作業療法士国家試験過去問第55回午前
オプション
問題文正答率:50.00%
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。 2つ選べ。
https://ja.mondder.com/fq?id=3668🔗
問題文正答率:50.00%
75 歳の女性。頸椎症性神経根症。 4年前から上肢のしびれ感がある。その領域を図に示す。 障害を受けている神経根で正しいのはどれか。
解説・コメント
脊髄の各髄節は、特定の皮膚領域の感覚を支配しています。このような脊髄神経による皮膚の分節的支配様式をデルマトームといいます。これは、暗記出来ているかどうかの問題である。
1.× C5は上腕外側である。
2.〇 C6は前腕橈側である。障害を受けている神経根と一致する。
3.× C7は中指である。
4.× C8は①手掌・手背の尺側と②第4~5指である。
5.× Th1は前腕尺側である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3669🔗
問題文正答率:50.00%
頭部 MRIを示す。 正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
頭部MRIは、視床・大脳基底核レベルである。
1.× 「第四脳室」ではなく側脳室前角を示している。
ちなみに、第四脳室は脳幹レベルのスライドである。
2.4.〇 正しい。尾状核/視床である。これは、被殻と尾状核で線条体という。
3.× 「脳梁」ではなく脳弓を示している。ちなみに、脳梁とは、左右の大脳半球をつなぐ交連線維の太い束のことである。
5.× 「被殻」ではなく第三脳室を示している。被殻は、淡蒼球の前方に位置する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3670🔗
問題文正答率:50.00%
上腕切断の適応義手を検討するための切断レベルを算出する式において、A にあてはまるのはどれか。
解説・コメント
上腕の切断レベルは、「肩峰」を基準として「健側の上腕長」と「上腕の断端長」を比較した割合である。
断端長(肩峰~断端末端部)/健側上腕長(肩峰~上腕骨外側上顆)×100=上腕切断(%)
【切断部位と義手】
0~30%:肩関節離断
30~50%:上腕短断端
50~90%:上腕標準断端
90~100%:肘関節離断
1.× ①上肢長:肩峰~中指先端までの長さである。
2.〇 ②上腕長:肩峰~上腕骨外側上顆を結ぶまでの長さである。
3.× ③上腕長:上腕骨大結節~上腕骨外側上顆までの長さである。
4.× ④腋窩から上腕骨内側上顆までの長さである。義手の作製時に測定する。
5.× ⑤腋窩から尺骨茎状突起までの長さである。義手の作製時に測定する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3671🔗
問題文正答率:50.00%
関節リウマチにみられる手指関節の変形を図に示す。 番号と変形の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 ①は、ダックネック変形(あひるのくび変形、Z変形)とも呼ばれる。MCP関節屈曲、IP関節が過伸展する。
2.× ②は、「槌指変形」ではなく鷲手の手指様である。MCP関節過伸展、PIP・DIP関節の屈曲がみられる。ちなみに、槌指変形とは、DIP関節が屈曲したまま伸展できない状態である。手指にも足趾にも見られる。
3.× ③は、「鷲爪指変形」ではなくスワンネック変形である。MCP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節が屈曲変形となる。ちなみに、鷲爪指変形は、MCP関節過伸展、PIP・DIP関節の屈曲がみられる。
4.× ④は、「ボタン穴変形」ではなく槌指変形である。DIP関節の屈曲拘縮を来す。ちなみに、ボタン穴変形は、PIP関節が屈曲し、DIP関節が過伸展する。
5.× ⑤:「スワンネック変形」ではなくボタン穴変形である。PIP関節が屈曲し、DIP関節が過伸展する。ちなみに、スワンネック変形は、MCP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節が屈曲変形となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3672🔗
問題文正答率:50.00%
30 歳の男性。頸髄損傷完全麻痺(第6頸髄まで機能残存)。上腕三頭筋の筋力検査を行う場面を図に示す。 代償運動が出現しないように作業療法士が最も抑制すべき運動はどれか。
解説・コメント
代償動作とは、本来の動作や運動を行うのに必要な機能以外の機能で補って動作や運動を行うことです。ある運動を行うときに、動筋の筋力低下や麻痺からその作用を他の筋の運動によって補おうとする見せかけの運動をすること。筋力検査をする場合には注意する必要がある。
【肘関節伸展:代償動作】
①肩関節外旋(棘下筋、小円筋)を使用し、重力で肘関節伸展する。
②肩関節水平内転(大胸筋)を使用し、重力で肘関節伸展する。
1.× 体幹屈曲は、本症例(第6頸髄までの機能残存レベル)では機能しない。
2.× 肩関節屈曲した場合、さらに前腕の重さで肘関節屈曲する。
3.× 肩関節外転は行えない。図の姿勢から、肩関節外転は行えず、肩関節水平外転としての動作が成立する。肩関節水平外転した場合は、遠心力により肘関節伸展が行える。
4.〇 正しい。肩関節外旋は、代償運動が出現しないように最も抑制すべき運動である。なぜなら、肩関節外旋(棘下筋、小円筋)を使用し、重力で肘関節伸展するため。また、棘下筋・小円筋の神経支配は C5~6レベルであるため、機能は残存する。
5.× 前腕回内した場合、肘関節は中間位のまま保持される。代償運動は生じない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3673🔗
問題文正答率:50.00%
心電図をモニターしながら訓練を行った際の訓練前と訓練中の心電図を示す。 変化に関する所見で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 二段脈は、洞調律や上室性調律と心室性期外収縮が交互に出現することである。原因として、狭心症や心筋梗塞、弁膜症、心筋症などの心疾患や心不全をはじめとして、ストレスや疲労、カフェイン・アルコールの摂取、加齢など様々なものがある。ジギタリス中毒に伴う。
2.× 心房粗動の特徴は、①規則正しいRR間隔、②幅の狭いQRS波、③P波の代わりに規則正しい心房粗動波(F波)が認められる。
3.× 心室頻拍の特徴は、①脈拍数は上昇、②幅広いQRS波が規則正しく出現、③RR間隔は狭くなっている。脈が突然1分間に180など急激に速くなっているものの、心電図の波形が一定のものをいう。
4.〇 正しい。STの低下は、主に心筋虚血によってみられる。心筋梗塞では、T波の増高が最も早くみられ、時間の経過と共に「ST上昇→異常Q波→陰性T波」が見られるようになる。心筋梗塞とは、心筋が壊死に陥った状態である。リスクファクターとして、①高血圧、②喫煙、③糖尿病、④脂質代謝異常などである。
5.× 上室性頻拍の特徴は、①規則正しいRR間隔、②幅の狭いQRS波の連続を認める。心房や房室結節に起因する上室性不整脈である。150/分ほどの頻脈となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3674🔗
問題文正答率:50.00%
78 歳の女性。右利き。脳梗塞による左片麻痺で入院中。Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅴ、手指Ⅵ、下肢Ⅴ。歯がなく、きざみ食をスプーンで全量自力摂取しているが、次から次へと食べ物を口に運ぶ。改訂水飲みテスト〈MWST〉は 5点、反復唾液嚥下テスト〈RSST〉 は4回/30秒であった。 この患者への対応で正しいのはどれか。
解説・コメント
反復唾液嚥下テスト(RSST)は、30秒間の空嚥下を実施してもらい、嚥下反射の随意的な能力を評価する。3回/30秒以上から嚥下の反復ができれば正常である。
改訂水飲みテスト(MWST)とは、3mlの冷水を口腔内に入れて嚥下を行わせ、嚥下反射誘発の有無、むせ、呼吸の変化を評価する。嚥下あり、呼吸良好、むせない状態で、追加嚥下運動(空嚥下)が2回/30秒可能であれば、最高点数の5点である。
本症例は、MWSTとRSST の結果から嚥下機能は良好である。しかし、歯がないのに、次から次へと食べ物を口に運ぶ様子がある。この不適切な食べ方が病前からの癖なのか脳梗塞発症後からかは不明であるが、どちらでも誤嚥のリスクがある。一連の摂食嚥下動作のうち、準備期以降には大きな問題はない。つまり先行期の問題が大きい。先行期は、食物を認識し口元まで運ぶ時期で、認知機能低下などによって、①嚥下能力に見合わない量を口にどんどん詰め込んでしまう、②適切なペース配分ができないなどの障害がみられる。先行期障害では、①食事のペースを声かけする、②環境調整で食物を皿に小分けにするなどの工夫が必要である。
1.× 摂食嚥下に問題の無い患者の対面に座らせる必要はない。なぜなら、本症例は、先行期に問題があると考えられるため。両者を対面させると、摂食嚥下に問題のない患者のペースに本間の患者がつられて嚥下運動を行ってしまうと考えられる。したがって、先行期の障害を助長するおそれがある。
2.× 食前に耳下腺マッサージを行う必要はない。なぜなら、耳下腺マッサージは、準備期の障害に適応であるため。唾液分泌を促進させる効果がある。
3.× 主菜・副菜にとろみをつける必要はない。なぜなら、本症例は、嚥下機能は良好であるため。
4.〇 正しい。小さいスプーンを使用させる。なぜなら、一度に口に運ぶ量を少なくすることで、本症例の「次から次へと食べ物を口に運ぶ」様子が見られても、口の中に入る量を減らせるため誤嚥のリスクが低くなるため。
5.× 患者の左空間に皿を置く必要はない。なぜなら、本症例は、左半側空間無視についての記載はないため。左半側空間無視がある場合は左側に意識を向けるように左側に皿を置くこともある。
嚥下の過程
①先行期・・・飲食物の形や量、質などを認識する。
②準備期・・・口への取り込み。飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする。
③口腔期・・・飲食物を口腔から咽頭に送り込む。
④咽頭期・・・飲食物を咽頭から食道に送り込む。
⑤食道期・・・飲食物を食道から胃に送り込む。
https://ja.mondder.com/fq?id=3675🔗
問題文正答率:50.00%
54 歳の女性。左母指ばね指の術後、経過は良好であったが、術後 3か月ころから些細な動作で母指にビリビリするような疼痛が出現した。術後 5か月目に自宅近くの病院を受診し、CRPS〈複合性局所疼痛症候群〉 と診断され、投薬治療と外来作業療法が開始となった。開始時の左母指痛は NRS〈numerical rating scale〉で安静時1、動作時6。左上肢機能は総握りでは指尖手掌間距離が2~3cm、肩・肘関節の ROM に軽度制限を認め、手指の MMT は段階3、握力2kgで、日常生活では左手をほとんど使用していない状態であった。 実施する作業療法で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 疼痛を誘発しない動作方法を検討する。疼痛の悪化を防ぐ事で疼痛をコントロールにつながる。
2.× 疼痛の完全除去は困難であり、目標とすべきではない。疼痛の機能レベルの目標よりも、動作レベルの目標を設定してリハビリを行う事が望ましい。疼痛の軽減は目標とされるべきである。
3.〇 物品に触れる機会を増やす。疼痛をコントロールしながら、左手(疼痛側)の使用機会を増やす介入が必要である。
4.〇 自動運動から開始する。なぜなら、他動運動は疼痛のコントロールが難しいため。痛みは主観であるため、疼痛が増強しない範囲での自動運動が可能である。
5.〇 生活状況を聴取する。生活で疼痛の悪化に繋がる動作の問題点を抽出し、生活指導を行う事で多角的なアプローチを行うことができる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3676🔗
問題文正答率:50.00%
10
70 歳の女性。Parkinson 病。Hoehn & Yahr の重症度分類ステージⅢ。自宅で頻回に転倒し、日常生活に支障をきたすようになった。 この患者に対する指導として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 方向転換は、「直線的」ではなく、大きく曲がるように指導する。
2.× 歩行時に体幹を屈曲する必要はない。むしろ、体幹屈曲することで、前傾姿勢が強まり視界が狭まり、突進現象を助長する恐れがある。
3.× 車椅子駆動の方法を指導する必要はない。なぜなら、現在はHoehn&Yahrの重症度分類ステージⅢ(歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。)であるため。歩行能力の維持に努める。この段階で車椅子を使用するのは時期が早いかも知れない。
4.〇 リズムをとりながら歩行する。なぜなら、何らかの外部刺激(視覚やメトロノームなどのリズム)があると、すくみ足が即時的に改善される事がある。
5.× 足関節に重錘バンドを装着して歩行する必要はない。なぜなら、足関節に重錘バンドを装着する歩行練習は、運動失調に対して適応となるため。
Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ
ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車椅子で、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。
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問題文正答率:50.00%
11
51歳の男性。仕事中に3mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。 受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。 作業療法で適切なのはどれか。
解説・コメント
・51歳の男性(外傷性脳損傷)で受傷2週後にリハビリを開始。
・3カ月経過して運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない(見当識障害)、1日のスケジュールを理解できない(遂行機能障害)、感情のコントロールが難しい(感情障害)、複雑な作業は混乱してしまう(注意障害)などの状態が続いた。
→本症例の症状(見当識障害・遂行機能障害・感情障害・注意障害)から、前頭葉の障害を疑う。前頭葉が損傷されると①知能低下、②記憶・計算の障害、③ワーキングメモリーの低下、④見当識障害、⑤注意障害、⑥遂行機能障害、⑦人格変化、⑧感情障害などが症状としてみられる。
1.〇 静かな環境で行う。注意散漫であり、注意が逸れないよう環境調整する必要がある。
2.× 新規課題を毎日与える必要はない。遂行機能障害・記憶障害により、毎日課題が変わると更に混乱しやすくなる可能性があるため。
3.× 複数の作業療法士で担当する必要はない。なぜなら、記憶障害により、担当者が変わると覚えず負担となる可能性があるため。
4.× 不適切な言動には繰り返し注意する必要はない。なぜなら、外傷性脳損傷が原因で社会行動障害が生じており、感情のコントロールが難しくなっているため。繰り返し注意を与えると易怒性・脱抑制を助長するおそれがある。
5.× 集団でのレクリエーション活動を導入する必要はない。なぜなら、注意散漫さがある中で集団でレクをすることが集中出来る環境ではないと考えられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3678🔗
