第三種電気主任技術者試験過去問 電力科目 令和4年度
オプション
問題文正答率:50.00%
問1 水力発電に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
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問題文正答率:50.00%
問2 次の文章は,火力発電所のタービン発電機に関する記述である。
火力発電所のタービン発電機は,2 極の回転界磁形三相 (ア) 発電機が広く用いられている。 (イ) 強度の関係から,回転子の構造は (ウ) で直径が (エ) 。発電機の大容量化に伴い冷却方式も工夫され,大容量タービン発電機の場合には密封形 (オ) 冷却方式が使われている。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
火力発電所のタービン発電機は,2 極の回転界磁形三相 同期 発電機が広く用いられている。 機械的 強度の関係から,回転子の構造は 円筒形 で直径が 小さい 。発電機の大容量化に伴い冷却方式も工夫され,大容量タービン発電機の場合には密封形 水素 冷却方式が使われている。
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問題文正答率:50.00%
問3 ある汽力発電設備が,発電機出力 19 MW で運転している。このとき,蒸気タービン入口における蒸気の比エンタルピーが 3 550 kJ/kg,復水器入口における蒸気の比エンタルピーが 2 500 kJ/kg,使用蒸気量が 80 t/h であった。発電機効率が 95 %であるとすると,タービン効率の値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
発電機出力=汽力発電設備で消費するエネルギー(W)×タービン効率(η)×発電機効率
という式が成り立つ。
題意より、タービンの前後で3550-2500=1050[kJ/kg]の比エンタルピーが減少している。
蒸気量は80[t/h]であるから、タービン前後で失うエネルギーは、
80×10\(^3\)/3600 ×1050 =23.33[MJ/s] =W
発電機出力は19[MJ/s]、発電機効率は0.95であるため、
19=23.33×η/100×0.95
η=85.7[%]https://ja.mondder.com/fq?id=1749🔗
問題文正答率:50.00%
問4 沸騰水型原子炉(BWR)に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
(1)正。
(2)正。
(3)正。
(4)誤。沸騰水型原子炉(BWR)では制御棒は炉心下部から挿入される。一方で加圧水型原子炉(PWR)の場合は、制御棒は炉心上部から挿入される。
(5)正。
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問題文正答率:50.00%
問5 次の文章は,風力発電に関する記述である。
風力発電は,風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風車は回転軸の方向により水平軸風車と垂直軸風車に分けられ,大電力用には主に (ア) 軸風車が用いられる。
風がもつ運動エネルギーは風速の (イ) 乗に比例する。また,プロペラ型風車を用いた風力発電で取り出せる電力は,損失を無視すると風速の (ウ) 乗に比例する。風が得られれば電力を発生できるため,発電するときに二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーであり,また,出力変動の (エ) 電源とされる。
発電機には誘導発電機や同期発電機が用いられる。同期発電機を用いてロータの回転速度を可変とした場合には,発生した電力は (オ) を介して電力系統へ送電される。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次 の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
風力発電は,風のエネルギーによって風車で発電機を駆動し発電を行う。風車は回転軸の方向により水平軸風車と垂直軸風車に分けられ,大電力用には主に 水平 軸風車が用いられる。
風がもつ運動エネルギーは風速の 2 乗に比例する。また,プロペラ型風車を用いた風力発電で取り出せる電力は,損失を無視すると風速の 3 乗に比例する。風が得られれば電力を発生できるため,発電するときに二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーであり,また,出力変動の 大きい 電源とされる。
発電機には誘導発電機や同期発電機が用いられる。同期発電機を用いてロータの回転速度を可変とした場合には,発生した電力は 電力変換装置 を介して電力系統へ送電される。
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問題文正答率:50.00%
問6 電力系統の電圧調整に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
解説・コメント
(1)正。
(2)正。
(3)誤。有効電力の損失は、電圧の2乗に反比例する。
(4)正。
(5)正。
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問題文正答率:50.00%
問7 図に示す過電流継電器の各種限時特性(ア)~(エ)に対する名称の組合せとして,正しいものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
選択肢の各文言の特徴は以下となる。
反限時特性:電流の大きさと動作時間が、概ね反比例の関係になる
定限時特性:一定以上の電流が流れたら、一定時間経過後に動作する
反限時定限時特性:ある大電流を境に、それ以下なら反限時特性を、それ以上なら定限時特性を示す
瞬時特性:一定以上の電流が流れたら瞬時に動作する
これらの特徴に一致しているのは(1)となる。
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問題文正答率:50.00%
問8 受電端電圧が 20 kV の三相 3 線式の送電線路において,受電端での電力が 2 000 kW,力率が 0.9(遅れ)である場合,この送電線路での抵抗による全電力損失の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。ただし,送電線 1 線当たりの抵抗値は 9 Ωとし,線路のインダクタンスは無視するものとする。
