作業療法士国家試験過去問第54回午後
オプション
問題文正答率:50.00%
Daniels らの徒手筋力テスト(段階1及び0)の検査肢位で正しいのはどれか。 2つ選べ。
https://ja.mondder.com/fq?id=3568🔗
問題文正答率:50.00%
図の遠城寺式乳幼児分析的発達検査表の結果から考えられる移動運動の発達月数で正しいのはどれか。
解説・コメント
遠城寺式乳幼児分析的発達検査表の発達月数の求め方
①発達月数の少ない検査項目から評価を行う。
②検査項目が出来ていれば〇、不合格であれば×の数より発達月数を求める。
③不合格×が3つ続いた時点で、それ以上の月齢検査を無効とする。
④低い月齢で不合格でも、より高い月数の出来ている『〇』場合は、だるま落としのように発達月齢は1つ上がる。
「首がすわる」が0:3~0:4(年:月)の間である。つまり、3~4カ月は獲得されている。そこで×が2つ続き、次の項目、「腹ばいで体をまわす」は、〇である。そのため、だるま落としのように、「横向きに寝かせると寝返りをする。」「寝返りをする。」を外し、3~4カ月の1つ上の0:4~0:5(年:月)の間になる。つまり、選択肢2.4~5カ月が移動運動の発達月数として求められる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3569🔗
問題文正答率:50.00%
82 歳の女性。右利き。手関節脱臼骨折後、手関節掌屈 0°、前腕回外 10°の可動域制限がある。それ以外の上肢の関節可動域や筋力は保たれている。歯がなく、義歯を装着していない為にきざみ食を箸で食べているが、肩関節外転の代償運動が出現している。「こぼれやすく、口に届きにくい。右手で楽に食べたい」との訴えがある。食事用自助具(①〜⑤)を示す。 適切なのはどれか。
解説・コメント
1. × 1番の写真は、ビンセット著である。その適応は、手の指の変形、握力の低下などで、箸で食べ物をつまみにくい場合である。本症例の食事形態は、きざみ食で、現在も箸で食事をしており「こぼれやすく口に届きにくい」との訴えもあるため不適切である
2.× 2番の写真は、柄の部分が握りやすいフォークである。本症例はきざみ食であるため優先度は低い。
3.× 3番の写真は、太柄スプーンである。握力が低下した場合に適応となる。
4. 〇 4番の写真は、曲がりスブーンである。前腕回外や手関節の可動域が制限されていても使用可能である
5. × 5番の写真は、スプーン著である。スプーンと箸が1つになったものである。ケガや骨折などで利き手が不自由になった時に適応となるが、本症例では適さない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3570🔗
問題文正答率:50.00%
心電図を示す。 この心電図の所見で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 頻脈とは心拍数が100回/分のことである。この心電図の1mm刻みの方眼紙は、5mmごとに太い線になっている。1mmは1コマといい、1コマつまり1mmは、0.04秒である。大きなマスの1コマで0.2秒となる。したがって、大きなマスの5コマで1秒となる。図から、250mm(250コマ)で、QRS波は12回確認できる。つまり、10秒間(250÷5÷5)に12回の脈拍数である。脈拍数は70回/分程度であり、正常である(よって、頻脈ではない)。
2.× 心房粗動は、正常P波が消失し、代わりにノコギリ状のF波(心房粗動波)が現れる。RR間隔が等しくなる。そのような特徴はない。
3.× PQ間隔の正常は、0.12~0.20秒である。PR間隔延長は見られず、この心電図でも正常である。
4.〇 心電図の3つ目の異常波形である。上室性期外収縮は、洞結節の興奮よりも早期に心房から興奮が出現する不整脈である。つまり、先行するP波と本来より早いQRS波が特徴である。
5.〇 心電図の中間の異常波形である。心室性期外収縮は、洞調律の心室興奮より早期に異所性の心室興奮が起こる不整脈である。つまり、P波がなく、幅広く変形したQRS波が特徴である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3571🔗
問題文正答率:50.00%
80 歳の女性。右利き。脳梗塞急性期の頭部 MRI 拡散強調像を示す。 この患者の症状で考えられるのはどれか。
解説・コメント
画像は、側脳室体部レベルの水平断となる。また障害部位は、放線冠であり、放線冠は錐体路の一部である。
1.× 失行は、頭頂葉の障害で起こる。失行とは、麻痺や運動機能の障害に問題がないけど、意識した動作が正しく行えない状態である。
2.× 失語は、優位半球の前頭葉(ブローカ野)や側頭葉(ウェルニッケ野)の障害で起こる。失語とは、読む、書く、話す、聞くなどの言語機能が失われた状態である。
3.× 体幹失調は、小脳の障害で起こる。
4.〇 右片麻痺が生じる。片麻痺は、錐体路(大脳皮質運動野→放線冠→内包後脚→大脳脚→延髄→(錐体交叉)→脊髄側索→脊髄前核細胞)の障害で対側に症状を生じる。
5.× 左半身ではなく右半身の感覚障害が起こる。放線冠は体性感覚野からの線維も走行しているため、障害部位と対側の感覚障害が生じる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3572🔗
問題文正答率:50.00%
30 歳の女性。断端長 25 % 残存の左前腕切断。肘関節が屈曲 30°に制限されている。屈曲運動を補い、腹部前面での両手動作を可能にするため能動義手を作製する。 ソケットと肘継手の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 差し込み式前腕ソケットは、上腕カフなどの懸垂装置を必要とする。倍動肘ヒンジ継手とは組み合わせられない。
2.〇 倍動肘ヒンジ継手は、支柱式の肘継手で、肘関節の可動域が小さく、屈曲が十分でない短断端前腕切断にスプリットソケットと組み合わせて用いる。肘屈曲角を倍に増幅させることができる。リンク式と歯車式がある。
3.× ノースウエスタン式前腕ソケットは、前腕短断端から長断端の場合に用い、顆上部まで深くソケットに断端を納める自己懸重性前腕ソケットである。十分な肘屈曲ができるよう、開口部を広くとってある。極短断端では使用できない。
能動単軸肘ヒンジ継手は、ケーブルを引っぱるごとに肘の固定と解除を繰り返す機構の肘ヒンジ継手で、上腕長断端切断・肘関節離断に用いる。
4.× ミュンスター式前腕ソケットは、顆上部まで深くソケットに断端を納める懸垂性前腕ソケットである。開口部を狭くすることで、前腕極短断端~短断端に適応がある。
軟性たわみ式計継手は、前腕中~長断端、手関節離断の場合に適応があり、伸びの少ない布テーブなどで裏打ちした革紐またはナイロンモノフィラメントを用いた、たわみやすい肘継手である。
5.× 能動単軸肘プロック継手は、上腕切断、肩離断、肩甲胸郭間切断の場合に用い、ロックコントロールケーブルを能動的に操作することで、屈曲角度の固定・解除が随意的に行える。
https://ja.mondder.com/fq?id=3573🔗
問題文正答率:50.00%
63 歳の女性。主婦。関節リウマチ。発症後半年が経過した。Steinbrocker のステージⅡ、クラス2。料理など家事全般を好み、熱心に行ってきた。立ち仕事が多く、最近膝痛が出現した。 この患者に対する作業療法の留意点で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 膝伸展固定装具を装着するのは不適切である。膝伸展位で固定した場合、歩行中の接地の衝撃を膝で吸収できなくなり膝への負担が増す可能性がある。関節の負担軽減・保護を重要視するべきである。膝伸展固定装具を装着するのは、膝伸展筋力が低下し、膝折れが生じやすい場合である。
2.× 片手でフライパンを持つことは、手指や手関節に負担がかかる為、不適切である。両手で持つのが適切で、両手鍋の利用が良い。
3.× 関節の負担軽減や易疲労性を考慮するため、家事は一度にまとめて行うより、分けて行うよう指導する方が良い
4.〇 筋力強化は等尺性収縮運動を中心に行う。等尺性収縮運動は、関節運動がないため、関節にかかる負担が低く適している。
5.× 関節可動域訓練は最終域感を超えるようにすれば、関節に負担がかかるため不適当である。
Steinbrockerの分類とは、単純X線画像の関節や周囲の組織所見からStage1~Ⅳに分類する方法です
単純X線画像の関節や周囲の組織所見から、関節破壊の程度をstageⅠからⅣまで4段階に分類し、病期の進行度を評価する方法です。stageⅠは「初期、軟骨や骨の破壊がない状態」で、stageⅣでは「末期、強直やムチランス変形がみられる」とされています。本症例のstageⅡは軟骨の破壊がはじまる段階のことである。その為、全体の問題の捉え方として、関節の負担がない動作指導や訓練方法をイメージする問題であった
https://ja.mondder.com/fq?id=3574🔗
問題文正答率:50.00%
60 歳の女性。視床出血発症後 1か月。左片麻痺を認め、Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅳである。左手指の発赤、腫脹および疼痛を認め、訓練に支障をきたしている。 この患者に対する治療で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 温冷交代浴は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)に含まれる脳卒中による肩手症候群などで主に行われる。温熱・寒冷を繰り返し行うことで、血行促進や自律神経への作用を目的に行う。
2~4.× CRPSの痛みや浮腫は、治療に難渋する事も少なくない。また、運動障害から徐々に関節拘縮や骨萎縮などが進行する。CRPSの患者は痛みにとても敏感であるため、運動療法は難渋することが多い。しかし、一度関節拘縮が完成してしまえば完治することは困難であるため、薬物療法や物理療法、心理的サポートを含め、多角的なアプローチで早期に治療することが重要である。したがって、装具などの安静必要はなく、疼痛自制内での愛護的な関節可動域訓練を行う。よって、2から4番の問は不適切である
5.× 肩関節亜脱臼にはアームスリング、三角巾で対処をしたり、三角筋や棘上筋などに電気刺激を用いて治療をを使用する方法がある。Hippocrates法は肩関節前方脱臼の整復法である。脇窩に脚を入れて患肢を下方に牽引する方法である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3575🔗
問題文正答率:50.00%
38 歳の女性。32 歳時に四肢脱力が出現、多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している。2週前に痙縮を伴う上肢の麻痺にて入院。大量ステロイドによるパルス療法を行った。 この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか。
解説・コメント
多発性硬化症は、体温が上がると今ある症状が一時的にひどくなったり、別の症状が出てきたりすることがある(ウートフ徴候)。このことから、以下の問を考えていく。
1.〇 TENS (Transcutaneous Electrical Nerve Stimulation:経皮的電気神経刺激療法)は、温熱を出さず、慢性疼痛の緩和や痙縮改善に効果がある。疼痛部位の支配神経などに電極を配置し、経皮的に低周波による電気刺激を加える方法である。
2.× 超音波療法は、温熱療法である。ウートフ徴候(体温上昇によって症状悪化)を引き起こす可能性が高いため控える必要がある。超音波を用いた機械的振動によるエネルギーを摩擦熱に変換することによって特定の部位を温める温熱療法の一つである。
3.× 赤外線療法は、温熱療法である。ウートフ徴候(体温上昇によって症状悪化)を引き起こす可能性が高いため控える必要がある。赤外線が有する温熱効果を利用し、血流の増加や褥瘡治療にも用いられる。
4.× ホットパックは、温熱療法である。ウートフ徴候(体温上昇によって症状悪化)を引き起こす可能性が高いため控える必要がある。シリカゲルを厚手の布袋に詰めたものを熱水(80~90℃)に浸した後、バスタオルでくるみ患部に当て、温熱刺激を与えるものである。
5.× パラフィン療法は、温熱療法である。ウートフ徴候(体温上昇によって症状悪化)を引き起こす可能性が高いため控える必要がある。熱伝導率の小さいバラフィンを用いて、関節を温めて血行を促し、炎症や痛み、こわばりを抑制する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3576🔗
問題文正答率:50.00%
10
頸髄損傷完全麻痺者(第6頸髄節まで機能残存)が肘での体重支持を練習している図を示す。 この練習の目的動作はどれか。
解説・コメント
最初に、運動レベルとKeyとなる機能残存筋と日常生活の目安を以下の示す。
C3以上 胸鎖乳突筋、僧帽筋/全介助 呼吸器使用
C4 横隔膜 /全介助 一部食事は装具を用いて可能
C5 三角筋、上腕二頭筋/装具、補助具を用いて食事、整容が可能。電動車いす、平地での車いす駆動が可能
C6 橈側手根伸筋/更衣、自己導尿、ベッドと車いすの移乗、車いす駆動、自動車運転が可能
C7 上腕三頭筋、指伸筋/日常生活全般は一部介助~ほぼ自立。車いす駆動、移乗、入浴可能
C8~T1 指屈筋群、手内筋/ 普通型車いすでADL自立
T12 腹筋群 /長下肢装具とクラッチで歩行可能、実用には車いす
L3~4 大腿四頭筋/短下肢装具(+杖)で実用歩行可能
1.× 導尿カテーテル操作は、C7レベル以上の機能残存で可能になる。
2.〇 正しい。ベッド上での移動の練習場面である。C6レベルの機能残存では、肘で体重を支持し、そこを軸に頭部の屈曲・伸展の動きを伝えることで前方への移動が可能である。
3.× 足上げ動作は、C6レベル残存では行えない。足を動かすには、上肢を大腿部へひっかけ体幹の力と一緒に動かす必要がある。
4.× 上着の着脱は、肘関節での体重支持といった練習にはならない。「上着」ではなく、ズボンの着脱は肘関節の体重支持は必要である。肘関節で体重を支持することで、殿部や下肢への荷重を減らして着脱を行う。
5.× 寝返り(C6レベルの機能残存)は、ベッド柵を使用する。もしくは、上肢の重みや肩甲骨の外転・広背筋を用いて体幹を回旋させる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3577🔗
問題文正答率:50.00%
11
30 歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後 4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADL は自立し、現職復帰を希望している。 この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 受傷前の職場を訪問させるには時期が早いと考える。なぜなら、現状、現職復帰を希望しているが、職場復帰できる能力まで回復するかは不明である。また、現状では出来る能力があるかは疑問である。なぜなら、麻痺はなくても、注意障害や企図振戦があり、受傷前のような身体機能ではないから。受傷前の職場を訪問する際は、元上司や職員への病状説明や遂行できる環境を作る必要がある。
2.× 包丁を用いた調理訓練の優先度は低い。なぜなら、企図振戦があり危険性を伴うため。
3.〇 作業の工程リストを作らせる。本症例は、遂行機能障害があるため、作業工程リストを作ることで、計画の立て方を一緒に考え、手順通りに作業を遂行・継続していく。
4.× 訓練はラジオを聴かせながら行うのは、注意障害があるため困難である。注意障害によりラジオに意識がとられ、注意がそれてしまう。したがって、集中できる環境調整(個別や静かな部屋で一つの作業)が必要である。
