精神保健福祉士国家試験 第24回午後
オプション
問題文正答率:50.00%
問題1 次のうち、18世紀に精神障害者を鎖から解放し、人間的な処遇を提唱した人物として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
選択肢のとおりです。
2.× 違います。
呉秀三は、私宅監置の状況を調べ、その悲惨さを批判しています。1919年精神病院法の制定に力を注ぎました。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
クレペリンは、精神病を内因性と外因性に分類しました。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
カールバウムは、精神疾患の症候群や疾患型の考え方を提唱しました。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
アルツハイマーは、認知や記憶力の低下などを原因とする50代の患者の症例を報告しました。その症例をクレペリンが「アルツハイマー病」と後に提唱しました。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題2 次の記述のうち、脳の各部位の働きとして、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
大脳は、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉に分けられています。それぞれ機能がありますが、情動をつかさどるのは大脳皮質ではなく、視床下部です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
延髄には呼吸中枢、心臓中枢があり、生命維持に必要な機能をつかさどっています。
3.× 違います。
小脳は、筋肉の共同運動や筋緊張、平衡感覚をつかさどっています。体温調節は、視床下部の機能です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
視床は、全身の感覚(嗅覚をのぞく)と大脳皮質をつなぐ役割を担っています。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
視床下部は、情動や食欲など自律神経の総合中枢となっています。平衡感覚は、小脳です。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題3 Aさん(25歳、男性)は、職場でパワーハラスメントにあったことで、意欲低下や食欲低下、不眠などが続き出勤できなくなった。人事担当者は産業医及びAさんと相談し、部署を異動させたところ、Aさんの症状は7日後に改善した。次のうち、Aさんの病名として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
境界性パーソナリティ障害は、情緒不安定があり、自己像も不明瞭なところ、不安定な人間関係や自傷行為などを特徴としている。事例からはそのような状態が見られません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
適応障害は、ストレスの対処方法を学んだり、ストレスのある環境から避けることにより症状が軽くなっていくことが多いです。事例からは部署異動後に症状が軽くなっている様子がみられるため、適応障害と考えることができます。
3.× 違います。
双極性感情障害は、躁病とうつ病の両方のエピソードを持つ症状があります。事例からはそのような状態が見られません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
病気不安症は、自分が病気にかかっている、またはかかるのではないかと心配し、苦痛を強く感じている症状があります。事例からはそのような状態が見られません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
心的外傷後ストレス障害は、生命の危機に瀕するほどの脅威やストレスがあった後に、過覚醒やフラッシュバックなどが見られる症状があります。事例からはそのような状態が見られません。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題4 次の記述のうち、特に誘因なく発症したうつ病の患者への、急性期における家族からの声かけとして、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
うつ病により、自己評価が下がり、悲観的になっている状況では不適切な言い方です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
退職という決断をさせるよりは、休職をすすめることの方が肝要です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
病気の診断は、家族はできません。うつ病を否定するような言い方は本人を追い詰めてしまう可能性があります。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
気晴らしを提案することは、急性期には控えていた方が良いです。急性期は、休息が必要な時期です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
うつ病により、気分や意欲の低下がある状況で大切なことを決めるのは後にすることが良いです。そのような家族からの声かけは良いです。
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問題文正答率:50.00%
問題5 Bちゃん(3歳、男児)は、同年代の子どもと一緒に遊べないことと、言葉の遅れがあるために病院を受診し、自閉スペクトラム症と診断された。お気に入りのぬいぐるみが複数あり、どこに行くにもそのぬいぐるみを持って行かないと気が済まない。帰宅すると、ぬいぐるみを決まった順番で、壁際に並べる。次のうち、Bちゃんに認められる症状として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
自閉症スペクトラム症には、限局した常同的反復性行動や特徴的な対象への関心や興味があるため、こだわりはその症状の一つです。
2.× 違います。
妄想は、うつ病や統合失調症に見られます。そのため、Bちゃんに認められる症状ではありません。よって、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
自我障害(離人症やさせられ体験など)は、統合失調症の症状で見られます。そのため、Bちゃんに認められる症状ではありません。よって、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
分離不安は、1歳未満の子どもで強い愛着を持っている対象(例えば、親)がいなくなったりした場合に見られる不安のことです。そのため、Bちゃんに認められる症状ではありません。よって、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
身体依存は、薬物依存にあらわれるもので、発熱や不眠などの身体症状が精神依存(薬物を使用しないと、不快感やいらいらしたりするなど)を強めると言われています。そのため、Bちゃんに認められる症状ではありません。よって、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題6 次の記述のうち、予後がよいと推測される統合失調症の特徴として、適切なものを2つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
解体型(破瓜型)は、感情の鈍麻や自閉傾向が緩徐に進行します。予後は悪いです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
緩徐よりは、急性に発症した方が予後は良いです。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
若年で発症するほど予後は悪いとされています。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
選択肢のとおりです。
5.〇 正解です。
選択肢のとおりです。そのため、早期発見、早期治療が大事であるとされています
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問題文正答率:50.00%
問題7 Cさん(18歳、男性)は、「部屋の中に隠しカメラがある」と3か月前から執拗に訴えるため、心配した両親と共に精神科を受診した。Cさんはリスペリドンを処方され、服用を始めた2日目の夕方より、「足がむずむずする」「じっとしていられないので、部屋の中を歩き回ってしまう」と強く訴えた。次のうち、Cさんに2日目の夕方より現れた症状として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
筋肉が緊張しすぎて勝手に動いたり、手足が動きにくくなったりする痙縮(けいしゅく)により、頭部が斜めに向いたり、舌が出たりするなどがあります。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
設問のとおりです。「足がむずむずする」「じっとしていられないので、部屋の中を歩き回ってしまう」という症状が見られます。
3.× 違います。
手足が勝手に動く、口をもぐもぐさせる不随意運動が見られます。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
長時間、同じ姿勢を取った状態でじっとしている症状が見られます。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
全身や四肢または体幹の一部の筋肉が連続して強い収縮が見られます。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題8 次のうち、精神分析療法に最も関係の深い概念として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
自動思考は、認知療法や認知行動療法に関係がある概念です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
治療共同体は、精神科病院における望ましい組織の形のことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
選択肢のとおりです。フロイトが精神分析療法を創始しました。
4.× 違います。
あるがままは、森田療法に関係がある概念です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
オペラント条件づけは、行動療法や認知行動療法に関係がある概念です。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題9 30歳前後に見える男性は、意味不明の独り言を発しながら、深夜に海岸を一人で歩いていたため、警察に保護された。警察官からの、「何をしていたのか」という問いかけに、「分からない」と答えた。付き添っている人はおらず、「名前や住所は覚えていない」と言い、身元が分かるようなものは所持していなかった。精神疾患を疑った警察官が精神科病院の受診につなげた。1名の精神保健指定医が診察したところ、暴れることはなく、頭部外傷などの身体面に緊急の治療を要する病変や自殺念慮も認められなかった。本人は入院による精神科治療が必要と認めなかったが、精神障害があるため、入院治療が必要と判断された。次のうち、この時点における男性の入院形態として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
自傷他害のおそれが認められ、通常の措置入院の手続きができない場合に、72時間に限り、1名の精神保健指定の判定で入院させることができます。事例では自傷他害のおそれが認められません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
2人以上の精神保健指定医が、自傷他害のおそれが認めた場合に、都道府県知事(指定都市市長)の権限で行われる入院です。事例では精神保健指定医が1名であること、自傷他害のおそれが見られない状況のため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
精神障害があるため入院の必要があり、本人が同意していない状態にある者や、家族等(配偶者、親権者、扶養義務者や後見人または保佐人)で同意がある時に本人の同意がなくても入院させることができます。事例では家族等の同意が見られません。
4.〇 正解です。
精神障害のため医療や保護が急速に必要な場合で、家族等の同意が得られていない時に、精神保健指定医の判定により、72時間に限り入院させることができます。事例では精神保健指定医1名により、本人に精神障害があり、入院治療が必要と判断されたため、選択肢の応急入院が当てはまります。
5.× 違います。
本人の同意による入院です。事例では本人の同意がないため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2855🔗
問題文正答率:50.00%
問題10 アルコホーリクス・アノニマス(AA)に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
AAは、自助グループです。
2.× 違います。
AAは、医療機関ではありません。そのため、自立支援医療(精神通院医療)の対象にはなりません。選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
AAは、心理専門職がカウンセリングを行うことはありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
AAは、参加者は無名で参加することが原則になっています。一方、断酒会は、実名で参加しています。
5.× 違います。
AAは、自助グループであるため、医師の診断書は必要ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題11 次のうち、ライフイベントとストレスとの相関に関する「社会的再適応評価尺度(Social Readjustment Rating Scale)」の開発者として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
セリエは、ストレス(外部環境からの刺激によって起こるひずみに対する非特異的反応)や、ストレスを引き起こす外部環境からの刺激をストレッサー、それによって生じる反応をストレス反応と定義しました。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
フロイトは、精神分析を創始しました。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
ホームズとレイは、1968年に社会的再適応評価尺度を開発しました。
4.× 違います。
エリクソンは、ライフサイクルの各段階における発達課題を乗り越えることが必要であるとしました。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
キューブラー・ロスは、死を告知された時に、①否認、②怒り、③取り引き、④抑うつ、⑤受容の5つの過程を経て死を受け入れていくと説明しました。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題12 次のうち、著名人の自殺に関する報道の後で自殺者数が増加する現象を説明する用語として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