解説・コメント
受電端電圧E=2000×10\(^3\)/\(sqrt{3}\) [V]
受電端での電力P=2000×10\(^3\)/3 [W]
cosθ=0.9から、
P=EIcosθ
I=64.15 [A]
電力損失は、I\(^2\)R=64.15\(^2\)×9≒37.0 [kW]
これは1線分なので、3相三線式全体であれば、37.0×3=111[kW]
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問題文正答率:50.00%
問9 送電線路のフェランチ効果に関する記述として,誤っているものを次の(1) ~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
フェランチ効果とは、受電端電圧の方が、送電端電圧よりも高くなる現象のこと。
(1)正。
(2)正。
(3)誤。フェランチ効果は送電線に進み電流が流れることによって発生する。特に長距離の送電線路において、負荷が非常に少ない場合に発生しやすい。
(4)正。
(5)正。
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問題文正答率:50.00%
問10 次の文章は,架空送電線の振動に関する記述である。
架空送電線が電線と直角方向に毎秒数メートル程度の風を受けると,電線の後方に渦を生じて電線が上下に振動することがある。これを微風振動といい, (ア) 電線で,径間が (イ) ほど,また,張力が (ウ) ほど発生しやすい。
多導体の架空送電線において,風速が数~20 m/s で発生し,10 m/s を超えると激しくなる振動を (エ) 振動という。
また,その他の架空送電線の振動には,送電線に氷雪が付着した状態で強い風を受けたときに発生する (オ) や,送電線に付着した氷雪が落下したときにその反動で電線が跳ね上がる現象などがある。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次 の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
解説・コメント
架空送電線が電線と直角方向に毎秒数メートル程度の風を受けると,電線の後方に渦を生じて電線が上下に振動することがある。これを微風振動といい, 軽い 電線で,径間が 長い ほど,また,張力が 大きい ほど発生しやすい。
多導体の架空送電線において,風速が数~20 m/s で発生し,10 m/s を超えると激しくなる振動を サブスパン 振動という。
サブスパンとはスペーサとスペーサで区切られた区間のこと。
また,その他の架空送電線の振動には,送電線に氷雪が付着した状態で強い風を受けたときに発生する ギャロッピング や,送電線に付着した氷雪が落下したときにその反動で電線が跳ね上がる現象などがある。
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問題文正答率:50.00%
問11 地中送電線路の故障点位置標定に関する記述として,誤っているものを次の (1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
(1)正。
(2)正。
(3)正。
(4)正。
(5)誤。マーレーループ法は地絡事故には適用できるが、断線事故には適応できない。なお、パルスレーダ法は地絡事故・断線事故共に適用可能。
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問題文正答率:50.00%
問12 次の文章は,配電線路に用いられる柱上変圧器に関する記述である。
柱上に設置される変圧器としては,容量 (ア) のものが多く使用されてい る。
鉄心には,けい素鋼板が多く使用されているが, (イ) のために鉄心にアモルファス金属材料を用いた変圧器も使用されている。
また,変圧器保護のために, (ウ) を柱上変圧器に内蔵したものも使用されている。
三相 3 線式 200 V に供給するときの結線には,Δ結線と V 結線がある。V 結線 は単相変圧器 2 台によって構成できるため,Δ結線よりも変圧器の電柱への設置が簡素化できるが,同一容量の単相変圧器 2 台を使用して三相平衡負荷に供給している場合,同一容量の単相変圧器 3 台を使用したΔ結線と比較して,出力は (エ) 倍となる。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして,正しいものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
柱上に設置される変圧器としては,容量 10~100kV・A のものが多く使用されてい る。
鉄心には,けい素鋼板が多く使用されているが, 低損失化 のために鉄心にアモルファス金属材料を用いた変圧器も使用されている。
また,変圧器保護のために, 避雷器 を柱上変圧器に内蔵したものも使用されている。
三相 3 線式 200 V に供給するときの結線には,Δ結線と V 結線がある。V 結線 は単相変圧器 2 台によって構成できるため,Δ結線よりも変圧器の電柱への設置が簡素化できるが,同一容量の単相変圧器 2 台を使用して三相平衡負荷に供給している場合,同一容量の単相変圧器 3 台を使用したΔ結線と比較して,出力は \(\frac{1}{\sqrt{3}}\) 倍となる。
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問題文正答率:50.00%
問13 高圧架空配電線路又は高圧地中配電線路を構成する機材として,使用されることのないものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
(1)配電用変電所から送られてくる6600[V]の電気を100[V]や200[V]に変える働きで、高圧架空配電線路を構成する機材。
(2)高圧地中配電線路のケーブルとして一般的に使用されている。
(3)通常のがいしとは異なり、中に空洞がない型式で、劣化しにくく、高圧配電線路で使用される。
(4)低圧引込線として使用されるため、高圧では使われない。
(5)高圧架空配電線路に施設される。
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問題文正答率:50.00%
問14 我が国の電力用設備に使用される \(SF_6\)ガスに関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
解説・コメント
(1)正。
(2)正。
(3)正。