5.× 怒り出したときには厳格に「注意する」のではなく、感情障害(易怒性・脱抑制)を助長させる環境にしない。なぜ怒り出したか理由や原因を探し、その要因を排除しなければ退院後も復職は難しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3578🔗
問題文正答率:50.00%
12
57 歳の女性。右利き。火災により右前腕以遠にⅢ度の熱傷を受傷した。救命救急センターに搬送され、壊死組織のデブリドマンを施行され、植皮術が行われた。 術後3日目にベッドサイドにて作業療法を開始した。 この時点での受傷手への対応で正しいのはどれか。
解説・コメント
熱傷の分類
Ⅰ度:【深さ】表皮【症状】発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛、水泡形成(-)【治癒】数日間、瘢痕とはならない。
Ⅱ度:【深さ】真皮浅層【症状】強い疼痛、腫脹、水泡形成(水泡底は赤色)【治癒】1~2週間、瘢痕再生する。
Ⅱ度:【深さ】真皮深層【症状】水泡形成(水泡底は白色、もしくは破壊)、知覚は鈍麻【治癒】3~4週間、瘢痕残す、感染併発でⅢ度に移行。
Ⅲ度:【深さ】皮下組織【症状】疼痛(-)、白く乾燥、炭化水泡形成はない【治癒】一か月以上、小さいものは瘢痕治癒、植皮が必要。
基本的な考え方は以下の通りである。
各関節に生じやすい拘縮があるのでそれを予防するような肢位を確保する。スプリントや装具を活用しながらポジショニングを行う。植皮を行っている場合には5日~2週間程度、患部に伸張刺激が加わる運動は避ける。よって、本症例は、術後3日目であり、皮膚の生着が見込める1週間程度までは、積極的な作業療法の開始は困難である。炎症症状の対処法(RICE処置)を行っていく。したがって、選択肢4.安静時の挙上し、浮腫の予防・改善に努める。
1.× 弾性包帯による巻き上げは、十分に皮膚が生着してから実施する。効果として、弾性包帯による巻き上げ・ウレタンによる圧迫は肥厚性瘢痕・ケロイド予防に行うことである。本症例は、術後3日目であり、皮膚の生着が見込める1週間程度までは、積極的な作業療法の開始は困難である。
2.3.5.他動関節可動域訓練/動的スプリント製作/抵抗運動といった関節を動かすのは、十分に皮膚が生着してから実施する。本症例は、術後3日目であり、皮膚の生着が見込める1週間程度までは、積極的な作業療法の開始は困難である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3579🔗
問題文正答率:50.00%
13
85 歳の男性。脳血管障害による右片麻痺で、発症から 5か月が経過。回復期リハビリテーション病棟に入院中。主な介護者は77 歳の妻。左手で T 字杖を使用して屋内平地歩行は可能であるが、屋外は車椅子介助である。排泄はトイレにて自力で行うが、夜間頻尿と切迫性尿失禁がある。自宅の見取り図を示す。 在宅復帰に向けて住環境の調整を行う際、作業療法士のアドバイスで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 トイレに近くなるように寝室をB(客室)に変更する。なぜなら、夜間は、頻尿と切迫性尿失禁があるから。 切迫性尿失禁とは、膀胱が自身の意思に反して収縮することで、急に排尿したくなりトイレに行くまでに我慢できずに漏れてしまう失禁である。原因として膀胱にうまく尿がためられなくなる過活動膀胱が多く、脳血管障害など排尿にかかわる神経の障害で起きることもある。
2.× ベッドの頭の向きを「逆」にする必要はない。基本的に、非麻痺側(本症例なら左)に起き上がりを行うためである。つまり、右片麻痺の場合、左側へ起き上がるほうがよい。
3.× トイレの扉を「内開き」に変更する必要はない。開き戸には、内開き戸・外開き戸があり、現在の状態が外開き戸である。この間取りのトイレでは、扉が内開きになると、トイレのスペースが狭くなり、杖を使うことが難しくなる。
4.× 屋外スロープは「1cm」ではなく、5cmの立ち上がりをつける。屋外スロープの立ち上がりとは、スロープから落ちないよう左右に縁石のようなものである。車椅子の場合は脱輪しないように屋外スロープには立ち上がりがあった方がより安全である。安全な立ち上がりとするためには、1cmではなく、5cmの高さは必要である。
5.× 浴室に入出槽用の天井走行リフトを設置する必要はない。なぜなら、屋内ではT字杖を使用して移動できているため。ただし、浴槽内での転倒も多いため手すりや浴槽内椅子、バスボードの設置の導入など検討していく。
https://ja.mondder.com/fq?id=3580🔗
問題文正答率:50.00%
14
45 歳の男性。アルコール依存症。家で飲酒し酔って妻を怒鳴ってしまい、翌日に強い罪悪感を覚えることが増えている。反省して飲酒を減らそうとしたがうまくいかなかった。このままではいけないと思い、精神科を受診した。患者は妻の強い希望を受け入れて、しぶしぶ入院治療を受けることにした。治療プログラムの 1つとして作業療法が処方された。初回の面接で、患者は、断酒しなければならないのはわかるが、コントロールして飲みたいという気持ちもあると述べた。 治療への動機付けの目的で、面接の中で取り上げるべき話題として最も適切なのはどれか。
解説・コメント
本症例は、現在初回の作業療法開始したところであるため、導入期~解毒期にあたると考えられる。「コントロールして飲みたい」との発言からも断酒と適度の飲酒との葛藤が感じられる。
アルコール依存症の回復過程と治療の内容は以下の通りである。
導入期:動機づけ、病気の認識
解毒気:断酒開始、離脱治療、合併症治療
治療前期:断酒継続、精神安定、社会生活技能向上
治療後期:断酒継続、ストレス対処行動獲得、電気関係の回復、断酒会の参加
1.× 妻との関係は、優先度は低い。なぜなら、妻との関係(家族関係の回復)は治療後期に主に行う項目である。妻との関係について、問題文では「家で飲酒し酔って妻を怒鳴ってしまい、翌日に強い罪悪感を覚える」とあるが、主問題は飲酒と明確であり、治療が軌道に乗った後に必要なら話題として取り上げる。
2.× 作業療法の必要性は、患者に対して言う事ではなく、作業療法の指示を出す医師に言うべきである。
3.× 飲酒による身体的な問題は、優先度は低い。なぜなら、身体的問題を認識しても飲酒がやめられない状態がアルコール依存症である。導入期は、まず病気であること(病気の認識)が大切になる。アルコール依存症とは、少量の飲酒でも、自分の意志では止めることができず、連続飲酒状態のことである。常にアルコールに酔った状態でないとすまなくなり、飲み始めると自分の意志で止めることができない状態である。
4.〇 断酒について迷っている気持ち(断酒と適度の飲酒との葛藤)は、治療への動機付けの目的で、面接の中で取り上げるべき話題として最も適切である。本症例は、現在初回の作業療法開始したところであるため、導入期~解毒期にあたると考えられる。設問から「コントロールして飲みたい」との発言からも断酒と適度の飲酒との葛藤が感じられる。なぜまだ飲酒をしたいのか?飲酒の希望も聞くことで治療への動機付けにつながる。
5.× ストレス発散のための飲酒の必要性は優先度は低い。なぜなら、さらに飲酒欲求を増長する可能性があるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=3581🔗
問題文正答率:50.00%
15
65 歳の女性。元来、几帳面な性格だが友人も多く活動的に過ごしていた。 3か月前に、自宅のリフォームを契機に、早朝覚醒、食思不振、抑うつ気分や意欲低下が生じ、友人とも会わないようになった。自宅で自殺を企図したが未遂に終わり、1か月前に家族が精神科を受診させ、即日医療保護入院となった。単独散歩はまだ許可されていないが、抗うつ薬による治療で抑うつ気分は改善傾向にあり、病棟での軽い体操プログラムへの参加を看護師から勧められて、初めて参加した。 この時点での患者に対する作業療法士の関わりで適切でないのはどれか
解説・コメント
1.〇 必要に応じて不安を受け止める。本症例は、抗うつ薬による治療で抑うつ気分は改善傾向にあるが、病棟での軽い体操プログラムに初参加した。環境や状況の変化で症状が不安定になりやすいため、不安を訴えたら、共感・受容的な態度で接する必要がある。
2.〇 過刺激を避けながら短時間で行う。長時間の作業は負担になり、疲労を避けるためである。望ましい作業として、①工程がはっきりしたもの、②短期間で完成できるもの、③安全で受け身的で非競争的なもの、④軽い運動があげられる。
3.〇 具体的体験により現実感の回復を促す。一方、うつ病に非現実的な体験(気分転換に海外旅行など)を勧めるのは、反対にストレスとなるため行わない。
4.× 参加各回の達成目標を明確にして本人と共有する必要はない。なぜなら、達成目標を明確にすると、目標に達しない場合に自信をなくしてしまう可能性があるため。
5.〇 薬物療法の副作用が生じていないかアセスメントする。本症例は、抗うつ薬による治療で抑うつ気分は改善傾向にあるが、抗うつ薬には副作用が多く、随時アセスメントする必要がある。主な副作用としては、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)では吐き気・食欲不振・下痢、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)では吐き気・尿が出にくい・頭痛などがあげられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3582🔗
問題文正答率:50.00%
16
72 歳の女性。夫は1年前に亡くなり1人暮らしをしている。家事をこなし地域のボランティア活動にも参加して活動的であるが「最近、下肢の深いところに虫が這うような不快さがあり、週3日くらいよく眠れない。20 代のときにも同じような症状があった」と訴えている。 作業療法士の助言で適切なのはどれか。
解説・コメント
1~2.× ペットを飼うように勧める/家族と一緒に住むようにと家族介入をする優先度は低い。なぜなら、本症例の「下肢の不快感」の原因が分からない為、何に対してのアプローチなにかが明確でない。具体的方法は医師の指示・診断が下りてから作業療法を開始する。
3.× 「筋肉量が少ない」ため筋力トレーニングを勧める優先度は低い。そもそも「筋肉量が少ない」と断定できる記載はなく、原因が不明のままで、筋力トレーニングを勧めても改善しない可能性の方が高い。
4. 〇 患者の訴えだけでは、病名ま不明であり薬物療法の適応かどうかの判断はできない。そのため、医師へ相談するように勧めるのが望ましい。
5.× 「認知症の可能性がある」ので、介護保険を受けるように勧める必要はない。なぜなら、本症例は「家事をこなし地域のボランティア活動にも参加して活動的」であるため。「最近、下肢の深いところに虫が這うような不快さがあり、週3日くらいよく眠れない。20代のときにも同じような症状があった」=「認知症」とは判断しがたい。また、20代の時にも同じ症状があったと述べていることから、認知症の可能性は低いと言える。
https://ja.mondder.com/fq?id=3583🔗
問題文正答率:50.00%
17
53 歳の女性。前交通動脈瘤破裂によるくも膜下出血にて救急搬送された後、クリッピング術が施行された。術後1週で作業療法が処方された。言語機能と身体機能には大きな問題はみられず、食事、更衣、整容などは自立していたが、担当の作業療法士の名前や新しい出来事が覚えられない、などがみられた。 この患者に行う評価で適切なのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
担当の作業療法士の名前や新しい出来事が覚えられないと記述があり、記憶面の低下を疑う。
1.× BIT(Behavioural Inattention Test:行動無視障害)は、半側空間無視の検査である。①通常検査(線分抹消試験・文字抹消試験・星印抹消試験・模写試験・線分二等分試験・描画試験)と②行動検査(写真課題・電話課題・メニュー課題・音読課題・時計課題・硬貨課題・書写課題・地図課題・トランプ課題)がある。
2.〇 MMSE(Mini Mental State Examination:ミニメンタルステート検査)は、認知機能の検査である。内容は、見当識・記銘力・注意と計算・想起・言語・組み立ての各項目があり、30点満点で評価する。26点以下で軽度認知障害の疑いを示し、23点以下では認知障害の可能性が高いことを示す。
3.× SLTA(Standard Language Test of Aphasia:標準失語症検査)は、失語症の検査である。26項目の下位検査での構成で、「聴く」「話す」「読む」「書く」「計算」について6段階で評価する。
4.× VPTA(Visual Perception Test for Agnosia:標準高次視知覚検査)は、物体・画像の認知・相貌認知・色彩認知・視空間の認知などについて評価する。
5.〇WMS-Ⅲ(Wechsler Memory Scale- III:ウェクスラー記憶検査)は、認知機能の評価に用いる。13の下位検査により言語性記憶、視覚性記憶、総合、注意・集中力、遅延再生の5つの指標を求める
https://ja.mondder.com/fq?id=3584🔗
問題文正答率:50.00%
18
14 歳の女子。生来健康で活発であった。 6か月前からダイエットを契機に拒食や過食嘔吐をするようになり、体重が 58 kg(身長 158cm)から 41 kg まで減少した。心配した母親に連れられて精神科を受診し、入院となった。 3週後、体重は 47 kg を超えて作業療法が開始となったが、部屋にある料理の本をずっと眺めており「したいことに集中できない」と訴えた。 この患者に対する作業療法士の声かけで適切なのはどれか。
解説・コメント
【摂食障害の作業療法のポイント】
①ストレス解消、②食べ物以外へ関心を向ける、③自信の回復(自己表出、他者からの共感、自己管理)、④過度の活動をさせない、⑤身体症状、行動化に注意する。
【性格的特徴】
①強情、②負けず嫌い、③執着心が強い、③極端な行動に及びやすい。
1.〇 正しい。摂食障害害患者は、食べ物への強い執着があり、食べ物のことが頭から離れなくなる。作業療法時には食べ物以外へ関心を向けさせることが必要である。「気分転換できる作業を探しましょう」が正しいと言える。
2~5.× 「復学に向けた計画を考えていきましょう」「料理に興味があるのですね。簡単なものから作ってみましょう」 「食物から距離を取るために、ここでは料理の本を見るのはやめましょう」 「休養が大事な時期です。何もせずゆっくり過ごすことを目標にしましょう」、それぞれの選択肢は、「復学に向けた計画」「料理」「料理の本の禁止」「休養」と、侵襲的な患者心理への介入や指示的な態度となっている。良好な関係を築くうえで障害になりかねないため避けるべきである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3585🔗
問題文正答率:50.00%
19
7歳の男児。几帳面なところがある。小学校に入学して数か月後から肩をすくめる、まばたきをすることが目立ってきた。最近、授業中に顔しかめや首ふりなども激しくなり、担任の先生から注意されることが増えた。友達と遊んでいるときや眠っているときは起こらない。悩んだ母親が本人を連れて来院、チック障害と診断され作業療法の導入となった。 作業療法士の対応で適切なのはどれか。
解説・コメント
本症例のポイント
・7歳の男児でチック障害が疑われる
・小学校に入学して数か月後:肩をすくめる、まばたきをすることが目立ってきた。
・最近:授業中に顔しかめや首ふりなども激しくなり、担任の先生から注意されることが増えた。友達と遊んでいるときや眠っているときは起こらない。
→チック:突発的に急速的に起こる不随意な運動または発声のこと、症状は反復的である。小児期に発症することが多く男児に多い。まず単純運動チックより発症することが多く、そこに単純音声チックが加わる。症状は一過性である場合もあるが、慢性化した場合やがて複雑性チックが出現する。1年以上持続する多発性運動チックと音声チックがあるとき、Tourette(トゥレット)症候群と診断される。