ハロー効果は、ある対象が望ましい・望ましくない特徴をもっている場合に、その特徴に引っ張られしまい、対象全体の評価につながってしまう現象のことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
ウェルテル効果は、マスメディアによる自殺報道に影響されて、後追い自殺を引き起こしてしまう現象のことです。
3.× 違います。
カクテルパーティ効果は、音など多くの刺激の中から、自分の関心や興味のある特定の音などの刺激を選び取る現象のことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
キャリーオーバー効果は、前に出された質問が、後の質問の回答に影響を与えてしまう現象のことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
ピグマリオン効果は、相手に期待をすることで、相手もその期待に応えて成果を出すことができる現象のことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題13 次のうち、「DV防止法」において、配偶者からの身体に対する暴力を受けた被害者の申立てにより、配偶者に保護命令を発することができる機関として、正しいものを1つ選びなさい。
(注) 「DV防止法」とは、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」のことである。
解説・コメント
1.× 違います。
配偶者暴力相談支援センターは、保護命令を発する権限はありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
福祉事務所は、保護命令を発する権限はありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
裁判所(地方裁判所)は、配偶者に、①申立人への接近禁止命令、②申立人への電話等禁止命令、③申立人の子への接近禁止命令、④申立人の親族等への接近禁止命令、⑤退去命令の5つの類型があります。配偶者が保護命令に違反すると、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
4.× 違います。
警察署は、保護命令を発する権限はありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
婦人相談所は、保護命令を発する権限はありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題14 次のうち、発達障害者支援法に規定されているものとして、正しいものを2つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
精神障害者保健福祉手帳の交付は、精神保健福祉法に定められています。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
自立支援医療費の支給は、障害者総合福祉法に定められています。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
発達障害者支援法第2条3項(この法律において「社会的障壁」とは、発達障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。)に定められています。
4.〇 正解です。
発達障害者支援法第14条(都道府県知事は、次に掲げる業務を、社会福祉法人その他の政令で定める法人であって当該業務を適正かつ確実に行うことができると認めて指定した者(以下「発達障害者支援センター」という。)に行わせ、又は自ら行うことができる。)に定められています。
5.× 違います。
職場適応援助者の養成は、障害者雇用促進法に定められています。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2860🔗
問題文正答率:50.00%
問題15 次のうち、「ストレスチェック」の実施において、厚生労働大臣の定める研修を修了することなく、かつ労働者の健康管理等に従事した経験を有することなく検査の実施者となることができる者として、正しいものを1つ選びなさい。
(注) 「ストレスチェック」とは、「労働安全衛生法に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査」のことである。
解説・コメント
1.〇 正解です。
保健師は、検査の実施者となることができます。
2.× 違います。
公認心理師は、厚生労働大臣が定める研修を修了すれば実施者となることができます。労働安全衛生規則第52条の10に定められています。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
看護師は、厚生労働大臣が定める研修を修了すれば実施者となることができます。労働安全衛生規則第52条の10に定められています。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
精神保健福祉士は、厚生労働大臣が定める研修を修了すれば実施者となることができます。労働安全衛生規則第52条の10に定められています。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
理学療法士は、検査の実施者の対象となっていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題16 次のうち、セクシュアリティに関する記述として、適切なものを2つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
ジェンダーは、社会や文化によってつくられる性別のことを指しています。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
DSM‐5では、性同一性障害を性別違和に変更されています。
3.× 違います。
性的指向は、性的な魅力や関心を、どのような性別に感じるかを示すものです。選択肢の「自己の性をどのように認識しているのかを示す概念」は、性自認の説明です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
トランスジェンダーは、生物学的・身体的性と性自認が違う人のことを表しています。
5.× 違います。
性同一性は、自己の性をどのように認識しているのかを示す概念と同じものであり、ジェンダー・アイデンティティと言われています。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2862🔗
問題文正答率:50.00%
問題17 次のうち、被災者の心理的変化に関して、徐々に疲労が蓄積していくとともに、被災者同士の間で強い連帯感が生まれる時期として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
茫然自失期は、災害直後から1週間後までの時期で、茫然自失や無感覚、感覚の欠如がみられる状態です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
再建期は、災害後3カ月以降で、今後の生活再建の見通しを持ち始めることができる時期です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
幻滅期は、災害後1~3カ月ぐらいまでの時期で、怒りや不満が湧き、トラブルが起こりやすい状態です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
無感覚期という時期は、被災者の心理的変化に関する用語にありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
ハネムーン期は、被災してから1週間~1カ月で、徐々に疲労が蓄積していくが、被災者同士の間で強い連帯感が生まれる時期です。
https://ja.mondder.com/fq?id=2863🔗
問題文正答率:50.00%
問題18 次のうち、都道府県及び市町村が「精神障害者の社会復帰及びその自立と社会経済活動への参加に対する地域住民の関心と理解を深めるように努めなければならない」と条文に明記されている法律として、正しいものを1つ選びなさい。
(注)1 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。 2 「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。 3 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。 4 「障害者虐待防止法」とは、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
解説・コメント
1.× 違います。
精神保健福祉士法は、精神保健福祉士に関する条文であり、設問の条文は明記されていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
精神保健福祉法の第46条に明記されています。
3.× 違います。
医療観察法は、対象者に適切な医療提供や、社会復帰を促進するために生活環境を調整することを目的とした法律であり、設問の条文は明記されていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
障害者総合支援法は、障害福祉サービスの給付や支援の仕組みに関する条文であり、設問の条文は明記されていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
障害者虐待防止法は、障害者の虐待防止に関する条文であり、設問の条文は明記されていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2864🔗
問題文正答率:50.00%
問題19 次のうち、疾患による損失生存年数と障害生存年数の合計で表される指標として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
DUP(Duration of Untreated Psychosis)とは、精神疾患未治療期間のことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
ADL(Activities of Daily Living)とは、日常生活動作のことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
DALY(Disability Adjusted Life Year)とは、障害調整生命年のことです。先進国では、精神疾患がDALYの首位になっています。
4.× 違います。
QOL(Quality of Life)は、生活の質のことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
SDGs(Sustainable Development Goals)は、持続可能な開発目標のことです。2015年9月、国連サミットで採択された世界共通の目標です。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2865🔗
問題文正答率:50.00%
問題20 WHO(世界保健機関)の取組に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
国際疾病分類は、WHOが定めている診断基準のことです。DSM‐5は、アメリカ精神医学会が作成した精神疾患の診断・統計マニュアルのことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
オタワ憲章は、ヘルスプロモーションを定義しました。障害を3次元で分類しているのは、国際生活機能分類(ICF)です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
メンタルヘルスアトラスプロジェクトは、構造化面接法ではなく、精神保健医療に関係する政策や計画などの情報を収集し、公開する事業です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」は、2010年5月にアルコールの有害な使用を減少させる目的でWHOにて採択されました。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
メンタルヘルスギャップアクションプログラム(mhGAP)は、中低所得国の精神・神経・物質使用障害のケアを拡充するために開発されたプログラムです。
https://ja.mondder.com/fq?id=2866🔗
問題文正答率:50.00%
問題21 D精神保健福祉士はカンファレンスにおいて、Eさん(30歳)の退院を検討するために、今後、利用可能な社会資源に関連する情報をホワイトボードに図示して説明した。Eさんは、自宅への退院に備えて宿泊型自立訓練の体験をしていた。その一方、父親との折り合いが悪いことから、Eさんは以前に支援を受けていた市の保健師にも相談し、グループホームの見学も行った。また、日中については、友人のいるコンビニエンスストアで働くか、就労プログラムを実施している就労移行支援事業所又は精神科デイケアの利用を考えている。次のうち、D精神保健福祉士がカンファレンスでの説明において、情報を図示したツールとして、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
エコマップは、家族関係図(ジェノグラム)を中心に書き、クライエントを取り巻く資源の相互関係状況を図式化したものです。事例では、Eさんと社会資源との相互関係を図式化して見やすくすることでわかりやすくなります。
2.× 違います。
ファミリーマップは、家族内の相互関係状況を図式化したものです。そのため、社会資源の関係は書かれないため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
ジェノグラムは、家族関係図とも言われています。そのため、社会資源の関係は書かれないため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
ソシオグラムは、人物相関図とも言われています。そのため、社会資源の関係は書かれないため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
タイムラインは、クライエントのライフサイクルを視覚的にするための方法です。そのため、社会資源の関係は書かれないため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2867🔗
問題文正答率:50.00%
問題22 次の記述のうち、ソーシャルワークの原理に基づく実践として、適切なものを2つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
ソーシャルワークは、環境要因と個人要因のどちらかではなく、両方の相互関係を見立てていきます。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
ソーシャルワークは、「住民との協働による、課題の早期発見や見守りを推し進め、事前対応型の予防的支援を展開」します。住民と協働して問題を解決する取組は、コミュニティソーシャルワークの手法になります。
3.× 違います。
精神保健福祉士として、チームを統括したり、指揮をしたりすることは、精神保健福祉士の倫理綱領には記載されていません。他職種や他機関と連携したり、協働したりすることが明記されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
