作業療法士国家試験過去問第56回午前
オプション
問題文正答率:50.00%
1
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。 2つ選べ。
https://ja.mondder.com/fq?id=4019🔗
問題文正答率:50.00%
筋萎縮性側索硬化症の機能的予後を示しているのはどれか。 縦軸は機能、横軸は時間を示す。
解説・コメント
1.〇 正しい。筋萎縮性側索硬化症は、機能の低下が徐々に進行する。リハビリテーションにより、機能の低下を遅らせることができても、選択肢2~5のように向上できる疾患ではない。
2.× 再発と寛解を繰り返すパターンがみられるのは、多発性硬化症である。
3~4.× 筋萎縮性側索硬化症は、機能の低下が徐々に進行する。機能が著明に低下した後、自然経過で改善するパターンは、脳卒中や骨折である。
5.× 筋萎縮性側索硬化症は、機能の低下が徐々に進行する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4020🔗
問題文正答率:50.00%
3
25 歳の男性。頸髄完全損傷。手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。書字の際のボールペンを把持した場面を示す。
片手では困難で、両手でボールペンを保持する動作が観察された。
このような動作を行う頸髄損傷患者の Zancolli の四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。解説・コメント
1.× C5Aは、肘関節屈曲が不十分(腕橈骨筋の収縮が困難)である。写真のように、肘関節屈曲位で保つ場合は、前腕回外位(上腕二頭筋優位)で行うことが多い。
2.〇 正しい。C6Aは最上位レベルである。C6Aは、肘関節屈曲が十分であるが、手関節背屈が不十分である。本症例は、両手を使用し、テノデーシスアクション(腱固定作用)を使用している。両手を使用して手関節の背屈させ、手指屈曲をさせている。つまり、手関節背屈・手指伸展、完全屈曲は不十分と考えられる。C6Aと一致する。C6Aは、手関節背屈が弱く、単独のテノデーシスアクション(腱固定作用)が利用できず、写真のように両手を利用してテノデーシスアクション(腱固定作用)を起こすのが特徴である。
3.× C6B3は、手関節背屈(円回内筋、橈側手根屈筋、上腕三頭筋の機能)が働くが、手指伸展は困難である。写真では、両上肢を利用して手関節背屈を補っている。
4.× C7Aは、尺側指完全伸展が可能なレベルである。写真では、手指の伸展はみられず、手指の屈曲制限が見られている。
5.× C8Bは、手指の完全屈曲が可能なレベルである。C8B残存している場合であれば、片手でボールペンを把持できる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4021🔗
問題文正答率:50.00%
4
7歳の男児。Duchenne 型筋ジストロフィーの患者で、下肢筋力が低下し、椅子からの立上がり、階段昇降ができない。手すりを利用し、5m ほど歩行可能である。
厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類のステージはどれか。解説・コメント
厚生省「筋萎縮症」対策研究会による障害段階分類
ステージ1 歩行可能 介助なく階段昇降可能(手すりも用いない)
ステージ2 階段昇降に介助(手すり、手による膝おさえなど)を必要とする
ステージ3 階段昇降不能 平地歩行可能 通常の高さのイスからの立ち上がり可能
ステージ4 歩行可能 イスからの立ち上がり不能
ステージ5 歩行不能 四つ這い可能
ステージ6 四つ這い不能だが、いざり移動可能
ステージ7 這うことはできないが、自力で坐位保持可能
ステージ8 ベッドに寝たままで体動不能 全介助
1.× ステージⅡは、階段昇降に介助(手すり、手による膝おさえなど)を必要とする。
2.× ステージⅢは、階段昇降不能、平地歩行可能、通常の高さのイスからの立ち上がり可能である。
3.〇 正しい。ステージⅣは、歩行可能、イスからの立ち上がり不能である。本症例の症状と合致する。
4.× ステージⅤは、歩行不能、四つ這い可能である。
5.× ステージⅥは、四つ這い不能だが、いざり移動可能である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4022🔗
問題文正答率:50.00%
5
75 歳の男性。糖尿病でインスリン療法中。胸部不快感で受診した。半年前と今回の心電図を示す。 今回発症したと考えられる病態はどれか。
解説・コメント
1.× 狭心症は、ST低下がみられる。
2.〇 正しい。心筋梗塞が、今回発症したと考えられる病態である。
3.× 心房細動は、半年前の心電図でみられている。特徴として、①QRS波が等間隔にならずに、不規則に現れること、②基線が細かく波打つようであることである。
4.× 房室ブロックの基線は直線的である。また、房室ブロックは、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型に分けられる。心電図では、PQ間隔の延長、QRS波の脱落、P波は明確などがみられる。
5.× 心室性期外収縮とは、本来の洞結節からの興奮より早く、心室で興奮が開始していることをいう。つまり、P波が認められず、幅広い変形したQRS波がみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4023🔗
問題文正答率:50.00%
6
80 歳の女性。77 歳頃から物忘れが目立ち始め、今では歩行時のつまずきやすさ、書字の震えがある。日によって程度は異なるものの、自宅のテレビや窓、棚のガラス戸など、光沢のあるところに知らない人が映って見えるようになった。「テレビに知らない人の顔が見える」「変なおじいさんが裸でいる」などと家族に訴え、ガラス戸に向かって怒鳴る様子もみられた。家族と物忘れ外来を受診した。PETでは頭頂葉から後頭葉の一部に糖代謝の低下が認められた。
作業療法士から家族へのアドバイスとして適切なのはどれか。解説・コメント
1.× 部屋を薄暗くする必要はない。むしろ、部屋は明るくすることが望ましい。なぜなら、パーキンソニズム(歩行時のつまずきやすさ)があり転倒の危険性が高いため。
2.× テレビの音を大きくする必要はない。なぜなら、本症例は聴覚障害を疑う所見はないため。
3.× 移動の際には車椅子を使用させる必要はない。なぜなら、パーキンソニズム(歩行時のつまずきやすさ)があるが、歩行ができないわけではないため。まずは、つまずかないよう段差の解消などで転倒しづらい環境をつくる。
4.× 興奮したときはきっぱりと幻覚であることを伝える必要はない。なぜなら、Lewy小体型認知症による幻覚は、非常にリアルであり、本人には幻覚か現実か自覚しにくい。また、興奮の原因は、必ずしも幻覚と断定できない。認識を否定、訂正、説得は困難といえる。
5.〇 正しい。見えている内容を否定しないで気持ちを受け止める。家族の認知症患者への対応として、間違いを強く指摘せず、人格を尊重することが重要である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4024🔗
問題文正答率:50.00%
7
66 歳の女性。左変形性股関節症。後方アプローチによる人工股関節全置換術を受けた。全荷重で術後リハビリテーション中である。
退院後の生活指導として正しいのはどれか。解説・コメント
禁忌肢位
・後方アプローチ:股関節の過屈曲 + 内転 + 内旋である。
・前方アプローチ:股関節の伸展 + 内転 + 外旋である。
1.× 「和式トイレ」ではなく洋式トイレを使用する。なぜなら、和式トイレの使用は、脱臼の危険性がある(股関節過屈曲を伴う)ため。
2.× 椅子に座る際は、足(手術側)を組むと脱臼の危険性がある。なぜなら、太もものうえに太ももの乗せるように足を組むと股関節の過屈曲、内転を伴うため。ただし、足首を太ももに乗せるように(股関節外旋優位)足組みを行えば、脱臼のリスクは低く、靴下や靴の着脱が行える。
3.× 椅子は、通常よりも「低いもの」ではなく高いものを選ぶ。なぜなら、低い椅子は、脱臼の危険性がある(股関節過屈曲を伴う)ため。
4.〇 正しい。床のものを拾うときには非術側を前に出す。なぜなら、脱臼予防(手術側の股関節の屈曲が軽減される)になるため。
5.× 端座位で靴にかかとを入れるときは、「外側から」ではなく内側から手を伸ばす。なぜなら、脱臼予防(手術側の股関節の内旋が軽減される)になるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4025🔗
問題文正答率:50.00%
8
65 歳の男性。右利き。左中大脳動脈領域の脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢、手指および下肢ともにⅢ。
この時の椅子座位での右上肢訓練プログラムとして正しいのはどれか。解説・コメント
便宜上1を正解としましたが正答値表が空欄となっていました。
採点対象外の問題であり、正解がない問題となっている。
理由:設問の状況設定が不十分
1.× 組んだ両手でテーブル上のボールを前方に転がすのは、上肢ステージⅣの時に対象となる。なぜなら、協調性のある分離運動が必要であるため。非麻痺側上肢の介助下で、肩関節屈曲しながら、肘関節伸展・前腕回内・手関節背屈を促す練習である。まずは、ステージⅢは①屈筋群の緊張を抑制、②伸筋の誘発・促通、③随意的伸展を可能にすることである。
2.× 組んだ両手を挙上してペグを把持するのは、上肢・手指ステージⅤの時に対象となる。なぜなら、協調性のある分離運動が必要であるため。肩関節屈曲・肘関節伸展・手指屈曲を保持した状態で、手の掌背屈でペグをつかむ必要がある。
3.× 上肢を下垂して手部で床上のボールを転がすのは、上肢ステージⅣの時に対象となる。なぜなら、協調性のある分離運動が必要であるため。肘関節伸展と手関節の随意的な運動の分離(ボールのリリース)が必要である。
4.× 前方にあるペグを把持して抜くのは、上肢ステージⅣ以上の時に対象となる。なぜなら、協調性のある分離運動が必要であるため。上肢の伸展と対向つまみが必要である。
5.× 机にある輪をつまみあげるのは、上肢ステージⅤの時に対象となる。なぜなら、協調性のある分離運動が必要であるため。輪をつまみあげる指尖つまみ動作が必要である。
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問題文正答率:50.00%
9
アテトーゼ型脳性麻痺児の食事の様子を図に示す。
スプーンを口に近づけると図のような姿勢になってしまう。
この児に出現している原始反射はどれか。解説・コメント
1.× 探索反射(四方反射、口唇反射)は、新生児を背臥位にし、検者の指で口唇の上下・左右を刺激する(触れる)と刺激の方向に口を開いて、頭部を向ける。胎児期後期から、生後5~6ヵ月まで。
2.× Galant 反射(側彎反射、背反射)は、脊柱の外側に沿って上から下へこすると刺激側の背筋が収縮して側屈する。胎児期後期から、生後2ヵ月まで。
3.× 交差伸展反射は、一側の下肢を屈曲し他側を伸展させたうえで、伸展側の足底部を刺激(または屈曲)すると非刺激側は屈曲から伸展する原始反射である。
4.× 手の把握反射は、新生児を背臥位で顔を正面に向け、上肢は半屈曲位として、検者の指を小指側から手の中に入れ、掌を圧迫すると、検者の指を握り締める。胎児期後期からみられ、4~6ヵ月ごろには消失。
5.〇 正しい。対称性緊張性頸反射(STNR)は、この児に出現している原始反射である。腹臥位(水平抱き)で頭部を伸展させると、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、上肢は伸展、下肢は屈曲し、頭部を屈曲させると逆に上肢は屈曲、下肢は伸展する。4~6 ヵ月に出現、8~12ヵ月まで。
https://ja.mondder.com/fq?id=4027🔗
問題文正答率:50.00%
10
32 歳の女性。右利き。診断名は右乳がん(ステージⅡ)。右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術施行目的で入院となった。夫と2歳の子どもとの 3人暮らし。職業は保育士。術前の右上肢機能は良好であり、セルフケアや家事動作は自立していた。
術後作業療法について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 日光浴を「勧める」のではなく控えるべきである。なぜなら、日光による炎症で皮膚障害が起こりうるため。リンパ浮腫は、感染による皮膚障害を契機に増悪しやすい。
2.× 術側の上肢は、「固定する」のではなく、挙上したり自動運動したりしてリンパ還流を促す。浮腫が軽減する。
3.× 事務職への転職を勧める必要はない。ただし、保育士の業務を継続するにあたって、子どもの抱っこは、「右上肢(手術側)」ではなく左上肢で行うなど、右上肢(手術側)に負担がかからないような作業姿勢に留意する。
4.〇 正しい。重量物を持たないように指導する。なぜなら、リンパを滞留しやすくなるため。術側上肢を長時間下げた肢位(キャリーバックを使用した長時間の旅行)や、肘にカバンなどの重量物をかけることは控える。重量物を持つ場合は健側で行うよう指導する。
5.× 物干し動作の制限はない。むしろ、上肢挙上の日常生活動作(物干し動作など)は、術後の癒着予防・浮腫改善・肩関節の可動域制限の予防の効果もあるため、適度に休息をとりつつ行えば制限の必要はない。術後の早期リハビリテーションから行う。
https://ja.mondder.com/fq?id=4028🔗
問題文正答率:50.00%
11
80 歳の女性。2年前に夫と死別し、平屋の持ち家に1人暮らし。3か月前に屋内で転倒し、右大腿骨頸部骨折で入院した。人工骨頭置換術後の ADL は杖歩行で、入浴のみ見守りでその他は自立し自宅退院となった。退院時のHDS-Rは28点であった。要支援1と認定され、通所リハビリテーションを利用するにあたり、担当作業療法士が自宅訪問することとなった。
初回訪問時の対応で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 住宅改修を提案する優先度は低い。なぜなら、屋内での転倒の原因が住宅の環境によるものと断定できていないため。屋内での転倒歴があるため、自宅訪問の際に環境整備が必要かどうかを評価し、そのうえで必要であれば住宅改修を提案する。
2.× 年金受領額を聴取する優先度は低い。なぜなら、「作業療法士」ではなくケアマネジャーの役割に近いため。利用者の経済状況によっては介護サービスの利用控えが起こる可能性はあるため、その場合は作業療法士からケアマネジャーに報告することもある。
3.× 訪問作業療法を勧める優先度は低い。なぜなら、本症例のADLは入浴のみ見守りであるレベルで、通所リハビリテーションで対応する方向になっているため。通所で対応できない場合は、訪問作業療法の切り替えも考慮する。
4.× 夫の死亡理由を聴取する優先度は低い。夫の死亡理由は、繊細な内容であるため、「初回訪問時」ではなく、お互いに関係性が構築されてから聞く。また、通所リハビリテーション導入にあたり関係性が低い。
5.〇 正しい。生活の困りごとを聴取するのは最も優先度が高い。なぜなら、本症例は独居であり、家族や医療スタッフの介助をすぐに受けられる環境にはないため。まずは、退院直後の生活(IADLを含め)を本人がどのように感じているかを聴く必要がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4029🔗
問題文正答率:50.00%
12
78 歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真とMRI T2強調像とを示す。
この患者の病態で適切なのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。骨粗鬆症が疑われる。側面エックス線写真(A)にて骨陰影の減少がみられる。
2.× 脊椎分離症の場合は、側面単純エックス線(A)にて、脊椎の分離がみられる。
3.× 脊柱管狭窄症の場合は、MRI T2 強調像(B)にて、脊髄や神経根の圧迫がみられる。
4.× 椎間板ヘルニアの場合は、MRI T2 強調像(B)にて、椎間板の脱出による脊髄の圧迫がみられる。
5.〇 正しい。脊椎椎体圧迫骨折が疑われる。MRI T2 強調像(B)にて、①魚椎変形、②楔状変形がみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4030🔗
問題文正答率:50.00%
13
76 歳の女性。物忘れのために日常生活で失敗が目立った。最近、夫の浮気を疑うようになり、顔を合わせると興奮し物を投げるなどの行為がみられる。息子が誤りであることをいくら説明しても納得しない。
この患者の精神症状を評価する尺度として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× HRS-D(Hamilton rating scale for depression:ハミルトンうつ病評価尺度)は、うつ病にみられる17の項目についてその重症度を医療者が評価するものである。
2.〇 正しい。NPI(neuropsychiatric inventory) は、援助者からの聞き取りにより、「認知症の行動・心理症状(BPSD)」を評価する方法である。 「認知症の行動・心理症状(BPSD)」に関連する12項日につき、頻度を0~4の5段階で、重症度を1~3の3段階で評価し、点数が高いほど重症となる。
