作業療法士国家試験過去問 第55回午後
オプション
問題文正答率:33.33%
Daniels らの徒手筋力テスト(段階3)を図に示す。 検査肢位で正しいのはどれか。 ただし、関節可動域には異常がないものとする。
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問題文正答率:66.67%
42 歳の女性。左の末梢性顔面神経麻痺と診断された。味覚の異常を訴えている。 舌の異常部位を網かけにした図を示す。 症状がみられる部位として正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× A(左後方1/3の味覚)は、舌咽神経の支配である。
2.× B(舌縁)でも味覚は、舌の前2/3「顔面神経」、後1/3「舌咽神経」が司っている。
3.〇 正しい。C(左前2/3の味覚)は、左の末梢性顔面神経麻痺で起こる。障害側と同側の障害となる。
4.× D(右半分)の味覚は、舌の前2/3「顔面神経」、後1/3「舌咽神経」が司っている。本症例は、左の末梢性顔面神経麻痺であるため、右側に障害は生じない。
5.× E(両側の前2/3)の味覚は、両側の顔面神経支配領域である。本症例は、左の末梢性顔面神経麻痺であるため、右側に障害は生じない。
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問題文正答率:66.67%
54歳の男性。勤務中に突然の気分不快を訴え病院を受診し、脳梗塞による左片麻痺にて入院となった。妻と子供との3人暮らしで家事は妻が担っていた。職業は会社員で事務仕事を行い、会社までは電車で通勤していた。3か月が経過して、ADLは自立し、患者は復職を希望するようになった。Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅱ、下肢Ⅴで病院内外の杖歩行は自立している。認知機能に明らかな問題はない。 この時点での IADL 評価で優先すべきなのはどれか。
解説・コメント
1,3~5.× 買い物/食事の用意/火の始末/ベッドメイキングの優先度は低い。なぜなら、発症前から家事は妻が担っていたため。
2.〇 正しい。公共交通機関の利用がこの時点でのIADL評価で優先すべきである。なぜなら、本症例は、設問から「3か月が経過して、ADLは自立し、患者は復職を希望」している。認知機能も明らかな問題はないことから、復職に際し、電車通勤が安全に出来る能力があるかの評価は重要である。電車通勤とは、自宅から駅までどのくらいの距離なのか。通勤経路のすべての評価を行っていく。困難であれば、タクシーやバスなども検討していく必要がある。
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問題文正答率:66.67%
2人の幼児が砂場で遊ぶ様子を図に示す。 遊びの発達段階で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× ごっこ遊び(2~5歳)は、ままごと・電車ごっこなど周囲の様々な生活や自然をまねることによって楽しむ遊びである。模倣遊びともいう。
2.× 傍観者遊び(2~3歳頃)は、他児の遊びに関心をもち、言葉をかけたり、じっと見ていたりするが遊びには入らない。これによって遊び方を理解し、だんだんまねて遊ぶようになる。
3.〇 正しい。平行遊び(2歳頃)である。平行遊びは、他児の近くで同じようなおもちゃで遊ぶが、他の子どもへの働きかけはない。つまり、同じ場所で他児と同じような行動をしているが、お互いには関係なくばらばらに遊ぶことである。
4.× 連合遊び(幼児期)は、他児と一緒に遊ぶが、遊びの役割がはっきりせず役割分担がなされていないが連帯感が見られる。
5.× 協調遊び(幼児期~思春期)は、野球や共同制作など共通の目的のもとに組織化されたグループであり、ルールや役割分担がある。幼児期(1歳~6歳ぐらいまで)は、子ども同士の遊び(協調遊び)は困難であるが、発達に伴い、集団での遊びに変化がみられるようになる。
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問題文正答率:66.67%
69歳の男性。慢性心不全。心肺運動負荷試験の結果を受け、主治医から3METsまでの運動制限の指示があった。 選択する活動で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。屋内の掃除は、3~4METsである。
2.× 家具の運搬は、ときに6METs以上の高い強度が必要となる。
3.× ペンキ塗りは、4~5METsである。
4.× 階段を上がるのは、5~6METsである。
5.× 歩行(107 m/分:6km/時)は、5~6METsである。
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問題文正答率:33.33%
Duchenne 型筋ジストロフィーの患者が床から立ち上がる様子を図に示す。 厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類によるステージはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。
ステージ2のDuchenne型筋ジストロフィーの患者が床から立ち上がる様子である。Gowers徴候(登攀性起立)は腰部筋、下肢近位筋の筋力低下時にみられ、臥位からの起立時、手を膝の上について、その支えで努力しながら身体を起こす徴候をいう。ステージ2~3まで可能となる、ステージ2は手すりを使用し、階段昇降が可能な状態である。ステージ3は椅子からの起立が可能な状態である。
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問題文正答率:66.67%
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。MMT は上肢近位部で段階3、遠位部で段階4。有痛性けいれんがある。 この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× ビーズで指輪を作る優先度は低い。なぜなら、細かい作業や筋力の必要な作業は困難であるため。
2.× 木工作業で本棚を作る優先度は低い。なぜなら、両側視神経炎により視力低下・複視を伴い危険であるため。また、作業全体の上肢への負荷量が大きい。
3.〇 正しい。卓上編み機でマフラーを編む。卓上編み機は、視認性が低くても比較的使用が容易である。また、大きな力を必要せず、また細かい作業が少なく休みながらの作業が可能である。
4.× 小さな刻印で革に模様をつける優先度は低い。なぜなら、視力低下・複視を伴い危険であるため。また、細かい作業であり、巧緻性が必要な作業であるため。負荷が大きく本症例では筋力低下により木槌は使用できない可能性もある。
5.× ネット手芸でティッシュボックスを作る優先度は低い。なぜなら、細かい作業や筋力の必要な作業は困難であるため。
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問題文正答率:33.33%
58歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅣ、クラス3。左手の写真を示す。 使用する装具で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× ナックルベンダー(MP関節屈曲装具)は、尺骨神経麻痺に適応となる。MP関節を屈曲位(背屈位)に矯正する。
2.× Oppenheimer 型装具(オッペンハイマー型装具)は、橈骨神経麻痺に適応となる。手関節背屈位、MP伸展位、母指外転位に保持する。
3.× IP関節伸展補助指装具は、ボタン穴変形の予防・矯正に用いられる。本症例では、ボタン穴変形が起こっておらず、母指IPは過伸展しており伸展補助は不要である。
4.× タウメル継手式手関節装具は適応ではない。なぜなら、本症例は、SteinbrockerのステージIV(関節が破壊され、動かなくなってしまった状態)であるため。タウメル継手は、関節可動域制限がある関節に利用される継手である。膝や肘などの関節拘縮の改善に利用される。
5.〇 正しい。PEライト製手関節軟性装具を使用する。PEライトとは、ポリエチレンフォームという比較的あたりの柔らかく変形力のある弾性樹脂である。手関節軟性装具により手関節の痛みや変形・動揺を予防する。
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問題文正答率:33.33%
30歳の女性。上腕切断標準断端。上腕義手は差し込み式ソケット、8字ハーネス、複式コントロールケーブルシステム、随意開き式能動フックで構成されている。適合判定の際、肘90°屈曲位で手先具が完全には開かなかった。 原因として考えられるのはどれか。
解説・コメント
1.× フックのゴムが弱い場合には問題とならない。フックのゴムの強弱は把持力を調整している。フックのゴムが強くて、力源の肩甲帯の力が弱い場合は問題となる。
2.× ケーブルハウジングが短かすぎると、肘90°屈曲位にした時点で手先具が開く。
3.〇 正しい。残存肢の肩甲帯の筋力が低下している場合、肘90°屈曲位で手先具が完全には開かない。なぜなら、肩関節屈曲・外転と肩甲骨の外転の動きで手先具を操作するため。肩甲帯の筋力低下によって手先具の開きが制限される。
4.× 前腕支持部のトリミングが不良である場合、肘継手を最大屈曲させて135°以上確保できないことが多い。
5.× 切断肢の肩関節の回旋可動域に制限がある場合でも義手の手先具開閉操作に影響しない。コントロールケーブルシステムの操作効率で異常が起こりやすい。
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問題文正答率:66.67%
10
72歳の男性。Parkinson 病でHoehn & Yahr の重症度分類ステージⅢ。60歳代 前半に発症し、投薬治療で経過観察されていたが、小刻み歩行やすくみ足が出現し、1日複数回転倒するようになってきている。特に方向転換を必要とする箇所での転倒が多い。自宅の見取り図を示す。 転倒防止のための対応で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.× リビングでは椅子(A)を使用する優先度は低い。なぜなら、Aの位置にある椅子に到達するまでに転倒してしまう可能性が高いため。したがって、トイレ側の椅子を使用するほうがよい。また、テーブルの位置と棚との間が狭いため、すくみ足が誘発されて危険と考えられる。
2.〇 正しい。トイレの扉(B)を引き戸に改修する。なぜなら、開き戸の開閉は、その場での方向転換を要し、姿勢保持反射障害がある患者にとっては転倒の原因となりやすいため。
3.〇 正しい。浴室の入り口側の壁の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを設置する。なぜなら、縦手すりを設置することで、浴室内での方向転換や浴槽への出入りの際の安全性向上に寄与するため。
4.〇 正しい。浴槽内(D)に台を設置する。なぜなら、浴槽内に台を設置することで、重心移動が容易となり姿勢反射障害を伴うパーキンソン病患者も立ち上がりがしやすくなるため。
5.〇 正しい。ベッドへのアプローチのために床(E)にテープで目印をつける。パーキンソン病のすくみ足の誘発因子は狭路・障害物・精神的緊張などである。外的刺激である聴覚(リズム)や視覚(テープ)からアプローチすることで、すくみ足は改善しやすくなり安全に移動できるようになる。
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問題文正答率:33.33%
11
25歳の男性。頸髄完全損傷、Zancolli の四肢麻痺上肢機能分類でC6A。ベッド・車椅子間の移乗動作の自立を目指して天井走行型リフトを使用した訓練を行うことになった。吊り具の写真を示す。 選択する吊り具として正しいのはどれか。
解説・コメント
C6Aの頸髄損傷患者は、肘関節屈曲が作用するが、手関節背屈筋力の低下がみられるレベルである。したがって、まずはベッド・車椅子間の移乗動作の自立を目指す。課題として、ベッド・車椅子でのスリングの着脱である。
1.× ①は、移動用床走行スタンディングリフト用の吊り具である。リフト本体に体幹・下肢を固定し、殿部を包み込むようにして使用する。移動には介助が必要である。
2.× ②は、脚分離型(ローバック)である。体幹を包みこみ体全体を浮かして移動する。車椅子上での装着・脱着はできず、移動には介助が必要である。
3.× ③は、トイレ用吊り具である。脚分離型より殿部が大きく開いた形状であるため、吊り上げた状態でパンツの着脱・陰部の洗浄ができる。ベッド・車椅子間の移乗にも用いることもできるが、車椅子上での装着・脱着は困難である。
4.× ④は、シート型(ハイバック)である。頸部・体幹の筋力が低下し、座位保持が不安定な場合に使用する。臥位でのみ着脱可能であり、自身での装着は困難である。
5.〇 正しい。⑤は、セパレート型(ベルト)である。体幹ベルトと脚ベルトに分かれており、上肢が自由に使え、移乗練習がしやすい。吊り具の装着・脱着は、最も容易であり、C6A レベルでもなんとか装着ができるが、脚ベルトの位置の設定に習熟しないと落下の危険性がある。
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問題文正答率:66.67%
12
87歳の男性。脳血管障害の後遺症により週1回の訪問作業療法を行っている。 訪問時、85歳の妻が「家で介護することがつらい。疲れた」と暗い顔でため息をついている。 訪問作業療法士の対応で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 妻に精神科の受診を勧めることの優先度は低い。なぜなら、85歳の妻が「家で介護することがつらい。疲れた」と暗い顔でため息をついた原因は、介護の負担が原因である可能性が高いため。精神科の受診を勧めることで、妻は「自分は病気なのか」と自責にとらわれる可能性もある。まずは、よく話を聞き、環境調整など他の手段を模索する。
2.× 近隣の入所施設の空き情報を伝えるのは、作業療法士の対応として優先度は低い。入所が必要となったら、ケアマネジャー(介護支援専門員)が対応するため、作業療法士はケアマネジャー(介護支援専門員)と相談する。
3.× 患者へ妻に甘えすぎないように話す必要はない。なぜなら、患者はできないことを妻に介助してもらっている可能性が高いため。二人の仲がギクシャクしかねない。
4.× 訪問介護事業所に利用開始を依頼するのは、作業療法士の対応として優先度は低い。ケアマネジャー(介護支援専門員)が対応するため、作業療法士はケアマネジャー(介護支援専門員)と相談する。ケアマネジャー(介護支援専門員)は、主にケアプランの立案・変更、事業所との連絡・調整を行っている。利用者本人や家族参加のもとに相談しながら立案する。
5.〇 正しい。ケアマネージャーに妻の状況を報告する。まずはケアマネジャーに報告し、現在の患者・家族の状況について情報共有し、家族への対応方針を統一する。
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問題文正答率:66.67%
13
46歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom 法ステージは上肢Ⅴ、手指Ⅴ、下肢Ⅴ。発症後7か月が経過し、認知機能は MMSE が24点、軽度の注意障害を認めている。既に退院し、父母と同居している。発症前は内装業に従事していたが、同職での復職が困難であることから、就労移行支援による雇用を目指している。 作業療法士が患者に実施する内容で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 就労準備は、課題がなくなるまで続けることはできず、支援期間は原則2年(特例で3年)と期限が決まっている。
2.× 雇用されたら支援が終了とならず、就職後も定着にむけた支援(就労定着支援)が受けられる。就労定着支援とは、就労移行支援、就労継続支援などの利用を経て、通常の事業所に新たに雇用され6か月を経過したもので3年が限度である。
3.〇 正しい。実際の場面での職業評価を行う。職場実習などにより適性を評価する。
4.× 「雇用条件通りの就業」ではなく、利用者の適性や能力に応じた条件で就業を目指す。
5.× 通勤に付き添いは不要である。本症例は、片麻痺が残存し、注意障害もあるが、どちらも軽度であるため、通勤を一人で行えることも目指す。
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問題文正答率:33.33%
14