セルフネグレクトの状態があり、援助を拒む住民に対して、相談窓口に来所するように強く働きかけることは、より来所抵抗が高まると考えられます。強く働きかけるような説得では、クライエントの自己決定の尊重を脅かしているように見えます。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
ソーシャルワークは、今ある制度等では対応できない場合は、新たな活動を作ったり、社会に働きかけていくソーシャルアクション(社会活動法)が必要になります。
https://ja.mondder.com/fq?id=2868🔗
問題文正答率:50.00%
問題23 次の記述のうち、ソーシャルワークの実践モデルとして、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
選択肢の内容は、治療モデルではなく「生活モデル」です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
選択肢の内容は、医学モデルではなく「ナラティブモデル」です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
選択肢の内容は、生活モデルではなく「医学モデル」です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
ストレングスモデルは、クライエントの強みや長所、得意なこと、好きなことなどの力を見ながら、それを伸ばしたりしようとする実践のことを言います。
5.× 違います。
選択肢の内容は、「治療モデル」です。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2869🔗
問題文正答率:50.00%
問題24 次の記述のうち、精神保健福祉士が行う地域生活支援として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
服薬は自己管理ではなく親に委ねるという指導は、適切ではありません。服薬を自己管理できるように支援をしていくことが大事です。
2.× 違います。
通院中にもかかわらず、わざわざ社会復帰プログラムのある病院への入院を勧めるのは適切ではありません。現在の生活状況で自炊ができるかを一緒に考えていくことが大事です。
3.× 違います。
就労継続支援B型事業所は、障害の程度などの状況により、一般企業等での就職が難しい人に日中活動を提供する場所です。そのため、企業への就職を希望するクライエントへの紹介は適切ではありません。
4.〇 正解です。
闘病体験を同じ病を抱えた人に役立てたいクライエントに、ピアサポート活動を紹介することは適切です。
5.× 違います。
一人暮らしを希望するクライエントに、経済的なめどが立ってから相談を開始するというのは適切ではありません。めどが立っていない段階から相談を受けることで、一人暮らしの準備にもつながっていきます。
https://ja.mondder.com/fq?id=2870🔗
問題文正答率:50.00%
問題25 次の記述のうち、精神保健福祉士のバーンアウトを表す状況として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
精神保健福祉士の自信が揺らいだことは、バーンアウトとは違います。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
思っていた業務内容と、実際の業務内容が異なっていることは、バーンアウトとは違います。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
同期の精神保健福祉士と自分を比較していることで自信を失ったことは、バーンアウトとは違います。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
クライエントの行動による無力感は、バーンアウトとは違います。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
複数のクライエントの困難な状況に対応してきたなかで、疲労困憊になっていることはバーンアウトになっている可能性がみられます。バーンアウトは燃え尽き症候群とも言われています。対人援助職に多いとされています。
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問題文正答率:50.00%
問題26 次の記述のうち、精神保健福祉に関わる専門職等の役割について、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
退院後生活環境相談員は、医療保護入院からできるだけ早く退院ができるように支援を行う専門職です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
生活保護現業員は、生活保護の業務を行うケースワーカーです。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
社会復帰調整官は、保護観察所に配置されています。対象者の生活環境の調査や、精神保健観察の実施、医療機関などとの連携や調整を行います。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
精神保健福祉相談員は、都道府県や市町村などの行政機関に所属しています。そのため、精神科デイ・ケアで集団生活への適応訓練を行いません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
精神障害者雇用トータルサポーターは、ハローワークに配置され、職場実習先の開拓及び実施のための事業所への助言や調整を行います。以前(2011年まで)は、精神障害者就職サポーターと呼ばれていました。
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問題文正答率:50.00%
問題27 就労移行支援事業を利用していたFさんは、運送会社の配送準備業務に従事し3週間が経過した。ある日、仕事帰りに事業所に立ち寄り、担当であるG精神保健福祉士に、「ミスしないようにと考えすぎなのか緊張が続き、疲れが取れません。これからも頑張っていきますが、紙に書いて丁寧に指示するという就職前の約束が実行されないので、困っています」と話した。G精神保健福祉士は話を整理し、「私の方から人事担当者に改めて話します」と答えた。次のうち、G精神保健福祉士の対応の基となる考え方として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
社会モデルとは、障害による不利益は社会の仕組みや制度、文化などによって作られているという考え方です。
2.× 違います。
クラブハウスモデルは、1940年代後半、アメリカから始まった精神障害リハビリテーションの手法です。事例は、G精神保健福祉士がクラブハウスモデルで対応しているという内容ではありません。
3.× 違います。
社会的目標モデルは、グループワークの3つのモデルの1つとして、1966年にパペルとロスマンが整理しました。事例は、G精神保健福祉士が社会的目標モデルで対応しているという内容ではありません。
4.× 違います。
医療モデルは、クライエントの問題の原因を病理として、それを治療することによって解決しようとする考え方です。事例は、G精神保健福祉士が医療モデルで対応しているという内容ではありません。
5.× 違います。
相互作用モデルは、選択肢3と同様にグループワークの3つのモデルの1つです。個人と社会(環境)の相互関係に焦点を当て、その両方に介入、援助していく考え方です。事例では、FさんとG精神保健福祉士の面接内でのことであるため適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題28 次のうち、精神保健福祉士が、守秘義務よりも第三者への情報提供を優先する場合として、適切なものを2つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
スーパービジョンは、支援を行っているスーパーバイジーが、経験のあるスーパーバイザーから知識や技術について教育や受容・共感を受けながら支援を振り返ることです。この場合は、守秘義務よりも第三者への情報提供を優先させることは適切ではありません。
2.× 違います。
家族から情報開示の要求があった場合、クライエントが同意した場合は開示することができます。この場合は、守秘義務よりも第三者への情報提供を優先させることは適切ではありません。
3.〇 正解です。
精神保健福祉士の倫理綱領に、「クライエントまたは第三者の生命、財産に緊急の被害が予測される場合は、クライエントとの協議を含め慎重に対処する」と示しています(プライバシーと秘密保持)。この場合は、守秘義務よりも第三者への情報提供が優先する場合があります。
4.〇 正解です。
精神保健福祉士の倫理綱領に、「所属機関等が、クライエントの人権を尊重し、業務の改善や向上が必要な際には、機関に対して適切・妥当な方法・手段によって、提言できるように努め、改善を図る」と示しています。この場合は、守秘義務よりも第三者への情報提供が優先する場合があります。
5.× 違います。
第三者から病名の情報開示の要求があった場合、クライエントが同意した場合は開示することができます。この場合は、守秘義務よりも第三者への情報提供を優先させることは適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題29 次の記述のうち、精神保健福祉士が行う精神障害のあるクライエントへの援助の方針として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
本人の意思決定支援を行うことが前提になります。そのため、まずはクライエントの意思決定支援を行い、また一緒に暮らす親の意思も確認しながら援助の方針を立てることになります。選択肢の内容は、精神保健福祉士からクライエントの意思決定を阻害しているようにみえます。
2.〇 正解です。
クライエントが自ら意思決定ができるように支援することが大切です。選択肢は、クライエントの生活を支えるサービスを紹介しており、意思決定しやすい工夫を行っています。
3.× 違います。
精神保健福祉士から一方的に自助グループの利用をやめるように提案することは、クライエントの意思決定における選択肢の幅をせばめているようにみえます。
4.× 違います。
精神保健福祉士から一方的にこれまで使っていた通所型サービスをやめるように提案することは、クライエントの意思決定における選択肢の幅をせばめているようにみえます。
5.× 違います。
障害福祉サービス事業所だけでなく、いろいろな関係者が関わり、様々な視点から援助の方針を立てることが大切です。
https://ja.mondder.com/fq?id=2875🔗
問題文正答率:50.00%
次の事例を読んで、問題30から問題32までについて答えなさい。
〔事 例〕大規模自然災害が発生したN市保健所のH精神保健福祉士は、チームの一員として被災直後の被災地域の全戸訪問を行った。Jさん(22歳、男性)の自宅を訪問したところ、父親から、「Jは、高校卒業後に勤めた会社を半年で心身の不調を訴え退職し、ここ数年は、近所へ買物に外出する以外は自室にて過ごすようになっていた。被災後からは近所の手伝いも率先して行い、表情も明るくなり、近所の人からも本当に助かっていると言われていた。また具合が悪くならなければよいが」とJさんを心配する話を聞いた。そこで、チーム内でJさんについての情報を共有し検討した結果、継続したフォローアップが必要であると判断され、H精神保健福祉士がJさんを担当することになった。(問題30)
全戸訪問から8か月後、Jさんの父親が来所して面接することになった。面接で父親は、「Jは、手伝いをきっかけに紹介された仕事に就くことになり、家族みんなでとても喜んだ」と話した。しかし、その後沈黙が続いたため、H精神保健福祉士が尋ねると、疲れ切った様子で、「実は3か月前からJの具合が急に悪くなって」と話し始めた。「Jは、元気に働き始めましたが、そのうち帰宅しても話もせず、すぐに自室に籠もってしまい顔を合わせないことが多くなりました。また、時折、自室から嗚咽が聞こえてきたため心配して声をかけましたが、大丈夫だと返答するので、そっとしておきました。そして1か月前から、出勤時間になっても自室から出てこない日が続き、現在は欠勤が続いています。あなたから何回か訪問の提案をいただいていましたが、いつもJは私たちに断れと言っていたんです」と語った。(問題31)
父親の話を聞いたH精神保健福祉士は、Jさんの家族との面接を継続するだけでなく、Jさんに対して介入を行う必要性を感じた。(問題32)
問題30 次の記述のうち、この時点において、チームでJさんについての情報を共有し、継続したフォローアップが必要だと判断した理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。
問題31 次の記述のうち、この時点の面接におけるH精神保健福祉士のJさんの家族に対する支援として、適切なものを2つ選びなさい。
問題32 次の記述のうち、この時点でH精神保健福祉士が行う援助として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
問題30
1.× 違います。
選択肢の、Jさんが、両親の期待に応えようとしているところは見られないため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
選択肢の、Jさんが、他者との関係を持つと調子を崩すと考えられるという話が父親からはないため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
選択肢の、Jさんが、経済的な困難を訴える可能性があるという話が父親からはないため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
選択肢の、Jさんが、チームをまとめるリーダーになる可能性は父親の話や状況からは見られないため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
選択肢の、無理をして頑張っている状態である話を父親が話しているため、選択肢は適切です。
問題31
1.〇 正解です。
自尊心を高めるために、家族の対応をねぎらったり、評価することは適切です。
2.× 違います。
選択肢の、家族の認知のゆがみは事例からは見られないため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
父親の話を受容することは、父親の話すことを評価、判断することなく聴くことが大事です。父親との関係づくりやJさん自身の支援を行うことには必要な姿勢です。
4.× 違います。
選択肢の、Jさんの病気や障害について説明するのは時期尚早であることや父親自身からそのような相談がないため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
父親は、Jさんの家での様子を心配しています。そのため、選択肢の、Jさんの生活技能を向上させるための訓練を行いたいことを相談していないため、選択肢は適切ではありません。
問題32
1.〇 正解です。
本人と対面するのが難しい場合は、手紙で働きかけることも一つの方法です。
2.× 違います。
Jさんの家族からは、精神科クリニックへの受診を希望していないため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
Jさんの家族からは、精神保健福祉センターへの訪問を希望していないため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