1.〇 本人に困っていることを聞く。なぜなら、チックの背景に不安などの心理的要因があることがある。また、二次的に自尊感情・社会性・学業などに困難をが生じている可能性がある。本症例は設問から「授業中に顔しかめや首ふりなどが激しくなっている」ことから、学業に困難をきたしている可能性が高い。
2~3.× 本人にチックが起こるときの状況を尋ねる/チックを起さないよう努力するように本人に言う優先度は低い。チックの背景に不安などの心理的要因がある可能性があり、また二次的に自尊感情・社会性・学業などに困難を生じている場合がある。よりチックに意識が向かい、チックの助長になりかねない。
4.× 緊張に慣れる目的で最前列に座らせる必要はない。チックは不安・興奮・強い疲労によって悪化するので、緊張の高い最前列では悪化するおそれがある。
5.× クラスメートに障害のことは知らせずにおくよう担任の先生に依頼する必要はない。なぜなら、クラスメートが無遠慮にチックを指摘して本人の自尊感情が傷つく可能性があるため。したがってむしろ、担任を通じてクラスメートに知らせて配慮してもらうのが良い。
https://ja.mondder.com/fq?id=3586🔗
問題文正答率:50.00%
20
61 歳の男性。BMI 27.5。前頭葉および側頭葉に著明な萎縮を認めて入院加療中。発語は発症前より減少しているが、エピソード記憶や手続き記憶は比較的残存している。自分の昼食を食べ終えた後も他人の食事や配膳車の残飯を勝手に取って食べる行為があり、取り戻そうとすると激しく怒り出す。午後の集団体操プログラムではすぐに立ち去ろうとする一方、カラオケには興味を示し、集中して数曲を歌う。 食行動に対する作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
解説・コメント
本症例は、前頭側頭型認知症(Pick病)が疑われる。
1.× 減量の必要性を説明する優先度は低い。なぜなら、本症例は、BMIが25以上あるので数値上は肥満である。しかし、自分の昼食を食べ終えた後も他人の食事や配膳車の残飯を勝手に取って食べる行為(脱抑制)によって行われている要素が強い。つまり、原因が脱抑制の可能性が高く、減量の必要性を説明で止めることは難しいと考えられる。脱抑制を止めたい場合は、環境調整するのが望ましい。
2.× 他の患者に状況を説明し、受容的に対応してもらう優先度は低い。なぜなら、他の患者の受容度によって異なる。一般的な患者は、同じ料金を払っている以上、自分の食事を取られては受容的に接することはできない可能性が高い。脱抑制を止めたい場合は、環境調整するのが望ましい。
3.× 毎回の昼食が終了次第、体操プログラムを導入する優先度は低い。なぜなら、そもそも本症例は設問から「午後の集団体操プログラムではすぐに立ち去ろうとする」からである。昼食を食べた後でも時間調整によって参加してもらえるとは限らない。一方でカラオケは数曲歌う様子があるので、カラオケをすることで、立ったり移動したりして活動量の拡大を図っていきたい
4.〇 正しい。毎回の昼食が終了次第、カラオケのプログラムを導入することは、食行動に対する作業療法士の対応で最も適切である。本症例は、前頭側頭型認知症(Pick病)の脱抑制により「自分の昼食を食べ終えた後も他人の食事や配膳車の残飯を勝手に取って食べる行為」がみられる。一方で、「カラオケには興味を示し、集中して数曲を歌う」。毎回の昼食が終了次第、カラオケのプログラムを導入することで、脱抑制をとめられ、食べ物から注意をそらすことができる。
5.× 他人の食事を勝手に食べてはいけないことを言葉で簡潔に伝える優先度は低い。なぜなら、前頭側頭型認知症(Pick病)が原因であるため。また、本症例は、設問から「取り戻そうとすると激しく怒り出す(易怒性)」様子も見られる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3587🔗
問題文正答率:50.00%
21
ICF の構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類されるのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
「心身機能・身体構造」、「活動」、「参加」、「健康状態」、「環境因子」、「個人因子」をICFの第1レベルという。
環境因子とは、生活機能に外的な影響を与えるものと定義され、物的な環境だけでなく、人的な環境、制度的な環境というように非常に広く環境を捉えている。
1、5.〇 家族の態度と保健サービス・制度・政策は、環境因子の第2レベルである。
2~4.× 住居の入手、健康に注意すること、交通機関や手段の利用は、活動と参加の第2レベルである。健康に注意することは、活動と参加のセルフケアという分類になる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3588🔗
問題文正答率:50.00%
22
MTDLP で正しいのはどれか。
解説・コメント
MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance:生活行為向上マネジメント)は、患者が本来もっている能力を引き出し、患者にとって意味のある在宅生活を送れるように、患者の持っている能力を生かせるように支援するためのツールである。
1.× 「作業療法士が」ではなく、患者が重要と考える生活行為を実現するためのプログラムである。
2.× すべての在宅患者を対象としているので、終末期患者にも適用される。
3.〇 正しい。本人・家族・支援者の連携を促進する。
4.× 「3つのシート」ではなく8つのシートで構成される。3つのメインシート(生活行為聞き取りシート、生活行為向上マネジメントシート、生活行為申し送り表)と生活行為向上マネジメントシートを構成する2つのサブシート(生活行為アセスメント演習シート、生活行為向上プラン演習シート)の他に3つのシート(興味・関心チェックシート、生活行為課題分析シート、医療への申し送り表)がある。
5.× 目標とした生活行為の満足度は、「1〜100点」ではなく10点満点で自己評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3589🔗
問題文正答率:50.00%
23
OTPF の項目に含まれないのはどれか。
解説・コメント
OTPF(Occupational Therapy Practice Framework:作業療法実践の枠組み)のDomain(領域)は、Occupations(作業)、Client factors(クライアント因子、個人因子)、Performance skills(遂行スキル)、Performance patterns(遂行パターン)、Context and Environment(文脈と環境)に分けられている。
よって、選択肢1.意志が含まれない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3590🔗
問題文正答率:50.00%
24
男性に比べて女性に多い疾患はどれか。
解説・コメント
1.× Perthes病は、骨端症の一つで、小児期において大腿骨近位骨端部に阻血性壞死が生じる疾患である。男児に多い。
2.〇 多発性筋炎は、自己免疫性の炎症性筋疾患であり、骨格筋(特に近位筋)の筋力低下を特徴とする。小児では性差はないが成人では女性に多い。
3.× 高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dLを正常上限とし、これを超えるものと定義する。男性が圧倒的に多い。
4.× 強直性脊椎炎は、体軸性関節炎を主体とする全身性の慢性炎症性疾患である。主な合併症にぶどう膜炎がある。好発は若年男性である。
5.× Duchenne型筋ジストロフィーは、筋細胞膜の保持・強化・情報伝達に異常を来した疾患である。X染色体劣性遺伝、通常男児のみ発症する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3591🔗
問題文正答率:50.00%
25
深部腱反射の亢進がみられるのはどれか。
解説・コメント
深部腱反射の亢進は、上位運動二ューロンが障害を意味する。臨床においての検査の目的と意味は、運動麻痺が脳由来なのか、脊髄由来なのかの判別を行い、治療方針の決定にも関わる。
1. × 重症筋無力症の病変部位は神経筋接合部である。深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。
2.〇 多発性硬化症は、中枢神経の白質の至るところに炎症性の脱髄性病変が発生し(空間的多発性)、多彩な神経症状が再発と寛解を繰り返す(時間的多発性)、上位運動二ューロンの障害であり、深部腱反射は亢進する。
3.× Guillain-Barré 症候群は、免疫・炎症性末梢神経障害である。そのため、深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。
4.× 筋強直性ジストロフィーは、収縮した骨格筋が弛緩しにくくなる現象(ミオトニア現象)と、全身の筋力低下、筋萎縮を主症状とし、その他にも多彩な症状を呈する疾患である。筋原性疾患であり、深部腕反射は亢進せず、減弱を伴いやすい。
5.× Duchenne型筋ジストロフィーは、骨格筋の変性・壊死を主病変とし、進行性の筋力低下をみる遺伝性の筋原性疾患である。深部腱反射は亢進せず、減弱もしくは消失する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3592🔗
問題文正答率:50.00%
26
小指の感覚をつかさどる神経根と末梢神経の組合せはどれか
解説・コメント
小指の感覚を支配するのは尺骨神経である。デルマトームを覚えておくことで、C6~8がどの指の感覚支配であるかの判断ができる。尺骨神経は、C8~T1の神経支配であり、小指の感覚を支配している。よって選択肢5. 第8頸髄神経根:尺骨神経が正しい。
また、橈骨神経は、C6~C8神経支配であり、主に上腕から前腕の橈側と、手背面の母指から環指までの感覚を支配する。
さらに、正中神経はC5~T1神経支配であり、掌側面の母指から環指の母指側1/2までの感覚を支配する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3593🔗
問題文正答率:50.00%
27
移動評価において「歩行は困難であるが、介護者の見守りの下、車椅子で 50m の移動が可能である」場合の FIM と Barthel Index の評価点との組合せで正しいの はどれか。
解説・コメント
選択肢3のFIM 5点:Barthel Index 5 点が正解である
FIMの採点方法を以下に示す
7点:介助者なしで自立。
6点:杖などの歩行補助具を使用していれば50mの移動が自立(通常以上の時間がかかる、安全面の配慮が必要)。
5点:監視または準備、助言があれば50mの移動が可能。
4点:最小介助が必要だが「75%以上」は自分でしている。手を触れる程度の介助があれば50mの移動が可能。
3点:「75%」以上の中等度介助が必要。しっかりと支えるように介助をすると50mの移動が可能。
2点:15m以上移動するのに介助が必要だが、「25%以上」は自分でしている。
1点:介助があっても15m以上移動できない。15mの移動に2名以上の介助が必要。
また、Barthel Index(歩行)を以下に示す
15点:45m以上の歩行、補装具(車椅子、歩行器は除く)の使用の有無は問わない。
10点:45m以上の介助歩行、歩行器の使用を含む。
5点:歩行不能の場合、車椅子にて45m以上の操作可能。
0点:上記以外。
https://ja.mondder.com/fq?id=3594🔗
問題文正答率:50.00%
28
PEDI で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
PEDI(Pediatric Evaluation of Disability Inventory:リハビリテーションのための子どもの能力低下評価法)は、日常生活(セルフケア、移動、社会的機能)における機能的スキルと複合活動を評価するものである。
1.× 評価項目は、「18項目」ではなく、機能的スキル197項目と複合活動20項目で構成される。
2.× 「7段階の尺度」ではなく、機能的スキルは、2段階:0(能力がある)~1(まだ能力を示していない、不可能である)で評価し、複合活動の項目では、介護者による援助尺度0(全介助)~5(自立)の6段階と調整尺度(N:調整なし、C:子ども向けの調整、R:リハビリテーション器具の使用、E:広範な調整)の4段階である。
3.× 「義務教育終了年齢まで(15歳)」ではなく、生後6ヵ月から7歳6ヵ月までの子どもが対象である。
4.〇 基準値標準スコアと尺度化スコアが算出される。機能的スキル尺度と複合活動尺度からの採点結果は、同年齢集団における基準値標準スコアと発達の進み具合をみる尺度化スコアとして得られる。
5.〇 セルフケア、移動、社会的機能の領域に分類される。3領域の日常生活における機能的スキルと複合活動を評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3595🔗
問題文正答率:50.00%
29
作業遂行要因の評価法の説明で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 意志質問紙は、「満足度」ではなく、取り組み度や集中度合いを評価する。意志質問紙は、作業や活動の取り組み度や集中度合いを観察する人間作業モデルに基づいた評価法である。14項目を4段階で評価し、満点は56点である。
2.〇 AMPSは運動技能と処理技能を評価する。AMPS(Assessment of Motor and Process Skills:運動技能とプロセス技能の評価)はADLとIADLに関わる16の運動技能と20の遂行技能を観察し、たとえば地域で自立生活を送るのが可能かどうかを評価する。
3.× 興味チェックリストは、「作業の到達度の評価」ではなく、患者が興味のある活動は何かを調べるリストである。
4.× 役割チェックリストは、「役割の認識と数を評価する」のではなく、10の役割(学生・勤労者・ボランティア・養育者・家庭維持者・友人・家族の一員・宗教の参加者・趣味人/アマチュア・組織の参加者)について、過去や現在、将来に行った・行うか、またそれらの価値についてチェックするものである。
5.× COPM(Canadian Occupational Performance Measure:カナダ作業遂行測定)は、作業の「遂行度、重要度、認識度」ではなく遂行度、重要度、満足度を評価する。ちなみに、COPM (Canadian Occupational Performance Measure:カナダ作業遂行測定)では、患者が現時点で改善したいと考える活動と、それらの重要度(出来栄え)、満足度をそれぞれ10点満点で、患者が主観的に評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3596🔗
問題文正答率:50.00%
30
脳卒中片麻痺に用いる上肢機能検査のうち、32 点満点でプログラム作成のための標準回復プロフィールが用意されているのはどれか。
解説・コメント
1. × MAL(motor activity log)は、麻痺側上肢の使用頻度と動作の質を、14の動作項目について5段階で、患者へのインタビュー形式により自己評価してもらう。合計点は0~5点で、高得点ほど上手に麻痺側上肢をADLに用いていることを示す。
2. × MASで表される評価は2つあるが、一番有名なものとしてMAS(Modified Ashworth Scale)があげられる。MAS(Modified Ashworth Scale)は、筋緊張の程度を6段階(0、1、1+、2、3、4)に分類して評価するものである。MASと略される評価法としては、このほかに脳卒中の運動機能評価に用いるmotor Assessment Scale(上肢機能だけでなく座位バランスや歩行なども評価)があるが32点満点ではない。