問題文正答率:50.00%
12
80 歳の女性。重度の認知症患者。訪問作業療法を実施した際の足の写真を示す。 対処方法で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 入浴を禁止する必要はない。なぜなら、褥瘡部位を清潔に保つ必要があるため。
2.〇 摂食状況を確認する。なぜなら、低栄養は褥瘡の原因の1つでもある。
3.× 足部装具を装着させる必要はない。なぜなら、足部装具の圧迫が血行を阻害し、更に褥瘡を増やす可能性があるため。
4.× 足関節の可動域訓練を行う。なぜなら、関節の可動域訓練により、血流を改善し組織の虚血を防ぐことができるため。また拘縮を予防することで、様々な体位で臥床姿勢をとれるため圧の分散・介助量軽減に寄与する。
5.× 踵部へのドーナツ型クッション「だけ」ではなく、足部外側全体の圧迫を避ける必要がある。なぜなら、本症例の足部の写真を見ると褥瘡発生部位は、外果や第5中足骨粗面にも発生しているため。ドーナツ型クッション(円座)は、穴の部分では圧がされるが、周辺部には強い圧がかかる。したがって、様々な意見はあるものの褥瘡予防には使用しない方がよいとされている。足部の除圧には下限の広い面で支えるようにする
https://ja.mondder.com/fq?id=3679🔗
問題文正答率:50.00%
13
66 歳の男性。要介護1となり介護老人保健施設に入所した。入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。 疾患として考えられるのはどれか。
解説・コメント
幻視がみられるのは、Lewy小体型認知症の大きな特徴の一つである。また、パーキンソン病特有の動きが遅くなる、手足がこわばる、歩行困難、手の震えなどの症状が発生することがあります。よって、3番が正しい。
1.× Creutzfeldt-Jakob病(クロイツフェルト・ヤコブ病)は、異常なプリオン蛋白が脳に蓄積する致死性神経感染症である。初期には精神症状(健忘症、抑うつなど)、視覚障害、歩行障害、運動失調などで発症し、進行すると精神症状が急速に悪化し、高度の認知症に発展する。会話、自発語不能となり、四肢のミオクローヌスも特徴的所見である。様々な症状を呈して、多くは数ヶ月から半年以内、長くとも2年以内で死亡する。
2.× Alzheimer 型認知症は、初期から記銘力障害や見当識障害が出現し、物盗られ妄想、妄想作話、そして作話などが目立つようになり、次第に人格変化が進行していく。Alzheimer型認知症は、認知症の中で最も多く、病理学的に大脳の全般的な萎縮、組織学的に老人斑・神経原線維変化の出現を特徴とする神経変性疾患である。特徴は、①初期から病識が欠如、②著明な人格崩壊、③性格変化、④記銘力低下、⑤記憶障害、⑥見当識障害、⑦語間代、⑧多幸、⑨抑うつ、⑩徘徊、⑩保続などもみられる。Alzheimer型認知症の患者では、現在でもできる動作を続けられるように支援する。ちなみに、休息をとることや記銘力を試すような質問は意味がない。
3.〇 正しい。Lewy小体型認知症は、本症例の疾患として考えられる。Lewy小体型認知症とは、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって、①進行性認知症と②パーキンソニズムを呈する病態である。認知機能の変動・動揺、反復する幻視(人、小動物、虫)、パーキンソニズム、精神症状、REM睡眠型行動障害、自律神経障害などが特徴である。
4.× 意味性認知症(前頭側頭葉変性症に含まれる)は、病初期には意味記憶の障害(物品呼称や単語理解の障害)が目立つ。病期の進行に伴い、常同行動や脱抑制・反社会的行動、滞続言語などがみられる。前頭側頭葉変性症は、他に前頭側頭型認知症(Pick病)、進行性非流暢性失語がある。
5.× 正常圧水頭症は、①認知症、②尿失禁、③歩行障害の三徴がみられる。脳外科的な手術であるシャント術で改善することが多い。画像分析として、①シルビウス裂 拡大、②側脳室の拡大、③脳溝の狭小化がみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3680🔗
問題文正答率:50.00%
14
53歳の男性。うつ病の診断で10年前に精神科通院治療を受けて寛解した。1か月前から抑うつ気分、食思不振、希死念慮があり、入院して抗うつ薬の投与を受けていた。1週前からパラレルの作業療法に参加していたが、本日から他患者に話しかけることが増え、複数の作業療法スタッフに携帯電話番号など個人情報を尋ねてまわるようになった。「食欲も出てきた」と大声を出している。この時点での作業療法士の対応として最も適切なのはどれか。
解説・コメント
本症例のポイント
・53歳の男性(うつ病)
・10年前:治療受け寛解。
・1か月前:抑うつ気分、食思不振、希死念慮がみられる。
・入院:抗うつ薬の投与を受ける。
・1週前:パラレルの作業療法に参加していたが、本日から他患者に話しかけることが増え、複数の作業療法スタッフに携帯電話番号など個人情報を尋ねてまわるようになった。「食欲も出てきた」と大声を出している。
→本症例は、1ヵ月前からうつ状態であったが、現在は躁転し躁状態(他患者への話しかけが増え、逸脱行為、食欲増進、大声でしゃべるなど)であると考えられる。躁状態の患者は、行動の抑制が出来なくて過活動となり、結局疲労してしまうため、活動の区切りを短時間に設定する。躁状態が完全には回復していない時期の患者は、まだ抑制が十分きかないため、自由度の高い作業は避けた方がよい。
1.× 食欲が戻ったとしても調理実習を計画する必要はない。なぜなら、うつ病患者に新たな作業を提示することは、負担となり患者の症状が不安定になりやすい。また躁状態は、刃物や火を使う調理実習は危険性が高い。
2.× その場で作業療法室への出入りを、「制限する」のではなく、まずは対応を協議することが必要である。担当医や病棟スタッフに状態の変化を報告し、チームで連携を取り合うことが大切である。
3.× 患者との関係作りのため携帯電話番号を教える必要はない。そもそも原則として、医療従事者が患者に携帯電話番号を教えることはしない。
4.〇 正しい。担当医や病棟スタッフに状態の変化を報告する。担当医や病棟スタッフと情報を共有し、対応を協議する。
5.× 行動的となったことを本人にポジティブ・フィードバックする必要はない。なぜなら、ジティブ・フィードバックをすると思者の行為を助長し、躁状態が悪化するため。ちなみに、ポジティブフィードバックとは、今までの発言や行動の中の良い点を取り上げ、自信や自分の将来に対する希望が持てるような明るく前向きな表現を用いて、評価者が被評価者に評価を伝えることである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3681🔗
問題文正答率:50.00%
15
24歳の女性。高校生のころ、授業で教科書を音読する際に声が震えて読めなくなり、それ以降、人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。就職後、会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。最近になり「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになり、精神科を受診し外来作業療法が開始された。 この患者の障害として適切なのはどれか。
解説・コメント
本症例のポイント
・24歳の女性。
・高校生:人前で発表することに恐怖感を抱くようになった。
・就職後:会議のたびに動悸や手の震え、発汗が生じるようになり「変だと思われていないだろうか」、「声が出るだろうか」と強い不安を感じるようになった。
・最近:「人の視線が怖い」、「会議に出席するのがつらい」と言うようになった。
→授業や会議など比較的少人数の集団において他人に注目されたり恥をかいたりすることを恐れ、強い不安を感じている。
1.〇 社会不安障害(社会恐怖症)は、対人場面において、過剰な不安や緊張が誘発されるあまり、動悸・震え・吐き気・赤面・発汗などの身体症状が強く発現する。本症例の症状に合致する。
2.× 全般性不安障害は、日常生活において漠然とした不安を慢性的に感じてしまう病気である。特定の状況に苦手意識を感じる社交不安障害とは異なり、不安を感じる事象が非常に幅広い(漠然とした将来の不安など)ことが特徴である。治療法として認知行動療法(セルフコントロール)、薬物療法があげられる。仕事や日常生活など多方面に関する過剰な不安が、少なくとも6か月の間に起こる日が起こらない日よりも多い病態をいう。本症例では、対人関係にのみ不安を生じている。
3.× パニック障害は、突然の激しい動悸、発汗、胸痛が起こり、死ぬのではないかという恐怖を伴う発作(パニック発作)を繰り返す疾患である。予期不安(また発作が起こるのではないかという不安)や広場恐怖(助けを求められない場所や状況を避ける)がみられるのが特徴である
4.× 強迫性障害は、自分でも不合理だと思っている考えが頭から離れず、それを打ち消すために同じ行動を繰り返すものをいう。例として、手洗いに1時間半以上を要しており、本人もおかしいと感じてしながら強い不安が生じ、やめることができていない時などである。
5.× 身体化障害は、多くの身体的訴えはあるものの、その原因がわからないため患者の主観的苦痛が続いている状態をいう。それらを説明できる検査所見はないが、疼痛や身体症状を何年にもわたって訴え続け、深刻な心理的苦痛や社会的障害がみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3682🔗
問題文正答率:50.00%
16
16歳の男子。高校に進学したが友人関係のトラブルが続き不登校となった。校医に相談し精神科を受診したところ、対人関係技能の低さ、こだわりの強さ、感覚過敏などを指摘され、作業療法に参加することとなった。 この患者でみられる行動の特徴として正しいのはどれか。
解説・コメント
・16歳の男子。
・高校進学:友人関係のトラブルが続き不登校。
・対人関係技能の低さ、こだわりの強さ、感覚過敏などあり。
→本症例は、広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)と考えられる。広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)とは、相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンの障害、および限局・常同・反復的な行動パターンがあげられる。生後5年以内に明らかとなる一群の障害である。通常は精神遅滞を伴う。広汎性発達障害、およびその下位分類である自閉症、アスペルガー症候群、高機能自閉症は、「自閉スペクトラム症」とまとめられた。
【診断基準の要点】
①「社会及び感情の相互性の障害」「社会的相互作用で用いられる非言語的コミュニケーションの障害」「発達レベル相応の関係を築き維持することの障害」の3つがすべて込められること。
②行動、興味活動の、限局的で反復的な様式が認められること。
1.× 相手に気を「遣い過ぎる」のではなく理解することが困難である。設問文からも「友人関係のトラブルが続き不登校で、対人関係技能の低さ」を指摘されていることが読み取れる。相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンの障害は、主に相手に気を使うことが困難であることが多い。
2.〇 正しい。本音と建前を区別できない。広汎性発達障害者は、比喩的な表現を理解できず、字義通りに受け取ってしまう傾向が強い。例えば、「顔が広い」は、知り合いが多いという意味だが、自分の顔の面積が広いと受け取ってしまう。したがって、広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)には、抽象的な表現は避け、具体的な表現を心がける。
3.× 葛藤に満ちた対人関係を「結ぶ」のではなく結ぶことはしない。広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)は、葛藤というあいまいな状況を作ることはなく、対人関係においては、好きか嫌いかを明確に定めてその通りに行動する傾向がある。
4.× 他者の関心を集めようとする「行動はしない」。なぜなら、広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)は、自分の関心があることは他者も関心があると思い込む傾向があるため。したがって、一方的に話す。
5.× 否定的評価を受ける状況を「避けようとする」こともしない。なぜなら、広汎性発達障害(自閉スペクトラム障害)は、他人の気持ちを考えることが困難であるため。したがって、否定的評価を受けていても、それを実感することはなく、自分の興味・関心に従い行動する傾向がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=3683🔗
問題文正答率:50.00%
17
40歳の男性。20歳から飲酒を始め、就職後はストレスを解消するために自宅で習慣的に飲酒していた。その後、毎晩の飲酒量が増え、遅刻や無断欠勤をし、休みの日は朝から飲酒するようになった。連続飲酒状態になり、リビングで泥酔し尿便を失禁していた。心配した妻に連れられて精神科を受診し、そのまま入院となった。離脱症状が治まり、体調が比較的安定したところで主治医から作業療法の指示が出された。初回面接時には「自分は病気ではない」と話した。 初期の対応で適切なのはどれか。
解説・コメント
本症例はアルコール依存症の導入期~解毒期である。アルコール依存症における作業療法の導入期の目的は、動機づけや病気の認識の他、生活リズムの確立と体力の回復が大切である。精神的に負荷のかかる作業や集団で行う作業は尚早である。また、アルコール依存症の作業療法の導入期以降の課題は、生活リズムの維持と心理教育、退院の前には、生活設計や自助グループへの参加が目標となる。
1.× 飲酒しないように繰り返し指導するのは効果は薄い。なぜなら、アルコール依存症とは、少量の飲酒でも、自分の意志では止めることができず、連続飲酒状態のことであるため。また、本症例は「自分は病気ではない」と病識のないことが分かる。病識がないにも関わらずに断酒を指導しても「いつでも辞められる」という意識が芽生えてしまう。
2.〇 心理教育により依存症の理解を促す。初期の作業療法では、心理教育を行って、本人がアルコール依存症であることを理解してもらう必要がある。心理教育とは、症状の理解や服薬の必要性の理解など、病識の獲得と治療方法への理解が中心に行われる。
3.× AA(Alcoholics Anonymous:アルコール依存症者匿名の会)は現時点では時期尚早である。自助グループ(セルフヘルプグループ、当事者グループ)に、同じ問題や悩みを抱える者同士が集まり、自分の苦しみを訴えたり、仲間の体験談を聞いたりすることで問題を乗り越える力を養っていくものである。退院が近くなったら、断酒自助グループを紹介し、退院後の断酒継続のために参加することをすすめる。
4.× 10METsの運動で身体機能の回復を促す必要はない。なぜなら、10METSの運動(例えば分速161mのランニングや柔道などの格闘技、ラグビー、水泳の平泳ぎなどを6分間行う)は、体調が安定したばかりのこの時期には負荷が大きいため。ただし、アルコール依存症患者に軽めの運動は有効である。
5.× 飲酒による問題の存在を受け入れるよう促しても効果は薄い。なぜなら、本症例は、アルコール依存症者であるがそれを否認している状態であるため。ただし、依存症に対する理解ができれば飲酒による問題を自覚できるようになる。
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問題文正答率:50.00%