Jさんの欠勤が続いているのは、現時点で上司の影響かどうかはっきりしていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
Jさん自身が両親と離れて生活したいという希望を、現時点では話されていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
次の事例を読んで、問題33から問題35までについて答えなさい。
〔事 例〕
Kさん(39歳)は、夫のLさん(43歳)と小学生の子ども(9歳、女児)の3人家族である。結婚して以来、Lさんは、Kさんの交友関係を絶たせ、最低限の食費のみを渡し、家計を細かく管理した。また、Lさんの思い通りに家事ができていないとKさんに殴る、蹴るなどの暴力を振るった。今回、Kさんを守ろうとした子どもにも暴力を振るったため、これを機にKさんは子どもを連れて家を離れ、福祉事務所を通じて母子生活支援施設に入所した。入所初期のKさんの話は混乱していたが、担当のM母子支援員(精神保健福祉士)は丁寧に対応し、「外から聞こえる足音が夫のような気がして怖い」「夫から離れたいけど無理かもしれない」「子育てのことも負担」ということを聞き取った。(問題33)
施設でのKさんはLさんに強いられていた生活のルールを強迫的に守ろうとし、言うとおりにしないとLさんにされたように子どもを叱責した。また、職員や他の入居者の言動を被害的に捉えて、相手を攻撃することが多かった。曖昧な対応をする職員には、「いい加減なことを言わないでほしい」と強く責めたてるため、ケース会議でKさんのことを取り上げた。(問題34)
Lさんは、A相談員(精神保健福祉士)が対応する市役所の男性相談窓口を訪れ、「暴力を振るっていた父のようになりたくなかった。理想の家庭を作りたくて、家事や育児も言うとおりにできない妻を導いてきたつもり。それなのに妻は子どもを連れて出て行った。妻だけでなく今回は子どもにも手を出してしまったので、自分でも変わらないといけないと思うが、どうしたらよいか分からない」と話した。A相談員は、「自分の行動についてなんとかしたいと思っているのですね。自分の行動を整理してみませんか」と伝えて、県内で開始されていたNPO法人が実施している事業・活動を紹介した。(問題35)
問題33 次のうち、この時点でM母子支援員が優先して取り組むKさんへの支援として、適切なものを2つ選びなさい。
問題34 次の記述のうち、ケース会議で共有する支援の方向性として、適切なものを1つ選びなさい。
問題35 次のうち、この時点でA相談員がLさんに紹介した事業・活動として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
問題33
1.× 違います。
事例から、Kさんは不安や心配、混乱している状態が見られます。そのため、選択肢の検討は、時期尚早のため適切ではありません。
2.× 違います。
Kさんの話から、夫とやりとりすることは恐怖感などの心理的な抵抗が高い状態と見られます。そのため、選択肢の弁護士の紹介は、時期尚早のため適切ではありません。
3.〇 正解です。
事例から、Kさんの不安や心配、混乱している状況が見られる場合、まずは安全、安心感が得られる相談面接を行うことが大事です。
4.× 違います。
事例から、Kさんの状態を支援することがまず必要であり、その後、子どもの支援も考えていく必要があります。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
事例から、Kさんの安全、安心感をまずは確保することが大事です。そのため、選択肢は適切です。
問題34
1.× 違います。
事例から、Kさんの職員や他の入居者の言動を被害的に捉えて、相手を攻撃することが多いところを、ケース会で共有し支援をする方向を考える必要があるため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
Kさんの態度がトラウマの影響からくるものであると考えられるため、選択肢は適切です。
3.× 違います。
選択肢の、画一化した対応マニュアルをつくることは、Lさんがしていたことと似ているために、Kさんにとってはこれまでの夫との関わり方と似通ってしまう可能性があります。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
Kさん自身が、他の住まいを希望している様子がみられないため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
精神保健福祉士が診断することはできません。まずはKさんの状況理解やトラウマの理解を共有し支援を考えることが大事です。そのため、選択肢は適切ではありません。
問題35
1.〇 正解です。
事例から、DVの加害者に紹介したプログラムとして、選択肢は適切です。
2.× 違います。
リラクゼーション法は、ストレス緩和のための方法であり、暴力行為について対応するものではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
夫婦同席カウンセリングは、夫婦間に起こっている困っていることについて一緒に解決を目指してカウンセリングを行うものです。事例から、妻のことが言われていないため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
イモーションズ・アノニマス(EA)は、感情等の問題を抱える人を対象とした自助グループです。暴力行為については対応していないため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
親支援プログラムは、子育てする親の支援プログラムです。親と子どもの関係におけるテーマについて行うプログラムです。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題36 Bさん(30歳、女性、統合失調症)は、週に4日、配送センターで仕分業務に従事して3年目となる。利用する障害者就業・生活支援センターのC就労支援担当者(精神保健福祉士)を訪れ、「配送センターの所長に、繁忙期は勤務日数を増やし、1日8時間勤務できないと雇用継続は難しいと言われた。これ以上働くと体調が不安で、通院する時間もなくなる。仕事は辞めたくない。でも、怖くて何も言えなかった」と訴えた。そこで、C就労支援担当者はBさんとの合意を得て、配送センターを訪問して所長に話をした。次のうち、この場面でC就労支援担当者が果たした役割として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
インフォームドコンセントは、患者が病状や治療について説明を受けて同意を行うものです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
アドボカシーは、権利擁護とも言われ、クライエントの権利をクライエントの代わりに代弁することを言います。C就労支援担当者が、Bさんの代わりに配送センターの所長と話をしています。そのため、選択肢は適切です。
3.× 違います。
リスクマネジメントは、危機回避のためにリスクやリスクの影響を見立てることです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
セカンドオピニオンは、主治医以外の医師に現在の治療内容や治療方針について意見を聞くことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
アカウンタビリティは、説明責任と言われたりします。例えば、クライエント等に支援内容の結果の説明などを行うことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2878🔗
問題文正答率:50.00%
問題37 次の記述のうち、精神科リハビリテーションにおけるアプローチの説明として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
IMRは、疾病管理とリカバリーのことです。支援者が管理するのではなく、当事者が疾病を自己管理して、リカバリーについても考えていくことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
IPSは、個別就労支援プログラムのことです。そのため、選択肢は適切です。
3.× 違います。
家族心理教育は、家族病理に焦点を当てるのではなく、家族に情報を伝えたり、家族状況に合う問題・課題をに対処する方法を学習したりすることです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
ACTは、グループワークを通して回復を目指すのではなく、個別のアウトリーチを行い、支援を展開する方法です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
ピアサポートは、同じような経験をした当事者同士のサポートです。そのため、経験的知識を重視します。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2879🔗
問題文正答率:50.00%
問題38 次の記述のうち、精神科専門療法に関する説明として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
生活管理技能の改善を主目的とする作業療法は、回復期です。急性期の入院患者は、病状からの救命や脱出が目的になります。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
社会生活技能訓練(SST)は、本人の希望する目標や技能を設定していきます。そのため、あらかじめ獲得すべき技能を設定して取り組むものではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
アルコール専門外来で行う集団精神療法は、治療プログラムのなかに設定されていることがあり、ある程度は参加して治療継続ができるようにされています。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
うつ病に対する認知行動療法は、捉え方の偏りを見つけ問題解決を目指していくものです。そのため、選択肢は適切です。
5.× 違います。
統合失調症に対する心理教育は、精神分析療法を用いて展開するよりは、認知行動療法の方法やグループワークの方法を用いて展開します。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2880🔗
問題文正答率:50.00%
問題39 次の記述のうち、精神保健福祉士が連携する職種の役割として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
公認心理師は、心理学の知識や技術(心理面接や心理検査)を用いて、ストレス反応の評価を行います。
2.× 違います。
睡眠導入剤の処方を行うのは医師です。薬剤師は、医師の処方せんにより調剤を行います。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
食事摂取カロリーが気になる患者に、献立の作成を行うのは、管理栄養士です。作業療法士は、作業療法を用いて、作業能力や社会適応能力の回復などを行います。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
歩行機能の訓練を行うのは、理学療法士です。介護支援専門員は、介護保険サービスの利用をするために、アセスメントや介護保険サービス利用のためのケアプランを作成したりします。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
障害福祉サービスの利用を希望する患者への、申請書の作成は、相談支援専門員です。医師は、病状診断や治療を行います。加えて、障害福祉サービスの利用に関しては、意見書を作成する場合があります。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2881🔗
問題文正答率:50.00%
問題40 次の記述のうち、相談援助過程におけるインターベンションの説明として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
相談援助過程を振り返り、契約の終了に向けて準備するのは、ターミネーション(終結)です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
援助計画の進捗状況と達成状況を評価するのは、モニタリング(プロセス評価)です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
インターベンション(支援の実際)は、個々のニーズの充足に向けて援助者や援助機関が各々の役割を遂行することです。そのため、選択肢は適切です。
4.× 違います。
課題分析で明らかになったニーズを充足する社会資源を選定するのは、プランニング(支援計画)です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
クライエントのニーズや環境に関する情報を包括的・総合的に精査するのは、アセスメントです。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2882🔗
問題文正答率:50.00%
問題41 U精神科デイケアを利用するDさんは、デイケア担当のE精神保健福祉士に相談した。「先日、隣家の玄関前に空き缶が落ちていました。その横を通り過ぎたところ、いきなり隣人から、『空き缶を捨てたのはお前か』と怒鳴られました。その時は、『違います、私じゃないです』と答えましたが、精神障害者だからそう思われたのですかね。誤解なのに」と唇を噛みしめながら訴えた。E精神保健福祉士は、「Dさんが捨てた物ではないのに、誤解されて、悔しかったですね」と話したところ、Dさんは小さくうなずいた。次のうち、この場面でE精神保健福祉士が用いた面接技法として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
励ましは、クライエントの話すことを尊重して認めることです。言葉で伝える場合や、うなずくなどしぐさで伝える方法があります。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
要約は、クライエントの話したことを、短い内容にまとめて伝える方法です。クライエントに対して話をわかっていると確認するためにする時や、クライエントの話を整理する時などに用います。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
言い換えは、クライエントが話した言葉を別の言葉で表現したり、伝えたりすることです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
繰り返しは、クライエントが話した内容で重要な言葉や話について、クライエントが使った言葉や話した内容を、そのままの言葉でクライエントに伝える方法です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
感情の反映は、クライエントの表現された感情を受容して、その感情をクライエントへ言葉にして伝え返す方法です。そのため、選択肢は適切です。
https://ja.mondder.com/fq?id=2883🔗
問題文正答率:50.00%
問題42 次の記述のうち、発達障害のある学生に対して、キャンパスソーシャルワーカー(精神保健福祉士)が行う支援として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
本人の代わりに履修登録をするのではなく、まずは本人ができるところを見つけ、そのできるところを活かすことを考えることが大切です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