3.× POMS(気分プロフィール検査)は、最近1週間の気分の状態(緊張、抑うつ、怒り、活気、疲労、混乱の6尺度)を測定するものである。被検者が答える質問紙法の検査である。
4.× SANS (Scale for the Assessment of. Negative Symptoms:陰性症状評価尺度)は、感情鈍麻、思考障害など、統合失調症の陰性症状の評価に用いられる。
5.× SDS(Self-rating Depression Scale:うつ性自己評価尺度)は、20項目(主感情2項目、生理的随伴症状8項目、心理的随伴症状10項目)を4段階で自己評価するものである。うつ状態の程度を調べる自記式質問票である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4031🔗
問題文正答率:50.00%
14
50 歳の男性。アルコール依存症。大学を卒業後、就職したころから飲酒が始まる。転勤で一人暮らしになってから飲酒量が増加し、仕事もやめ昼夜問わずに飲み続けるようになった。その後、精神科病院を受診し入退院を繰り返す。主治医には「酒はもうやめます」と言いながらも退院後に再飲酒していた。作業療法士には「酒をやめたいのは本当だが、退院しても仕事が見つからないのでつい飲んでしまう。何とかしてほしい」と話す。
この患者の心理状態として最も適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 否認とは、容認したくない感情や経験を実際には存在しなかったかのように振る舞うことである。否認を繰り返すことにより、自己中心、現実逃避、利那主義というような傾向を強め、飲酒行為やその結果に対する周囲の非難・忠告を受け付けなくなる。
2.× 共依存とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係への嗜癖状態を指す。依存症・アディクション(嗜癖:しへき)は、「身体的・精神的・社会的に、自分の不利益や不都合となっているにもかかわらず、それをやめられずに反復し続けている状態」である。
3.〇 正しい。両価性とは、同一の対象に対して相反する感情、とくに愛と憎しみが同時に存在している状態である。本症例は、主治医や作業療法士に両価性の心理状態を見せている。主治医には「酒はもうやめます」と言いながらも退院後に再飲酒していた。作業療法士には「酒をやめたいのは本当だが、退院しても仕事が見つからないのでつい飲んでしまう。何とかしてほしい」と話していた。
4.× 自己中心とは、他をかえりみず、自分の都合や立場のみを考えて行動することである。自己愛性パーソナリティ障害に見られやすい症状で空想や行動にみられる誇大性、賞賛されたいという欲求、共感の欠如を特徴である。
5.× 刹那主義とは、過去も将来も考えず、現在の瞬間の感情のままに生きようとする考え方である。本症例は、飲酒欲求に逆らえずに飲酒するもので、今を楽しもうとする意図はない。
https://ja.mondder.com/fq?id=4032🔗
問題文正答率:50.00%
15
17 歳の男子。子供の頃から内向的な性格だが、乳幼児健診等で異常を指摘されたことはない。高校1年時から周囲の物音に敏感となり、「学校で同級生に嫌がらせをされる」と不登校になった。自宅では「向かいの家の住人が自分の行動に合わせて悪口を言う」、家族と外出した街中では「自分の考えたことが知れわたっている」と言うようになり、精神科を受診し、通院治療で状態がある程度改善した後に外来作業療法が導入された。
この患者でみられやすい症状はどれか。
解説・コメント
1.× 意識変容は、急性脳症・非痙攣性てんかん重積状態・脳卒中・中枢神経系感染症・薬剤性・心因等により生じる。ちなみに、意識変容とは、意識障害の一種で、幻覚や錯覚、思考の混乱や不安、興奮など異常な言動が生じている状態のことである。 意識混濁が伴って現れることも多い。
2.× 観念奔逸は、主に双極性障害でみられる。ちなみに、観念奔逸は、考えが次々と浮かびだんだんと考えがずれてくることである。
3.× 強迫観念は、主に強迫性障害でみられる。ちなみに、強迫観念は、自分では不合理だとわかっていても絶えず頭に浮かんできてしまう考えのことである。
4.× 思考制止(思考抑制)は、主にうつ病でみられる。ちなみに、思考制止(思考抑制)は、思考の進みが遅く停滞する状態である。
5.〇 正しい。連合弛緩は、主に統合失調症でみられる。思考過程異常であり、個々のアイデアに論理的な結びつきがなくなって話の文脈にまとまりがない状態のことをいう。個々の思考には問題ないことが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4033🔗
問題文正答率:50.00%
16
19 歳の女性。大学1年生。小学生の時より、水泳に秀でていて競技大会では常に優勝を競うほどであった。しかし、高校時代にスランプに陥り当時身長160cm、体重58kgであったが体重を落とせば記録が伸びると思い込み、ダイエットをしているうちに無月経になり、気づくと体重32kgになっていた。心配した母親が本人を説得し病院の精神科外来を受診したところ低栄養で危機的状況にあると医師が判断し精神科病棟への入院を勧めたが、病識のない本人は納得せず、母親の同意による医療保護入院となった。その後作業療法に参加するようになり、1週間が経過した。
患者に対する作業療法士の関わり方で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 集団作業療法を勧めるのは回復期からである。症状が安定していない急性期から集団作業療法を行うと、摂食障害の患者は競争心が強いため無理をしてしまいがちとなり、症状が悪化しやすい。回復期に集団作業療法に設けることで、①自己表出、②他者からの共感、③相互理解の場となる。
2.× 食事の摂取を積極的に促す優先度は低い。むしろ、摂食障害の作業療法は、食べ物以外へ関心を向ける必要がある。
3.〇 正しい。現在取り組めていることを認める。摂食障害の患者は、自己肯定感が低く、自信がないことが多い。 現在取り組んでいることを認めるなど受容的な態度で接することが大事である。
4.× 高校時代のスランプについて深く聞く優先度は低い。摂食障害の患者は、自己肯定感が低く、自信がないことが多いため、スランプについて深く聞くとさらに症状が悪化する可能性が高い。患者との信頼関係ができた後に行うべきである。
5.× 食べ物を隠れて捨てるのを見つけたら叱る必要はない。摂食障害の患者は、自己肯定感が低く、自信がないことが多いため、叱るとさらに症状が悪化する可能性が高い。患者が食べ物以外に関心を向けて集中できる時間をもてるように、関わることが大切である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4034🔗
問題文正答率:50.00%
17
65 歳の女性。約1年前から抑うつ気分、意欲低下、判断力低下、不眠、食思不振などがあり、約9か月前に精神科外来を初めて受診した。希死念慮や貧困妄想も加わり、約8か月前に医療保護入院となっている。抗うつ剤投与により不眠、食思不振はある程度改善されたが、悲観的な思考内容は遷延化した。促してかろうじて病棟外への散歩に応じるようになり、数か月が経過したところで、主治医から作業療法の依頼があった。
この時点での作業療法として適切でないのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。本人の自己決定を見守る。うつ病患者は、決断困難であるため、重要事項の判断・決定は先延ばしにする。
2.〇 正しい。個別のかかわりから開始する。うつ病患者の作業としては、安全で受身的で非競争的であるものが望ましい。なぜなら、他者との優劣がわかりやすいものは自信喪失につながるため。
3.〇 正しい。1回の活動時間は短く設定する。なぜなら、うつ病患者は疲労感を強く感じていることが多いため。短期間で完成でき、いつでも休憩できる作業が望ましい。
4.× 「長期間をかけて完成する課題」ではなく、短時間で完成できる課題を採用する。うつ病患者の作業としては、①工程がはっきりしている、②短期間で完成できる、③安全で受身的で非競争的である、④軽い運動(いつでも休憩できる)が望ましい。
5.〇 正しい。なじみのある課題より初めての課題を採用する。なぜなら、なじみのある作業や病前に経験のある課題は、病前のように作業ができない場合に自信喪失につながるため。負担が少なく患者の自信を回復させるような作業を行うようにする。
https://ja.mondder.com/fq?id=4035🔗
問題文正答率:50.00%
18
45 歳の女性。20歳前後から、心理的負荷がかかるとリストカットを行うようになり縫合を必要とすることが多かった。また、自分の思い通りにいかないと易怒的となり、周囲に暴言を吐くこともあった。25歳時に精神科を初めて受診し、以後、過量服薬時に数回の入院歴があるが、現在は調理の仕事に就いて3年目となる。最近、職場の人間関係で正論を吐きすぎて孤立し、結果として焦燥感が強まり、主治医の勧めで仕事のシフトのない平日の日中に外来作業療法を開始することになった。
この時点での作業療法士の関わりとして最も適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 転職を勧める必要はない。なぜなら、本症例は病気が原因で、転職が根本的な解決法とはならないため。転職をしても新しい職場で同様の結果になることが考えられる。
2.× 主治医に入院処遇を依頼する必要はない。なぜなら、現在のところリストカットはみられるものの、自殺企図など生命を脅かす行動には至っていないため。本症例は、主治医の勧めで仕事のシフトのない平日の日中に外来作業療法を開始することになっている。
3.〇 正しい。チームでの統一した対応をこころがける。なぜなら、患者に振り回されないため。治療の枠組みをしっかりつくって、過度に依存的な関係をつくらないことが重要である。境界性パーソナリティ患者は、対人関係が不安定(スタッフに対しても対応が極端である)である。また患者の要望をかなえると、徐々に要望がエスカレートする恐れもある。
4.× 行動化に対しては心的距離を縮めて対応する必要はない。なぜなら、行動化は、「自分自身だけ」ではなく、他者を傷つけるおそれがあるため。依存を助長しないように適切な心的距離をとりつつ対応する。行動化とは、行為によって対処するもので、不適切な形で現れた防衛機制の1つである。具体例として、診察室から出ていってしまったり、診察の場で沈黙を続けたりするなどである。
5.× 本人の希望に応じて日々臨機応変に対応する必要はない。なぜなら、患者に振り回されないため。患者の要望をかなえると、徐々に要望がエスカレートする恐れもある。治療の枠組みをしっかりつくって、過度に依存的な関係をつくらないことが重要である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4036🔗
問題文正答率:50.00%
19
22 歳の男性。職場でケアレスミスがあまりにも多いため、産業医の勧めで精神科を受診した。母親の話によると、幼少時から落ち着きがなく、小学校の担任から 「人の話を聞いていない」、「順番を守れない」、「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり、大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった。
この患者に薬物療法を行う場合、最も適切と思われる向精神薬はどれか
解説・コメント
1.× 気分安定薬は、双極性障害の急性期に用いられることが多い。
2.× 抗うつ薬は、うつ病に用いられることが多い。
3.× 抗精神病薬は、統合失調症に用いられることが多い。
4.× 抗不安薬は、不安や緊張の軽減に用いられることが多い。
5.〇 正しい。精神刺激薬は、 注意欠如・多動性障害(ADHD)に用いられることが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4037🔗
問題文正答率:50.00%
20
45 歳の男性。統合失調症。25年間の入院の後、退院してグループホームに入居することになった。作業療法士は患者の強みとしての性格、才能、希望、環境について、日常生活、経済的事項、仕事などの項目に分けて本人と一緒に確認の上文章化し、患者の言葉を用いて退院後の目標を立てた。
本アセスメントの根拠となるモデルはどれか。
解説・コメント
1.× ICFモデルとは、すべての人を対象として、プラス・マイナスの両面からその人の「健康状態の構成要素」を評価する分類である。①生活機能(心身機能・身体構造、活動、参加の3つの構成要素)と②背景因子(環境因子、個人因子の2つの構成因子)で構成される。
2.× 作業適応モデルとは、作業環境は、作業する患者個人の①感覚運動機能、②認知機能、③身体的機能と同様に重要であり、作業を進める際には、これらを統合的に介入し進めていくべきであるという考えである。
3.× 人間作業モデルを構成するのは、「作業」を人間性の保持に必要なもの、健康が破綻した後の再調整をするものとして位置づけている。その人の行動を位置づけるものとして「意志・習慣化・遂行技能」の3要素の相互作用と、これに加えて「環境」 を4要素として挙げており、これらよりどの程度作業に適しているかを考える。
4.〇 正しい。ストレングスモデルが、設問の本アセスメントの根拠となるモデルである。ちなみに、ストレングスモデルとは、患者がもつ性格・技能・環境・関心などのよい点(ストロングポイント)に着目して、それを伸ばし、回復に向かわせるような取り組みを行うことをいう。
5.× CMOP(Canadian Model of Occupational Performance:カナダ作業遂行モデル)とは、「人は作業欲求をもち、人が作業を行うことを可能にするためには、人と作業療法士の協業的(協働的)アプローチが重要である」とする作業療法理論である。ちなみに、協業的(協働的)アプローチとは、それぞれが別々の役割を持ちながらも、協力して共通の目標を達成するために、それぞれの得意な部分を活かして取り組んでいくというやり方のことである。
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問題文正答率:50.00%
21
作業療法に関する歴史について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 呉秀三(くれしゅうぞう)は、「認知行動療法」ではなく、移導療法を実践した。隔離拘束が中心であった精神病患者の処遇を解放化に向け、作業を中心とした移導療法を行った。隔離・監置・拘束を一掃し、精神病患者の看護を一新した。人間の尊重・自由・就労を柱に、病者の観念思想を病的世界から現実的なものにむけることを目的として作業をもちいた。
2.× A. Meyer (アドルフ・マイヤー)は、「感覚統合療法」ではなく、精神分析の思想を精神生物学として発展させた。スイス生まれの精神科医で、患者の残存している健康な機能に働きかける作業療法の意義を提唱している。
3.× 加藤普佐次郎(かとう ふさじろう)は、「結核患者」ではなく、精神病患者の作業療法(作業治療)に貢献した。精神病患者に対して体を動かす作業だけでなく、精神的活動やレクリエーションも治療方法とし、作業療法(作業治療)を進めた。
4.〇 正しい。高木憲次(たかぎ のりつぐ)は、肢体不自由児の療育を体系化させた。整形外科医であり、肢体不自由児の父とよばれた。
5.× W. Dunton(ウィリアム・ダントン)は、「精神力動的作業療法理論」ではなく、精神科領域における作業療法を提唱した。アメリカの精神科医で、「アメリカ作業療法の父」とよばれる。ちなみに、精神力動的作業療法理論について、力動は、①個人の精神力動と②集団力動とがあり、精神力動的作業療法、集団作業療法や場の基礎となっている。精神力動的作業療法理論は、言語分析の補助に作業・作業活動をもちいる。治療援助における対象関係や治療機序の基礎理論である。
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問題文正答率:50.00%
22
主な感染経路と感染症の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 流行性角結膜炎は、「空気感染」ではなく接触感染である。流行性角結膜炎(はやり目)とは、ウイルスによって引き起こされる急性の結膜炎、あるいは角膜炎のことである。角膜・結膜の充血、眼瞼の腫脹が主症状である。
2.× 風疹は、「空気感染」ではなく飛沫感染である。
3.× 結核は、「接触感染」ではなく空気感染である。
4.〇 正しい。流行性耳下腺炎は、飛沫感染である。流行性耳下腺炎とは、2~3週間の潜伏期(平均18日前後)を経て発症し、片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症である。通常1~2 週間で軽快する。
5.× 疥癬(かいせん)は、「飛沫感染」ではなく接触感染である。疥癬虫(ヒゼンダニ)による皮膚の角層内感染症で、強い痒み、丘疹が特徴である。
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問題文正答率:50.00%
23
介護予防とその説明の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。活動性を維持させるのは、一次予防である。ちなみに、一次予防は、生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防することである。