24歳の女性。統合失調症。1年前に職場の対人関係のストレスから発症した。現在は休職し、外来通院をしている。嫌がらせをされているという被害妄想は薬物療法により消失したが、ちょっとした周りの表情やしぐさを見て「周りの人が私のことを言っているような気がする」という猜疑的な言動はみられている。そこで主治医の判断により、認知機能の改善を目的に週1回、外来作業療法を利用したプログラムに参加することになった。 この患者の治療目的に合ったプログラムとして適切なのはどれか
解説・コメント
1.× ACT< assertive community treatment:包括型地域生活支援プログラム>は、精神障害者への包括型地域生活支援プログラムである。重度の精神障害をもった人が地域社会の中で生活を送ることができるよう精神科医・看護師・精神保健福祉士・作業療法士など多職種が医療チームをつくり、精神障害者が地域で生活できるように365日24時間体制で支援する仕組みである。訪問が支援活動の中心である。
2.× Empowerment approach(エンパワーメント アプローチ)は、個人の潜在能力に気づき、置かれている状況に対しての対処能力を高めるようなアプローチをいう。
3.× IPS< individual placement and support:個別就労支援プログラム>は、就労支援専門員と医療関係者でチームをつくり精神障害者の就労を支援するものである。特徴は、症状の重さは問題にせず、本人の好みや意欲に基づき職を選択し、「障害者雇用」ではなく一般就労を目指すものである。
4.〇 正しい。SCIT< social cognition and interaction training:社会認知と対人関係のトレーニング>は、統合失調症の患者の社会認知の障害の改善を目指したアプローチである。対人関係改善のためのグループワークトレーニングを行う。
5.× WRAP< wellness recovery action plan:元気回復行動プラン>は、重篤な精神科患者であっても元気になって回復できる方法があり、そのためのプランについて、自分や同じような悩みをもつ人の体験やアイデアについて語り合うものである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3932🔗
問題文正答率:66.67%
15
26歳の女性。通勤途中に2人が亡くなる交通事故を目撃した。数日後から睡眠障害、集中力の低下、現実感の変化などの症状が生じ、また、交通事故の起きた場所を避け、事故の夢を繰り返しみるようになった。これらの症状は3週後には消退した。 考えられるのはどれか。
解説・コメント
1.× 解離性障害とは、心的外傷体験・人間関係などを原因として、それらの問題を抱えきれず、記憶・同一性の統合を失うことで当面の苦痛を回避する行動をいう。健忘、混迷状態、解離性同一性障害(多重人格)、Ganser症候群(偽認知症の一つで的外れ応答が特徴)などがみられる。疾病利得が根底に存在する。
2.× 強迫性障害とは、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために不合理な行動(強迫行為)を繰り返す状態をいう。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②森田療法、③認知行動療法などである。
3.× パニック障害とは、誘因なく突然予期せぬパニック発作(動悸、発汗、頻脈などの自律神経症状、狂乱・死に対する恐怖など)が反復して生じる状態をいう。また発作が起こるのではないかという予期不安を認め、しばしば広場恐怖を伴う。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②抗不安薬、③認知行動療法などである。
4.〇 正しい。急性ストレス障害とは、交通事故・自然災害といった極めて強烈なストレスを原因として、その後、急性・一過性に解離症状(感情・感覚麻痺、健忘など)、PTSDと同様の再体験症状、回避症状などが出現し、著しい苦痛や社会的障害を生じている状態をいう。心的外傷後すぐに症状が出現し、持続期間は3日間~4週間である。本症例の特徴と合致する。
5.× PTSD<外傷後ストレス障害>とは、極めて強烈なストレスを受けた後、数週間から数ヵ月を経て(6ヵ月以上潜伏期間があることはまれ)、再体験、回避、認知や気分の異常、過覚醒の各症状が4週間以上持続し、著しい苦痛や社会的障害を生じている状態をいう。本症例は、発症が心的外傷を受けてから数日後と短く、また3週間と早期に消退しているため否定できる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3933🔗
問題文正答率:66.67%
16
37歳の男性。日頃から職場での待遇に不満を感じており、たまたま入ったパチンコ店で大勝してから、パチンコを繰り返すようになった。負けを繰り返す中、妻に黙って娘の学資保険を解約するなどしてお金をつぎ込んでいた。その後も借金を繰り返すがやめられず、借金に気づいた妻から「このままだと離婚する」と言われ、妻の勧めで精神科を受診し、病的賭博〈 ギャンブル障害〉 の診断を受けた。 この障害の特徴で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 生活のストレスは、パチンコの衝動に影響しやすい。ストレスと関連する苦痛の症状(無気力、罪悪感、不安、抑うつなど)があるときに賭博をしやすい。
2.〇 正しい。アルコール・薬物依存症を合併しやすい。なぜなら、ギャンブル行動が、アルコールや薬物乱用によるものと同じ脳内の報酬系を活性化させるため。また、発達障害、注意欠陥・多動性障害は、病的賭博(ギャンブル障害)に陥りやすいとされる。ただし、アルコール・薬物依存症では、渇望を抑制する薬物が開発途上にあるが、ギャンブル依存症では薬物の効果は確立されていない。また、アルコール依存症や薬物依存症で有効な集団(精神)療法、認知行動療法、内観療法などがギャンブル依存症にも効果とされている。
3.× 病的賭博(ギャンブル障害)は、一般人口の1割に満たない。有病率は一般人口の約0.2~0.3%である。生涯有病率は約0.4~1.0%である。日本では0.8%、生涯有病率は3.6%である。
4.× 女性は、「思春期」ではなく中年~高齢期に発症することが多い。ちなみに、若年期は男性に多く、女性は中年~高齢期で男性より多くなる。
5.× 「女性」ではなく男性に多い。全体で7:3(男女比)といわれている。
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問題文正答率:66.67%
17
34歳の女性。掃除と整理整頓が趣味というほど几帳面な性格である。職場での昇進によって仕事量が増え、そのため夜遅くまで残り、懸命にこなすように努力していた。しばらくして、抑うつ状態になり、早朝覚醒、体重減少などの身体症状も出現し、精神科を受診した。抑うつ気分は朝方に強く、夕方に軽くなる傾向が認められる。 この患者でみられやすいのはどれか。
解説・コメント
1.× まわりくどく説明すること(迂遠)は、老化・脳器質障害(てんかん)などでみられる。
2.〇 正しい。他人からの依頼を断れない。うつ病になりやすい性格・状況は、①真面目、②几帳面、③転勤、④昇進、⑤人間関係があげられる。うつ病の病前性格(人間関係)として、他人からの依頼を断われず、多くの仕事を抱え込む傾向がある。
3.× 早朝から友人に電話をかけることはしない。なぜなら、うつ病の患者は、早朝や午前中に抑うつ気分が強いため。一方で、躁状態は、早朝から不必要に電話をかけることはある。
4.× 他人からの評価を気にする。他人の期待に応えようとしたりするあまりに、 他人の評価を気にしたり、無理をしてしまうことが多い。
5.× 不必要なものをいろいろと買い込むのは、躁状態にみられる。むしろ、うつ病患者は、貧困妄想が見られ出費が少なくなる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3935🔗
問題文正答率:33.33%
18
21歳の女性。衝動的に食器を割ったり、自身の手首を切ったりするなどの行為が続いたため精神科病院へ入院となった。夜になると両親に電話し、自分を見捨てるのではないかと脅迫的に責めたてた。また主治医を罵倒し、椅子を投げつけるなどの暴力を振るった後すぐに「先生はすばらしいお医者さんですからどうか治してください」と泣きながら懇願することもあった。 この患者の作業療法を行う上で適切でないのはどれか。
解説・コメント
1. × 患者の退行的な言動を受け入れてはならない。なぜなら、退行的な言動を受け入れることで医療者への依存が増す可能性があるため。治療の枠組みを明確に定めて、退行的な言動を受け入れないようにする。
2.〇 正しい。作業療法以外の治療状況を把握する。なぜなら、医療チームが一貫した態度で関わることが重要であるため。他職種の治療状況を把握し、情報を共有して対応していく必要がある。
3.〇 正しい。作業療法士の中に生じてくる感情を自覚する。攻撃的態度や行動化をとる患者に対し、医療従事者(作業療法士も含む)は、逆転移に陥ることがある。自らの感情を自覚しコントロールする必要がある。ちなみに、転移と逆転移は、精神分析療法の上で重要な概念である。転移とは、患者が今までの生活史における重要人物(親、学校の先生)に示してきた感情や態度を治療者に向けることを言い、一方、逆転移とは治療者が患者に向けることである。
4.〇 正しい。行動化(例:自傷、自殺行為、リストカット)による自己破壊的な結果を患者に説明する。なぜなら、行動化は、自分自身および他者を傷つけるおそれがあるため。行動化は、行為によって対処するもので、不適切な形で現れた防衛機制のことである。自傷行為のほかにも、臨床では、診察室から出て行ってしまったり、診察の場で沈黙を続けたりする行動のことである。
5.〇 正しい。患者、作業療法士の双方が守るべき規則を明確にする。なぜなら、日によって、応じればないことがあると、不安な対人関係を助長する恐れがあるため。規則を作ることで枠組みを明確にし、それを越える要求に対しては応じないことが重要である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3936🔗
問題文正答率:33.33%
19
28歳の男性。統合失調症で6か月前に精神科病院に措置入院歴がある。その後退院し、自治体による退院後支援計画に基づいて外来でフォローされていたが、2か月前から抗精神病薬の服薬が不規則になり、幻聴の増悪がみられた。自傷行為はなく、家族をはじめ周囲の人間に対して手をあげるようなことはないが「薬は飲むな」という幻聴に左右されてこの1週間は全く服薬しておらず、一昨日から一睡もできていない。両親が「担当医に相談しよう」と勧めてなんとか外来受診をさせたが、精神保健指定医から入院を勧められてもかたくなに拒否を続けている。 この患者の現在の状態において適切な入院形態はどれか。
解説・コメント
1.× 任意入院は、患者本人の同意に基づく入院である。
2.× 応急入院は、拒食や意識障害など医療および保護の依頼があり急を要するが、家族等からも本人からも同意が得られない場合に、72時間に限り精神保健指定医1名の診察により行われる入院である。入院後は指定医は直ちに都道府県知事へ届け出る。
3.〇 正しい。医療保護入院が適切な入院形態である。医療保護入院は、本人の同意は得られないが保護者の同意が得られる場合、精神保健指定医1名の診察により行われる入院である。入院後は10日以内に都道府県知事へ届け出る。ちなみに、未成年の患者が医療保護入院をする場合には、原則両親2名共が家族等となり入院に同意する必要がある。片親の場合は1名の同意でよい。
4.× 緊急措置入院は、自傷他害のおそれが著しく急を要するが精神保健指定医を2名確保できない場合に適用される措置入院である。72時間に限り1名の指定医の診察により入院が行われ、また72時間以内にあらためて2名の指定医による診察が必要である。ちなみに、措置入院・緊急措置入院は公費負担がある。
5.× 医療観察法による入院は適応ではない。なぜなら、他害行為の記録は無いため。ちなみに、「医療観察法」は、心神喪失または心神耗弱の状態(精神障害のために善悪の区別がつかないなど、通常の刑事責任を問えない状態)で重大な他害行為を行った人に対して適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的としている。
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問題文正答率:66.67%
20
45歳の男性。統合失調症。外来治療を受けながら母親と2人で暮らしている。3年前までは仕事に就いていたが、職場での対人関係がうまくいかず症状が悪化し退職した。現在は精神症状は落ち着き、ADL は自立し生活リズムも整っている。 一般就労を希望し、作業療法士に相談した。 この時点で患者が利用する障害福祉サービスとして適切なのはどれか
解説・コメント
1.× 自立訓練(生活訓練)は、知的障害者・精神障害者に対して、自立した日常生活ができるように訓練や助言をするものである。現在、本症例は、ADLは自立し生活リズムも整っている。
2.× 共同生活援助(グループホーム)は、主に夜間や休日に精神障害者が共同生活を営む住居で、食事の世話・服薬指導など、相談や日常生活の援助を行う。現在、本症例は、ADLは自立し生活リズムも整っている。
3.〇 正しい。就労移行支援は、この時点で患者が利用する障害福祉サービスとして適切である。就労移行支援は、一般企業などへの就労を希望する65歳未満の障害者に対し、就労に必要な知識・能力の向上のための訓練を一定期間行うものである。
4.× 就労定着支援は、障害者の就労や就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートするものである。具体的には、生活リズム・家計や体調の管理など、就労に伴う環境変化などの課題解決に向けて、必要な連絡調整や指導・助言などの支援を実施する。現在、本症例は就労をしていない。
5.× 就労継続支援は、一般企業での就労が困難な障害者に働く場を提供するとともに、就労に必要な知識・能力の向上のための訓練を行う。ちなみに、A型(雇用型)とB型(非雇用型)に分けられ、B型は通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労も困難である者が対象となる。本症例は、一般就労を希望している。
https://ja.mondder.com/fq?id=3938🔗
問題文正答率:33.33%
21
疾病の指標で、罹患期間が長くなると高くなるのはどれか。
解説・コメント
1.× 死亡率とは、単位人口を一定期間(通常1年)観察したときの死亡発生率である。罹患期間が長くなっても一定期間における死亡数が増えるわけではない。
2.× 致命率とは、対象とする疾患に罹患した者のうち、その疾患が原因で死亡した者の割合である。主として急性疾患の重症度を示す。罹患期間が長くなっても一定期間における死亡数が増えるわけではない。
3.〇 正しい。有病率とは、ある一時点において疾病を有している者の割合である。罹患期間が長くなれば、観察時点での有病者数が増えるため、有病率は高くなる。
4.× 罹患率は、一定期間内における対象者の観察期間の総和(観察人年)のうち、同一期間内に新たに疾病が発生した人の率である。罹患期間が長くなっても観察期間内に新たな患者数が増えるわけではない。
5.× 累積罹患率は、疾病発症時点の特定が難しい高血圧や糖尿病などの疾病において、すべての対象者の観察期間を同一に設定することで罹患率の代わりに用いられることがある。罹患率と異なり、分母に観察集団の観察開始時点の人数を用い、同一期間内に新たに疾病が発生した人の割合を表す。罹患期間が長くなっても観察期間内に新たに発生した患者数が増えるわけではない。
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問題文正答率:66.67%
22
財布を何度も鞄から出し入れし、そわそわと落ち着かない行動がみられる。 この行動の Maslow の欲求階層モデルにおける欲求段階はどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。安全欲求とは、安全に生活したいという欲求である。本症例は、「財布を何度も鞄から出し入れし、そわそわと落ち着かない」状態であり、これは財布が奪われていないか、強迫的に確認して自身の安全を確かめるための行動である。
2.× 承認欲求とは、自分が他者から尊敬されたい、社会から価値があると認められたいという欲求である。
3.× 認知欲求(愛と所属の欲求、帰属の欲求)とは、孤友人や家族等の周囲の人々と関わりたいという集団への帰属を求める社会的な欲求である。
4.× 生理的欲求とは、生命維持に必要な本能的な欲求である。例えば、食欲や睡眠欲などである。