(4)誤。アーク放電の発生を抑制する効果はなく、発生したアーク放電を消弧する能力に優れている。
(5)正。
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問題文正答率:50.00%
問15 揚水発電所について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,水の密度を 1 000 kg/\(m^3\),重力加速度を 9.8 m/\(s^2\)とする。
(a) 揚程 450 m,ポンプ効率 90 %,電動機効率 98 %の揚水発電所がある。揚水により揚程及び効率は変わらないものとして,下池から 1 800 000 \(m^3\) の水を揚水するのに電動機が要する電力量の値[MW・h]として,最も近いものを次の(1) ~(5) のうちから一つ選べ。
(b) この揚水発電所において,発電電動機が電動機入力 300 MW で揚水運転しているときの流量の値[\(m^3\)/s]として,最も近いものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
解説・コメント
(a)
揚水に必要なエネルギー(P)×0.9×0.98=1800000×1000×9.8×450
P=9.00×10\(^12\) [J]
問われている単位は[MW・h]であるため、
9.00×10\(^12\) /(1×10\(^6\)) /3600 =2500 [MW・h]
(b)
流量をQ[kg/s]とする。
P=300[MW]の時、
300×10\(^6\)×0.9×0.98=Q[kg/s]×9.8×450
Q=60000[kg/s] 求める流量の単位は[m\(^3\)/s]であるため、
60000/1000 =60.0[m\(^3\)/s]
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問題文正答率:50.00%
問16 定格容量 80 MV・A,一次側定格電圧 33 kV,二次側定格電圧 11 kV,百分率インピーダンス 18.3 %(定格容量ベース)の三相変圧器 \(T_A\)がある。三相変圧器 \(T_A\) の一次側は 33 kV の電源に接続され,二次側は負荷のみが接続されている。電源の百分率内部インピーダンスは,1.5 %(系統基準容量ベース)とする。ただし,系統基準容量は 80 MV・A である。なお,抵抗分及びその他の定数は無視する。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
(a) 将来の負荷変動等は考えないものとすると,変圧器 \(T_A\) の二次側に設置する遮断器の定格遮断電流の値[kA]として,最も適切なものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
(b) 定格容量 50 MV・A,百分率インピーダンスが 12.0 %(定格容量ベース)の三相変圧器 \(T_B\) を三相変圧器 \(T_A\)と並列に接続した。40 MW の負荷をかけて運転した場合,三相変圧器 \(T_A\) の負荷分担の値[MW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし,三相変圧器群 \(T_A\) と \(T_B\) にはこの負荷のみが接続されているものとし,抵抗分及びその他の定数は無視する。
解説・コメント
(a)
定格電流I=P/\(\sqrt{3}\)V ≒4199 [A]
%Z=%Z\(_{一次側}\)+%Z\(_{変圧器}\)=1.5+18.3 =19.8[%]
%Z=I/I\(_S\)×100
I\(_S\)≒21.2[kA]
この短絡電流を遮断するために、遮断器は直近上位のものを選定する。
(b)
変圧器Aの負荷分担を求める式は次のようになる。
P\(_a\)=%Z\(_b\)P\(_{an}\)/{%Z\(_a\)P\(_{bn}\)+%Z\(_b\)P\(_{an}\)} ×P
それぞれに与えられた数値を代入していくと、
P\(_a\)=12.0×80/{18.3×50 + 12.0×80} ×40
=20.5[MW]
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問題文正答率:50.00%
問17 三相 3 線式 1 回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が 6 600 V, 末端にある負荷の端子電圧が 6 450 V,力率が遅れの 70 %であるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし,電線 1 線当たりの抵抗は 0.45 Ω/km,リアクタンスは 0.35 Ω/km,線路 のこう長は 5 km とする。
(a) この負荷に供給される電力\(P_1\)の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5) のうちから一つ選べ。
(b) 負荷が遅れ力率 80 %,\(P_2\)[kW]に変化したが線路損失は変わらなかった。\(P_2\) の値[kW]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
解説・コメント
(a)
まずは抵抗とリアクトルを求める。
R=0.45×5=2.25[Ω]
X=0.35×5=1.75[Ω]
電圧降下をv[V]とすると、
v=\(\sqrt{3}\)I(Rcosθ+Xsinθ)
v=6600-6450=150であるため、cosθ=0.7、sinθ=\(\sqrt{1-(0.7^2)}\)を代入し
I≒30.658[A]
求める電力P=\(\sqrt{3}\)VIcosθ=\(\sqrt{3}\)×6450×30.658×0.7
≒240[kW]
(b)
題意より、RI\(^2\)一定であることから、
I\(_2\)=I=30.658 [A]
次にV\(_2\)を求める。
電圧降下をv[V]とすると、
v=\(\sqrt{3}\)I(Rcosθ+Xsinθ)
cosθ=0.8、sinθ=0.6から、
6600-V\(_2\)=\(\sqrt{3}\)×30.658 (2.25×0.8+1.75×0.6)
V\(_2\)≒6448.7[V]
P\(_2\)=\(\sqrt{3}\) V\(_2\) I\(_2\)≒247 [kW]
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0
解説・コメント
(1)正。
(2)正。
(3)誤。水車は衝動水車と反動水車の二種類に分類されますが、吸出し管を利用するのは反動水車の方である。
(4)正。
(5)正。