作業療法士国家試験過去問第54回午前
オプション
問題文正答率:25.00%
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。 2つ選べ。
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問題文正答率:25.00%
作業場面を示す。 この作業分析で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. × 絵画と比べて自由度が「高い」のではなく低い。絵画(かいが)の定義とは「なんらかの支持材、場所の上に、各種の顔料などによって物の形や姿を平面上に表現したもの」となっている。そのため、油絵や色彩画はもちろんの事、切り絵や版画も絵画と呼べる。それらと比較すると、輪郭だけ描かれた図形や模様の中に、色を塗りわけてる塗り絵は自由度は「低い」と言える。
2. 〇 正しい。いつでも作業を中断・再開できる。
3. × 塗り絵の情緒反応としては、「攻撃性の出現」ではなく気分転換をはかり集中力を高め、達成感が得られやすい。
4. × 主とした関節運動は「手関節屈曲・伸展」ではなく、①手指のそれぞれの関節運動、②筋による把持力や調整力である。
5. × 肩関節筋力増強を目的としては行われない
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問題文正答率:25.00%
3
頭部 MRI の T2 強調像(①〜⑤)を示す。 正常圧水頭症の状態を示すのはどれか。
解説・コメント
1. × 被殻出血である。
2. × 左中大脳動脈の急性期の脳梗塞である。
3. × 正常な脳画像である。
4. 〇 正しい。正常圧水頭症の画像分析として、①シルビウス裂 拡大、②側脳室の拡大、③脳溝の狭小化である。
5. × もやもや病でみられる穿通枝が拡大して形成された異常血管網の画像である。両側の中大脳動脈領域に点状の無信号が多発している。
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問題文正答率:25.00%
30 歳の男性。単純エックス線写真を示す。 この骨折で損傷されていると推測されるのはどれか。
解説・コメント
画像はモンテジア骨折(尺骨近位1/3骨折および橈骨頭の前方脱臼)である。
1.× 上腕三頭筋腱は上腕骨後面に位置しているため損傷の可能性は低い。ちなみに、上腕三頭筋の【起始】①内側頭:上腕骨後面の橈骨神経溝の下方の大部分(広い)、両側の筋間中隔、②外側頭:上腕骨橈骨神経溝の上方、③長頭:肩甲骨の関節下結節、【停止】尺骨の肘頭である。
2.× 上腕二頭筋腱は上腕骨前面に位置しているため損傷の可能性は低い。ちなみに、上腕二頭筋の【起始】①長頭:肩甲骨の関節上結節、②短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散である。
3. 〇 正しい。橈骨輪状靱帯は、尺骨の橈骨切痕の前縁と後縁に付着し、橈骨の関節環状面を輪状に取り巻く強い靭帯である。写真から、橈骨と尺骨が乖離していることから、それが損傷されていることが推測できる。
4. × 方形回内筋の【起始】尺骨下部1/4前面で、【停止】は、橈骨下部1/4前面である。損傷の可能性は低い。
5. × 長掌筋腱の【起始】上腕骨内側上顆、前腕筋膜内面で、【停止】手掌で手掌腱膜となる。骨折しているのは尺骨であり、内側(橈側)に走行する長掌筋は損傷の可能性は低い。
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問題文正答率:25.00%
改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)において、90 % 以上 の通過率で、2 秒以上図の姿勢が可能となる時期はどれか。
解説・コメント
90%の通過率とは、検査表の▢の枠の右端に相当する月齢で示される。よって、選択肢4.12か月以上14か月未満が正しい。
別紙参照
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問題文正答率:25.00%
49 歳の男性。くも膜下出血後、高次脳機能障害の診断を受けた。現在は妻が車で送迎し、通院リハビリテーション治療と作業所への通所を行っている。 WAIS-Ⅲは言語性 IQ 77 点、動作性 IQ 70 点、全検査 IQ 72 点。三宅式記銘力検査で、有関係対語 5-7-8、無関係対語 0-1-1、TMT で、A84 秒、B99 秒。妻がフルタイムで復職するため、通院や通所への対応が必要となった。本人は自分で車を運転しての通院・通所を希望している。 対応として正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 通院や通所を中止する優先度は低い。むしろ、本症例は、知能検査及び記銘力検査が低下しており、本人の希望としても「自分で車を運転しての通院・通所」があげられているため、継続した通院・通所が必要である。
2.× 運転免許証を返納させる優先度は低い。運転の可否は医療機関での神経心理学的検査などの結果で「医療従事者(作業療法士)が決める」のではなく、最終的には自動車教習所の教官が決める。また本症例のTMTの結果だけ見ると、必ずしも運転の適性を著しく欠いているとは言い切れない。
3.〇 正しい。バスを利用しての外出訓練を行う。なぜなら、本人の希望としても「自分で車を運転しての通院・通所」があげられており、一人での通院や通所になれる必要があるため。
4.× 自分で車を運転しての外出訓練を行う優先度は低い。なぜなら、自動車教習所の運転適性の評価を受けていない段階で、運転するのは危険であるため。
5.× ケアマネジャーと一緒の外出訓練を行う優先度は低い。ケアマネジャーは、正式名称は「介護支援専門員」といい、「要介護者等からの相談に応じ、要介護者等がその心身の状況等に応じ適切なサービスを利用できるよう市区町村、サービス事業者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたもの(法第七条第五項関係)」と定義されている。主な仕事は、ケアプランを作成する職業である。
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問題文正答率:25.00%
20 歳の男性。頸髄完全損傷。受傷3 週後の Daniels らの徒手筋力テストにおける上肢の評価結果を示す。 この患者が獲得する可能性の最も高い ADL はどれか。
右 | 左 | |
大胸筋 | 4 | 4 |
三角筋 | 5 | 5 |
上腕二頭筋 | 5 | 5 |
上腕三頭筋 | 0 | 1 |
円回内筋 | 0 | 1 |
長短橈側手根伸筋 | 4 | 4 |
橈側手根屈筋 | 0 | 1 |
広背筋 | 0 | 0 |
解説・コメント
1.× 床から車椅子へ移乗することは、C6BⅢ以上残存レベルで行える。上腕三頭筋のプッシュアップ動作が必要になる。
2.× 10cmの段差をキャスター上げをして昇ることは、C8以上残存レベルで行える。車椅子のキャスター上げ(瞬間的に持ち上げる)/車椅子で5cmの段差昇降は、C7レベルの機能残存が必要である。瞬間的なキャスター上げは、約5cmの段差昇降を可能にする。ちなみに、キャスター上げの保持(持続的なキャスター上げ、キャスターを上げたままの移動)は、手指屈筋群が機能するC8レベル以下の機能が必要になる。
3.〇 正しい。ベッド上背臥位からベッド柵を使用せずに、(頚部と上肢を回旋し反動を利用して)寝返ることができる。
4.× ベッド端座位のプッシュアップで20cm殿部を持ち上げることは、C6BⅢ以上残存レベルで行える。上腕三頭筋のプッシュアップ動作が必要になる。
5.× 車椅子上、体幹前屈位からアームサポートに手をついて上半身を起こすことは難しい。上腕三頭筋の肘伸展・広背筋の体幹伸展筋力がMMT0であることから難しいと言える。
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問題文正答率:25.00%
55 歳の男性。倒れてきた本棚により右肘上部を圧迫され正中神経麻痺を生じた。 約 1か月経過したが、右上肢の運動障害と感覚障害を認めていることから装具療法を行うことになった。 使用する装具で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。長対立装具は、正中神経高位麻痺に使用する。母指対立が困難になるため。
2.× IP伸展補助装具は、ボタンホール変形の予防矯正に用いる。
3.× ナックルベンダーは、尺骨神経麻痺に使用する。
4.× Thomas 型懸垂装具は、橈骨神経麻痺に使用する。
5.× コックアップ・スプリントは、橈骨神経高位麻痺に使用する。
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問題文正答率:25.00%
第 5 頸髄不全四肢麻痺<ASIA C>患者の図の矢印の部分に褥瘡ができた。 見直すべき動作で考えられるのはどれか。
解説・コメント
1.× 移乗の優先度は低い。なぜなら、C5レベル(ASIA C)は、移乗は前方・側方どちらでも可能でなるが、どのパターンでも肘頭には荷重がかからないため。
2.× 座位保持の優先度は低い。なぜなら、C5レベル(ASIA C)は、長時間の座位保持が可能である。仙骨に褥瘡がある場合は座位保持を見直す必要がある。
3.× 立ち上がりの優先度は低い。
4.〇 正しい。起き上がりは見直すべき動作で考えられる。起き上がりにおいての臥位から座位へと起き上がる際に、on elbowの状態では肘頭に圧がかかるため、動作の見直しが必要である。引き続き、同じパターンで圧をかけていると治りが遅かったり、そこから感染と起こり得る。
5.× プッシュアップの優先度は低い。なぜなら、C5レベル(ASIA C)は、プッシュアップが行えないため。また、プッシュアップ動作では、肘頭に圧がかからないため、動作の見直しは必要ない。
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問題文正答率:25.00%
10
68 歳の女性。発症後2か月の脳卒中右片麻痺患者。Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅳ。上肢の伸筋群に随意的な関節運動が認められるようになった。 肘伸展を誘発するための作業療法で適切でないのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。背臥位で他の筋肉をリラックスしながら、抗重力位で随意的な肘伸展を促せる。
2.× 図を見ると肘関節屈曲を使用した立ち上がり練習をしている。上肢の屈曲優位の痙縮を助長する。
3~4.〇 正しい。非麻痺側上肢の誘導で肘関節伸展を促すことができる。
5.〇 正しい。肘関節伸展位で持続的に伸張することによって、痙縮を緩和させ肘伸筋群への促通が期待できる。
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問題文正答率:25.00%
11
30 歳の男性。アテトーゼ型脳性麻痺。頸椎症性脊髄症を発症し、歩行不能となった。電動車椅子を導入し、練習開始後2週で施設内自走が可能となったが、壁への衝突等があるために見守りが必要である。 上肢操作向上を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。貼り絵をすることは上肢操作向上を目的とした作業療法である。アテトーゼ型脳性麻痺の上肢の操作性向上を目的とした作業療法は、「目と手の協調性を促すこと」「把持能力を促すこと」とある。
2.4~5.× 木工で鋸を使う/版画で彫刻刀を使う/革細工でスタンピングをすることは、本症例の上肢機能から危険と判断できる。ちなみに、スタンピングとは、凹凸のあるものや、絵の具をつけて型取りができるものに絵の具をつけて型(スタンプ)として、画用紙などに押し当てて型の模様を表す絵画技法である。
3.× ドミノを並べることより、選択肢の中に優先度が高いものが他にある。ドミノを並べるのは安全に行えるが、精神的にもストレスをかけることから、動揺性の筋緊張が高まりやすい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3478🔗
問題文正答率:25.00%
12
63 歳の男性。脊髄小脳変性症により在宅生活を送っている。重症度分類は下肢Ⅲ度(中等度)、上肢Ⅳ度(重度)である。 日常生活で使用する福祉用具で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.× ポータブルスプリングバランサーは、高位脊髄損傷、筋ジストロフィー、腕神経叢麻痺、多発性筋炎、筋萎縮性側索硬化症、Guillain-Barre症候群などで適応となる。わずかな力でも自由に自分の意思で上肢を動かすことができるためリーチ動作の低下・筋力低下を代償できる。選択肢以外の自助具としては、体幹のパランス機能低下や歩行機能低下、構音障害を補う道具なども適応される。アプローチ方法として、緊迫帯や重錘、スプリントがある。
2.〇 正しい。キーボードカバー付きパソコンは、振戦があっても他のキーに触れずに目的のキーだけを押すことを補助するものである。運動失調のある脊髄小脳変性症の患者に用いられる。
3~5.〇 正しい。シャワーチェアー/ポータブルトイレ/歩行器は、本症例の日常生活で使用する福祉用具である。脊髄小脳変性症とは、運動失調を主症状とし、原因が、感染症、中毒、腫瘍、栄養素の欠乏、奇形、血管障害、自己免疫性疾患等によらない疾患の総称である。ふらつきが強く、転倒のリスクが高い。
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問題文正答率:25.00%
13
76 歳の男性。誰もいないのに「自分の布団に知らない子どもが寝ている」と訴え、妻に連れられて受診した。妻の話では、数年前から些細な物忘れが増え、日中ぼう然としていることも多いという。歩行中に転倒することも増えてきているという。 作業療法室でみられるこの患者の特徴はどれか。
解説・コメント
1.× 些細なことで泣き出す(感情失禁)は、血管性認知症の特徴である。
2.× 他人の物を勝手に持っていこうとする(脱抑制)は、前頭側頭型認知症の特徴である。
3.× 時間どおりに来室し必ず同じ席に座る(常同行動)は、前頭側頭型認知症の特徴である。
4.× わからない質問に対し言い繕って答える(取り繕い反応)は、アルツハイマー型認知症の特徴である。
5.〇 正しい。日によって意識レベルの低下度合いが異なる(認知機能の変動・動揺)は、Lewy小体型認知症の特徴である。
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問題文正答率:25.00%
14
20 歳の男性。1 年浪人した後に大学に入学し親元を離れた。夏休みに帰省した時に独語や空笑が目立ち始め、バイクに乗って信号無視したところを警察に捕まった。事情聴取の中で「逃げないと殺される」といった支離滅裂な言動がみられたため、連絡を受けた両親に付き添われ精神科を受診し入院となった。入院から1か月後、幻聴と妄想が減弱したところで作業療法が開始となった。 この時点での作業療法の役割で正しいのはどれか。
解説・コメント
1~3.× 自信の回復/達成感の獲得は、回復期後期における役制である。自信や達成感を獲得し、社会復帰の準備を始めようとする。
2.〇 正しい。疲労度の調整はこの時点での作業療法の役割である。入院から1カ月が経って幻聴と妄想が減弱している時期(亜急性期)で、多少の精神症状は残存していても睡眠覚醒などの生活リズムが確立しているが、疲労感が強い時期である。
4.× 対人交流の拡大は、維持期における役割である。社会生活技能訓練(SST)が主なアプローチである。SST(Social Skills Training:社会生活技能訓練)とは、社会生活を送るうえでの技能を身につけ、ストレス状況に対処できるようにする集団療法の一つである。社会生活の中で、患者が苦悩すると思われる場面を具体的に想起し、解決するための技能を訓練する目的で行われるものであり、パニック障害を起こしやすい状況でもパニックを起こさないような技能を身につけるのに有効である。
5.× 身辺処理能力の回復は、回復期前期における役制である。
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問題文正答率:25.00%
15
32 歳の男性。通勤途中に突然激しい動悸や息苦しさ、めまいとともに、このまま死んでしまうのではないかという強い不安に襲われた。これらの症状は数分で消失したが、その後もたびたび同様の状況に陥った。また同じような強い不安に襲われるのではないかという恐れから、列車や飛行機の1人での利用ができなくなって いる。 考えられるのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 適応障害とは、大きな生活の変化(進学、就職、転居など)やストレス性の出来事(離別、死別など)に対して、順応するまでに様々な症状(抑うつ気分、不安など)を呈するものをいう。例としては、職場の勤務異動により、新しい部署の仕事や人間関係に慣れることができずに、苦悩や情緒不安定な状態が特続することが挙げられる。
2.〇 正しい。広場恐怖とは、群衆の中や容易に外に逃れられない場所(映画館、公衆便所の中、列車の中など)で恐怖を感じてそれらの場所を避けることをいう。これが重症になると社交恐怖と同様に家から出られなくなって引きこもってしまうこともある。パニック発作を繰り返すうちに「また発作が起こるのではないか」という不安が持続的に生じるようになる。
3.× 社交恐怖とは、クラスメートや職場など「ほどほどの知り合い」 の集団の場で、過剰な不安や緊張が誘発され、動悸、震え、吐き気、赤面、発汗などの身体症状が強く発現する。
4.〇 正しい。パニック障害とは、パニック発作が予想できずに頻回に起こり、それらが起こりそうな場所に行くことを避け(広場恐怖)、また同じような強い不安に襲われるのではないかという恐れ(予期不安)を伴うものをいう。