3. 〇 MFT(Manual Function Test:脳卒中上肢機能検査)は、「上肢の前方挙上」「上肢の側方挙上」「手掌を後頭部へ」などの項目を得点化し(32点満点)、これを100点満点に換算する。
4. × SIAS (Stroke Impairment Assessment Set)は、脳卒中患者の機能評価法で、上下肢の機能、腱反射、感覚などの9種の機能障害に分類される22項目評価項目が含まれる。
5. × STEF (Simple Test for Evaluating Hand Function)は、簡易上肢機能検査である。上肢の動作能力、特に動きの速さを客観的に、しかも簡単かつ短時間(20~30分)に把握するための評価法である。10種類のテストからなり、それぞれ大きさや形の異なる物品を把持して移動させ、一連の動作に要した時間を計測し、所要時間を決められた点数(1~10点)に当てはめて、右手と左手との差を左右別に合計点数を算出する。また参考値との比較も可能である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3597🔗
問題文正答率:50.00%
31
小児の知能検査で用いられるのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× MAS(Modified Ashworth Scale:修止アシュワーススケール)は、痙縮の評価指標である。痙縮(筋の過緊張のため手足が突っ張っている状態)は、脳血管疾患や頚髄損傷の後遺症、小児では脳性麻痺などに用いられる。
2.× GMFM(Gross Motor Function Measure:脳性麻痺児の相大運動能力尺度)は、脳性麻痺児の運動発達の変化を捉えることを目的に考案された、粗大運動能力の評価尺度である。
3.× WeeFIM(Functional Independence Measure for children:子供のための機能的自立度評価法)は、日常活動の自立度を測定するものであるが、特に介護負担度の評価に用いられる。
4.〇 WISC-Ⅲ(Wechsler Intelligence Scale for Children-Third Edition:児童用ウェクスラー式知能検査第3版)は、5~16歳11カ月までに適応可能な知能検査であり、学習障害の評価にも用いられる。
5.〇 K-ABC 心理・教育アセスメントバッテリー(Kaufman Assessment Battery for Children)は、子どもの知的能力を、認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価するものである。他にも、知能検査として、WPPSI(Wecheler Preschool and Primary Scale of Intelligence)やグッドイナフ人物画検査などがある。
https://ja.mondder.com/fq?id=3598🔗
問題文正答率:50.00%
32
椅子座位で高齢者が食事をする際に誤嚥のリスクを高める動作はどれか
解説・コメント
1.× 頰杖をつくと、顎が前方突出する。すると、食道入口部を随意的に開大することができ、食塊の通過が容易となり誤嚥のリスクを下げる。「鵜呑み法」とも呼ぶ。
2.4.× 顎をひく・うなずくと(頸部屈曲:Chin down)、位は前頸部の緊張をゆるめ、喉頭蓋谷を広げるため、嚥下しやすくなる。つまり誤嚥のリスクを下げる。ただし、頭部と頸部双方を屈曲させる複合屈曲位ではかえって飲み込みにくいことがあるため、頸部を屈曲させたまま、頭部をやや突出させる方法が推奨されている。
3.〇 上を向くと咽頭と気管が直線になり、さらに食道入口部は圧迫され、口から入ったものは気道に流れ込みやすくなるため、誤嚥のリスクが高まる。
5.× 横を向いて嚥下すること自体では、誤嚥のリスクを高めることはない。片麻痺があり咽頭機能に左右差がある場合は、頭部を麻痺側に回旋させることにより、嚥下機能低下側の喉を狭くし、食塊の誤嚥を防ぐ方法もある。
https://ja.mondder.com/fq?id=3599🔗
問題文正答率:50.00%
33
ボツリヌス毒素を用いた治療で、効果の一般的な持続期間はどれか
解説・コメント
ボツリヌス毒素療法は、四肢の症縮や顔面痙攣に対して有効とされている。ボツリヌス毒素 (神経筋接合部で神経終末からのアセチルコリン放出を抑制する)を筋肉内に数ヵ所注射し、筋収縮を抑制する
脳卒中後の上肢運動機能障害に対するボツリヌス療法
2016年のCochraneレビューによると、脳卒中後の上肢運動機能障害に対するボツリヌス療法は、機能改善に有効であることが示されています(エビデンスレベル:1+)
効果持続は、3~4ヵ月であるため、数ヵ月ごと(半年に1回程度)に再投与が必要である。短期間での再投与は、ボツリヌス毒素に対する抗体をつくりやすくしてしまうというデメリットもある。よって、選択肢3. 3〜4か月間が正しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3600🔗
問題文正答率:50.00%
34
車椅子とベッドとの移乗動作の練習方法で正しいのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1.× 恒常練習は、「疲労度を同程度に保って練習する」のではなく、同じ動きを繰り返して練習する方法である。疲労度を同程度に保って練習する運動学習の方法は、「分散練習」のひとつともいえる。なぜなら、疲労度を同程度に保って練習するには、分散練習のように適宜休憩を取り、 課題内容を分けて行う必要がある。
2.〇 車椅子からの立ち上がりのみ練習するのは部分練習である。部分練習は、一つの動作をそれぞれの相に分けて一相ずつ練習していく方法である。
3.× 全体練習は、「動作手順を正しく言えるように練習する」のではなく、ひとつの動作を始めの相から最後の相まで続けて練習していく方法である。
4.〇 アプローチ角度やベッドの高さを変えて練習するのは多様練習である。多様練習は、運動を様々に変化させて行う練習方法である。
5.× 車椅子のブレーキ操作と移乗に区切って練習するのは、「分散練習」ではなく部分練習である。分散練習は、1回の練習を短く、 試行回数を少なくして、練習回数を増やす練習方法のことである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3601🔗
問題文正答率:50.00%
35
Parkinson 病の Hoehn & Yahr の重症度分類でステージⅢの患者に対する作業療法で使用するのはどれか。
解説・コメント
Hoehn & Yahr の重症度分類のステージⅢでは、歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLに一部介助に一部介助が必要になる段階である。自助具や環境設定、家屋改造が適応となるのは、ステージVからである。
1.〇 Hoehn & Yahr の重症度分類のステージⅢでは、歩行障害に対するアプローチが求められる。メトロノームなどのリズム音刺激を用い、Parkinson病の歩行障害にアプローチしていくのが適切である。
2.× 座位保持装置は必要ではない。姿勢保持反射障害がみられるものの、立位や座位の保持、歩行は可能であるためである。ステージⅤから座位保持装置が必要になる。
3.× バランスボードは、姿勢保持反射障害が出現しているので、危険であるため不必要である。
4.× ユニバーサルカフは、指の届曲の障害、物が掴めない・握れないなどの動作を補助する自助具である。頚椎損傷やリウマチなどに適応となる。
5.× ポータブルスプリングバランサーは、上肢の麻痺や上肢を支える筋力が著しく低下したときに腕を支える補助力となる自助具である。適応疾患としては、高位脊髄損傷・筋ジストロフィー・腕神経叢麻痺などである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3602🔗
問題文正答率:50.00%
36
慢性閉塞性肺疾患患者の ADL で息切れを軽減させるための指導として適切なのはどれか。
解説・コメント
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者は、血中の酸素施和度が低下しやすい。安静時には症状がなくても、労作により呼吸困難が出現する。動作時に少しでも呼吸困難を軽減するような指導が必要になる。
1.× 洗髪は、「両手」ではなく、頭を左右に傾けて片手で行う。
2.× 靴下の着脱は、「床に座る」のではなく椅子に座り、腹部を圧迫しないよう足を組んで行う。
3.× ズボンの着脱は、「立位」ではなく安定した椅子に座って行う。
4.〇 和式トイレを洋式トイレに変更する。和式トイレでは腹部が圧迫されるため、毛中酸素飽和度が下がりやすい。そのため、洋式トイレの方が望ましい。
5.× 逆である。かぶり型シャツを前開きシャツに変更する。かぶり型シャツでは、上肢を挙上するので血中酸素飽和度が低下する原因となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3603🔗
問題文正答率:50.00%
37
介護保険を利用した福祉用具貸与の対象で正しいのはどれか
解説・コメント
介護保険制度を利用して福祉用具を使用する際には、原則貸与支給となる。しかし、再利用の心理的な抵抗感の大きいものや、使用とともに形態・品質が変化するものは、特定福祉用具として厚生労働省に指定されており、購入対象になる。イメージとしては、肌が直接触れるような入浴に関する物は購入対象と覚えるとよい
1.3~5 × 自動排泄処理装置の交換可能部分・入浴補助用具・簡易浴槽・腰掛便座は、特定福祉用具として購入対象である。
2.〇 据置型トイレ用手すりは、介護保険で貸与可能である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3604🔗
問題文正答率:50.00%
38
三次予防はどれか。
解説・コメント
疾病予防の概念
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
一次予防:「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している
1.3.4.× 3歳児健康診査・高血圧患者の降圧剤投与・慢性腎不全患者の食事指導は、二次予防である。
2.× 健常高齢者の運動指導は、一次予防である。
5.〇 片麻痺患者の機能的作業療法は、三次予防である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3605🔗
問題文正答率:50.00%
39
作業療法研究においてエビデンスレベルが最も高いのはどれか
解説・コメント
1.× 専門家委員会の報告は、エビデンスのレベルⅥである。
2.× 1つのランダム化比較試験は、エビデンスのレベルⅡである。
3.× よくデザインされた記述的研究は、エビデンスのレベルⅤである。
4.× よくデザインされた準実験的研究は、エビデンスのレベルⅣである。
5.〇 複数のランダム化比較試験のメタ分析は、エビデンスのレベルⅠである。メタ分析は、複数の研究結果を定量的に分析する解析方法であり、最も高いエビデンスと位置づけられている。
https://ja.mondder.com/fq?id=3606🔗
問題文正答率:50.00%
40
「い」で始まる単語をなるべく多く挙げてください、という課題に対して統合失調症患者が「考えられない」、「言葉が出てこない」と訴えた。 この状況から考えられる患者の障害で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 運動機能障害は、麻痺や失調、構音障害などをさす。BACS-J(統合失調症認知機能簡易評価尺度 日本版)で、運動機能を評価することができる。トークン運動課題といい、100枚のプラスチック製のトークンを両手を使って同時にプラスチックのボトルに入れてもらう検査である。質問に関して、課題ができない理由「考えられない」、「言葉が出てこない」 と明確に述べているため不適当である。
2.× 注意機能障害とは、注意を集中的に払うための認知的機能が低下し、その結果として注意を維持することや、複数の刺激に対する切り替えを行うこと、情報を処理する能力が低下する状態を指します。これにより、日常生活において、注意を維持することや、複数のタスクを同時にこなすことが困難になります。。課題ができない理由を「考えられない」、 「言葉が出てこない」 と明確に述べているため不適当である。
3.× 言語性記憶障害は、三宅式記銘力検査で評価できる。これは、一対の言業(有関係10対・無関係10対)を聞かせて復唱させ、後に一方の単語を示してその対語を言わせることを各々3回繰り返して行うものである。「い」で始まる単語をなるべく多く挙げてくださいという課題であるため、不適当である。
4.〇 言語流暢性障害である。言語流暢性課題には、①意味流暢性、②文字流暢性がある。①意味流暢性は、あるカテゴリーに属する単語をできるだけたくさん想起してもらう。②文字流暢性は、ある特定の文字、例えば「あ、い、う、え、お」のどれか一つを提示して、それから始まる単語をできるだけ多く述べてもらう。言語流暢性課題には長期記憶からの想起、すでに答えた言葉を一時的に記憶する作業記憶、不適切な言葉への抑制、作業への集中力の維持など広い範囲の前頭葉機能の動員が必要である。
5.× ワーキングメモリーとは、物事を思考・実行する際に必要な情報を一時的に(数秒から数分程度)保持しながら、それを意識的に操作することができる能力のことである。BACS-J(統合失調症認知機能簡易評価尺度 日本版)で、ワーキングメモリーを評価することができる。質問に関して、課題ができない理由「考えられない」、「言葉が出てこない」 と明確に述べているため不適当である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3607🔗
問題文正答率:50.00%
41
「ビンの蓋閉めと箱づめ」、「コネクター組み立て」、「釣銭計算」、「郵便番号調べ」 などの職場の作業に近い課題を実施し、適性能を測定する職業評価で正しいのはどれか。
解説・コメント
実際の仕事の一部(ワークサンプル)を対象者に行ってもらい、その出来栄えを量的、質的に評価する方法をワークサンプル法(職業能力適性の評価法の一つ)という。ワークサンプル法にはタワー法・マイクロタワー法・MODAPTS法・ワーカビリティテストなどがある。
1.× GATB(General Aptitude Test Battery:厚生労働省編一般職業適性検査)は、多くの職業で必要とされる9つの能力=適性能(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ)を評価することにより、望ましい職業選択を行うための情報を提供することを目的として作成されたものである。本問のように、職場の作業に近い課題は実施しないため不適当である。
2.× 場面設定法では、実際の職場あるいは実際に近い作業を設定し、作業能力や職場能力を観察・評価する。問題文では、職場に近い環境設定までは行っていないので、場面設定法ではない。
3.× MODAPTS:モダプツ法(MODular Arrangement of Predetermined Time Standards) は、人間の自然な随意動作には、身体に障害がなければその動作時間には個人差はほとんどないという前提のもと、あらかじめ、動作とその所要時間値を調べたもので、実際に要した時間とを比較することにより、作業能力を評価する場合などに用いられる。
4.× ESCROW Profile(E:環境、S:社会交流、C:家族構成、R:経済状況、O:予後、W:就労)は、社会的不利の評価法である。
5.〇 マイクロタワー法は、ワークサンブル法を用いて職業能力適性を測定する作業見本法の一つであり、13の作業課題を小集団で実施する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3608🔗