18
22歳の女性。幼少期から聞き分けの良い子だと両親に評価されてきた。完全主義であり、社交的ではないものの仲の良い友人はいた。中学生の時に自己主張をして仲間はずれにされ、一時的に保健室登校になったことがある。その後は優秀な成績で高校、大学を卒業したが、就職してからは過剰適応によるストレスで過食傾向になった。体重増加を同僚に指摘されてから食事を制限し、身長は 170cm だが体重を 45kg未満に抑えることにこだわるようになった。 この患者への外来での作業療法士の関わりとして最も適切なのはどれか
解説・コメント
本症例は、摂食障害の①神経性無食症、②神経性大食症が疑われる。摂食障害には、①神経性無食症、②神経性大食症がある。共通して肥満恐怖、自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤の使用抑うつの症状がみられる。作業療法場面での特徴として、過活動、強迫的なこだわり、抑うつ、対人交流の希薄さ、表面的な対応がみられる。患者の性格として、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物よりカロリーが多いなど)がみられる。
【摂食障害の作業療法のポイント】
①ストレス解消、②食べ物以外へ関心を向ける、③自信の回復(自己表出、他者からの共感、自己管理)、④過度の活動をさせない、⑤身体症状、行動化に注意する。
【性格的特徴】
①強情、②負けず嫌い、③執着心が強い、③極端な行動に及びやすい。
1.× 作業療法士が、あえて幼少期の母子体験に触れる必要はない。これを中心的に扱うのであれば、作業療法士よりも心理士との心理面接が適切である。ちなみに、摂食障害の患者は生育歴で様々な問題を抱えていることが多く、母親との心理的葛藤がみられることも多いが、幼少期の母子体験に触れるのは患者との信頼関係ができた後に行うべきである。
2.× 作業療法の目的は、「半年間かけて伝える」のではなく、導入時に明確にしておく。なぜなら、特に摂食障害者はあいまいな設定が苦手(数字へのこだわりがある)であるため。作業療法導入にあたって、時間や場所、目的は明確にする。
3.× 体重測定の結果をグラフ化するのを手伝う必要はない。むしろ、体重増減へのこだわりが増強されてしまうため体重測定の結果をグラフ化するのは避けた方が良い。患者の性格として、細かい数値へのこだわり(①体重のグラム単位での増減、②この食べ物はあの食べ物よりカロリー多いなど)がみられる。
4.〇 作業に失敗しても大丈夫であることを伝える。なぜなら、本症例の性格的特徴として、知的レベルが高く完璧主義である一方で、自己評価の低さがベースにあるため。したがって、作業に失敗すると自信を失い自責的になりやすいと考えられる。
5.× 本人の作業療法での作品の背景にあるものを分析して伝える(洞察指向の精神療法)のは時期尚早である。洞察型精神療法とは、無意識の葛藤をとり、自我の強さを欠くところに焦点を当てる技法で、深層心理の分析などを含む。摂食障害の作業療法では、「痩せることへのこだわり」が増強されるような作業内容を避け、こだわりを忘れさせるような作業内容が望ましい。
支持的精神療法と洞察型精神療法
【支持的精神療法】 患者の精神構造は未分化であるという前提から、患者の自我機能を支えつつ、健康なレベルに戻すことを目的とする。
【洞察型精神療法】 無意識の葛藤をとり、自我の強さを欠くところに焦点を当てる技法で、深層心理の分析などを含む。
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問題文正答率:50.00%
19
66歳の女性。歌が好きでカラオケをよく楽しんでいたが、1年前から言葉数が少なくなり夫が心配して精神科を初めて受診した。MMSEは正常範囲内であった。MRIでは前頭葉優位の限局性脳萎縮があり、SPECTでは両側の前頭葉から側頭葉に血流低下が認められた。現在は定年退職した夫と2人暮らしをしており、家事は夫が行っている。デイケアに週1回通所しており、好きだった塗り絵や和紙工芸などの作業活動に参加するが、落ち着きがなく途中で立ち去ろうとする行動が頻回にみられる。 作業活動の持続を促す対応として最も適切なのはどれか。
解説・コメント
設問から前頭側頭型認知症と考えられる。症状として、①発語の減少、②自発性の低下、③行動異常、④前頭葉優位の萎縮、⑤前頭葉・側頭葉の血流低下がみられる。他の特徴は、記憶や日常生活動作の障害はあまり目立たないが、落ち着きのなさや脱抑制などの性格変化が目立つ。対応としては、気が散らない環境で、慣れている作業を続けてもらうのが良い。
1.〇 注意がそれたら道具や材料を見せながら声をかける。本症例は、設問から「好きだった塗り絵や和紙工芸などの作業活動に参加するが、落ち着きがなく途中で立ち去ろうとする行動が頻回にみられる」。注意がそれやすい環境を調整することの他にも、注意がそれたら道具や材料を見せながら声をかけることも作業活動の持続を促す対応である。
2.× 顔見知りのメンバーが「多いフロア」ではなく少ないフロアに移動する。なぜなら、顔見知りが多いと注意がそれやすいため。雑音がなく個別に行える環境に調整する。
3.× 「立ち去ってはいけない」とはっきり伝える必要はない。なぜなら、行動面での問題を口頭で指摘しても、そのタイミングでは有効かもしれないが、その場限りの対応かつ禁止・命令口調であるため怒られていると受け取られやすく自身の喪失にもつながりやすいため。本症例は、前頭側頭型認知症による脱抑制が起こっていると考え、治療は、症状を改善したり、進行を防いだりする有効な治療方法はなく、抗精神病薬を処方する対症療法が主に行われている。
4.× 初めて体験する手工芸を取り入れる必要はない。なぜなら、初めて体験する手工芸は慣れるのに時間がかかり、途中で飽きてしまうことが多いため。したがって、本人の趣味を取り入れるなど馴染みのある作業の方がよい。
5.× セラピストを変更する必要はない。なぜなら、スタッフを含めた治療環境の変化は患者の混乱を招くため。
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問題文正答率:50.00%
20
32歳の女性。8歳の娘が担任の先生の勧めで1週前に精神科を受診し、注意欠如・多動性障害と診断を受けた。放課後等デイサービスを利用することになり、作業療法士がこの女性と面接したところ「集中力が続かないし、物忘れもひどかったけど、まさか自分の子どもが障害児なんて思っておらずいつも叱っていた。お友達ともうまくいっていない状況が続いており、とても心配していた。これからどうしたら良いでしょうか」と話す。 この時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
解説・コメント
この女性は、注意欠如・多動性障害(ADHD)の疑いがある。特徴として、①注意欠如、②多動性、③衝動性である。対人関係面で周囲との軋轢を生じやすく、大人からの叱責や子どもからのいじめにあうことがある。このため、二次障害として、自信喪失、自己嫌悪、自己評価の低下がみられることがある。そのため、患児の行動特徴を周囲が理解し、適切に支援をしていくことが重要である。 サポートが良ければ、成長とともに過半数は改善していく。放置すると、思春期に感情障害、行為障害、精神病様状態に陥りやすい。
1.× 娘への不適切な対応を指摘するのは時期尚早である。なぜなら、母親は娘が障害児であることがわかってショックを受けている段階であるため。これまでの娘への対応の悪さを指摘されることでさらにショックが増す可能性が高いため、娘への不適切な対応を指摘するのはある程度受容ができてから行う。
2.× 障害の特徴について解説するのは時期尚早である。なぜなら、母親のショック・不安が強い状態であるため。ただし、障害の理解は重要であるため、ある程度受容ができたら行う。
3.× 他の障害児の親に会わせるのは時期尚早である。なぜなら、母親のショック・不安が強い状態であるため。ただし、同じ患児をもつ母親同士の情報交換は重要であるため、ある程度受容ができたら行う。
4.× 障害は改善すると伝えてはならない。サポートが良ければ、成長とともに過半数は改善していくが、安易に楽観的な見通しを述べてはいけない。
5.〇 不安を受け止める。まずは母親の言葉に耳を傾け、不安な気持ちを受け止めることがこの時の作業療法士の対応で最も適切である。受容の段階は、「ショック→否認→混乱→再起→受容」にみられ、その過程で様々な感情が起こる。
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問題文正答率:50.00%
21
臨床研究に関する倫理指針で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 研究への参加は任意である。研究への参加は対象者の自由意志に基づく。臨床研究においては、医療倫理を尊重し、対象者への十分な説明と同意(インフォームドコンセント)を行うことが大原則である。また、ヘルシンキ宣言に基づき、医学研究においては被験者の福祉が他のすべての利益に優先する。
2.× 研究終了後であっても、守秘義務は遵守される。解除されることはない。
3.× 個人データは、本人の同意なく開示できない。
4.× 開始した研究への参加中止の申し立ては随時可能である。参加の拒否や同意の撤回は行える。
5.× 第三者へ個人データを提供する場合、「事後報告」ではなく事前に本人の同意が必要である。本人の同意を得ないで第三者に個人情報を提供してはならない。
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問題文正答率:50.00%
22
疾患を有する人の中で、検査で正しく陽性と判定される割合はどれか
解説・コメント
この設問は、用語を正しく理解出来ているかである。、
1.〇 感度は、疾患を有する人の中で、検査で正しく陽性と判定される割合である。
2.× 一致率は、観察者が観察した結果がどの程度一致しているかを表す値である。
3.× 特異度は、疾病なしの者を正しく陰性と判定する割合である。
4.× 偽陽性率は、疾病なしだが、検査結果は陽性と判定される割合である。
5.× 偽陰性率は、疾病ありだが、検査結果は陰性と判定される割合である。
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問題文正答率:50.00%
23
作業遂行の評価の説明で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 意志質問紙は、「生活満足度」ではなく、作業や活動の取り組み度や集中度合いを評価する。作業や活動の取り組み度や集中度合いを観察する人間作業モデルに基づいた評価法で、14項目を4段階で評価し、満点は56点である。
2.× AMPS(Assessment of Motor and Process Skills:運動技能とプロセス技能の評価)は、患者への「質問紙」ではなく、観察により評価する。ADLとIADLに関わる16の運動技能と20の遂行技能を観察する。例えば、地域で自立生活を送るのが可能かどうか評価する。
3.× 興味チェックリストは、「作業の満足度を評価する」のではなく、患者への質問し患者が興味のある活動は何かを調べるものである。
4.× COPM(Canadian Occupational Performance Measure:カナダ作業遂行測定)は、「作業の運動技能と処理技能を評価する」のではなく、①患者が現時点で改善したいと考える活動と、②それらの重要度、③遂行度(でき栄え)、④満足度をそれぞれ10点満点で患者が主観的に評価する。
5.〇 正しい。役割チェックリストは役割の知覚と価値を評価する。10の役割(学生、勤労者、ボランティア、養育者、家庭維持者、友人、家族の一員、宗教の参加者、趣味人/アマチュア、組織の参加者)について、過去や現在・将来に行った・行うか、またそれらの価値についてチェックするものである。
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問題文正答率:50.00%
24
作業療法の目標設定で誤っているのはどれか。
解説・コメント
定性的目標と定量的目標の違い
・定性的目標:評価者の感覚を基準(雰囲気)に評価する。
・定量的目標:誰でもわかる基準(数値化)で評価する。
1.× 治療効果の評価が容易であるのは、『主観的な定性的目標』ではなく『客観的な定量的目標』である。定量的目標は数値化が可能であり、治療効果の客観的な評価が容易である。
2.〇 長期目標では社会的側面に言及する。長期目標では、国際生活機能分類の参加(社会的側面)を主目標とする。一方、短期目標では、活動、心身機能・身体構造の項目について期間を決めて設定する。
3.〇 達成可能な現実的なものとする。予後のエビデンスや能力と障壁を勘案して、達成可能な目標を設定する。
4.〇 制約条件を考慮して設定する。なぜなら、ICF(国際生活機能分類)の各因子(参加・活動、心身機能・身体構造、環境因子、個人因子)は、それぞれがそれぞれに密接に関わっているため。
5.〇 達成時期を明確に設定する。目標設定は、短期目標と長期目標に分け、到達レベルと達成時期についての設定を行う。主に、短期目標は2週間後、長期目標は3か月後を想定する。
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問題文正答率:50.00%
25
小脳性運動失調の検査の目的で正しいのはどれか。
解説・コメント
ベッドサイドの神経の診かたの書籍では小脳性運動失調の構成要素は以下の6つあるとされている。
測定異常 dysmetria
反復拮抗運動不能(症) dysdiadochokinesis:目標物の距離を正確にとらえられない。
運動分解 decomposition of movement:運動軌道が円滑ではない
協働収縮不能 asynergy (-gia):複雑な動きを段階的かつ協調的に働かせることができない症状のことを指す。例えば、「後ろへ反り返る」という指示があった場合、同時に膝を曲げてバランスをとるという動作が障害され、後方へ転倒しそうになる。また、背臥位で腕を組んだまま起き上がることができない。
振戦 tremor:随意運動しようとすると粗大な振戦が出現する
時間測定障害 dyschronometria:動作が遅れる
失調症の検査を行うときには,これらの要素を観察します。
小脳性運動失調以外の失調症でもこれらの症状は出現するので、四肢の協調運動障害の要素として捉えてもいいと思います。
1.× 鼻指鼻試験では、「反復拮抗運動障害」ではなく上肢の協調運動の検査(企図振戦、測定障害、協動収縮不能)をみる。ちなみに、反復拮抗運動障害とは、運動する筋とその拮抗筋を交互に迅速に、規則正しく、反復して運動させることが障害された状態を指し、回内・回外運動試験などでみられる。
2.× 線引き試験では、「運動変換障害」ではなく測定障害を見る。測定障害とは、深部覚障害がないにも関わらず運動が、①測定過大(目的点を越える)、②測定過小(目的点に達しない)が起こることである。運動変換障害は、鼻指鼻試験や踵膝試験などでみられる。
3.× 跳ね返り現象では、「運動分解」ではなく上肢の協調運動の検査(時間測定障害)をみる。時間測定異常とは、ある動作の開始や停止をしようとするときに健常人より動作が遅れることをいう。患者に検者の手を両側同時に握るように命ずると、障害側では動作の開始が遅れ、完全に握りしめるまでの時間も遅れる。測定障害は指鼻試験、鼻指鼻試験、足指手指試験、指耳試験、踵膝試験などで評価する。ちなみに、運動分解とは、運動軸道が円滑でなく、何段階かに分かれたり、運動軸道から行きつ戻りつする状態を指す。指耳試験などで評価する。
4.〇 正しい。踵膝試験で測定障害をみる。踵膝試験は、下肢の協調運動の検査であり、測定障害・協働収縮不能がみられる。