5.× 急性ストレス反応とは、「その人の生命を脅かすような大きな出来事に遭遇し、その最中またはその後に自分が麻痺してしまったような感覚が出現し、この出来事を想起させるような状況を避けるなどの症状が2日から4週間持続する反応」をいう。例えば、被災などによって大きなストレスにさらされた後に起こり、周囲や自分自身の現実が変わってしまったような感覚などの解離症状(自分が自分であるという感覚が失われている状態)を伴うものである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3482🔗
問題文正答率:25.00%
16
17 歳の男子。自閉症。自分なりの特定のやり方にこだわり融通が利かず、臨機応変に振る舞えずに失敗体験を積み重ね、自尊感情が著しく低下している。
この常同性に関わる特性を踏まえた上での作業療法上の配慮として、最も重要なのはどれか。
解説・コメント
1.× 静かな環境で作業することは、常同性に関わる特性を踏まえた上での作業療法上の配慮にはつながらない。常同行動とは、①ぴょんぴょん飛び跳ねたり、②手で何かをたたき続けたり、③手をひらひらとしたりすることである。変化に戸惑うので新しい作業の導入は慎重に行う必要がある。
2~4.× 用件は具体的に伝える/図や表を用いた説明を行う/1つずつ段階を踏んで作業することは、自閉症に対した方法で適切であるが、「常同性」に関わる特性を踏まえた上での作業療法上の配慮にはつながらない。あいまいな表現が伝わらなかったり、変化を好まなかったりするため、部屋ごとに課題を決めて戸惑いを起こさない工夫が必要である。
5.〇 正しい。予定変更がある時は前もって伝える。常同性の対処法として、「無理にやめさせるより、することを与える」ことが多い。つまり、急な予定変更は混乱を招くことになり、療法士の提供したいことができなくなる可能性が高くなる。また、自閉症児の特徴として、変更への臨機応変な対応は困難である。したがって、予定変更があるときは前もって伝えておく必要がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=3483🔗
問題文正答率:25.00%
17
35 歳の男性。交通事故による外傷性脳損傷で入院となった。受傷 10 日後から作業療法が開始された。運動麻痺や感覚障害はみられなかった。些細なことで怒りをあらわにし、作業療法中も大きな声をあげ、急に立ち上がってその場を去る、というような行動がしばしばみられた。患者はこの易怒性についてほとんど自覚しておらず病識はない。 この患者の怒りへの対応で最も適切なのはどれか。
解説・コメント
1.5.× 原因について自己洞察を促す/脳損傷との関係について理解が得られるまで説明する優先度は低い。なぜなら、病識が欠如している状態であるため。言動に対する本人の気づきや理解を求めることは難しく、どのような場面や周囲からの刺激が言動を誘発するか注意深く観察して対策を講じる必要がある。
2~3.× 感情をコントロールするよう指導する/周囲に与える影響を書き出してもらう優先度は低い。なぜなら、患者はこの易怒性についてほとんど自覚していないため。脱抑制(易怒性)に対する対応としては、リラックスする方法を教えたり、不適切な行動は指摘するが責めてはいけないようにする。
4.〇 正しい。よく観察し誘発されるパターンを把握する。社会的行動障害に対し、環境設定(静かな場所であまり人に囲まれず、疲れさせない)が大切になる。また、易疲労性・易怒性に対しても神経披露しやすいため起こるので、作業の分割化や興味のある作業を提供する。
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問題文正答率:25.00%
18
50 歳の女性。10 年前に義母の介護に際して突然の視力障害を訴えたが、眼科的異常はみられなかった。 1か月前に夫の単身赴任が決まってから、下肢の冷感、疼痛を主訴として、整形外科、血管外科などを受診するも異常所見は指摘されなかった。次第に食事もとれなくなり、心配した夫が精神科外来を受診させ、本人はしぶしぶ同意して任意入院となった。主治医が、身体以外のことに目を向けるようにと作業療法導入を検討し、作業療法士が病室にいる本人を訪問することになった。本人は着座すると 疼痛が増強するからと立位のままベッドの傍らに立ち続けて、他科受診できるよう主治医に伝えてほしいと同じ発言を繰り返す。 この患者に対する病室での作業療法士の対応で最も適切なのはどれか
解説・コメント
本症例のように、異常な検査結果などがみつからないのに、下肢の冷感や疼痛などの身体症状が続き、異常所見がないことを受け入れられず医療機関を転々と求めるような発言から、身体表現性障害であると考えられる。身体表現性障害とは、ストレスが原因となって身体症状にあらわれる病気である。その特徴は、症状に身体的問題はないといわれても、執拗に検査を求め、繰り返し身体症状を訴えるものである。自分に注意を引こうとする行動がみられることもあるが、原因となるストレスについては無関心であることが多い。
1.× 他科受診できるよう約束するのは直接的解決にならない。なぜなら、身体表現性障害では器質的な障害はないため。他科受診に関しては主治医と相談するように改めて伝え、なぜ患者は「他科受診できるよう主治医に伝えてほしいと同じ発言を繰り返す」のか傾聴する。
2.× 夫の単身赴任をどのように感じているか尋ねる優先度は低い。なぜなら、現段階では身体的症状に関心が向けられているため。夫の単身赴任をどのように感じているかを尋ねてもそれには本人の関心は向かず、治療にはつながらない可能性が高い。
3.× 痛みが軽減することを「約束して」作業療法への参加を促してはならない。なぜなら、痛みが軽減すると断定できないため。また、さらに、痛みに固執することもあり得る。主治医の指示通り、身体症状以外のことに関心を向けるアプローチが必要である。
4.× 身体的には問題がなく、心の問題であることを繰り返し伝える優先度は低い。なぜなら、現段階では身体的症状に関心が向けられているため。繰り返し「心の問題である」と伝えても、患者は「自分の主張を否定」されている気持ちになりかねない。
5.〇 正しい。他のスタッフの発言との食い違いが生じないよう、聞き役に徹する。本症例は、異常な検査結果などがみつからないのに、下肢の冷感や疼痛などの身体症状が続き、異常所見がないことを受け入れられず医療機関を転々と求めるような発言をしている。先生や療法士からの助言・アドバイス・指摘などまだ受け入れられない段階であるため、まずは聞き役に徹することが大切である。
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問題文正答率:25.00%
19
9歳の男児。注意欠如・多動性障害。放課後デイサービスに通所している。鼻歌を唄ったり足を動かしたりとじっとしていることが苦手で、勉強の時間に立ち歩いたり他児にちょっかいを出したりすることでトラブルになった。指導員から注意されると感情的になり、暴れる行動が頻回にみられた。教科書や提出物の忘れ物も多い。 この児に対する治療的な対応で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× トラブルの原因を考えさせる優先度が低い。なぜなら、本人はトラプルを起こそうと思って起こしているわけではないため。強い口調での指示(強制して考えさせることなど)は、叱責と受け止められやすく、自信喪失や自尊心の低下につながるため適切でない。問題行動はその場で指摘し、改善を図る。
2.〇 正しい。運動を取り入れて体を動かす。注意欠如・多動障害児では、不適切行動を注意しても自ら改善することはできないことが多い。そのため、過度の行動欲求を発散させるような対応をし、他児に対する迷惑行為については制止する必要がある。運動を行うことで、ストレス発放や爽快感につながったり、達成感が得られたりする。また、感覚統合を促進することができる。
3.× 他児との交流は最小限に留める必要はない。ただ、他児の迷惑になる場合は介入して制止したり、個別に近い対応が可能な小集団で対応したりする必要はある。
4.× じっとしておく取り決めをすることは困難である。注意欠陥多動性障害(ADHD)とは、発達障害の一つであり、脳の発達に偏りが生じ年齢に見合わない①注意欠如、②多動性、③衝動性が見られ、その状態が6ヵ月以上持続したものを指す。強い口調での指示(強制して考えさせることなど)は、叱責と受け止められやすく、自信喪失や自尊心の低下につながるため適切でない。問題行動はその場で指摘し、改善を図る。この積み重ねが適応的な行動パターンの獲得につながる。褒めることで自信をつけさせ、自尊心の回復を図ることが大切となる。
5.× 感情的になっても「介入しない」のではなく他児に対する迷惑行為については制止する必要がある。その場から本人を離して1対1で対応する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3486🔗
問題文正答率:25.00%
20
30 歳の男性。統合失調症で5年前に幻覚妄想状態で家族に対する興奮があり、医療保護入院となった既往がある。退院後はほぼ規則的に通院し、毎食後服薬していたが、3か月前から治療を中断し、幻聴や被害関係妄想が悪化し、両親を自宅から閉め出して引きこもってしまった。注察妄想もあり本人も自宅から外出できない状況である。多職種訪問支援チームが1年前から関わっており、訪問は受け入れてもらえている。 この患者への今後の介入で最も適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 本人の意思に「関わらず」、繰り返し服薬を「強く促す」ことの優先度は低い。本症例は、自己判断で治療を中断しているようであり、現在も治療は必要であると考えられるが、まずは本人の意向を十分に聴き、その上で服薬の必要性を本人と共有することが重要である。服薬を中断している原因といて、「副作用や病気の理解」が不十分なことがある。一方的に説得するのでは反感を生みやすい。
2.× 両親を自宅に同行させ、その場で本人に「両親への謝罪」を促すことの優先度は低い。問題文から、両親が謝るようなことをしたのか?は書かれていない。幻聴や妄想が悪化した結果、両親を閉め出しているので、両親へ謝罪しても症状の改善は期待できない。
3.× 民間救急を利用し、中断していた精神科病院の「救急外来」に搬送することの優先度は低い。民間救急とは、「119番消防救急」と違い民間の事業者が搬送用自動車を用いて緊急を要しない患者を搬送する事業のことである。引きこもりの独居生活に入ったが、「多職種訪問支援チームが1年前から関わっており、訪問は受け入れてもらえている」ことから直ちに入院が必要なほどの緊急性の高い状態ではない。まずは、多職種訪問支援チームが訪問頼度を増やすなどして、本人との関わりを強化することが必要である。
4.〇 正しい。本人の希望や生活上の困り事を根気よく引き出し、関係を深める努力をする。本症例は、維持期であったが急性期に移行傾向のある統合失調症患者である。現在、「多職種訪問支援チームが1年前から関わっており、訪問は受け入れてもらえている」ことから、この支援チームとの関わりを手がかりとしたり強化することで治療につなげていく。
5.× 訪問頻度を「減らし」、本人が助けを求めるのを待って精神科外来に結びつける優先度は低い。なぜなら、訪問頻度を減らし、本人の助けの意思もなかった場合、 症状の悪化や治療の中断につながるおそれがあるため。
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問題文正答率:25.00%
21
腋窩での体温測定で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 側臥位では、「下方」ではなく上方の腋窩で測定する。下方では、圧迫により思わぬ怪我や循環が悪くなるため適切ではない。
2.〇 正しい。体温計は腋窩の前下方から後上方に向かって挿入する。体軸に対して45°を目安とする。
3.× 発汗しているときは、「アルコール綿」ではなく乾いたタオルで腋窩を拭いてから測定する。
4.× 厳密に求めるのであれば、平衡温を測定する場合は、「3分間」ではなく10分程度測定する。ただ、臨床的には3~5分で行うところも多い。
5.× 麻痺のある場合は、「麻痺側」ではなく非麻痺側にて測定する。麻痺側は血液の循環が悪く正確な体温が測れないためである。
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問題文正答率:25.00%
22
作業療法の評価で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. × MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance):生活向上マネジメントは、 「そもそも評価」ではなく、極端に言うと身体的・精神的な一連の支援のことをいう。利用者が本来持っている能力を引き出し、その能力が在宅生活で生かされるために必要な要素を分析し、身体的 精神的な支援を行うことをいう。
2. × COPM(Canadian Occupational Performance Measure):カナダ作業遂行測定は、「セラピストの意見を中心」ではなく、本人または家族が主観的に重要と位置付けられている。生活機能や日常生活スキルのうち、本人または家族が主観的に重要と位置づける作業課題を選択し、その遂行度と満足度を初期評価および再評価をする。
3. × 人間作業モデルを構成するのは、「運動面と精神面」ではなく、「作業」を人間性の保持に必要なもの、健康が破綻した後の再調整をするものとして位置づけている。その人の行動を位置づけるものとして意志・習慣化・遂行技能の3要素の相互作用と、これに加えて 環境を4要素として挙げており、これらよりどの程度作業に適しているかを考える。
4. × クライアント中心の実践は、評価結果を本人に提示する。クライアントと作業療法士が作業療法のプロセスを協働して行うことであり、評価結果もクライアント本人に提示する。
5. 〇 正しい。作業遂行は人―環境—作業の相互作用の結果として生じる。作業療法士の対象者との関わり方が対象者の作業遂行に大きく影響するため、作業療法士は環境の一つと考えられている。
https://ja.mondder.com/fq?id=3489🔗
問題文正答率:25.00%
23
疾患と作業種目の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 関節リウマチ:粘土細工に関して、関節リウマチ患者は、関節を保護と負担をかけない訓練が必要である。 粘土細工は手指の関節に負荷がかかる作業であり避けるべきである。
2.× 小脳梗塞:切り絵に関して、小脳梗塞は小脳性の運動失調では企図振戦や測定障害が特徴的である。はさみを使用する切り絵は、障害上行えず自信喪失につながるほか、手元の怪我にもつながり危険である。
3.× 脊髄小脳変性症:卓球に関して、脊髄小脳変性症は運動失調を主とした慢性進行性の症候群で、進行の度合いによって手作業の拙劣さやバランス障害などを生じる。卓球は、転倒のリスクが高く適切ではない。
4. 〇 正しい。Parkinson病:上方への輪通しに関して、Parkinson病は、無動・固縮・姿勢反射障害・安静時振戦・動作緩慢・前傾前屈姿勢などの症状が特徴的である。上方への輪通し(上方へのリーチ動作)を行うことで体幹・頚部・上肢の伸展を促せることなどからも適切である。
5.× 慢性閉塞性肺疾患:デコパージュに関して、デコパージュとは紙を切って小物に貼って飾る技法のことである。いわゆる張り子(はりこ)ともいう。デコパージュ専用液(接着剤)やトップコート液の中には揮発性・刺激性の物質が入っているため呼吸器疾患や慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の作業療法には適さない。慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者が呼吸困難を来さないようにADL・IADLの指導や住宅環境の調整をするのが作業療法としては適切である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3490🔗
問題文正答率:25.00%
24
非言語性評価で用いられる検査はどれか。2つ選べ。
解説・コメント
非言語性評価とは、解答に発語を要しない評価法をいう。
1.× MMSE(Mini-Mental State Examination:ミニメンタルステート検査)は、認知機能を評価する検査である。30点満満点で評価し、23点以下で認知機能低下(認知症の疑い)と判断する。検者に質問し、見当識・記憶・計算・言語能力・図形能力で、非言語性評価はない。
2.× RBMT(Rivermead behavioral memory test:リバーミード行動記憶検査)は、記憶障害の患者が日常的に遭遇する状況を想定して行う記憶障害検査である。1.氏名、2.持ち物、3.約束、4.絵、5.物語(直後・遅延)、6.顔写真、7.道順(直後・遅延)、8.用件、9.見当識で9つの項目で非言語性評価はない。
3.× WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence Scale:ウェクスラー成人知能検査)は、質問やイラスト、積み木などの検査キットを用いて、言語性知能尺度・動作性知能尺度から総合の知能指数(IQ)を測定する。非言語性評価はない。
4.〇 正しい。Kohs 立方体組合せテストは、各面が塗り分けられた1辺3cmの立方体を組み合わせて模様をつくる課題であり、言語能力に障害があっても知能全般が評価できる。
5.〇 正しい。RCPM(Ravenʼs Colored Progressive Matrices:レーヴン色彩マトリックス検査)は、標準図案の欠如部に合致するものを6つの選択図案の中から1つだけ被検者に選ばせる非言語性知能検查である。言語を介さずに答えられるので、被検者に負担をかけずに推理能力(知的能力)を測定できる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3491🔗
問題文正答率:25.00%
25
前傾側臥位で排痰を行うのはどれか。
解説・コメント
体位ドレナージは重力を利用して痰の排出を図る方法である。痰貯留部位が上、気管支が下となる体位をとり、痰を排出する。
1.〇 正しい。後上葉区(S6・10)は、上背側にあるので、前方へ45°傾けた側臥位をとる.