計画的な課題提出が難しい場合は、どのような所で困難さがあるのか見立て、一緒に困難さに取り組むことが大切です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
書字障害がどのような要因で起きているのか見立てる必要があります。書き取りの練習をすることで解決するとは限りません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
授業中にサングラスを使用できるように大学と調整することは、学習環境などの学ぶ権利を保障していく取り組みになります。そのため、選択肢は適切です。
5.× 違います。
教員からの質問の意味がわからない場合は、教員の質問の仕方がわかりにくくさせているのか、本人が理解することが苦手なのか見立てる必要があります。自分なりに質問の意味を解釈した場合は、教員の意図することと、本人の理解の間に大きなくい違いが生じる可能性があります。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2884🔗
問題文正答率:50.00%
問題43 V地域活動支援センターのF精神保健福祉士は、一人暮らしをしている利用者を対象としてグループワークを始めることとした。F精神保健福祉士は、開始に当たり、参加するメンバーと個別に面接を行った。最近通い始めたGさんは、「まだ、みんなになじめていないので緊張します」と話した。F精神保健福祉士は、Gさんがグループに対して期待することや不安に感じることを聞くとともに、一人暮らしの様子を聞きながら、Gさんの考えや性格傾向についても把握を試みた。次のうち、この時点でF精神保健福祉士が活用した援助技術として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
アイスブレイクは、グループワークのはじめる時に緊張をほぐしたり、コミュニケーションをしやすくしたりするために行われるゲームなどを行うことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
集団規範の形成は、グループワークの終結期に形成されるものです。グループワークの開始期の時ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
感情転移の活用は、クライエントが支援者に向ける感情を面接のなかで活かすことを言います。事例では、感情を活かした面接のやり取りは見られません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
個人体験の分かち合いは、セルフグループなどで同じ体験をした人たちによって体験を分かち合うことです。事例では、個人面接をしている状況のため、選択肢は当てはまりません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
波長合わせは、個人面接やグループワークのなかで、クライエントや参加者の気持ちなどを共有できるように支援者が調整することです。事例では、F精神保健福祉士が個別に参加するメンバーと面接を行い、メンバーの気持ちなどを共感しながらグループワークをしやすいように調整しています。
https://ja.mondder.com/fq?id=2885🔗
問題文正答率:50.00%
問題44 次の記述のうち、相談援助活動におけるコンサルテーションに関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
コンサルテーションは、コンサルティと異なる専門職からアドバイスを受けることです。そのため、コンサルティの専門性に関する支援の振り返りを促すことではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
コンサルタントは、助言した結果に責任を負うことはありません。コンサルタントのアドバイスを受けて、それを実行するかどうかは、コンサルティの判断にゆだねられています。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
コンサルテーションは、アドバイスを必要とする問題の専門職にコンサルテーションをお願いします。そのため、取り上げる問題に応じてコンサルタントを選定しても良いです。
4.× 違います。
監督・指導する管理的機能を持つのは、スーパーバイザーです。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
コンサルティは、受けた助言を採用するために、コンサルタントの許可は必要ありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2886🔗
問題文正答率:50.00%
問題45 次のうち、相談援助機関に配置される職員として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
精神保健福祉相談員は、児童相談所ではなく、精神保健福祉センターや保健所などに配置される職員です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
相談支援専門員は、就労移行支援事業所ではなく、相談支援事業所に配置される職員です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
精神保健福祉士は、地域活動支援センターⅠ型に配置される職員です。
4.× 違います。
児童福祉司は、ひきこもり地域支援センターではなく、児童相談所に配置される職員です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
障害者職業カウンセラーは、障害者就業・生活支援センターではなく、地域障害者職業センター等の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に配置される職員です。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2887🔗
問題文正答率:50.00%
問題46 次の記述のうち、精神障害がある者のリカバリーについての説明として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
リカバリーは、人それぞれ違うリカバリーの過程を経ます。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
リカバリーは、本人が自由に責任を持って挑戦できるように支援を行います。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
リカバリーは、本人の障害の部分に焦点を当てるだけのものではなく、本人の持つ能力や希望などにも焦点を当てていきます。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
リカバリーは、本人の希望や夢が原動力になることがあります。
5.× 違います。
リカバリーは、身体的状況を切り離すのではなく、身体的状況も含めながら、本人の人生に意味や目的を見つけていく過程です。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2888🔗
問題文正答率:50.00%
問題47 次の記述のうち、精神障害者のケアマネジメントにおけるリハビリテーション型モデルの説明として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
利用者に社会資源をあっせんし、双方を結びつける機能を中心とするのは、仲介型(ブローカー)モデルです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
多職種による訪問支援チームが、24時間対応をするのは、集中型モデルや総合型モデルです。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
利用者との個別の治療関係に基づき、心理的アプローチを重視するのは、臨床型モデルです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
リハビリテーション型モデルは、環境調整を行いながら、能力障害に焦点を当て、生活技能の獲得を支援します。
5.× 違います。
利用者とその環境の潜在能力を引き出し、セルフケア能力を高めるのは、ストレングス型モデルです。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2889🔗
問題文正答率:50.00%
問題48 グループホームを運営しているH精神保健福祉士のところへ、近所でアパート経営をしているJさんが相談に来た。内容は、アパートの空き家対策としてのグループホームへの転用と、それによる利用者と地域住民とのトラブルの心配についてであった。H精神保健福祉士はJさんとの話から、不動産関係者が精神障害者について理解すれば、空き家をグループホームとして活用でき、精神障害者が地域住民の一員として溶け込んで、コミュニティケアが進むのではないかと考えた。そこでH精神保健福祉士は、自身の参加している支援協議会でアパート経営者や不動産関係者向けの精神障害者支援セミナーの開催を提案した。次のうち、H精神保健福祉士が提案する際に意図した精神障害者支援の理念として、最も適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
ソーシャルインクルージョンは、「社会的包摂」と訳されています。社会的に孤立したり、排除されたりした人々を社会の一員として包み込み、共に生きる社会を共につくっていくことを目指す考え方です。事例では、精神障害のある人が利用するグループホームを作るために、アパート関係者や不動産関係者に向けて働きかけようとしているため、ソーシャルインクルージョンの考え方をふまえた活動です。
2.× 違います。
ソーシャルロール・バロリゼーションは、可能な限り文化的に標準となっている手段を用いて、リスクを抱える人たちのために、価値のある社会的な役割を高めたり、支持したり、作ったりすることです。事例では、そのような目的の活動とは見えないため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
ソーシャルジャスティスは、「社会正義」と訳されます。ソーシャルワークの倫理綱領に書かれてあります。事例では、選択肢1に比べると、不正義にある状態を改善する目的で活動しているとは見えないため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
ソーシャルイクオリティは、「社会的な平等性」と訳されます。事例では、選択肢1に比べると、不平等にある状態を改善する目的で活動しているとは見えないため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
ソーシャル・コンストラクショニズムは、「社会構成主義」と訳されます。社会構築主義は、現実と呼ばれるものやその事柄は、人々の認識によって社会的に作られたものとする考え方です。事例では、そのような考え方で活動しているとは見えないため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2890🔗
問題文正答率:50.00%
問題49 次の事例を読んで、問題49から問題51までについて答えなさい。
〔事 例〕
P市に住むKさん(30歳、女性)は、学生時代に通院していた精神科病院をL君(5歳、男児)と共に受診した。診察に際してM精神保健福祉士がインテーク面接を行った。Kさんは、「5年前に結婚し、すぐにLを出産したが、2年半前に離婚した。働きながらLを育ててきたが、3か月程前から不眠が続き、仕事に行けなくなり、先月、突然解雇を言い渡された。もう生きていてもしょうがない」とうつろな表情で話した。M精神保健福祉士は、Kさんの来院をねぎらい、傾聴した。同時に、Kさんの手首に巻かれたハンカチから血がにじんでいることや、L君は5歳児にしては小さく痩せていること、不衛生な身なりで表情が乏しいことが気になった。(問題49)
診察の結果、Kさんには自傷行為が認められ、希死念慮が強く、入院治療が必要と判断された。当初Kさんは、「身寄りもなく、Lを残して入院できないしお金もない」と入院に同意しなかった。しかし、主治医より入院の必要性について説明され、M精神保健福祉士がL君への支援と、経済的な支援について説明すると、ほっとした表情を浮かべ入院に同意した。Kさんの入院と同時に、L君は一時保護となった。入院後、KさんはM精神保健福祉士との面談で、「酒飲みの父親は私に頻繁に暴力を振るったが、母親は助けてくれなかった」「離婚した夫も、酒を飲むと私とLに暴力を振るった」「離婚後、Lを厳しく叱り、世話をできないことが続いた。気付くとリストカットを繰り返していた」と語った。M精神保健福祉士は、誰にも相談できずに苦しんできたKさんに寄り添い、傾聴した。(問題50)
一時保護所のA児童福祉司(精神保健福祉士)は、L君が声かけにほとんど反応せず、言語発達の遅れがみられるため、P市と連携してL君の養育環境の整備を開始した。M精神保健福祉士は、Kさん及び主治医、A児童福祉司と共にKさんの退院後の生活について話し合う場を設けた。A児童福祉司が、母親と暮らすことを希望するL君の意向を伝えると、Kさんは、「退院してLと一緒に暮らしたいが自信がない」と語った。(問題51)
問題49 次の記述のうち、この時点で、必要な情報を収集するために、M精神保健福祉士が行う質問の内容として、適切なものを2つ選びなさい。
問題50 次の記述のうち、この時点で、M精神保健福祉士がKさんにかけた言葉として、適切なものを1つ選びなさい。
問題51 次の記述のうち、この話合いの場で提案されたKさん及びL君への支援の方針として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
問題49
1.× 違います。
インテーク面接では、選択肢のような直面化するような質問をすることはしません。
2.〇 正解です。
インテーク面接時に、L君の緊張や不安を軽減するためにも、L君が話しやすいことから質問するのは良いです。
3.〇 正解です。
インテーク面接では、言語だけでなく、身体反応や状況から情報収集することも大切です。
4.× 違います。
L君とはじめてやり取りをするインテーク面接では、L君の緊張や不安を軽減させることが第一に行うことです。
5.× 違います。
選択肢の質問では、Kさんが罪悪感を生じかねません。事例からKさんへのねぎらい、傾聴しているとことから、この時点では、Kさんの困っていることやつらさを聴くことが大切です。
問題50
1.× 違います。
安易に時間の経過とともに解決すると伝えることは、適切ではありません。
2.× 違います。
選択肢の質問の仕方では、Kさんを責めるような内容であるため、適切ではありません。
3.× 違います。
選択肢の助言の仕方では、Kさんの状況や思いを聴いて助言をしたような内容ではありません。「よくあること」であったとしても、個人によってその受け止め方や感じ方、思いは変わってきます。
4.× 違います。
選択肢の言葉は、Kさんを追い詰めるような内容に見えます。事例のKさんに寄り添い、傾聴したという内容と、選択肢の言葉が合わないため、適切ではありません。
5.〇 正解です。
選択肢の言葉は、Kさんの話した内容や思いを受容しながら聴いているように見えます。
問題51
1.× 違います。
居宅訪問型児童発達支援は、日常生活を送るために医療を必要とする場合、例えば、医療的ケア児と言われる状態や、重度の病気を持ち、外出して児童発達支援を受けることが困難な場合です。事例では、L君に言語発達の遅れが見られても、障害があると診断されていません。また、重度の病気を持っていると見られないため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