5.× 膝打ち試験では、「振戦」ではなく、上肢の協調運動の検査(反復拮抗運動障害)をみる。膝打ち試験は、上肢の協調運動をみる。座って手等と手背で交互に繰り返し膝を叩かせる。動作が遅く不規則で叩く場所が一定しない場合、同側小脳半球の障害を疑う。
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問題文正答率:50.00%
26
びまん性軸索損傷の患者で正しいのはどれか。
解説・コメント
びまん性軸索損傷とは、頭部外傷後、意識障害を呈しているけど、頭部CT、MRIで明らかな血腫、脳挫傷を認めない状態である。交通事故などで脳組織全体に回転加速度衝撃が加わり、神経線維が断裂することで生じる。頭部外傷は、前頭葉・側頭葉が損傷されやすい。びまん性軸索損傷の好発部位は、①脳梁、②中脳、③傍矢状部などである。症状として、①意識障害、②記銘・記憶障害、③性格変化、④情動障害、⑤認知障害、⑥行動障害などの高次脳機能障害がみられる。他にも、運動失調、バランス障害も特徴的である。
1.× 運動失調を呈す。バランス障害も特徴的である。
2.× 認知障害の後遺症は残りやすい。頭部外傷は、前頭葉・側頭葉が損傷されやすい。
3.× 四肢、体幹の外傷の合併は多い。なぜなら、びまん性軸索損傷の原因は、交通事故などの外傷が多いため。したがって、受傷後は全身検査が必要である。
4.× びまん性軸索損傷後、四肢、体幹の関節拘縮を生じやすいといったことはない。血腫の合併がない純粋なびまん性軸索損傷の予後は、歩行やADLが自立する症例も少なくない。四肢、体幹の関節拘縮の原因として、主に不動が挙げられる。
5.〇 社会的行動異常が生活上において問題となる。症状として、高次脳機能障害(①意識障害、②記銘・記憶障害、③性格変化、④情動障害、⑤認知障害、⑥行動障害など)がみられるため。
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問題文正答率:50.00%
27
杖歩行を行う左片麻痺患者の、常時2点支持歩行の歩き出しで正しいのはどれか。
解説・コメント
常時2点支持歩行(3 動作歩行)とは、健側に持った杖を出し、患側下肢を出した後、健側下肢を出すパターンの歩行である。健側下肢が前に出るときは、常に患側下肢と杖の2点で支持しており、安定性があるため、片麻痺患者の歩行様式としてしばしば用いられる。一方で、交互2点1点支持歩行(2動作歩行)があり、健側に持った杖と患側下肢を同時に出し、次に健側下肢を出すパターンの歩行である。
・3動作歩行の特徴は、常に2点で体重を支えバランスに優れ安定性が得られやすい。
・2動作歩行の特徴は、杖と患側を同時に出した後に健側を出す事でバランスと歩行速度が得られやすい。
4.〇 正しい。杖→左脚→右脚は、杖歩行を行う左片麻痺患者の、常時2点支持歩行の歩き出しで正しい。
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問題文正答率:50.00%
28
自宅で電話の応対ができないといった認知症症状の進行があり、意思疎通の困難さがあるが、介助者が注意していれば日常生活は自立できている。 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。
解説・コメント
1.× Ⅱaは、ランクⅡの症状が、家庭外でみられ、道に迷う、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つようになる状態である。ちなみに、ランクⅡは、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが多少みられても、誰かが注意していれば自立可能な状態である。
2.〇 Ⅱbは、ランクⅡの症状が、家庭内でみられている状態である。設問の「自宅で電話の応対ができないといった認知症症状の進行があり、意思疎通の困難さがあるが、介助者が注意していれば日常生活は自立できている。」レベルである。
3.× Ⅲaは、ランクⅢの症状が日中を中心にみられる状態である。ちなみに、ランクⅢは、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが時々みられ、介護が必要となる状態である。
4.× Ⅲbは、ランクⅢの症状が夜間を中心にみられる状態である。
5.× Ⅳは、日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁にみられ、常に介護が必要なレベルである。
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問題文正答率:50.00%
29
関節リウマチ患者の動作と自助具の組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1.× ソックスエイドは、靴下を「脱ぐため」ではなく靴下を履くために使用する。
2.〇 ドアノブレバーは、ドアの開閉に使用する。手指関節の負担を軽減するために軽い力でドアノブを回すことができる。
3.× ループ付きタオルは、「タオルをしぼる」のではなく、上肢・手指に可動域制限があっても洗体が容易になるものである。ループ付きタオルはタオルの両端に輪がついており、タオルを握る動作が不要。ちなみに、関節に負担がかからないようにタオルを絞るときは、蛇口にひっかけて行うよう指導することが多い。
4.× マジックハンドは、「瓶の蓋を開ける」のではなく、手の届かないところの物を取ったり、引き寄せたりするときに使用する。ちなみに、瓶の蓋を開けるときは、ボトルオープナーを使用する。
5.× キーボードカバーは、キーボード操作に使用するが、対象疾患は「関節リウマチ」ではなく、運動失調患者に用いる。主に、目的のキーを(他のキーに触れてしまうなどで)正確に押せなかったり、キーボードに乗りかかってしまう人などがその適応となる。ちなみに、関節リウマチ(手関節の痛み・拘縮)には、キーボード用のリストレストが有用である。
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問題文正答率:50.00%
30
脊髄損傷患者において、仙髄領域の評価で ASIA の評価表に含まれているのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
ASIA(American Spinal Injury Association:米国脊髄損傷協会)の脊髄損傷の神経学的・機能的国際評価法は、運動機能スコアと知覚機能スコアの得点結果から、①神経損傷高位、②機能障害スケール、③臨床症状分類を判断できるように構成されている。
1~2.〇 正しい。肛門括約筋の随意収縮/仙髄領域の感覚の有無を評価する。
3~5.× 球海綿体反射/肛門の緊張/肛門反射は、ASIAにはない。
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問題文正答率:50.00%
31
呼吸器疾患で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 肺線維症は、「閉塞性肺疾患」ではなく拘束性肺疾患である。肺線維症は、肺の線維化により肺が広がりにくくなる状態である。
2.× 気管支拡張症は、「乾性咳嗽」ではなく湿性咳嗽がみられる。気管支拡張症は、気管支が炎症などにより非可逆的に拡張した状態である。咳嗽(湿性咳嗽)と喀痰が主症状である。
3.〇 気管支喘息の発作時は1秒率が低下する。なぜなら、気管支喘息は、気道の慢性炎症による気道狭窄を示す閉塞性換気障害であるため。
4.× 過換気症候群は、「呼吸性アシドーシス」ではなく呼吸性アルカローシスになる。なぜなら、過換気症候群は、発作的に肺胞過換気状態と呼吸困難を生じるため。
5.× CO2ナルコーシスは、「低CO2血症」ではなくCO2の蓄積によりPaCO2が上昇する。
呼吸器疾患
閉塞性肺疾患(閉塞で呼気が障害されている)ので、1秒率が低下する。
拘束性肺疾患(肺の動きが悪くなっている)の1秒率は正常であるが、肺活量が減少する。
過換気症候群は、血中炭酸ガスが減少する結果、血液はアルカリ性となる。低Ca血症のため、四肢の硬直、痙攣、手足の先のしびれ、意識消失がみられることがあるが、通常は生命維持に影響がみられることはない。
主な疾患
混合性換気障害:肺気腫など
拘束性換気障害:肺結核、肺線維症など
閉塞性換気障害:気管支喘息、気管支拡張症など
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問題文正答率:50.00%
32
がん患者の疾患特異的評価で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× AIMS(Arthritis Impact Measurement Scales:関節炎影響測定尺度)は、関節リウマチ患者自身による運動機能評価である。QOLの評価法として国際的に用いられている。
2.× FMA< Fugl-Meyer assessment >は、片麻痺患者の身体機能の回復についての評価である。上肢・手指・下肢の運動機能やバランス、感覚などを226点満点で評価する。
3.× GBS スケールは、認知症状評価尺度である。知的機能・自発性・感情機能・その他の精神症状・運動機能の項目で構成され、ある程度量的な測定が可能である。対象者の診察や対象者をよく知るものからの行動観察情報により評価する。
4.× Hoffer 分類は、二分脊椎の移動能力の評価基準である。①独歩 (CA)、② 屋内歩行 (HA)、③訓練レベル (NFA)、④歩行不能 (NA)に分類する。
5.〇 KPS< Karnofsky performance scale >は、がん患者の全身状態や日常生活での活動度評価ツールである。0(死)~100(正常)%までの11段階に分類する。
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問題文正答率:50.00%
33
熱傷のリハビリテーションで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。持続伸長運動が基本である。関節拘縮予防、瘢痕形成予防の目的で、受傷創・移植皮膚を損傷しないように愛護的に運動する。
2.× 熱傷瘢痕部の圧迫は、「避ける」のではなくアプローチとして行う。スポンジや弾性包帯などでの圧迫法がある。肥厚性瘢痕が顔面や関節部にかかる場合、しばしば拘縮を来し、機能障害の原因となる。
3.× 熱傷による拘縮予防に、装具を使用する。急性期から装具を用いて良肢位にポジショニングを行うことで、拘縮予防となる。
4.× 慢性期のパラフィン浴は、「60 ℃」ではなく50~55℃の間に設定するくらいがよい。60 ℃は高すぎる。
5.× 会陰部熱傷の急性期では、「下肢外旋肢位」ではなく下肢(股関節)外転位のポジショニングを行う。熱傷部位が伸展されるようにポジショニングを行う。
https://ja.mondder.com/fq?id=3700🔗
問題文正答率:50.00%
34
左半側空間無視に対する作業療法で適切なのはどれか。
解説・コメント
左半側空間無視に対するリハビリ
・グレードB:視覚探索訓練、無視空間への手がかりの提示、プリスム適応療法など。
・グレードC1:無視側の耳への冷水刺激、無視空間への眼振の誘発を行う視運動性刺激、無視側への体幹回旋、無視側後頸部の筋への振動刺激など
しかし、永続的効果・日常生活動作まで効果が持続することについては、十分な科学的根拠はない。
1.× 間隔伸張法は、記憶改善テクニックであり、認知症などに適応となる。記憶したい事柄に対する質問をするまでの時間を次第に長くして、記憶を保持する期間をのばしていくことを目的とする手法である。
2.× 自己教示法は、認知行動療法の一つである。遂行機能障害にも適応となる。恐怖やネガティブな感情が湧出した際に、実際に声を出して、あるいは心の中で「リラックスしよう」「心配ない」などの言葉を自分自身にかける。
3.× 視覚イメージ法は、記憶障害に適応となる。人の名前を覚えるときに視覚的なイメージに置き換えて記憶する方法である。
4.〇 正しい。プリズム適応療法は、左半側空間無視に対するリハビリとして適切である。プリズム適応療法は、視野を右にずらしたプリズム眼鏡をかけ、目標物を指さす課題を繰り返すと、最初は正確な位置を指すのが難しいが、次第にプリズムによる視覚情報に適応し、正確な位置を指せるようになるものである。
5.× 後頸部振動刺激は、半側空間無視に適応であるが、左半側空間無視に対しては、「右後頭部」ではなく左後頭部(無視側)に振動刺激を加える。左後頭部筋に振動刺激を与えると、筋紡錘を通じて筋が伸張されたという錯覚が生じ、主観的な身体正中が左にシフトするといわれる
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問題文正答率:50.00%
35
大腿骨頸部骨折に対して後方アプローチにて人工骨頭置換術を施行した患者の ADL 指導で正しいのはどれか。
解説・コメント
人工股関節置換術後の禁忌肢位
・前方アプローチ:伸展、内転、外旋
・後方アプローチ:過屈曲、内転、内旋
1.× 排泄は、「和式トイレ」ではなく洋式トイレを使用する。なぜなら、和式トイレの利用は股関節の過屈曲を伴い、脱臼するリスクがあるため。
2.× 足の爪を切るのは、「割り座」ではなくあぐら座位で行うよう指導する。なぜなら、割り座は股関節の屈曲・内旋を伴い、脱臼するリスクがあるため。
3.〇 正しい。あぐら座位で靴下をはく。あぐら座位(股関節外転・外旋)は、禁忌肢位とはならない。
4.× 階段を下りるのは、「健側下肢から」ではなく「患側下肢から」行う。健側が上段にあることで自重を安全に支えることができる。
5.× 床の物を拾うのは、「椅子に座って」ではなく、リーチャーなどの自助具を使用する。なぜなら、椅子に座って床の物を拾う動作は、股関節の過屈曲を伴い、脱臼するリスクがあるため。
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問題文正答率:50.00%
36
脳性麻痺の痙縮の治療として適切でないのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。バクロフェン髄腔内投与療法は、中枢性筋弛緩薬の一つである。主に脊髄においてGABAB受容体を刺激し、単および多シナプス反射を抑制することにより、過剰な筋収縮を抑制する。髄腔内投与療法は、体内に埋め込んだポンプにバクロフェンを数ヵ月に1回注入すると、持続的にポンプから髄腔内にバクロフェンが注入される。
2.〇 正しい。筋緊張抑制ギプス療法は、痙縮に対して行う。単独では痙縮に対する効果が十分な科学的根拠はないが、A型ボツリヌス毒素注射との併用療法は、効果を増強する報告がある。
3.× ステロイド薬経口投与は、抗炎症薬や免疫抑制薬としては用いられる。神経疾患においては、多発性硬化症や脳浮腫に対して用いられることがあるが、脳性麻痺の治療に適応はない。
4.〇 正しい。フェノールブロック(フェノールによる末梢神経ブロック治療)は、末梢神経を破壊し、短縮・筋緊張、痙縮を改善する効果がある。
5.〇 正しい。ボツリヌス療法は、シナプス小胞の膜融合を阻害し、運動神経終末におけるアセチルコリンの放出を抑制する。ボツリヌス毒素を筋に注射することで、過剰な筋収縮を抑える治療法である。効果は3~4か月程度である。
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問題文正答率:50.00%
37
尿閉患者が使用する排尿関連用具で最も適切なのはどれか。
解説・コメント
尿閉とは、膀胱内に貯留している尿を排泄できない状態である。尿閉患者は、膀胱破裂を来さないように強制的に排尿する必要がある。
尿閉がある場合は、間欠的導尿、膀胱留置カテーテル、膀胱瘻が適応となる。
尿閉がない場合は、おむつ、コンドーム型集尿器、(間欠的)自己導尿が適応となる.
