作業療法士国家試験過去問第56回午後
オプション
問題文正答率:50.00%
1
椅子座位でテーブル上にあるコップにゆっくりと手を伸ばしてつかむ作業の図を示す。
この時の肩関節と肘関節の運動に関与が推定される筋と収縮様式との組合せで正 しいのはどれか。https://ja.mondder.com/fq?id=4119🔗
問題文正答率:50.00%
2
60 歳の男性。COPD が進行し在宅酸素療法が導入された。酸素流量は労作時 2L/分である。
入浴動作の指導で正しいのはどれか。解説・コメント
1.〇 正しい。洗髪を片手で行う。なぜなら、同時に両手の上肢挙上をすると血中酸素飽和度の低下を招きやすいため。
2.× 動作を「素早く」行う必要はない。なぜなら、素早く行うことで呼吸が止まりやすくなったり、血中酸素飽和度の低下を招きやすくなったりするため。呼吸状態に合わせて、休息を入れつつ動作のスピードや方法を個々に合わせて調整する慢性閉塞性肺疾患患者は安静時には呼吸困難が無くとも、労作に伴って急に強い呼吸困難が出現することが特徴である。これは在宅酸素療法で酸素吸入を行っていても同様であり、 作業療法を行う際はその内容を分割して呼吸困難の出現に注意を払う。
3.× 浴槽には、「肩まで」浸かるではなく、半身浴が望ましい。なぜなら、浴槽に肩まで浸かることで、体温上昇や水圧による呼吸運動の妨げになるため。また、ややぬるめの湯温で長時間(15分以上)の入浴は避ける。
4.× 洗い場の椅子の座面は、「低く」ではなく適度な高さとする。なぜなら、胸腹部の圧迫(横隔膜の可動域制限)が起こり、呼吸苦が生じやすいため。座面は胸腹部が圧迫されない程度に高くして、長柄ブラシなどの使用で前かがみ動作を軽減させる。
5.× 入浴中は、「経鼻カニューレを外す」必要はなく、入浴中も酸素吸入を継続する。なぜなら、入浴の運動強度は中等度と強い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4120🔗
問題文正答率:50.00%
3
Daniels らの徒手筋力テストで、段階2の測定肢位で正しいのはどれか。 2つ選べ。
ただし、関節可動域には異常がないものとする。解説・コメント
1.〇 正しい。頸部屈曲の段階2は、設問のように背臥位で検者が胸鎖乳突筋の触診を行う。
2.× 肘関節伸展の段階2の検者の支える場所は、設問のように「前腕と肘」ではなく肘のみを支える。設問は、前腕と肘(肘頭のすぐ近位で上腕三頭筋を触知)しているため、段階0~1の検査肢位である。
3.× 股関節屈曲、外転および膝関節屈曲位での股関節外旋の段階2は、「端坐位」ではなく背臥位で行う。抵抗なしで全範囲行うことができれば、段階2である。
4.× 体幹屈曲の段階2は、設問のように「両膝関節伸展位」ではなく両膝関節屈曲位で行う。設問は、両上肢を前に両膝関節伸展した肢位をとっているため、段階3である。
5.〇 正しい。肩甲骨の内転と下方回旋の段階2は、設問のように座位で行う。患者の手首を握り上肢を支え、肩甲骨の脊椎縁 (内側縁)の下で触診する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4121🔗
問題文正答率:50.00%
身体図のような感覚障害を呈する場合に考えられる脊髄の障害部位はどれか。
解説・コメント
1.× ①(右半側の障害)の場合は、①障害部レベルの全感覚消失、②障害部レベル以下の右側の深部感覚消失・痙性麻痺、③左側の温痛覚消失がみられる。
2.〇 正しい。②(右半側の障害)の場合、身体図のような感覚障害を呈する。Brown-Sequard 症候群(ブラウン・セカール症候群:脊髄半側症候群)は、損傷髄節よりも下位の反対側に温痛覚障害が生じ、同側に触覚の低下・痙性麻痺・深部感覚障害が生じる。
3.× ③(後半側の障害)の場合は、①両側の触覚と深部感覚の障害、②温度覚・痛覚が残存する。解離性知覚脱失ともいう。
4.× ④(前半側の障害)の場合は、①損傷部位以下の運動麻痺、②損傷部位以下の温度覚・痛覚障害・膀胱直腸障害など。③両側の触覚と深部感覚は残存する。前脊髄動脈閉塞症候群、後縦靭帯硬化症でみられる。
5.× ⑤(中心性の障害)の場合は、①下肢よりも上肢に強い運動麻痺、②感覚障害(触覚、深部感覚は保たれるが温痛覚が障害)が生じる。脊髄空洞症の初期でみられる。また、頭の急激な過伸展が原因で起こるものは中心性損傷が多い。
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問題文正答率:50.00%