問題文正答率:50.00%
42
総合的な認知症の重症度を評価する尺度はどれか。
解説・コメント
1.× NPI(Neuropsychiatric Inventory)は、援助者からの聞き取りにより、「認知症の行動・心理症状(BPSD)」を評価する方法である。 「認知症の行動・心理症状(BPSD)」に関連する12項目につき、頻度を0~4の5段階で、重症度を1~3の3段階で評価し、点数が高いほど重症となる。
2.〇 CDR(Clinical Dementia Rating:認知症の重症度評価法)は、認知症の重症度を総合的に評価する場合に用いられる。記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家族状況及び趣味、介護状況の6項目について、患者の診察や周囲の人からの情報で評価する。それらを総合して、健康(SDR0)、認知症の疑い(SDR0.5)、軽度認知症(SDR1)、中等度認知症(SDR2)、高度認知症(SDR3)のいずれかに評価する。
3.× HDS-R(改定長谷川式簡易知能評価スケール)は、認知機能をみる簡易認知機能検査である。30点満点で20点以下を認知症の疑いありとする。
4.× BEHAVE-AD(Behavioral Pathology in Alzheimer’s Disease)は、Alzheimer病の認知症の周辺症状(BPSD)の評価尺度である。介護者などからの情報に基づいて25項目について0~3までの4段階で重症度を評価する。
5.× PSMS(Physical Self-Maintenance Scale)は、ADLの評価尺度である。家族・介護者からの情報に基づき評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3609🔗
問題文正答率:50.00%
43
統合失調症の予後を予測する因子で正しいのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
統合失調症の予後予測因子について
予後良好な因子:病前機能が良好であること(例,優秀な学生,しっかりした職業歴)、発病が遅いか突然であること、統合失調症以外の気分障害の家族歴があること、認知障害がごく軽微であること、陰性症状がほとんどないこと、精神病未治療期間がより短いことなどがあげられる。
予後不良な因子:発症年齢が低いこと、病前機能が不良であること、統合失調症の家族歴があること、陰性症状が多くみられること、精神病未治療期間がより長いことなどがあげられる。
1.〇 病識があることによって、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受け、治療の継続性が高まり、予後が改善すると考えられる。
2.× 身体的愁訴とは、うつ病の初期に見られやすい。「不安だ」、「憂うつだ」という訴えよりも、「疲れた」、「だるい」、「眠れない」、「食欲がない」など身体的な訴えである。予後予測には関係がない。
3.× 長期間抗精神病薬を服用している統合失調症患者は、強迫的飲水(水中毒)がしばしばみられ、そのあとに低ナトリウム血症を引き起こしやすい。それ自体が予後を左右することない。
4.× 「初回入院時の処方薬の種類」ではなく、治療(服薬)の継続性が予後予測因子として考えられる。
5.〇 早期治療が予後予測因子として取り上げられている。発病してから治療を開始するまでの期間(Duration of Untreated Psychosis:DUP)が長くなると予後は悪い。
https://ja.mondder.com/fq?id=3610🔗
問題文正答率:50.00%
44
双極性障害の躁状態の特徴で適切でないのはどれか。
解説・コメント
躁病の特徴
①異常に高揚した、開放的な、または怒りっぽい気分の持続
②過度の自尊心・誇大的思考
③睡眠欲求の減少
④多弁
⑤観念奔逸(考えが次から次へとほとばしり出ること)
⑥注意散漫
⑦目標指向性の異常亢進
⑧快楽的活動への没頭
1.3~5. 〇 正しい。自尊心の肥大・睡眠欲求の減少・快楽的活動への没頭・目標志向性の活動亢進は、躁病の特徴である。
2. × 注意力の「増強」ではなく低下する。注意の転導性は亢進する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3611🔗
問題文正答率:50.00%
45
境界性パーソナリティ障害の患者が自傷行為をほのめかしたとき、作業療法士の行うべき対応はどれか。
解説・コメント
境界性パーソナリティ障害では、感情の不安定性と自己の空虚感が目立つ。こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情緒不安定の中で突然の自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、過食といった情動的な行動が出現する。このような衝動的な行動や表出される言動の激しさによって、対人関係が極めて不安定である。見捨てられ不安があり、特定の人物に対して依存的な態度が目立ち、他者との適切な距離が取れないなどといった特徴がある。関わり方としては、患者が周囲の人を巻き込まないようにするための明確な態度をとる姿勢が重要で、また患者の自傷行為の背景を知るための面接が必要である。
1.× 自傷行為をほのめかすような態度は普段から見られるものである。その度に緊急入院を勧めることは、患者を突き放すことになる。
2.〇 正しい。死にたい気持ちの有無を確認する。自傷行為の背景にある患者の思いを知るように努める。
3.× 作業療法を延長し関わる時間を増やす。なぜ自傷行為をほのめかすのか知る必要があるが、作業療法を延長するなどして巻き込まれてはならない。
4.× 過去の自傷行為の回数について詳しく聴取することは、自傷行為の防止にはつながらず、むしろ患者の気を引く行為に乗せられてしまうことになる。
5.× 自傷行為をしたら作業療法は続けられないと伝えること自体、患者の同意があれば、このような決め事も可能である。しかし、この約束自体、患者の気を引く行為に乗せられてしまうことにつながったり、一方的に約束を伝えるだけでは患者を突き放すことになりかねないため、適切ではない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3612🔗
問題文正答率:50.00%
46
注意欠如・多動性障害の患者の就労に関して適切な助言はどれか
解説・コメント
注意欠陥多動性障害(ADHD)とは、発達障害の一つであり、脳の発達に偏りが生じ年齢に見合わない①注意欠如、②多動性、③衝動性が見られ、その状態が6ヵ月以上持続したものを指す。その行動によって生活や学業に支障が生じるケースが多い。治療として、①まず、行動療法を行う。②改善しない場合は、中枢神経刺激薬による薬物療法を用いる。中枢を刺激して、注意力・集中力を上げる
1.× 「優先順位にこだわらないようにする」のではなく、優先順位をつけて行うようにする。順序よく物事を進められない傾向で、マルチタスクな仕事を苦手とする特徴があるためである。
2.× 「多彩なやり方」ではなく、あらかじめやり方を決めて、物事を行うようにする。決めないと気が散って作業が続かなくなってしまう。
3.× 「周囲の人に配慮を求めないように」ではなく、配慮をしてもらうよう求める。本人の特性の理解を周囲にしてもらうことで、気が散らない環境で集中して仕事に取り組める。
4.〇 自分だけの時間や場所を作るようにする。 気が散らない環境が必要である。
5.× 便利なハイテク機器などは利用しないようにするのは間違い。ハイテク機器に興味があれば、仕事に集中できて作業がはかどることにつながるため、積極的に利用するべきである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3613🔗
問題文正答率:50.00%
47
PTSD 〈外傷後ストレス障害〉 に関する対応で適切なのはどれか
解説・コメント
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは、極めて強烈なストレスを受けた後、再体験、同避、認知や気分の異常、過覚醒の各症状が4週間以上持続し、著しい苦痛や社会的障害を生じている状態をいう。
1.× 曝露療法は、「短期間に留める」のではなく、時間をかけて行うべきである。曝露療法とは、トラウマとなった場面にあえて身を置くようにする治療法で、惹起される症状に少しずつ慣れていくようになる。
2.× 外傷体験の直後は詳しく体験を語らせることはしない。外傷体験の直後は、詳しく体験を語ることでさらに症状を悪化させる可能性がある。
3.× 集団の中で体験を語り合うことは「避ける」のではなく、安心と共感を得るために重要である。
4.〇 正しい。心的外傷体験の一般的な心理反応を説明する。心的外傷体験の一般的な心理反応を知ることで、患者が経験していることは多くの人が体験していることであり、治療によって軽減するという希望をもつことができる。
5.× 心理的応急処置を実施するタイミングは、「心理的動揺がある程度収まってから」ではなく、動揺が認められた場合すぐに行われる。心理的応急処置は、災害などが起こった直後から被災者に提供されるもので、心理的動揺が認められる場合にはすぐに行われる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3614🔗
問題文正答率:50.00%
48
アルコール関連問題に対する二次予防はどれか。
解説・コメント
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼び、「健康日本21」においては、一次予防を「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」、二次予防を「健康診査等による早期発見・早期治療」、三次予防を「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」とそれぞれ定義している。
1.× 入院による治療は、三次予防である。
2.× 中学校や高等学校でのアルコール教育は、一次予防である。
3.× 未成年が酒類を入手しづらくする環境作りは、一次予防である。
4.〇 正しい。病院に受診していないアルコール依存症者の早期発見は、二次予防である。
5.× 断酒会やAA(Alcoholics Anonymous)などの自助グループへの参加推奨は、三次予防である(アルコール依存症の社会復帰の手段)
https://ja.mondder.com/fq?id=3615🔗
問題文正答率:50.00%
49
精神科リハビリテーション活動の説明で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。ACT(Assertive Community Treatment:包括型地域生活支援プログラム)は、重症精神障害者の地域生活を支援する。入退院を繰り返すなど重症の精神障害者を対象として、地域社会でうまく生活を継続することができるように多職種が24時間体制で関わる仕組みである。
2.× SST(Social Skills Training:社会生活技能訓練) は、「精神科病院内での生活技能の向上を目指すもの」ではなく、社会生活を送るうえでの技能を身につけ、ストレス状況に対処できるようにする集団療法の一つである。
3.× 認知リハビリテーションは集団形式で実施する。認知リハビリテーションは、統合失調症の認知機能障害の改善のために行われることもあり、多くは集団形式で実施される。
4.× ケアマネジメントは、「支援機関中心に」ではなく、利用者中心に必要なサービスを検討し利用者に提供する。ケアマネジメントとは、障害者が地域生活を送るうえでの必要なケアを、障害者ごとに立案して医療や福祉の支援機関につなげることであり、利用者中心である。
5.× 心理教育は、援助する者とされる者とを明確に区分した構造的な治療関係の中で実施するのではない。本人だけでなくその家族にも必要な知識や情報を提供し、問題への対処を一緒に考えるようにしていくものである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3616🔗
問題文正答率:50.00%
50
患者が自己の心理的矛盾や課題に気づくことを促す面接技法はどれか
解説・コメント
1.× 共感とは、「単なる同情」ではなく、治療者が患者の内的世界で起こっている様々なことを、あたかも自分のもののように感知することをいう。
2.× 傾聴とは、患者の話を遮らないようにもっぱら聞く態度であり、そのこと自体が精神療法的な意味をもつ。
3.× 反映とは、相手の感情や情動に気づき、それを伝えていく技法である。具体例として、「あなたは・・・と感じているようですね」「あなたは・・・と感じているように聞こえますが。」というようにクライエントの話すことの情緒的な側面に焦点をおく。相手は、治療者に理解してもらっているという安心感や、自分自身の感情への気づきが得られる。
4.〇 正しい。直面化は、患者の心理的矛盾点を指摘することで、患者が自分自身の感情を理解したり、課題を発見したりすることを目的とした技法である。
5.× 開かれた質問 (open question) とは、「困っていることは何ですか」など、患者の返答にある程度の自由がある質問である。一方、閉じられた質問 (closed question)とは、「はい」か「いいえ」 で答えられるものである。適宜両者を使い分けて面接を進めていくことが重要である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3617🔗
問題文正答率:50.00%
51
Lisfranc 関節を構成するのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
Lisfranc関節(リスフラン関節:足根中足関節)は、3つの楔状骨(内側・中間・外側楔状骨)—立方骨—中足骨で構成する。
ちなみに、ショパール関節(横足根関節)は、踵骨—距骨—舟状骨—立方骨の間の関節のことである。
よって、選択肢4. 5.:内側楔状骨と立方骨が正しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3618🔗
問題文正答率:50.00%
52
視覚伝導路に含まれるのはどれか。
解説・コメント
視覚伝導路は、「視神経―視交叉―視索―外側膝状体―視放線―視覚野」である。つまり、選択肢5. 外側膝状体が正しい。
1. × 下垂体は、前葉と後葉からホルモンを分泌する。
2. × 松果体の主な働きは、概日リズムを調節するホルモン、メラトニンを分泌する。
3. × 乳頭体は、時空間の記憶に関連する部位である。
4. × 扁桃体は、情動反応の処理と記憶をつかさどる部位である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3619🔗
問題文正答率:50.00%
53
外眼筋の中で動眼神経の支配でないのはどれか。
解説・コメント
https://ja.mondder.com/fq?id=3620🔗
問題文正答率:50.00%
54
中枢神経系の模式図を示す。 矢印の部位はどれか。
解説・コメント
1. ×:小膠細胞(ミクログリア)は、その働きは貪食作用を持ち変性したニューロンやその死骸を取り込む働きがある。問題の模式図には存在しない。
2. ×:樹状突起とは、神経細胞の一部。 神経細胞が、外部からの刺激や他の神経細胞の軸索から送り出される情報を受け取るために、細胞体から樹木の枝のように分岐した複数の突起のこと。
3. ×:上衣細胞は、星状膠細胞と似たような働きを持つ。脳室系の壁を構成するものである。
4. ×:星状膠細胞(アストロサイト)は、神経細胞の支持・栄養、血液脳関門の形成に機能する。模式図には、毛細血管とつながっているのが星状膠細胞である。
5. 〇:正しい。希突起膠細胞は、髄鞘形成のために働く。
https://ja.mondder.com/fq?id=3621🔗
問題文正答率:50.00%
55