2.× 前上葉区(S3)は、上腹側なので、背臥位とる。
3.× 前肺底区(S8)は、下腹側に位置するので、背臥位をとる。
4.× 肺尖区(S1)は、肺の頂部なので、背臥位をとる。
5.× 上舌区(S5)は、外腹側に位置する。後方へ45°傾けた側臥位をとる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3492🔗
問題文正答率:25.00%
26
トータルペインのうちスピリチュアルペインはどれか。
解説・コメント
トータルペイン(全人的苦痛)は身体的・精神的・社会的・霊的(スピリチュアル)の4つの苦痛をいう。スピリチュアルペインとは、死を目前にした癌患者などが、患者自身の人生の否定・価値観の否定・存在自身の否定を受けたと感じることに起因する。抑うつ、不安、 怒り、いらだち、悲観などをいう。よって、4.〇 生きる価値の喪失が適当である。
1~2.× 体の倦怠感は、身体的苦痛である。
3.× 家庭内の問題は、社会的苦痛である。
5.× 日常生活活動の困難さは、身体的な困難であれば身体的苦痛に含まれ、心理的な困難であれば精神的苦痛に含まれる。いくつかの苦痛が合併することは多いが、スピリチュアルペインには含まれない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3493🔗
問題文正答率:25.00%
27
呼びかけると開眼し、発語はあるが不適当である。運動の指示に応じた動きは見られず、逃避反応がある。 この時の GCS〈Glasgow Coma Scale〉はどれか。
解説・コメント
GCSの評価基準は以下の通りになる。
E:開眼
4点:自然に開眼
3点:声掛けに開眼
2点:痛み刺激で開眼
1点:開眼しない
V:発語
5点:普通に会話
4点:混乱した会話
3点:混乱した単語
2点:理解不明の音声
1点:発語なし
M:運動
6点:指示に従う
5点:痛みを払いのける
4点:痛みから手を引っ込める
3点:異常屈曲
2点:異常伸展
1点:動きなし
よって、
呼びかけると開眼することよりE3。
発語はあるが不適当であるためV3。
運動において逃避反応がみられることよりM4が適当な評価である。よって、3.〇 E3V3M4が正しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3494🔗
問題文正答率:25.00%
28
SF-36 は、8領域の健康概念の質問項目から成り立っている。 その領域にある項目で正しいのはどれか。
解説・コメント
https://ja.mondder.com/fq?id=3495🔗
問題文正答率:25.00%
29
小脳の機能不全による協調運動障害の説明で誤っているのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。大文字症:文字が徐々に大きくなる。パーキンソニズムでは小字症になる。
2.〇 正しい。企図振戦:目標に近づくほど四肢の振戦が激しくなる。静止状態では振戦がないことが特徴である。
3.× 運動分解とは、運動軌道が円滑ではなく何段階かに分かれる状態をいう。運動軌道から行きつ戻りつする状態を指す。拮抗する運動の切り替えが円滑に行えないのは、反拮抗運動不能である。
4.〇 正しい。時間測定障害:運動の開始や停止が正常よりも遅れてしまう。
5.〇 正しい。協調収縮不能:一連の動作で運動の順番や滑らかさが障害される。
https://ja.mondder.com/fq?id=3496🔗
問題文正答率:25.00%
30
透析患者で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 透析導入の原因疾患のうち慢性糸球体腎炎の割合は、「年々増加」ではなく減少している。慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)は、タンパク尿や血尿が長期間(少なくとも1年以上)持続するものをいう。 腎臓病の中でも最も多い。 慢性糸球体腎炎は1つの病気ではなく、さまざまな病気の総称である。病因が不明であるため、根本的な治療法は確立されていないが、食事療法や薬物療法を行う。透析患者の44%が「糖尿病腎症」が原因である。
2.× 透析患者数はこの10年間、「減少」ではなく増加し続けている。約33.4万人(2017年末)で増え続けている。
3.〇 正しい。身体活動量の低下は生命予後を悪化させる。透析患者において定期的な運動習慣は生命予後を改善することが報告されており、運動療法を行い身体活動量を低下させないように保つ必要がある。
4.× 透析導入は、「腹膜透析(2.9%)」ではなく血液透析(97.1%)が最も多い。
5. × 死因の第一位は、「悪性腫瘍」ではなく心不全である。透析患者の死因の第1位は心不全(26.0%)であり、第2位は感染症(22.0%)、第3位は悪性腫瘍(9.3%)である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3497🔗
問題文正答率:25.00%
31
円背のある高齢者で正しいのはどれか。
解説・コメント
円背とは脊椎が過度に後方凸に湾曲した状態である。高齢者では、骨粗鬆症による胸腰椎圧迫骨折から円背に至ることもある。
1.× 歩行の際に歩隔が、「狭くなる」のではなく一般的に広くなる。ちなみに、歩隔とは、歩く時の両足間の横の幅のことである。
2.〇 正しい。立位時に膝は屈曲位となる。
3.× 円背は、「閉塞性換気障害」ではなく拘束性換気障害の原因となる。
4.× 円背の治療として、「ギプス矯正」ではなく体幹装具による脊柱の固定性向上・疼痛緩和・変形進行防止を行う。
5.× 立位バランスは、「左右より前後の方向」ではなく前後より左右の方向がよい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3498🔗
問題文正答率:25.00%
32
車椅子で自走する場合の住環境整備の留意点で適切なのはどれか
解説・コメント
1.× スイッチは床面から、「10cmの高さ」ではなく、100~110cm程度の高さに設置する。車椅子利用者や高齢者に配慮する場合はこれよりも低く、90~100cmに設置する。また、設置場所を選ばないリモコンスイッチが利用できる場合はさらに便利である。
2.× 自走用6輪型車椅子は段差の通行が容易ではない。自走用6輪型車椅子は屋内で使用される目的でつくられており、小回りが利きやすく狭い家屋内でも回転が比較的容易である。屋内の1~2cm程度の段差を超えることは問題ないが、一般的には段差を超えることは得意としない。
3.〇 正しい。50 cm の段差がある場合スロープの長さを600 cm 以上にする。1/12~1/20の勾配が望ましい。それより急だと利用しにくい。または患者自身では利用できない。屋外では、1/15勾配以下が望ましい。
4.× 廊下の直進に必要な幅員は、「左右アームサポート」ではなく、ハンドリムの外側最大寸法で判断する。ちなみに、車椅子の全幅は、70cm以下にJIS規定されており、走行の振れ幅や操作時の両肘の張り出しを考慮すると、通行幅は最低でも90cmは必要である。
5.× 廊下を直角に曲がるのに必要な通路幅員は、直角部分の前後とも「70cm以上」ではなく、90cm以上必要である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3499🔗
問題文正答率:25.00%
33
筋電義手で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 小児の筋電義手ものもある。
2.× 作業用ハンドもある。種類として、常用ハンドタイプと作業用タイプがある。
3.〇 正しい。能動義手に比べ把持力が強い。筋電シグナルの強さに応じて開閉速度と把持力が変化するものもある。
4.× 前腕義手は、ハーネスが必要ではない。自己懸垂性があるため。
5.× ほとんどが前腕義手の症例である。
筋電義手とは、小型バッテリーを前腕支持部外装にはめ込み、筋電装置によって手先具の開閉を行う装具である。
【特徴・適応】
①前腕断端長が10cm以上。
②近接関節の可動減制限がない。
③訓練を理解する知的能力があること。など・・・。
【利点】
①把持力がある。
②見栄えがよい。など・・・。
【欠点】
①金額が高い。
②公的給付制度が不十分。
③重い。
④視覚による操作確認が必要。
⑤訓練できる施設が少ない。など・・・。
https://ja.mondder.com/fq?id=3500🔗
問題文正答率:25.00%
34
二分脊椎症児の歩行能力において Hoffer の分類における CA 杖歩行群の麻痺レベルと合致する Sharrard の分類はどれか。
解説・コメント
Hoffer分類は、4分類に分けられ、①独歩(CA)、②屋内歩行(HA)、③訓練レベル(NFA)、④歩行不能(NA)である。
Sharrard分類は、Ⅰ~Ⅵ分類に分けられ、Ⅰ群が最も残存機能が少ない。杖を使用しているため、Sharrard分類のⅢ分類となる。よって、3. Ⅲ 群が適当である。
1. Ⅰ 群:歩行不能で、移動にはすべて車いすが必要である。
2. Ⅱ 群:歩行不能で実用レベルは車椅子であるが、訓練レベルで装具+杖歩行などが可能である。
3. Ⅲ 群:杖歩行で独歩可能である。
4. Ⅳ 群:短下肢装具のみで独歩可能である。
5. Ⅴ 群:足底装具のみで独歩可能である。
Sharrard(シェラード)の分類
第Ⅰ群(胸髄レベル):車椅子を使用している。下肢を自分で動かすことはできない。
第Ⅱ群(L1〜2レベル):車椅子と杖歩行を併用している。股関節屈曲・内転、膝関節伸展が可能。
第Ⅲ群(L3〜4レベル):長下肢装具(L3)または短下肢装具(L4)による杖歩行可能。股関節外転、足関節背屈が可能。
第Ⅳ群(L5レベル):短下肢装具による自立歩行可能。装具なしでも歩行可能。股関節伸展、足関節底屈が可能。
第Ⅴ群(S1〜2レベル):ほとんど装具が不要で自立歩行可能。足関節の安定性が低い。
第Ⅵ群(S3レベル):ほとんど運動麻痺はなく、健常児とほぼ同様の歩行。
https://ja.mondder.com/fq?id=3501🔗
問題文正答率:25.00%
35
乳癌患者のリハビリテーションで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 術後に倦怠感がある場合、運動療法は行わないと決められているものはない。「リハビリテーション医療における安全管理推進のためのガイドライン2006」から引用すると、リハビリテーションの実施に際して 「倦怠感がある場合」は、「その他の注意が必要な場合」 としているが、運動療法が禁忌であるとはされていない。
2.× 患側肩関節可動域訓練は、「術後翌日から」ではなく、術後5~7日日から積極的に行う(推奨グレードA)。「がんのリハビリテーションガイドライン」より引用。
3.× 遠隔転移がある進行した病期の場合でも運動療法は禁忌にはならない。上肢可動域訓練だけでなく、浮腫など全身状態に応じて、リスクを考慮しながら運動療法を実施することは可能である。
4.× 術後放射線治療中に不安感を認めることは少なくない。そのため、患者の理解を得たうえで拘縮予防を目的に可及的・愛護的に関節可動域訓練を実施する。
5.〇 正しい。術後放射線治療中の有酸素運動は貧血などの有害反応を軽減させる。「がんのリハビリテーションガイドライン」より引用すると、化学療法・放射線治療中もしくは術後の乳癌患者に有酸素運動や抵抗運動、それらを組み合わせた運動療法を行うことは、下痢や貧血など
治療の有害反応を軽減させるので、行うよう勧めるとしている (推奨グレードB)。
ちなみに、
がんのリハビリテーションガイドライン
化学療法・放射線治療中もしくは術後の乳癌、前立腺癌、血液腫瘍患者に対する運動療法(エルゴメーターやトレッドミルを用いた有酸素運動・ストレッチングや筋力トレーニング、また、それらを組み合わせたもの) を行うことにより以下のような効果があり、強く勤めるとしている。
①運動耐用能や筋力の改善
②QOLの改善
③倦怠感の改善
④精神機能・心理面の改善
https://ja.mondder.com/fq?id=3502🔗
問題文正答率:25.00%
36
地域包括ケアシステムで正しいのはどれか。
解説・コメント
厚生労働省は2025年(令和7年)をめどに、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進している。
1.× 基本単位として想定されているのは、「一次医療圏」ではなく日常生活圏域(具体的には中学校区)である。一次医療圏とは、医療圏の中でもっとも小さい単位で、健康管理、予防、一般的な病気や怪我などに対応して住民の日常生活に密着した医療、保健、福祉サービスを提供する区域のこと。一般的には市区町村の単位で設定されています。
2.〇 正しい。住まいや住まい方が構成要素に含まれている。住まい・医療・介護予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築の実現を目指している。
3.× 地域包括ケアシステムは、「国」ではなく地域が中心になり作り上げる。
4.× ボランティアは、「公助」ではなく互助である。互助は、主にボランティア活動や住民組織の活動が当てまる。「公助」は、生活保護や一般財源による高齢者福祉事業など、税による公の負担を指す。
5.× 「地域ごとに差がでないよう均一なシステム」ではなく、地域の特性に応じてつくり上げていくことが求められている。
https://ja.mondder.com/fq?id=3503🔗
問題文正答率:25.00%
37
疾患や病態とそれに対する福祉用具の組合せで適切なのはどれか
解説・コメント
1.× 高位頚髄損傷患者が手指を使ってパソコンなどの操作ができない場合に、マウススティック(写真参照)を口でくわえキーボードなどを操作する。胸髄損傷では手指に麻痺はないので適応外である。
2.〇 正しい。関節リウマチは、関節の保護と負担軽減するための自助具が必要になる。ドアノブレバーとは、ドアの握玉に取付るだけ、手指で握玉を把持する必要なく開閉が可能になる自助具である。手指の関節の保護・負担軽減につながるため、適切である。
3.× 半側空間無視の多くは左側であり、言語の著しい障害は伴わないことが多いので、コミュニケーションを補助する手段としての透明文字盤の必要性は低い。透明文字盤を必要とする疾患に多いのがALS(筋萎縮性側索硬化症)である。
4.△ 脳卒中片麻痺は、L 字杖が適切ではないとひとくくりとして言い切れない。麻痺が軽度であったり、麻痺側に体重を支持できるほどバランス能力が良かったりすれば、T字杖やL字杖+短下肢装具を使用して歩かれる方は多い。短下肢装具を使用することも多い。
5.× 人工喉頭は、喉頭摘出患者や気管切開後の患者のための福祉祉用具である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3504🔗
問題文正答率:25.00%
38
厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類によるステージ8 の Duchenne 型筋ジ ストロフィー患者に使用する補装具で適切なのはどれか。
解説・コメント
ステージ8は、座位保持も不可能で常時臥床状態である。
1.× 頭部を守る頭部保護帽が必要なステージは、Ⅰ~Ⅳ(歩行可能時期)である。
2.× 標準型車椅子の必要なステージは、Ⅴ~Ⅶ(歩行困難・座位保持可能時期)である。
3.〇 正しい。座位保持装置の必要なステージは、Ⅷ(座位保持困難時期)である。
4~5.× PCW(postural control walker)の必要なステージは、Ⅲ~Ⅳ(歩行可能時期)である。少なくとも何かにつかまるなどの支えがあれば立位が可能なレベルであることが必要である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3505🔗
問題文正答率:25.00%
39
ICF で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。障害者のみならず、すべての人に関する分類である。
2.× 環境因子が変化すれば、障害の程度も変化する。つまり、環境因子は障害の程度と関係ある。
3.× 生活機能は、①心身機能・身体構造、②活動、③参加の3つに分類されており、否定的側面と肯定的側面を表す。
4.〇 正しい。分類された構成要素には評価点を付与できる。ICFコード分類の構成要素には、心身機能(b)、身体構造(s)、活動と参加 (d)、環境因子(e) があり、これらは共通尺度を用いて量的に評価される。
5.× 個人因子とは年齢、性別、生活歴、価値観、ライフスタイルなどであり、量的に判定できるものではない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3506🔗
問題文正答率:25.00%
40
作業療法室に咳き込む入院患者が来室した際、その患者への適切な指導はどれ か。
解説・コメント
1.× 手袋の着用を促しても意味がない。手袋は、湿性生体物質に触れるおそれのある場合に使用する。
2.× 咳をするときは手でしっかりと口を覆うよう促すより効果的な指導をする必要がある。飛沫予防策として、核をするときにはタオルやティッシュで口・鼻を覆い飛沫を発生させないように促す。もし、咳嗽の際の飛味を手でおさえた場合は、すぐに手洗いする必要がある。
3.× 病室に戻ってからしっかりと手指衛生を行うよう促すのでは遅い。作業療法室にいる間に飛沫感染対策を行う必要がある。
4.〇 正しい。装着が可能であればサージカルマスクを着けるよう促す。サージカルマスクまたはガーゼマスクは飛沫感染予防に有用である。
5.× 呼吸器感染症があれば他の患者と、「45cm以上」ではなく通常1m以上距離を空けるよう促す。
https://ja.mondder.com/fq?id=3507🔗
問題文正答率:25.00%
41
ある評価法で用いられる図を示す。 この評価法はどれか。
解説・コメント
1.× BPRS(Brief Psychiatric Rating Scale:簡易精神症状評価尺度)は、記載された事項についての質問を行い、精神障害者全体を対象とした18の項目を7段階で評価する。
2.× Rehab(Rehabilitation Evaluation Hall and Baker:精神科リハビリテーション行動評価尺度)は、病院や施設で生活する人を対象に、逸脱行動、全般的行動の2領域について質問を行い評価する。
3.〇 正しい。LASMI(Life Assessment Scale for the Mentally ill:精神障害者社会生活評価尺度)は、統合失調症患者に対して実施され、5領域(日常生活、対人関係、労働または課題遂行能力、持続性・安定性、自己認識)、40項目について質問し、各項目5段階で評価する。
4.× PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale:陽性・陰性症状評価尺度)は、統合失調症を対象に、30項目について陽性尺度、陰性尺度、総合精神病理尺度を医師が評定するものである。
5.× HRS-D(Hamilton rating scale for depression:ハミルトンうつ病評価尺度)といい、うつ病にみられる17の項目についてその重症度を医療者が評価するものである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3508🔗
問題文正答率:25.00%
42
依存性薬物で重篤な離脱症状がみられるのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
離脱症状とは、生体が薬物に適応して、薬物の存在下で生理的平衡が保たれる状態になったあと、急に薬をやめることにより、生理的平衡が乱れて身体症状が生じるようになることをいう。
1.3 × 大麻、マリファナ、ハシッシ、コカインは離脱症状がない。
2.× 覚醒剤は、交感神経興奮作用が強く、疲労回復・気分高揚・眠気消失をもたらすため、精神依存が強く生じる。精神依存は強いが、離脱症状(身体依存につながる症状)はみられない。
4.〇 正しい。モルヒネは離脱症状が生じる。身体依存を形成し、禁断後、数時間で自律神経の嵐とよばれる激しい症状が出現する。症状としては、精神症状 (被刺激性、苦悶、不安、興奮など)、痙攣発作、あくび、流涙、鼻汁、発汗、不眠、食欲不振などがある。
5.〇 正しい。ベンゾジアゼピン系薬剤は離脱症状が生じる。 抗不安薬であり、身体依存を形成し、モルヒネ型の離脱症状に似た症状がみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3509🔗
問題文正答率:25.00%
43
統合失調症患者。会話の内容がずれ、自分の考えに偏った一方的な発言ばかりで、相手の立場になって考えることができない。 障害が疑われるのはどれか。
解説・コメント
1.× 遂行機能とは、感覚情報や経験を活用して、日標設定・目標達成のための計画立案、実行、行動の修正を行う機能をいう。問題文の症状とは当てはまらない。
2.× 行動制御とは、生理的欲求、欲動、意志により生じた運動を適正に制御することをいう。問題文の症状とは当てはまらない。
3.〇 正しい。問題文の症状は、社会的認知である。社会的認知とは、対人関係の基礎となる他者の意図や感情を理解する能力である。
4.× 注意の選択性とは、脳の機能である情報の入力、処理、出力のプロセスにおいて、必要な方向や内容に着目する機能をいう。例えば、人ごみでは人が歩く流れにうまく乗れなかったり疲れやすくなるといったことや、商品がたくさん並んでいる棚から欲しいものを探して選ぶことができない、などといったことである。問題文の症状とは関係ない。
5.× プライミングとは、先行する刺激の処理が、無意識下で、後の刺激の処理に関して促進または抑制する効果をいう。例えば、「コ◌ア」という文字列を見せたとき、無意識化で「ココア」や「コアラ」などの単語が出てくることである。問題文の症状とは関係ない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3510🔗
問題文正答率:25.00%
44
統合失調症の認知機能障害の改善に焦点を当てたプログラムとして、パソコン上の教育用ソフトウェア課題を用いるのはどれか。
解説・コメント
1.× IPS(Individual Placement and Support:個別就労支援プログラム)は、米国で開発された就労支援モデルである。 患者への信頼と可能性を信じることをベースとして、症状の安定度や職業準備性よりも就労意欲を重視し、仕事の中で自分を高め(ストレングス)、最終目的を疾患からの回復(リカバリー)とするものである。つまり、精神障害者の就労を支援するものである。
2.〇 正しい。NEAR(Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation:認知矯正療法)は、統合失調症患者を対象とし、記憶力・集中力・物事の段取りを考えて実行する能力などの認知機能障害の改善を図るためのリハビリテーションである。
3.× WRAP(Wellness Recovery Action Plan:元気回復行動プラン)は、重篤な精神科患者であっても元気になって回復できる方法があり、そのためのブランについて、自分や同じような悩みをもつ人の体験やアイデアについて語り合うものである。
4.× MCT(Metacognitive Training:メタ認知トレーニング)は、統合失調症の認知的な偏りを改善するトレーニングである。メタ認知とは、自分自身を客観的に評価し、考え方を修正・改善する能力をいう。
5.× SCIT(Social Cognition and Interaction Training:社会認知と対人関係のトレーニング)は、統合失調症患者の社会認知の障害を治療ターゲットとする、対人関係改善のためのグループワークトレーニングである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3511🔗
問題文正答率:25.00%
45
うつ病の回復期の作業療法で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。適度な運動を活動に取り入れる。うつ病は意欲低下・精神運動抑制などで、自己評価が低く、疲労感が強い。そのため、①工程がはっきりしたもの、②短期間で完成できるもの、③安全で受身的で非競争的なもの、④軽い運動などの要素があると良い。
2.× メモは使わず記憶するよう促すのは、焦りや無力感を引き起こすことになるため不適切である。
3.× 疲労感を強く感じていることが多い。そのため、休憩は「最小限」ではなくこまめに休憩をとり、短時間の作業を行うようにする。
4~5.× あらかじめ決めた活動が仮に完遂できなかった場合、自信をなくしてしまい、自分を責めてしまう可能性がある。「全て行うようにする」のではなく、短時間の作業をこまめに行ってもらうと良い。
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問題文正答率:25.00%
46
TEACCH プログラムが対象としているのはどれか。
解説・コメント
TEACCH(Treatment and Education of Autistic and Related Communication Handicapped Children)プログラムは、自閉症患者とその家族、関係者(教師やグループホームなどの支援者)を対象にする包括的プログラムである。自閉症患者の人生を長期的かつ包括的に支援することで、自閉症患者の自立を目指すものである。よって、1.〇 自閉症が正しい。
2.× 素行障害(conduct disorder:CD)は、社会的な規範に対する反復的かつ複数の分野にわたる問題行動によって規定される疾患概念である。それは、被虐待児に発現の親和性が高く、発達障害の子どもにも同じ傾向があるとされる。
3.× 選択性緘黙(場面緘黙)とは、学校や会社など特定の状況下で話すことができないという疾患のこと。緘黙(かんもく)と読む。性格によるものではなく、対人コミュニケーションに対する強い不安が根底にあるとされている。
4.× チック障害(チック症)とは、本人の意思とは関係なく(不随意)・急に(突発的に)運動や発声が反復して起こる病態で、それぞれ運動性チック、音声チックと呼ばれる。 複数のタイプの症状が長期間続く場合は、トゥレット症候群と呼ぶ。
5.× 反応性愛着障害(Reactive attachment disorder:RAD)とは、人と目を合わせず抱きつく、養育者に近づいたり逃げたり逆らったりするなど、通常では見られない不安定で複雑な行動態様を示す愛着障害の一種である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3513🔗
問題文正答率:25.00%
47
強直間代けいれんの発作時の対応で正しいのはどれか。
解説・コメント
強直間代けいれん発作(大発作)は、全般性てんかん及び症候群の特発性(原発性)全般発作の一つである(他、小発作:欠神発作、ミオクロニー発作)。十数秒間の全身性の強直期(体幹四肢を伸展する強直発作)に続いて、数十秒持続する間代期(四肢を激しく動かす間代発作)が出現し、この間は意識が消失する。発作後は、数分間のもうろう状態を示し、その後睡眠に移行することもある。対応として、何もせずに入念に観察するのが良い。
1.× 上下肢を抑えるのは適切ではない。骨折やその他外傷の恐れがあるため行わない。
2.× タオルを嚙ませるのは適切ではない。窒息の恐れがあるため行わない。
3.〇 正しい。発作の様子を記録する。記録内容としては、①けいれんの発作様式、②持続時間、③現在の様子などで、あとで医師に報告できるようにする。
4.× 刺激を加えて意識障害の程度を判定するのは適切ではない。突然の意識消失はみられるが、入眠後に意識が戻ることが多いので、意識障害の程度の判定は必ずしも必要がない。
5.× 発作終了後、直ちに抗てんかん薬を服用させるのは適切ではない。発作直後は意識がもうろうとしていることが多く、無理に薬を服用させると誤嚥のおそれがあるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=3514🔗
問題文正答率:25.00%
48
認知症患者に対する作業プログラムを作成する上での留意点で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。活動の時間帯は覚醒水準に応じて設定する。個人の生活リズムに合わせて対応し、1日のりズムが確立したら、レクリエーションなどの活動を生活の中に組み入れることが大切である。
2.× 「新しい事に挑戦していくような活動」ではなく、馴染みのある活動が良い。新しい活動を覚えることや慣れることに、困惑や混乱が生じやすいためである。
3.× 活動は、単純化する必要があるが、幼稚にする必要はない。幼稚な作業により、尊厳や自尊心を傷つける恐れがあるためである。
4.× 現在の状態を視ることも大切だが、生活史を考慮することも同時に重視して活動を選択する。馴染みの活動を取り入れるためにも、生活史を考慮することを重視する。
5.× 患者同士で作品への感想を述べ合う場面は作るようにする。そのことで共感や自尊心を尊重することへとつながる。
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問題文正答率:25.00%
49
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律〈医療観察法〉で、精神保健審判員(必要な学識経験を有する医師)とともに処遇を決定する職はどれか。
解説・コメント