5
32 歳の男性。左利き。交通事故により右上腕切断となった。断端長は 10.0cmで、残存肢の上腕長は 25.0cmであった。
能動義手製作のために選択する肘継手として最も適切なのはどれか解説・コメント
①40%残存の上腕短断端(断端長10.0cm、残存肢の上腕長25.0cm)
前腕切断:継手は遊動(肘まであるため)
上腕切断:継手は能動(肘の制御機能をもつため)
【能動肘継手の使い分けについて】
①ブロック型能動肘継手:能動肩義手、能動上腕義手(断端長<90%)に使用される。
②ヒンジ型能動肘継手:肘関節離断と上腕切断長断端(断端長>90%)に使用される。
(※ヒンジ型能動肘継手は、断端が長いためソケットの先にブロック型能動肘継手を組み込む余裕がない場合に用いられる肘継手である。)
1.× 軟性たわみ式継手は、前腕中~長断端・手関節離断(前腕回内・回外が残存する前腕長断端義手)の場合に適応がある。ちなみに、軟性たわみ式継手は、革紐またはナイロンのたわみやすい肘継手である。したがって、遊動式(たわむだけ)に分類される。
2.× 倍動肘ヒンジ継手は、前腕短~極短断端の場合に適応がある。ちなみに、倍動肘ヒンジ継手は、肘関節の可動域が小さく屈曲が十分でないとき、肘屈曲運動を補う役割をもつ肘の運動でコントロールする。
3.× 能動単軸肘ヒンジ継手は、上腕長断端・肘関節離断の場合に適応がある。ちなみに、能動単軸肘ヒンジ継手は、肘の動きをだせないが、コントロールケーブルを引っ張ることにより肘の固定と解除を繰り返すことができる。
4.× 遊動単軸肘ヒンジ継手は、前腕中~長断端・手関節離断(前腕回内・回外が残存する前腕長断端義手)の場合に適応がある。ちなみに、遊動単軸肘ヒンジ継手は、差し込み式ソケットと上腕カフを連結し、肘の動きを保ちつつ頑丈な懸垂を行う。
5.〇 正しい。能動単軸肘ブロック継手は、本症例の能動義手製作のために選択する肘継手として最も適切である。能動単軸肘ブロック継手は、標準上腕断端・上腕短断端・肩離断・肩甲胸郭間切断の場合に適応がある。ちなみに、能動単軸肘ブロック継手は、ロックコントロールケーブルを能動的に操作することで屈曲角度の固定・解除が随意的に行える。
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問題文正答率:50.00%
痙直型四肢麻痺を呈する脳性麻痺児の姿勢保持の発達順で正しいのはどれか。
解説・コメント
痙直型脳性麻痺では、錐体路障害による両下肢痙性(両股関節の内転・内旋・膝関節伸展、および尖足)となる。つまり、両下肢の分離運動が困難である。また、両下肢と比較して両上肢の麻痺は軽度である。痙性麻痺を主症状として、筋トーヌス亢進、深部腱反射亢進、病的反射亢進、クローヌス出現、おりたたみナイフ現象がみられる。理学療法では、亢進した筋緊張を抑制し、病的反射の抑制、適切な反射の促通、運動パターンの学習を行う。
腹臥位による緊張性迷路反射の影響に注目する。緊張性迷路反射とは、背臥位では伸展緊張が促通され、腹臥位では屈曲緊張が促通される反射のことである。
A:下肢伸展しているが、体幹伸展がみられない。
B:四肢の屈曲がみられる。
C:上肢支持により、体幹伸展がわずかに可能。
E:上肢支持により、体幹伸展がわずかに可能でさらに頸部回旋が行える。
D:上肢支持により、体幹・頸部の完全後重力位が可能。
姿勢における難易度順(発達順)に並べ替えると、選択肢4.B―A―E―C―Dが正しい。B:四肢の屈曲がみられる。→A:下肢伸展しているが、体幹伸展がみられない。→E:上肢支持により、体幹伸展がわずかに可能でさらに頸部回旋が行える。→C:上肢支持により、体幹伸展がわずかに可能。→D:上肢支持により、体幹・頸部の完全後重力位が可能となる。
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問題文正答率:50.00%
7
58 歳の女性。関節リウマチ。Steinbrocker の stage Ⅱ、class 2。この患者の日常生活活動を示す。
正しいのはどれか。解説・コメント
1.× ①瓶の蓋の開閉する場合は、ボトルオープナーを使用する。ボトルオープナーがない場合は、手指関節に負担がかからないよう手掌全体を使い開ける。
2.〇 正しい。②椀を保持する場合は、手掌全体で保持する。関節の負担を最小限にできる。
3.× ③雑巾を絞る場合は、蛇口などにかけ、両手を使い絞る。