2.× 身体機能を改善させるのは、「二次予防」ではなく一次予防である。ちなみに、二次予防は、健康診査等による早期発見・早期治療することである。
3.× 要介護状態を改善させるのは、「二次予防」ではなく三次予防である。ちなみに、三次予防は、疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ることである。
4.× 生活習慣を改善させる(活動性の維持・向上を目的、生活習慣病の予防)のは、「三次予防」ではなく一次予防である。
5.× 要介護状態になるのを遅らせるのは、「三次予防」ではなく二次予防である。
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問題文正答率:50.00%
24
作業分析の観察による評価について最も適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 「観察者の主観」ではなく客観的な視点により行う。客観的データ(他覚所見)とは、診察所見・血液検査・検査所見などである。
2.〇 正しい。観察者の経験に左右される。なぜなら、観察力は経験や訓練によって深まるため。観察者自身の力量を自覚しておき、できるだけ客観的な視点を持つ。
3.× 事前に、認知機能評価を行う必要はない。認知機能評価は、長谷川式認知症スケールやMMSE(ミニメンタルステート検査)である。
4.× 職業関連活動は、あえて模擬動作で評価する必要はない。実際の動作や職場環境に患者が適応できるかどうかなども評価し、患者の状態に応じた復帰プログラムを提案する。
5.× 患者の病気に対する認識は、「作業分析の観察による評価」ではなく、面接・質問紙などにより評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4042🔗
問題文正答率:50.00%
25
発症後2時間の脳梗塞病巣を確認するために最も適切なのはどれか
解説・コメント
1.× CT像は、急性の出血(急性期のくも膜下出血など)の検出に有効である。なぜなら、血液はヘモグロビンを含み、放射線を吸収するため。
2.× MRI 水強調像(きわめて強いT2強調像)は、急性期(発症24時間~1週間)において梗塞巣を確認しやすい。T2強調像では、水は白く高信号で描出され(脳室は白色)、多くの病巣が高信号で描出されるため、病変の抽出に有用とされている。また、慢性期の出血、線維化、石灰化は低信号で撮像される。
3.〇 正しい。MRI 拡散強調像(DWI画像)は、発症後1~3時間以内の超急性期の梗塞巣を確認できるとされる。水分子の拡散運動(自由運動度)を画像化したもの。拡散が低下した領域が高信号として描出される。ちなみに、超急性期の血栓溶解療法(t-PA療法)や血栓回収療法(血管内治療)では、DWIで検出される前の病巣が治療のターゲットとなる。なお、急性期の脳出血はCTで確認するのが一般的である。
4.× MRI 脂肪抑制像とは、撮像範囲内の脂肪成分が低信号として描出される。脂肪抑制の目的は、水成分を含む腫瘍や浮腫などの描出能(びょうしゅつ)をあがることにより、診断の向上が見込まれる。一般的に、筋MRIや脊髄MRIでよく用いられる。
5.× MRI 3 DT1 強調像とは、MRI T1強調像の画像を3D表示したものである。T1強調像は、急性期(発症24時間~1週間)において梗塞巣を確認しやすい。T1強調像では、水は黒く低信号で描出され(脳室は黒色)、CTとよく似た画像を呈し、大脳皮質と白質などの解剖学的な構造が捉えやすいという特徴がある。
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問題文正答率:50.00%
26
反復唾液嚥下テストのカットオフ値は30秒間に何回か。
解説・コメント
反復唾液嚥下テスト〈RSST〉
30秒間の空嚥下を実施してもらい、嚥下反射の随意的な能力を評価する。
3回/30秒以上から嚥下の反復ができれば正常である。
1.3~5.× 1回/5回/7回/9回は、反復唾液嚥下テストで用いない。
2.〇 正しい。30秒間で3回が反復唾液嚥下テストのカットオフ値である。
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問題文正答率:50.00%
27
高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理学的検査において、動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)と言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)の14項目で構成される検査はどれか。
解説・コメント
1.× BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)は、カードや道具を使った6種類の下位検査と1つの質問紙から構成されている。下位検査は0~4点の5段階で点数化し24点満点で評価する。
2.× MMSE(Mini-Mental State Examination)は、認知障害に対するスクリーニング検査である。見当識、記銘力、注意と計算、 想起、言語、組み立ての各項目がある。30点満点のうち、26点以下で軽度認知隊害の疑い、23点以下では認知障害の可能性が高いことを示す。
3.× SLTA(Standard Language Test of Aphasia:標準失語症検査)は、成人の失語症の代表的な検査である。26項目の下位検査での構成で、「聴く」「話す」「読む」「書く」「計算」について6段階で評価する。
4.× WMS-Ⅲ(Wechsler Memory Scale:ウェクスラー記憶検査)とは、記憶の包括的検査である。13の下位検査により言語性記憶、視覚性記憶、総合、注意・集中力、遅延再生の5つの指標を求める。
5.〇 正しい。WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence ScaleⅢ:ウェクスラー成人知能検査・改訂版)は、記憶の包括的検査であり、知能の個人内差の診断が可能な成人用個別式検査である。高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理学的検査において、①動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)と②言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)の14項目で構成される検査である。適応年齢16歳0ヶ月~89歳 11 か月の偏差IQ(知能指数)を求めることができる。
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問題文正答率:50.00%
28
手関節を保持する装具の中で静的装具はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。長対立装具は、手関節を保持する装具の中で静的装具である。正中神経麻痺高位型で、母指対立不能、母指・示指の屈曲障害を生じた際に用い、母指を対立位に保持する。
2.× RIC型把持装具は、動的装具である。C6の機能残存に適応で、手関節背屈運動により対立つまみを可能にする。
3.〇 正しい。カックアップ装具は、手関節を保持する装具の中で静的装具である。橈骨神経麻痺高位型で、下垂手を生じた際に用い、手関節を機能的肢位に保持する。
4.× Thomas型(トーマス型)懸垂装具は、動的装具である。橈骨神経麻痺高位型に適応で、ピアノ線やゴムで手背屈位にし、把持動作を獲得させる。
5.× Oppenheimer型(オッペンハイマー型)装具は、動的装具である。橈骨神経麻痺高位型に適応で、手関節背屈位、MP伸展位、母指外転位に保持する。
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問題文正答率:50.00%
29
疾患と自助具の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× ソックスエイドは、「アテトーゼ型脳性麻痺」ではなく、脱臼の恐れのある人工股関節や股関節に負担をかけられないリウマチに適応となる。また、アテトーゼ型脳性麻痺には不随意運動を有するため使用が難しい。
2.× キーボードカバーは、「関節リウマチ」ではなく、運動失調のある脊髄小脳変性症、 アテトーゼ型脳性麻痺などに用いられる。なぜなら、キーボードカバーは、振戦があっても他のキーに触れずに目的のキーだけを押すことを補助するものであるため。また、関節リウマチは、指先の関節に負担をかけることは推奨できない。
3.〇 正しい。マウススティックは、頸髄損傷に適している。マウススティックとは、口にくわえてキーボードなどを操作する自助具である。高位頸髄損傷患者など手指を使ってパソコンなどの操作ができない場合に適している。
4.× リーチャーは、「脊髄小脳変性症」ではなく、脱臼の恐れのある人工股関節や車いす患者が、床のものや遠くのものを拾ったり操作したりするときに使用する。また、脊髄小脳変性症では、運動失調のためリーチャーの操作は難しい。
5.× 万能カフは、「Parkinson病」ではなく、頸髄損傷やリウマチなどに適している握る力がなかったり、痛みなどでスプーンやフォークの細い柄が握れない人に適している。握ることができなくても、面ファスナー製のバンドで器具を手に固定することができる。手のひら側のグリップ部のポケットに、用途に合わせた器具を差し込んで使用する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4047🔗
問題文正答率:50.00%
30
二分脊椎の Sharrard の分類で股関節屈曲・内転運動が正常で外転が作用し始め、短下肢装具を用いて杖歩行が可能となるのはどれか。
解説・コメント
Sharrard(シェラード)の分類
第Ⅰ群(胸髄レベル):車椅子を使用している。下肢を自分で動かすことはできない。
第Ⅱ群(L1〜2レベル):車椅子と杖歩行を併用している。股関節屈曲・内転、膝関節伸展が可能。
第Ⅲ群(L3〜4レベル):長下肢装具または短下肢装具による杖歩行可能。股関節外転、足関節背屈が可能。
第Ⅳ群(L5レベル):短下肢装具による自立歩行可能。股関節伸展、足関節底屈が可能。
第Ⅴ群(S1〜2レベル):ほとんど装具が不要で自立歩行可能。足関節の安定性が低い。
第Ⅵ群(S3レベル):ほとんど運動麻痺はなく、健常児とほぼ同様の歩行。
1.× Ⅱ群は、股関節屈曲・内転運動ができない。
2.〇 正しい。Ⅲ群(L3〜4レベル)は、長下肢装具または短下肢装具による杖歩行可能である。また、股関節外転、足関節背屈が可能になるレベルである。
3.× Ⅳ群は、短下肢装具による自立歩行可能である。設問では短下肢装具を用いて杖歩行となっている。
4.× Ⅴ群は、ほとんど装具が不要で自立歩行可能である。設問では短下肢装具を用いて杖歩行となっている。
5.× Ⅵ群は、ほとんど運動麻痺はなく、健常児とほぼ同様の歩行。設問では短下肢装具を用いて杖歩行となっている。
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問題文正答率:50.00%
31
うっ血性心不全の急性増悪時にみられるのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1~2.〇 正しい。浮腫/四肢冷感は、うっ血性心不全の急性増悪時にみられる。心臓のポンプ機能が低下することにより、末梢循環不全となり四肢冷感が生じる。
3.× うっ血性心不全の急性増悪時は、「体重減少」ではなく増加する。なぜなら、体静脈系のうっ血により、体内水分量(体重)が増加するため。
4.× うっ血性心不全の急性増悪時は、「頸静脈圧低下」ではなく上昇する。なぜなら、右心不全により静脈血が心臓に戻りにくくなるため。
5.× うっ血性心不全の急性増悪時は、「高ナトリウム血症」ではなく低ナトリウム血症となる。なぜなら、体静脈系のうっ血により、体内水分量(体重)は増加しているため。相対的に水分量が多くなり、体内のナトリウムは希釈される。
https://ja.mondder.com/fq?id=4049🔗
問題文正答率:50.00%
32
記憶障害を認める患者への対応として正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。記憶する内容は、その意味を考え、声に出し印象づけて記憶させる。記憶障害を認める患者でもすべてが覚えられないわけではない。覚えやすいよう印象づけることが大切である。
2.× バランストレーニングに限らず、運動全般を活用する。有酸素運動、ストレッチ、バランストレーニングなどが効果的とされている。また、運動より食事の方が大切であるという意見もある。
3.× 記憶する内容は、絵などの視覚的イメージは、「用いず」ではなく用いて記憶させる。なぜなら、記憶障害を認める患者の中には、絵などの視覚的イメージを併用することでより記憶に残りやすいため。
4.× 備忘録(びぼうろく:忘れた時にそなえて、要点を書きとめておくための手帳・メモ。)は、多くの情報を取り扱えるため活用する。記憶障害によって見当識のずれや物なくしなどの予防の補助として使用できる。
5.× 何度も失敗を経験させながら、記憶の修正を促す必要はない。誤りなし (エラーレス)学習とは、誤りを経験させないように初めから正解を提示して正反応を反復することにより学習を成立させる方法である。記憶障害の患者に対しては、失敗(間違い)を通しての学習よりも、正解を最初から示す誤りなし(エラーレス) 学習の方が、自己評価を高めることが可能である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4050🔗
問題文正答率:50.00%
33
車椅子自走が移動手段である患者の外出について適切なのはどれか
解説・コメント
1.× バスも利用できる。①路面バスではノンステップが増え、車いす用のスロープが常備されている。②大型の観光バスや高速バスではリフト付きもある。両車とも車椅子が固定でスペースがある。
2.× 必ずしも電車の乗降は、自力で行う必要はない。現在、バリアフリー化が進んでおり、自力で電車の乗降が行えるところが増えてきている。事前に介助が必要であることを駅員に伝えることで、介助をしてもらえる。また、すすんで介助の手を差し伸べてくれる乗客もいる。ただし、バリアフリー未完の駅も少なからずあるため、普段利用しない駅での乗降について事前の確認が望ましい。
3.× 逆である。車道よりも歩道を通行する。なぜなら、車椅子利用者は歩行者とみなされるため。これは電動車椅子も同様である。これは、道路交通法第2条第3項第1号に記載されている。
4.× 必ずしもティルト式普通型車椅子を使用する必要はない。自走用のティルト式普通型車椅子は重量があり、小回りが利きにくいため、外出の移動手段としては推奨されない。ちなみに、ティルト式普通型車椅子とは、椅子の部分の角度が変わらず椅子ごと傾斜する車椅子である。座位保持装置を使用している重度障害者などが用いる。
5.〇 正しい。事前に多目的トイレの場所を確認する。事前に車椅子使用者も使いやすい多目的トイレの有無や場所を確認しておくことは大切である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4051🔗
問題文正答率:50.00%
34
痙縮治療について適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 内服治療は、グレードA(行うように勧められる科学的根拠がある)である。主に片麻痺の痙縮に対して、 チザニジン、 バクロフェン、 ジアゼパム、ダントロレンナトリウム、トルペリゾンの(内服) 処方を行う。
2.× 温熱療法は、グレードC1(行うように勧められる科学的根拠はない)であるが、禁忌ではない。痙縮筋に対しては、冷却または温熱の使用を考慮してもよい。
3.〇 正しい。経皮的電気刺激(TENS)を行う。経皮的電気刺激(TENS)は、グレードB(行うように勧められる科学的根拠がある)である。
4.× ボツリヌス毒素療法は、上肢にも有効である。ボツリヌス毒素療法は、上下肢の痙縮に対しグレードA(行うように勧められる科学的根拠がある)である。
5.× 下肢筋力増強訓練は、痙縮を増悪させるので避ける必要はない。下肢筋力増強訓練・ストレッチ・関節可動域訓練は、グレードB(行うように勧められる科学的根拠がある)である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4052🔗
問題文正答率:50.00%
35
頸髄損傷者の自律神経過反射への対応として正しいのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。導尿は、頸髄損傷者の自律神経過反射への対応である。なぜなら、頸髄損傷者の自律神経過反射の原因の一つとして、膀胱刺激(排尿障害により膀胱に刺激)が挙げられるため。導尿により残尿をなくし、膀胱への刺激を減らすことができる。
2.× 下肢挙上は、起立性低血圧への対処法である。自律神経過反射では、高血圧になるため座位をとる。
3.× 腹帯装着は、起立性低血圧への対処法である。自律神経過反射では、高血圧になるため着衣は緩める。ちなみに、腹帯とは、妊婦さんのお腹に巻く帯のことで、保温効果や胎児を転倒などの衝撃から守るなどといった効果がある。