医療観察法の対象:精神障害のために善悪の区別がつかず、刑事責任を問えない状態で殺人・放火・強盗・強姦・強制わいせつ・傷害等を行った人で、不起訴処分や無罪、または執行猶予となった人。目的:対象者に対して、適切な医療を提供し、社会復帰を促進する。審判:鑑定入院の後で、裁判官と精神保健審判員からなる合議体が処遇の審判を下す。
1.× 検察官・都道府県知事は関与しない。
2.〇 裁判官が適当である。裁判官と精神保健審判員からなる合議体が処遇の審判を下す。
4.× 社会復帰調整官とは、法務省管轄の保護観察所に配属され、鑑定入院時より関与し、対象者(精神障害者)の生活環境調査を行う職業の事である。指定入院医療機関の退院決定からは、対象者の社会復帰に向けてのケア会議を開催するなど、本法での中心的な役割をもつ。保護観察所長は社会復帰調整官の長である。
5.× 精神保健参与員とは、対象者の医療資源の利用や社会復帰の可能性に関して、合議体(裁判官と精神保健審判員)に助言する役割を持つ。
https://ja.mondder.com/fq?id=3516🔗
問題文正答率:25.00%
50
精神障害者の雇用や就労支援で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 就労移行支援の標準利用期間は、「1年間」ではなく2年(特例で3年)である。就労移行支援事業は、就業が可能と思われる65歳未満の障害者に対して就業のために必要な知識や技能を身につけさせる事業である。
2.〇 正しい。精神障害者は法定雇用率の算定基礎に含まれている。雇用義務の対象となるのは従業員45.5人以上の企業であり、障害者届用率は2.2%以上(国・地方公務員は2.5%、都道府県の教育委員会は2.4%) が義務づけられている(平成30年4月1日以降)。障害者雇用率制度において、雇用義務の対象となるのは身体障害者および知的障害者であり、精神障害者は雇用義務の対象ではないが、各企業の実雇用率の算定時には障害者数に算入することができる。
3.× 障害者就業・生活支援センターは、就業およびそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障害者に対し、センター窓口での相談義務や職場・家庭訪問などを実践している場所となる。利用者と雇用契約を行う場所ではない。
4.× 個別化された援助付き雇用プログラム(IPS:Individual Placement and Support)の特徴は、症状の重さは問題にせず、本人の好みや意欲に基づき職を選択し、「障害者雇用」ではなく一般就労を目指すものである。訓練は、就労後も就労前と同様に継続される。
5.× 就労定着支援は、障害者の就労や、就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートするものである。
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問題文正答率:25.00%
51
頸椎で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。 環椎に椎体はない。ちなみに、棘突起や上・下関節突起も欠いている。
2.× 軸椎に、上関節面は存在する。下関節面をもつ下関節突起はあるが、上関節突起はなく、上関節面のみがある。
3.× 第4頸椎(第3~7)に、鈎状突起は存在する。鈎状突起とは椎体の上外側にある部分。頚椎の骨のブロックが重なり、上の部分の椎体と下の鈎状突起の部分が重なったところを「鈎椎関節(ルシュカ関節)」という。
4.× 第5~6頸椎の横突孔は、椎骨動脈が貫通する。椎骨動脈の他にも椎骨静脈も貫通する。
5.〇 正しい。第7頸椎の棘突起先端は二分しない。他の特徴として、棘突起が一番長く、横突孔は頸椎の中で最も小さく、椎骨動脈は通らない。
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問題文正答率:25.00%
52
脳神経と支配筋の組合せで正しいのはどれか。 つ選べ。
解説・コメント
1. ×:眼輪筋は、顔面神経支配である。ちなみに、滑車神経は上斜筋を支配する。
2. 〇:正しい。三叉神経は、咬筋(咀嚼筋)を支配する。
3. 〇:正しい。顔面神経は、広頚筋(表情筋)を支配する。
4. ×:舌筋は、舌下神経支配である。
5. ×:側頭筋(咀嚼筋)は、三叉神経(下顎神経)支配である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3519🔗
問題文正答率:25.00%
53
脳の解剖で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。黒質は、中脳にある。
2. 〇:正しい。海馬は、側頭葉にある。
3. ×:中小脳脚は、「中脳と小脳を連絡する」のではなく、橋と小脳を連絡する。ちなみに、上小脳脚は出力線維で、中・下小脳脚は主に入力線維である。
4. 〇:正しい。脳梁は、左右の大脳半球を連絡する。
5. 〇:正しい。中心溝(ローランド溝)は、前頭葉と頭頂葉の間にある。
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問題文正答率:25.00%
54
第7胸椎の高さの水平断で最も腹側にあるのはどれか。
解説・コメント
いずれも第7胸椎の高さに属するが、最も腹側にある部位を答える。
1. ×:心臓と比較すると、食道の方が背側に属する。
2. 〇:正しい。選択肢のうち、最も腹側にあるのは、右心室である。
3. ×:心房と心室では、心房が背側・心室が腹側になるように前後に傾いている。
4.5. ×:左右心室・左右心房を比較すると、どちらも左の方が背側に位置している。
https://ja.mondder.com/fq?id=3521🔗
問題文正答率:25.00%
55
消化器の解剖で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:胃の筋層は、「2層から」ではなく、胃体では3層(内斜、中輪、外縦)からなる。胃以外の消化管の筋層は、内輪、外縦の2層構造である。
2. ×:空腸は回腸より短い。空腸の長さは小腸のほぼ2/5に相当する。回腸は空腸に続き3/5相当の長さに相当する。
3. 〇:正しい。食道は3か所の狭窄部をもつ。①咽頭との接合部、②気管支の後ろを通る部位、③横隔膜を抜ける部位である。また、噴門付近(胃との接続部分)と共に、この3箇所の狭窄部は、食道ガンの好発部位である。
4. ×:十二指腸は腸間膜を有していない。腸間膜とは、腸管を腹腔後壁に連絡する膜で、2重の腹膜からなる。小腸では空腸と回腸、大腸では横行結腸・S状結腸にある。
5. ×:内肛門括約筋は、「横紋筋」ではなく、平滑筋からなる。外肛門括約筋は、体性神経支配の横紋筋である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3522🔗
問題文正答率:25.00%
56
呼吸器で正しいのはどれか。
解説・コメント
便宜上1を正解としましたが正答値表が空欄となっていました。
上記のように
採点除外問題となっていた問です。一応、解説として、
1. ×:鼻前庭は粘膜で覆われていない。鼻翼でかこまれている部分が、鼻前庭である。鼻前庭には鼻毛が生えていて、吸い込んだ空気の中の大きなごみを取り除くはたらきをする。鼻前庭から奥の部分は、鼻粘膜という薄い粘膜で覆われる。
2. ×:気管は、第6頸椎の高さから始まる。第4~5胸椎から始まるのは、左右の主気管支の分岐である。
3. △:上気道は鼻腔から咽頭までと表記されている教科書と、喉頭までと表記されている教科書があり定義があいまいである。そのため、不適切問題になったと考えられる。
4. ×:右主気管支は、左主気管支よりも「細い」のではなく太い。
5. 〇:気管支の分岐角は、右より左の方が大きい。右は25°、左は45°である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3523🔗
問題文正答率:25.00%
57
腎臓で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。遠位尿細管は集合管につながる。糸球体から遠位尿細管までの部分をネフロン(腎単位)といい、多数のネフロンは集合管に合流し、尿を腎杯に送る。
2. 〇:正しい。尿細管は腎小体の尿管極に始まる。連結部を尿管極という。
3. ×:Henle係蹄は、小葉間静脈につながらない。Henle係蹄は、尿細管の一部であり、腎小体から近位尿細管へとつながり、Henle係蹄を経て遠位尿細管へとつながる。小葉間静脈とは、尿細管周囲の毛細血管の先の静脈絡である。
4. 〇:正しい。Bowman嚢は糸球体を包んでいる。ちなみに、糸球体とBowman嚢を合わせて腎小体と呼ぶ。
5. 〇:正しい。輸入細動脈は糸球体につながる。その後、輸出細動脈へとつながる血管系である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3524🔗
問題文正答率:25.00%
58
女性生殖器で誤っているのはどれか。
解説・コメント
採点除外問題となりました。
理由は、4番の答えが明確な誤りではないからと思われます。
1. 〇:正しい。排卵期では、卵管の先の卵管采が、卵管の運動とともに移動し、卵巣の表面に接触する。この時、卵子は卵管の中に取り込まれる。
2. 〇:正しい。精子は子宮腔内を遡上して卵管膨大部へ達する。卵管膨大部で卵子と精子が出会い受精する。
3. 〇:正しい。受精卵になると4~6日間かけて細胞分裂を繰り返しながら卵管→子宮内へ進む。着床のタイミングを見計らい、子宮内膜へ着床する。
4.△:排卵直後の卵胞は黄体となるのは、少し違和感がある。排卵後の卵胞は出血により、赤体と呼ばれる。排卵した後に残った卵胞の袋の部分の細胞は、黄体化ホルモンの刺激によって、黄体となる。排卵直後ではないと考える。
5. 〇:正しい。卵細胞は卵巣から腹腔内に放出される。グラーフ卵胞(成熟卵胞)が発育、増大すると卵巣の表面に突出して破裂し、卵細胞は卵胞液とともに卵巣から腹腔内へと放出される。この現象を排卵という。
https://ja.mondder.com/fq?id=3525🔗
問題文正答率:25.00%
59
ホルモンの産生で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:エリスロポエチンは、「骨髄」ではなく腎臓で産生される。腎臓は他にレニンが産生される。
2. ×:グルカゴンはLangerhans<ランゲルハンス>島の「B細胞」ではなくA細胞で産生される。ちなみに、B細胞はインスリンが分泌される。
3. ×:ソマトスタチンは、「黄体」ではなく視床下部・Langerhans<ランゲルハンス>島D細胞で産生される。
4. ×:トリヨードサイロニン(T3)は、「上皮小体」ではなく甲状腺で産生させる。甲状腺は、他にカルシトニンや総サイロキシン(T4)が産生される。
5. 〇:正しい。バソプレシンは視床下部で産生され、下垂体後葉から分泌される。
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問題文正答率:25.00%
60
末梢神経と体表からの触知部位との組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1. ×:腕神経叢は、後傾三角(胸鎖乳突筋後縁と僧帽筋前縁、鎖骨上縁で囲まれた部分)で触知できる。
2. ×:正中神経は、上腕の近位1/2の領域で、烏口腕筋のすぐ内側後方で触知できる。ここから遠位の領域では、上腕二頭筋短頭のすぐ内側後方から、上腕二頭筋停止腱内側までの領域で触知できる
3. 〇:正しい。尺骨神経は、肘頭と上腕骨内側上顆の間で触知できる。
4. ×:脛骨神経は、膝窩部で腓腹筋の内外側頭の間で、手指を前方に圧迫しながら内外側方向に移動すると、膝の内側幅の1/2の洗浄に触知できる。また下腿後面の脛骨内果とアキレス腱との間で、手指を前方に圧迫しながら内外側方向に移動すると触知できる。
5. ×:総腓骨神経は、膝窩部から腓骨頭の高さまで、大腿二頭筋の内側縁に沿って、手指を前方に圧迫しながら内外側方向に移動すると触知できる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3527🔗
問題文正答率:25.00%
61
遺伝情報伝達で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:リボゾームRNAは、遺伝子情報をもとに、タンパク質を合成する場所である。ATP産生に関与するのは、ミトコンドリアである。
2. ×:DNAではアデニンはチミンと、グアニンはシトシンと結合している。
3. 〇:正しい。核の中のすべてのDNAの塩基配列をゲノムという。ゲノムとは、一つの細胞、または生物が持つすべての遺伝子情報のことである。ヒトゲノムは、23本の染色体に含まれるDNAの遺伝情報全体のことを指す。
4. ×:DNAから塩基配列が転写されるのは、「転移RNA<tRNA>」ではなく、伝令RNA<mRNA>である。
5. ×:伝令RNA<mRNA>上では、「DNAと同じく2個の塩基の組み合わせ」ではなく、3個の塩基の組み合わせが1つの暗号(コドン)の単位を形成する。そのとき、RNAはチミンがなく、代わりにウラシルがある。
https://ja.mondder.com/fq?id=3528🔗
問題文正答率:25.00%
62
骨格筋の筋収縮で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:筋小胞体には、「Na+」ではなくCa2+を貯蔵している。
2. ×:活動電位は、「筋収縮に遅れて」ではなく、筋収縮前に発生する。
3. ×:Ca2+が筋小胞体に、「取り込まれる」ではなく、筋小胞体からCa2+が放出されると筋収縮が起こる。そのときに、トロポニンと結合する。
4. 〇:正しい。ミオシン頭部の角度が戻るときにATPの加水分解が起こる。ATPのエネルギーを使って、ミオシン頭部が首を振る。ATPが加水分解されると、ミオシン頭部は元の角度に戻る。
5. ×:神経筋接合部での興奮の伝達は神経と筋との間で、「双方向性」でなく一方向である。
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問題文正答率:25.00%
63
左上肢の感覚と伝導路が通る部位との組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1. ×:粗大な触圧覚は、前脊髄視床路を通る。つまり、「左」ではなく右脊髄前索を通る。
2. ×:意識できる位置覚は、「右」ではなく左脊髄後索を通る。
3. ×:温覚は、右脊髄の「後索」ではなく側索を通る。
4. ×:振動覚は、左脊髄の「側索」ではなく後索を通る。
5. 〇:正しい。痛覚は、外側脊髄視床路であり、右脊髄側索を通る。
https://ja.mondder.com/fq?id=3530🔗
問題文正答率:25.00%
64