4.× ④はさみを開閉する場合は、カスタネットばさみなどを使用する。ちなみに、カスタネットばさみとは、テーブルの上に置いて上から押すだけで使えるはさみのことである。関節の負担を最小限にできる。
5.× ⑤ポットを持つ場合は、両手で保持し、特定の関節へ負担がかからないようにする。
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問題文正答率:50.00%
8
72 歳の女性。転倒し、左手をついた。左手関節部に疼痛と腫脹が生じ、近くの病院を受診し徒手整復後ギプス固定を受けた。骨癒合後の画像 を示す。手関節尺屈により尺骨頭部の疼痛とクリック音がする。手指の機能障害はない。
生じている合併症で考えられるのはどれか。解説・コメント
1.× 反射性交感神経性ジストロフィーは、複合性局所疼痛症候群(CRPS)のひとつである。軟部組織もしくは骨損傷後(Ⅰ型:反射性交感神経性ジストロフィー)または神経損傷後(Ⅱ型:カウザルギー)に発生して、当初の組織損傷から予測されるより重度で長期間持続する、慢性の神経障害性疼痛である。本症例に見られる「手関節尺屈により尺骨頭部の疼痛とクリック音」と症状が合わない。
2.〇 正しい。尺骨突き上げ症候群が生じている合併症で考えられる。尺骨突き上げ症候群とは、骨折により橈骨が短縮するなどの変形癒合や、尺骨が相対的に長くなり尺側の疼痛や轢音(れきおん:クリック音)が生じるもの。治療は、専用のベルト付きサポーターを用いた保存療法や関節注射を行う。 通常、保存療法で大部分の人は改善する。しかし、改善されない場合は手術を用いる。本症例の症状と合致する。
3.× 長母指伸筋腱断裂とは、その名の通り長母指伸筋の腱が断裂している状態である。主な原因として、①骨折部の骨変形による腱との摩擦や、②阻血性壊死(血腫や仮骨形成による血行・栄養不良)である。長母指伸筋の【起始】は尺骨体中部背面・前腕骨間膜背面、【停止】は母指の末節骨底の背側、【作用】は母指の伸展、内転である。レントゲンでは、腱の状態は映らず判断できない。
4.× 正中神経損傷の主な症状として、①母指から環指橈側および手背の一部の感覚障害②支配筋の麻痺(猿手、祈祷手、tear drop sign など)がみられる。レントゲンでは、神経の状態は映らず判断できない。
5.× 月状骨脱臼は、手関節および手の近位部の疼痛・腫脹・変形が起こる。本症例に見られる「手関節尺屈により尺骨頭部の疼痛とクリック音」と症状が合わない。
https://ja.mondder.com/fq?id=4126🔗
問題文正答率:50.00%
9
58 歳の男性。脊髄小脳変性症。脊髄小脳変性症の重症度分類(厚生省、1992)の下肢機能障害Ⅲ度、上肢機能障害Ⅱ度である。脱衣所と洗い場の段差はなく、浴槽は据え置き式で、高さは50cmであった。
住環境整備について誤っているのはどれか。解説・コメント
1.〇 正しい。ベッド(A)を(A´)に移動する。なぜなら、ベッドとトイレの距離が近い方が望ましいため。本症例は、歩行障害があり移動に時間がかかる。また、脊髄小脳変性症は排尿障害(自律神経症状)を来すことも多い。
2.× 開き戸(B)は、そのまま外開き(脱衣所側に開く)で使用するか、引き戸に変更する。なぜなら、内開きの扉は、出入りする際に浴室内が狭くなりやすく、病気が進行し車椅子移動になった際に扉を閉めることができないため。また、浴室内で患者が倒れた際に脱衣所側から開けにくくなる。
3.△ 分かる方コメント欄で教えてください。浴槽内の(C)ではなく、(E)の位置に浴槽台を設置した方が良い。なぜなら、本症例は、歩行障害があり移動や浴槽の出入りが不安定であるため。本症例は、浴槽台とバスボードを併用すると考えられる。併用する場合、通常バスボードと浴槽台は対面になることはない(浴槽内での方向転換は危険が伴うため)。浴室の出入りを安定させるため洗い場の壁(D)に横手すりを設置することで、浴槽までの移動も安全に行えると考えられる。つまり、浴槽台・バスボードともに浴槽内(C)ではなく、(E)の位置に設置するほうが望ましいと考えられる。ただし、浴槽内の(C)の位置でも「誤っている」とはいえず、一方で、選択肢2は確実に「誤っている」ため、優先的に選択肢2が不適切である。
4.〇 正しい。洗い場の壁(D)に横手すりを設置する。横手すりは、移動や座位安定に機能する。浴室内の移動・浴槽や浴室内の出入りの際に必要である。
