。
この取引を仕訳するとき、以下の空欄に入る語句として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
(借)現 金 196,000 (貸)売 掛 金 200,000
売上 4,000
〔解答群〕
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問題文正答率:50.00%
第2問 本支店会計において本店集中計算制度を採用している場合、A支店がB支店の買掛金 200,000 円について小切手を振り出して支払ったときの本店の仕訳として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
本店集中計算制度をとる場合、支店間の取引は帳簿上本店を介在させて行うことになります。
この場合、ですと本店、両支店の仕分けは以下のようになります。
支店Aの仕分け | 本店 200,000 | 当座 200,000 |
---|---|---|
支店Bの仕分け | 買掛金 200,000 | 本店 200,000 |
本店の仕分け | B支店 200,000 | A支店 200,000 |
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問題文正答率:50.00%
第3問 備品(取得日:2018 年 4 月 1 日、取得原価:800,000 円、償却方法:定率法(償却率年 25 %)、記帳方法:間接法、決算日: 3 月 31 日)が不要となり、2020 年 3 月31 日に除却した。なお、除却した備品の評価額は 250,000 円である。
固定資産除却損として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
固定資産を除去する場合、その日までの減価償却費を計上することを忘れないように注意する必要があります。
この場合、間接法で記帳されているので仕分けは以下のようになります。
減価償却費累計額 | 200,000 | 備品 | 800,000 |
減価償却費 | 150,000 | ||
貯蔵品 | 250,000 | ||
固定資産除去損 | 200,000 |
減価償却費累計額 = 800,000×0.25 = 200,000(購入から今期まで1回決算日を通過しているため)
除却日までの減価償却費 = (800,000-200,000)×0.25 = 150,000(今回は除去日が期末だが期中に除去の場合は、その時までの減価償却費を月割りで計算)
固定資産除去損は貸借差額で算出します。
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第4問 のれんに関する記述として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
のれんとは、買収額と被買収企業の時価純資産評価額の差額です。
買収額 > 被買収企業の純資産 ならのれんが、買収額 < 被買収企業の純資産なら負ののれんが発生します。
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問題文正答率:50.00%
第5問 負債性引当金は、債務である引当金(債務性引当金)と債務ではない引当金(非債務性引当金)に分類される。非債務性引当金として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
第6問 収益に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
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第7問 以下の資料は、工場の 2020 年 8 月分のデータである。このとき、製造指図書 #11の製造原価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資 料】
⑴ 直接費
製造指図書 | 材料消費量 | 材料単価 | 直接作業時間 | 賃 率 |
---|---|---|---|---|
#11 | 50 kg | @ 2,000 円/kg | 100 時間 | 1,200 円/時 |
#12 | 60 kg | @ 2,500 円/kg | 110 時間 | 1,200 円/時 |
#13 | 50 kg | @ 1,500 円/kg | 90 時間 | 1,200 円/時 |
⑵ 間接費
製造間接費実際発生額:150,000 円
製造間接費は直接作業時間を配賦基準として各製品に配賦する。
〔解答群〕
解説・コメント
直接費は、製造指図書の情報を基に普通に計算していけば以下のように求めることができます。
直接材料費 = 2,000円 × 50kg = 100,000円
直接労務費 = 1,200円 × 100時間 = 120,000円
製造間接費は直接作業時間を基準に配布すると書いてあるので、発生額を直接作業時間の合計で割ります。
150,000 ÷ 300時間 = 500円
#11の直接作業時間は100時間なので#11の間接費は以下のようになります。
製造間接費 = 500円 × 100時間 = 50,000円
これを合計すれば答えがでます。
100,000 + 120,000 + 50,000 = 270,000
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問題文正答率:50.00%
第8問 ある製品の販売予算が以下のとおり編成されており、第 3 四半期(Q3)の実際販売量が 1,600 個、実際販売価格が 98,000 円であった。予算実績差異を販売数量差異と販売価格差異に分割する場合、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
販売量(個) | 1,200 | 1,400 | 1,500 | 1,400 | 5,500 |
売上高(万円) | 12,000 | 14,000 | 15,000 | 14,000 | 55,000 |
〔解答群〕
解説・コメント
数量差異は、(実際販売量-予定販売量)×予定単価
価格際は、 (実際単価-予定単価)× 実際販売量 で求めることができます。