5.× 自己実現欲求とは、自分の潜在能力を引き出して、なりたい自分になりたいという欲求である。
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問題文正答率:33.33%
23
作業活動の分析で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1/4.〇 正しい。必要とされる技能を示す/工程で分類する。ご飯を箸で食べる作業を、各技能(作業遂行)として分解してみると、①箸に手を伸ばす→②箸を取る→③箸をご飯に近づける→④箸でご飯をつかむ→④箸を口元に移動させる→⑤口にご飯を入れると分けられる。ちなみに、作業がいつでも中断できるものは自由度の高い(難易度を調整できる)活動工程である。
2.〇 正しい。使用する道具を示す。活動遂行時に使用する道具(のり、包丁など)を分析すべきである。
3.× 作業耐久性を示す必要はない。なぜなら、作業耐久性は個人の側面であるため。客観的に評価できるものを示す。
5.〇 正しい。所要時間を示す。活動に要する時間(一区切りできる時間・完成までの時間など)は客観的に評価できる項目である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3941🔗
問題文正答率:66.67%
24
骨折と損傷を受ける可能性がある筋との組合せで誤っているのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。小胸筋の【起始】第2(3)~5肋骨表面、【停止】肩甲骨の烏口突起である。鎖骨骨折(鎖骨が下方に転位)することで、烏口突起付着部近傍で小胸筋が損傷される。
2.〇 正しい。方形回内筋の【起始】尺骨下部1/4前面、【停止】橈骨下部1/4前面である。橈骨遠位端骨折により、方形回内筋が損傷される。
3.〇 正しい。棘上筋の【起始】肩甲骨の棘上窩、棘上筋膜の内側、【停止】上腕骨大結節の上部である。上腕骨外科頸骨折により、棘上筋が損傷される。
4.〇 正しい。烏口腕筋の【起始】烏口突起、【停止】上腕骨の内側面の中部である。烏口腕筋は、上腕骨骨幹部内側縁に沿って付着しているため、上腕骨骨幹部骨折により、烏口腕筋が損傷される。
5.× 手の背側骨間筋の【起始】4個ありそれぞれ2頭もつ。第1~5中手骨の相対する面、【停止】基節骨、指背腱膜、中節骨底、末節骨底である。第2背側骨間筋は、第2・3中手骨の相対する面から起こり、第3指の基節骨底と指背腱膜に付く。ちなみに、足にも背側骨間筋は存在する。どちらにせよ、橈尺骨骨幹部骨折から、背側骨間筋は離れているため損傷する可能性は低い。
https://ja.mondder.com/fq?id=3942🔗
問題文正答率:33.33%
25
嚥下造影検査と比べて嚥下内視鏡検査が適しているのはどれか
解説・コメント
1~3.× 誤嚥の評価/嚥下反射の評価/食道機能の評価/咀嚼機能の評価は、嚥下造影検査の方が適している。ちなみに、嚥下反射の評価に内視鏡検査を用いると、嚥下の瞬間に咽頭の収縮と内視鏡の光の反射によって観察が困難になる。これをホワイトアウトと呼ぶ。
4.〇 正しい。声帯運動の評価は、嚥下造影検査と比べて嚥下内視鏡検査が適している。声帯運動の評価は、嚥下造影検査にて行うことは困難であるため、実際に、嚥下内視鏡を用いて直接観察する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3943🔗
問題文正答率:33.33%
26
関節可動域測定の運動方向と参考可動域角度〈日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による〉の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1.〇 正しい。肩水平伸展の参考可動域角度は30°である。
2.× 肘屈曲の参考可動域角度は、「120°」ではなく145°である。
3.× 手背屈の参考可動域角度は、「50°」ではなく70°である。
4.× 股内転の参考可動域角度は、「30°」ではなく20°である。
5.〇 正しい。足底屈の参考可動域角度は45°である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3944🔗
問題文正答率:33.33%
27
評価の説明で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× FIM(Functional Independence Measure:機能的自立度評価法)では全介助の場合は、「0点」ではなく、1点である。自立度と介助量により分類して1~7点の7段階で評価する。
2.× WeeFIM(Functional Independence Measure for children:子供のための機能的自立度評価法)の対象年齢は、「5か月未満」ではなく、6か月~7歳未満である。WeeFIMとは、子どものための機能的自立度評価法でFIMをもとに子ども用に作られたADL評価法である。
3.× Barthel Indexでは100 点の場合でも、独居可能であるとは断言できない。Barthel Indexの100点は、あくまでも「ADLが自立している」ことの評価結果である。独居可能かどうかは、IADLの評価も必要となる。
4.〇 正しい。障害高齢者の日常生活自立度判定基準では全介助の場合はランクC である。自立度は、①生活自立(ランクJ)、②準寝たきり(ランクA)、③寝たきり(ランクB、C )に分けて評価する。全介助の場合はランクCである。
5.× 老研式活動能力指標では、「日常生活動作に関する13 項目を他者が観察して評価する」のではなく、IADL(Instrumental ADL:手段的日常生活動作)13項目を本人に「はい」または「いいえ」で答えさせて評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3945🔗
問題文正答率:66.67%
28
ICF の環境因子で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.3~5.× ライフスタイル/教育歴/生活感/趣味は、個人因子である。個人因子は、その人固有の特徴をいう。 非常に幅広く、年齢、性別、民族、学歴や職歴、価値観、ライフスタイルなどの多数の例が挙げられる。
2.〇 正しい。介護保険制度は、環境因子である。ちなみに、環境因子は、「人々が生活し、人生を送っている物的な環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境を構成する因子のことである」と定義される。
https://ja.mondder.com/fq?id=3946🔗
問題文正答率:33.33%
29
Brunnstrom 法ステージの検査において、ステージと可能な随意運動の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 上肢Ⅱは、非麻痺側の肘を曲げた位置から徒手抵抗に抗して肘を伸ばさせると、麻痺側の大胸筋の収縮を触知する。ちなみに、肘関節90°屈曲位で前腕を回内・回外ができるのは、ステージⅣからである。
2.× 上肢Ⅲは、基本的共同運動まで可能であり、独立した運動は出現しない。ちなみに、腕を側方水平位に挙上することができるのは、ステージⅤからである。
3.× 手指Ⅳは、横つまみ・母指の動きにより離すことも可能で、わずかな指伸展も可能である。ちなみに、手指集団伸展が十分にでき、様々な握りができるのは、ステージⅤからである。
4.〇 正しい。下肢Ⅴは、立位で踵を床につけたまま足関節を背屈することができる。
5.× 下肢Ⅵは、①立位で股・膝関節伸展位で骨盤挙上による範囲を超えた股関節外転運動、②座位で足の外反・内反を伴う下腿部の外旋・内旋運動が可能である。ちなみに、立位で股関節伸展位での膝関節屈曲ができるのは、ステージⅤである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3947🔗
問題文正答率:33.33%
30
小児の評価領域と検査の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ
解説・コメント
1.〇 正しい。GMFM(Gross Motor Function Measure:脳性麻痺児の粗大運動能力尺度)は、脳性麻痺児の運動発達の変化をとらえることを目的に考案された。性麻痺児を対象とし、粗大運動能力の経時的な変化および医療的な介入の効果をみるために考案された評価尺度であり、2000年に日本語版が発表された。5つの領域(A:座位と寝返り、B:座位、C:四つ這いと立ち、D:立位、E:歩行走行とジャンプ)に分けられた88項目からなる運動課題を4段階のLikertスケールを使って採点する。
2.× Erhardt(エアハート)発達学的視覚評価は、①視覚の連動要素の機能と②認知機能を評価する方法である。適用年齢は、小児に限らない。ちなみに、小児用の視知覚障害の検査としては、フロスティッグ視知覚発達検査(適用年齢:4歳0か月~7歳11か月)がある。
3.× Kohs立方体組合せテストは、作業(動作)式知能を測定する検査である。各面に色が塗られた立方体を組み合わせることによりで、聴覚障害者、ろう児、高齢者、6歳以上の健常児・成人に用いられる。ちなみに、感覚統合とは、複数の感覚を整理したりまとめたりする脳の機能のことである。
4.〇 正しい。知的機能:WISC-Ⅳ(Wechsler Intelligence Scale for Children-Fourth Edition:児童用ウェクスラー式知能検査第4版)は、知能検査である。5~16歳11ヵ月までに適応可能で、学習障害の評価にも用いられる。
5.× 新S-M 社会生活能力検査は、社会生活能力の発達をとらえる検査である。乳幼児から中学生までに適応可能な検査であり、子どもの日頃の様子をよく知る保護者や教論が記入する。日常生活能力の検査は、主にFIMやBIなどである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3948🔗
問題文正答率:66.67%
31
糖尿病の三大合併症による症状はどれか。
解説・コメント
1~5.× う歯/吐血は三大合併症による症状ではない。
2.× 「血尿」ではなく、腎障害により大量の蛋白尿が生じる。
3.× 昏睡は、三大合併症による症状ではない。ただし、インスリンや経口糖尿病薬による治療を行っている糖尿病患者に低血糖症状として生じる。
4.〇 正しい。失明は、三大合併症の一つである網膜症による症状である。高血糖の持続による網膜毛細血管の障害により糖尿病網膜症となり、進行すれば視力障害、失明につながる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3949🔗
問題文正答率:33.33%
32
要因と症状の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 静脈血栓は、「血液粘稠度低下」ではなく、血液粘稠度上昇で生じる。
2.〇 正しい。起立性低血圧は、循環血漿量低下で生じる。起立性低血圧は、原因として①自律神経障害、②薬剤性、③加齢、④飲酒、⑤出血や脱水などの循環血漿量の低下が挙げられる。ちなみに、循環血漿量の減少とは、手術や外傷、消化管出血、脱水などによって体内の血液が減少することである。
3.× 運動耐容能の低下は、「最大酸素摂取量増加」ではなく、最大酸素摂取量減少で生じる。最大酸素摂取量が増加すると運動耐容能は増加する。
4.〇 正しい。褥瘡は、血清アルブミン値低下で生じる。栄養状態を反映する血清アルブミン値が低下することで膠質浸透圧が下がり、浮腫が生じることで、褥瘡が起こりやすくなる。ちなみに、若い人であっても、ギプスによる長期固定後や睡眠薬の服薬による深い睡眠後などに認められる。年齢に関係なく治療には時間がかかる。
5.× 骨萎縮は、「骨への物理的応力増加」ではなく、骨への物理的応力減少で生じる。なぜなら、リモデリングのバランスが崩れ、骨吸収が優位となるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=3950🔗
問題文正答率:66.67%
33
ロコモティブシンドローム改善のためのスクワットの方法で正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 「閉眼」ではなく開眼して行う。なぜなら、閉眼して行うとふらついたときなどに危険であるため。
2.× 「閉脚」ではなく肩幅程度に開脚して行う。なぜなら、肩幅より少し広めに足を広げて立ち、つま先と膝を並行でそろえることで、膝に負担がかかりにくくスクワットが行えるため。
3.× あえて手は体側につける必要はない。バランスが不安定な方は、手すりなど安定した把持物に手を添えて行うと安全に実施できる。
4.〇 正しい。膝がつま先よりも前に出ないように曲げる。なぜなら、そのように短く説明することで、ある程度正しいフォームで実施することが可能であるため。ただし、厳密には、膝をつま先より前に出すと膝にストレスがかかるという報告に懐疑的な意見も多く、方法によっては膝を少し前に出さないと腰部への負担が大きくなることが指摘されている。
5.× 膝関節を曲げて殿部を床にできるだけ近づける必要はない。ロコモティブシンドローム改善のためのスクワットとしては、膝に負担がかかり過ぎないよう、膝関節は90°以上曲げないようにすることが望まれる。ただし、スポーツ選手などアクティブな人に対しては、フルスクワットで殿部を床にできるだけ近づける場合もある。
https://ja.mondder.com/fq?id=3951🔗
問題文正答率:66.67%
34
ある道具の写真を示す。 この道具を用いて行う高次脳機能障害評価法はどれか。
解説・コメント
1.× CBS(Catherine Bergego Scale)は、半側空間無視の生活障害の評価スケールである。
2.× MFT(Manual Function Test:脳卒中上肢機能検査)は、「上肢の前方挙上」、「上肢の個方挙上」, 「手掌を後頭部へ」などの項目を得点化し(32点満点)、これを100点満点に換算する。
3.〇 正しい。BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)の行為計画検査の項目で、針金やコルクなどを使用する。「このコルクを試験官の外に出してください」と指示する。ちなみに、BADSは、様々な状況下における問題解決能力を、道具やカードを用いた6種類の下位検査と1つの質問紙を用いて検査する。下位検査は0~4点の5段階で点数化し24点満点で評価する。
4.× STEF(Simple Test for Evaluating Hand Function:簡易上肢機能検査)は、上肢の動作能力、特に動きの速さを客観的に、しかも簡単かつ短時間(20~30分)に把握するための評価法である。10種類のテストからなり、それぞれ大きさや形の異なる物品を把持して移動させ、一連の動作に要した時間を計測し、所要時間を決められた点数(1~10点)に当てはめて、右手と左手との差を左右別に合計点数を算出する。また参考値との比較も可能である。
5.× SLTA(Standard Language Test of Aphasia:標準失語症検査)は、成人の失語症の検査である。26項目の下位検査での構成で、「聴く」「話す」「読む」「書く」「計算」について6段階で評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3952🔗
問題文正答率:66.67%
35
Guillain-Barré 症候群で正しいのはどれか。
解説・コメント
便宜上1を正解としましたが正答値表が空欄となっていました。
解答がなかった為、不適切問題である。
1.× 自律神経障害を伴う。自律神経障害(頻脈、高血圧、起立性低血圧など)が生じる。
2.× 症状は、「上肢近位筋から」ではなく、下肢遠位から始まる。ちなみに、障害の消失順は出現と逆順で、近位部から遠位部にかけて回復する。
3.× 上肢の症状は、「左右非対称」ではなく左右対称である。遠位・近位両方とも侵される。
4.× 先行感染の「数時間後」ではなく、1~2週間後に症状が現れる。発症の1~3週間前に先行感染(感冒様症状、下痢、腹痛など)がみられ、その後1~2週間で急性に神経症状を来し、弛緩性四肢麻痺や呼吸筋麻痺、脳神経障害がみられる。
5.× 逆である。我が国では、軸索障害型の方が脱髄型よりも多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=3953🔗
問題文正答率:66.67%
36
障害者総合支援法について、各市町村で行う地域生活支援事業に含まれるのはど れか。
解説・コメント
1~4.× 介護給付/訓練等給付/自立支援医療/補装具の給付は、自立支援給付に含まれる.