4.× 大腿部叩打は推奨されない。なぜなら、頸髄損傷者の自律神経過反射の原因の一つとして、皮膚刺激が挙げられるため。その皮膚刺激がかえって自律神経過反射を助長する可能性がある。
5.× 鎮痛剤内服の優先度は低い。なぜなら、自律神経過反射の症状による頭痛は、発作性高血圧によって起こることが多い。脳出血・くも膜下出血につながる可能性が高く、重篤化する前に排尿や排便により刺激を取り除く必要がある。原因を取り除いても症状の改善がみられない場合、降圧剤や鎮痛剤が用いられることはある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4053🔗
問題文正答率:50.00%
36
腕神経叢損傷について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。上腕骨骨頭の下方偏位が出現する。なぜなら、腕神経叢損傷により弛緩性麻痺を呈し、上肢の重みによるため。
2.× 分娩麻痺は、腕神経叢損傷(Erb麻痺:C5、C6損傷が多い)である。分娩麻痺とは、分娩時に新生児の肩などが産道で引っ掛かり、頭頸部が強く牽引されることで生じる。
3.× 上位型は、前腕の回外が困難である。なぜなら、上位型はC5~6の麻痺であり、前腕の回外筋(回外筋、上腕二頭筋、腕橈骨筋)は、C5~C7で支配されるため。
4.× 下位型(C8~T1)の麻痺では、手指の運動障害を認める。なぜなら、手指屈筋・手内筋は、C8~T1で支配されるため。
5.× 近位引き抜き損傷では、交感神経機能障害は生じない。交感神経の節前神経は胸腰髄(T1~L3)の側角から出るため、下位型・全型の節前損傷(引き抜き損傷)ではT1が障害され、Horner徴候(中等度縮瞳、眼瞼下垂、眼球陥凹)などの交感神経症状を呈することもある。ちなみに、引き抜き損傷とは、脊髄から神経根が引き抜かれる節前損傷である。節前損傷の機能回復は期待できないが、節後損傷であればある適度の機能回復が期待できる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4054🔗
問題文正答率:50.00%
37
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉における補装具費支給制度で18歳未満のみが対象となるのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。座位保持椅子は、障害者総合支援法における補装具費支給制度で18歳未満のみが対象となる。
2~5.× 側弯矯正装具/電動車椅子(リクライニング・ティルト式普通型)/歩行器(六輪型)/ロフストランドクラッチは、18歳以上の障害者も支給の対象である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4055🔗
問題文正答率:50.00%
38
疾患または症候と異常歩行の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。酩酊歩行(失調性歩行、ワイドベース、よろめき歩行)は、運動失調(小脳障害・前庭障害)によりみられる。
2.× すくみ足歩行は、「フレイル」ではなくパーキンソン病でみられる。パーキンソン病は他にも小刻み歩行や突進現象がみられる。ちなみに、フレイルとは、「虚弱」「脆弱」という意味であり、加齢するにつれて体力や活力が弱まっている状態のことを指す。
3.× はさみ脚歩行は、「Parkinson病」ではなく痙性対麻痺などでみられる。はさみ脚歩行とは、両足をはさみのように組み合わせて歩き、痙性対麻痺歩行ともいう。
4.× 踵足歩行(らくだ歩行)は、「脳卒中片麻痺」ではなく脛骨神経麻痺・二分脊椎・ポリオなどでみられる。ちなみに、踵足歩行(らくだ歩行)とは、足のつま先が宙に浮いた状態で、踵だけが接地した歩行のことである。
5.× 分回し歩行は、「総腓骨神経麻痺」ではなく脳卒中片麻痺でみられる。ちなみに、総腓骨神経麻痺は、下垂足となり、鶏歩がみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4056🔗
問題文正答率:50.00%
39
エビデンスレベルが最も高いのはどれか。
解説・コメント
1.× 症例報告(記述研究)は、エビデンスレベルⅤである。
2.× コホート研究(分析疫学研究)は、エビデンスレベルⅣaである。
3.× 症例対照研究(分析疫学研究)は、エビデンスレベルⅣaである。
4.〇 正しい。ランダム化比較試験は、エビデンスレベルⅡである。エビデンスレベルはⅠ(小さい数字)に行くにつれエビデンスが高いとされている。
5.× 非ランダム化比較試験は、エビデンスレベルⅢである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4057🔗
問題文正答率:50.00%
40
ワーキング・メモリを測定する検査が含まれているのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。BACS(The Brief Assessment of Cognition in Schizophrenia:統合失調症認知機能簡易評価尺度)は、ワーキング・メモリを測定する検査が含まれている。6つの認知機能(①言語性記憶と学習、②ワーキング・メモリ(作動記憶)、③運動機能、④注意と情報処理速度、⑤言語流暢性、⑥遂行機能)を評価する。ただし、言語流暢性のみ2つの検査があるので、7つの検査で構成されている。
2.× LASMI(Life Assessment Scale for the Mentally Ill:精神障害者社会生活評価尺度)は、精神障害のある人の生活を包括的に評価するための尺度である。5つの大項目(①日常生活、②対人関係、③労働または課題遂行能力、④持続性・安定性、⑤自己認識)からなる。
3.× SCSQ(Social Cognition Screening Questionnaire:心の状態推論質問紙)は、統合失調症で障害される社会認知に関する質問紙である。5項目(①言語記憶、②文脈からの推論、③心の理論、④メタ認知、⑤敵意バイアス)によって構成される。
4.× SMSF(Inventory Scale for Mood and Sense of Fatigue:気分と疲労のチェックリスト)は、統合失調症患者の気分と疲労感に関する13項目からなる自記式尺度である。各尺度について被検者は、「感じない」と「強く感じる」を両端とする線分上のどのあたりに今の状態が当てはまるかをチェックする。
5.× WHO-DAS 2.0(WHO disability assessment schedule 2.0:WHO障害者評価面接基準2.0)は、質問紙に対する患者の反応から障害の性質を評価する。6領域(①認知、②可動性、③セルフケア、④他者との交流、⑤日常活動、⑥社会への参加)を調査する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4058🔗
問題文正答率:50.00%
41
統合失調症の急性期において、治療効果をみるのに最も適切なのはどれか
解説・コメント
1.× GHQ(General Health Questionnaire:精神健康調査票)は、60項目の質問事項からなる神経症の症状把握、評価、発見に有効なスクリーニング検査である。
2.× LSP(Life Skills Profile:生活技能プロフィール)は、地域で生活している統合失調症患者の生活機能や社会生活能力を評価する尺度である。「急性期の治療効果」ではなく、慢性期の治療効果の判定に有用である。
3.〇 正しい。PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale:陽性・陰性症状評価尺度)は、統合失調症の急性期において、治療効果をみるのに最も有効である。統合失調症を対象に、精神状態を全般的に把握することを目的として作成された評価尺度である。30項目について陽性尺度、陰性尺度、総合精神病理尺度を医師が評定する。
4.× QLS(Quality of Life Scale:QOL尺度)は、地域で生活している統合失調症の陰性症状を主症状とした人の生活の質(QOL)の評価法である。「急性期の治療効果」ではなく、慢性期の評価である。
5.× SFS(Social Functioning Scale:社会機能評価尺度)は、統合失調症における家族介入の効果を測定するため、コミュニティでの生活の維持において重要な機能を評価する尺度である。「急性期の治療効果」ではなく、慢性期の評価である。
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問題文正答率:50.00%
42
うつ病患者に行った訓練を表に示す。
あてはまる訓練法はどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。設問の表は、コラム法(思考記録表)である。うつ病の精神療法として認知行動療法がある。今回示されているのは「7つのコラム法」とよばれ、 7つの項目を記載・検討することで認知の再構成を図るものである。コラム法は、 嫌な感情が起こったときの状況、 気分、 自動思考などを表(コラム)に記述し、それらを改めるような思考を促すものである。
2.× 自己教示法は、認知行動療法の一つで、遂行機能障害にも適応となる。恐怖やネガティブな感情が湧出した際に、実際に声を出して、あるいは心の中で「リラックスしよう」「心配ない」などの言葉を自分自身にかける。自らの言葉で教示を与え、それが刺激となって自らの行動を変容させる方法である。
3.× 行動活性化法は、行動療法(心理療法)の一つで、抑うつ状態にも適応となる。抗うつ効果のある行動を起こさせることで改善を目的とする。日々の活動の予定を作って、実際の行動を観察したり、これらの行動や活動を変えることがその人の助けになりそうな特定の状況に注目したりする。
4.× ポジティブ日誌は、抑うつ状態にも適応となる。ポジティブなことを毎日思い出して記載する方法である。
5.× アサーショントレーニング(自己表現)は、抑うつ状態・メンタルヘルス不全にも適応となる。自分も相手も大切にした自己表現を身につけていくためのトレーニングである。 自分の気持ち、考え、信念等を正直に、率直にその場にふさわしい方法で表現できるコミュニケーションを目指す。
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問題文正答率:50.00%
43
広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)について正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 聴覚過敏などの感覚過敏がみられる。
2.〇 正しい。クレーン現象がみられる。クレーン現象は、言葉がうまく使えないため、動作で要求を実現させようとする動作である。 例えば、のどが渇いたら、母親の手を取って冷蔵庫の所まで連れて行くといった動作である。言葉で要求を伝えられない小児(自閉スペクトラム症を含む)にみられることが多い。
3.× 注意欠如・多動性障害(ADHD)は合併する。ほかにも、知的障害、発達性協調運動症、学習障害などの合併がみられる。
4.× 逆である。聴覚情報より視覚情報への注目の方が優位である。聴覚(言葉で話す)よりも視覚(絵など)で訴えた方が指示は伝わりやすい。限局性学習症といい、知的障害などはないが、聞く・話す・読む・計算する・推論するなど、特定の能力の習得と実行に著しい困難を示す。
5.× 4〜5歳で「サリーとアン課題」ができるようになることが多いのは、定型発達の場合である。「サリーとアン課題」は他者の心を推測する能力を測る課題である。同年齢の広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)児では不正解になることが多い。
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問題文正答率:50.00%
44
アルコール依存症の作業療法を行うにあたって、適切でないのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。酒害教育と並行して行う。酒害教育とは、飲酒が引き起こす諸問題やアルコール依存症という病気について学ぶことをいう。酒害に対する正しい知識を身につけること(酒害教育)は、アルコール依存症からの回復につながる。
2.〇 正しい。退薬症候群が遷延(せんえん:物事や病状が長引くこと)しているか把握する。退薬症候群 (離脱症候群)とは、身体的依存を形成しやすい薬物を長期服用していて、急に服用を中止したり、減量した時に起こる症状である。 不安、不眠、焦燥、振戦(ふるえ)、発汗、稀にせん妄やけいれんなどの症状が一過性に現れる。ベンゾジアゼピン系睡眠薬では作用時間の短いものほど早期に強く現れ、多量に服用するほど出やすい。
3.〇 正しい。家族が健康になるよう支援する視点をもつ。なぜなら、患者の家族は精神的に疲弊し健康を害することが多いため。家族への心のケアも必要である。
4.× 本人の飲酒問題の否認について、初期から積極的に介入する必要はない。なぜなら、アルコール依存症患者の初期治療では、「身体的治療・離脱症状の管理と治療」が行われるため。
5.〇 正しい。回復初期には過剰な言動に振り回されない対応が必要である。回復初期のアルコール依存症の特有の心理として、「名誉挽回のために過剰に頑張る」というものもある。この過剰な言動に治療者や家族が真に受けすぎて対応すると、それが続かなくなった場合、患者は無力感が出現し、再飲酒の可能性を高める。正常な部分と病気による部分を区別して、対応を見極めることが必要である。
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問題文正答率:50.00%
45
境界性パーソナリティ障害患者の作業療法について正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 退行を許容する必要はない。なぜなら、退行を許容することにより、さらなる症状(依存・欲求不満・衝動行為など)は悪化する可能性が高いため。ちなみに、退行とは、ある程度の発達を遂げた者が、危機に際してより低い発達段階に「子どもがえり」して、未熟な行動により当面の困難を回避しようとするものである。例として、弟や妹が生まれたとき、両親の愛情が自分から弟妹に移ってしまうことをおそれて、おねしょをして両親の手を煩わせるなどである。
2.× 逸脱行動は静観する必要はない。なぜなら、静観するとさらに、自分を傷つけたり他害のおそれがあるため。ちなみに、逸脱行動とは、リストカット、自殺企図、過食・嘔吐、大量服薬、暴力、喧嘩などがあげられる。
3.〇 正しい。自力で達成できるような作業を行わせる。なぜなら、自己効力感を高めることにつながるため。衝動的にイライラ感や不安感が出現する一方で、慢性的な空虚感も持ち合わせており、抑うつ状態を呈する場合もある。
4.× どちらかというと逆である。面談より作業活動を中心とする。なぜなら、枠を設定しにくい面談を中心にすると治療者への依存を助長させる可能性があるため。また、自力で達成できるような作業活動は、自己効力感を高め、適度な依存欲求を満たすことができる。
5.× 取り決め事項の変更について患者の要求のまま応じる必要はない。むしろ、取り決め事項の枠組みをしっかりと構築し、枠組みを超えた患者の要求には応じないことが必要である。なぜなら、患者の要求に対応していると、患者の依存を増長させる可能性が高いため。患者が周囲の人を巻き込まないようにするための明確な態度をとる姿勢が重要で、また患者の自傷行為の背景を知るための面接が必要である。
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問題文正答率:50.00%
46
注意欠如・多動性障害について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 「女性」ではなく男性に多い。男女比は、1.5~2.5:1である。ただし、各報告につきばらつきが多い。
2.× 低出生体重児の多くで発症することはないが、健常者と比較すると低出生体重児の方が発症率は高い。
3.× 感情における衝動性の高さは、成人となっても持続することが多い。
4.× 大人になってからも、5割以上は症状が残っていることが研究によって明らかになっている。症状のすべての寛解は起こりにくいが、多動性は成人までに改善することが多い。ちなみに、衝動性や不注意は持統することが多い。
5.〇 正しい。青年期以降は、運動性多動の症状は目立たなくなる。多動性は成人までに改善することが多い。ちなみに、衝動性や不注意は持統することが多い。
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問題文正答率:50.00%
47
入院患者のせん妄発症を予防するための取り組みとして適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。処方内容を確認する。なぜなら、せん妄の原因として、薬剤(薬物)があるため。
2.× 家族との面会は謝絶する必要はない。むしろ、身近な人(家族や友人など)との面会は、心理的因子の安定にもつながりせん妄の発症予防に有効である。
3.× 病室移動の頻度は、「増やす」のではなく減らす。なぜなら、せん妄の原因として、環境の変化(手術、入院、ICU入室、明るさ、騒音など)があるため。