里親制度は、様々な状況により家庭で生活できない子どもを、別の家庭に一時的に受け入れて養育する制度です。事例では、まだそのような制度を活用する状況ではないため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
就職活動するためには、まずはKさん自身の病気の状況や生活を安定させることが先決です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
事例でもある通り、現時点で関係機関と連携体制を構築することは大事です。
5.× 違います。
事例では話合いのなかで、地域で暮らすための相談や支援を行っているところです。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2891🔗
問題文正答率:50.00%
問題52 次の事例を読んで、問題52から問題54までについて答えなさい。
〔事 例〕
B精神保健福祉士は、社員のメンタルヘルス対策の強化に伴い、大手製造メーカーの健康相談室に新たに採用された。ある日、健康相談室に製造管理課のC課長が欠勤が続く部下のことで相談に訪れた。C課長の話は、「部下のDさんは、責任感が強いため、多くの仕事を引き受けていた。無理をさせてしまった。Dさんに電話すると、『気持ちが落ち込み、眠れない。出勤できない自分が不甲斐ない』と自分を責めており、対応に困っている」とのことだった。B精神保健福祉士はC課長が心配している気持ちを聞き、Dさんへの対応について助言した。(問題52)
その後、C課長は、「Dさんは仕事を休んでいるものの、体調は落ち着いてきたようだ」とB精神保健福祉士に報告した。また、C課長は、「実は、他にも心配な部下が何人かいる」「部下たちは仕事の負担が多くても、無理して頑張っているように思う」「取引先の納期の意向に沿えないことで営業課に批判され、部下たちの努力が社内で評価されていないのが悔しい」と語った。B精神保健福祉士は、この状況を人事担当者に伝え、ストレスチェックの集団分析の結果、製造管理課は総合健康リスクが高いことを確認した。同課は高ストレスの傾向にあり、仕事の量的負担が高く、互いを気遣っているものの同僚からの支援は受けにくい傾向であることが分かった。そして、人事担当者から高ストレスの要因となる職場環境の改善について取り組むよう依頼を受けた。B精神保健福祉士は、人事担当者やC課長と検討し、改善に向けた具体策に取り組んだ。(問題53)
B精神保健福祉士は、取り組む中で、製造管理課の社員の多くは良い製品を作ることを考え、妥協を許さない仕事ぶりが顕著であると感じた。そして、B精神保健福祉士は、今の問題を解決するための一助として、職場環境の改善に加えて、社員一人ひとりがよりよい対処法を身に付けるための基礎的な研修が必要と考え、人事担当者とC課長の了承を得て、業務内で製造管理課の社員が参加できるように研修企画を進めた。(問題54)
問題52 次の記述のうち、この時点での、B精神保健福祉士のC課長に対する助言として、適切なものを1つ選びなさい。
問題53 次の記述のうち、B精神保健福祉士が取り組んだこととして、適切なものを2つ選びなさい。
問題54 次のうち、B精神保健福祉士が企画した研修の内容として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
問題52
1.× 違います。
現時点で半日から出社することをDさんに伝えると、Dさん自身が多くの仕事をこなすことができないことで自責の念にかられ、より体調を崩す可能性が考えられます。
2.× 違います。
Dさんの責任感が強いことから、現時点で別の部署に移る提案は、よりDさんを追い詰めてしまう可能性が考えられます。
3.× 違います。
事例から、Dさんが経済的な心配があると見ることはできません。そのため、現時点で障害年金の手続を伝えることは適切ではありません。
4.〇 正解です。
現時点で産業医に相談することは、DさんやC課長にとって心配を和らげるために大事なことです。
5.× 違います。
事例から、心の不調は見られますが、身体的な不調は見られません。そのため、選択肢は適切ではありません。
問題53
1.× 違います。
取引先の意向に沿えなかった理由を社内に公表することは、さらに課内のストレスを高めることになりかねません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
C課長に計画の作成を一任することは、C課長にとっても高ストレスになると考えられます。そのため、計画の作成は、B精神保健福祉士やほかの職員と協力して作成することが大切です。よって、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
業務量を可視化し、課内で共有することで、職員間の業務がより見えやすくなり、業務改善には役立つ方法です。
4.× 違います。
休日に親睦会を開くことは、職員の休息する時間が減ることになります。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
課内では、同僚からの支援を受けにくい状況があります。そのため、気遣いをする言葉かけを意識的に行うことで、情緒的な交流が促進されたり、支援につながったりする可能性があります。
問題54
1.〇 正解です。
労働時間と疲労度のセルフチェックをすることで、自分の業務の振り返りにもなります。
2.× 違います。
メンタルヘルス三次予防は、労働者の職場復帰を支援するためのものです。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
事例から、職場におけるハラスメント状況は見られません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
事例から、課内では同僚から支援を受けにくい傾向があるため、自分の要求を抑えることは余計に支援を受けにくい職場環境になる可能性があります。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
事例では、精神疾患のある社員への合理的配慮についてのやり取りや状況が見られません。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2892🔗
問題文正答率:50.00%
問題55 次の事例を読んで、問題55から問題57までについて答えなさい。
〔事 例〕
Eさん(33歳、女性)は、大学卒業後に仕事をしていた27歳の時に統合失調症と診断された。一時は入院していたが、現在は通院を続けながら一日中自宅で過ごしている。Eさんは今後の生活が心配になり、主治医に話したところ、精神科デイケアの利用を勧められた。デイケア担当のF精神保健福祉士による初回面談で、Eさんは、「一日中家にいて、いろいろ考えて不安に押しつぶされる感じがする。家族から仕事はどうするのかと聞かれると、焦りが強くなる。今の生活を変えたいけれど、新しい場所でうまくやれるか、不安が先に立つ。まずは生活リズムを整えたい。将来的には仕事も考えたい」と話した。F精神保健福祉士はEさんの気持ちを受け止め、週1日のデイケアを複数回体験することを提案した。(問題55)
体験後にEさんは、「同世代の人がいて、自分と同じように悩んでいる人もいる。今後も継続して利用したい」と話し、週3日のデイケア利用を開始した。1か月が過ぎた頃、EさんからF精神保健福祉士に、「デイケアに通い始めて、規則正しい生活にはなった。でも、多くのメンバーと話して仲良くなりたい、次のステップにつなげたいと頑張れば頑張るほど、うまくいかなくて焦りが強くなる。疲れてるのかな。どうしたら自然にできるんだろう」と相談があった。相談を受け、F精神保健福祉士はEさんの援助方針を検討するスタッフ会議を開催した。(問題56)
利用から半年が過ぎ、グループ活動の企画に取り組むなど、生き生きとした姿が少しずつ見られるようになった。F精神保健福祉士はモニタリング面談で、「これまでの活動を振り返り、感じていることを教えてください」と尋ねた。Eさんは、「メンバー同士で支え、支えられることで、新しい自分が生まれてきた感じ。少しずつ希望が見えてきた。これからも迷ったり、悩んだりすると思うけど、今はちょっとだけ前向きになれた自分を褒めてあげたい」と話してくれた。(問題57)
問題55 次の記述のうち、この時点でF精神保健福祉士が行うこととして、適切なものを1つ選びなさい。
問題56 次の記述のうち、このスタッフ会議でF精神保健福祉士が提案したこととして、適切なものを1つ選びなさい。
問題57 次のうち、F精神保健福祉士が、Eさんの語りから評価した内容として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
問題55
1.× 違います。
Eさんの面接は初回面接であり、支援計画を立案するためには、その前に情報収集を行う必要があります。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
Eさんがデイケアを利用したいという思いがあり、支援計画を作る際にもEさんの思いだけでなく、Eさんに関わっている人達からも情報収集を行う必要があります。
3.× 違います。
Eさんは、現時点では、生活リズムを整えた後に、将来的に仕事も考えたいと話しています。そのため、就職活動体験談を話してもらうよりは、生活リズムを整えたいと話しているため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
現時点で、Eさんは民生委員に支援を求めていません。そのため、民生委員からEさんの情報を得る必要はありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
Eさんは、将来的に就職を希望していますが、現時点での希望ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
問題56
1.× 違います。
現時点で、EさんやEさんの家族が就職や就労プログラムの参加を希望していません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
現時点で、Eさんは生活リズムを整えることはできていると話しています。また、Eさんの焦りの気持ちは次のステップに進みたいという思いがあることを話されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
Eさんは、多くのメンバーと話して仲良くなりたいと話していますが、レクリエーションの司会進行をお願いするのは負担が大きいと考えられます。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
疲労は再発につながるという理由だけで、デイケアを休むことを勧めることは適切ではありません。
5.〇 正解です。
少人数活動への参加を提案してみることは、Eさんにとって今のデイケアの状況よりは負担が少なくなると考えられます。
問題57
1.× 違います。
Eさんの話は、生活技術の獲得に関することではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
Eさんの話は、疾病や障害に対する正しい知識の獲得に関することではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
Eさんの話は、役割モデルの獲得に関することではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
Eさんの話は、デイケアに参加して、希望や前向きな気持ち、自分を褒めたいなどの発言が出てきています。そのため、自己効力感や自己有用感の向上につながっていると見られます。
5.× 違います。
Eさんの話は、社会改革に向けた意識の醸成に関することではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2893🔗
問題文正答率:50.00%
問題58 次の事例を読んで、問題58から問題60までについて答えなさい。
〔事 例〕
Gさん(50歳、男性)は、両親と農業を営んでいた28歳の時に統合失調症を発症した。通院や服薬が不規則になることがきっかけで病状が悪化し、数回の入退院を繰り返している。今回の入院が3年と長くなったのは、病状が安定するまでに時間を要したり、父親にがんが見つかって、母親がその看病や介護に追われたことも重なったからである。H精神保健福祉士は、Gさんが入院している病棟に異動してきたばかりであり、前任者から、「自宅では母親が一人で暮らしている」と申し送りを受けた。そこで、H精神保健福祉士は母親からGさんの今後についての考えを聞くことにし、面会に来院した際に面談した。母親は、「今まではGの病気が悪くなると、夫が何とかその場を収めて病院に連れて行っていた。でも今、夫は他界し、遠方にいるGの弟は疎遠なので頼れない。もし家でGの病気が悪くなったら、私だけでは不安がある。でも、今は病状が落ち着いているし、Gが希望すれば家に帰ってきてよいとも思っている」と話した。そこで、H精神保健福祉士はGさんと面接したが、Gさんは、「退院したくない、ここにいる」と素っ気なく発言して視線を外した。(問題58)
その2か月後、H精神保健福祉士は、病棟スタッフと退院支援活動を行うこととし、Gさんや入院患者数名に声をかけ、週に一度退院に向けて活動するグループを作った。グループ活動を開始して1か月後、H精神保健福祉士は、入院経験があり、地域活動支援センターを利用しているJさんにゲストとして参加してもらった。(問題59)
その後、Gさんの退院が決まり、H精神保健福祉士は母親と面談した。母親は、「Gが家に帰ってきても、食事の支度や洗濯などは何とかなる。でも、Gが自分できちんと薬を飲み、再発せずに規則正しく生活を送れるかどうかが不安。何か手助けしてくれるものはないだろうか」と話した。(問題60)
問題58 次の記述のうち、この時点で、H精神保健福祉士が行う支援として、適切なものを1つ選びなさい。
問題59 次の記述のうち、この時点で、H精神保健福祉士がJさんに期待した役割として、適切なものを1つ選びなさい。
問題60 次のうち、この時点において、H精神保健福祉士がGさんの母親に紹介した制度として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
問題58
1.× 違います。
Gさんが退院したくないと発言した後、視線を外したことから何か思いを持っていることが考えられます。そのため、現時点で入院継続の希望を代弁することは、適切ではありません。
2.〇 正解です。
H精神保健福祉士は異動してきたばかりで、Gさんとの面接は少ないと考えられます。今後、面接回数を増やし、Gさんの思いを聴くことは大事です。
3.× 違います。
現在、Gさんのケアを行っている病棟スタッフには話の内容を伝えることは大事です。その際は、どのような内容を伝えるかGさんに確認しながらになります。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
現時点で、Gさんや母親に家族会を紹介するのは適切ではありません。まずは、Gさんや母親の思いを聴くことが先決です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
事例で、弟とは疎遠状態となっているため、弟に退院を勧めるように手紙を送ることは適切ではありません。まずは、Gさんや母親の思いを聴くことが先決です。そのため、選択肢は適切ではありません。
問題59
1.〇 正解です。
退院後の生活が想像できるような話をしてもらうことで、少しでも心配や不安が和らぐと考えられます。
2.× 違います。
病院で依存的な生活を続けないように助言することは、適切ではありません。そのようになった背景を一緒に確認したり、考えていくことが大事です。
3.× 違います。
利用できる障害福祉サービスの手続について説明するのは、JさんよりはH精神保健福祉士の役割になります。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