5.〇 正しい。日常生活用具の給付・貸与は、地域生活支援事業に含まれる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3954🔗
問題文正答率:66.67%
37
悪性腫瘍の緩和ケア主体の時期のリハビリテーションで正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 呼吸困難の軽減は得られる。なぜなら、理学療法士や作業療法士により、呼吸法練習・リラクセーションなどを実施するため。また、看護師による吸引や主治医による薬物療法も実施される。
2.〇 正しい。運動療法をすることで心理面が改善する。運動療法(散歩などの有酸素運動)は、セロトニンの分泌を促し不安や抑うつといった精神心理面の改善がみられる。
3.× 運動療法をすることで倦怠感が改善する。進行がん患者であっても、全身状態が安定していれば運動療法を実施する。倦怠感とは、身体や精神的に「だるい」「疲れた」「疲れやすい」と感じられる状態である。
4.× 疼痛緩和にマッサージは、長期的な効果は期待できない。長期とは、一般的に半年以上継続することを指す。
5.× 運動療法をすることで、疼痛の改善効果が得られる。軽い運動は、血行の増大・体温の上昇を促し、ゲートコントロール理論により疼痛改善効果が得られる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3955🔗
問題文正答率:33.33%
38
地域作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
1.× ハイリスクアプローチ(ハイリスクストラテジー)は、地域への波及効果が低い。ハイリスクアプローチは、リスクが高い者に対象を絞って介入するアプローチ方法である。二次予防に効果を発揮し、個人への効果が高い。一方で、ポピュラーアプローチ(ポピュレーションストラテジー)は、対象を限定せず地域や職場など、集団全体に働きかけてリスクを下げる方法である。一次予防とされる。
2.〇 正しい。地域住民への健康教育はヘルスプロモーション(健康づくり)である。ヘルスプロモーションとは、「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義される。①健康な公共政策づくり、②健康を支援する環境づくり、③地域活動の強化、④個人技術の開発、⑤ヘルスサービスの方向転換などが挙げられる。
3.〇 正しい。コンサルテーションモデルによる地域との関わりがある。コンサルテーションとは、ある分野の専門家が、他領域を専門とする職種に知識・情報・専門技術を提供することをいう。作業療法士が、地域で活動している「組織・機関・住民・当事者」に対して、その専門性を生かしてコンサルテーションを行うことがある。
4.× MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance:生活行為向上マネジメント)では、「基本チェックリスト」ではなく「各チェックシート(①生活行為聞き取りシート、②生活行為向上マネジメントシート、③生活行為申し送り表)」に基づき計画を立てる。MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance:生活行為向上マネジメント)とは、人が生きていくうえで営まれる生活全般の行為(生活行為)を支援するために作られた作業療法士向けのツールである。65歳以上の高齢者が自分の生活や健康状態をチェックする。「基本チェックリスト」の目的は、生活機能の低下のおそれがある高齢者を早期に把握し、支援事業につなげることである。
5.× 個別的治療が必要な人を対象とするは、ハイリスクアプローチ(ハイリスクストラテジー)である。ポピュラーアプローチ(ポピュレーションストラテジー)の対象は、主に低リスク群、境界域を含む集団全体であり、一次予防の役割を果たす。
https://ja.mondder.com/fq?id=3956🔗
問題文正答率:66.67%
39
せん妄で正しいのはどれか。
解説・コメント
せん妄とは、疾患や全身疾患・外因性物質などによって出現する軽度~中等度の意識障害であり、睡眠障害や興奮・幻覚などが加わった状態をいう。高齢者は薬剤よってせん妄が引き起こされる場合も多い。
【原因】脳疾患、心疾患、脱水、感染症、手術などに伴って起こることが多い。他にも、心理的因子、薬物、環境にも起因する。
【症状】
①意識がぼんやりする。
②その場にそぐわない行動をする。
③夜間に起こることが多い。 (夜間せん妄)
④通常は数日から1週間でよくなる。
1.× 夜間に出現することが多い。夜間せん妄といい日内変動が見られる。
2.〇 正しい。環境変化(手術、人院、明るさ、音など)で生じやすい。
3.× せん妄は、「高度の意識混濁」ではなく、軽度~中等度の意識障害を伴う。軽度~中等度の意識障害に加え、睡眠障害や興奮・幻覚などが加わった状態をいう。
4.× 記憶障害を伴う。せん妄は、注意力、集中力、認知機能、記憶力、判断力、見当識などが広く障害される病態である。
5.× 逆である。若年者より老年者(65歳以上)に出現しやすい。特に高齢者のせん妄の期間は、一般的に長くなりやすい。
https://ja.mondder.com/fq?id=3957🔗
問題文正答率:66.67%
40
精神作用物質使用による精神障害について正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 幻覚は、必発ではない。主に幻覚が出る薬剤は、セロトニン系・フェネチルアミン系・化合物(麻薬や覚せい剤の類縁化合物)である。
2.× アルコールは耐性を生じる。身体依存、精神依存、耐性を生じるため、摂取量が増えやすい。
3.〇 正しい。モルヒネは身体依存を生じる。身体依存、精神依存、耐性を生じる。身体依存とは、薬物の摂取をやめると、離脱症状(発汗、頻脈など)と呼ばれる身体の症状が起こる状態のこと。すべての精神作用物質には精神依存がみられるが、身体依存を起こす物質はモルヒネ、バルビツール酸、 ベンゾジアゼピン系薬、アルコールであり、それ以外はない。ちなみに、精神依存とは、依存性薬物を連用することにより、薬物が欲しくなる状態のこと。耐性獲得とは、以前の使用量では同じ効果が得られず、使用量が増えていってしまう物質依存をいう。睡眠薬依存の患者は、睡眠効果をもたらすために常用量をかなり超えた量を求めることがある。
4.× 医薬品(各種睡眠薬や抗不安薬、鎮痛剤など)によるものも含まれる。
5.× 急激な精神作用物質の摂取では、離脱症状は生じない。なぜなら、離脱症状とは、生体が薬物に適応して、薬物の存在下で生理的平衡が保たれる状態になったあと、急に薬をやめることにより、生理的平衡が乱れて身体症状が生じるようになることをいうため。
https://ja.mondder.com/fq?id=3958🔗
問題文正答率:33.33%
41
向精神薬内服中の精神疾患患者に錐体外路症状、無月経、体重増加、起立性低血圧が同時にみられた。 最も疑われる原因薬剤はどれか。
解説・コメント
1.× 抗酒薬は、不快な症状(吐気、頭痛など)を起こし、飲酒を抑える薬剤である。アルデヒド脱水素酵素(ALDH)を阻害することで、不快な症状(吐気、頭痛など)を起こす。
2.× (三環系)抗うつ薬の副作用は、①自律神経症状(口渇、便秘、排尿困難など)、②循環器系症状(血圧低下、頻脈、めまい、起立性低血圧など)、③中枢神経症状(眠気など)である。抗コリン作用による起こる。近年では、SSRIやSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)などが用いられるようになっている。それらは吐気・眠気などが副作用である。
3.× 抗不安薬の副作用は、眠気・ふらつき・依存形成などである。
4.〇 正しい。抗精神病薬(第1世代抗精神病薬)の副作用と、本症例の「錐体外路症状、無月経、体重増加、起立性低血圧が同時にみられた」症状と一致する。抗精神病薬(第1世代抗精神病薬)は、作用する受容体が複数存在し、これによって様々な副作用を来す。主な作用は、ドパミンD受容体の遮断作用であり、その副作用として錐体外路症状や無月経を生じる。その他に、セロトニン5-HT2受容体の遮断作用による副作用として体重増加や高血糖が生じる。さらに、アドレナリン a1受容体遮断作用の副作用として、起立性低血圧や過鎮静がある。
5.× 抗てんかん薬は、種類が多い。薬剤によっては、消化器症状や小脳失調など多彩な症状を示す。ただし、選択肢の中から、優先度が最も高いのは、選択肢4. 抗精神病薬である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3959🔗
問題文正答率:66.67%
42
心因性偽発作が疑われる患者における発作症状の観察の際に重要でないのはどれ か。
解説・コメント
1.3~5.〇 咬舌/尿失禁/四肢の外傷/チアノーゼは、心因性偽発作が疑われる患者における発作症状の観察の際に重要である。なぜなら、てんかん発作と合併することもあるため。選択肢は外傷を伴ったり、重篤な身体症状である。
2.× 流涙は、心因性偽発作が疑われる患者における発作症状の観察の際に重要ではない。なぜなら、重篤な身体症状や外傷ではないため。ただし、抗てんかん薬を服薬し、アナフィラキシーショックが生じた場合、流涙がみられるため観察する必要はある。ちなみに、アナフィラキシーショックとは、アレルギー反応で起こるショックのことである。主にⅠ型アレルギー反応の結果、血管拡張や血管透過性の亢進による血漿漏出が生じ、循環血液量の減少をきたすことで起こる。アナフィラキシーショックの症状として(頻脈、血圧低下、意識障害、喉頭浮腫、呼吸困難)を引き起こす。
https://ja.mondder.com/fq?id=3960🔗
問題文正答率:33.33%
43
Alzheimer 型認知症の進行度を ADL 障害の程度から評価するのはどれか
解説・コメント
1.× Behave-AD(Behavioral Pathology in Alzheimer’s Disease Rating Scale)は、Alzheimer型認知症のBPSD(周辺症状)の評価尺度である。介護者などから情報に基づいて25項目について0~3までの4段階で重症度を評価する。
2.× DASC-21(Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-21 items:地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート)は、ADL障害だけでなく認知機能と生活機能の障害の程度から認知症の重症度を評価するものである。対象は、認知症患者である。①記憶(近時記憶、遠隔記憶)、②見当識(時間、場所、道順)、③問題解決・社会的判断力、④IADL(家庭内・家庭外)、⑤身体的ADL(入浴、着替え、排泄、整容、食事、移動)の21項目(1点~4点の4段階評価)から、認知機能と生活機能の障害の程度から認知症の重症度を評価するものである。
3.× MoCA-J(日本語版 Montreal Cognitive Assessment)は、軽度認知障害をスクリーニングする検査法である。検査は、視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識からなる。
4.〇 正しい。FAST(Functional Assessment Staging of Alzheimer’s Disease)は、Alzheimer型認知症の進行度をADL障害の程度から評価する。 Alzheimer型認知症の病状ステージを生活機能(ADL)の面から観察により分類した評価尺度であり、1(正常)~7(高度)の7段階で評価する。
5.× MMSE(Mini Mental State Examination)は、認知障害の簡便な評価方法である。30点満点のうち、26点以下で障害の疑いを示し、23点以下なら明確な障害を示す。
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問題文正答率:33.33%
44
作業療法の面接における直面化の説明で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.5.× 話の中で疑問に思ったことを尋ねて会話を促進する/話の不明確な点を尋ねて明らかにするのは、調査的な態度の説明である。良好な関係が構築される前にこの態度をとられると患者や家族は不快に感じることがある。
2.× 話の中に含まれる無意識的な意味を指摘するのは、解釈的な態度の説明である。
3.〇 正しい。話の矛盾点を指摘して問題点を明らかにするのは、直面化の説明である。直面化とは、患者がはっきりと気づいていない問題点や矛盾点を治療者の側から明確に指摘することである。
4.× 話から感じられる情緒的な面を言葉で返すのは、反映の説明である。相手は治療者に理解してもらっているという安心感や自分自身の感情への気づきが得られる。
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問題文正答率:66.67%
45
うつ病の治療で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 電気けいれん療法は、自殺の危険度が「低いとき」ではなく、高いときに行う治療である。迅速に精神症状の改善(昏迷や強い希死念慮、躁病の精神運動状態、統合失調症の緊張病症候群など)が必要なときに行う。また、薬物治療抵抗例に用いられる。
2.× 回復を早めるため、気晴らしに旅行に出かけることを積極的に促す必要はない。なぜなら、旅行に出かけることは気晴らしにはならず、むしろ疲労感を強め、症状が悪化するため。
3.× 抗うつ薬使用開始後、数日経っても効果が出なければ速やかに薬剤を変更する必要はない。なぜなら、抗うつ薬は、服用してから効果が発現するまでに少なくとも2週間はかかるため。
4.× 患者の負担を減らすため、人生における重大な決定は速やかに行うよう指導する必要はない。むしろ、うつ病の急性期では判断力が低下しているため、重要なことへの決定は先延ばしにすることを指導する。
5.〇 正しい。自殺予防のため、希死念慮の確認は急性期だけでなく回復期にも行う必要がある。むしろ、希死念慮は特に回復期に多い。そのため患者の言動・行動には常に注意を払う。また、自殺しないように約束してもらう。
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問題文正答率:33.33%