筋と支配神経との組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1. ×:下双子筋は、仙骨神経叢の枝(L4~S1)である。
2. ×:短内転筋は、閉鎖神経前枝(L2~L4)である。
3. 〇:正しい。縫工筋は、大腿神経(L2,L3)である。
4. 〇:正しい。前脛骨筋は、深腓骨神経(L4~S1)である。
5. ×:後脛骨筋は、脛骨神経(L5~S2)である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3622🔗
問題文正答率:50.00%
56
心臓で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1. ×:心臓壁は、「2層」ではなく3層(心内膜、心筋層、心外膜)からなる。
2. 〇:正しい。右房室弁は三尖弁である。ちなみに僧帽弁のみが二尖弁である。
3. ×:心室中隔は、「左室側」ではなく右心室側に凸である。
4. ×:心尖は、「左第8肋間」ではなく左第5肋間に位置する。ちなみに心基部はほぼ第2肋間の高さにある。
5. 〇:正しい。冠状動脈は大動脈から分岐する。冠状動脈は大動脈から分岐し、右冠動脈と左冠動脈に分かれる。左冠動脈はさらに、前行枝と回旋枝に分岐する。拡張期に冠動脈に血液が流れやすいのが特徴である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3623🔗
問題文正答率:50.00%
57
口腔で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:口蓋の後方を、「硬口蓋(口蓋の前方2/3)」ではなく、軟口蓋(口蓋の後方1/3)という。軟口蓋は、主に横紋筋からなる。
2. ×:口峡は、「口腔と喉頭の境」ではなく、口腔と咽頭の境である。
3. 〇:正しい。口腔粘膜は重層扁平上皮からなる。なぜなら、口腔から食道までと肛門管は強い刺激にさらされているため。ちなみに、口腔粘膜は内層より粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜下組織の3層に区分される。重層扁平上皮からなり、主に保護の役割をもつ。それ以外の消化管は、物質の吸収と分泌を行う単層円柱上皮で覆われている。
4. ×:舌乳頭があるのは、「舌根」ではなく、舌の背面(舌体)と側縁である。これらは味細胞を含む味覚器である味蕾が存在する。ちなみに、舌根には舌扁桃がある。前方2/3を舌体(舌背)、後方1/3を舌根という。
5. ×:舌小帯とは、舌の裏側についているヒダのことをいう。舌背(舌体)に舌小帯はない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3624🔗
問題文正答率:50.00%
58
膵臓で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:脾臓に接するのは、「膵頭」ではなく膵尾部である。
2. ×:膵尾は、「十二指腸」ではなく脾臓に接する。
3. 〇:正しい。膵管は十二指腸に開口する。膵管の働きは、膵臓と総胆管をつなぎ、膵臓外分泌により消化を助ける膵液を分泌する管である。
4. ×:膵体は、「横行結腸前面」ではなく後面を横走する。膵体は、脊柱前面を横走する。
5. ×:Langerhans<ランゲルハンス>島は、「膵頭」ではなく、膵体と膵尾に多く存在する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3625🔗
問題文正答率:50.00%
59
左頸部側面の様子を示す。 中斜角筋はどれか。
解説・コメント
1. ×:①は、胸鎖乳突筋(胸骨部が起始)である。
2. ×:②は、胸鎖乳突筋(鎖骨部が起始)である。
3. 〇:正しい。③は、中斜角筋である。
4. ×:④は、肩甲挙筋である。
5. ×:⑤は、僧帽筋である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3626🔗
問題文正答率:50.00%
60
頸動脈洞反射で正しいのはどれか。
解説・コメント
頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。頻脈に対して、脈拍を抑えることを目的として利用されることがある(頸動脈洞マッサージ)。副交感神経優位になる。
1. ×:副交感神経優位になるため、血圧は「上昇する」のではなく低下する。
2. ×:副交感神経優位になるため、心拍数は「増加する」のではなく低下する。
3. ×:求心路は、「舌下神経」ではなく、舌咽神経を介する。
4. 〇:正しい。遠心路は迷走神経を介する。
5. ×:「血中酸素濃度の上昇によって生じる」のではなく、頸動脈マッサージ・絞首などの物理的刺激(圧刺激)によって生じる。メカニズムは、物理的刺激で血圧の上昇し、頸動脈洞・大動脈弓などにある圧受容体が刺激されると頸動脈洞反射が誘発され、迷走神経を介して心臓の洞房結節や房室結節が抑制されて、徐脈・血圧低下が起こる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3627🔗
問題文正答率:50.00%
61
皮膚の侵害受容器はどれか。
解説・コメント
1. ×:毛包受容体は、毛は鋭敏な触覚器官である。毛根には神経が豊富に分布している。
2. ×:Pacini小体(パチニ小体)は、圧覚を伝える。
3. ×:Ruffini終末(ルフィニ終末)は、触圧覚の受容器で、皮膚に関わる圧を感知する。
4. 〇:正しい。皮膚の侵害受容器は自由神経終末である。
5. ×:Meissner小体(マイスナー小体)は、振動を感知して触覚を伝える。
https://ja.mondder.com/fq?id=3628🔗
問題文正答率:50.00%
62
副交感神経線維を含むのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1. 〇 正しい。動眼神経は、運動神経で副交感神経も含む。副交感神経とし瞳孔を収縮させる。
2. × 滑車神経は、上斜筋を支配する。
3. × 内耳神経は、平衡感覚と聴力を伝える。
4. 〇 正しい。迷走神経は、副交感神経を含む。大動脈弓受容器や肺の伸展受容器からの情報を伝える。
5. × 舌下神経は、舌筋を支配し舌を動かす。
https://ja.mondder.com/fq?id=3629🔗
問題文正答率:50.00%
63
心臓の刺激伝導系でないのはどれか。
解説・コメント
https://ja.mondder.com/fq?id=3630🔗
問題文正答率:50.00%
64
線維素溶解に働くのはどれか。
解説・コメント
線維素溶解とは、血管から出血した際に一次止血→二次止血が終わり、血管の流れが元通りになると、血栓は血液が流れるのにジャマになるため、血栓を除去する作用が始まる。この現象を線維素溶解、略して「線溶」と呼ぶ。血栓ができると、血漿中に存在するプラスミノーゲンがプラスミノゲンアクチベーターにより活性化され、プラスミンという強力なたんぱく質分解酵素(線溶物質)になり、フィブリンを分解する。
1. ×:アルブミンは、浸透圧の維持・運搬作用がある。肝臓で合成される。
2. ×:グロブリンは、白血球の働きを助け、ウイルスや細菌が出す毒素と結合して無毒化などで免疫に働く。
3. ×:トロンビンは、血液の凝固に関わる酵素の一種である。
4. ×:フィブリンは、血液の凝固に関わるタンパク質である。
5. 〇:正しい。プラスミンは、血液中のタンパク質である。このプラスミンがフィブリンの網目の膜を溶かす。
https://ja.mondder.com/fq?id=3631🔗
問題文正答率:50.00%
65
嚥下中枢が存在する部位はどれか。
解説・コメント
1. ×:赤核は、中脳にあり不随意の運動の調節を行う。
2. ×:中脳は、視覚、聴覚の中継所、眼球運動の筋肉の緊張調節を図る。
3. ×:小脳は、主な働きとして、体の平衡感覚を保ち手足の敏速、なめらかな運動を円滑にする。
4. ×:橋は、顔の筋肉、唾液腺、味覚、聴覚、眼球運動を動かす神経核である。
5. 〇:正しい。延髄は、嚥下中枢が存在する部位である。嘔吐、嚥下、唾液、呼吸および循環、消化の中枢を含む。生命維持に不可欠な機能を担っていて自律神経の神経核である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3632🔗
問題文正答率:50.00%
66
排便機構で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:排便中枢は、「胸髄」ではなく第2~4仙髄にある。
2. 〇:正しい。外肛門括約筋は、陰部神経支配(体性神経支配)である。ちなみに、内肛門括約筋は、下腹神経(交感神経)と骨盤神経(副交感神経)の支配である。
3. ×:逆蠕動運動がみられるのは、「下行結腸」ではなく上行結腸である。直腸壁に分布している骨盤神経を介して興奮が仙髄の排便中枢、大脳に伝わり便意を催す。
4. ×:食事によって、「胃が拡張」ではなく、直腸壁が伸張し、便意を生じる。詳しく説明すると、直腸に到達した内容物により、直腸内圧が30~40mmHg以上になると、直腸壁が伸張し、骨盤神経を介して興奮が仙髄の排便中枢、さらには大脳に伝わり便意が生じる。
5. ×:内肛門括約筋(平滑筋)は、骨盤内臓神経(副交感神経)の緊張で、「収縮」ではなく、弛緩する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3633🔗
問題文正答率:50.00%
67
血糖を上昇させる作用のあるホルモンはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。血糖を上昇させる作用のあるホルモンは、アドレナリンである。副腎髄質より分泌される。
2. ×:アルドステロンは、血圧上昇させる。副腎皮質から分泌される。
3. ×:カルシトニンは、骨吸収を抑制する働きを持つ。甲状腺から分泌される。
4. ×:パラトルモン(上皮小体ホルモン)は、血液のカルシウムの濃度を増加させるように働き、逆に甲状腺から分泌されるカルシトニンはカルシウム濃度を減少させるように働く。
5. ×:プロラクチンは、乳腺の発育と乳汁の産生に働く。脳下垂体前葉から分泌される。
https://ja.mondder.com/fq?id=3634🔗
問題文正答率:50.00%
68
妊娠、出産で正しいのはどれか。
解説・コメント
便宜上1を正解としましたが正答値表が空欄となっていました。
1. ×:受精卵は、「着床してから」ではなく、着床する前から分裂を開始する。分裂は受精後24時間以降、1~2日で開始する。着床するのは胞胚期で受精後6~7日である。
2. ×:胎盤は、「着床前から形成が開始される」のではなく、妊娠7週頃(受精後5週)から形成されはじめる。
3. ×:妊娠中は、妊婦と胎児の血液の混合が起こらない。なぜなら、胎盤では絨毛が母体血のプールに浸かっている(バリアの)ような構造になっているため。母児間の血液は直接混ざらないようになっている。
4. ×:妊娠中はプロラクチン分泌が、「抑制される」のではなく亢進される。なぜなら、プロラクチンは、脳下垂体前葉から放出され、妊娠後期~出産後にかけ、乳腺の発育と母乳の分泌を促すため。
5. ×:分娩が始まるとオキシトシン分泌が、「減少」ではなく増加する。オキシトシンとは、脳下垂体後葉から分泌される。乳汁射出、子宮収縮作用がある。分泌を抑制・疎外するような環境にならないようにすることが大切である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3635🔗
問題文正答率:50.00%
69
通常歩行(4km/h)の代謝当量(METs)はどれか。
解説・コメント
1. ×:1~2METsは、安静座位、ゆっくりとした歩行 (1~2㎞/h)である。
2. 〇:正しい。通常歩行(4㎞/h)は、3~4METsである。他にも自転車(10㎞/h)、マスターテスト1/2などである。
3. ×:5~6METsは、速めの歩行(6㎞/h)、自転車(16㎞/h)、マスターテストSなどである。
4. ×:7~8METsは、ジョギング(8㎞/h)、自転車(19㎞/h)などである。
5. ×:9~10METsは、ジョギング(10㎞/h)、自転車(22㎞/h)などである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3636🔗
問題文正答率:50.00%
70
眼球運動を行う筋はどれか。
解説・コメント
1. ×:外側翼突筋は、下顎頭を前方に引く作用がある。
2. ×:眼輪筋は、作用は上下の眼瞼を閉眼する。
3. ×:頬筋は、口角を後方に引き、頬を歯に押し付けることで咀嚼を補助する。
4. ×:前頭筋は、眉弓を引き上げ前頭部に皺(しわ)を作る。
5. 〇:正しい。内側直筋は、眼球を内方に動かす。
https://ja.mondder.com/fq?id=3637🔗
問題文正答率:50.00%
71
肩関節外転 90°の時の肩甲骨上方回旋角度で正しいのはどれか
解説・コメント
肩甲上腕リズムは、1944年にInmanらが初めて提唱し、以来様々な研究で検証され、現在においても上腕骨と肩甲骨の運動における基準である。肩関節外転は、肩甲上腕関節のみでは外転90~120°までしかできない。これは肩峰と烏口肩峰靭帯によって阻害されるためである。さらなる外転位を取るには、肩甲骨・鎖骨を動かすことにより可能となる。上腕骨の外転だけでなく、肩甲骨の動きを合わせて肩甲上腕リズムという。90°外転位では、「肩甲骨上方回旋が30° + 肩甲上腕関節外転が60°」となり1:2の関係となる。180°外転位も同様に、「肩甲骨上方回旋が60° + 肩甲上腕関節外転が120°」となり1:2の関係となる。
よって、選択肢2. 30°が正しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3638🔗
問題文正答率:50.00%
72
右膝の内側面を図に示す。 矢印の筋の作用で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
https://ja.mondder.com/fq?id=3639🔗
問題文正答率:50.00%
73
体幹の伸展かつ右回旋に作用する筋はどれか。
解説・コメント
便宜上1を正解としましたが正答値表が空欄となっていました。
体幹の伸展は、両側の脊柱起立筋の収縮が必要になるため、右と断定している時点で正解を得ることが困難
1. ×:最長筋は、両側作用で体幹伸展、片側作用で体幹を同側へ側屈する。回旋作用はない。
2. ×:多裂筋は、両側作用で体幹伸展、片側作用で体幹を同側へ側屈、対側へ回旋する。したがって、右多裂筋の作用は体幹の左回旋である。
3. ×:半棘筋は、両側作用で頭部・体幹伸展、片側作用で体幹を同側へ側屈、対側へ回旋する。したがって、右半棘筋の作用は体幹の左回旋である。
4. ×:腰方形筋は、同側作用で腰を反らし、片側作用で体幹を同側へ側屈する。
5. ×:内腹斜筋は、上体を同側に回す。
https://ja.mondder.com/fq?id=3640🔗
問題文正答率:50.00%
74
成人の正常立位姿勢で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:腰仙角とは、骨盤傾斜の指標であるL5/S1の角度である。平均143°である。ちなみに、仙骨傾斜角(水平線と第1仙椎上部を通る直線とのなす角)は、約30度が正常である。
2. ×:胸椎と仙椎は、「前弯」ではなく後弯を示す。ちなみに、頸椎と腰椎は前弯を示す。
3. ×:矢状面上における重心は、仙骨の「後方」ではなく前方(第2仙椎)に位置する。ちなみに身長の55%の高さにある。
4. ×:矢状面における身体の重心線は、「足関節中心」ではなく外果の中心から4~5cm前部(足関節前方)を通る。
5. 〇:正しい。両上前腸骨棘と恥骨結合を含む面は前額面とほぼ一致する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3641🔗