5.〇 正しい。浴槽の(E)の位置にバスボードを設置する。現在は、洗い場の床面から浴槽の縁までの立ち上がりの高さは40~45cm程度が主流である。本症例は、脊髄小脳変性症でバランスが不十分であると考えられ、本症例の浴槽は高さが50cmと比較的高いため、浴槽への出入りは座って行えるようバスボードが必要である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4127🔗
問題文正答率:50.00%
10
39 歳の女性。多発性硬化症。発症から4年が経過。寛解と再燃を繰り返している。MMT は両側の上肢・下肢共に4 。軽度の両側視神経炎を伴い、疲労の訴えが多い。
この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 陶芸で菊練りを行う優先度は低い。なぜなら、菊練りは全身の筋力を使う作業であるため。寛解期には易疲労性に注意し、疲労しない程度の強度及び頻度で、筋力維持及び強化を行う。ちなみに、菊練りとは陶芸において上の空気を抜く作業である。
2.× 木工作業で椅子を作る優先度は低い。なぜなら、本症例は軽度の両側視神経炎を伴い、危険性が高いため。木工作業は金槌や釘などを使用する。また、作業全体の上肢への負担も大きすぎる。
3.× ビーズ細工でピアスを作る優先度は低い。なぜなら、本症例は軽度の両側視神経炎を伴うため。視力や巧緻性・筋持久力を求めない作業が望ましい。
4.〇 正しい。卓上編み機でマフラーを編む。なぜなら、視力や巧緻性・筋持久力を求めない作業であるため。また、細かい作業が少なく休みながらの作業が可能である。
5.× 細かいタイルモザイクのコースターを作る優先度は低い。なぜなら、視力や巧緻性が必要な作業であるため。
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問題文正答率:50.00%
11
71 歳の女性。独居。臥床傾向となり、訪問作業療法が依頼された。畳の上に布団を敷いて就寝しており、床からの立ち上がりは台につかまり実施していた。セルフケアは時間がかかるが実施可能である。家事は簡単な炊事を行い、洗濯を時々行う程度であった。
生活機能の拡大に向けて、作業療法士が行う指導で最も優先されるべきものはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。ベッドを導入させることは、本症例において生活機能の拡大につながる。なぜなら、臥床傾向に至っている原因の一つとして、台使用での床からの立ち上がりを強いられているため。ベッドの導入で、スムーズに立ち上がれることで、洗濯の回数の増加も可能と考えられる。また、転倒の防止に役立つだけではなく、一時的な体調不良による身体機能の低下時でも独居が持続可能な可能性を上げることができる。
2.× 運動習慣を確立させる優先度は低い。なぜなら、運動習慣を身に着け、床からの立ち上がりが台なしでスムーズにできるには、まずは運動の必要性を理解し、その効果が確実に出るまで時間がかかりすぎるため。また、運動習慣の確立の効果としては、生活習慣病の予防改善や気分転換やストレス解消があげられる。
3.× 食料品の買い出しを促す優先度は低い。なぜなら、本症例は独居生活が概ね自立しており、現在も食料品の買い出しは出来ていると考えられるため。ただし、食料品の買い出しは、荷物を持っての屋外歩行の必要があるため危険を伴う。食料品の買い出しの評価を行い、危険であれば、「食料品の買い出しを促す」より、ヘルパーか宅配サービスの導入を提案する方が優先度は高い。
4.× 家事動作を積極的に実施させる優先度は低い。なぜなら、設問から「セルフケアは時間がかかるが実施可能である。家事は簡単な炊事を行い、洗濯を時々行う程度」であるため。つまり、セルフケアに何かしらの問題があると考えられ、セルフケアの効率的な方法の確認・指導、福祉用具などの導入が優先される。
5.× 地域活動への参加を促進させる優先度は低い。なぜなら、設問から「セルフケアは時間がかかるが実施可能」とあり、本症例のセルフケアに何かしらの問題があると考えられるため。また、地域活動への参加は、安定した生活基盤が確立されたのちに行っていく。
https://ja.mondder.com/fq?id=4129🔗
問題文正答率:50.00%
12
図に示す自助具のうち第二のてこを利用しているのはどれか。
解説・コメント
てこの種類
第1:作用点と力点の間に支点
【利点】比較的安定感がある。
例:シーソー、ハサミ(上腕三頭筋による肘関節伸展)