46
心理的な外傷体験後の早期介入法として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× デブリーフィングは、外傷を体験した人が自分の体験と現在の症状を語り、起こっている反応が外傷後では当然の反応であると認識して、回復を促す方法である。外傷後2~3日後から始められるが、最早期の介入法ではない。
2.〇 正しい。心理的応急処置は、心理的な外傷体験後の早期介入法として適切である。選択肢の中で最早期の介入法である。心理的応急処置は、災害などが起こった直後から被災者に提供されるものである。被災者から必要なことやものを聞いたりして心理的動揺を早期に抑えることを目的とする。
3.× 集団精神療法は、参加者同士の相互作用から各自の問題点を明らかにして治療を促進しようとするものである。回復期ごろに行う。
4.× 生活技能訓練(Social Skills Training:SST))は、主に慢性期の統合失調症患者に主に用いられる。アメリカのリバーマンにより提唱された認知行動療法の一つである。患者が習得すべき行動パターンを治療者(リーダー)が手本として示し、患者がそれを模倣して適応的な行動パターンを学ぶという学習理論に基づいたモデリング(模倣する)という技法が用いられる。
5.× 精神分析療法は、自由連想法により無意識のうちに抑圧されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせるというものである。神経症性障害に適応がある。
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問題文正答率:33.33%
47
強迫性障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。自由度の高い作業を提供する。自由度の高い作業の実施は、細部へのこだわりの軽減が望める。
2.× 正確さを必要とする作業を提供する必要はない。むしろ、順序や手順への患者のこだわりを助長する。
3.× 強迫行為が始まれば作業を中止させる必要はない。なぜなら、「症状へのとらわれ」を助長させてしまうおそれがあるため。強迫行為が始まってもなるべく早く作業に復帰するように促すことが重要である。
4.× 強迫行為の原因についての洞察を促す必要はない。むしろ、原因を考えることは強迫行為への固執を促してしまう。したがって、他のことに関心を向けられるように促す。
5.× 作業工程の確認は、作業療法士が本人に代わって行う必要はない。むしろ、作業工程の確認を作業療法士に行ってもらわないと不安であるという状況に陥ってしまいやすく、患者は何度も確認を要求するようになるおそれがある。
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問題文正答率:66.67%
48
広汎性発達障害の説明で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 「女児」ではなく男児に多い。
2.× 発症に影響するのは、「育児方法」ではなく、何らかの生物学的要因と推定されている。したがって、育児方法は影響しない。
3.× 障害は、成人期になっても持続する。ただし、症状は発達の段階に応じて変わっていくことが多い。
4.× 社会的コミュニケーションの障害がみられる。①対人的に異常な近づき方をする、②興味・関心を共有できない、③非言語的なコミュニケーションが苦手、④友人ができないなど。
5.〇 正しい。小児期崩壊性障害は正常な発達の後に出現する。小児期崩壊性障害は、2~3歳までは外見上は正常に発達するが、その後はいったん獲得された機能が徐々に失われる障害である。例えば、言えていた言葉が言えなくなったり、対人コミュニケーションがとれなくなったり、常道行動や強迫行為を繰り返すようになったりする。また、 常に不安感を持つほか、排便や排尿のコントロールもできなくなる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3966🔗
問題文正答率:33.33%
49
Alzheimer 型認知症で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× まだら認知症の特徴を示すのは、血管性認知症である。まだら認知症は、「脳機能が全体的に低下する」のではなく、部分的に障害されるため機能低下と正常が混在する状態である。
2.× 症状の経過が、階段状の増悪を示すのは、血管性認知症の特徴である。動揺性(まだら)で階段状に進行する経過をたどる。
3.〇 正しい。認知症症状は、老人斑の形成より遅れて出現する。老人斑とは、神経細胞外にアミロイドβ蛋白が蓄積してできた異常構造物である。このアミロイドβ蛋白が細胞毒性を発揮し、神経細胞の変性・消失が起こることで認知症が生じると現在では考えられている。
4.× 神経原線維変化は、タウ蛋白の「細胞外沈着」ではなく、細胞内沈着により起こる。神経原線維変化とは、アルツハイマー病患者脳の神経細胞にみられる病理所見で、過剰リン酸化タウの細胞内凝集体であることが知られている。
5.× 現在での認知症治療薬を使用することでも、根本療法(原因療法)は望めない。Alzheimer型認知症は、緩徐進行性の疾患であり、現在対症療法として、認知機能低下の進行を抑制する薬物療法が行われている。ちなみに、根本療法(原因療法)とは、病気の原因を取り除いて治す治療法である。
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問題文正答率:33.33%
50
統合失調症の家族心理教育において適切なのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1.× 家族を精神疾患の原因ととらえるのではなく、「家族が疾病を理解することによって患者への対処能力を高め、患者の症状の安定化や改善を図ろうとする」ものである。
2.× 精神分析理論は、自由連想法により無意識のうちに抑圧されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせる方法である。神経症性障害に対する精神療法として用いられるものである。家族心理教育とは異なる。
3~4.〇 正しい。家族の対処能力が向上することを目指す/再発防止効果についての科学的根拠がある。患者の症状悪化や再発を防止する科学的根拠に基づく効果が認められている。
5.× EE< expressed emotion >を「高める」のではなく、抑える指導を行う。EE< expressed emotion >とは、感情表出のことである。患者と接するときに家族に生じた主に否定的な感情を家族がありのままに表すことをいう。感情表出の強い家族のもとでは患者の症状は悪化しやすいとされ、家族心理教育では感情表出を抑えるような指導教育が行われる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3968🔗
問題文正答率:66.67%
51
大脳基底核に分類されるのはどれか。
解説・コメント
大脳基底核は、大脳髄質内の神経核群で灰白質の部分をいう。尾状核、被殻、淡蒼球、視床下部、黒質などからなり骨格筋の不随意運動に関与する。よって、選択肢3.被殻が正しい。
1.× 視床は、間脳に分類される。
2.× 上丘は、中脳の一部である。
4.× 下垂体は、視床下部の下方に位置する。
5.× 歯状核は、小脳核の一つである
https://ja.mondder.com/fq?id=3969🔗
問題文正答率:33.33%
52
外胚葉から発生するのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。乳腺・松果体は外胚葉由来である。
2.× 卵巣は中胚葉由来である。
3.× 甲状腺は内胚葉由来である。
5.× 上皮小体は内胚葉由来である。
外胚葉:神経(脳・脊髄)・表皮(毛・爪)・感覚器(視・聴覚)
中胚葉:骨格(軟骨)・筋・循環器系(心臓・血管・リンパ)・泌尿生殖器(腎臓・精巣・子宮・卵巣)
内胚葉:消化器(胃・腸)・呼吸器(気管・肺)・尿路系(膀胱・尿道)
https://ja.mondder.com/fq?id=3970🔗
問題文正答率:33.33%
53
中間楔状骨に接するのはどれか。
解説・コメント
https://ja.mondder.com/fq?id=3971🔗
問題文正答率:33.33%
54
筋皮神経支配の筋はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 肘筋は橈骨神経支配である。
2.× 棘下筋は肩甲上神経支配である。
3.× 三角筋は腋窩神経支配である。
4.5〇 正しい。鳥口腕筋・上腕二頭筋は筋皮神経支配である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3972🔗
問題文正答率:33.33%
55
冠状動脈で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 大動脈弁の「心室側から」ではなく心房側から出る。冠状動脈は、大動脈起始部の膨大部から右冠状動脈と左冠状動脈として分岐する。
2.× 左右の冠状動脈は吻合していることが多い。動脈は木のように1本の幹から複数の枝が出ているものばかりではなく、1本の幹から枝分かれした細い枝が、隣接する他の幹からの分枝と連結していることが多い。これを「吻合」と呼ぶ。一般には、冠状動脈は終動脈(吻合を持たない:側副循環がない)といわれている。
3.× 左冠動脈の前下行枝は、心室中隔、心臓の前壁、心尖部に栄養分を供給している。左冠動脈の回旋枝は、心臓の左側壁、左後壁に栄養分を供給している。ちなみに、右冠動脈は洞房結節、房室結節、右心室、心臓の後壁および下壁に栄養分を供給している。
4.× 右冠状動脈の主な枝は、右外側枝と後室間枝である。前下降枝と回旋枝に分かれるのは左冠状動脈である。
5.〇 正しい。左冠状動脈(左前下行枝)は、心室中隔前方2/3に血液を送る。
https://ja.mondder.com/fq?id=3973🔗
問題文正答率:33.33%
56
動脈と触知可能な部位との組合せで誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。上腕動脈は、上腕二頭筋後内側縁で触知する。
2.〇 正しい。橈骨動脈は、前腕掌側面の外側遠位部で触知する。
3.〇 正しい。大腿動脈は、Scarpa三角(大腿三角)内で触知する。
4.〇 正しい。足背動脈は、足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触知する。
5.× 後脛骨動脈は、「外果後方」ではなく内果後方で触知する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3974🔗
問題文正答率:33.33%
57
胃について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 幽門は十二指腸に連なり、食道に連なるのは噴門である。
2.× 胃切痕は、「大弯側」ではなく小弯側にある。
3.× 胃体の下端部を「胃底」ではなく前庭部という。胃底とは胃の上方にある。
4.× 噴門は第11胸椎や第7肋骨の位置に、第一腰椎の高さにあるのは幽門である。
5.〇 正しい。胃の大弯は、大網を介して横行結腸と結合する。胃の小弯は小網を介して肝臓と結合する。このように間膜を2種類有するのは胃のみである。
https://ja.mondder.com/fq?id=3975🔗
問題文正答率:66.67%
58
泌尿器について正しいのはどれか。
解説・コメント
膀胱は、①上部の膀胱尖、②下部の膀胱底、③中間部の膀胱体に区別されている。
1.× 尿管口は膀胱底部に開口する。膀胱尖は膀胱頂部に位置する。
2.× 尿管内部には逆流防止弁は存在しない。尿管は膀胱壁を斜めに貫くが、この構造が便の働きをし、膀胱内の尿が尿管に逆流するのを防いでいる。
3.× 男性の尿道は女性に比べて、「短い」のではなく長い。男性は約20cm、女性は約3cmである。
4.〇 正しい。男性の尿道は前立腺を貫いている。そのため、男性は加齢などにより前立腺が肥大すると尿道がふさがり尿閉となる。
5.× 左右の尿管口と内尿道口の3点を結んだものが膀胱三角と呼ばれている。そのため、内尿道口は膀胱三角の各点であり、中央に開くことはない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3976🔗
問題文正答率:33.33%
59
内耳に含まれるのはどれか。
解説・コメント
内耳は大きく蝸牛、前庭、三半規管の3つの部分に分けられる。
1.× 鼓室は、中耳である。
2.× 耳管は、中耳である。時間の役割は、上咽頭と中耳とを連絡して中耳内の圧を調節する。
3.× キヌタ骨・アブミ骨筋は中耳である。
4.〇 正しい。膜半規管は内耳である。膜半規管とは、半規管の外側は骨でできており(骨半規管)、そのすぐ内側に膜がある。その膜の事である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3977🔗
問題文正答率:33.33%
60
Scarpa 三角の内で触知できる筋はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
https://ja.mondder.com/fq?id=3978🔗
問題文正答率:33.33%
61
細胞について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.2〇 正しい。細胞膜は二重膜で、主にリン脂質から構成される。
3.〇 正しい。ミトコンドリアではATP生成を行っている。肝細胞1個の細胞質内に700~900個前後存在し、TCAサイクルによるエネルギー(ATP)産生を行う。半減期は10~11日である。
4.× リボソームは、蛋白質と、「DNA」ではなくRNAから構成されている。リボソームは、RNAと特殊なたんぱく質を含む直径15~20nmのダルマ型の顆粒で、遺伝情報をもとにタンパク質を合成する場所である。そのため、粗面小胞体ではタンパク質の合成が営まれる。
5.〇 正しい。Na+-K+ポンプにより細胞内のNa+は低く保たれる。細胞外のNa+は高く保たれている。
https://ja.mondder.com/fq?id=3979🔗