4.× 多職種で関わるのを避ける必要はない。むしろ、多職種での関わりは、せん妄の発症予防と早期発見による円滑な治療を進めるうえで重要である。
5.〇 正しい。本人が見える位置に時計を置く。いつでも時間が確認でいることで、患者自身でも睡眠や覚醒のリズムの調整が行えるため。
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問題文正答率:50.00%
48
ACT〈Assertive Community Treatment〉の特徴として正しいのはどれか
解説・コメント
1.× サービスは、「日中に限定した支援を行う」のではなく、365日24時間提供される。
2.× 援助・相談・支援は、「医療機関内のみ」ではなく、実際の生活の場(自宅や職場など)である。積極的に訪問が行われる。
3.× 「利用者の入院治療を推奨するもの」ではなく、地域社会での生活を支援する活動である。
4.× 対象は、「精神障害が軽度な患者」ではなく、比較的重度な患者である。なぜなら、重度の精神障害の患者は、既存の地域精神保健サービスでは十分な恩恵を得ることが難しいため。
5.〇 正しい。チームでのケアマネジメントを行う。多職種によって構成されたチームによりサービスを提供する。
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問題文正答率:50.00%
49
特別支援教育について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 軽度知的障害も対象である。対象障害種は、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱などに及ぶ。それぞれのニーズに合わせた支援が提供されている。
2.× 特別支援学級(公立小・中学校)は、「10名以上」ではなく上限8人・平均3人(1学級当たり)で編成する。
3.× 一人一人の障害レベルに応じて、「標準的な指導」ではなく障害に配慮した指導を行う。
4.〇 正しい。注意欠如・多動性障害(ADHD)は、通級による指導の対象である。通級による指導とは、日本の義務教育における特別支援教育の制度の一つで、通常の学級に在籍していながら個別的な特別支援教育を受けることの出来る制度である。発達障害である注意欠如・多動性障害(ADHD)や学習障害(LD) のある児童生徒は対象である。
5.× 広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)は、知的障害の有無にかかわらず対象で特別支援教育を受けることができる。
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問題文正答率:50.00%
50
就労定着支援事業について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 利用期間は、「1年」ではなく3年が限度である。
2.× 他の職場への斡旋を行うのは、「就労定着支援」ではなく公共職業安定所(ハローワーク)である。就労定着支援は、障害者の就労や、就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートする。
3.× 目的が職業上の適性を確認することであるのは、「就労定着支援」ではなく就労移行支援である。ちなみに、就労移行支援事業とは、就業が可能と思われる65歳未満の障害者に対して、就業のために必要な知識や技能を身に付けてもらうものである。2年(特例で3年)が限度である。
4.〇 正しい。一般就労を6か月継続している者が対象である。就労移行支援、就労継続支援などの利用を経て、通常の事業所に新たに雇用され6か月を経過したもので3年が限度である。
5.× 日常生活や社会生活上の相談・指導は行う。就労定着支援は、障害者の就労や、就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートするものである。具体的には、生活リズム、家計や体調の管理など、就労に伴う環境変化などの課題解決に向けて、必要な連絡調整や指導・助言などの支援を実施する。
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問題文正答率:50.00%
51
大菱形骨に接するのはどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
52
橈骨粗面に付着する筋はどれか。
解説・コメント
1.× 肘筋は、【起始】上腕骨の外側上顆の後面、肘関節包、【停止】尺骨後縁後面の上部である。
2.× 上腕筋は、【起始】上腕骨の内側および外側前面の下半、内・外側の筋間中隔、肘関節包前面(広い)、【停止】鈎状突起と尺骨粗面(肘関節包)である。
3.× 腕橈骨筋は、【起始】上腕骨外側縁の下部、外側上腕筋間中隔、【停止】橈骨遠位下端、茎状突起である。
4.〇 正しい。上腕二頭筋は、【起始】長頭:肩甲骨の関節上結節、短頭:肩甲骨の烏口突起、【停止】橈骨粗面、腱の一部は薄い上腕二頭筋腱膜となって前腕筋膜の上内側に放散する。
5.× 橈側手根屈筋は、【起始】上腕骨の内側上顆、前腕筋膜内面、【停止】第2中手骨底である。
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問題文正答率:50.00%
53
大転子に付着する筋はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
不適切問題であり、3つの選択肢が正解である。その為、厚生労働省のHPの正解発表では、3/4,4/5,3/5の3通りのどれを選んでも正解となっている。
1.× 腸骨筋は、【起始】腸骨窩全体、【停止】大腿骨の小転子である。
2.× 大殿筋は、【起始】腸骨翼の外面で後殿筋線の後方、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、腰背筋膜、【停止】腸脛靭帯、大腿骨の殿筋粗面である。
3.〇 正しい。中殿筋は、【起始】腸骨翼の外面で前および後殿筋線の間、腸骨稜外唇および殿筋筋膜、【停止】大転子の外側面である。
4.〇 正しい。梨状筋は、【起始】仙骨の前面で第2~4前仙骨孔の両側、【停止】大転子の先端の後縁である。
5.× 内閉鎖筋は、【起始】骨盤の内面で閉鎖膜とそのまわり、【停止】転子窩の上部である。※転子窩は、大転子の一部であると定義されており、転子窩には他に内・外閉鎖筋、上・下双子筋が付着する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4071🔗
問題文正答率:50.00%
54
健常成人において脊椎に対する脊髄最下端の位置はどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
55
頸動脈小体を支配するのはどれか。
解説・コメント
1.× 滑車神経(Ⅳ)は、主に眼球の運動(上斜筋)を司る。運動神経である。
2.× 三叉神経(Ⅴ)は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。
3.× 顔面神経(Ⅶ)は、主に①表情筋の支配、②涙腺・唾液腺の分泌調整、③舌の前2/3からの味覚を伝える働きを持つ。運動神経と感覚神経、副交感神経を含む。
5.× 副神経(Ⅺ)は、胸鎖乳突筋・僧帽筋を支配している。運動神経である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4073🔗
問題文正答率:50.00%
56
心臓について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 僧帽弁は、「三尖弁」ではなく、唯一の二尖弁である。ちなみに、右房室弁や大動脈弁、肺動脈弁が三尖弁である。
2.〇 正しい。冠静脈洞は、右心房に開口する。冠状静脈洞は心臓壁にある静脈の主幹で、心臓の後面にある冠状溝中に存在し、回旋枝と伴走する。
3.× 腱索が付着するのは、「大動脈弁」ではなく、房室弁(僧帽弁と三尖弁)である。乳頭筋は、心房内に反転しないように支える役割を果たす。
4.× 冠動脈は、「大動脈弓」ではなく、大動脈の基部から分岐する。大動脈の基部にある少し膨らんだ部分をバルサルバ洞といい、その左右には冠動脈がつながり、それぞれ左冠動脈、右冠動脈と分岐する。ちなみに、大動脈弓から分岐するのは、中枢側から順に腕頭動脈、左総頚動脈、左鎖骨下動脈である。
5.× 右冠動脈は、「前下行枝と回旋枝」ではなく、「右外側枝と後室間枝」に分かれる。ちなみに、前下降枝と回旋枝に分かれるのは左冠状動脈である。拡張期に冠動脈に血液が流れやすいのが特徴である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4074🔗
問題文正答率:50.00%
57
上大静脈と下大静脈とを結ぶ静脈はどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。奇静脈である。奇静脈とは、脊柱の右側を走行し上大静脈に合流する静脈をいう。ほかに、脊柱の左側を走行する静脈に半奇静脈と副半奇静脈がある。これらは上大静脈と下大静脈の連絡を担い、閉塞した際には奇静脈が側副血行路として機能する。
2.× 鎖骨下静脈は、内頸静脈と合流し腕頭静脈となる。
3.× 上腸管(間)膜静脈は、門脈を形成して肝臓に流入する。設問は、上腸管膜静脈となっており、「管」ではなく「間」である。
4.× 腎静脈は、下大静脈に流入する。
5.× 脾静脈は、上腸間膜静脈と合流して門脈を形成する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4075🔗
問題文正答率:50.00%
58
筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 下斜筋は、「外転神経」ではなく動眼神経支配である。ちなみに、外転神経は、外側直筋を支配する。
2.× 下直筋は、「視神経」ではなく動眼神経支配である。ちなみに、視神経は視覚を司る。
3.〇 正しい。上眼瞼挙筋は、動眼神経支配である。
4.〇 正しい。上斜筋は、滑車神経支配である。
5.× 内側直筋は、「眼神経」ではなく動眼神経支配である。ちなみに、眼神経は三叉神経第1枝で、顔面(頭部~鼻部)の感覚を支配する。
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問題文正答率:50.00%
59
中耳について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 鼓膜に接しているのは、「キヌタ骨」ではなくツチ骨である。鼓膜から、「ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨」の順である。
2.× 耳管に分布する動脈は、「迷路動脈」ではなく頸鼓動脈(内頚動脈からの分枝)である。なぜなら、時間は中耳に位置する構造であるため。ちなみに、迷路動脈は、脳底動脈(前下小脳動脈)から分岐し、内耳へ血液を供給する。
3.× アブミ骨筋の支配神経は、「下顎神経」ではなく顔面神経支配である。ちなみに、下顎神経は、三叉神経の三本目の枝であり、卵円孔を経由して頭蓋から外に出て、鼓膜張筋を司る 。下顎の歯、下顎、下唇、頬、オトガイ、頬粘膜、舌の前2/3の感覚を司ると共に、咀嚼筋の運動を司る。
4.× アブミ骨と関節を形成するのは、「キヌタ骨の短脚」ではなくキヌタ骨の長脚である。キヌタ骨は中耳にある3個の耳小骨のうちアブミ骨とツチ骨の間にある。体と2個の脚(キヌタ骨長脚、キヌタ骨短脚)からなる。キヌタ骨体は、その前側に、ツチ骨頭のものに応ずる鞍状の関節面をもつ。短脚は後方に向い、鼓室後壁のキヌタ骨窩に入る。長脚は下行して球状の豆状突起となる。この突起は内方に曲がりアブミ骨頭と関節する。
5.〇 正しい。アブミ骨底は、内耳の前庭窓にはまり込んでいる。鼓膜の振動がここで内リンパの振動に変えられる。ちなみに、アブミ骨にはアブミ骨筋が付着し、耳小骨の動きを抑制することで聴覚の感度を下げる働きを持つ。
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問題文正答率:50.00%
60
右下腿後面を図に示す。
ヒラメ筋の触知部位で最も適切なのはどれか。
解説・コメント
下腿の側面から触知している選択肢.④が正しい。下腿後面からヒラメ筋を触れようとすると腓腹筋にあたるため避けたほうが良い。選択肢1.①は、起始部に相当するが、浅層には膝窩筋が走行するため不適切である。
1.× ①:膝窩筋が浅層に存在する。
2.× ②:腓腹筋の内側頭が存在する。
3.× ③:腓腹筋の外側頭が存在する。
4.〇 正しい。④:ヒラメ筋の触知部位で最も適切である。
5.× ⑤:アキレス腱が存在する。
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問題文正答率:50.00%
61
細胞小器官について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 ミトコンドリアは、DNAを持つ。ミトコンドリア内にあるDNAをミトコンドリアDNAと呼ぶ。ミトコンドリアは、細胞に必要なエネルギー産生、細胞呼吸を行う。
2.〇 リソソーム(水解小体)は、加水分解酵素を持つ。リソソームは、加水分解酵素を持ち、細胞質内代謝物の消化や貯蔵に関与したり、蛋白の分解を行う。
3.× 誤っている。Golgi装置(ゴルジ装置)は、リボソームを形成しない。Golgi装置(ゴルジ装置)は、小胞体で合成された物質を細胞膜や分泌小胞に振り分けたり、タンパク質を修飾する。リボソームで生成され送り込まれてきた蛋白質に糖鎖を付け加え、濃縮するなどの修飾をする機能を持つ。ちなみに、リボソームは、RNAと特殊なたんぱく質を含む直径15~20nmのダルマ型の顆粒で、遺伝情報をもとにタンパク質を合成する場所である。粗面小胞体の表面にいる。
4.〇 ペルオキシソームは、酸化酵素を持つ。ペルオキシソームは、脂肪酸代謝と過酸化水素の生成を行う(胆汁酸やコレステロールの生合成)。
5.〇 粗面小胞体では、タンパク質が合成される。リボゾーム(粗面小胞体に付着)を含む粗面小胞体は、タンパク質の合成を行う。
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問題文正答率:50.00%
62
骨格筋について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 活動電位は、「筋収縮に遅れて」ではなく筋収縮前に発生する。活動電位が先行し、筋細胞に加わり閾値を超えることで筋収縮が発生する。
2.〇 正しい。伸張反射の感覚受容器は筋紡錘である。伸張反射は単シナプス反射である。筋紡錘が伸張されることにより、運動神経を興奮させ筋を収縮させる。
3.× 筋に単一刺激を加えると、「強縮」ではなく、単収縮が生じる。単収縮が加重し融合すると収縮力の大きな強縮となる。
4.× 神経筋接合部には、「アドレナリン受容体」ではなくアセチルコリン受容体が分布する。ちなみに、神経筋接合部における抗アセチルコリン受容体抗体によって引き起こされる神経筋疾患が重症筋無力症である。また、アドレナリン受容体は、主に血管や心筋の神経接合部に存在している。
5.× 筋小胞体から放出された「Na+」ではなくCa2+が、トロポニンに結合する。その後、ATPエネルギーを利用したミオシンの頭部首振り運動が起こり、アクチンフィラメントを引き寄せながらミオシンフィラメント上を滑走して筋収縮が起こる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4080🔗
問題文正答率:50.00%
63
微小循環について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 物質輸送機構は、拡散である。細胞膜を隔てた物質の移動には、①拡散(濃度勾配に従って移動)、②能動輸送(濃度勾配に逆らって移動)がある。
2.〇 メタ細動脈は、平滑筋を持つ。毛細血管直前の細動脈をメタ細動脈という。平滑筋を持つため内径を変化できる。
3.〇 毛細血管は、内皮細胞を持つ。毛細血管の壁は極めて薄く、単層の内皮細胞のみからなる。
4.× 誤っている。血流速度は、毛細血管の細静脈端で最遅になる。各部位の血圧(血圧が高いほど、血流速度も速い)は、①上腕動脈 120mmHg、②細動脈 35mmHg、③毛細血管 20mmHg、④細静脈 15mmHgである。また、血管の断面全体を通過する血流量はどこも等しいため、各部分での血管総断面積と平均速度は反比例の関係にある。
5.〇 細動脈は、血管抵抗を決定する主要部位である。血液は、「動脈→細動脈→毛細血管→細静脈→静脈」の順に流れる。急激な変化が出現するのは、細動脈のレベルである。血管抵抗が極端に大きくなり、血管内圧も著明に減少する。毛細血管のレベルになると、血管の総断面積が最大に広がり、血流速度も最小になる。これは、組織での物質交換に最適な条件といえる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4081🔗
問題文正答率:50.00%
64