1.× コンドーム型集尿器は、①尿失禁があり、かつ②尿閉がない場合に適応となる。
2.× 自動吸引式集尿器は、尿意の有無にかかわらず、自己にて排尿処理ができない場合に適応となる。
3.× ポータブルトイレは、①尿意があり、かつ②尿失禁しない場合に適応となる。
4.〇 正しい。尿道カテーテルは、尿閉がある場合に適応となる。尿道にカテーテルを留置する方法であるが、デメリットとして尿路感染症を起こしやすいことがあげられる。
5.× おむつは、尿意の有無にかかわらず、②尿失禁がある場合に適応となる。
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問題文正答率:50.00%
38
地域包括支援センターの説明で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 設置主体は、「国」ではなく市町村・在宅介護支援センターの運営法人その他の市町村から委託を受けた法人である。
2.× 福祉用具を販売するのは、受けた事業者である。
3.× 必ずしも24時間体制で業務を行っているわけではない。ただし、虐待への対応などの場合も想定し、センター職員に緊急に連絡が取れるような体制を整備しておく必要がある。
4.〇 正しい。業務内容には高齢者の権利擁護を含む。地域包括支援センターの業務内容には、①総合相談支援、②権利擁護、③包括的・継続的マネジメント支援、④介護予防ケアマネジメント、⑤地域ケア会議の充実が挙げられる。
5.× 人員基準の3職種に作業療法士が含まれない。原則として①保健師、②主任ケアマネジャー、③社会福祉士の3職種を配置しなければならない。
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問題文正答率:50.00%
39
変数と尺度の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。MMTは、順序尺度である。順序尺度とは、順位に従い数値化したものである。がんのステージ分類、MMTなどがあげられる。
2.× 性別は、「順序尺度」ではなく名義尺度である。名義尺度とは、性別・血液型などの質的な違いに対して数値や名前を割り振った尺度である。
3.〇 正しい。体温は、間隔尺度である。間隔尺度とは、気温・知能指数のように目盛りが等間隔になっている尺度である。
4.× 知能指数は、「比率尺度」ではなく間隔尺度である。比率尺度とは、量的データのうち、ゼロ(原点)が決まっているものに用いる。
5.× 暦年は、「比率尺度」ではなく間隔尺度である。比率尺度とは、量的データのうち、ゼロ(原点)が決まっているものに用いる。
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問題文正答率:50.00%
40
地域障害者職業センターの役割で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 就労定着支援は、就労定着支援事業所が実施する。障害者の就労や就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートするものである。
2.〇 正しい。職業準備訓練は、地域障害者職業センターの役割である。障害者に対し、①職業相談・職業評価、②職業指導(ジョブガイダンス)、③職業準備支援、④職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援、⑤リワーク支援など行っている。
3.× 求人の開拓は、ハローワーク(公共職業安定所)が行っている。
4.× 適応訓練は、ハローワーク(公共職業安定所)が窓口となっている。障害者に実際の職場で職業訓練を実施して現場への適応を図り、訓練終了後はその事業所に引き続き雇用してもらう制度である。
5.× 職業紹介は、ハローワーク(公共職業安定所)が行っている。
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問題文正答率:50.00%
41
境界性パーソナリティ障害の治療について最も適切なのはどれか
解説・コメント
境界性パーソナリティ障害の特徴として、①感情、②対人関係、③自己像が非常に不安定で衝動的である。また、「見捨てられ不安」や「自傷行為」がみられる。若年女性に多く、人口の1~2%にみられる。
1.× 治療者への依存を促す必要はない。むしろ、依存関係をつくらないことが重要である。なぜなら、境界性パーソナリティ障害は、強い依存欲求や見捨てられ不安が、治療者にも向けられるため。
2.× 薬物療法を行う。治療は、精神療法が中心であるが、衝動性や感情不安定には、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、感情調整薬(リチウム、カルバマゼピン)、少量の抗精神病薬などの薬物療法が有効である。
3.× 長期入院により適応を良好にするといったことはない。むしろ、長期の入院は、病院スタッフへの依存を強め、現実への適応能力が低下する。したがって、長期入院は避けるべきである。
4.× 他の患者と交流させないようにする必要はない。なぜなら、他者とのかかわりは、対人関係の取り方を学ぶ良い機会であるため。ただしトラブルを避けるため、必要に応じて医療者が介入することはある。
5.〇 正しい。治療的枠組みを崩さないようにする。境界性パーソナリティ障害は、よく枠組みを超えた要求をすることがあるが、それに応じてしまうと、応じきれなかったときに、感情が不安定で衝動的な行動が起こりやすい。したがって、治療の目標を明確にして、治療的枠組みをしっかりと構築する。
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問題文正答率:50.00%
42
運動機能の特異的発達障害をもつ児について誤っているのはどれか
解説・コメント
1.× チック症状は伴わない。チック症状は、主にトゥレット症候群にみられ突発的・急速・反復性・非律動性の運動あるいは発声があげられる。
2.〇 正しい。ボタンかけが苦手である。他にも、微細な動きを伴う書字や靴ひも結びは苦手である。
3.〇 正しい。ボール遊びが苦手である。なぜなら、粗大な動きと微細な動きの協調が必要であるため。
4.〇 正しい。感覚統合訓練が有効である。なぜなら、遊びの中で感覚入力と運動出力を協調させていく。ちなみに、感覚統合訓練とは、外部環境から得られる感覚刺激を適切に中枢神経系で処理できるようにするアプローチ方法である。
5.〇 正しい。特定の技能を直接的に教えることが有効である。なぜなら、1つの技能に絞ってマンツーマンで訓練することは児の負担も少ないため。
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問題文正答率:50.00%
43
認知症患者とのコミュニケーション上の配慮で最も適切なのはどれか
解説・コメント
1.× 「にぎやかな環境」ではなく静かな環境で話す。なぜなら、認知症患者は、集中の維持が困難であり、気が散らないような配慮が必要であるため。
2.× 指示は、「詳細」ではなく単純明快なものにする。なぜなら、詳細な指示は、認知症患者には理解が難しく、負担が大きいため。
3.× 身振り手振り(ジェスチャー)を積極的に使う。なぜなら、身振り手振り(ジェスチャー)を使うことで、伝えたい内容が理解しやすくなるため。ジェスチャーのような非言語的メッセージは、言語的メッセージを補う働きがある。
4.× 沈黙した場合でも話題を変える必要はない。なぜなら、沈黙した場合は、会話の内容を本人なりに理解・考えている可能性が高いため。すぐに話題を変えずに患者が何らかの反応をするまで待つこともある。
5.〇 正しい。話題は本人と関係のあるものにする。なぜなら、本人と関係のある話題は、積極的に会話に参加できるため。また何らかの記憶の想起(脳の賦活)に結びつく可能性がある。
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問題文正答率:50.00%
44
アルコール依存症に合併しやすい病状とそれに対する治療との組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× アルコール幻覚症には、「抗不安薬」ではなく抗精神病薬(統合失調症治療薬)の投与である。
2.× Wernicke脳症は、「ビタミンD」ではなくビタミンBの投与である。ビタミンBの欠乏が原因であるWernicke脳症の症状として、①意識障害、②眼球運動障害、③小脳失調などが挙げられる。
3.〇 正しい。再飲酒の予防には、断酒会が有効である。断酒会とは、アルコール依存症者が集まり、体験の共有や苦しみを分かち合うなどとして依存症を克服することを目的とした取り組みである。
4.× 振戦せん妄(離脱症状)には、「抗酒薬の投与」ではなく、主にベンゾジアゼピン系薬剤(向精神薬)を投与する。ちなみに、抗酒薬は、飲酒時の嫌悪感を強めて断酒を維持させるのに用いられる。したがって、抗酒薬には、離脱症状である振戦せん妄の改善効果はない。
5.× 人格変化は、アルコールへの精神的依存が原因である。修正型電気けいれん療法(mECT)とは、頭部に通電することで難治性の精神疾患の症状軽減を目指すものである。特に①不安・焦燥が大きい場合や②自殺企図の危険性の高い場合、③強い抑止を伴う場合などは、急速な症状の改善を期待して行われることが多い。麻酔薬と筋弛緩薬を用いたうえで脳に通電する。脳波上には発作波が記録されるが、筋弛緩薬を用いるので全身けいれんは起こらない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3711🔗
問題文正答率:50.00%
45
メタボリックシンドロームの改善を目的とした統合失調症患者の評価で優先すべきなのはどれか。
解説・コメント
1.× 睡眠状態は、統合失調症の患者に限らず重要である。特に優先すべきものではない。
2.× 対人関係は、メタボリックシンドロームとの関連性は低い。ただし、対人関係は、統合失調症患者の精神症状の評価として重要である。
3.× 入浴状況は、メタボリックシンドロームとの関連性は低い。ただし、入浴状況は、統合失調症患者の生活習慣やADLを評価するうえで重要である。
4.× 認知機能は、メタボリックシンドロームとの関連性は低い。ただし、認知機能は、統合失調症患者の精神症状の評価として重要である。
5.〇 正しい。服薬内容は、メタボリックシンドロームの改善を目的とした統合失調症患者の評価で優先すべきである。なぜなら、抗精神病薬(第2世代)はメタボリックシンドロームとの関連が認められているため。統合失調症患者は、不規則な生活・運動不足・喫煙・第2世代抗精神病薬の副作用などが原因となり、メタボリックシンドロームのリスクが高い。
https://ja.mondder.com/fq?id=3712🔗
問題文正答率:50.00%
46
気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患はどれか
解説・コメント
1.× 気分変調症は、慢性の抑うつ気分が数年間以上続くが、反復性うつ病性障害ほど重篤ではない疾患である。抗うつ薬と精神療法が主な治療法である。
2.× 血管性うつ病は、高齢者に多く、微小な脳梗塞や萎縮像が伴っているうつ病である。抗うつ薬が主な治療法である。
3.〇 正しい。双極性障害は、気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患である。気分安定薬は、抗躁薬ともよばれている。躁状態の改善に有効であるが、気分障害に関連した疾患の再発防止にも有効である。抗躁薬の炭酸リチウムは効果が現れる血中濃度と副作用が現れる濃度の幅が狭いため、血中濃度をこまめに測定して中毒症状を予防する必要がある。重度で運動失調、せん妄、意識障害がみられる。
4.× 適応障害は、重大な生活上の変化やストレス性の出来事の結果に対して、順応できるまでの間に起こる主観的な苦悩と情動障害である。抑うつ気分に対して抗うつ薬を使用する。不安に対して抗不安薬を使用する。
5.× 非定型うつ病は、抑うつ気分や倦怠感はあるが、定型的なうつ病と比較して身体症状・精神症状・パーソナリティが逆の症状である疾患である。例えば、非定型うつ病は、仮眠傾向となり、食欲・体重は増加しやすい。また、パーソナリティは他責であり、感情は周囲の環境や自分の状況に反応する。抗うつ薬にも反応が悪いが抗うつ薬・抗不安薬などを組み合わせて処方することがある。
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問題文正答率:50.00%
47
疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 自律訓練法は、シュルツにより開発された。自己催眠により全身をリラックスさせ、心身のコントロールを行うものである。適応疾患は、成人の心身症・不安神経症・強迫性障害である。ちなみに、解離性健忘(解離症の一種)は、通常のもの忘れでは一般的に失われることのない重要な個人的情報を想起できなくなる病態である。心的外傷またはストレスによって引き起こされることが多い。治療は精神療法やときに催眠法または薬剤を使用する面接法を併用する。
2.× 系統的脱感作法は、古典的条件付けに基づく行動療法の一つであり、ウォルピにより創始された。不安や恐怖の治療法として開発され適応疾患として、神経症性障害・摂食障害である。徐々に不安を感じる刺激を大きくして慣れさせる方法をとる。ちなみに、身体化障害(身体症状症)は、身体的訴えが多発性で繰り返し起こり、しばしば変化する身体症状を主とするものである。多くの医療機関を受診して、身体的症状を説明する原因はないといわれても受診を続け、本人は抑うつや不安が持続し、周囲との人間関係も悪くなる。治療の主体は支持的精神療法と認知行動療法である。抗不安薬などの薬物療法は依存を招く可能性があるため行わないことが多い。
3.〇 正しい。強迫性障害に対し、曝露反応妨害法は適応疾患である。他にも、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)に用いられる曝露反応妨害法とは、行動療法の一つであり、不安を起こさせる弱い刺激にさらすとともに不安を抑える行動を禁止(反応妨害)し、不安は何もしなくても時間とともに軽減していくことを体験させ、徐々に刺激を強くしていく方法である。例えば、不潔恐怖の場合に手洗いをさせない(反応妨害)などである。
4.× PTSD<外傷後ストレス障害>:フラッディングは、曝露反応妨害法と同様に恐怖刺激を提示するのであるが、初めから最大の恐怖を提示し、患者はパニック状態にはなるものの、パニックが収まる頃には恐怖感も収まっていることを体験させるものである。適応疾患として、強迫性障害や恐怖症に用いられるが、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)の場合は恐怖の再体験となり症状を悪化させるので用いられない。
5.× 持続エクスポージャー法(エクスポージャー:曝露)の適応疾患は、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)である。心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)の認知の特徴は「世界はすべて危険なものだ」「自分はそれに対して無力だ」ととらえてしまうことであるとし、患者を安全でトラウマを十分に回想できる状況に置いて、出来事の記憶の中には様々な要素があることに気づかせ、「そのようにとらえる必要はない」というように認知を修正できるようにする方法である。ちなみに、心気障害は病気ではないのに何か重大な病気にかかっているのではないかと不安な状態である。治療の主体は、精神療法や認知行動療法が主に用いられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3714🔗
問題文正答率:50.00%
48
我が国の自殺の現状で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 自殺者数は、「増加傾向」ではなく減少している。(2010年以降)
2.× 逆である。自殺者数は、女性より男性が多い。男性が女性の2~2.5倍である。ちなみに、日本に限らず、自殺は世界のどの国でも男性の方が多い。
3.× 自殺の発生は、四季の中では、「秋」ではなく春(3月)が多い。
4.〇 正しい。年齢階級別の自殺者数は、50歳代が最も多い。ちなみに、2015~2017年は40歳代が最も多かった。
5.× 自殺の原因・動機として最も多いのは、「家庭問題」ではなく「健康問題」である。ただし、年齢別で異なり、19歳以下では男性は学校問題、女性は健康問題が主たる原因である。高齢者では男女とも健康問題が主たる原因である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3715🔗
問題文正答率:50.00%
49
精神障害者の雇用対策で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。精神障害者は、障害者雇用義務の対象である。以前までは身体障害者と知的障害者であったが、平成30年4月1日から精神障害者も含まれることになった。
2.× 就職1年後の職場定着率は、他障害に比べて低い。就職後1年時点の定着率は、身体障害:60.8%、知的障害:68.0%、精神障害:49.3%、発達障害:71.5%である。
3.× ハローワーク障害者職業紹介状況の就職件数の伸び率は、他障害に比べて高い。また、件数はまだ少ないが、発達障害・高次機能障害者の伸び率が高い。
4.× 障害者雇用対策における精神障害者の定義は、「障害者年金を受給している者」ではなく、「精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者」である。
5.〇 正しい。IPS< Individual Placement and Support >は、ストレングスとリカバリー志向の実践が特徴である。IPS< Individual Placement and Support >は、患者への信頼と可能性を信じることをベースとして、症状の安定度や職業準備性よりも就労意欲を重視し、仕事の中で自分を高め(ストレングス)、最終目的を疾患からの回復(リカバリー)とするものである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3716🔗