問題文正答率:33.33%
62
神経筋接合部における神経伝達物質はどれか。
解説・コメント
神経と筋肉の接続部を神経筋接合部という。神経筋接合部では、神経線維の末端が、運動神経終板と呼ばれる筋膜上の特殊な部位とつながっている。神経信号を伝えるため、神経はアセチルコリンという化学物質(神経伝達物質)を神経筋接合部に放出します。よって、選択肢2.アセチルコリンが正しい。
1.× ノルアドレナリンは、交感神経節に続く節後線維から情報伝達物質として放出されたり、副腎髄質からホルモンとして放出される物質である。
3.× アドレナリンは、副腎髄質より分泌されるホルモンであり、また、神経節や脳神経系における神経伝達物質でもある。
4.× セロトニンは、視床下部にセロトニン神経からの投射がある。生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などに関与する。
5.× ドパミンは、中脳黒質から線条体に投射している中枢神経系に存在する神経伝達物質である。アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。
https://ja.mondder.com/fq?id=3980🔗
問題文正答率:33.33%
63
Brodmann により決定された皮質領野で一次運動野に相当するのはどれか
解説・コメント
1.× 1野は、一時感覚野(中心後回)に相当する。
2.〇 正しい。4野は、一次運動野(中心前回)に相当する。
3.× 17野は、一次視覚野に相当する。
4.× 22野は、感覚性言語中枢(ウェルニッケ中枢)に相当する。
5.× 44野は、運動言語中枢(ブローカー中枢)に相当する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3981🔗
問題文正答率:33.33%
64
筋紡錘の感覚神経線維で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。Ia群求心性線維(Aα)は、筋紡錘を支配している。筋が伸張したことを伝える。
2.× lb群求心性線維(Aα)は、腱器官を支配している。腱が伸張したことを伝える。
3.〇 正しい。II群求心性線維(Aγ)は、筋紡錘を支配している。筋が伸張したことを伝える。
4.× α運動線維(Aα)は、錘外筋線維を支配する。収縮命令を伝える。
5.× γ運動線維(Aγ)は、錘内筋線維を支配する。筋紡錘の感度を調節する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3982🔗
問題文正答率:33.33%
65
心室収縮期に生じているのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 三尖弁は、「開放」せず、閉鎖している。三尖弁開放するのは拡張期である。
2.〇 正しい。僧帽弁閉鎖する。
3.× 大動脈弁は、「閉鎖」せず、開放している。大動脈弁閉鎖するのは拡張期である。
4.× 肺動脈圧は、「低下」せず、上昇する。肺動脈圧低下するのは拡張期である。
5.〇 正しい。肺動脈弁開放する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3983🔗
問題文正答率:33.33%
66
脳神経とその働きの組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 顔面神経は、表情筋を動かす。軟口蓋の挙上は舌咽神経と迷走神経である。
2.〇 正しい。三叉神経は、下顎の運動(咀嚼運動)を行う。
3.× 舌咽神経は、咽頭筋を支配している。舌の運動は舌下神経である。
4.× 舌下神経は、舌の運動を行う。唾液分泌は顔面神経(顎下腺、舌下腺)や舌咽神経(耳下腺)である。
5.× 迷走神経は、咽頭や喉頭部の筋を支配する。口唇閉鎖は顔面神経である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3984🔗
問題文正答率:33.33%
67
排尿に関与する神経で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 脳における排尿中枢は、「延髄」ではなく橋にある。大脳皮質(前頭葉)にて排尿の意思を生じると橋排尿中枢に対する抑制が解除される。
2.× 外尿道括約筋は、「下腹神経支配」ではなく陰部神経(体性神経)である。
3.× 内尿道括約筋は、「陰部神経支配」ではなく、排尿時は骨盤神経(副交感神経)・随意的に尿を止めるときは下腹神経(交感神経)である。
4.〇 正しい。交感神経路の興奮は、膀胱を弛緩(尿閉)させる。
5.× 副交感神経路は、「第11胸髄~第2腰髄レベルから」ではなく、骨盤神経(S2~4レベル)で生じる。第11胸髄~第2腰髄レベルから生じるのは交感神経である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3985🔗
問題文正答率:33.33%
68
男性生殖器系で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 勃起中枢は、「腰髄」ではなく仙髄(S2~4)にある。
2.× 陰茎海綿体神経は、「動脈収縮作用」ではなく静脈収縮作用をもつ。陰茎海綿体神経は、陰茎の勃起組織を支配する神経である。勃起時には、動脈を弛緩、勃起組織に血液を流入させ、それと同時に静脈を収縮させることで、血液の逃げ道をなくし、勃起を起こす。
3.× 射精は、「副交感神経」ではなく交感神経(下腹神経)の作用を介して起きる。勃起は副交感神経の作用を介して起こる。陰部の刺激が陰部神経を介して、射精中枢を興奮させ、それが一定のレベルを超えると射精中枢から交感神経(下腹神経)に刺激が伝わる。
4.〇 正しい。性的刺激による勃起には辺縁系が関与する。性的刺激は大脳を経て、辺縁系の一部である視床下部で処理され、勃起中枢へ興奮が伝わる。
5.× 射精後の精子は女性の膣内で、「1週間程度」ではなく48~72時間生存する。なぜなら、女性の膣内は酸性に保たれているため。精子は酸性の環境に弱く、腟内の精子は射精後約30分で急速に運動性が失われ、受精能力がなくなる。精子自体、膣内でなければ1週間程度生存する。
https://ja.mondder.com/fq?id=3986🔗
問題文正答率:33.33%
69
嫌気的代謝の過程で生成される物質はどれか。
解説・コメント
1.× アミノ酸は、タンパク質から生成される。アミノ酸は、結合してペプチドとなり、さらに高次構造(タンパク質の高次構造)が構成される。その働きは、触媒、酵素など他の分子の輸送や貯蔵、物理的支持や免疫防御、運動の発生、神経インパルスの伝達、細胞の増殖や分化の制御と、実にさまざまである。
2.3.5.× クエン酸/フマル酸/イソクエン酸はクエン酸回路(好気的代謝)である。他には、オキサロ酢酸・α-ケトグルタル酸・サクシニルCoA・コハク酸・リンゴ酸がある。
4.〇 正しい。ピルビン酸が嫌気的代謝の過程で生成される。解糖系とは、生体内に存在する生化学反応経路の名称であり、グルコースをピルビン酸などの有機酸に分解し、グルコースに含まれる高い結合エネルギーを生物が使いやすい形に変換していくための代謝過程である。グルコースから生じたピルビン酸は、還元され最終産物として乳酸になる。このグルコースから乳酸への変換経路は、酸素の関与なしに起こりうるので、嫌気的代謝(解糖)と呼ばれる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3987🔗
問題文正答率:66.67%
70
前腕回内の作用をもつのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 上腕筋は、肘関節屈曲のみに働く。
2.〇 正しい。腕橈骨筋は、肘関節屈曲・回内での回外・回外位での回内に働く。
3.× 上腕二頭筋は、肘関節屈曲、回外に働く。
4.× 上腕三頭筋は、肘関節伸展・肩関節伸展に働く。
5.〇 正しい。橈側手根屈筋は、手関節掌屈・橈屈、前腕回内に働く。
https://ja.mondder.com/fq?id=3988🔗
問題文正答率:33.33%
71
筋と足への作用との組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。足の長母指伸筋は、足関節背屈の他にも母趾の伸展に働く。
2.〇 正しい。後脛骨筋は、足関節内がえしの他にも足関節底屈に働く。
3.× 前脛骨筋は、「足関節外がえし」ではなく足関節背屈・内返しに働く。
4.× 第三腓骨筋は、「足関節底屈」ではなく足関節背屈・外返しに働く。
5.× 長腓骨筋は、「足関節背屈」ではなく足関節底屈・外返しに働く。
https://ja.mondder.com/fq?id=3989🔗
問題文正答率:33.33%
72
股関節伸展、内転、内旋および膝関節屈曲に作用する筋はどれか
解説・コメント
1.× 大腿筋膜張筋は、股関節屈曲・内旋・外転、膝関節伸展に働く。
2.× 大腿二頭筋は、股関節伸展・外旋、膝関節屈曲に働く。
3.× 中間広筋は、膝関節伸展に働く。
4.〇 正しい。半腱様筋は、股関節伸展・内転・内旋および膝関節屈曲に作用する
5.× 縫工筋は、股関節屈曲・外転・外旋、膝関節屈曲・内旋に働く。
https://ja.mondder.com/fq?id=3990🔗
問題文正答率:66.67%
73
努力吸気時に働く筋はどれか。
解説・コメント
努力呼吸時には、吸気には胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋が、呼気には内肋間筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋といった呼吸補助筋が補助的に用いられる。
1~4.× 腹横筋・腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋は努力呼気の補助筋として働く。
5.〇 正しい。胸鎖乳突筋は努力吸気時に働く。
https://ja.mondder.com/fq?id=3991🔗
問題文正答率:33.33%
74
反射マーカを用いた三次元歩行分析装置で評価が最も困難なのはどれか
解説・コメント
三次元歩行分析装置とは、反射マーカーと呼ばれる目印を身体に貼り付けて、これに赤外線を反射させ、それをいくつもの特殊なカメラで捉えることにより、三次元の位置を割り出すというもの。三次元動作解析は全身の動きを捉え、全身の中でその部位がどのように動いているかを分析することが可能である。
歩幅・歩行率・重心の変化・関節角度変化は、三次元動作解析にて測定できる。ちなみに、歩幅とは、一側の踵が接地してから他側の踵が接地するまでの距離を示す。
よって、答えは4.×であり。
足底圧分布は困難であり、足底圧測定器を用いて行う。
https://ja.mondder.com/fq?id=3992🔗
問題文正答率:66.67%
75
尿検査項目とその検査結果が高値となる疾患との組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1.× ケトン体の高値は、糖尿病・飢餓状態・内分泌疾患・妊娠などを疑う。ちなみに、膵炎は、血清アミラーゼが高値になることが多い。
2.× ビリルビンは、閉塞性黄疸・肝硬変などを疑う。ちなみに、糖尿病は、ケトン体や血糖が高値になることが多い。
3.× アルブミン(尿中タンパク質の一種)は、腎疾患・尿路疾患・脱水症状などを疑う。
4.× ヘモグロビンは、赤血球増多症(多血症)を疑う。ちなみに、心筋梗塞は、クレアチンキナーゼ (CK) が高値になることが多い。
5.〇 正しい。ミオグロビンは、横紋筋融解症で高値になる。横紋筋融解症は、特に骨格筋に見られ、骨格筋を構成する筋細胞が融解・壊死することで、筋肉痛や脱力を生じる病態である。他にも、クレアチンキナーゼ (CK) が高値になることが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=3993🔗
問題文正答率:66.67%
76
悪性腫瘍細胞の特徴で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1~3.5.〇 悪性腫瘍の特徴(増殖が速い。核分裂が多い。染色体異常が多い。未分化型は悪性度が高い。)として正しい。
4.× 核/細胞質比が小さいのは良性腫瘍の特徴である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3994🔗
問題文正答率:33.33%
77
ステロイド薬の長期投与によって生じやすいのはどれか。
解説・コメント
ステロイドの副作用
【ステロイドの機序】
ステロイドは細胞の中に入った後にグルココルチコイド受容体に結合する。ステロイドの結合したグルココルチコイド受容体は、細胞の核内へ移行し、炎症に関与する遺伝子の発現を調節すると言われている。 この結果として強力な抗炎症作用と免疫抑制作用が発揮される。
【ステロイドの副作用】
軽度:中心性肥満、体重増加、満月様顔貌
重度:消化管潰瘍、糖尿病、感染症、骨粗鬆症・骨壊死、筋炎、精神症状(抑うつ、せん妄)
ステロイドを長期的に内服した場合、体内でステロイドホルモンが分泌されなくなることがある。そのため、急に薬の内服を止めると体内のステロイドホルモンが不足し、倦怠感や血圧低下、吐き気、低血糖などの症状が起こることがある。これをステロイド離脱症候群という。よって、選択肢3.骨粗鬆症が正しい。
1.× 「腎不全」ではなく副腎不全を引き起こす。
2.× 「低血圧」ではなく高血圧を引き起こす。
4.× 「体重減少」ではなく体重増加を引き起こす。
5.× 「高カリウム血症」ではなく低カリウム血症を引き起こす。
https://ja.mondder.com/fq?id=3995🔗
問題文正答率:33.33%
78
良性の骨軟部腫瘍はどれか。
解説・コメント
骨軟部腫瘍とは、骨および軟部組織(筋肉、脂肪、神経、血管など)にできる腫瘍のことをいう。
1~2.× 脊索腫(せきさくしゅ)や軟骨肉腫は、頭蓋底腫瘍の中でも最も治療が困難な病気と言われている。頭蓋骨の深部である斜台という骨から発生し、神経や血管を巻き込み、周辺の骨を破壊しながら増大する。最低限、「肉腫=悪性」は覚えておく。
3.× 血管内皮腫は、血管肉腫と血管腫の中間の悪性度を示し、比較的予後不良の悪性腫瘍である。