交感神経の機能で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:膵液分泌を「促進」ではなく減少させる。
2. ×:心収縮力を「減少」ではなく増加させる。
3. ×:直腸平滑筋を「収縮」ではなく弛緩させる。
4. 〇:正しい。水晶体の厚さを減少させる。ちなみに、交感神経刺激により毛様体が弛緩し、チン小帯が収縮することによって水晶体が引っ張られ薄くなる。
5. ×:肝臓でのグリコーゲン合成を「促進」ではなく減少させる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3531🔗
問題文正答率:25.00%
65
心筋の再分極に最も影響するのはどれか。
解説・コメント
①隣接する細胞が興奮すると、静止膜電位がプラスに向かい、Na+チャンネルが開き、大量のNaが細胞内に流入する。
②Na+が大量に流れ込むため、膜電位は急峻に上昇する。分極していた細胞内外が極性を失うので脱分極という。
③活動電位となった細胞内にはNa+に引き続きCa2+チャンネルが開いて、Ca2+が入ってくる。Ca2+は心筋収縮の引き金の役割とともに、プラスイオンの性質から活動電位の持続にも貢献する。
④活動電位から静止電位に戻るために、K+チャンネルが開いて、細胞内に多いK+が、細胞外に出ていく。結果的にプラスイオンを減らした細胞内は静止電位まで下がる。再び分極するので、再分極という。よって、心筋の再分極に最も影響するのは、選択肢2. K+電流が正しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3532🔗
問題文正答率:25.00%
66
末梢組織への酸素供給を増やすのはどれか。
解説・コメント
末梢組織への酸素供給について、ボーア効果がある。ボーア効果とは、血液内の二酸化炭素量の変化による赤血球内のpHの変化によりヘモグロビンの酸素解離曲線が移動すること。ヘモグロビンの酸素解離曲線がpHの低下や温度上昇などの変化によって右方変移することで、末梢の酸素を解離しやすくなり、pHの上昇や温度低下などで左方偏移することで結合しやすくなる効果である。
1. 〇:正しい。pHの低下で末梢組織への酸素供給を増やす。
2. ×:体温の低下で、末梢組織への酸素供給は減少する。
3. ×:PCO2の低下で、末梢組織への酸素供給は減少する。
4. ×:赤血球数減少で、末梢組織への酸素供給は減少する。
5. ×:ヘモグロビン濃度減少で、末梢組織への酸素供給は減少する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3533🔗
問題文正答率:25.00%
67
摂食嚥下の咽頭期に生じる現象で正しいのはどれか。
解説・コメント
嚥下の過程
①先行期・・・飲食物の形や量、質などを認識する。
②準備期・・・口への取り込み。飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする。
③口腔期・・・飲食物を口腔から咽頭に送り込む。
④咽頭期・・・飲食物を咽頭から食道に送り込む。
⑤食道期・・・飲食物を食道から胃に送り込む。
1. ×:咽頭期では、吸気(呼吸)は一時停止(嚥下時無呼吸)する。なぜなら、気道に食塊が流入するのを防ぐため。
2. ×:咀嚼を行うのは、「咽頭期」ではなく準備期(嚥下前)である。
3. 〇:正しい。喉頭蓋反転とは、喉頭蓋が反転して気管への通路が喉頭を閉鎖することをいう。咽頭期で起こる。
4. ×:咽頭期では、鼻咽腔を閉鎖する。なぜなら、食塊が鼻腔へ流れるのを防ぐため。
5. ×:咽頭期では輪状咽頭筋は、「収縮する」のではなく弛緩する。蠕動運動と舌根部の働きにより形成された咽頭内圧により食塊は食道へ送られる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3534🔗
問題文正答率:25.00%
68
集合管における尿の濃縮に関わるホルモンはどれか。
解説・コメント
1. ×:グルカゴンは、膵臓から産生され血糖を上昇させる作用を持つ。
2. ×:メラトニンは、松果体から産生され、体内時計を調整する作用(睡眠ホルモン)を持つ。
3. ×:オキシトシンは、下垂体後葉から産生され射乳、子宮収縮に作用を持つ。
4. ×:パラトルモンは、副甲状腺ホルモンとも呼ばれ、副甲状腺から分泌されるホルモン。血液中のカルシウムの濃度を維持する作用があり、骨に働いてカルシウムを放出させ、腎臓に働いてその再吸収を亢進させる作用を持つ。
5. 〇:正しい。アルドステロンは、副腎皮質から産生され集合管における尿の濃縮に関わるホルモンである。他の作用として、血圧上昇、K排泄促進、Na再吸収促進作用を持つ。
https://ja.mondder.com/fq?id=3535🔗
問題文正答率:25.00%
69
代謝で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。呼吸商<RQ>は、摂取する栄養素によって異なる。呼吸商とは酸素消費量に対する二酸化炭素排出量の比である。呼吸商は栄養素によって異なり、ブドウ糖が1.0、タンパク質は約0.8、脂質が0.7である。
2. 〇:正しい。特異動的作用<SDA>とは、食物摂取後の体温上昇である。通常、どのような食事をしても熱産生の亢進が起こり、これを特異動的作用<SDA>という。ちなみに、脂質に比べてタンパク質の方が特異動的作用<SDA>は大きい。
3. 〇:正しい。基礎代謝量<BM>は、同性・同年齢なら体表面に比例する。基礎代謝量は体重、体表面積、性と年齢などの要因に依存する。
4. 〇:正しい。エネルギー代謝率<RMR>は、基礎代謝量を基準とした運動強度である。エネルギー代謝率は活動による代謝量の増加が基礎代謝量の何倍であるかを表す。※基礎代謝率 = (作業時の代謝量 - 安静時の代謝量) ÷ 基礎代謝量で表す。
5. ×:代謝当量<MET>は、「安静臥位時」ではなく安静座位時の代謝量を基準とした運動強度である。ある郷土の運動時における代謝量が、安静座位の時の代謝量の何倍に相当するかを表す。
https://ja.mondder.com/fq?id=3536🔗
問題文正答率:25.00%
70
肩甲骨を胸郭に押し付ける作用のある筋はどれか。
解説・コメント
1. ×:大胸筋は、肩関節を内転・内旋する。胸骨部は肩関節を屈曲する。腹部は肩を下げるときにも働く。なお、手を壁につけているときのように上肢が固定されているとき、または腕を前にあげて深呼吸するときなどに胸郭を上げて吸息を補助する。
2. ×:広背筋は、肩関節を伸展・内転・多少内旋する。
3. 〇:正しい。前鋸筋は、肩甲骨を胸郭に押し付ける作用がある。他にも下2/3は下角を前に引いて肩甲骨を外方に外旋し、上腕の屈曲と外転を補助する。最上部は肩甲骨をやや引き上げる作用を持つ。
4. ×:鎖骨下筋は、鎖骨を下方に引く。
5. ×:肩甲挙筋は、肩甲骨を上内方に引く。
https://ja.mondder.com/fq?id=3537🔗
問題文正答率:25.00%
71
膝蓋骨で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:逆である。関節面は、内側面に比べて外側面で広い。
2. ×:膝関節「屈曲位」ではなく、伸展位で可動性が高くなる。なぜなら、膝蓋骨は屈曲に伴い大腿骨の下方(遠位)および後方(大腿骨側)に移動し、顆間窩に挟まれるよう固定されるため。
3. 〇:正しい。膝関節伸筋の作用効率を高めている。なぜなら、膝蓋骨は大腿四頭筋腱を前方へ変位させ、アームを長くしているため。
4. ×:膝関節の屈曲にも伴い、「上方」ではなく下方(および後方)に引かれる。
5. ×:膝関節の伸展に伴い接触面は、「上方」ではなく下方に移動する。ちなみに、膝蓋骨は上方に移動する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3538🔗
問題文正答率:25.00%
72
膝関節の運動で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:側副靭帯は、外側・内側側副靭帯ともに伸展時に緊張する。屈曲時に弛緩する。
2. ×:関節包の後面は、前面に比べて伸縮性が、「高い」のではなく低い。前面の方が伸縮性は高い。なぜなら、後方関節包は伸展位で緊張し過伸展を制限する必要があり、また前方関節包は屈曲時に高い伸縮性を要するため。
3. ×:両側の半月板は、「内外縁とも遊離している」のではなく、内縁のみ遊離しており可動性に関与する。ちなみに、外縁は関節包に付着している(わち様のコメントより)。また、内側半月板は内側側副靱帯に固定され、外側半月板は外側側副靱帯から遊離して可動性を持つ(まあ様のコメントより)。
4. ×:大腿骨の脛骨上の転がり運動は、最終可動域ではみられない。初期に転がり運動がみられ、最終域周辺では滑り運動のみである。
5. 〇:正しい。大腿骨の脛骨上の転がり運動は、外側顆部の方が内側顆部より大きい。なぜなら、大腿骨の脛骨上の運動は半月板が関与し、外側半月板は内側半月板より移動量が大きいため。
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問題文正答率:25.00%
73
腰椎への負荷が大きい順に並んでいるのはどれか。
解説・コメント
椎間板内圧と限定すると、選択肢4の「B>C>A」となるが、問題文では、腰椎となっている。不適切な問題かも知れない。
理由は、「腰椎」の記載では、どこを指しているか不明である。例えば、椎間関節などの後方支持要素の場合では姿勢による負荷の加わり方が、前方支持要素とでは異なる。脊柱管狭窄症に大きく関与する硬膜外圧についても、体幹の前屈によって低下する。よって、3もしくは4で限定できない。
ちなみに、体位による椎間板内圧の変化では、立位を100としたとき、座位は140、前傾座位は185となる。
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問題文正答率:25.00%
74
努力性呼気時に働く筋はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
努力性呼気に働く筋は、内肋間筋、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋などがある。
よって解答は、選択肢1. 腹直筋、選択肢4. 内肋間筋である。
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問題文正答率:25.00%
75
病原体と腫瘍発生との組合せで誤っているのはどれか。
解説・コメント
1. ×:A型肝炎ウイルスは、A型肝炎ウイルス(HAV)感染による疾患である。一過性の急性肝炎が主症状であり、治癒後に強い免疫が残される。つまり、慢性化しないため癌化しない。HAVは糞便中に排泄され、糞口感染で伝播するので、 患者の発生は衛生環境に影響されやすい。主な感染源は、牡蠣などの海産物に多い。肝細胞癌の原因には、その約90%が肝炎ウイルス、すなわちB型やC型肝炎ウイルスが関与し、その内訳はC型肝炎ウイルス(HCV)が約70%、B型肝炎ウイルス(HBV)が約20%である。
2. 〇:正しい。Epstein barrウイルスは、Burkittリンパ腫である。
3. 〇:正しい。HTLV-Ⅰは、成人T細胞白血病である。主に母乳を介して母子感染し潜伏期を経た後、発症する。
4. 〇:正しい。ヒトパピローマウイルス(16,18型)は、子宮頸癌である。
5. 〇:正しい。ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃癌である。感染した胃は萎縮性胃炎、腸上皮化正などを経て、胃がんに至る。
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問題文正答率:25.00%
76
神経原性ショックの特徴はどれか。
解説・コメント
上位胸椎より高位の脊髄損傷によるショックで、その本態は自律神経系失調によって引きおこされた末梢血管弛緩による血圧低下である。血液分布異常性ショックの一つである。症状としては血圧低下のほか徐脈をともない、四肢末梢の皮膚は暖かく、乾燥している。外傷にともなうショックである。よって、解答は選択肢2. 徐脈である。
1. ×:交感神経などの自律神経系が失調される。副交感神経の相対的亢進状態がみられる。
3. ×:心拍出量は、「増加」ではなく低下する。
4. ×:中心静脈圧は、「上昇」ではなく低下する。なぜなら、血管が拡張されるため。
5. ×:皮膚温は、「低下」ではなく上昇する。なぜなら、血管が拡張されるため。
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問題文正答率:25.00%
77
肺気量で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1. ×:「1秒率 = 1秒量 ÷ %肺活量」ではなく、1秒率 = 1秒量 ÷ 努力肺活量 × 100である。
2. ×:「機能的残気量 = 予備吸気量 + 残気量」ではなく、機能的残気量 = 予備呼気量 + 残気量である。
3. 〇:正しい。最大吸気量 = 1回換気量 + 予備吸気量で表せる。
4. 〇:正しい。残気量 = 全肺気量 - 肺活量で表せる。
5. ×:「肺活量 = 予備吸気量 + 予備呼気量」ではなく、肺活量 = 最大吸気量 + 予備呼気量である。
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問題文正答率:25.00%
78
正しい組合せはどれか。
解説・コメント
1. ×:A. Beckは、うつ病に対する認知療法(認知行動療法)である。認知のゆがみを強制して、現実に正しく対応していけるようにするもの。
2. ×:J. Bowlby(ジョン・ボウルビー)は、愛着理論である。乳幼児期において療育者に受け入れられ十分な愛情を受ける経験をすることが、その後の人格形成に重要である、と提唱した。
3. ×:R. Liberman(ロバート・リバーマン)は、社会生活技能訓練である。社会生活技能訓練は、認知構想療法の考えが生かされた集団精神療法の例である。生活技能を向上させることによって社会生活の困難を乗り越えようとするものである。
4. 〇:正しい。C. Rogers(ロジャース)は、来談者中心療法、非指示的療法(パーソンセンタード・アプローチ)である。治療者が来談者の話に関心を持って傾聴し、共感していくことによって、来談者自身が自ら気づき、成長していけるとするものである。
5. ×:J. Wolpe(ジョゼフ・ウォルプ)は、系統的脱感作である。これは、不安を生じさせる刺激を階層化し、段階的に刺激を強く与えていってそれに拮抗できるような反応を身につける方法である。
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問題文正答率:25.00%
79