家族と経済的援助の約束を交わすように説得することは、Jさんの役割ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
事例で、銀行のキャッシュカードの使い方を知りたいという話はありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
問題60
1.× 違います。
居宅介護は、自宅にて、入浴や食事等の介護や調理、洗濯などの家事支援を行うものです。そのため、Gさんの母親が話している心配している状況とサービス内容が合っていません。よって、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
精神科訪問看護では、病状の様子の確認や服薬管理、生活相談も行います。Gさんの母親が話している心配している状況とサービス内容が合っています。
3.× 違います。
行動援護は、知的障害や精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要する者が利用できます。外出時における移動中の介護や排せつ及び食事等の介護などを行います。そのため、Gさんの母親が話している心配している状況とサービス内容が合っていません。よって、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
日常生活自立支援事業は、知的障害や認知症、精神障害等で判断能力が不十分な者を対象に、福祉サービスの利用支援や日常的な金銭管理等の支援を行います。そのため、Gさんの母親が話している心配している状況とサービス内容が合っていません。よって、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
障害支援区分の認定調査は、障害者総合支援法の障害福祉サービスを利用するために行うものです。そのため、Gさんの母親が話している心配している状況と選択肢が合っていません。よって、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2894🔗
問題文正答率:50.00%
問題61 精神医療審査会に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
医療保護入院者は審査の対象です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
精神科病院の管理者に入院中の者の退院を命じることができるのは、都道府県知事又は指定都市の長です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
精神医療審査会は、5名の合議体で、医療委員2名以上、法律家1名以上、精神障害者の保健又は福祉に関し学識経験を有する者1名以上で構成されています。
4.× 違います。
精神医療審査会委員の任期は2年です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
精神科病院に入院中の者が請求する場合は、当該者が口頭(電話も含む)による請求も認めるものとされています。
https://ja.mondder.com/fq?id=2895🔗
問題文正答率:50.00%
問題62 次のうち、障害者基本法に規定されている事項として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
障害者基本法第36条に、都道府県等における合議制の機関について規定されています。
2.× 違います。
障害福祉計画の策定については、障害者総合支援法第87条に規定されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業については、障害者総合支援法第78条に規定されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
都道府県障害者権利擁護センターについては、障害者虐待防止法第36条に規定されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
難病相談支援センターについては、難病の患者に対する医療等に関する法律に規定されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2896🔗
問題文正答率:50.00%
問題63 次の記述のうち、「障害者総合支援法」における自立支援医療(精神通院医療)の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
解説・コメント
1.× 違います。
月の負担上限額を超えない場合の自己負担は、原則1割です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
受給者証の有効期間は、原則1年間です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
精神通院医療の要否に関する判定を行うのは、都道府県または指定都市に設置される精神保健福祉センターです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
自己負担の上限は、所得に応じて決定されます。応能負担になります。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
支給認定の申請書は、市町村に提出します。
https://ja.mondder.com/fq?id=2897🔗
問題文正答率:50.00%
問題64 次の記述のうち、健康保険法における入院時生活療養費の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
特定長期入院被保険者とは、65歳以上で療養病床に入院をしている被保険者のことです。そのため、入院時生活療養費が支給されます。
2.× 違います。
入院時生活療養費は、一般病床ではなく、療養病床に入院している者が対象です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
入院時生活療養費は、食費と居住費の一部が給付されます。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
入院するための移送費は、入院時生活療養費には含まれていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
入院時生活療養費で、食事や居住費の自己負担は高額療養費の算定の対象ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2898🔗
問題文正答率:50.00%
問題65 Kさん(42歳)は、17歳の時に統合失調症と診断された。その後、現在まで精神科診療所への通院を続けている。大学を卒業後に初めて就職をしたものの、体調を崩し仕事は長続きしなかった。その後も、何度か就職するも病状が悪化して半年も経たずに退職することを繰り返していた。Kさんは直近の2年間は働いておらず、親亡き後の生活における経済的不安を抱えるようになった。そのことを知った通院する精神科診療所の精神保健福祉士は、Kさんが受給できる可能性のある障害者に対する経済的な支援制度の申請を提案した。次のうち、精神保健福祉士がKさんに申請を提案したものとして、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
Kさんは、17歳の時に統合失調症と診断されているため、障害基礎年金の初診日が20歳未満の条件に当てはまります。
2.× 違います。
障害厚生年金は、厚生年金保険の被保険期間中で初診日があった場合で、障害等級表の障害に当てはまる場合に支給されます。事例のKさんは、17歳の未就労時の時に診断されたため、障害厚生年金は当てはまりません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
障害手当金は、厚生年金被保険者で障害の原因となる傷病の初診日があった場合、支給される一時金です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
特別障害者手当は、重度の障害があるため、日常生活で常時特別の介護を必要とする状態にある在宅の20歳以上の者が支給対象となります。事例のKさんは、常時介護を必要としていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
特別障害給付金は、1991年(平成3年)3月31日以前に国民年金任意加入の対象だった学生や、1986年(昭和61年)3月31日以前に国民年金任意加入の対象だった被用者等の配偶者で、任意加入していなかった時期に初診日があり、障害基礎年金の1、2級に当てはまる者です。事例のKさんは、42歳であるため対象ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2899🔗
問題文正答率:50.00%
問題66 次のうち、仮釈放の許否決定の権限を有する機関として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
地方裁判所は、仮釈放の許否決定の権限を有していません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
地方検察庁は、仮釈放の許否決定の権限を有していません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
保護観察所は、仮釈放の許否決定の権限を有していません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
地方更生保護委員会は、仮釈放の許否決定の権限を有しています。更生保護法第16条に、地方更生保護委員会の業務が規定されています。
5.× 違います。
刑務所は、仮釈放の許否決定の権限を有していません。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2900🔗
問題文正答率:50.00%
問題67 「医療観察法」における地域処遇に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
(注)1 「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。 2 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
解説・コメント
1.× 違います。
地方裁判所の通院処遇は原則3年です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
指定通院医療機関は、地方裁判所の審判により通院処遇の内容が決まります。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
日常生活における相談は、保護観察所に配置されている社会復帰調整官です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
指定通院医療機関での通院医療費は、公費負担になります。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
対象者本人は、原則として保護観察所が主催するケア会議に出席して意見を述べることができます。
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問題文正答率:50.00%
問題68 次の記述のうち、「医療観察法」における社会復帰調整官に関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。
(注) 「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
解説・コメント
1.× 違います。
生活環境の調査は、入院または通院による医療の決定等に、地方裁判所の依頼によって対象者の生活環境の調査を行います。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
通院による処遇が決定された者に対して、精神医療観察を行います。医療観察法第19条に規定されています。
3.× 違います。
生活環境の調整は、入院決定を受けた対象者に対して行い、退院後の生活環境の調整を行うために早期から関わります。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
選択肢1と同様に、地方裁判所の依頼によって、生活環境の調整を行います。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
精神保健観察は、対象者が通院による処遇を受けている間に行われます。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題69 次のうち、社会調査における無作為化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
無作為化比較試験は、質的調査ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
対象者の無作為抽出が前提条件となる場合は、単純無作為抽出法や系統無作為抽出法などです。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
無作為化比較試験は、対象者を二つの群に分け、一方は集団に介入する群、もう一方は、介入しない群に分け、その結果を比較して差を分析します。
4.× 違います。
一つの群を繰り返し測定を行う調査は、縦断調査と言われています。そのなかに、コホート調査、パネル調査などがあります。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
理論的サンプリングが行われるのは、グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)です。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題70 次の事例を読んで、問題70から問題72までについて答えなさい
〔事 例〕
Lさん(39歳、女性)は、統合失調症の患者である。身寄りのないLさんは、働きながら一人暮らしをしていたが、仕事上のストレスから32歳で発症し、精神科病院へ入院となった。6か月の入院治療の結果、陽性症状は落ち着き、一人暮らしを再開することになった。ある日、通院する精神科病院のM精神保健福祉士は、「頑張ってはいるけれど、毎日の家事がとても大変です」とLさんから相談を受けた。話を聞くと、陰性症状としての意欲の低下が著しく、身の回りのケアに困難がある様子がうかがえた。生活状況の確認のためLさんの部屋を訪れると、室内はひどく散らかっており、食事内容も偏っているようであった。M精神保健福祉士は、W指定特定相談支援事業者を紹介し、Lさんは「障害者総合支援法」におけるホームヘルパーによる調理や洗濯・掃除など家事の援助・相談が受けられる制度を利用し始めた。(問題70)
しばらく安定した生活をしていたLさんであったが、38歳の時、通院している病院の定期的な血液検査の結果、糖尿病が進行していることが明らかになった。これ以上の悪化を予防するため健康管理の必要性を感じたM精神保健福祉士は、Lさんと相談の上、主治医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師が自宅に訪問するサービスの利用を支援した。(問題71)