4.〇 正しい。海綿状血管腫は、発生頻度は人口の0.5~0.7%に見られ、脳動静脈奇形についで多い血管奇形である。 男女差はなく、20~40歳代に発症することが多い病気である。先天性に血管が変形(奇形)した状態のことをいい、悪性化したり大きくなることはない。皮膚・脳・肝・軟部組織などにみられる。
5.× 多発性骨髄腫は、形質細胞(骨髄細胞)のがんで、異常な形質細胞が骨髄や、ときには他の部位で、制御を失った状態で増殖する病気である。50歳以降、特に60歳以上の男性に多い。
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問題文正答率:66.67%
79
転移・逆転移で適切なのはどれか。
解説・コメント
転移と逆転移は、精神分析療法の上で重要な概念である。転移とは、患者が今までの生活史における重要人物(親、学校の先生)に示してきた感情や態度を治療者に向けることを言い、一方、逆転移とは治療者が患者に向けることである。
1.× 陰性転移の解釈は避けるのは、適切ではない。陽性転移は、信頼、愛情、感謝、尊敬などで、陰性転移は、不信、恨み、敵意、攻撃性などをいう。陽性・陰性いずれも、解釈・分析することで患者の葛藤を知る手掛かりとなる。
2.〇 正しい。転移は、逆転移を誘発する。
3.× 逆転移は治療者が患者に向ける感情や態度のことであり、治療者が逆転移を認識した場合、治療者自身で解決するか、別の治療者に相談などして解決する。治療の阻害因子にはならない。
4.× 逆転移は治療者の「意識的反応」ではなく無意識的反応である。これに関して、精神科医のユングは、個人の無意識のさらに下に、人類に共通する「集合的無意識」があることを提唱した。
5.× 心理治療の目標は、主に「臨床心理学的方法を用いて、心理的な問題の克服や困難の軽減にむけて支援」であるため、単に陽性転移の出現ではない。陽性転移は治療の継続のためには有効であるが、これを出現させることが治療の目的ではない。
https://ja.mondder.com/fq?id=3997🔗
問題文正答率:66.67%
80
Erikson による成人中期の心理的発達課題はどれか。
解説・コメント
よって、選択肢4.生殖性が正しい。
1.× 勤勉性は、児童期・学童期である。
2.× 同一性は、青年期である。
3.× 親密性は、前成人期である。
5.× 自我の統合は、老年期である。
https://ja.mondder.com/fq?id=3998🔗
問題文正答率:66.67%
81
心理検査と評価内容の組合せとして適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× SCT(sentence completion technique:文章完成法)は、投影法の心理検査(性格検査の1つ)である。不完全な文章を完成させてもらうことで、人格を検査する。
2.× WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類課題)は、前頭葉認知度試験である。4つの色と形が描かれた4枚のカードがあらかじめ並べられていて、被験者が手元にあるカードを分類カテゴリーに従って順次並べていくものである。
3.× P-Fスタディ(Picture Frustration Study:絵画欲求不満テスト)は、心理検査(性格特性を把握する検査)である。欲求不満の場面の柄を24枚見せて応答する場面を想定して文章を書いてもらう。
4.× Rorschach テスト(ロールシャッハテスト)は、投影法の性格検査である。10枚の図版(インクのシミ)を被験者に見せて、どのように見えるか答えさせ、そこから患者の知的側面と人格面を調べる。
5.〇 正しい。内田・クレペリン精神テストは、性格検査・職業適性検査の一種である。被験者に一定時間計算させ続けることで、作業量・集中力・注意力などの作業能力と、性格傾向を知ることができる。
https://ja.mondder.com/fq?id=3999🔗
問題文正答率:66.67%
82
切断後の幻肢で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
幻肢とは体の一部(通常は手や足)が切断されたにもかかわらず、そこに感覚や痛みを感じるものである。先天性切断とは、一時的な子宮内成長阻害、または二次的な正常胚組織の子宮内破壊により四肢が欠損した状態のことである。
1.× 一般に知覚形成が未熟な小児には、幻肢が少ないといわれている。4~6歳以下の後天性切断でも、大脳の体性感覚野の形成が不十分であるため幻視は認められないことが多い。
2.〇 正しい。四肢末梢部ほど明確に感じ、強く現れる。
3.× 幻肢は徐々に短くなり消失することが多い。
4.〇 正しい。術直後義肢装着法には予防効果がある。視覚的イメージや断端感覚の熟成で効果がある。
5.× 逆である。下肢より上肢の方が起こりやすい。なぜなら、大脳体性感覚野の領域が大きいため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4000🔗
問題文正答率:66.67%
83
Brown-Séquard 症候群で損傷髄節よりも下位の反対側に現れる症状はどれか。2つ選べ。
解説・コメント
Brown-Sequard 症候群(ブラウン・セカール症候群:脊髄半側症候群)は、損傷髄節よりも下位の反対側に温痛覚障害が生じ、同側に触覚の低下・痙性麻痺・深部感覚障害が生じる。よって、選択肢3.4.痛覚障害・温度覚障害が正しい。
1~2.5.× 運動麻痺、触覚障害、深部覚障害は、損傷髄節よりも下位の同側に見られる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4001🔗
問題文正答率:66.67%
84
脊髄損傷で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 受傷直後は、「尿失禁」ではなく尿閉状態となりやすい(脊髄損傷のショック期に見られる症状)。なぜなら、膀胱は弛緩し、完全に排尿不可能となるため。
2.× 排尿筋括約筋協調不全は生じる。なぜなら、慢性期になると、膀胱と尿道括約筋が強調した動きがうまくいかないため残尿が多量に生じる状態となる。
3.× 残尿が150mLでは導尿は必要である。残尿100ml以上は異常で間欠導尿が必要と判断することが多い。
4.× 核型・核下型膀胱(弛緩性膀胱)とは、膀胱筋は収縮する能力を失い、弛緩しやすくなるため、尿が多量に膀胱にたまりがちになる状態のこと。筋肉が収縮できないので、膀胱が過膨張した(たまりすぎた)結果として、尿が膀胱から出てくる。尿は水がいっぱい入りすぎたグラスのようにあふれてこぼれる。この膀胱のタイプは、仙髄レベルか馬尾損傷の脊髄損傷で一般的にある。膀胱が充満する感覚は障害されている。そのため、核・核下型神経因性膀胱であれば、尿道カテーテルを長期留置に行うことはなく、清潔間欠自己導尿や投薬、排尿の時に膀胱の収縮力を上げる治療、電気刺激により排尿を誘発する方法などを行う。
5.〇 正しい。核上型膀胱(反射型または痙性膀胱)とは、受傷前の膀胱のためられる尿量が少なくなる傾向になる状態である。ちょうど他の筋肉に痙性が出現し、独自で収縮するのと同様に、膀胱の筋肉にも痙性が起こり得る。その結果、排尿は頻回で少量になる。この膀胱のタイプは、仙髄レベルより上位の受傷では一般的になる。そのため、核上型神経因性膀胱であればトリガーポイントの叩打による反射性排尿を試みる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4002🔗
問題文正答率:33.33%
85
診断において MRI 拡散強調像が最も有用なのはどれか。
解説・コメント
1~2.4~5× CTの原理はレントゲンに近いもので、石灰化やヘム鉄を含んでいる出血病変の検索には適している。また撮影時間が短いのも特徴の一つである。よって、頭蓋底骨折・脳室内出血・脳出血急性期・くも膜下出血急性期はCTの方が適している。
3.〇 正しい。MRI拡散強調像とは、MRI検査で癌や急性期脳梗塞などを高信号で写し出す撮像法である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4003🔗
問題文正答率:33.33%
86
肩腱板断裂で陽性となるのはどれか。
解説・コメント
1.× Adson(アドソン)テストの陽性は、胸郭出口症候群を疑う。方法は、両手を膝に置き、頚椎を伸展し、患側へ回旋を加え、深吸気位で息を止めさせたときに、橈骨動脈の脈拍をみる。橈骨動脈が減弱もしくは消失すれば陽性である。
2.〇 正しい。drop arm(ドロップアーム)テストの陽性は、肩腱板断裂を疑う。方法は、座位で被験者の肩関節を90°より大きく外転させ、検者は手を離す。
3.× Finkelsteinテスト(フィンケルシュタインテスト)の陽性は、狭窄性腱鞘炎を疑う。方法は、母指を中に入れて手を握り手関節の尺屈を強制させる。
4.× Phalen(ファレン)テストの陽性は、手根管症候群を疑う。方法は、手関節の掌屈位保持を1分間持続する。
5.× Thomsen(トムセン)テストの陽性は、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)を疑う。方法は、握りこぶしにして手関節を背屈させ、検者が掌屈させようとする。
https://ja.mondder.com/fq?id=4004🔗
問題文正答率:66.67%
87
疾患と頻度の多い症候との組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 羽ばたき振戦は、「Alzheimer型認知症」ではなく、主に肝性脳症でみられる。羽ばたき振戦とは、手関節を背屈させたまま手指と上肢を伸展させ、その姿勢を保持するように指示すると、「手関節及び中指関節が急激に掌屈し、同時に、元の位置に戻そうとして背屈する運動」が認められる。手関節や手指が速くゆれ、羽ばたいているようにみえるので、このように呼ばれる。
2.× 線維束性収縮は、「Huntington病」ではなく、主に筋萎縮性側索硬化症(ALS)でみられる。線維束性収縮とは、運動神経や脊髄の運動神経細胞(脊髄前角細胞)に障害が起きた時に筋肉が細かくぴくぴくと小さなけいれんのような動きを生じることである。
3.× 舞踏運動は、「多発性硬化症」ではなく、中枢神経の異常(錐体外路障害が原因)によって起こる不随意運動の一つである。手をチョコチョコと動かしたりすることが多い。代表疾患としては脳性麻痺、ハンチントン舞踏病(Huntington病)がある。
4.× 静止時振戦(安静時振戦)は、「筋萎縮性側索硬化症」ではなく、主にパーキンソン病でみられる。静止時振戦(安静時振戦)とは、身体を安静にしているときに起こるふるえである。寝ていたり立っていたり、椅子に座っていたりという日常的にくつろいでいるときに出現する。ふるえている手や足を意図的に動かすとふるえが少なくなる特徴がある。
5.〇 正しい。多系統萎縮症は、起立性低血圧が起こり得やすい疾患である。多系統萎縮症とは、神経系の複数の系統(小脳、大脳基底核、自律神経など)がおかされる疾患で、3つのタイプがある。小脳や脳幹が萎縮し、歩行時にふらついたり呂律がまわらなくなる小脳失調型、大脳基底核が主に障害され、パーキンソン病と同じような動作緩慢、歩行障害を呈する大脳基底核型、もうひとつは自律神経が主に障害され起立性低血圧や発汗障害、性機能障害などがみられる自律神経型である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4005🔗
問題文正答率:66.67%
88
視神経脊髄炎で正しいのはどれか。
解説・コメント
視神経脊髄炎とは、神経の中でも主に視神経と脊髄を繰り返し障害する病気のことである。以前は多発性硬化症の一部と考えられているほど症状の特徴が似ている。血液中のアクアポリン4抗体が病気の原因と考えられていて、主に女性に発症することが多い。しつこいしゃっくりや吐き気などが病気の始まりだとされており、症状は視神経や脊髄の炎症が何度も出現する。よって、選択肢1.再発と寛解を繰り返す。が正しい。視神経脊髄炎は、視神経炎による急性の視野障害(両耳側半盲や水平性半盲)、急性横断性脊髄炎(対麻痺、分節性感覚脱失、膀胱直腸障害、自律神経障害など)が起こる。
2.× レム睡眠行動異常を生じるのは、主にレビー小体型認知症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症である。レム睡眠行動異常とは、レム睡眠における筋トーヌスの抑制が起こらないため、夢の内容に従った異常行動が出現する。
3.× 免疫不全状態で罹患しやすいのは、主に感染症(特にウイルスや日和見〈ひよりみ〉感染)、自己免疫疾患、悪性腫瘍などである。
4.× JCウイルス(ポリオーマウイルス科ベータポリオーマウイルス属に分類されるエンベロープを持たないDNAウイルス)感染により発症するのは、進行性多巣性白質脳症である。
5.× 抗コリンエステラーゼ薬で症状が改善するのは、主に重症筋無力症である。抗コリンエステラーゼ薬とは、アセチルコリンの分解を阻害し、認知機能の低下を抑制する薬である。したがって、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症でも使用される。
https://ja.mondder.com/fq?id=4006🔗
問題文正答率:33.33%
89
筋強直性ジストロフィーで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 5歳までに発症するのは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーである。ちなみに、筋強直性ジストロフィーは15~40歳での発症が多い。
2.× 伴性劣性遺伝であるのは、デュシェンヌ型とベッカー型筋ジストロフィーである。ちなみに、筋強直性ジストロフィーは常染色体優性遺伝の疾患である。
3.× 顔面筋は侵されにくいのは、ベッカー型と肢帯型筋ジストロフィーである。ちなみに、筋強直性ジストロフィーは、顔面筋の萎縮による斧様顔貌が特徴である。
4.〇 正しい。筋強直性ジストロフィーは、ミオトニアがみられる。
5.× 筋強直性ジストロフィーは、認知機能は障害される。他にも福山型も発症する。時にデュシェンヌ型も発症する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4007🔗
問題文正答率:33.33%
90
心室中隔欠損症で正しいのはどれか。