問題文正答率:50.00%
50
感染症への対応で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× B 型肝炎患者は、個室での訓練をする必要はない。なぜなら、B型肝炎の主な感染経路は、体液感染・血液感染であるため。個室での訓練を原則とするのは、空気感染や飛沫感染患者である。
2.〇 正しい。開放性結核患者の病室では予防衣(ガウン・手袋など)を着用する。なぜなら、開放性結核は空気感染するため。患者の排出物中に結核菌が認められるものへの対応の際は、「N95マスク」を着用する。また、痰や排出物に触れる際には予防衣(ガウン・手袋など)が必要である。
3.× HIV患者の唾液に触れても抗体検査を受ける必要はない。なぜなら、HIVの主な感染経路は、血液感染・性行為感染であるため。注射器の使いまわしや針刺し事故に注意する。また、感染の予防には、性行為においてコンドームの使用などが有用である。
4.× C 型肝炎患者の使用道具に、血液が付着していた場合アルコール消毒しても不十分である。C型肝炎の感染経路は、血液感染や性行為感染である。血液が付着していない使用道具の場合は、接触では感染しない。また、血液が付着した医療用器具・機材などは、まず流水で十分洗浄し、その後加熱(オートクレーブなど)が必要である。加熱ができない場合は、非塩素系消毒剤(グルタールアルデヒド液)あるいは次亜塩素系消毒剤などで消毒する。
5.× インフルエンザ患者の解熱後翌日は、作業療法室で訓練を開始できない。なぜなら、インフルエンザ患者は、少なくとも発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまでは自宅療養または個室隔離とし、飛沫感染予防策を実施する必要があるため。作業療法室での訓練は他患者との接触が多いため、施設内での集団感染につながるおそれがある。
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問題文正答率:50.00%
51
自律神経系の機能をもつのはどれか。
解説・コメント
1.× Ⅱ視神経は、視覚の感覚機能のみ司る。
2.× Ⅳ滑車神経は、眼球の運動(上斜筋)を司る。
3.× Ⅴ三叉神経は、顔面の運動と感覚を司る
4.〇 Ⅹ迷走神経は副交感神経を含む。特に消化器官や気管、心臓に作用する。また、運動・感覚神経も含む。
5.× Ⅻ舌下神経は、舌の運動のみ司る。
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問題文正答率:50.00%
52
錐体路を含むのはどれか。
解説・コメント
錐体路は、大脳皮質運動野―放線冠―内包後脚―大脳脚―延髄―脊髄交叉―脊髄前角細胞という経路をたどる。よって、選択肢2.大脳脚が正しい。
1.× 脳梁とは、左右の大脳半球をつなぐ交連線維の太い束である。左右の大脳皮質の間で情報をやり取りする経路である。小脳は、3対の脳脚により脳幹と結合している。それぞれの小脳脚は上小脳脚・中小脳脚・下小脳脚と呼ばれる。結合は上小脳脚で中脳と、中小脳脚で橋と、下小脳脚で延髄と結合している。
3.× 上小脳脚は、主に歯状核に起始し、赤核、視床へとつながる遠心性線維から構成されている。
4.× 中小脳脚は、大脳新皮質の感覚野・運動野からの下降路が橋核を介して小脳へ入力する線維が大半を占めている。
5.× 下小脳脚は、深部感覚を伝える上行伝導路である後脊髄小脳路が通る。
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問題文正答率:50.00%
53
関節と関節構造の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 手のMP関節は、「らせん関節」ではなく顆状関節(楕円関節)である。
2.× 橈骨手根関節は、「鞍関節」ではなく顆状関節(楕円関節)である。
3.× 上橈尺関節は、「顆状関節」ではなく車軸関節である。
4.△ 腕尺関節は、蝶番関節(らせん関節)である。
→詳細について、腕尺関節は、上腕骨と尺骨および橈骨との間の関節です。正確には、腕尺関節は「複合関節」と呼ばれ、3つの異なる関節で構成されています。それらは次のようになります:
上腕骨と尺骨の関節(上腕尺関節):これは蝶番関節(らせん関節)として知られています。
上腕骨と橈骨の関節(上腕橈関節):これはシャーレ関節として知られています。
尺骨と橈骨の関節(尺橈関節):これはプロノーション・スプリーナーション関節としても知られています。
これらの関節の組み合わせによって、腕にさまざまな動きを可能にしています。蝶番関節(らせん関節)という用語は、上腕骨と尺骨の関節である上腕尺関節を指す場合に使用されることがあります。
5.〇 正しい。肩鎖関節は、平面関節である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3720🔗
問題文正答率:50.00%
54
手根管を通過しないのはどれか。
解説・コメント
1~3.5.〇 深指屈筋健・浅指屈筋腱・長母指屈筋腱・橈側手根屈筋腱いずれも手根管を通過する。
4.× 尺側手根屈筋腱は、手根管を通過しない。尺側手根屈筋腱は、屈筋支帯の表層を走る。
https://ja.mondder.com/fq?id=3721🔗
問題文正答率:50.00%
55
腰神経叢に含まれるのはどれか。
解説・コメント
腹部から下肢に分布する脊髄神経は、腰神経叢と仙骨神経叢とを形成する。腰神経叢は、T12~L4の前枝で構成され、その枝は腹部から大腿前面に分布する。一方、仙骨神経叢は、L4~S4前枝から構成され、その枝は腰部~大腿後面と下肢~足部に分布する。
1~4.× 陰部神経・下殿神経・坐骨神経・上殿神経は仙骨神経叢である。
5.〇 正しい。大腿神経は腰神経叢である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3722🔗
問題文正答率:50.00%
56
下大静脈に直接入るのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.5〇 肝静脈・腎静脈が下大静脈に直接流入する。
2~4.× 胃静脈・脾静脈・空回腸静脈は、門脈に流入する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3723🔗
問題文正答率:50.00%
57
気管支について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。気管支には平滑筋がある。平滑筋とは、横紋筋とは違いサルコメア(筋節)のない筋肉のことである。気管・気管支の後壁1/3は膜性部(膜様部)とよばれ、軟骨が存在せず、平滑筋により構成されている。
2.× 左主気管支は右主気管支より、「短い」のではなく細く・長い。そのため誤嚥した異物は右主気管支に落ちやすい。
3.× 気管や気管支の内表面は、「扁平上皮」ではなく多列線毛上皮(単層円柱上皮の亜系)である。細気管支に入ると最初のうちは単層円柱線毛上皮となる。先に進むに連れ細胞の高さがへり、最終的には単層立方上皮となる。ちなみに、扁平上皮は、硬膜粘膜、直腸、膣・子宮頸部などにみられる。
4.× 気管分岐部は、「食道の第1狭窄部」ではなく第4・5胸椎の高さ(食道の第2狭窄部)にある。ちなみに、食道入口部が、食道の第1狭窄部(C6)で、食道裂孔部が食道の第3狭窄部(T10、T11)である。
5.× 逆である。気管の延長線に対する気管支の分岐角度は、左より右の方が大きいのは間違いである。気管支の分岐角度は右より左の方が大きい。なぜなら、心臓があるためである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3724🔗
問題文正答率:50.00%
58
後腹膜腔に存在するのはどれか。
解説・コメント
腹膜後器官(後腹膜臓器)とは、後腹壁の壁側腹膜に接する領域に位置する器官のことである。
1~2.4~5.× 胃・空腸・横行結腸・S状結腸は後腹膜腔に存在しない。それらは、腹腔内臓器(腹膜に包まれ、間膜をもつ臓器)である。他にも、肝臓、回腸などである。
3.〇 正しい。膵臓は、後腹膜腔に存在する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3725🔗
問題文正答率:50.00%
59
左顔面を図に示す。 網かけ部分を支配している感覚神経はどれか。
解説・コメント
1.× 眼神経は、眼窩内、前頭部・鼻腔などの知覚を司る神経である。
2.× 顔面神経は、①表情筋の支配、②涙腺・唾液腺の分泌調整、③舌の前2/3からの味覚を伝える働きを持つ。
3.× 鼓室神経は、一般内臓性遠心性線維(下唾液核→鼓室神経→鼓室神経叢→小錐体神経→耳神経節(シナプス結合)→耳介側頭神経→顔面神経→耳下腺)の経路になる。
4.× 耳介側頭神経は、下顎神経の枝である。側頭部と耳介の感覚を支配する。また、鼓室神経とともに耳下腺の分泌にも関わる。
5.〇 正しい。網かけ部分を支配している感覚神経は上顎神経である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3726🔗
問題文正答率:50.00%
60
線毛上皮があるのはどれか。
解説・コメント
繊毛は一定方向に運動して表面に付着する物質を運ぶ。つまり、運搬の機能を持つ。胃腸粘膜・細気管支・卵管粘膜上皮に存在する。したがって、選択肢5.卵管が正しい。
1.× 膣は、重層扁平上皮である。
2.× 子宮 は、単層円柱上皮である。
3~4.× 尿管/膀胱は、移行上皮である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3727🔗
問題文正答率:50.00%
61
副腎髄質から分泌されるホルモンはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
副腎髄質から分泌されるホルモンは、①アドレナリン、②ノルアドレナリン、③ドーパミンがあり、これらを総称してカテコールアミンという。したがって、選択肢1.5アドレナリン・ノルアドレナリンが正しい。
2~4.× アルドステロン(循環血漿量上昇作用)・アンドロゲン(男性ホルモン)・コルチゾール(糖質コルチコイド:糖新生促進、タンパク質異化促進、免疫系抑制)は、副腎皮質ホルモンである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3728🔗
問題文正答率:50.00%
62
骨格筋の筋収縮において筋小胞体から放出された Ca2+ が結合するのはどれか
解説・コメント
1.× アクチンは、アクチンフィラメントを構成する。
2.× ミオシンは、ミオシンフィラメントを構成する。
4.× オグロビンは、筋肉中にあって酸素分子を代謝に必要な時まで貯蔵する色素タンパク質である。
5.× トロポミオシンは、アクチンの働きを調節する繊維状のアクチン結合タンパク質である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3729🔗
問題文正答率:50.00%
63
交感神経の作用はどれか。
解説・コメント
1.× 瞳孔を「縮小」ではなく 散大させる。
2.× 排尿を「促進」ではなく抑制させる。
3.〇 正しい。気管支を拡張させる。
4.× 心拍数を「減少」ではなく増加させる。
5.× 胃腸の運動を「促進」ではなく抑制させる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3730🔗
問題文正答率:50.00%
64
呼吸生理の説明で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 呼吸中枢は、「視床下部」ではなく橋・延髄にある。
2.× 外肋間筋は、肋骨を引き上げて胸郭を広げるよう働く。つまり、安静呼吸の「呼気筋」ではなく、吸気筋として作用する。
3.× 内呼吸とは、組織内部で行われるガス交換のことである。細胞呼吸ともいう。肺胞と毛細血管との間のガス交換を外呼吸という。
4.〇 正しい。動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が上昇すると、ヘモグロビンから酸素が解離しやすくなる。動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)とは、動脈血中の二酸化炭素の分圧を表す。
5.× 逆である。頚動脈小体は、動脈血二酸化炭素分圧よりも動脈血酸素分圧の変化を感知しやすい。なぜなら、末梢化学受容器(頸動脈小体と大動脈小体)は、動脈血二酸化炭素分圧よりも動脈血酸素分圧の変化のセンサーとして機能しているため。これに対して、延髄ある中枢化学受容器は、主に動脈血二酸化炭素分圧の上昇に反応する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3731🔗
問題文正答率:50.00%
65
血液凝固因子はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
血液凝固因子は、第Ⅰ~XIII因子という因子名がつけられているほかに慣用名がある。第Ⅰ因子はフィブリノゲン、第Ⅱ因子はプロトロンビンと呼ばれ、凝固系の反応によってそれぞれフィブリン、トロンビンに変化する。よって、選択肢2.4.トロンビン・フィブリノゲンが正しい。
1.× アルブミンは、血漿蛋白質の60 ~ 70%を占め、血漿中で最も濃度が高い蛋白質である。肝臓で合成される。
3.× ヘモグロビンは、赤血球の赤い色素。酸素を運ぶ機能をもつ。
5.× エリスロポエチンは、赤血球の産生を促進する造血因子の一つである(ホルモンともサイトカインとも)。腎臓で産生される。
https://ja.mondder.com/fq?id=3732🔗
問題文正答率:50.00%
66
排便の随意的な制御に関わるのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。陰部神経は、排便の随意的な制御に関わる。外肛門括約筋を支配する体性神経である。ちなみに、外尿道括約筋も支配しており、排尿の随意的な制御にも関わっている。
2.× 下殿神経は、大殿筋を支配する。
3.× 下腹神経は、排尿・排便・生殖器に関わる自律神経(交感神経)である。ちなみに、内尿道括約筋を支配しており、不随意に尿を止める。
4.× 骨盤神経は、排尿・排便・生殖器に関わる自律神経(副交感神経)である。内肛門括約筋を支配しており、排便の不随意的な制御に関わっている。ちなみに、内尿道括約筋を支配しており、不随意に尿を止める。
5.× 閉鎖神経は、大腿内側面の皮膚の知覚神経、股関節を構成する内転筋(外閉鎖筋、長内転筋、短内転筋、小内転筋、大内転筋、薄筋)を支配する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3733🔗
問題文正答率:50.00%
67
腎臓の排尿機構で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× Bowman嚢は、「集合管に接続する」のではなく、近位尿細管へ接続する。尿は、腎小体(糸球体→Bowman嚢)で濾過され、尿細管(近位尿細管→ヘンレのループ→遠位尿細管→集合管)を通り腎杯、腎盂(腎盤)、尿管、膀胱、尿道へと流れていく。
2.〇 正しい。近位尿細管では、Na+が再吸収される。各部位での再吸収されるものは、以下にまとめたので参考にしてください。
3.× ネフロンは、「糸球体と近位尿細管」ではなく、糸球体から遠位尿細管までの部分から構成される。ネフロンとは、腎臓における尿生成の機能単位である。
4.× 糸球体では、アルブミン(タンパク質)はろ過されず、再び体内に流される。よって、アルブミンより水の方が濾過されやすい。アルブミン(タンパク質)が尿と一緒に排出されてしまうことがあり、これを「尿タンパク」と言う。その結果、血中アルブミン濃度が低下し、低アルブミン血症を引き起こす。
5.× 糸球体濾過量(原尿)は健常成人では1日に、「1~1.5L」ではなく約150Lである。尿細管で99%が再吸収され、実際の尿量は1.5Lとなる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3734🔗
問題文正答率:50.00%
68
体温調節の中枢で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 中脳は、なめらかな動きを可能にする錐体外路性運動系の重要な中継所を含むほか、対光反射、視聴覚の中継所、眼球運動反射、姿勢反射、γ運動ニューロン活動抑制、歩行リズムの中枢を司る。
2.× 扁桃体は、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ。
3.〇 正しい。視床下部は、体温調節の他にも、ストレス応答、摂食行動や睡眠覚醒など多様な生理機能を協調して管理する。
4.× 小脳虫部の損傷では、体幹失調・歩行時の動揺・構音障害・眼振などをきたす。
5.× 補足運動野は、自発的な運動の開始、異なる複数の運動を特定の順序に従って実行する、両手の協調動作などの役割を果たす。
https://ja.mondder.com/fq?id=3735🔗
問題文正答率:50.00%
69
肩甲上腕関節の運動とそれに作用する筋の組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 棘下筋は、肩関節外旋、上部は外転、下部は内転である。
2.× 棘上筋は、肩関節外転である。
3.〇 正しい。広背筋は肩関節内転である。他に、多少であるが肩関節内旋もする。
4.× 上腕三頭筋は、肩関節伸展である。肘関節伸展にも働く。
5.× 烏口腕筋は、肩関節屈曲、内転である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3736🔗
問題文正答率:50.00%
70
手の内在筋プラス肢位の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