Q3の予定売上は15,000万円、数量は1,500個なので、販売価格は15,000万円÷1,500個で10万円、実際の販売価格は問題文より9.8万円(単位の表記が違っているので注意)となります。
よって、
数量差異 = (1,600個-1,500個) × 10万円 = 1,000万円(有利差異)
価格差異 = (9.8万円-10万円) × 1,600個 = -320万円(不利差異)
となります。
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問題文正答率:50.00%
第9問 キャッシュフローが増加する原因として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
第10問 以下の貸借対照表と損益計算書について、下記の設問に答えよ。
(設問 1 )固定長期適合率として、最も適切なものはどれか。
(設問 2 )インタレスト・カバレッジ・レシオとして、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
固定長期適合率は、固定資産が長期資本(固定負債+自己資本)でどの程度賄われているかを表す指標です。
\[ 固定長期適合率=\frac{固定資産}{自己資本+固定負債}×100 \]\[ \frac{110,000}{66,000+34,000}×100 = 110 \]よく似た指標に固定比率があるので混同しないよう注意が必要です。
\[ 固定比率=\frac{固定資産}{自己資本}×100 \]固定比率と固定長期適合率による安全性分析 計算式と目安 確認問題付き
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インタレストカバレッジレシオは、事業利益(営業利益+受取利息・配当金)が金融費用(支払利息・割引料)の何倍にあたるかを表す指標です。
\[ インタレストカバレッジレシオ=\frac{事業利益}{金融費用} \] \[ \frac{10,000+4,000}{1,000} = 14 \]https://ja.mondder.com/fq?id=1024🔗
問題文正答率:50.00%
第11問 建築物の設計・監理を請け負っている当社では、顧客から依頼のあった案件について建物の設計を行っている途中で、給料 100,000 円および出張旅費 30,000 円が当該案件のために費やされた。
この取引を仕訳する場合、借方科目として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
サービス業ではサービスの提供に伴う費用は役務原価となりますが、サービスの提供が完了していない段階では仕掛品として計上します。
仕掛品 | 130,000 | 現金預金 | 130,000 |
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問題文正答率:50.00%
第12問 損益分岐点分析に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
損益分岐点売上高は、 売上高 -(売上高×変動費率) - 固定費 = 0 となる売上高なので、固定費を(1-変動費率)で割って求められます。
\[ 損益分岐点売上高 = \frac{固定費}{1-変動費率} \]安全余裕率は、現在の売上が損益分岐点をどの程度上回ってるかをみる指標です。
\[ 安全余裕率 = \frac{売上高-損益分岐点売上高}{売上高}×100 \]目標利益達成のための売上高は、売上高 -(売上高×変動費率) - 固定費 = 目標利益 となる売上高なので、(固定費+目標利益)を(1-変動費率)で割って求められます。
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問題文正答率:50.00%
第13問 9月中に予定される取引に関する以下の資料に基づき、最低限必要な借入額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、当月中現金残高が 300,000 円を下回らないようにするものとする。
【資 料】
9月1日 月初の現金有高は 400,000 円である。
9月6日 売掛金 300,000 円を現金で回収する。
9月12日 備品 1,200,000 円を購入し、代金のうち半額は現金で支払い、残額は翌月 15 日に支払う。
9月21日 商品を 1,400,000 円で販売する。代金は掛けとし、回収は翌月 20 日とする。
9月25日 給料その他の費用 500,000 円を現金で支払う。
〔解答群〕
解説・コメント
9月1日 400,000
9月6日 +300,000
9月12日 -600,000
9月25日 -500,000
なので、300,000円を下回らないためには700,000の借り入れが必要ということになります。
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問題文正答率:50.00%
第14問 資金調達の形態に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
資金調達にはまず外部金融と内部金融に分かれ、外部金融には直接金融、間接金融、企業間信用があります。
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問題文正答率:50.00%
第15問 以下の資料に基づき計算した加重平均資本コストとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、負債は社債のみで構成され、その時価は簿価と等しいものとする。
【資 料】
株価 | 1,200 円 |
発行済株式総数 | 50,000 株 |
負債簿価 | 4,000 万円 |
自己資本コスト | 12 % |
社債利回り | 4 % |
実効税率 | 30 % |
〔解答群〕
解説・コメント
加重平均資本コスト(WACC)を計算するにはまず資本の構成比率を求めます。
この場合、負債が4,000万円、株主資本が6,000万円(1,200円×50,000株)なのでそれぞれ0.4、0.6となります。
これにコストをかけていきますが、負債には節税効果があるためさらに(1-税率)をかけます。