解説・コメント
心室中隔欠損とは、 左室と右室とを分けているのが、心室中隔と呼ばれる部分で、そこに穴があいている病気である。 先天性心疾患のなかで、もっとも多い病気で、日本では先天性心疾患の約6割を占めるといわれている。穴を通して左心室から右心室、肺動脈へ動脈血の一部が流れ込む。穴が小さければ無症状のことが多いですが、中程度に大きければ息切れ、疲れやすさなど、大きな穴が開いているならば多呼吸、哺乳困難、体重増加不良、発汗などの症状を呈します。
1.× チアノーゼを生じる。チアノーゼとは、皮膚や粘膜が青紫色である状態をいう。 一般に、血液中の酸素濃度が低下した際に、爪床や口唇周囲に表れやすい。
2~3.× 動脈管は、ボタロー管ともいう。動脈管(ボタロー管)は、胎児期において肺動脈と大動脈とを繋ぐ血管であり、胎児循環において静脈管(胎盤からの静脈血を大静脈に送り込む静脈)、卵円孔とともに重要な役割を果たす。動脈管が開存しておらず、卵円孔の閉鎖不全でない。ちなみに、動脈管が開存しているのは動脈管開存症であり、また卵円孔の閉鎖不全は心房中隔欠損症である。
4〇 正しい。肺血流量は正常時よりも多くなる。なぜなら、収縮期に左室から右室へ動脈血が流入するため。
5.× 大動脈から肺動脈に直接血液が流れない。上記にも述べたが、心室中隔欠損は、穴を通して左心室から右心室、肺動脈へ動脈血の一部が流れ込む状態である。ちなみに、大動脈から肺動脈に直接血液が流れるものは、動脈管開存症である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4008🔗
問題文正答率:33.33%
91
β遮断薬服用中患者の運動負荷量決定に最も適している指標はどれか
解説・コメント
β遮断薬についての説明をする。通常、慢性心不全の方は心機能が低下しているため、交感神経が活発化している。しかし、長期間このような状態が続くと、心不全はだんだんと悪化していく。β遮断薬は、この神経の働きを抑えることで、無理をしている心臓の動きを少し休める作用がある。長期的に服用することで心不全の悪化を防ぐ薬である。つまり、β遮断薬は「心拍数の低下作用」がある。
1.× PCI(Physiological cost index:生理的コスト指数)は、運動前の安静時心拍数と最適負荷での運動時の心拍数を速度または頻度で除したもので、値が小さいほど運動効率が良いとされる簡易的な運動耐久性指標であり、成人の歩行においては0.1~0.3beat/meterが標準値とされている。β遮断薬は、運動時の脈拍の上昇を抑えるため不適切である。
2.〇 Borg指数(ボルグ指数:)は、主観的運動強度、自覚的運動強度(RPE:rating of perceived exertion)とも呼ばれる。下の図のようにc)自覚的運動強度が使われている。β遮断薬服用中患者の注意点として、発熱、のどの痛み、全身倦怠感、皮膚や白目が黄色くなる、食欲不振、発熱や体のだるさが起きやすくなる場合もある。Borg指数(ボルグ指数)は、自覚的な症状も対応できるため、運動負荷量決定に最も適している指標といえる。
3.× Karvonen法(カルボーネン法)は、年齢や安静時心拍数から運動強度を算出するときに使用される。Karvonen法(カルボーネン法)は「(220-年齢)-安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数」で求めることができる。デメリットとして心拍数の変化でしか対象者を見ておらず、そのほかの症状に対処しきれないことである。
4.× 安静時心拍数は、安静にしているときの心拍数のことである。下の図のようにb)Karvonen法が使用されている。
5.× 最大予測心拍数は、「最大心拍数=220-年齢」で一般的に求めることができます。高齢者の場合は、「最大心拍数=207-(年齢×0.7)」の式を用いる方法もある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4009🔗
問題文正答率:66.67%
92
血友病の臨床症状で最も多いのはどれか。
解説・コメント
血友病は、深部組織(関節内、筋肉内)への出血が反復し、これにより疼痛、関節拘縮、変形などをきたすため、リハビリテーションの対象疾患となる。
1.〇 正しい。関節内出血を呈す。凝固因子の欠損または凝固因子の活性低下が原因である。
2~5.× 血小板数減少・出血時間延長・毛細血管拡張・リンパ節腫脹の症状は起こらない。
https://ja.mondder.com/fq?id=4010🔗
問題文正答率:33.33%
93
多発性骨髄腫に特徴的でないのはどれか。
解説・コメント
多発性骨髄腫とは、多発性骨髄腫は形質細胞がクローン性に増殖するリンパ系腫瘍である。増殖した形質細胞やそこから分泌される単クローン性免疫グロブリンが骨病変、腎機能障害、M蛋白血症などさまざまな病態や症状を引き起こす。多発性骨髄腫の発症年齢は65~70歳がピークで男性が女性より多く約60%を占める。腫瘍の増大、感染症の合併、腎不全、出血、急性白血病化などで死に至る。
主な症状として、頭痛、眼症状の他に①骨組織融解による症状(腰痛・背部痛・圧迫骨折・病的骨折・脊髄圧迫症状・高カルシウム血症など)や②造血抑制、M蛋白増加による症状(貧血・息切れ・動悸・腎機能障害)、易感染性(免疫グロブリン減少)、発熱(白血球減少)、出血傾向(血小板減少)などである。
よって、選択肢1~4.貧血・腎障害・易感染性・病的骨折は、多発性骨髄腫に特徴的な症状である。
5.× 低カルシウム血症は、多発性骨髄腫に特徴的な症状でない。多発性骨髄腫では、骨破壊による高カルシウム血症が起こる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4011🔗
問題文正答率:66.67%
94
2型糖尿病患者における運動療法の効果で誤っているのはどれか
解説・コメント
1.× インスリン抵抗性の「増大」ではなく、インスリン感受性を改善(抵抗性の改善)する効果がある。インスリン抵抗性の増大は、2型糖尿病の病態の悪化を示している。
2~5.〇 正しい。運動療法の効果として、血圧低下(血管内皮機能が改善)・血糖コントロールの改善(血糖値が下がる)・脂質代謝の改善(中性脂肪減少、HDLコレステロール増加)・心肺機能の改善(最大酸素摂取量の増大)を見込める。
https://ja.mondder.com/fq?id=4012🔗
問題文正答率:33.33%
95
骨粗鬆症の原因で誤っているのはどれか。
解説・コメント
骨密度は女性の場合、18歳くらいでピークに達し、その後40歳代半ばまでは、ほぼ一定を維持するが、 50歳前後から低下していく。加齢によって骨密度が低下するのは、女性ホルモンの分泌量減少に加えて腸管でのカルシウムの吸収が悪くなったり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなるなどの理由があげられる。以上のことから、骨粗鬆症になりやすい代表的な病気をあげる。
原因となりやすい代表的な病気
・関節リウマチ
・副甲状腺機能亢進症
・糖尿病
・慢性腎臓病(CKD)
・動脈硬化
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・ステロイド薬の長期服用
よって、
1~3.5.〇 正しい。安静臥床・胃切除後・糖尿病・副甲状腺機能亢進症は、骨粗鬆症の原因となりやすい。
4.× ビタミンA欠乏症は、不十分な摂取、脂肪吸収不良、または肝疾患によって起こることがある。欠乏症により免疫および造血が障害され、発疹および典型的な眼への影響(例として眼球乾燥症、夜盲症)が生じる。ちなみに、骨粗鬆症の原因となるのは、骨形成にかかわるビタミンD欠乏である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4013🔗
問題文正答率:66.67%
96
認知症患者に対して行われるのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。音楽療法とは、「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活の質の向上、問題となる行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること(日本音楽療法学会)」と定義されている。メロディを聴き、リズムに体を揺らし、歌詞を思い出し、声を出すなど、音楽を通してさまざまな脳の部位が協調して働くことによって、脳が活性化されるため、認知症患者に対して行われる。
2.× 内観療法は、自分が身近な人からしてもらったことや、迷惑をかけたことなどを繰り返し想起して自己洞察を深める方法である。対象疾患は、神経症性障害などである。
3.× 森田療法は、目的・行動本意の作業を繰り返すことにより、症状を受け入れながら生活できるようにするものである。対象疾患は、神経症性障害などである。
4.× 精神分析療法は、自由連想法により無意識のうちに抑圧されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせる方法である。対象疾患は、神経症性障害などである。
5.〇 正しい。リアリティオリエンテーション(現実見当識訓練)とは、今は、何月何日なのかとか、季節はいつなのかといった時間や今いる場所等が判らないなどの見当識障害を解消するための訓練で、現実認識を深めることを目的としている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4014🔗
問題文正答率:66.67%
97
統合失調症において予後が良いのはどれか。
解説・コメント
1~4.× 男性・若年での発症・潜行性の発症(病気の多くは症状が出現して発見されるが、症状があきらかでない状態で、気がつかないうちに病気が進行すること。)・強い陰性症状の存在(意欲・自発性の低下、感情の表出の低下など、ある程度客観的に評価できるもの)は、予後不良な因子である。陽性症状とは、幻覚、妄想、自我障害など、患者さんが体験するものである。
5.〇 正しい。明らかな発症誘因の存在は、選択肢2の潜行性の発症と対義的な言葉である。発症の際に心理的(ストレスなど)あるいは身体的な誘因があるものは、その誘因がなくなれば症状が軽減しやすいため予後が良いとされる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4015🔗
問題文正答率:66.67%
98
うつ病の復職支援プログラムの内容として最も適切なのはどれか
解説・コメント
1.× 認知の歪みを修正する。認知のゆがみとは、①全か無か思考、②一般化のしすぎ、③心のフィルターなどの思考の偏りである。それに対して、認知行動療法を用いて思考の偏りに修正する方法が一般的である。
2.× 教育プログラムにて、症状の自己理解は大切であるが、服薬自己管理の練習は行わない。なぜなら、復職支援プログラムを受ける患者は、すでに服薬自己管理は獲得できているため。服薬の重要性についての心理教育は行うことがある。
3.× キャリア再構成の検討を行う。
4.〇 正しい。コミュニケーション能力の改善を図る。集団プログラムにて対人スキルの向上などを目指す。
5.× 職場との連絡調整は、再発防止の観点からも配置換えをすることも選択肢の一つとして行う。
https://ja.mondder.com/fq?id=4016🔗
問題文正答率:33.33%
99
解離性障害の治療として正しいのはどれか。
解説・コメント
解離性障害とは、欲求不満や心の葛藤が身体的症状(転換型)あるいは精神的症状(解離型)としてあらわれるものをいう。女性に多く見られ、意識障害は解離型でみられるが軽度である。主な原因は、心的なストレスによりほかの人に自分を表現することができないことである。治療の基本は、①安心できる治療環境を整えること、②家族など周囲の人の理解、③主治医との信頼関係が大切である。早い段階で、催眠や暗示によって、解離性の健忘や、失立、失声、麻痺等を解消することは効果が期待できないだけでなく、症状を悪化させることもある。安全な環境や自己表現の機会を提供しながら、それらの症状の自然経過を見守るという態度も重要である。
1~2.× 破壊的行動を許容せず、空想の肥大化について指摘した方が良い。「全体としてのあなたは一つ」というメッセージを送り、行動に関する責任の所在を明確するように努めることが大切である。
3~4.× 有害な刺激が断定できていれば取り除くことで、安心できる治療環境を整えることができる。まず、安心できる治療環境を整えることが大切になるため、速やかに心的外傷の直面化を図る必要はない。
5.〇 正しい。病気と治療について明確に説明する。そうすることで、患者に疾患を理解してもらい、一緒に治療に参加し治療者との信頼関係が築きやすい。
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問題文正答率:33.33%
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てんかんに伴う精神症状として適切でないのはどれか。
解説・コメント
1~2.4~5.× 粘着性(些細なことに固執すること)・爆発性(易刺激的、易怒的、攻撃的と同義)・不機嫌状態(易刺激性、抑うつなどの症状が一定期間持続すること)・もうろう状態は、てんかんに伴う精神症状として適切である。
3.〇 正しい。疾病利得は解離性(転換性)障害にみられる。
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解説・コメント
1.× 肩関節水平外転の検査肢位は、腹臥位で前腕を下垂(肩関節を90°外転し、肘関節を90°屈曲位)した状態で測る。設問は、肩関節外旋も伴っている。
2.× 足関節底屈は、立位で検査側の片脚立位をとる。立位で持ち上げ動作が全可動域1回行えれば段階3である。設問は、背臥位で測定している。
3.〇 正しい。肩甲骨内転と下方回旋は設問のように行う。腹臥位で頭を楽な方に向け検査側の肩関節を内旋、内転し、肘を屈曲し、手背を腰にあてる。手背を持ち上げ、全可動域挙上できれば段階3と判断する。検者は肩甲骨の内側縁の下を触診する。
4.× 手関節屈曲は、前腕回外・手関節中間位にする。手指伸展位で手指および母指の力は抜き、抵抗なしで全可動域屈曲できれば段階3と判断する。設問は、手指屈曲位で測定している。
5.× 股関節内旋は、座位で行う。下肢を最大内旋の最終肢位に保持できれば段階3と判断する。設問は、腹臥位で行っている。