問題文正答率:50.00%
75
疾患と病理学的変化の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:Parkinson病は、「大脳白質」ではなく中脳の黒質の変性である。
2. 〇:正しい。多発性硬化症は、中枢神経の脱髄である。中枢神経系の白質のいたるところに炎症性の脱髄性病変が現れる。
3. ×:Lewy小体型認知症は、「大脳白質」ではなく後頭葉の血流低下である。Lewy小体型認知症とは、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって、①進行性認知症と②パーキンソニズムを呈する病態である。認知機能の変動・動揺、反復する幻視(人、小動物、虫)、パーキンソニズム、精神症状、REM睡眠型行動障害、自律神経障害などが特徴である。
4. ×:筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、「脊髄後索」ではなく、脊髄側索・前角細胞の変性である。
5. ×:Guillain-Barré症候群は、「脊髄前角の変性」ではなく、自己免疫反応による免疫・炎症性ニューロパチーである。近年、軸索を直接障害する病型ともいわれていきている。
https://ja.mondder.com/fq?id=3642🔗
問題文正答率:50.00%
76
アレルギーの分類と組織傷害の機序との組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1. 〇:正しい。Ⅰ型アレルギー(IgE)は、即時型過敏症である。主な症状として、気管支喘息・アトピーなどである。抗原(アレルゲン)が体内に侵入し、肥満細胞に付着したIgE抗体に抗原が結合し(抗原抗体反応)、即時的に反応が起こる。
2. 3. ×:Ⅱ型アレルギー(IgG、IgM)は、細胞障害型である。細胞膜に付着している抗原(アレルゲン)と、抗体が結合して反応する。溶血性貧血・血小板減少症、重症無力筋症などである。
4. ×:Ⅲ型アレルギー(IgG)は、免疫複合体型である。血清病、リウマチ、腎炎などである。抗原抗体反応の結果産生された抗原-抗体複合体が、小血管壁に付着することにより起こる。
5. ×:Ⅳ型アレルギー(T細胞マクロファージ)は、T細胞依存型・遅延型である。臓器移植の拒否反応・結核などである。抗原感作を受けたT型リンパ球がリンホカインを産生し、組織障害を起こすものである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3643🔗
問題文正答率:50.00%
77
急性期のくも膜下出血の診断に最も有用なのはどれか。
解説・コメント
1. 2. ×:MRIは、軟部組織の病変(ヘルニア)や、小さな病変(脳腫瘍、小梗塞、脱髄巣など)の診断能力に優れている。T1強調像は、高信号(白)は脂肪(亜急性期の出血)・低信号(黒)は水(慢性期の出血)となる。脳回の萎縮、側室の拡大といった解剖構造を診るのに適している。T2強調像は、高信号(白)は水・脂肪(ほとんどの病変)・低信号(黒)は空気(慢性期の出血、線維化、石灰化)となる。多くの病変を鋭敏に診るのに適している。
3. ×:頸動脈超音波像は、頸動脈における動脈硬化を評価することに用いられる。
4. 〇:正しい。単純CT像は、急性期のくも膜下出血の診断に最も有用である。また、急性期の脳出血や石灰化などに適している。MRIでも病巣の確認は行えるが、撮影時間を比較すると、CTは数秒、MRIは数分~数十分かかるためCTを選択されることが多い。
5. ×:単純エックス線写真は、基本的な撮影メカニズムはCTと同じだが基本的に胸部や骨折部位の特定など一枚の撮影に用いられることが多い。断層として見ることができない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3644🔗
問題文正答率:50.00%
78
創傷治癒を遅延させるのはどれか。
解説・コメント
慢性創傷は、創傷の内部の状況(局所的因子)だけでなく、患者の全身状態(全身性因子)によっても影響を受ける。ゆえに創傷治療では、常に総合的な治療アプローチが求められる。創傷治癒を遅延させる要因として、主に以下があげられる。
【局所的因子】
細菌の定着、フィブリンコーティングおよび壊死、創感染創傷の衛生状態不良、血液の供給不良、低酸素飽和状態、破片、残骸、圧力
【全身性因子】
心臓血管疾患、神経障害(糖尿病)、代謝性疾患、低栄養状態、投薬(例:ステロイオド)、免疫活性剤、高齢、喫煙などが考えられる。
よって、5. 副腎皮質ステロイドが正しい。
1~4. × 亜鉛/アミノ酸/十分な酸素供給/ビタミンCは、創傷治癒を促進させる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3645🔗
問題文正答率:50.00%
79
障害受容で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。社会環境によって影響される。例えば、家族、友人の支援など社会的支援によって障害受容は促進される。また、社会への疎外感が強い環境では、劣等感を感じやすく適応に長時間要する。
2. 〇:正しい。障害者同士の交流により促進される。また、家族・友人の支援によって、「自分は一人ではない」という気持ちが共有でき、障害受容は促進される。
3. ×:抑うつ状態の患者には積極的な指導を行う必要はない。抑うつ状態とは、気分が落ち込んで活動を嫌っている状況のことをいう。そのような患者には積極的な指導は控え、見守るよう接する。
4. 〇:正しい。混乱している患者の怒りは医療者にも向く。これを転移という。
5. 〇:正しい。ショックを受けている状態の患者は安全に見守る。
https://ja.mondder.com/fq?id=3646🔗
問題文正答率:50.00%
80
認知行動療法で対象となるうつ病の自動思考のうち「極端な一般化」にあたるのはどれか。
解説・コメント
自動思考とは、主に認知行動療法で用いられる用語で、状況に対応して非常にすばやく、自分の意志とは関係なく自動的に湧き出る思考を指す。
1. ×:そのときの感情に基づいて現実を判断するのは、感情の合理化である。
2. ×:すべてに対して白黒をつけて割り切ろうとするのは、全か無か思考である。
3. ×:着目していることだけから短絡的に結論付けるのは、極端な一般化の意味とは逆になる。
4. ×:「こうするべきだ」と行動を制限して自分を責めるのは、~すべきだ思考である。
5. 〇:正しい。少数の事実からすべてが同じ結果になると結論付けるのは、極端な一般化にあたる
https://ja.mondder.com/fq?id=3647🔗
問題文正答率:50.00%
81
心理療法で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:陽性転移は治療者に対する好ましい感情であるが、陽性転移の出現を目標とはしない。なぜなら、陽性・陰性転移の出現についての理由を明確化して、洞察を深めていくように導くのが洞察的心理療法の目的である。
2. ×:逆転移を認識したときは治療を中止する必要はない。転移・逆転移は心理治療中で容易に起こり得ることで、逆転移を認識したら、治療者自身で解決するか、別の治療者に相談するのが良い。
3. ×:自律訓練法は、不安階層表を作成するものではない。自律訓練法は、シェルツによって開発されたもので自己催眠法の手続きの一つで、事故に暗示をかけてリラックスを促し心身を整える方法である。不安階層表を作成させるのは、ウォルピによって創始された系統的脱感作である。徐々に不安を感じる刺激を与えて慣れさせる方法をとる。
4. ×:絵画療法は、統合失調症の「急性期」ではなく、慢性期に有効である。絵画療法は、患者に絵を描いてもらい言語化できない患者の精神内界を表現させ、それについて患者と言語的あるいは非言語的に交流することにより症状の改善をはかるものである。「禁忌はない」といわれるほど多くの疾患に適応があるが、統合失調症では慢性期の治療に有効である。
5. 〇:正しい。バイオフィードバック法は、精神生理学に関連した方法で、生理現象を計測しながら良い状態であれば対象者に信号を出して、良い状態を保つよう訓練する方法で、オペラント条件付けを用いた手法である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3648🔗
問題文正答率:50.00%
82
ASIA の評価法における脊髄の髄節とその感覚支配領域検査ポイントの組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:C5は、腕橈骨筋起始(上腕骨外果)である。鎖骨上窩(肩峰)はC3である。
2. ×:臍は、T10である。T7は第7肋間、T6は胸骨剣状突起高位、T4は乳首である。
3. 〇:正しい。T12は、鼠経靭帯の中点である。
4. ×:L5は、足背内側である。足関節内果はL4である。
5. ×:S4は、肛門皮膚粘膜移行部である。膝窩はS2である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3649🔗
問題文正答率:50.00%
83
歩行障害と病態の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
便宜上1を正解としましたが正答値表が空欄となっていました。
1. ×:鶏歩は、総腓骨神経麻痺で生じる足関節背屈筋力低下で起こる。
2. ×:踵足歩行(らくだ歩行)は、L4,5脊髄損傷や二分脊椎、ポリオで起こる。足関節底屈筋麻痺が原因で起きる変形である。
3. ×:動揺歩行は、両側中殿筋の筋力低下により腰を左右に振りながら歩く様子をいう。主に、多発性筋炎などの肢帯筋の障害により起こる。
4. ×:小刻み歩行は、Parkinson病に特徴的な歩行である。錐体外路障害により起こりやすい。
5. ×:Trendelenburg歩行は、動揺歩行と同様に、中殿筋の筋力低下により腰を左右に振りながら歩く様子をいう。
https://ja.mondder.com/fq?id=3650🔗
問題文正答率:50.00%
84
高齢者の長期の安静臥床の影響で正しいのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
長期臥床では、心肺機能が低下し、下肢からの静脈還流量の低下による心拍出量の減少、脈拍数の増加、最大酸素摂取量の減少などの生体に影響がある。
1. 〇:正しい。記銘力の低下を引き起こし認知症につながる。
2. ×:1回換気量は、「増加」ではなく減少する。換気能低下が起こるためである。
3. 〇:正しい。循環血液量の減少が起こる。心機能の低下、筋肉量の減少や萎縮のため起こる。血液粘稠度も増し血栓ができやすくなる。
4. ×:予備呼気量は、「増加」ではなく減少する。残気量が上昇し、肺活量は低下する。
5. ×:安静時心拍数は、「減少」ではなく増加する。なぜなら、循環血液量の減少により、全身に酸素を送るためには安静時心拍数は代償的に増加するため。
https://ja.mondder.com/fq?id=3651🔗
問題文正答率:50.00%
85
Milani 運動発達評価表における反射や運動のうち消失する時期が最も遅いのはどれか。
解説・コメント
1. ×:手掌把握反射の消失する時期は、3~4か月である。
2. ×:自動歩行の消失する時期は、1~2か月である。
3. 〇:正しい。足底把握反射の消失する時期は、9か月である。
4. ×:非対称性緊張性頸反射の消失する時期は、4~6か月である。
5. ×:Moro反射の消失する時期は、4~6か月である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3652🔗
問題文正答率:50.00%
86
乳児の水頭症でみられる症状はどれか。
解説・コメント
新生児・乳児期(0~2歳ごろ)に水頭症が発症した場合、頭蓋骨縫合が完全に癒合していないため、脳室の拡大に伴って頭蓋が拡張し、頭囲の拡大や大泉門の膨隆が起こる。さらに脳室拡大が高度になると、頭皮静脈の怒張や落陽現象などが出現する。落陽現象とは、眼球上転運動障害のことである。また他の特徴として、破壺音(はこおん):Macewen徴候(マキューイン徴候)、頭部を打診するとヒビの入った壺のような音がする、頭皮の伸展・光沢、下肢痙直、頭囲拡大などがあげられる。よって、選択肢4. 落陽現象が正しい。
1. × 肥満は、甲状腺機能低下症・甲状腺機能亢進症/バセドウ病・クッシング症候群などが疑われる。
2. × 口蓋裂の原因の7割は不明とされている。
3.5. × 運動失調/弛緩性麻痺は、脳性麻痺などが疑われる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3653🔗
問題文正答率:50.00%
87
外傷による骨折で、通常、完全骨折となるのはどれか。
解説・コメント
一般的な骨折とはこの完全骨折を意味する。不全骨折とは、何らかの理由により骨が連続性を完全に失わない状態の骨折を指す。いわゆる骨にヒビが入っている状態である亀裂骨折や、緻密層以下の部分が離断しているにも関わらず骨膜に損傷がないため、外形的には変化が見られない骨膜下骨折などがこの不全骨折の典型例である。
1. ×:亀裂骨折は、ひびが入っているが、つながっている骨折をいう。
2. ×:若木骨折は、骨の膜の内側で、筋状にひびが入っている状態である。小児によくみられる。若木を折り曲げたときのように、ポキッと折れず連続性が一部保たれた不完全骨折である。
3. ×:竹節骨折(膨隆骨折)は、圧迫骨折の一種で骨の柔らかい子供に多い骨折である。上下からの圧迫で潰れ骨折部分は竹の節のような形になる。
4. ×:圧迫骨折は、高齢者に多く、背骨が押しつぶされて変形している骨折である。
5. 〇:正しい。剥離骨折(裂離骨折)は、通常、完全骨折となる。靭帯や筋、腱の付着部の骨が引き裂かれて生じた状態で、開放骨折である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3654🔗
問題文正答率:50.00%
88
骨肉腫で正しいのはどれか。
解説・コメント
悪性腫瘍は、上皮性のものを「癌(癌腫)」、非上皮性のものを「肉腫」と呼ぶ。骨肉腫には、他の臓器に発生したがんが骨に転移する「転移性骨腫瘍」と、骨自体からがんが発生する「原発性骨悪性腫瘍」の2種類があり、後者は主に肉腫と呼ばれる腫瘍がほとんどである。
1. 〇:正しい。肺転移が最も多い。しかし、5年生存率は近年70%以上にまで改善がみられる。
2. ×:主な症状としては、運動時痛を含む痛みがある。骨肉腫では膝周囲の疼痛、腫脹が特徴である。
3. ×:「壮年期」ではなく、10~20代の若年者に好発する。
4. ×:「大腿骨近位」ではなく、膝の周り(大腿骨遠位部や脛骨近位部)や肩の周囲に発生する。
5. ×:血中アルカリフォスファターゼは、「低下する」のではなく高くなる。血中アルカリフォスファターゼは、肝・胆管系・骨・甲状腺・胎盤・小腸・腎などに分布し、障害されると上昇する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3655🔗
問題文正答率:50.00%
89
続発性骨粗鬆症発症の危険因子はどれか。
解説・コメント
続発性骨粗鬆症発症とは、閉経後や高齢者にみられる原発性骨粗鬆症と異なり、結果として二次的な骨量喪失が起こる骨粗鬆症のことをいう。例えば、骨代謝に影響を及ぼすホルモンやサイトカイン異常、不動など骨への力学的負荷の減少、骨構成細胞や物質の異常、全身的および血管障害などの局所的栄養障害などによって起こる。これら骨粗鬆症は原疾患に基づいて発症する続発性骨粗鬆症であるため、原疾患の適切な治療により正常化することが期待しうるが、骨代謝の正常化を期待するには不十分であることが多く、また先天性異常では改善は望めず、多くの症例で骨量喪失に対する治療を要することが多い。
1. ×:「肥満」ではなく、るいそう、痩せで起こる。
2. ×:副腎は、「不全」ではなく亢進(クッシング症候群)で起こる。