WACC = 資本の構成比×資本コスト + 負債の構成比×負債コスト×(1-税率)
WACC = 0.6×12% + 0.4×4% ×(1-0.3) = 8.32%
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問題文正答率:50.00%
第16問 株主還元に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
第17問 モジリアーニとミラーの理論(MM 理論)に基づく資本構成に関する記述として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
第18問 当社はある機械の導入の可否を検討している。この機械の導入により、年間の税引前キャッシュフローが 2,000 万円増加する。また、この機械の年間減価償却費は900 万円である。
実効税率を 30 %とするとき、年間の税引後キャッシュフローはいくらになるか。最も適切なものを選べ。
解説・コメント
減価償却費は会計上費用となりますが、実際にキャッシュの流出を伴うわけではありません。
税金は費用を引いた後の金額にかかるので、2,000万円 - 900万円 = 1,100万円に0.3をかけて330万円となります。
よって、2,000万円-330万円 = 1,670万円が税引後キャッシュフローになります。
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問題文正答率:50.00%
第19問 当社は設備A〜Cの導入を比較検討している。各設備の初期投資額ならびに将来の現金収支の現在価値合計は、以下のとおりである。
正味現在価値法を用いた場合と、収益性指数法を用いた場合で、それぞれどの設備への投資案が採択されるか。最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、設備A〜Cへの投資案は相互排他的である。
初期投資額 | 現金収支の現在価値合計 | |
設備A | 4,400 万円 | 5,500 万円 |
設備B | 5,000 万円 | 6,500 万円 |
設備C | 4,000 万円 | 5,400 万円 |
〔解答群〕
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
第20問 証券投資論に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、投資家はリスク回避的であり、安全資産への投資が可能であるものとする。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
第21問 D社の次期(第 2 期)末の予想配当は 1 株 44 円である。その後、次々期(第 3 期)末まで 1 年間の配当成長率は 10 %、それ以降の配当成長率は 2 %で一定とする。なお、自己資本コストは 10 %である。
当期(第 1 期)末の理論株価として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
配当割引モデルでの理論株価の計算は以下の式で行うことができます。
\[ 配当額一定(成長なし): 理論株価=\frac{配当金}{期待収益率} \] \[ 成長あり: 理論株価=\frac{1年後の配当金}{期待収益率‐配当金成長率} \]ただしこの問題の場合、成長率が一定ではないので次期末時点から見た理論価格と次期末の配当額を現在価値に割り引いて理論株価を算出する必要があります。
次期末時点から見た1年後の配当金は44円×1.1で48.4円なので、
\[ 次期末時点から見た理論価格 = \frac{48.4}{0.1‐0.02} = 605\]これに次期末の配当金44円を足して自己資本コスト10%で現在価値に割引くと
\[ 当期末時点から見た理論価格 = \frac{44+605}{1+0.1} = 590\]となり答えがでます。
なお現在価値への割引は以下の式で行えます。
\[ 割引現在価値 = \frac{n年後の価格}{(1+割引率)^n }\]https://ja.mondder.com/fq?id=1035🔗
問題文正答率:50.00%
第22問 企業価値評価に関する以下の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
企業価値評価の代表的な方法には、将来のフリー・キャッシュフローを A で割り引いた現在価値(事業価値)をベースに企業価値を算出する方法である B 法や、会計利益を割り引いた現在価値をベースとして算出する収益還元法がある。
これらとは異なるアプローチとして、類似の企業の評価尺度を利用して評価対象企業を相対的に評価する方法がある。利用される評価尺度は C と総称され、例としては株価と 1 株当たり純利益の相対的な比率を示す D や、株価と 1 株当たり純資産の相対的な比率を示す E がある。
(設問 1 )文中の空欄AとBに入る語句および略語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
(設問 2 )文中の空欄C〜Eに入る語句および略語の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
企業価値の評価法には以下のような種類があります。
アプローチ | 主な評価手法 |
---|---|
インカムアプローチ | 収益還元法、DCF法、残余利益法 |
マーケットアプローチ | 市場株価法、マルチプル法 |
コストアプローチ | 純資産法、清算価値法 |
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問題文正答率:50.00%
第23問 オプションに関する記述として、最も適切なものはどれか。
解説・コメント
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解説・コメント
早期に支払ったことを理由に売上の一部を免除するのは売上割引にあたります。
割戻は、まとめ買い等の理由で代金を減額することですが、割戻という勘定科目は使わず逆仕訳(売上/売掛金 等)で対応します。
値引きした際も同様に、値引という勘定科目は使わず逆仕訳で対応します。