ホームヘルパーと看護師による訪問を受けるようになったLさんであったが、次第に戸惑いの表情を見せるようになった。心配したM精神保健福祉士が話を聞くと、「私はできれば働きたい。でも訪問してくれる人や主治医は、口々に違うことを言う。私はどうしたらいいのか分からなくなってきた」とLさんは訴えた。本人の意向に基づく支援内容の検討の必要性を感じたM精神保健福祉士は、その状況をW指定特定相談支援事業者に報告した。そこでW指定特定相談支援事業者は、支援方針を調整するため本人を含めた関係者が参加するケア会議を開催した。(問題72)(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
問題70 次の記述のうち、Lさんが利用し始めた制度の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
問題71 次のうち、Lさんに提供されるサービスの根拠となるものとして、正しいものを1つ選びなさい。
問題72 次のうち、この時の活動に対してW指定特定相談支援事業者に支給されるものとして、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
問題70
1.× 違います。
ホームヘルパーによる調理や洗濯・掃除など家事の援助を行うのは、介護給付に位置付けられます。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
居宅介護を利用するためには、障害支援区分の判定は必要です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
障害者総合支援法のサービスの利用負担は、所得に応じて設定されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
障害者総合支援法の給付費は、国が原則として2分の1を負担します。
5.× 違います。
居宅介護は、義務的経費に位置付けられています。そのため、選択肢は適切ではありません。
問題71
1.× 違います。
介護保険制度に訪問看護はありますが、Lさんは39歳であるため介護保険サービスを利用することができません。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
地域生活支援事業は、訪問看護は実施されていません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
医療保険制度の訪問看護を受けることができます。
4.× 違います。
無料低額診療事業は、対象者が低所得者や要保護者、DV被害者、人身取引被害者等の生計困難な者で無料または低額な料金で診療できる事業です。事例のLさんは、対象者にはなりません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
地域相談支援は、地域移行支援や地域定着支援を行っていますが、訪問看護はありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
問題72
1.× 違います。
生活扶助費は、生活保護における費用です。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
計画相談支援給付費は、サービス等利用計画作成や援助方針の調整に関するケア会議を開催する場合などのサービス利用支援において事業者に支給される費用です。
3.× 違います。
介護給付費は、介護給付のサービスにおいて事業者に支給される費用です。事例の内容は、介護給付の対象ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
訓練等給付費は、訓練等給付のサービスにおいて事業者に支給される費用です。事例の内容は、訓練等給付の対象ではありません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
市町村特別給付は、介護保険法において保険給付以外で、市町村が定めることによって行うことができるサービスに給付されるものです。例えば、おむつ支給や移送・配食サービスなどがあります。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題73 次のうち、「障害者総合支援法」に基づくサービスに関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
解説・コメント
1.× 違います。
共同生活援助(グループホーム)は、訓練等給付に位置づけられています。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
福祉ホームは、地域生活支援事業(都道府県任意事業)に位置づけられています。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
住宅入居等支援事業(居住サポート事業)の実施主体は、市町村です。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
外出時において視覚障害のある障害者に同行する支援は、同行援護です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
自立訓練(生活訓練)の申請には、サービス等利用計画案を市町村に提出します。
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問題文正答率:50.00%
問題74 次のうち、精神障害者の就労を支援する機関に配置が規定されている職名として、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
公共職業安定所(ハローワーク)には、精神障害者雇用トータルサポーターが配置されています。
2.× 違います。
就労継続支援A型事業所には、障害者職業カウンセラーは配置されていません。障害者職業センターに配置されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
地域活動支援センターは、サービス管理責任者は配置されていません。障害者総合福祉法における障害福祉サービスを提供する事業所に配置されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
地域障害者職業センターには、就労支援員は配置されていません。障害者総合支援法における就労移行支援事業所に配置されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
ジョブカフェには、職業指導員は配置されていません。就労移行支援事業所や就労継続支援事業所(A型・B型)に配置されています。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題75 次の記述のうち、諸外国における精神保健福祉に関する説明として、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
精神科病院の新設を禁止する法律第180号が制定されたのは、イタリアです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
「ついに闇からの脱出」が政府から発表されたのは、カナダ連邦政府です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
クラブハウスモデルの起源は、アメリカ(ニューヨーク)の当事者活動からです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
アンチスティグマプログラムとして「Open the Door」を発案したのは、世界精神医学会(WPA)です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.〇 正解です。
韓国では、精神保健福祉に関わる専門職として、精神健康専門要員が1977年から位置づけられています。
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問題文正答率:50.00%
問題76 指定特定相談支援事業者に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.〇 正解です。
指定特定相談支援事業者は、市町村が指定します。
2.× 違います。
指定特定相談支援事業者は、生活が一時的に困難となった者を対象とした入所施設の運営を行うことはしません。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
指定特定相談支援事業者は、生活福祉資金の貸付は行いません。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
指定特定相談支援事業者は、地域定着支援を行いません。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
指定特定相談支援事業者は、居宅サービス計画の作成を行いません。そのため、選択肢は適切ではありません。
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問題文正答率:50.00%
問題77 行政機関における精神保健福祉業務に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
解説・コメント
1.× 違います。
成年後見制度利用支援事業の利用申請の窓口業務は、市町村が担います。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
救護施設への入所措置に関する業務は、福祉事務所からの措置委託によって行われます。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
保健所は、市町村が実施する精神障害者に対する施策の技術的な支援を行います。
4.× 違います。
地域活動支援センター機能強化事業を実施するのは、市町村地域生活支援事業(障害者総合支援法)です。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
精神障害者保健福祉手帳の申請の受理を行うのは、市町村の担当窓口です。そのため、選択肢は適切ではありません。
https://ja.mondder.com/fq?id=2909🔗
問題文正答率:50.00%
次の事例を読んで、問題78から問題80までについて答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(30歳、男性)は、21歳の時に統合失調症と診断され、母親と二人で住む市内にあるX精神科病院に入院した。しばらくして症状はようやく落ち着いたが、母親は自宅への退院に難色を示し、他の退院後の受入先も確保できず退院の話は進まなかった。そのうちAさんの退院意欲が減退したこともあり、入院は長期化した。Aさんは28歳の時、地域で生活する精神障害当事者と対話できるX精神科病院内のプログラムに参加した。そこでAさんは退院意欲が喚起され、病院のB精神保健福祉士に、「退院して自宅に戻りたい」と相談を持ちかけた。B精神保健福祉士は、Aさんとの面接に加えて母親との面接を設定した。面接で母親は、「病気のことがよく分からないし、また入院前の、あの大変な状況に戻っても対応できる自信がない」と語り、自宅への退院に後ろ向きであった。B精神保健福祉士は、家族を対象に専門家が実施するX精神科病院内の家族の感情表出に着目したプログラムへの参加を勧めた。(問題78)
プログラムへの参加を通して、母親はAさんの自宅への退院に前向きになり、様々な人の支援を受けながらAさんは自宅へ退院した。しかし退院後間もなく、母親は体調を崩して1週間ほど入院となり、自宅でAさんの身の回りの世話をできる人がいなくなった。Aさんは生活能力の低下もあいまって心細さを強く訴えるようになったため、「障害者総合支援法」に規定される、短期間の入所により食事や入浴の提供などを行うサービスを利用することとした。(問題79)
母親の退院後しばらくして、Aさんは自宅に戻った。B精神保健福祉士の勧めでY地域活動支援センターに通い、徐々に地域での生活を楽しむようになった。Y地域活動支援センターでは、米国で精神障害当事者が開発したリカバリーに向けたプログラムが行われていた。入院中に知り合ったCさんに誘われてAさんもそのプログラムに参加した。そこで、自分のこれからの人生を考えられるようになった。(問題80)(注) 「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
問題78 次のうち、Aさんの母親が参加したプログラムとして、適切なものを1つ選びなさい。
問題79 次の記述のうち、Aさんが利用したサービスの説明として、正しいものを1つ選びなさい。
問題80 Aさんが参加したプログラムに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
解説・コメント
問題78
1.〇 正解です。
心理教育は、事例にある家族を対象に専門家が実施するX精神科病院内の家族の感情表出に着目したプログラムなど、患者や家族が病気などに関する知識や技術を身につけることを目的にしたものです。
2.× 違います。
社会生活技能訓練(SST)は、Aさん自身が受けるプログラムです。事例では、母親が対象になっているため、選択肢は適切ではありません。
3.× 違います。
包括型地域生活支援プログラム(ACT)は、利用者やその家族が生活する場所に訪問して支援をするものです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.× 違います。
ピアカウンセリングは、同じような体験や経験をした人たち同士で対等な関係のなか支え合うサポートのことです。事例では、専門家が実施しているため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
森田療法は、神経症に対応した精神療法です。事例では、母親が対象で感情表出に着目したプログラムであるため、選択肢は適切ではありません。
問題79
1.× 違います。
事例で、「障害者総合支援法」に規定される、短期間の入所により食事や入浴の提供などを行うサービスを利用することとしたため、短期入所のサービスを利用したと考えられます。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.× 違います。
短期入所の利用申請の窓口は、市町村です。そのため、選択肢は適切ではありません。
3.〇 正解です。
短期入所は、夜間もサービスを提供します。
4.× 違います。
短期入所は、介護給付に基づくサービスです。そのため、選択肢は適切ではありません。
5.× 違います。
短期入所は、施設内で食事や入浴などの介護等を行うサービスであり、選択肢の定期的な巡回訪問という表現は適切ではありません。
問題80
1.× 違います。
「私たちは一人ぼっちではない(We are not alone)」を合言葉としているのは、クラブハウスモデルです。そのため、選択肢は適切ではありません。
2.〇 正解です。
WRAPは、週1~2回、ファシリテーターの進行で進められ、セルフプランを作成します。その時のファシリテーターは、当事者が担当します。
3.× 違います。
「支援者と共同で創出した働く場が起源」であるのは、ソーシャルファームのことです。そのため、選択肢は適切ではありません。
4.〇 正解です。
WRAPは、日常生活管理プラン、注意サインに対処するプランなど6つの個別に作成したプログラムになっています。
5.× 違います。
「匿名での参加」は、AA(アルコホーリクス・アノニマス)の活動です。AAは、実名を名乗らずに、ニックネームで呼び合います。そのため、選択肢は適切ではありません。
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