手の内在筋優位肢位は、「MP関節屈曲 — PIP関節伸展 — DIP関節伸展」である。
ちなみに、手の内在筋劣位肢位は、「MP関節伸展 — PIP関節屈曲 — DIP関節屈曲」である。
よって、選択肢3. MP関節屈曲 : PIP関節伸展 : DIP関節伸展が正しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3737🔗
問題文正答率:50.00%
71
膝関節屈曲に作用する筋はどれか。
解説・コメント
1.× 外閉鎖筋は、股関節外旋・内転に働く。
2.× 大内転筋は、股関節内転・前部は屈曲、後部は伸展に働く。
3.× 恥骨筋は、股関節内転。屈曲に働く。
4.× 長内転筋は、股関節内転・屈曲に働く。
5.〇 正しい。膝関節屈曲に作用する筋は、薄筋である。他の作用として、膝関節屈曲・内旋に働く。
https://ja.mondder.com/fq?id=3738🔗
問題文正答率:50.00%
72
快適歩行から速度を速めた際の変化で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 速度を速めた際、歩幅は「減少」ではなく増加する。歩隔は狭まる傾向にある。ちなみに、歩隔とは、歩く時の両足間の横の幅のことである。
2.× 速度を速めた際、重心の上下動は、「減少」ではなく増加する。左右の重心移動は減少する。
3.〇 正しい。速度を速めた際、立脚相の時間は減少する。なぜなら、歩行率は増加し、立脚時間と両脚支持時間の短縮が起こるため。
4.× 速度を速めた際、股関節の屈曲角度は、「減少」ではなく増加する。
5.× 速度を速めた際、体幹の水平面内回旋運動は、「減少」ではなく増加する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3739🔗
問題文正答率:50.00%
73
肺機能検査とその説明の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 1秒率は、息を努力して吐き出したときに呼出される空気量のうち、最初の一秒間に吐き出された量(1秒量)の割合である。1秒量は、「安静呼気の呼出開始から」ではなく、最大努力で吸気開始から1秒間に呼出した肺気量である。
2.× 残気量は、「安静呼気位」ではなく、最大呼気位に肺内に残存した肺気量である。
3.〇 正しい。肺活量は、最大吸気位からゆっくりと最大呼気位まで呼出した肺気量のことである。
4.× 拘束性換気障害は、「%肺活量90%未満」ではなく、%肺活量80%未満のことである。
5.× 閉塞性換気障害は、「1秒率80%未満」ではなく、1秒率70%未満のことである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3740🔗
問題文正答率:50.00%
74
運動学習における結果の知識〈KR〉が与えられるのはどれか
解説・コメント
結果の知識〈KR〉とは、試行錯誤を繰り返すうえで結果を知らせると成績の向上を認めることである。よって、選択肢2.投げた球がストライクかどうかを教える。が正しい。
1.5× フリースロー時の肘の伸ばし具合を指導する/平泳ぎの手の使い方を教えるのは、運動前に上方を伝える「教示」である。
3.4× ボーリングのスコアの付け方を教える/バレーボールのルールを教えるのは、運動学習に関係がない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3741🔗
問題文正答率:50.00%
75
胎児期に感染することで先天性奇形を生じるのはどれか。
解説・コメント
先天性奇形の要因として、遺伝要因と環境要因がある。環境要因の中で四つの因子があげられる。①物理的因子(放射線照射)、②科学的因子(薬剤、アルコール、喫煙)、③生物学的因子(風疹、TORCH)、④母体の疾患(糖尿病など)である。よって、選択肢3風疹ウイルスが正しい。
1.× MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、接触感染により、高齢者や病人など免疫能の低下した人に肺炎や肺血症などを引き起こす細菌である。
2× 結核菌は、空気感染により、ヒトの結核の原因となる細菌である。
4. × B型肝炎ウイルスは、B型肝炎の原因ウイルスである。B型肝炎ウイルスの母子感染の多くは、出産時の産道感染である、感染が成立した新生児の一部に、B型肝炎ウイルスによる慢性肝炎が生じ、肝硬変・肝細胞癌に至るリスクがある。
5.× ヘリコバクター・ピロリ菌は、井戸水などにより経口感染するヒトなどの胃に生息するらせん型のグラム陰性微好気性細菌である。単にピロリ菌と呼ばれることもある。胃炎や胃潰瘍の発生に関与する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3742🔗
問題文正答率:50.00%
76
小脳橋角部に最も多い脳腫瘍はどれか。
解説・コメント
小脳橋角部は、脳幹と小脳と内耳道に囲まれた部分により形成される部位である。小脳橋角部は橋の下部に位置し、内耳神経・顔面神経が通る部位である。
脳腫瘍には、①脳内実質に発生するもの(グリオーマなど)と、②実質外に発生するもの(髄膜腫、頭蓋咽頭腫、聴神経鞘腫など)に分けられる。グリオーマには星状細胞腫、乏突起膠腫、膠芽腫などがあり、膠芽腫はその中でも最も予後が悪い。
1.× 腺腫は、大腸がんになる可能性のある腫瘍性ポリープである。 大腸がんは、正常な粘膜から腺腫(良性腫瘍)が生じ、それが悪性化してがんになる場合と、腺腫の状態を経ずに一気にがんになる場合がある。また脳腫瘍における腺腫は、下垂体腺腫があげられる。
2.× 髄膜腫は、円蓋部、傍矢状洞部、大脳鎌部になりやすい。中年女性に多い。
3.× 血管芽腫は、小脳半球になりやすい。
4.× 神経膠腫は、成人では大脳半球、小児では小脳・脳幹になりやすい。
5.〇 正しい。神経鞘腫は、小脳橋角部に最も多い脳腫瘍である。内耳神経に生じる聴神経鞘腫が多く、ほとんど良性の腫瘍である。女性にやや多く、初期症状は難聴・耳鳴であり、腫瘍の増大により症状が進行すると、運動失調や歩行障害などの小脳症状や、水頭症による頭蓋内圧亢進症状を呈する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3743🔗
問題文正答率:50.00%
77
胃全摘出術後に起こりやすいのはどれか。
解説・コメント
代表的な胃切除後の後遺症
胃全摘出術後は、胃の機能的喪失や消化管再建などに基づく様々な障害が生じる。しばしば生活支障をきたす可能性があり、対応や治療が必要である。
①小胃症状、②体重減少、③ダンピング現象、④貧血、⑤骨粗鬆症、⑥逆流性食道炎、⑦下痢
よって、選択肢4.逆流性食道炎が正しい。なぜなら、噴門や幽門の機能が失われ、腸液の食堂への逆流が起こりやすくなるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=3744🔗
問題文正答率:50.00%
78
無意識の願望を意識的に気付きから排除する形での防衛機制はどれか
解説・コメント
採点除外問題である。
以下に一つ一つの解説を示していくと理由が分かると思います。
防衛機制とは、人間の持つ心理メカニズムであり、自分にとって受け入れがたい状況や実現困難な目標に対して、自我を保つために無意識で発動する心理的な機構である。防衛機制には、短期的には精神状態を安定させる作用があるが、長期的にみればかえって精神を不安定にさせてしまうものもある。
1.× 統制は、周囲環境における出来事や対象を、過度に管理・統制しようとすること。
2.× 抑圧は、自我を脅かす願望や衝動を意識から締め出して意識下に押し留めることであり、意識されないままそれらを保持している状態である。したがって、「意識的な気づきから排除する」と記載されているため、不適切である。
3.× 合理化は、満たされなかった欲求に対して、理論化して考えることにより自分を納得させること。
4.× 知性化は、欲動や感情を論理的あるいは抽象的に考えたり、それらに関する知識を得たりなどして欲動や感情をコントロールすること。
5.× 反動形成は、本心と裏腹なことを言ったり、その思いと正反対の行動をとること。
https://ja.mondder.com/fq?id=3745🔗
問題文正答率:50.00%
79
創始者と心理療法の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× Beck(ベック)は、「集団療法」ではなくうつ病の認知療法の創始者である。ちなみに、集団(精神)療法は、参加者同士の相互作用を利用し、各自の問題点を明らかにして治療を促す方法である。
2.〇 正しい。Freud(フロイト)は、精神分析の創始者であり、自由連想や精神・性的な発達理論、人格形成などである。自由連想とは、患者の頭に浮かんだことを隠さずに自由に語ってもらうことで、無意識のうちに抑制されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせることである。
3.〇 正しい。Jung(ユング)は、分析心理学の創始者であり、夢分析や集合的無意識(普遍的無意識)、内向・外向などである。
4.× Rogers(ロジャース)は、「自律訓練法」ではなくクライエント(来談者)中心療法の創始者で、非指示的態度(パターン・センター・アプローチ)などである。これは、治療者が来談者の話に関心を持って傾聴し、共感していくことによって、来談者自身が自ら気づき、成長していけるとするものである。ちなみに、自律訓練法は、シュルツ(Schulz)によって開発された。自己暗示をかけることにより身体をリラックスさせ、不安・ストレスを軽減させる方法である。
5.× Skinner(スキナー)は、「認知療法」ではなく、オペラント条件付けを開発した。これは、望ましい行動が行われたときに報酬を与えることにより好ましい行動を強化していく技法である。ちなみに、認知療法は、Beck(ベック)によって提唱された。
https://ja.mondder.com/fq?id=3746🔗
問題文正答率:50.00%
80
加齢によっても保たれる精神機能はどれか。
解説・コメント
https://ja.mondder.com/fq?id=3747🔗
問題文正答率:50.00%
81
治療者が指示や助言を与え、非適応的な行動をコントロールすることを目的とした治療法はどれか。
解説・コメント
1.× 芸術療法とは、幼いころ、だれもが経験したことのある「ごっこ遊び」や「なぐり描き」、「粘土遊び」、「砂遊び」といった表現活動の意味や役割を生かした心理療法である。表現活動の相違によって、絵画療法、音楽療法、心理劇、箱庭療法、舞踏療法、詩歌療法、コラージュ療法、造形療法などがあるが、芸術療法は、これらの多彩な技法の総称である。
2.× 森田療法は、目的、行動本意の作業を繰り返すことにより、症状を受け入れながら生活できるようにするものである。
3.× 精神分析療法は、自由連想法により無意識のうちに抑圧されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせる方法である。
4.× 来談者中心療法は、ロジャースが創始者であり、治療者が来談者(クライアント)を権威で従属させることなく、来談者の話を聞き、来談者自らが洞察を得るように導いていく方法である。
5.〇 正しい。バイオフィードバック療法は、治療者が指示や助言を与え、非適応的な行動をコントロールすることを目的とした治療法である。精神生理学に関連した方法で、脳波、心電図、血圧などの生理現象を計測しながら良い状態であれば対象者に信号を出して、良い状態に保つよう訓練するというオペラント条件付けを用いた手法である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3748🔗
問題文正答率:50.00%
82
脳の病変部位と出現しやすい症候との組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 黒質の障害により起こる代表的な疾患は、パーキンソン病である。主な徴候は筋固縮、無動、安静時振戦、姿勢保持障害などである。感覚障害は、視床が病変となると起こることが多い。
2.× 視床の役割は、嗅覚を除き、視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質へ中継する。嗅覚障害は、前頭葉眼窩面の障害で多い。
3.× 赤核は、不随意の運動の調節(赤核振戦:粗大な動作で誘発される振戦)を担う。
4.〇 正しい。線条体(被殻と尾状核)が病変となると、不随意運動が出現する。なぜなら、線条体は大脳基底核の一部であるため。
5.× 扁桃体は、情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つ。筋緊張異常が起こるのは、黒質や錐体路障害である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3749🔗
問題文正答率:50.00%
83
Daniels らの徒手筋力テストについて正しいのはどれか。
解説・コメント
採点除外問題となっている。
以下に採点除外の理由と示していく
1.× 筋を最大伸張させた肢位とは限らず、一般に身体部位が可動範囲の最終域にある肢位で保持して計測する。
2.× 協働筋を個々に分離して評価できる検査(肘関節屈曲位:上腕筋、上腕二頭筋、腕橈骨筋)があるが、全てそうだとは言えない。また、MMTは運動動作をテストしているため、その運動動作に関与する複数の筋の筋力の和を評価している。
3.× 関節可動域に制限があっても評価できる。関節可動域に制限がある場合には、患者の可能な可動域を全可動域とし、その範囲で最大徒手抵抗に抵抗できる場合には、その段階は5と判定される。
4.× 抑止テスト(ブレイク・テスト)とは、筋が最も働かなくてはならない可動域の点で、患者にある身体部分を保持してもらい、その保持を「抑止」する方向に検者が徒手抵抗を加えるのに対して、患者が抵抗できる筋の最大強度を評価するという検査である。臨床では、MMTの抵抗は、「患者の関節・筋損傷を最小限にするため、徐々に徒手抵抗を強くするように」と習う方も多いかと思うが、抑止テスト(ブレイク・テスト)の定義は上記のようになっている。ちなみに、徒手抵抗を徐々に強くするのは、抗抵抗自動運動テストと呼ばれる。
5.× 筋収縮が全く認められない筋の判定は、「段階1」ではなく0である。1(Trace)は、筋収縮が目に見える、または触知できるが、関節運動はおこらないことをいう。
https://ja.mondder.com/fq?id=3750🔗
問題文正答率:50.00%
84
接触感染するのはどれか。
解説・コメント
1・3・4の選択肢を正解として採点されている(3つの選択肢が正解となっている)
1.〇 正しい。MRSA(methicillin‐resistant Staphylococcus aureus)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌であり、感染経路は接触感染である。
2.× 結核菌の感染経路は、空気感染である。
3.〇 風疹ウイルスは、飛沫感染・接触感染である。
4.〇 麻疹ウイルスは、飛沫感染・接触感染である。
5.△ インフルエンザウイルスは、飛沫感染・接触感染である。選択肢として5番も正解となっても、おかしくないと個人的には考える。
https://ja.mondder.com/fq?id=3751🔗
問題文正答率:50.00%
85
原始反射のうち消失する時期が最も遅いのはどれか。
解説・コメント
1.5.× Moro反射・非対称性緊張性頚反射は、4か月前後までに消失する。
2.〇 正しい。足底把握反射は、9か月ごろに消失する。
3.× 緊張性迷路反射は、5~6か月に消失する。
4.× 交叉性伸展反射は、2か月前後に消失する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3752🔗
問題文正答率:50.00%
86
骨形成不全症で正しいのはどれか。
解説・コメント
骨形成不全症は、易骨折性・進行性の骨変形などの骨脆弱性を示す病状に加え、様々な程度の結合組織の病状を示す先天性の疾患である。具体的な症状として、易骨折性、骨変形などの長管骨の骨脆弱性と脊椎骨の変形に加え、成長障害、青色強膜、歯牙(象牙質)形成不全、難聴、関節皮膚の過伸展などがみられる。さらに、脊柱変形による呼吸機能障害、心臓弁(大動脈弁、僧帽弁に多い)の異常による心不全などが引き起こされることがある。
1.× 「強膜炎」ではなく青色強膜(明らかに同年齢の眼と比べても青く見える症状)を合併する。
2.× 遺伝性疾患であり、 常染色体優性遺伝の場合もあれば 常染色体劣性遺伝の場合もある。
3.× 視覚障害は合併しない。青色強膜(明らかに同年齢の眼と比べても青く見える症状)を合併する。また、難聴はみられることが多い。
4.〇 正しい。二次的に側弯症を発症しやすい。その後、脊柱変形による呼吸機能障害、心臓弁(大動脈弁、僧帽弁に多い)の異常による心不全などが引き起こされる。
5.× 治療にはステロイド薬が有効ではない。根本治療はなく、対症療法を行う。主に2つの治療が行われ、①内科的治療(骨折の危険性の高い患者さんには骨粗鬆症に使用されるビスフォスフォネート製剤投与)、②外科的治療(骨折した際に観血的骨整復術、四肢変形に対して骨切り術、長管骨の骨折変形予防を目的とした髄内釘挿入、脊柱変形に対する矯正固定手術などが行われる)が行われる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3753🔗
問題文正答率:50.00%
87
視床痛で正しいのはどれか。
解説・コメント
視床痛とは、脳血管障害の後遺症であり障害側の上下肢に不快な痛みを伴うような症状の代表例である。この病気は、慢性的であるため患者は抑うつ的な気分になりやすく、リハビリがうまくいかないことが多い。 また、有効な治療法が見つかっていないため、痛みを和らげる治療を続ける。
1.× 視床痛は、そもそもCRPS〈複合性局所疼痛症候群〉には分類されない。視床の障害が原因で起こる視床痛は、脳卒中後疼痛に分類される。ちなみに、CRPSは、神経損傷がないtypeⅠ(RSD)と神経損傷後に起こる typeⅡ(カウザルギー)に分類される。