平衡聴覚器について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 三半規管は、「重力」ではなく、回転運動(頭部の回転加速度)に反応する。ちなみに、重力(垂直加速度)は耳石器(卵形嚢と球形嚢)が反応する。半規管は、頭部を回転した場合に生じる回転加速度(角加速度)を受容し、耳石器(卵形嚢と球形嚢)は、頭部の傾きや乗り物やエレベーターに乗った場合に生じる直線加速度を受容する(頭部の傾きの検出も、重力方向、すなわち直線加速度を感知することである)。外側半規管は水平面に反応、前半規管は前額面に反応、後半規管は矢状面に反応する。
2.× 球形嚢斑に聴覚受容器がない。球形嚢は、平衡感覚受容器である。ちなみに、聴覚受容器は蝸牛にあるコルチ器である。
3.× 卵形嚢は角加速度に反応しない。卵形嚢は、球形嚢と連携し、重力(垂直加速度)に反応する。
4.〇 正しい。三半規管の受容器は、膨大部稜にある。
5.× 三半規管のクプラは、耳石膜で覆われていない。クプラが三半規管の膨大部に位置し、長い感覚毛に覆われている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4082🔗
問題文正答率:50.00%
65
心臓について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 冠動脈の血流は、「収縮期」ではなく拡張期に増加する。冠動脈の血流は、体循環とは異なる。
2.× 左心房と左心室は、「同時に収縮が始まる」のではなく、「左心房→左心室」の順番で収縮する。洞房結節からの電気刺激により、左・右心房は同時に収縮し、ヒス束→左右脚→プルキンエ線維に伝えられ、左・右心室が同時に収縮する。
3.× 心筋は伸張されると収縮力が増加する。Frank-Starlingの法則(フランクスターリングの法則)とは、心筋は伸展されればされるほど、収縮力が増加することである。一方、心機能が悪いと心拍出量の増加は期待できない。
4.× 心筋の収縮は、「H+」ではなく「Ca2+」の細胞内流入により生じる。
5.〇 正しい。ノルアドレナリンは心筋収縮力を増加させる。ちなみに、ノルアドレナリンの他にも、アドレナリンのカテコールアミンはアドレナリン受容体と結合して、心筋収縮力を増加させる。
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問題文正答率:50.00%
66
膵液について正しいのはどれか。
解説・コメント
膵液に含まれる消化酵素はトリプシン、キモトリプシン、ヌクレアーゼ、膵アミラーゼ、リパーゼである。トリプシンとキモトリプシンは蛋白を、ヌクレアーゼは核酸を、アミラーゼはデンプンと糖質を、リパーゼは脂質を分解する。
1.× 膵液は、弱アルカリ性(pH8程度)を示す。ちなみに、酸性は胃液である。胃の中で産生になっている内容物を中和する働きがある。
2.× 膵液に含まれるリパーゼは、脂肪分解酵素が含まれる。リパーゼは膵臓から消化液として分泌され、脂肪を分解して脂肪酸とグリセリンを生成させる酵素である。
3.× 膵液の主成分は、外分泌される消化酵素(トリプシン、キモトリプシン、ヌクレアーゼ、膵アミラーゼ、リパーゼ)である。膵臓のランゲルハンス島細胞からは、糖の代謝に必要なインスリン、グルカゴン、ソマトスタチンなどのホルモンが分泌される。これらは、膵内分泌ホルモンである。
4.× 膵液分泌量は、1日約800〜1000mLである。
5.〇 正しい。セクレチンは、膵液の分泌を促進したり、胃液の混じった酸性の粥状食物を中和させたりする作用がある。セレクチンは十二指腸粘膜の深部に位置するS細胞から分泌される。
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問題文正答率:50.00%
67
蓄尿時に作用する体性運動神経はどれか。
解説・コメント
排尿中枢は、仙髄(S2~4)にあり、膀胱壁が拡張するとその知覚が排尿中枢に伝えられる。普段は大脳から蓄尿の指令が出ているが、排尿の命令が出ると陰部神経を介して外尿道括約筋が弛緩し、副交感神経を介して排尿筋が収縮する。
1.〇 正しい。陰部神経は、蓄尿時に作用する体性運動である、陰部神経が排尿中枢からの指令を受けて外尿道括約筋を収縮させることで蓄尿が可能となる。
2.× 下殿神経は、大殿筋の支配神経である。
3.× 下腹神経(交感神経)は、膀胱壁排尿筋を支配している。しかし、下腹神経(交感神経)が支配する膀胱壁排尿筋は、平滑筋であるため随意的なコントロールはできない。
4.× 骨盤神経(副交感神経)は、膀胱の収縮に作用するため、「蓄尿」ではなく排尿に関与しており、随意的なコントロールはできない。
5.× 閉鎖神経は、外閉鎖筋・長内転筋・短内転筋・小内転筋・大内転筋・薄筋の支配神経である。また、大腿内側の皮膚感覚を支配している。
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問題文正答率:50.00%
68
副腎皮質ホルモンについて正しいのはどれか。
解説・コメント
副腎皮質ホルモンには、①アルドステロン、②コルチゾール、③アンドロゲンがある。
1.× 血糖値に影響する。副腎皮質ホルモンであるコルチゾールとアルドステロンは、血糖値を上昇させる作用がある。
2.× ストレス時に変動する。コルチゾールは、心身のストレスによって急激に分泌量が増加する。そのため、ストレスホルモンとも呼ばれている。循環動態およびエネルギー代謝の維持に関与する。
3.〇 正しい。副腎皮質ホルモンは、早朝に分泌が最大となり、夜には分泌が少なくなるのが一般的である。このリズムが崩れて、ストレスや生活習慣によって慢性的にコルチゾールの分泌量が増えると、海馬の神経細胞が破壊され萎縮し、認知機能の低下を指摘されることが多い。一方、コルチゾールの分泌量が減ると、食欲の低下、体重減少、全身倦怠感などのうつ症状を指摘されることが多い。
4.× 副腎皮質ホルモンは、「ペプチドホルモン」ではなくステロイドホルモンである。ホルモンは①ペプチドホルモン、②ステロイドホルモン、③アミン・アミノホルモン、④糖タンパクホルモン、⑤その他の5つ分類される。①ペプチドホルモンは、成長ホルモン・インスリンなど大部分のホルモンが含まれる。②ステロイドホルモンは、副腎皮質ホルモンの他に性腺ホルモンも含まれる。コレステロールを原料として作られたステロイド骨格を盛るホルモンである。③アミン・アミノホルモンは、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)、甲状腺ホルモンがある。
5.× 副腎皮質ホルモンは、「アドレナリン」ではなくコレステロールを母体として生合成される。脂溶性のホルモンである。生合成とは、生体内で簡単な化合物から複雑な化合物が作られるこという。
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問題文正答率:50.00%
69
エネルギー代謝率の計算式で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 内的仕事量 ÷ 全仕事量は、内的仕事率(PIT)の公式である。内的仕事率(PIT)とは、作業筋自身が重心周りの運動のために出力する仕事と定義されている。つまり、総仕事量に占める内的仕事量の割合を指すことが多い。
2.〇 正しい。エネルギー代謝率=労作代謝量÷基礎代謝量を表す。
3.× 基礎代謝量 ÷ 基準体表面積は、体表面積当たり基礎代謝基準値(kcal/m2/時)を求めている。基礎代謝量と体表面積は比例すると考えられている。また、エネルギー代謝率(relative metabolic rate:RMR)とも比例すると考えられている。
4.× 労作代謝量(労作代謝量)÷ 「安静時代謝量」は、代謝当量(METs)が求められる。
5.× 基礎代謝実測値(kcal/m2/時)とは、基礎代謝量 ÷ 基準体表面積で求められる。基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)とは、エネルギー必要量を推定するために性・年齢別に定められた、体重あたりの 基礎代謝量の代表値である。
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問題文正答率:50.00%
70
筋の作用で正しいのはどれか。
解説・コメント
便宜上1を正解としましたが正答値表が空欄となっていました。
厚労省の正解発表では採点対象から除外する問題となっている。
以下は選択肢を詳しくみた解説を示す。
1.△ 内側翼突筋は、両側が同時に作用すると下顎骨を前に突き出す。また片側の収縮では下顎を反対側に移動させる。
2.× 咬筋は、両側同時に収縮することで下顎骨を上に引き上げる(閉口)。咬筋は、強力な咀嚼筋である。
3.× オトガイ横筋は、口角および上唇を下方へ引く。ちなみに、オトガイ筋は下唇を突き出す。
4.△ 大頬骨筋は、口角を上外側に引き上げる作用を持つ。
5.× 皺眉筋(しゅうびきん)は、「眉毛の挙上」ではなく、眉間に皺を寄せる働きを持つ。ちなみに、眉毛の挙上は、前頭筋が担う。
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問題文正答率:50.00%
71
嚥下反射時に活動する筋の中で舌骨下降作用があるのはどれか
解説・コメント
舌骨上筋群:顎舌骨筋、顎二腹筋、茎突舌骨筋、オトガイ舌骨筋
舌骨下筋群:甲状舌骨筋、胸骨舌骨筋、肩甲舌骨筋、胸骨甲状筋
1.× 顎舌骨筋は、下顎骨の固定時には舌骨の挙上、舌骨の固定時には下顎骨の引き下げに働く。
2.× 顎二腹筋は、下顎骨の固定時には舌骨の挙上、舌骨の固定時には下顎骨の引き下げに働く。
3.× 茎突舌骨筋は、舌骨の挙上に働く。
4.〇 正しい。甲状舌骨筋は、嚥下反射時に活動する筋の中で舌骨下降作用(舌骨を引き下げて固定する作用)がある。舌骨が固定されているとき、喉頭蓋を閉じて食塊を咽頭へ送り込む作用があり嚥下反射に関与する。
5.× オトガイ舌骨筋は、下顎骨の固定時には舌骨の挙上、舌骨の固定時には下顎骨を後下方に引き下げる。
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問題文正答率:50.00%
72
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)における胸腰部回旋の基本軸で正しいのはどれか。
解説・コメント
胸腰部回旋は、【基本軸】両側の後上腸骨棘を結ぶ線、【移動軸】両側の肩峰を結ぶ線である。したがって、選択肢3.両側の上後腸骨棘を結ぶ線を基本軸とするのは胸腰部回旋である。
1.× 【仙骨後面】を基本軸とするのは、胸腰部の屈曲・伸展である。
2.× 【肩峰を通る床への垂直線】を基本軸とするのは、頸部の屈曲・伸展、肩関節の内転・外転である。
4.× 【ヤコビー〈Jacoby〉線の中心に立てた垂直線】を基本軸とするのは、胸腰部側屈である。
5.× 【第7頚椎棘突起と第1仙椎の棘突起を結ぶ線】を基本軸とするのは、頚部側屈である。
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問題文正答率:50.00%
73
上肢の筋と作用の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 上腕二頭筋の作用は、肘関節屈曲、回外(長頭:肩関節外転、短頭:肩関節内転)である。ちなみに、肩関節外旋筋は棘下筋、小円筋、三角筋(後部)である。
2.× 上腕三頭筋の作用は、肘関節伸展、肩関節伸展である。ちなみに、肩関節内旋筋は肩甲下筋、大円筋、広背筋、大胸筋、三角筋(前部)である。
3.〇 正しい。腕橈骨筋の作用は、肘関節屈曲のほか、前腕回外位では回内・前腕回内位では回外である。他にも、前腕回内筋は、円回内筋、方形回内筋である。
4.× 円回内筋の作用は、前腕回内・肘関節の屈曲補助である。ちなみに、肘関節伸展筋は、主に上腕三頭筋、肘筋である。
5.× 上腕筋の作用は、肘関節屈曲である。ちなみに、前腕回外は、主に上腕二頭筋、回外筋である。
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問題文正答率:50.00%
74
運動学習におけるパフォーマンスの知識はどれか。
解説・コメント
1~4.× フィギュアスケートの得点/投球のストライク判定/50m平泳ぎのタイム/サッカーのゴール数は、KR:結果に関するフィードバックである。なぜなら、運動後のその結果に対する情報であるため。
5.〇 正しい。宙返りの空中姿勢は、動きに対するフィードバック(運動中の特徴)であるため、KP(パフォーマンスの知識)である。
運動学習
運動学習に必要な外的フィードバックの中には、①KR(結果の知識)と、②KP(パフォーマンスの知識)が含まれる。①KR(結果の知識)は、運動終了後に与えられる結果に関するフィードバックのことである。②KP(パフォーマンスの知識)は、運動中の動きに関するフィードバックのことを指す。ちなみに、②KP(パフォーマンスの知識)は、運動学的フィードバックとも呼ばれる。
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問題文正答率:50.00%
75
心電図の房室ブロックの所見で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× Wenckebach型房室ブロック(ウェンケンバッハ型)のPR間隔は、「不変」ではなく延長する。ちなみに、PR間隔が不変なのは、1度房室ブロックである。Wenckebach型房室ブロック(ウェンケンバッハ型)の特徴として、PP間隔は不変であるが、PR間隔が次第に延長してQRSが脱落する。
2.〇 正しい。第1度房室ブロックでは、QRS波は脱落しない。1度房室ブロックの特徴として、心房から心室への伝導時間が延長するが、P波とQRS波の数や形は変わらない。
3.× 第1度房室ブロックでは、PR間隔が0.2秒以上になっていることをいう。
4.× 第3度房室ブロックでは、P波は生じるものの、QRS波と対応しなくなる。つまり、心房からの刺激が途絶え、P波とQRSが無関係に生じるようになる。
5.× MobitzII型房室ブロック(モビッツⅡ型)では、P波の後のQRSが突然脱落する。PR間隔が徐々に延長するのは、ウェンケンバッハ型である。
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問題文正答率:50.00%
76
腱板断裂の範囲の把握に最も有用な検査はどれか。
解説・コメント
腱板断裂とは、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱が損傷・断裂していることをいう。肩峰や上腕骨頭とのインピンジメント(衝突)で損傷されやすい棘上筋腱の損傷がほとんどである。画像所見やインピンジメントの誘発テストによって診断される。また、断裂と断裂部に関節液の貯留を認めるため、超音波(エコー)やMRI検査で診断することが多い。MRIは時間がかかることや体内に磁性体がある場合は行うことができない。また画像をスライスでしか確認できないため連続性を追いにくいといった特徴がある。
1.〇 正しい。MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)では、T2強調像により診断することが多く、腱板は黒、断裂部(関節液)は白く映る。MRIは、軟部組織の病変(ヘルニア)や、小さな病変(脳腫瘍、小梗塞、脱髄巣など)の診断能力に優れている。T1強調像は、高信号(白)は脂肪(亜急性期の出血)・低信号(黒)は水(慢性期の出血)となる。脳回の萎縮、側室の拡大といった解剖構造を診るのに適している。T2強調像は、高信号(白)は水・脂肪(ほとんどの病変)・低信号(黒)は空気(慢性期の出血、線維化、石灰化)となる。多くの病変を鋭敏に診るのに適している。
2.× 単純CTでは、腱板は映らない。単純CT像は、急性期のくも膜下出血の診断に最も有用である。また、急性期の脳出血や石灰化、骨折などの骨の形態変化などに適している。急性期のくも膜下出血の診断の際に、MRIでも病巣の確認は行えるが、撮影時間を比較すると、CTは数秒、MRIは数分~数十分かかるためCTを選択されることが多い。
3.× 血管造影では、腱板は映らない。血管造影とは、血管の状態や血液の流れ、血管病変、腫瘍を調べるための検査である。
4.× 単純エックス線では、腱板は映らない。単純エックス線では、骨を中心とした検査であり、骨に変形が生じている場合や骨棘の有無は確認できる。基本的な撮影メカニズムはCTと同じだが基本的に胸部や骨折部位の特定など一枚の撮影に用いられることが多い。単純CTのように断層として見ることができない。
5.× 骨シンチグラフィーでは、腱板は映らない。なぜなら、骨を中心とした検査であるため。骨シンチグラフィーは、骨代謝マーカー(放射性物質)を注射して、全身の骨のようすを写真に撮って、癌の骨転移、外傷等による微小骨折など、X線検査ではわかりにくい様々な骨の状態を見る検査である。治療の前後で調べて治療の効果をみたり、疲労骨折や骨粗鬆症による骨折を早期に発見したりするのに適している。
https://ja.mondder.com/fq?id=4094🔗
問題文正答率:50.00%
77
機能的イレウスの原因となるのはどれか。
解説・コメント
1.× 大腸癌は、機械的イレウス(単純性腸閉塞)に分類される。大腸癌は、良性のポリープががん化したり、大腸壁の粘膜から発生した癌細胞が深く浸潤することで発生する。
2.× 腸重積は、機械的イレウス(複雑性腸閉塞)に分類される。腸重積は、回腸(小腸の一部)が大腸にはまり込んでしまう病気である。
3.〇 正しい。長期臥床によるイレウスでは、機能的イレウス(麻痺性イレウス)に分類される。なぜなら、腸管自体の損傷はないため。長期臥床に伴い、慢性的な腸管麻痺をきたす。