ライフステージにおける成人期後期(50〜60 歳ころ)の特徴で適切なのはどれか
解説・コメント
1. ×:親しい人の死を経験し、自分の死についても受容的になるのは、老年期である。
2. ×:心理社会的な猶予期間(モラトリアム)といえる時期は、青年期である。
3. ×:仕事や家庭を持つようになり、社会人としての成長をみせるのは、成人前期~中期(20~40最)である。
4. 〇:正しい。経験の蓄積により判断力は向上を続けるが記憶力は低下を示すのは、成人後期である。
5. ×:社会的役割の減少や身体的不自由など多くの喪失体験がみられるのは、老年期である。
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問題文正答率:25.00%
80
交通事故により下肢を骨折したが、リハビリテーションの回数が少ないことで、 治療者に強い不満をぶつけてしまった。 その後「先生は私を嫌っている」と考える防衛機制はどれか。
解説・コメント
1. ×:回避は、葛藤や不安に直面したとき、白昼夢や病気に逃げ込むことである。防衛機制の「抑圧・否認・隔離」の総称を回避・逃避と表現することもある。
2. 〇:正しい。投影とは、自己の欠点や攻撃性を他人の中に見出し、他人を攻撃することで自己の劣等感、攻撃性をないものとすることである。
3. ×:否認は、容認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振舞うことである。
4. ×:抑圧は、容認しがたい自分の欲求を無意識のうちに抑えつけてしまうことである。
5. ×:合理化は、欲求が満たされない時、その耐え難い感情をかなり強引な理由付けを行って処理しようとすることである。
防衛機制とは、人間の持つ心理メカニズムであり、自分にとって受け入れがたい状況や実現困難な目標に対して、自我を保つために無意識で発動する心理的な機構である。防衛機制には、短期的には精神状態を安定させる作用があるが、長期的にみればかえって精神を不安定にさせてしまうものもある。
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問題文正答率:25.00%
81
ある患者の心理検査の一部を示す。 この検査法はどれか。
解説・コメント
1. ×:HTP(House-tree-person test:投影描画法)は、描き手は「家」「木」「人」の絵をかいてもらう。描かれた絵には描き手の心理が投影されている。
2. 〇:正しい。SCT(sentence completion technique:文章完成法)は、用紙にはいくつかの単語や未完成の短文があり、その続きを患者が書き込み、文章を完成させ、その患者の人格を読み取る形式である。
3. ×:MMPI(Minnesota Multiphasic Personality inventory:ミネソタ多面的人格検査)は、質問紙法による人格検査で550の項目に、YES・NOで答えさせ、人格特性をとらえるものである。
4. ×:P-Fスタディ(Picture Frustration Study:絵画欲求不満テスト)は、投影法による心理検査である。日常生活で欲求不満を起こすような絵が描かれた24の場面について被験者に空白の吹き出しに自由に記入させる。核反応から対処行動としての自責・他責・無責の性格傾向を明らかにする。
5. ×:ASQ(Autism Screening Questionnaire:自閉症スクリーニング質問紙)は、問診形式による自閉症チェックリストである。自閉症にみられる症状を39項目の質問事項とし、それに「はい」「いいえ」で答える質問紙である。
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問題文正答率:25.00%
82
ASIA の評価法における脊髄の髄節とその key muscle の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:C6は、手背屈筋(長短橈側手根伸筋)である。上腕二頭筋は、C5である。
2. ×:C8は、中指末節の屈筋(中指の深指屈筋)である。上腕三頭筋は、C7である。
3. 〇:正しい。T1は、小指外転筋である。
4. ×:L1は、股関節内転筋である。大腿四頭筋は、L3である。
5. ×:L5は、母趾伸展筋である。前脛骨筋は、L4である。
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問題文正答率:25.00%
83
絞扼性神経障害における障害部位と症候の組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1. ×:手根管を通る神経は、正中神経である。したがって、猿手となる。下垂手は、橈骨神経麻痺である。
2. ×:足根管を通る神経は、脛骨神経である。したがって、「足背」ではなく足底の異常感覚を呈す。足背の異常感覚は、腓骨神経である。
3. ×:梨状筋の直下に坐骨神経が通る。坐骨神経は、下腿にかけ腓骨神経・脛骨神経に分岐する。したがって、「下腿内側」ではなく、下腿後面や外側に異常感覚を呈す。下腿内側の異常感覚は、伏在神経(大腿神経)の障害で起こる。
4. ×:肘部管は、尺骨神経が通る。涙滴徴候は、前骨間神経麻痺(正中神経麻痺)で起こり、母指と示指の第1関節の屈曲ができなくなり、その時に母指と示指で丸を作らせると母指の第1関節過伸展、示指の第1関節過伸展することをいう。
5. 〇:正しい。腓骨頭の直上に総腓骨神経が通り、総腓骨神経が障害されることで下垂足が起こる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3550🔗
問題文正答率:25.00%
84
失行の検査でないのはどれか。
解説・コメント
1~2. ×:お茶を入れてもらう/金槌で釘を打ってもらうのは、主に観念失行の検査である。ただし、口頭指示されている可能性も考えられるため、観念運動失行も否定することはできない。
3. 〇:日常物品の名前を答えてもらうのは、物体失認や失語の検査で行われる。
4. ×:「おいでおいで」の動作をしてもらうのは、観念運動失行の検査である。
5. ×:歯ブラシを持ったつもりで歯を磨くまねをしてもらうのは、観念運動失行の検査である。
失行について、
観念失行:使用すべき対象物(道具・物品)の使用障害である。
観念運動失行:習慣的な動作を言語命令に従ったり、模倣で遂行することができない状態である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3551🔗
問題文正答率:25.00%
85
性染色体異常で発症するのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
性染色体とは、雌雄異体の生物で雌雄によって形態や数が異なる染色体もしくは形態的な差異が見られないが性決定に関与する染色体。性染色体以外の雄雌で共通な染色体は常染色体と呼ぶ。
1. ×:Down症候群(ダウン症候群)は、21番染色体全長あるいは一部の重複に基づく常染色体異常である。
2. ×:Marfan症候群(マルファン症候群)の原因は、15番・3番染色体の異常・変化(常染色体優性遺伝)で起こる。
3. 〇:Turner症候群(ターナー症候群)は、2本のX染色体のうち1本の部分的または完全な欠失によって引き起こされる性染色体異常である。
4. ×:Williams症候群(ウィリアムズ症候群)は、7番常染色体の微細な欠失(顕微鏡では発見できないほどのサイズ)が原因である遺伝子疾患である。大動脈弁上狭窄、妖精様顔貌、知的障害などを呈する。
5. 〇:Kleinfelter症候群(クラインフェルター症候群)は、男性の性染色体にX染色体が一つ以上多いことで生じる一連の症候群で性染色体異常ある。
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問題文正答率:25.00%
86
改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST-R)の個人安社会領域で最も早く可能になるのはどれか。
解説・コメント
1. ×:手を洗ってふくのは、3歳~3歳半(通過率75~90%)からである。
2. ×:簡単なお手伝いは、17~19か月(通過率75~90%)からである。
3. ×:コップから飲むのは、15~16か月(通過率75~90%)からである。
4. ×:上着などを脱ぐのは、2歳(通過率75~90%)からである。
5. 〇:ビスケットを自分で食べるのは、7~8か月(通過率75~90%)である。
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問題文正答率:25.00%
87
帯状疱疹で正しいのはどれか。
解説・コメント
帯状疱疹は、子供の頃にかかった水痘ウイルスが数十年の潜伏期間を経て、免疫力が低下した時などに再活性化(回帰感染)して起こる。赤い斑点や水痘、激しい痛みを生じる。
1. ×:発疹は、「左右対称」ではなく、左右どちらか一方にみられる。一般に、身体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状にあらわれるのが特徴。胸から背中にかけて最も多くみられ、全体の半数以上が上半身に発症する。また、顔面、特に眼の周囲も発症しやすい部位である。
2. ×:「感染後数日」ではなく、数十年の潜伏期間を経て発症する。水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染の潜伏期は10~20日である。
3. ×:Koplik斑が出現するのは、麻疹(はしか)である。Koplik斑(コプリックはん)とは、麻疹 (はしか) 患者の大部分に現れる頬粘膜の斑点である。臼歯に対する部分に境界明瞭なやや隆起した粘膜疹ができる。
4. 〇:正しい。アロディニアを伴う。アロディニアとは、常では疼痛をもたらさない微小刺激が、すべて疼痛としてとても痛く認識される感覚異常のことである。異痛症とも呼ばれる。帯状疱疹後神経痛、糖尿病性ニューロパチー、がんの神経湿潤、片頭痛などでみられることがある。
5. ×:帯状絞扼感は伴わない。帯状絞扼感とは、脊髄の病巣部位に一致して、体幹を帯できつく締められているような痛みが出ることをいう。また動作をきっかけに、意思とは関係なく痛みを伴って激しいつっぱりが起こることがあり、これを「有痛性強直性痙攣」という。多発性硬化症によくみられる症状である。ちなみに、帯状疱疹は片側性に肋間神経や顔面神経、三叉神経の支配領域に沿う神経痛様疼痛がみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3554🔗
問題文正答率:25.00%
88
骨折の名称と部位との組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:Bennett骨折(ベネット骨折)は、「脛骨の骨折」ではなく、母指の中手手根関節部の脱臼骨折のことである。
2. ×:Duverney骨折(デュベルニー骨折)は、「橈骨の骨折」ではなく、腸骨翼単独骨折のことである。
3. ×:Jefferson骨折(ジェファーソン骨折)は、「大腿骨の骨折」ではなく、環椎骨折のことである。
4. 〇:正しい。Malgaigne骨折(マルゲーニュ骨折)は、骨盤骨折の一形態で,前方骨盤輪骨折と後方骨盤輪骨折が合併した骨折で垂直方向にずれているものである。
5. ×:Smith骨折(スミス骨折)は、「上腕骨の骨折」ではなく、橈骨の遠位骨片が掌側に転位して、コーレス骨折と逆の変形を生じた場合をいう。
https://ja.mondder.com/fq?id=3555🔗
問題文正答率:25.00%
89
脳血管障害に対して行われる検査で、誤っているのはどれか
解説・コメント
1. 〇 正しい。MRAでは、造影剤を使用せずに脳全体に張り巡らされている血管だけを描き出すことができる。血管の一部が瘤状に盛り上がった脳動脈瘤や、動脈と静脈が直接つながってしまう動静脈奇形などを早期に発見することができる。つまり、頸動脈狭窄の検索に頚部MRAを使用する。頸部血管超音波検査も用いられることがある。
2. 〇 正しい。MRIのT2*(スター)強調像では、局所磁場の不均一に敏感で、出血性病変は常磁性体の還元ヘモグロビンや赤血球内メトヘモグロビン、超磁性体であるヘモジデリンにより、無信号で黒く表示され、出血性病変の検出能が高くなっている。つまり、出血病変の検索にMRIのT2*(スター)強調像が使用される。またCTが用いられることが多い。
3. × 誤っている。MRIの拡散強調像は、水分子の動きやすさを反映した画像である。著明な高信号は急性期脳梗塞や低酸素脳症などの細胞性浮腫を来す病変、脳膿瘍、脈絡叢嚢胞などの粘稠な液体、出血、悪性リンパ腫などの細胞密度の高い腫瘍性病変などでみられる。陳旧性梗塞の検索には、T2強調画像が用いられることが多い。
4. 〇 正しい。脳塞栓の原因検索にHolter(ホルター)心電図が用いられることが多い。ホルター心電図検査では長時間(24時間)にわたり心電図を記録する。この心電図の解析を通して日常生活における心臓の動き(拍動)を調べ、異常がないかを検査する。不整脈や狭心症などの検索に用い、脳塞栓の原因を探ることが多い。
5. 〇 正しい。脳動脈瘤の検索に脳血管撮影が用いられる。また、頸部血管超音波検査が用いられることが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=3556🔗
問題文正答率:25.00%
90
Parkinson 病でみられないのはどれか。
解説・コメント
パーキンソン病は、黒質のドパミン神経細胞の変性を主体とする進行性変成疾患である。4大症状として①安静時振戦、②筋強剛(筋固縮)、③無動・寡動、④姿勢反射障害を特徴とする。また、自律神経障害による便秘や起立性低血圧、排尿障害、レム睡眠行動障害などが起こる。レム睡眠行動障害とは、レム睡眠の時期に体が動き出してしまう睡眠障害の1つである。 睡眠時随伴症に分類される。
2. ×:運動失調は、主に小脳の障害でみられることが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=3557🔗
問題文正答率:25.00%
91
下肢の末梢神経伝導検査で複数の神経に運動神経伝導速度低下を認めた。 最も考えられる疾患はどれか。
解説・コメント