2.× 「脳卒中発症直後から」ではなく、視床痛の症状は通常、障害後数週から数か月経過した後に出現する。
3.× 原因が不明であるため、聴覚刺激で疼痛が緩和するとは言いにくい。薬物治療が一般的に行われ、ノルアドレナリン、塩酸マプロチンが使用されている。
4.〇 正しい。侵害刺激とは痛みをもたらし、組織の損傷を引き起こすような刺激である。 視床痛は、非侵害刺激で疼痛を感じる。
5.× Lhermitte 徴候(レルミット徴候)は、多発性硬化症にみられる。Lhermitte 徴候(レルミット徴候)は、首の脊髄に病巣ができると、首を前に曲げたときに感電したような痛みや刺すような痛みが背中から両脚、片方の腕、体の片側へ走る感覚の事である
https://ja.mondder.com/fq?id=3754🔗
問題文正答率:50.00%
88
脳血管障害と治療の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 頚部の内頚動脈は動脈硬化が起きやすい場所で、狭窄が強くなると脳梗塞の原因となる可能性が増加する。頚動脈血栓内膜剥離術は、頸動脈狭窄症に対する再発予防のため行う。ラクナ梗塞は、手術が必要になることはなく、基本的に内科的治療を行います。主な治療には、血液の固まりができるのを抑える薬(抗血栓薬)、脳細胞を保護する薬(脳保護薬)などが使われる。
2.〇 正しい。くも膜下出血は、クリッピング手術を行う。くも膜下出血とは、くも膜と呼ばれる脳表面の膜と脳の空間(くも膜下腔と呼ばれ、脳脊髄液が存在している)に存在する血管が切れて起こる出血である。クリッピング手術とは、脳動脈瘤を根本からクリップで挟み、破裂や出血を止める治療法である。
3.× 心原性脳塞栓症とは、心臓で作られた血栓が脳へ塞栓として運ばれ、脳梗塞を引き起こすことである。治療法としては、血栓溶解療法、血栓回収療法、抗凝固療法などが行われる。ちなみに、選択肢の「頚動脈ステント留置術」は、頸動脈の狭窄を治療し、脳卒中のリスクを減らすために、頸動脈の内腔内にステントを配置する血管内処置である。
4.× 一過性脳虚血発作は、脳の一部の血液の流れが一時的に悪くなることで、半身の運動まひなどの症状が現れ、24時間以内(多くは数分から数十分)に完全に消える症状である。一過性脳虚血発作の原因が、動脈硬化で、狭くなった頸部の頸動脈である場合は、脳梗塞の発症予防を目的に外科的治療をすることがある。それには、「頸動脈内膜剥離術」と「頸動脈ステント留置術」の方法がとられることが多い。ちなみに、選択肢の「コイル塞栓術」とは、頭蓋内動脈瘤および全身の出血に対する血管内治療である。
5.× アテローム血栓性脳梗塞とは、比較的太い脳の血管で起きる動脈硬化が原因の脳梗塞をいう。血栓溶解薬の投与や外科的処置(血管内膜剥離)によって治療が行われる。ちなみに、選択肢の「アブレーション手術」とは、心臓の拍動リズムに異常を来して脈拍数が多くなる、「頻脈性不整脈」という病気に対し行われる治療法である。
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問題文正答率:50.00%
89
頭部 CTを示す。 所見として考えられるのはどれか。
解説・コメント
【CTの特徴】血液はヘモグロビンを含み、放射線を吸収するため、出血の急性期では一般的に高吸収域を示し白く映る。
1.× くも膜下出血では、シルビウス裂なども高吸収域がみられる。
2.〇 正しい。硬膜外血腫である。特徴として、①正中線の軽度偏位、②凸レンズ型の高吸収域がみられる。
3.× 硬膜下血腫では、三日月型の血腫像となる。
4.× 問題の頭部CTでは、脳動静脈が描出されていないため判断することができないが、脳動静脈奇形の診断には脳血管撮影やMRI・MRAを用いる。
5.× 皮質下出血では、大脳皮質下に高吸収域がみられる。
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問題文正答率:50.00%
90
集中治療室での急性期リハビリテーションに関して正しいのはどれか
解説・コメント
1.3× 安全面から歩行練習は行わない・頭部挙上位は全身状態が安定してから開始することは必ずしも適切であるとはいえない。集中治療室での急性期リハビリテーションを行う場合においても、血圧や呼吸状態などといったリスク管理が必要である。しかし、中には、酸素や点滴をした状態で、医師の指示のもと、座位の練習や食事の訓練を行う場合もあるもあるため。また、近年では、体外式膜型人工肺(ECMO)装着下においても早期離床や運動を実施した例が報告されている。
2.〇 正しい。squeezingでは呼気時に肺を圧迫する。squeezingとは、肺痰の手技であり、胸郭の呼気時圧迫により呼気流速を増し排痰を促進し、反動による吸気時の拡張を促す方法である。また、小児では呼吸数が多いこともあり正確な適用が困難なことも多い。
4.× 総腓骨神経麻痺の発生予防には、「踵部」ではなく、腓骨頭(腓骨神経)の除圧が重要である。
5.× 体位排痰法(ドレナージ)では痰の貯留部位を、「下」ではなく上にした姿勢を保持する。したがって、下にするのは気管支である。
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問題文正答率:50.00%
91
肺塞栓症について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1~2.〇 正しい。肥満・長期臥床が誘因となる。
3.〇 正しい。心電図所見は非特異的である。特異的とは、あるものだけにみられる質的な特殊さという意味である。したがって、非特異的とは、心電図検査で異常が認められるが、心電図の検査では肺塞栓症であると断定できないという意味である。選択肢「心電図所見は非特異的である」という文章を分かりやすく言い換えると「肺塞栓症の心電図所見は、特殊になりやすいが、病名の断定や診断はできない」ということである。肺塞栓症の心電図では、陰性T波、洞性頻脈などがみられるが、これらは右心負荷所見であり、肺塞栓症に特異的な所見ではない。
4.× 逆である。手術後に多いのは、「下肢よりも上肢」ではなく、上肢よりも下肢である。
5.〇 正しい。深部静脈血栓症との合併が多い。肺塞栓症とは、肺動脈に血栓が詰まる病気のこと。血栓の9割以上は脚の静脈内にでき、この血栓を「深部静脈血栓症」といい、それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて、肺塞栓症の原因となる。したがって、肺塞栓症と深部静脈血栓症は、極めて関係が深い病気で、二つを合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれる。
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問題文正答率:50.00%
92
食道癌で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 男性では1年間に10万人あたり31.0人、女性では5.6人と、男性に多い傾向(男女比6:1)がみられる。
2.× 原因は、アルコール、喫煙、熱い食事、Barrett食道、アカラシアなどである。ちなみに、高血圧は動脈硬化を引き起こし、循環器疾患や脳神経系疾患の危険因子となる。ちなみに、Barrett食道(バレット食道)とは、食道下部の粘膜が、胃から連続して同じ円柱上皮に置き換えられている状態をいう。
3.× 好発部位は、「頚部食道」ではなく、中部食道(胸部)、下部(腹部)、上部(頚部)の順に多い。ちなみに、頚部・腹部食道は約5%である。
4.〇 正しい。組織型は扁平上皮癌が多い(90%以上)。欧米に多いとされる腺がんというタイプは5%以下である。
5.× ヘリコバクター・ピロリ菌は、「食道癌」ではなく胃癌の発症に関与する。
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問題文正答率:50.00%
93
尿毒症で正しいのはどれか。
解説・コメント
尿毒症とは、腎臓の働きが極度に低下して起こる全身の変化をいい、急性あるいは慢性の腎臓障害が進行した状態(正常の10分の1程度まで著しく低下している末期腎不全の状態)である。多様な症状を呈し、放置すると数日で死に至る。
1.× 腎不全の「初期」ではなく末期の状態である。
2.〇 正しい。代謝性アシドーシスを示す。人間の体は、弱アルカリ性である。体は酸性の物質を多く作っているが、肺は呼吸により炭酸ガスとして排泄し、腎臓は尿を酸性にすることにより排泄している。したがって、腎臓の働きが低下すると、体は酸性に傾く。
3.× 「低カリウム血症」ではなく高カリウム血症を生じやすい。
4.× 透析患者の死亡原因で最も多いのは、心不全である。
5.× 血清クレアチニン濃度は、「低下」ではなく高値となる。ほかにも、BUN・尿酸が高値となる。
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問題文正答率:50.00%
94
早期の前頭側頭型認知症でみられないのはどれか。
解説・コメント
前頭側頭型認知症は、前頭葉・側頭葉に限局した萎縮性病変を認める症候群をいう。代表的な疾患にPick病がある。発症は初老期(40~60歳代)にみられる。初期は、自発性の低下、自発語の減少、偏食・過食、脱抑制などの人格変化・行動異常で潜行性に発症する。
1.× 幻視の特徴的な認知症は、レビー小体型認知症(後頭葉の血流低下のため)であり、前頭側頭型認知症では起こりにくい。
2~5.〇 常同行動・病識低下・自発性低下・社会的対人行動の障害は、症状してみられる。
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問題文正答率:50.00%
95
介護保険制度で正しいのはどれか。
解説・コメント
介護保険制度における被保険者は、65歳以上の「第1号被保険者」と、40~64歳までの「第2号被保険者」とに大別される。第2号被保険者が、介護保険でサービスを利用できるのは、「特定疾病」が原因の場合である。
1.× COPDは特定疾患である。下に特定疾病をあげたので参考にしてください。
2.× 加入は、「45歳以上」ではなく40歳以上(第2号被保険者)に義務づけられる。
3.× 「都道府県の介護保険係」ではなく、市町村の介護保険担当課に介護認定を申請する。
4.× 要介護認定の区分別支給限度額は、「同じ」ではなくそれぞれ別額である。介護度の重い方は、様々なサービスを組み立ててサポートが必要であるため限度額は高額である。
5.〇 正しい。要介護度の認定は、介護認定審査会で判定される。
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問題文正答率:50.00%
96
てんかんで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 遺伝素因はないとは言いにくい。てんかん患者の子孫から生まれてくる子は、健常者から生まれてくる子よりてんかん有病率が高いというデータもある。
2.× 意識障害は、必発ではない。焦点発作や自律神経発作などは意識障害をともなわないてんかん(単純部分発作)もある。
3.× 高齢発症は稀であるとはいえない。てんかんの好発年齢は、小児期~思春期および老年期(60歳以降)である。
4.〇 正しい。病因は、①特発性(原発性:原因が不明)と、②症候性(続発性:原因が特定している)に分けられる。症候性の原因には、脳の先天奇形、脳腫瘍、脳血管障害、神経変性疾患などがあげられる。
5.× 我が国の患者は、「約10万人」ではなく、約100万人(有病率0.5~1%)と推定されている。
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問題文正答率:50.00%
97
統合失調症に特徴的な思考の障害はどれか。
解説・コメント
1.× 思考が緩徐でうまく進まないこと(思考制止)は、うつ病にも関連して起こる障害である。
2.〇 正しい。思考の進行が突然遮断され、会話が停止すること(思考途絶)は、統合失調症に特徴的な思考の障害である。
3.× まわりくどく、要領よく思考目標に到達できないこと(迂遠)は、認知症や高齢者、てんかんにみられる思考過程の障害である。迂遠とは、一つ一つの観念にとらわれてしまうために、その都度その観念に対する注釈を付け加えたり、言葉を変えたりして反復して話をするために思考が円滑に進まない状態。脳の器質的な原因によって生じる。
4.× 観念の間に論理的な関連がなく、意識の混濁を伴うこと(思考錯乱、アメンチア)は、症状精神病(脳の器質性障害や身体疾患を原因とする精神病)であるときに起こりやすい。
5.× 観念が次々に沸き起こるが、つながりは表面的で目標から外れていくこと(観念奔逸)は、躁うつ病の特徴的な思考の障害である。
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問題文正答率:50.00%
98
摂食障害について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 摂食障害は、男女比は1対10と、圧倒的に女性に多い病気であるが、女性のみに限らず男性も発症する。
2.〇 正しい。神経性大食症は神経性無食欲症より有病率が高い。神経性大食症(2.32%)・神経性無食欲症(0.43%)というデータがある。
3~4.× 神経性大食症では、自己誘発性嘔吐は認められ、神経性大食症から神経性無食欲症に移行することが多々ある。神経性大食症では、発作的に無茶食いを繰り返し、食べるのをやめることができなくなるにもかかわらず、肥満に対する恐怖感が常にあるため排出行動(自己誘発性嘔吐、緩下剤、利尿剤の乱用)をとったり、絶食の時期を設けたりする。また、神経性大食症から神経性無食欲症とは共通の精神病理があり、両者が依存したり神経性大食症から神経性無食欲症に移行する場合もある。
5.× 神経性無食欲症では、病的な痩せ願望から過活動や運動強迫が認められる。そのため、摂食障害の治療として、肥満への恐怖とボディーイメージのゆがみの矯正のために、認知行動療法が有効である。
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問題文正答率:50.00%
99
見捨てられ不安を特徴とするのはどれか。
解説・コメント
1.× 依存性パーソナリティ障害は、他人に強く依存し、自身に欠けている特徴がある。
2.× 演技性パーソナリティ障害は、過度に人の注意を引こうとする特徴がある。
3.× 回避性パーソナリティ障害は、拒絶されることに極端に過敏で、そのために消極的になる特徴がある。
4.〇 正しい。境界性パーソナリティ障害は、愛する人や大事な人に見捨てられるという不安を絶えず抱えており、見捨てられまい(見捨てられ不安)となりふり構わず努力し、不安定な自己ー他者のイメージ、感情・思考の制御不全、衝動的な自己破壊行為(リストカット、薬物乱用)などを特徴とする。
5.× 自己愛性パーソナリティ障害は、自分が素晴らしいと誇大に思い、自己中心的に振舞う特徴がある。
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問題文正答率:50.00%
100
概日リズムの障害による疾患はどれか。
解説・コメント
概日リズムの障害とは、昼夜のサイクルと体内時計のリズムが合わないため、1日の中で社会的に要求される、あるいは自ら望む時間帯に睡眠をとることができず、活動に困難をきたすような睡眠障害のことをいう。
1.× 睡眠時遊行症(夢遊病)は、睡眠中にもかかわらず体動が出現しぼんやりと歩き回る症状。 睡眠障害として睡眠時随伴症(パラソムニア)のひとつに分類される。小児に好発する。
2.× ナルコレプシーは、日中に突然、耐え難い眠気に襲われて眠り込んでしまう疾病である。原因は、オレキシンの欠乏による可能性が高い。
3.〇 正しい。睡眠相後退症候群とは、原因が、体内時計が遅れているため、睡眠が遅い時間帯のほうにずれてしまうことにある。症状として、明け方近くまで寝つけず、いったん眠ると昼過ぎまで目が覚めないという状態に陥る。無理をして起床すると、眠気や強い倦怠感などの症状がみられる。
4.× むずむず脚症候群の症状は、脚の不快な感覚のため、深部に不快な感じがする。原因は、遺伝や鉄分不足ともいわれている。
5.× レム睡眠行動障害は、レム睡眠の時に体が動く睡眠障害のことである。原因ははっきりわかっていないが、6割程度はストレスなどによるもの、4割程度が神経変性の病気などとの関連で発症すると考えられている。
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0
解説・コメント
1.〇 肩甲骨挙上
肢位:腰掛け坐位、立位、背臥位
測定:体の前面より測定
基本軸:両側の肩峰を結ぶ線
移動軸:肩峰と胸骨上縁を結んだ線
交点:胸骨上縁
運動:挙上は肩甲骨を上方へ移動する運動 参考可動域:挙上20°
2.× 基本軸が両側の肩峰を結ぶ線となっている。
肩内転の測定
測定:体の前後面どちらからも測定
基本軸:肩峰を通る床への垂直線(坐位、立位)、または肩峰を通る水平線(背臥位)
移動軸:上腕骨軸
交点:肩峰
運動:外転は上腕を前額面で外方へ動かす運動、内転は内方へ戻す運動
3.× 胸腰部屈曲の別法は、指先と床の間の距離(㎝)で表示する。設問の図は、頭部と床の間の距離となっているため不適切である。
基本的な測定方法は、【基本軸】仙骨後面、【移動軸】第一胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線である。【測定部位及び注意点】は、①体幹側面より行う。②立位、腰かけ座位または側臥位で行う。③股関節の運動が入らないように行う。
4.〇 頚部右側屈の【基本軸】第7頸椎棘突起と第一仙椎の棘突起を結ぶ線、【移動軸】頭頂と第7頸椎棘突起を結ぶ線である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、①体幹の背面で行う。②腰かけ座位とする。
5.× 足部外転の【基本軸】【移動軸】ともに、第2中足骨長軸である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、膝関節を屈曲位, 足関節を0度で行なう。設問の図の基本軸・移動軸が第2、第3中足骨の間の中央線となっている。