4.× 内ヘルニアは、機械的イレウス(複雑性腸閉塞)に分類される。内ヘルニアは、腹腔内に存在する裂孔や嚢状部に腹腔内臓器が陥入した状態のことである。腸管膜を突き抜けることもあるため器質的な異常を伴う機械的イレウスに分類される。
5.× 腹腔内癒着は、機械的イレウス(単純性・複雑性どちらともの原因となる)に分類される。腹腔内が癒着することによって、腸と腹腔壁もしくは腸管同士がくっついて塞がったりすることがある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4095🔗
問題文正答率:50.00%
78
記憶過程の要素として正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1/3.〇 正しい。「記銘」・「想起」は、記憶過程の要素として正しい。記銘(符号化)は、外部の刺激がもつ情報を意味に変換して記憶として取り込むこと。想起(保持)は、保存されていた記憶をある期間後に外に表すことである。
2.× 計画立案は、遂行機能の要素である。ちなみに、具体的には、①目標設定、②計画立案、③計画実行、④効果的遂行などの要素から成り立っている。
4~5.× 転換/配分は、注意機能の要素である。転換性が低下すると、1つのことに注意を向けているときに、他の別のことに気付いて注意を切り替えることが難しく、課題を変えることが苦手になったり、直前にやっていたことと混乱したりする。また、転換は、防衛機制の1つとして使われることもある。受け入れがたい自己の感情を別の対象に向けることで解消すること。配分性が低下すると、いくつかのことに対し、同時に注意を向けながら行動するという能力が低下する。(電話をしながらメモが取れない、料理の途中で他のことをして料理が焦げてしまったなど)
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問題文正答率:50.00%
79
イラスト風に描かれた人物のセリフを書き込む形式の心理検査はどれか
解説・コメント
1.× SCT(sentence completion technique:文章完成テスト)は、投影法の心理検査(性格検査の1つ)である。用紙にはいくつかの単語や不完全な文章があり、それらの続きを患者が完成させてもらうことで、人格を検査する。対象は小学生以上で、用紙は3種類あり、小学生・中学生・高校生以上用である。
2.〇 正しい。P-Fスタディ(Picture Frustration Study:絵画欲求不満テスト)は、心理検査(性格特性を把握する検査)である。欲求不満の場面の柄を24枚見せて応答する場面を想定して文章を書いてもらう。ある場面が描かれており、それにどのような対応をするのか吹き出しの空欄にセリフを書き込む。用紙は3種類あり、児童用・青年用・成人用である。
3.× バウムテストとは、「実のなる木」を1本自由に描いてもらう描画検査(投影法の人格検査)である。コッホによって開発された。「バウム(Baum)」がドイツ語で「木」という意味である。幼児以上の幅広い年齢が対象となる。
4.× モーズレイ性格検査〈MPI〉は、質問紙法による性格検査である。「内向性-外向性」と「神経症的特性」に関して24項目ずつの質問票に答えてもらうことで、人格を検査する。実際の検査は、虚偽発見尺度20項目などを含み、計80項目からなる。
5.× Revised NEO Personality Inventory〈NEO-PI-R〉は、質問紙法による性格検査である。240項目の質問を通じて、神経症傾向、外向性、開放性、調和性、誠実性の5因子の観点で人格を診断するものである。大学生・成人が対象となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4097🔗
問題文正答率:50.00%
80
認知療法を発展させたのは誰か。
解説・コメント
1.〇 正しい。A.Beck(アーロン・ベック)は、うつ病に対する認知療法(認知行動療法)を発展させた。認知行動療法は、精神症状をもたらす原因となる否定的思考を認知の歪みと捉え、その誤りを修正することによって症状の軽快を図るものである。
2.× S.Freud(フロイト)は、精神分析の創始者であり、自由連想や精神・性的な発達理論、人格形成などである。自由連想とは、患者の頭に浮かんだことを隠さずに自由に語ってもらうことで、無意識のうちに抑制されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせることである。
3.× C.Rogers(ロジャース)は、クライエント(来談者)中心療法の創始者で、非指示的態度(パターン・センター・アプローチ)などである。これは、治療者が来談者の話に関心を持って傾聴し、共感していくことによって、来談者自身が自ら気づき、成長していけるとするものである。
4.× H.Eysenck(アイゼンク)は、不適切な学習によって神経症が引き起こされると考え、1975年にアイゼンク性格検査を考案した。 行動療法および人格論の研究を行い、パーソナリティ研究の分野で活躍した。「モーズリー性格検査(MPI)」を作った。モーズレイ性格検査〈MPI〉は、質問紙法による性格検査である。「内向性-外向性」と「神経症的特性」に関して24項目ずつの質問票に答えてもらうことで、人格を検査する。実際の検査は、虚偽発見尺度20項目などを含み、計80項目からなる。
5.× H.Sullivan(サリヴァン)は、アメリカ合衆国の精神科医、社会心理学者である。WHO設立など精神保健の国際化、また操作的診断基準を導入したことによって現代精神医療の基礎を築いた。積極的精神療法で、統合失調症の治療論に影響を及ぼした。人間のパーソナリティはその人の対人関係からのみ理解できるとし、精神療法を行うに際しては、患者と治療者自身との関係を観察しつつ患者に関与すること(関与しながらの観察)の重要性を指摘した。
https://ja.mondder.com/fq?id=4098🔗
問題文正答率:50.00%
81
老年期における精神保健上の問題として正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 自我同一性は、思春期の課題である。ちなみに、自己同一性とは、心理学や社会学において、「自分は何者なのか」という概念をさす。
2.× エディプス葛藤(エディプスコンプレックス)は、3〜6歳の幼児後期に迎え、これが同性の親への同一化へと進む。ジークムント・フロイトが提示した概念である。男根期に生じ始める無意識的葛藤として提示された。
3.× 空の巣症候群は、壮年期の課題である。多くの女性が通過するといわれている。空の巣症候群とは、子供が巣立ったり結婚した時に感じる憂うつ感や苦しみのことである。
4.× モラトリアムは、青年後期から成年に移行する時期の青年の特性を表す言葉である。『大人にも子供にも属さない猶予期間』という思春期特有の特性を指す。
5.〇 正しい。社会的孤立は、老年期の課題である。老年期は、社会的な役割が減り、身体的にも困難なことが多くなるため、外出も減り、社会的孤立を招きやすい。
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問題文正答率:50.00%
82
Tinel 徴候が陽性となるのはどれか。
解説・コメント
Tinel徴候は、損傷神経を叩打すると支配領域にチクチク感や走感を生じる現象で、神経の回復状況を知る目安となる。機序は、末梢神経の切断後、近位端から軸索の再生が始まるが、再生軸索の先場はまだ髄鞘に覆われていないため起こる。絞扼性神経障害など神経の連続性が保たれている場合、Tinel様徴候とよばれる。
1.× 視床症候群は、視床の出血や梗塞が原因で起こることが多い。主な症状は、①病巣と反対側の軽度な弛緩性麻痺、②中心性疼痛(視床痛:病巣と反対側の顔面・四肢に生じる発作性で頑固な激痛)、③病巣と反対側の舞踏病ないしはアテトーゼ様運動などである。
2.〇 正しい。手根管症候群は、Tinel徴候が陽性となる。手根管症候群は、正中神経の圧迫によって手指のしびれや感覚低下などの神経障害が生じる。手根管(手関節付近の正中神経)を4~6回殴打すると、支配領域である母指から環指橈側および手背の一部にチクチク感や蟻走感が生じる(Tinel徴候陽性)。Tinel徴候のほか、ダルカン徴候(手根管部を指で圧迫するとしびれ感が増悪する)やファーレン徴候(Phalen徴候:手首を曲げて症状の再現性をみる)も陽性となる場合が多い。
3.× Cushing症候群(クッシング症候群)は、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの過剰分泌により起こる内分泌系疾患である。満月様顔貌や中心性肥満などの特徴的な症状を呈する。主に、副腎腺腫、副腎癌、副腎過形成、ACTH産生下垂体腺腫などによりコルチゾールの過剰分泌が起こる。
4.× 内側縦束(MLF)は、脳幹の橋と中脳の間に存在し、眼球運動を調整する働きがある。脳梗塞などによって内側縦束(MLF)が障害されると、寄り目はできるが片側の眼球のみを内転することができなくなる、といった特徴的な症状を呈する。主に、血管障害、脳腫瘍、多発性硬化症などにより内側縦束(MLF)に障害が起こる。
5.× Shy-Drager症候群(シャイ・ドレーガー症候群)は、多系統萎縮症の一種である。自律神経障害が先行し、その後に小脳症状やパーキンソン症状が加わる。自律神経障害として、主に起立性低血圧や勃起障害、膀胱直腸障害などがみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4100🔗
問題文正答率:50.00%
83
第7頸髄後根の障害で生じるのはどれか。
解説・コメント
1.× 下垂手は、橈骨神経「高位」の麻痺によって生じる。ちなみに、橈骨神経は、C5~8支配である。第7頚髄後根の障害だけでは下垂手は起こらない。
2.× Horner徴候(ホルネル徴候)は、交感神経の遠心路が障害されることで生じる。主に、自律神経障害を呈し、三大徴候(眼瞼下垂、縮瞳、眼球陥凹)があげられる。
3.× 腕橈骨筋は、橈骨神経(C5~6)に支配される唯一の屈筋群である。
4.〇 正しい。上腕三頭筋腱反射の低下は、第7頚髄後根の障害で生じる。なぜなら、上腕三頭筋は、橈骨神経(C7~8)に支配されているため。後根が障害されると、筋紡錘からの求心性刺激の入力が障害され、脊髄前角細胞への情報が伝達されず、筋収縮が減弱、つまり腱反射が減弱する。
5.× 上腕二頭筋は、筋皮神経(C5~6)に支配される。線維束性収縮とは下位運動ニューロンの障害によって筋繊維や単一運動単位が不規則に収縮することである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4101🔗
問題文正答率:50.00%
84
切断について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 上腕切断(短断端)では、「肩内転拘縮」ではなく、肩関節の屈曲拘縮を生じやすい。なぜなら、上肢の重さが失われること、上肢は下肢に比べ皮下組織が少なく骨断端に皮膚癒着することがあるため。
2.× 前腕切断(中断端)では、「肘伸展拘縮」ではなく、前腕の回内拘縮を生じやすい。ちなみに、前腕切断の長断端でも同様で前腕の回内拘縮を生じやすい。なぜなら、円回内筋の回内作用が優位に働くため。
3.〇 正しい。Chopart関節(ショパール関節)離断では、足部の内反・尖足変形を生じやすい。
4.× Lisfranc関節離断(リスフラン関節)では、「足外反変形」ではなく、足部の内反・尖足変形を生じやすい。
5.× 大腿切断(標準切断)では、「股内転拘縮」ではなく、股関節の屈曲・外転拘縮を生じやすい。なぜなら、主に股関節内転筋群が切断され、拮抗筋(股関節外転筋)が優位となり筋の不均衡が起こるため。
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問題文正答率:50.00%
85
悪性リンパ腫について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 上腕切断(短断端)では、「肩内転拘縮」ではなく、肩関節の屈曲拘縮を生じやすい。なぜなら、上肢の重さが失われること、上肢は下肢に比べ皮下組織が少なく骨断端に皮膚癒着することがあるため。
2.× 前腕切断(中断端)では、「肘伸展拘縮」ではなく、前腕の回内拘縮を生じやすい。ちなみに、前腕切断の長断端でも同様で前腕の回内拘縮を生じやすい。なぜなら、円回内筋の回内作用が優位に働くため。
3.〇 正しい。Chopart関節(ショパール関節)離断では、足部の内反・尖足変形を生じやすい。
4.× Lisfranc関節離断(リスフラン関節)では、「足外反変形」ではなく、足部の内反・尖足変形を生じやすい。
5.× 大腿切断(標準切断)では、「股内転拘縮」ではなく、股関節の屈曲・外転拘縮を生じやすい。なぜなら、主に股関節内転筋群が切断され、拮抗筋(股関節外転筋)が優位となり筋の不均衡が起こるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4103🔗
問題文正答率:50.00%
86
骨折の名称と部位の組合せで正しいのはどれか。 つ選べ。
解説・コメント
1.× Cotton骨折(コットン骨折)は、「大腿骨」ではなく外果・後果・内果の骨折(三果骨折)である。
2.× Dupuytren骨折(デュプイトラン骨折)は、「第1中手骨」ではなく、足部の回内/外旋により①内果骨折、②遠位脛腓関節の完全離開(三角靭帯裂)、③腓骨骨幹部または頸部の骨折(脛腓靭帯結合より高位の腓骨骨折)の3つを合併したものを指す。
3.〇 正しい。Galeazzi骨折(ガレアッジ骨折)は、橈骨骨幹部の骨折と遠位橈尺関節の脱臼を伴う損傷である。前腕を強く回内して受傷した際に多く見られる。
4.〇 正しい。Jefferson骨折(ジェファーソン骨折)は、環椎の破裂骨折をいう。ちなみに、破裂骨折とは、椎体の前方(前弓)だけでなく、後方の壁(後弓)も含めた骨折のこと。脊髄損傷を合併することが多い。
5.× Straddle骨折(ストラドル骨折)は、「上腕骨」ではなく、骨盤骨折の一種で、両側の恥骨と坐骨の骨折である。同じ骨盤骨折の中に、垂直に同側2か所の骨折を伴い骨盤の安定性を損なうMalgaigne骨折(マルゲーニュ骨折)がある。
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問題文正答率:50.00%
87
視床痛について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 視床痛は、そもそもCRPS〈複合性局所疼痛症候群〉には分類されない。視床の障害が原因で起こる視床痛は、脳卒中後疼痛に分類される。ちなみに、CRPSは、神経損傷がないtypeⅠ(RSD)と神経損傷後に起こる typeⅡ(カウザルギー)に分類される。
2.× 視床痛の発症頻度は、1~4%である。その理由として、脊髄視床路と内側毛帯の混在する脊髄視床路が責任病巣とされており、視床外側部(体知覚中継核)以外では視床痛は見られないことがあげられる。ただし、脳卒中患者のうち、神経障害の有無にかかわらず何らかの疼痛を有する頻度は30~50%程度ある。
3.× 「脳卒中発症直後」ではなく、一定期間経過後に生じることが多い。発症は、数週間から数か月後に起こることが多い。
4.〇 正しい。鎮痛剤は無効であることが多い。なぜなら、疼痛の発生機序は不明であるため。
5.× 手部に腫脹を伴うのは、「視床痛」ではなくCRPS〈複合性局所疼痛症候群〉のひとつである「肩手症候群」である。
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問題文正答率:50.00%
88
心原性脳塞栓症の原因として誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 卵円孔開存は、心原性脳塞栓症の原因となる。卵円孔は、生後2~3日で自然閉鎖するのが一般的だが、まれに開存したままの場合がある。開存していても無症状であれば問題にはならないが、下肢の静脈にできた血栓が開存した卵円孔を通じて右心房から左心房に流れ、それが脳塞栓を引き起こす場合には治療が必要である。卵円孔開存は、奇異性脳塞栓症に分類される。ちなみに、奇異性脳塞栓症とは、卵円孔開存・心室中隔欠損症・肺動静脈痩などがある場合に、深部静脈血栓症などで末梢静脈系に生じた血栓が左心系に入り発症する脳塞栓である。
2.〇 拡張型心筋症は、心原性脳塞栓症の原因となる。拡張型心筋症は、心室が拡大し心臓のポンプ機能が低下する疾患で左心室疾患である。不整脈や収縮不全により、血液が左心室内にうっ滞するため血栓が生じやすい。出来た血栓が脳血管に詰まることで脳塞栓を引き起こし、致死的になる場合もある。
3.× 誤っている。三尖弁狭窄症は、心原性脳塞栓症の原因とならない。なぜなら、三尖弁狭窄は右心系の疾患であるため。仮に血栓ができ飛んでも、肺に塞栓をきたす。ちなみに、三尖弁狭窄症とは、三尖弁口が狭小化することによって、右房から右室への血流が妨げられる病態である。 原因はほぼ全例でリウマチ熱で、症状として①頸部のはためくような不快感、②疲労、③皮膚冷感、④右上腹部不快感などがある。
4.〇 慢性心房細動は、心原性脳塞栓症の原因となる。心房細動は、心臓がこまかく震えている状態である。血栓ができやすいため脳塞栓の原因となり最多である
5.〇 感染性心内膜炎は、心原性脳塞栓症の原因となる。感染性心内膜炎は、体内の細菌が心臓弁や心内膜で増殖する疾患である。増殖した細菌がかたまり血流に乗って脳や他臓器で塞栓症を引き起こすことがある。