3. 〇:正しい。関節リウマチで起こる。
4. ×:甲状腺機能は、「低下」ではなく亢進起こる。
5. ×:副甲状腺機能は、「低下」ではなく亢進で起こる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3656🔗
問題文正答率:50.00%
90
神経系の感染症と病原体の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:HIV脳症(エイズ)は、HIVウイルスによる後天性免疫不全症である。梅毒はスピロヘータの一種である梅毒トロポネーマ感染により発症し、この梅毒トロポネーマが脳の実施まで至ると、進行性麻痺となる。
2. 〇:正しい。急性灰白髄炎(ポリオ)は、ポリオウイルスの感染により脳脊髄炎を来たし、主に脊髄前核細胞が侵される。
3. ×:Creutzfeldt-Jakob病(クロイツフェルト・ヤコブ病)は、異常なプリオン蛋白が脳に蓄積する致死性神経感染症である。
4. ×:進行麻痺とは、進行性麻痺とは、梅毒に感染してからおよそ10年以降(梅毒第4期)に発症する脳疾患である。梅毒トレポネーマという細菌の一種で起こる。
5. ×:日本脳炎は、日本脳炎ウイルスで起こる。日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染する。以前は子どもや高齢者に多くみられた病気である。初期症状として、突然の高熱・頭痛・嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもある。
https://ja.mondder.com/fq?id=3657🔗
問題文正答率:50.00%
91
重症筋無力症で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。胸腺の異常(胸腺腫)を伴うことが多い。胸腺腫がなくても全身型の重症筋無力症には拡大胸腺腫摘出術が行われることが多い。
2. ×:Parkinson病の患者数は、人口10万人あたり100~150人と推定されており、神経変性疾患の中では最も頻度が高い。ちなみに、重症筋無力症は、10万人あたり5.1人である。
3. ×:テンシロン試験で症状は、「悪化する」のではなく、回復する。テンシロンは欧米の商品名であり、日本ではアンチレクスという商品名で発売されている。重症筋無力症患者では、長短時間作用型抗ChE薬であるテンシロンの静注により、一過性に筋力が回復する(テンシロン検査)。
4. ×:血清クレアチンキナーゼとは、筋の損傷が起こると上昇を示す。心筋炎、心外膜炎、進行性筋ジストロフィー、多発性筋炎などにより上昇する。重症筋無力症は、筋の障害ではないため血清クレアチンキナーゼは上昇しない。
5. ×:誘発筋電図の反復刺激試験で振幅は、「漸増」ではなく漸減を認める。これをWaning(ウェイニング)現象という。
https://ja.mondder.com/fq?id=3658🔗
問題文正答率:50.00%
92
脳腫瘍とその症状の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。下垂体腺腫は、両耳側半盲を生じる。下垂体腺腫では、視交叉が圧迫されると視神経の一部が障害され両耳側半盲となる。視力・視野障害の他にも、下垂体前葉機能障害(成長ホルモン低下症状や卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの低下症状など)や視床下部障害(尿崩症)が起こる。
2. ×:視神経膠腫は、無症状で、自然に消退するものも多いが、ときに視力低下・視野障害などの原因となる。てんかん発作は、膠芽腫(グリオブラストーマ)で起こる。
3. ×:髄芽腫は、通常小脳虫部に発生する。頭痛や嘔吐、歩行時のふらつきがみられる。下垂体腺腫では、腫瘍が増大し正常下垂体を圧迫することで下垂体機能不全がみられる。
4. ×:聴神経鞘腫の約95%が内耳神経(特に下前庭神経)に好発する。症状として、一側の高音域難聴、耳鳴、健側に向かう水平注視眼振(Bruns眼振)、めまいなどがある。尿崩症は、頭蓋咽頭腫や胚細胞腫瘍などでみられる。
5. ×:頭蓋咽頭腫は、視交叉圧迫による視力障害、下垂体機能低下、視床下部障害などを特徴とする。難聴は聴神経鞘腫などでみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3659🔗
問題文正答率:50.00%
93
急性膵炎で正しいのはどれか。
解説・コメント
1. ×:最も多い原因はアルコール(33.5%)で、次の原因で胆石(26.9%)がある。
2. ×:重症例の死亡率は、「1%前後」ではなく、適切に治療を行った場合でも10~30%と報告されている。
3. ×:急性期は血中アミラーゼ(膵酵素:アミラーゼ、リパーゼ)が、「低下」ではなく上昇する。
4. 〇:正しい。膵内での消化酵素の活性化がみられる。膵液は膵管という管を通って十二指腸に分泌され、はじめて消化酵素として活性化し、食べ物を消化する。胆石など何らかの原因で、膵液が詰まり、膵内で活性化されると、膵臓が消化され、これを急性膵炎と呼ぶ。
5. ×:体幹の「伸展」ではなく屈曲で痛みが軽減することが多い。体幹伸展では増悪する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3660🔗
問題文正答率:50.00%
94
赤血球の産生が低下しないのはどれか。
解説・コメント
貧血(赤血球数・ヘモグロビン量・またはヘマトクリットの減少)は、赤血球産生(赤血球造血)の低下、赤血球崩壊の増加、失血、またはこれらの因子の組合せの結果として生じることがある。
1. × 腎性貧血は、赤血球の産生が低下する。腎性貧血は、主にエリスロポエチンの欠乏または、エリスロポエチンに対する反応性の低下より、赤血球を産生能力が低下する。
2. 〇 溶血性貧血は、赤血球が破壊されることによって起こる貧血である。赤血球が破壊されることを溶血と言い、溶血で起こる貧血なので溶血性貧血という。つまり、赤血球の産生は低下しないが、溶血される貧血である。
3. × 鉄欠乏性貧血は、赤血球の産生が低下する。鉄欠乏性貧血は、体内の鉄が不足することで赤血球の中に含まれるヘモグロビンが作れなくなることによって生じる、貧血の中で最も頻度が高い疾患である。
4. × 巨赤芽球性貧血は、赤血球の産生が低下する。巨赤芽球性貧血は、種々の原因により骨髄に巨赤芽球が出現する貧血の総称である。ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏などにより、DNA合成が障害され核の成熟障害をきたし、異常な巨赤芽球が産生される。巨赤芽球は、赤血球前駆細胞である。つまり、赤血球前駆細胞である異常な巨赤芽球が産生され、赤血球の産生が低下する貧血である。
5. × 骨髄異形成症候群は、赤血球の産生が低下する。骨髄異形成症候群とは、骨髄中で健常な血液細胞が充分につくられない疾患の一種である。症状のあらわれ方は、患者によって異なる。 具体的には、赤血球減少による顔色不良、全身倦怠感、動悸、息切れなどの症状や、血小板減少による皮膚・粘膜の点状出血や鼻出血などの症状がみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3661🔗
問題文正答率:50.00%
95
地域保健法に基づく保健所の業務でないのはどれか。
解説・コメント
1. 〇:正しい。障害児の保険相談は、保健所の業務である
2. ×:医療保険の審査事務は、支払基金(国民健康保険団体連合会または社会保険診療報酬支払基金)が行っている。
3. 〇:正しい。感染症発症届出の受理は保健所の業務である
4. 〇:正しい。人口動態統計に関する事務は、保健所の業務である。
5. 〇:正しい。食品に関する営業所の監視は保健所の業務である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3662🔗
問題文正答率:50.00%
96
統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴えた。 この症状はどれか。
解説・コメント
1. ×:考想伝播は、自分の考えが他人に伝わってしまうという自我障害である。
2. ×:作為体験は、自分の行動が誰かに操られているという自我障害である。
3. 〇:正しい。妄想気分は、なんとなく不気味な気分「不気味な何かが起こりそうだ」という一次妄想である。一次妄想は、その生じ方が心理的に了解できないのに対して、二次妄想は妄想の発生が了解・可能なものとなる。つまり、妄想気分とは、周りがいつもと違い、何か不気味で大変なことが起こりそうだという不安に襲われる状態のことである。
4. ×:妄想知覚は、知覚したことに特別の意味が感じられること「猫が通ったのを見て“母親が死んだ”と確信する」という一次妄想である。
5. ×:連合弛緩は、個々のアイディアに論理的な結びつきがなくなって話の脈絡にまとまりがない状態のことで、思考障害である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3663🔗
問題文正答率:50.00%
97
てんかんで正しいのはどれか。
解説・コメント
てんかんには、大きく分け部分性てんかんと全般性てんかんがある
1. ×:種類によっては(例えば、欠神発作や複雑部分発作)は、けいれんを伴わないものもある。
2. ×:てんかんの好発年齢は、小児期~思春期および老年期(60歳以降)である。
3. ×:West症候群(点頭てんかん)の発症のピークは、「3~5歳」ではなく乳幼児(4か月~12か月)である。3~5歳がピークなのはレノックス症候群である。
4. 〇:正しい。高齢発症の症候性てんかんの原因疾患としては脳血管障害が最も多い。ちなみに、症候性てんかんの約7割が側頭葉転換である。
5. ×:逆である。てんかんによる突然死のリスクは、欠神発作より強直間代発作の方が高い。強直間代発作の症状として、呼吸停止し眼球上転、咬舌、転倒による外傷がある。一方、欠神発作では突然意識が減損し活動を中断するが、すぐに元の状態に戻る特徴を持つ。
https://ja.mondder.com/fq?id=3664🔗
問題文正答率:50.00%
98
器質性精神障害の急性期の症状として最もみられるのはどれか
解説・コメント
器質性精神障害とは、精神疾患のうち、内分泌疾患などの結果として脳機能に影響を与えるものや脳外傷や脳梗塞などのように、直接脳そのものを障害するものがあり、これらをまとめて器質性精神障害とよぶ。原因となる疾患が多種(アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、脳梗塞、脳出血、脳炎、多発性硬化症、脳腫瘍、てんかんなど)であるため症状も多様であるが、最もよく見られるものは選択肢2.せん妄である。せん妄とは、高齢者に多く発症する一種の意識精神障害で、一過性で症状としては突然暴れだしたり、意味不明なことを口走るなどである。
ちなみに、選択肢1.3~5. 失語/知能低下/性格変化/健忘症候群は、慢性期の症状である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3665🔗
問題文正答率:50.00%
99
うつ病のリワークプログラムで正しいのはどれか。
解説・コメント
リワークとは、「return to work」の略語。気分障害などの精神疾患を原因として休職している労働者に対し、職場復帰に向けたリハビリテーション(リワーク)を実施する機関で行われているプログラムである。復職支援プログラムや職場復帰支援プログラムともいう。
1. 〇:正しい。集団療法として位置づけられる。主な概要は、プログラムに応じて決まった時間に施設へ通うことで会社へ通勤することを想定した訓練を行う。また仕事に近い内容のオフィスワークや軽作業、復職後にうつ病を再発しないための疾病教育や認知行動療法などの心理療法が行われ、初期には久しぶりの集団生活になれるための軽スポーツやレクレーションが行われることがある。
2. ×:精神科医療機関でも実施される。実施主体は、①医療機関、②地域障害者職業センター、③企業内が主に上げられる。
3. ×:診断や就労状況などで対象者は限定される。病状がある程度安定し安全に通所できる方、基本的には休職中の身分で参加できる。
4. ×:実施に当たり主治医だけでなく、多職種の医療専門職(看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理職など)との情報共有・リハビリテーションを行う。つまり、主治医と情報を共有し、再給食を予防する。
5. ×:うつ病の急性期は、症状が休養や薬物療法により安定後させることが大切である。リワークは、回復期〜維持期にかけての復職支援・日内リズムを整える・職場復帰などが必要な時などで推奨される。
https://ja.mondder.com/fq?id=3666🔗
問題文正答率:50.00%
100
成人のパーソナリティ障害への治療介入で正しいのはどれか。
解説・コメント
パーソナリティ障害の治療では、患者との間で明確な治療目標を設定し、その目標達成に向けて、双方が協力して粘り強く治療に取り組むことが重要である。現在、パーソナリティ障害それ自体に対して保険適用のある薬物はないが、対症療法的に、気分安定化薬や抗精神病薬が使用されることがある。
パーソナリティ障害は概して加齢に伴って目立たなくなったり軽快したりする傾向がある。反社会性および境界性パーソナリティ障害でこの傾向がよく当てはまるが、一方、強迫性および統合失調型パーソナリティ障害は、この傾向はあまり当てはまらない。境界性パーソナリティ障害において、その症状はしばしば一生続きますが、治療的介入を受けた場合は治療開始1年以内に改善し始めることもある。
1. 〇:正しい。薬物療法は有効である。現在、パーソナリティ障害それ自体に対して保険適用のある薬物はないが、対症療法的に、気分安定化薬や抗精神病薬が使用されることがある。
2. ×:家族との連携を控える必要はない。むしろ重要である。なぜなら、パーソナリティ障害には、主に①個人精神療法、②集団精神療法、③家族療法と3つあるため。パーソナリティ障害では、家族関係がうまくいっていないケースも少なくないため、家族との関係を捉え直し、問題を解決していく治療法がとられることもある。
3. ×:早期発見・早期治療は精神疾患でも大切であるが、患者に告知するのは慎重でなければならない。
4. ×:秩序を乱した行動は、非社会性パーソナリティ障害に見られる症状である。行動に対して「何も言わない」のではなく、冷静さを維持して挑発には乗らず、中立な立場で接する。
5. ×:電気けいれん療法の主な適応は、「成人のパーソナリティ障害」ではなくうつ病である。中でも中高年以降の微小妄想(罪業、貧困、心気妄想)伴い、また拒食、拒薬、自殺念慮がつよい重症の症例に行い、90%以上症例で十分な効果が得られている。他の疾患では統合失調病緊張型 遅発性緊張病、疼痛性障害などでも有効である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3667🔗
0
解説・コメント
1. × 腹直筋の段階2~0の判定では、膝関節は屈曲位で行う。また、検者の手は、腹直筋を触知できる位置に置く。
2. 〇 前鋸筋は、端座位にて実施。肩甲骨外転と上方回旋位。検査側上肢は90°以上前方挙上させて測定する。検者は、被検者の上肢を肘部分で支持し、他方の手で前鋸筋を触知する。
3. × 僧帽筋中部線維の検査は、肩関節は90°外転位、肘関節は90°屈曲位で行う。この問は、僧帽筋下部線維の段階2~0のテスト肢位である。
4. × 上腕三頭筋の段階2~0では、座位で、上肢を90°外転・肘関節は約135°屈曲位をとり、上肢全体は床に水平になるようにする。検者は、前腕の下面で上肢を支え、他方の手で肘頭のすぐ近位の後面で触知する。本問の図は、上腕三頭筋の段階5~3のテストである。
5. 〇 長橈側手根伸筋の段階1および0のテストは、前腕回内位で測定する。検者は、被検者の手関節を伸展位に支え、他方の手で触知する。