Guillain-Barré(ギラン・バレー)症候群は、先行感染による自己免疫的な機序により、炎症性脱髄性ニューロパチーをきたす疾患である。一般的には細菌・ウイルスなどの感染があり、1~3週後に両足の筋力低下(下位運動ニューロン障害)や異常感覚(痺れ)などで発症する。感覚障害も伴うが、運動障害に比べて軽度であることが多く、他覚的な感覚障害は一般に軽度である。初期症状として、歩行障害、両手・腕・両側の顔面筋の筋力低下、複視、嚥下障害などがあり、これらの症状はピークに達するまでは急速に悪化し、時には人工呼吸器が必要になる。症状が軽い場合は自然に回復するが、多くの場合は入院により適切な治療(免疫グロブリン静注療法や血液浄化療法など)を必要とする。症状は6か月から1年程度で寛解することが多い。臨床検査所見として、①髄液所見:蛋白細胞解離(蛋白は高値,細胞数は正常)を示す。②電気生理学的検査:末梢神経伝導検査にて、脱神経所見(伝導ブロック、時間的分散、神経伝導速度の遅延、複合筋活動電位の低下など)がみられる。複合筋活動電位が消失あるいは著明な低下し、早期から脱神経所見を示す症例は、一般に回復が悪く機能的予後も不良である。
(※参考:厚生労働省様HPより)
このことから、選択肢5.Guillain-Barré症候群である。
1~3. × 多発性筋炎(筋原性疾患)/視神経脊髄炎(炎症性脱髄性疾患)/閉塞性動脈硬化症(慢性閉塞性疾患)は、伝導速度は低下しない。
4. × 筋萎縮性側索硬化症でみられるのは、針筋電図にて随意収縮時に高振幅電位、安静時に線維束性収縮電位、筋生検にて筋線維の群集萎縮がみられる。末梢神経伝導速度は通常保たれる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3558🔗
問題文正答率:25.00%
92
慢性閉塞性肺疾患患者に推奨されないのはどれか。
解説・コメント
慢性閉塞性肺疾患(COPD)になると、安静時でも、呼吸によって使われるエネルギー量が、普通の人よりも15~25%も高くなるため、体重低下や栄養不足になるリスクが高くなる。また、食事中に息切れしたり、疲れを感じたりすることで、食べる量が少なくなるケースもみられる。一昔前は、呼吸商との関連により、高脂肪食が勧められたが、現在では否定されている。ただ、脂肪が全カロリーの40%を超えるような高脂肪食では、下痢やお腹の不快感などを引き起こすことがあるので注意が必要である。逆に、脂肪の摂取が全カロリーの20%になるような低脂肪食は、二酸化炭素の生産を増やしてしまったり、必要な必須脂肪酸が不足してしまったりするので、注意が必要である。つまり、高・低脂肪食は避け、バランスのよい食事が必要である。よって、解答は選択肢1. 低脂肪食である。ちなみに、低脂肪食が推奨されるのは慢性膵炎である。
2.× 在宅酸素療法は、低酸素血症を生じた慢性閉塞性肺疾患に対して行う。
3~4. × 上肢の筋力トレーニング/下肢の筋力トレーニングは、慢性閉塞性肺疾患のすべての病期で有効である。運動耐容能および身体活動性の維持・改善を目的として行われる。
5. × インフルエンザワクチン接種は、インフルエンザ罹患による症状の増悪予防のために推奨される。
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問題文正答率:25.00%
93
細菌の産生する毒素が症状の原因となるのはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。赤痢菌は、細菌性赤痢の原因の菌である。細菌の産生する毒素が症状の原因となる。
2. ×:サルモネラは、胃腸炎・食中毒の原因となる菌である。感染侵入型であり、毒素の産生は関係しない。
3. 〇:正しい。ボツリヌス菌は、ボツリヌス食中毒の原因となる菌である。低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生する。ボツリヌス菌の毒素は筋を弛緩させる働きがある。
4. ×:カンピロバクターは、食中毒の原因となる菌である。改善病日でみるとカンピロバクターは、サルモネラと比較して早く回復する。感染侵入型であり、毒素の産生は関係しない。
5. 〇:正しい。腸管出血性大腸菌は、O157の原因となる菌である。ベロ毒素を産生する大腸菌である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3560🔗
問題文正答率:25.00%
94
熱傷で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:熱傷面積は、「Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ度すべての面積を合わせて計算する」のではなく、成人は9の法則・小児は5の法則を用いる。
2. ×:Ⅰ度熱傷では水泡は見られない。症状は、発赤、熱傷、軽度の腫脹と疼痛である。また瘢痕にはならない。
3. ×:浅達性Ⅱ度熱傷での水泡底は、「蒼白」ではなく赤色である。
4. 〇:正しい。深達性Ⅱ度熱傷では疼痛がみられる。疼痛がないのはⅢ度熱傷からである。
5. ×:Ⅲ度熱傷では創底から上皮化が起こらず、植皮が必要である。
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問題文正答率:25.00%
95
リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン 2006 に基づく、積極的なリハビリテーションを実施しない場合はどれか
解説・コメント
1. 〇:正しい。安静時脈拍130/分は、積極的なリハビリを行えない。[1] 安静時脈拍 40/分以下または 120/分以上の条件から逸脱するため。
2. ×:安静時体温「37.5℃」ではなく38℃以上である。
3. ×:安静時酸素飽和度「92%」ではなく90%以下である。
4. ×:安静時収縮期血圧「160mmHg」ではなく70mmHg 以下または 200mmHg 以上である。
5. ×:安静時拡張期血圧「100mmHg」ではなく120mmHg 以上である。
リハビリテーションの中止基準
1. 積極的なリハを実施しない場合
[1] 安静時脈拍 40/分以下または 120/分以上[2] 安静時収縮期血圧 70mmHg 以下または 200mmHg 以上[3] 安静時拡張期血圧 120mmHg 以上[4] 労作性狭心症の方[5] 心房細動のある方で著しい徐脈または頻脈がある場合[6] 心筋梗塞発症直後で循環動態が不良な場合[7] 著しい不整脈がある場合[8] 安静時胸痛がある場合[9] リハ実施前にすでに動悸・息切れ・胸痛のある場合[10] 座位でめまい,冷や汗,嘔気などがある場合[11] 安静時体温が 38 度以上[12] 安静時酸素飽和度(SpO2)90%以下https://ja.mondder.com/fq?id=3562🔗
問題文正答率:25.00%
96
うつ病に起こりやすい思考障害はどれか。
解説・コメント
1. ×:迂遠(うえん)は、てんかんや老化(認知症)にみられる。迂遠とは、一つ一つの観念にとらわれてしまうために、その都度その観念に対する注釈を付け加えたり、言葉を変えたりして反復して話をするために思考が円滑に進まない状態。脳の器質的な原因によって生じる。
2. ×:観念奔逸は、躁病によくみられる。観念奔逸とは、考えが次々と方向も決まらずにほとばしり出る状態。
3. 〇:正しい。思考制止はうつ病に起こりやすい。考えがまとまらなくなり、決断力がなくなることをいう。
4. ×:思考途絶は、統合失調症にみられる。思考途絶とは、思考の流れが突然中断してしまうこと。
5. ×:滅裂思考は、統合失調症にみられる。話のつながりが悪く(連合弛緩)、これが高度になると支離滅裂な思考となる(滅裂思考)となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3563🔗
問題文正答率:25.00%
97
アルコール離脱せん妄で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:生命への危険性は低いとはいえない。なぜなら、重篤な場合には痙攣発作を起こすため。
2. ×:羽ばたき振戦(wing beating)とは、肩関節を支点にして上肢全体が羽ばたくように大きく動く不随意運動のことをいう。肝性脳症、ウィルソン病、腎不全などにみられる。アルコール離脱症候群は手指・体幹の振戦が起こる。
3. ×:抗酒薬は、通常1日1回服用するようなものが多く、血中のアセトアルデヒドの分解を阻害することで飲酒による不快な症状を生じさせ、飲酒を嫌がるようにするアルコール依存症の治療薬である。アルコール離脱せん妄が出現して速やかに服用するものはなく、治療にはならない。
4. 〇:正しい。飲酒停止後72~96時間に多くみられる。アルコール離脱症候群のうち、離脱数時間後から生じる早期離脱と、3日後頃より生じる後期離脱がある。アルコール離脱せん妄は、後期離脱症状である。
5. ×:アルコール血中濃度は、「上昇」ではなく低下に伴って生じる。
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問題文正答率:25.00%
98
夢に関連する睡眠障害がみられるのはどれか。
解説・コメント
1. ×:睡眠時驚愕症(夜驚症)は、夜、眠っている時に突然起き上がり、極度のパニックを起こす障害である。突然、目を開けて絶叫したり、激しく体を動かしたりするほか、心悸亢進、過呼吸、瞳孔散大、発汗といった強い自律神経興奮を示す。夢の映像はまったく、または少ししか想起されないのが特徴。「選択肢2.睡眠時遊行症」と密接に関係しているといわれる。
2. ×:睡眠時遊行症は、無意識の状態で起きだし、歩いたり何かをした後に再び就眠するが、その間の出来事を記憶していない状態を指す。その時間は、30秒から30分までの長さになり得る。夢の映像はまったく、または少ししか想起されないのが特徴。「選択肢1.睡眠時驚愕症」と密接に関係しているといわれる。
3. 〇:正しい。レム睡眠行動障害は、レム睡眠時には脳は覚醒時に近い活動をしており、全身の骨格筋は緊張が低下している。そのため、通常であれば夢で見たことを行動に起こすことはないが、レム睡眠行動障害は何らかの原因で筋緊張の抑制が障害されるために夢で見たことをそのまま行動に移してしまう。
4. ×:睡眠関連摂食障害は、女性に多く摂食障害と合併する事が多い。「2.睡眠時遊行症」と密接に関係する。原因の1つとしてダイエットによるストレスで、また食事制限をすることによって食欲が満たされないために、睡眠時に睡眠状態のまま歩き出し、過食してしまう。食べて満足すると、そのまま寝床へ戻る。これらの症状が睡眠時に無意識に起こるため、症状を自覚しないことが多い。
5. ×:周期性四肢運動障害は、睡眠中に下肢または上肢に繰り返し(通常は20~40秒毎に)筋収縮または蹴るような運動がみられるのが特徴である。通常、患者は夜間の睡眠分断や日中の過度の眠気を訴える。
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問題文正答率:25.00%
99
神経性無食欲症で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
神経性無食欲症は、思春期~青年期の若い女性に発症しやすい。神経性無食欲症の主な特徴は以下の通りである。①病的な痩せ願望、②ボディーイメージのゆがみ、③極端な食べ物制限と下剤などの乱用、④月経の停止、うぶげの増加、⑤乳房委縮はみられない、⑥性格的には頑固で競争心が強い、⑦母親との心的葛藤をみることがある。
1. ×:骨密度は低下する。エリストロゲン値が低いため、骨密度が減少し、骨粗鬆症のリスクが高まる。
2. ×:消化管の機能は正常であり、吸収不全はない。なぜなら、低栄養は吸収不全によるものではなく、肥満恐怖に対する栄養摂取の減少であるため。
3. 〇:正しい。神経性無食欲症は、病識を持たないことが多い。逆に神経性大食症は病識を有していることが多い。
4. ×:食べ物に対する関心は低下せず、拒食・過食や隠れ食いといった症状もみられる。また、神経性無食欲症と神経性大食症の移行もみられる。肥満恐怖があり、太るか太らないかを絶えず考えている。
5. 〇:正しい。ボディーイメージのゆがみがある。ボディーイメージのゆがみとは、痩せているのに太っていると考えることである。
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問題文正答率:25.00%
100
パニック障害の薬物療法で用いられるのはどれか。
解説・コメント
パニック障害の薬物療法には主に2つの種類の薬を使う。選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)と呼ばれる種類の抗うつ薬はパニック障害にも効果が高く、脳内のセロトニンのバランスを改善するのに有効である。また、抗不安薬(安定剤)はGABAのはたらきを高めることによって、不安や恐怖感に大きな効果がある。特に抗不安薬は即効性があるため、頓服として常に持ち歩いていれば外出先でも安心感が得られる。
1. 〇:正しい。抗うつ薬は、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などを用いる。つまり、上記を参考にすると、パニック障害にも用いられる。
2. ×:抗精神病薬の作用機序での主要物質はドーパミンである。ドーパミンは、日常的な快感を感じた時に脳内に分泌される脳内神経伝達物質で、統合失調症の急性期に使用されることが多い。
3. ×:気分安定薬とは、双極性障害(躁うつ病)において双方向性(抗操、抗うつ)の作用をもち、また気分変動を抑制し、躁うつ両病相の予防効果をもつ薬物の総称である。気分安定薬の薬理作用については明確でない。
4. ×:抗てんかん薬は、てんかん、双極性障害に適応となる。てんかん発作は、大脳の神経細胞の過剰な電気的興奮と、その興奮が広がることによって起こる。抗てんかん薬はこの「興奮系」を抑えるタイプと、興奮の広がりを抑える「抑制系」の働きを強めるタイプがある。
5. ×:中枢神経刺激薬は注意欠如・多動性障害(ADHD)、ナルコレプシーなどに適応となる。中枢神経系に作用し、その機能を活発化させる薬物の総称である。
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解説・コメント
1. 〇 正しい。肩関節内外旋は、【基本軸】肘を通る前額面への垂直線で、【移動軸】尺骨である。【測定部位及び注意点】①上腕を体幹に接して、肘関節を前方90°に屈曲した肢位で行う。②前腕は中間位とする。
2. × 手関節橈尺屈は、【基本軸】前腕の中央線で、【移動軸】は第3中手骨である。【測定部位及び注意点】前腕を回内位で行う。問題は、基本軸・移動軸とも第2指に当てているため不適当である。
3. × 胸腰部側屈は、【基本軸】ヤコビー線の中点に立てた垂直線で、【移動軸】第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線である。【測定部位及び注意点】①体幹の背面で行う。②腰かけ座位または立位で行う。設問の図は基本軸が座面となっている。
4. × 足関節底背屈は、【基本軸】矢状面における腓骨長軸への垂直線で、【移動軸】足底面である。【測定部位及び注意点】膝関節を屈曲位で行う。設問の図は、膝関節伸展位で行っているため不適当である。(2022年改定)
5. 〇 正しい。母指対立は、親指先端と小指基部(または先端)との距離(cm)で表示する。