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問題文正答率:50.00%
89
進行性核上性麻痺について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 「延髄」ではなく、主に中脳と橋が萎縮する。
2.× L-Dopaなどの抗パーキンソン病薬は効かないことが多い。抗うつ薬などで一時的に症状が改善することがあるが、確立した治療法はない。
3.× 症状が進行すると頚部は、「前屈」ではなく後屈し、後ろに反り返ったような姿勢になる。
4.〇 正しい。発症初期には現れないが、進行するにつれて垂直(上下)方向の眼球運動障害を呈する。特に、下方への眼球運動障害が著明であるため、階段を下りる・段差を跨ぐ動作は注意が必要である。
5.× MIBG心筋シンチグラフィーで心/縦隔比が低下するのは、「進行性核上性麻痺」ではなく、パーキンソン病である。パーキンソニズムでは低下しない。
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問題文正答率:50.00%
90
疾患と遺伝形式の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。筋強直性ジストロフィーは、常染色体優性遺伝である。
2.× 脊髄性進行性筋萎縮症は、常染色体劣性遺伝である。
3.× Becker型筋ジストロフィー(ベッカー型筋ジストロフィー)は、X連鎖劣性遺伝である。通常男児のみ発症する。
4.× Duchenne型筋ジストロフィー(ドゥシェンヌ型筋ジストロフィー)は、X連鎖劣性遺伝である。通常男児のみ発症する。
5.× Huntington病(ハンチントン病)は、常染色体優性遺伝である。
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問題文正答率:50.00%
91
急性心筋梗塞の発症後の血液検査所見で上昇がみられないのはどれか
解説・コメント
1.× クレアチニンは、筋肉のエネルギー源であるクレアチニンリン酸の代謝物である。クレアチニンは、腎臓で濾過されて尿中へ排出されるため腎機能を測る指標となる。したがって、クレアチニンの上昇は腎機能低下が起こる腎不全などに見られる。
2.〇 トロポニンTは、3~4時間上昇し、12~18時間で最大値を示せ、簡便な迅速判定キットで検査できる。トロポニンTとは、横紋筋の薄いフィラメント上でトロポニンI・Cとともにトロポニン複合体を形成し、筋収縮の調節に関与している分子量39,000の蛋白である。 平滑筋には存在せず、しかも構造が心筋と骨格筋とで異なるため、両者を明確に識別することが可能となり、現在最も特異的な心筋障害のマーカーと考えられている。トロポニンは、心筋の構成成分であるため、これが血液中に出現する場合には、急性心筋梗塞などの心筋傷害を意味する。
3.〇 ミオグロビンは、6〜10時間で最高値をむかえる。 心筋細胞膜の傷害で上昇し始め、急性心筋梗塞の発症後4時間で上昇する。早期診断に適しているが、ミオグロビンは骨格筋にも多く含まれるため特異性は低い。ちなみに、そもそもミオグロビンとは、筋肉中にあって酸素分子を代謝に必要な時まで貯蔵する色素タンパク質である。
4.〇 乳酸脱水素酵素(LD)は、2〜3日で最高値をむかえる。発症晩期の指標となる。ちなみに、そもそも乳酸脱水素酵素(LD)とは、体内でブドウ糖がエネルギーに変化するときに働く、血清中にある酵素である。主に肝臓、心臓、腎臓、骨格筋、血球に異常が生じると、血液中に流れ出るため、数値が高くなる。
5.〇 クレアチンキナーゼ(CK)は17〜24時間で最高値をむかえる。ちなみに、そもそもクレアチンキナーゼ(CK)とは、筋肉にエネルギーを貯めるときに働く酵素である。全身の運動をつかさどる筋肉(骨格筋)や心臓の筋肉(心筋)に多く含まれている。筋細胞が壊れた際に上昇する逸脱酵素で、急性心筋梗塞に特徴的である。
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問題文正答率:50.00%
92
遠城寺式乳幼児分析的発達検査(九大小児科改訂版)で 1歳6か月までに獲得されるのはどれか。
解説・コメント
1.× 「ボールを前にける」は、1歳9ヶ月〜2歳0ヶ月である。
2.× 「積木を横に二つ以上ならべる」は、1歳9ヶ月〜2歳0ヶ月である。
3.〇 正しい。「お菓子のつつみ紙をとって食べる」は、1歳0ヶ月〜1歳2ヶ月である。したがって、1歳6か月までに獲得される。
4.× 「親から離れて遊ぶ」は、1歳9ヶ月〜2歳0ヶ月である。
5.× 「大きい、小さいがわかる」は、2歳3ヶ月〜2歳6ヶ月である。
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問題文正答率:50.00%
93
COPD について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 肺癌とCOPDの合併頻度は高い。なぜなら、肺癌、COPDとも喫煙が主な原因といわれるため。また気胸などの合併症もよく見られる。
2.× 安静時エネルギー消費量は増加する。なぜなら、努力呼吸となることで呼吸筋を過剰収縮させて余計にエネルギーが必要となるため。COPD患者では呼吸エネルギー消費量が健常人の約10倍とも言われている。
3.〇 正しい。増悪時には非侵襲的陽圧換気〈NPPV〉が用いられる。COPDの急性増悪では、呼吸仕事量が増大し、換気不全によって二酸化炭素の排出がうまく行えなくなる(高二酸化炭素血症)。そこで非侵襲的陽圧換気〈NPPV〉を使用することで換気を補助する必要がある。非侵襲的陽圧換気(NPPV:noninvasive positive pressure ventilation)は、気管チューブなどの侵襲的エアウェイを使用せずに、鼻・口あるいは顔を覆うマスクを用いて呼吸補助をする人工呼吸の方法である。酸素化能の改善・換気異常の改善・呼吸仕事量の軽減を目的で行われる。
4.× 呼吸リハビリテーションを行うことで、結果として抑うつ・不安症状が改善しやすい。なぜなら、楽に呼吸ができるようになるとQOLが向上するため。他にも、病状の探偵、運動耐容能の改善、入院回数と入院期間の減少などの効果がある。
5.× COPD assessment test〈CAT〉は、点数が高いほど症状が重く、QOLは低下する。COPD assessment test〈CAT〉は、COPDの状態が健康と日常生活にどのような影響を与えているか、COPD患者と主治医が知り、共有する質問票である。このテストによって、今のCOPDの状態を的確に医師に伝えられ、またテストの点数によって、患者の状態により合った治療を行うことができるようになる。各項目について問題が無ければ0点、重度の場合は5点となる。
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問題文正答率:50.00%
94
介護保険制度について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 財源は、被保険者(40歳以上の国民)より徴収した保険料(50%)+公費(50%)で構成される。ちなみに、公費とは、国(50%)+都道府県(25%)+市町村(25%)を含めた財源構成である。
2.× 「都道府県」ではなく、市町村の担当部署に申請する。
3.〇 正しい。利用者は、自由に事業者を選定できる。利用者がサービスの種類やサービス事業者を自由に選べる。
4.× 第二号被保険者の対象年齢は、40歳から64歳までである。ちなみに、65歳以上は第一号被保険者である。
5.× 介護度は、「介護認定審査会の1次判定」ではなく、「一次判定結果と主治医の意見書に基づく二次判定(介護認定審査会)」で決定される。申請後の流れは、市区町村職員による認定調査や主治医の意見書に基づく一次判定(コンピュータ)→一次判定結果と主治医の意見書に基づく二次判定(介護認定審査会)→要介護度の決定(市区町村)である。
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問題文正答率:50.00%
95
de Quervain〈ドケルバン〉病で腱鞘炎を起こすのはどれか。
解説・コメント
1~3.5.× 固有示指伸筋腱/尺側手根伸筋腱/総指伸筋腱/長母指伸筋腱は、de Quervain〈ドケルバン〉病で健鞘炎を起こさない。
4.〇 正しい。長母指外転筋腱は、de Quervain〈ドケルバン〉病で健鞘炎を起こす。de Quervain〈ドケルバン〉病(狭窄性腱鞘炎)とは、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が原因で起こる腱鞘炎である。
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問題文正答率:50.00%
96
我が国の 65 歳以上の高齢者における軽度認知障害〈MCI〉の有病率として適切な のはどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
97
知的障害がみられうる疾患の中で、皮膚色素沈着(カフェオレ斑)が特徴的なのは どれか。
解説・コメント
1.× 結節性硬化症は、大脳皮質などに結節性病変が多発する常染色体優性遺伝疾患である。皮膚病変には、顔面の血管線維腫や葉状白斑がみられ、脳、腎臓、肺、心臓など様々な身体の部位に腫瘍ができる疾患である。てんかん発作や知的障害、自閉症、頭痛、腹痛、血尿、高血圧など実に多彩な症状が現れるが、これらの症状の有無や程度は個人差がかなり大きいとされている。精子や卵子の遺伝子が突然変異することによって発病することが多く、完治は難しい。
2.〇 正しい。神経線維腫症(レックリングハウゼン病)の主な症状は、カフェオレ斑(皮膚色素沈着)である。カフェオレ斑は楕円形のものが多く、子供では5mm以上、大人では15mm以上もある。重症合併症を有する割合は少ないが、健常人と比べて悪性腫瘍を合併する割合がやや高いと言われている。原因は17番染色体であり遺伝子疾患であるが、患者の半数以上は無症状の両親から生まれている。他の症状としては、脊柱側弯や長管骨の狭細化・弯曲・偽関節である。ちなみに、知的障害がなくカフェオレ斑が見られる疾患を、McCune-Albright症候群(マッキューン・オルブライト症候群)という。
3.× ネコ鳴き症候群(クリ・デュ・チャット症候群)は、5番染色体の異常によって生じる遺伝子疾患である。甲高い子猫のような泣き声が特徴的であり、中等度〜重度の精神運動遅滞を認める。そのほか身体的特徴として、小頭症、小顎、心臓欠陥、脊柱側弯症、鼠径ヘルニアなどがある。てんかんや心疾患の程度により予後が左右される。
4.× Williams症候群(ウィリアムス症候群)は、7番染色体のわずかな欠損による遺伝子疾患である。知的障害のほか、大動脈弁狭窄症、高カルシウム血症、視空間認知の障害があげられる。根本治療はなく、合併症に対しては対症療法を行なっていく。
5.× Prader-Willi症候群(プラダー・ウィリ症候群)は、15番染色体長腕に位置する父性発現遺伝子の働きが欠損したことで発症する。乳児期は筋緊張低下、低体重、幼児期〜学童期には過食肥満、思春期には性格障害、異常行動、成人期には肥満、糖尿病などの症状が問題となる。治療法は食事療法、運動療法、ホルモン療法などがある。
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問題文正答率:50.00%
98
曝露反応妨害法が有効なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。強迫性障害は、曝露反応妨害法が有効である。強迫性障害は、とある強迫観念にとらわれすぎて、それを解消するための強迫行為を繰り返し行わないと気が済まなくなってしまう疾患である。強迫行為に多くの時間を費やすことで社会生活へも影響を及ぼす。(例:自分では不合理だとわかっていても1時間以上手洗いをしてしまう。)他にも、強迫性障害の治療として、行動療法や森田療法、指示的精神療法(カウンセリング)が挙げられる。
2.× 身体化障害は、身体的な病変がないにも関わらず、様々な身体症状を慢性的に訴える疾患である。患者の状況として、多くの医療機関を受診し、先生には「身体的症状を説明する原因はない」と説明を受けても、受診を続け、周囲との人間関係が悪いことが多い。効果的な治療法として、指示的精神療法(カウンセリング)や認知行動療法が挙げられる。抗不安薬などの薬物療法は依存を招く可能性がある。
3.× 神経性過食症は、常識外れた大量の食べ物を摂取した後に、それを埋め合わせるための行為(嘔吐、下剤の乱用、過度な運動、絶食など)を行う摂食障害である。治療法として指示的精神療法(カウンセリング)、認知行動療法、対人関係療法、家族療法などがあげられる。
4.× 全般性不安障害は、日常生活において漠然とした不安を慢性的に感じてしまう病気である。特定の状況に苦手意識を感じる社交不安障害とは異なり、不安を感じる事象が非常に幅広い(漠然とした将来の不安など)ことが特徴である。治療法として認知行動療法(セルフコントロール)、薬物療法があげられる。
5.× PTSD〈外傷後ストレス障害〉は、ショッキングな出来事や強烈な精神的ストレスが心的ダメージとなり、その出来事から時間が経ってからもその経験に対して強い恐怖心やフラッシュバックを生じるものである。治療法として、認知行動療法やグループ療法、持続的エクスポージャー(PE)、薬物療法があげられる。ちなみに、持続的エクスポージャー(PE)は、環境でトラウマの記憶を繰り返し想起させ、それに向き合うことで、誤った恐怖感や過度の無力感などの情動の修正を図る。
https://ja.mondder.com/fq?id=4116🔗
問題文正答率:50.00%
99
ナルコレプシーに認められない症状はどれか。
解説・コメント
1.〇 日中の過度な眠気やコントロールできない急激な眠気(睡眠発作)の症状がある。
2.〇 入眠前後や覚醒直後に身体が思うように動かせなくなる睡眠麻痺(金縛り)の症状がある。
3.〇 入眠時に非常に鮮明な幻覚や幻聴を伴うことがある。なぜなら、入眠時はレム睡眠となるため。
4.× 誤っている。けいれん発作は起こらない。
5.〇 笑う、怒る、喜ぶ、驚くなどの感情が刺激となって、急激な筋力低下が生じる(情動脱力発作)ことがある。
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問題文正答率:50.00%
100
てんかんについて正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 女性に多いとは一概に言えない。なぜなら、ミオクロニー欠神てんかんに至っては、男児に多い傾向があるため。全体的な転換の比率は、男女1:1である。
2.〇 正しい。単純部分発作は、意識障害を伴わない。ちなみに、意識障害を伴うものは、複雑部分発作である。
3.× てんかんは、どの年齢にも起こりえるが、高齢者と小児で発病率が高い傾向にある。
4.× 熱性けいれんから、てんかんへ移行しない。なぜなら、熱性けいれん(数分間のけいれん発作)は、神経学的な異常を全く残さないため。
5.× 症候性てんかんは、特発性てんかんに比べ予後が、「良い」のではなく悪い。なぜなら、症候性てんかん(器質的な脳の病変に起因するてんかん発作)は、抗てんかん薬で発作を抑えられる割合は50%前後であるため。一方、特発性てんかん(明らかな脳の病変が認められず、生まれ持った脳の性質に起因するてんかん)は、ある年齢に達すると自然と発作がなくなるため予後は良好である。20歳以後の発症は、症候性が多く、特に高齢者の場合は、脳血管障害や変性疾患を基盤とするものが多い。
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解説・コメント
当時の試験では、解は2と5となっている。しかし、2022年改訂により5も不適切となっている。
1.× 母指橈側外転の【基本軸】示指(橈骨の延長上)、【移動軸】母指である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、運動は手掌面とする以下の手指の運動は、原則として手指の背側に角度計を当てる。設問の図の基本軸は、中指となっている。
2.〇 正しい。指外転の【基本軸】第3中手骨延長線、【移動軸】第2,4,5指軸である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、中指の運動は橈側外転、尺側外転とする。
3.× 胸腰部屈曲の【基本軸】仙骨後面、【移動軸】第一胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、①体幹側面より行う。②立位、腰かけ座位または側臥位で行う。③股関節の運動が入らないように行う。
4.× 股関節屈曲の【基本軸】体幹と平行な線、【移動軸】大腿骨(大転子と大腿骨外果の中心を結ぶ線)である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、①骨盤と脊柱を十分に固定する、②屈曲は背臥位(膝屈曲位で行う)、③伸展は腹臥位(膝伸展位で行う)
5.×(改定により不適切) 足部外転の【基本軸】【移動軸】ともに、第2中足骨長軸である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、膝関節を屈曲位, 足関節を0度で行なう。