第2:支点と力点の間に作用点
【利点】小さい力で大きな回転力を生む。
例:栓抜き、ボートのオール(下腿三頭筋による足関節底屈)
第3:支点と作用点の間に力点
【利点】運動の速さに有利だが大きな力が必要。
例:ピンセット、トング(上腕二頭筋による肘関節屈曲)
1.2.5.× 第一のてこである。第一のてこは、荷重点(作用点)と力点の間に支点がある。
3.〇 正しい。第二のてこである。第二のてこは、支点と力点の間に荷重点(作用点)がある。
4.× 第三のてこである。第三のてこは、支点と荷重点 (作用点)の間に力点がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4130🔗
問題文正答率:50.00%
13
58 歳の男性。両手の母指と示指で紙をつまみ、左右に引っ張ったときの写真を示す。
考えられる末梢神経障害はどれか。
解説・コメント
1.× 右Guyon管症候群は、右尺骨神経麻痺を呈す。左右違いである。ちなみに、Guyon管を通るものとして、①尺骨神経、②尺骨動脈である。
2.× 右後骨間神経麻痺は、右drop hand (下垂手)を呈す。ちなみに、後骨間神経は、橈骨神経の枝である。
3~4.× 左前骨間神経麻痺/右手根管症候群は、tear drop徴候陽性(猿手)となる。ちなみに、前骨間神経麻痺は、正中神経の枝である。右母指球の萎縮や Phalen test(ファーレンテスト)陽性となる。
5.〇 正しい。左肘部管症候群が考えられる末梢神経障害である。左肘部管症候群は、左尺骨神経麻痺をきたし、Froment徴候陽性となる。Froment徴候(フローマン徴候)とは、尺骨神経麻痺のときに母指の内転ができなくなり、母指と示指で紙片を保持させると母指が屈曲位をとることである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4131🔗
問題文正答率:50.00%
14
20 歳の女性。高校卒業後、コンビニエンスストアの仕事についた。 2年が経過した頃、人手不足もあり業務に追われる状態が続いた。次第に集中困難、頭が回らない感覚、不眠、動悸や呼吸困難感が現れ始め、休職するに至った。約1か月の自宅療養で呼吸困難感は軽減したが、頭痛、めまいによる歩行のふらつき、不眠が出現し、たえず漠然とした不安に襲われ外に出られなくなった。その様子を心配した家族が本人を連れて精神科を受診し、外来作業療法が導入された。
導入時の作業療法で最も適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。全身のストレッチは、導入時の作業療法で最も適切である。なぜなら、あまり負担をかけずに身体的回復を促し、リフレッシュ効果が見込めるため。
2.× 「高負荷」の歩行訓練は優先度が低い。あえて高負荷である必要はなく、導入時の作業療法は、軽い運動などで身体的な緊張の軽減を図ることである。
3.× ワークサンプル法による職業訓練は優先度が低い。なぜなら、仕事を想起し、不安を助長することにつながりかねないため。ワークサンプル法とは、実際の仕事の一部(ワークサンブル)を対象者に行ってもらい、その出来栄えを量的・質的に評価する。
4.× 遂行機能に対する認知リハビリテーションは優先度が低い。なぜなら、本症例は認知機能に問題はないため。治療法として、「認知リハビリテーション」ではなく、認知行動療法(セルフコントロール)が必要である。
5.× 社会生活技能訓練<SST>による接客場面のロールプレイは優先度が低い。なぜなら、認知行動療法の基本的な手技ではあるが、導入時には負担が大きく仕事を想起し、不安を助長することにつながりかねないため。社会生活技能訓練<Social Skills Training:SST>とは、「人が地域社会で自立して円滑に生活できる」ための技能を習得することを目的とし、日常的な生活場面で適切な行動がとれるよう、具体的な場面を設定してロールプレイ(役割分担)を行いながら練習することである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4132🔗
問題文正答率:50.00%
15
18 歳の男子。幼少時から一人遊びが多かった。運動や言語の発達に目立った問題はないが、視線が合わないことが多い。急な予定変更や大きな音でパニックになることがあった。中学校や高校では場の空気が読めないことでいじめられた経験があり、現在は自室に引きこもり、ほとんどの時間をインターネットに接続したパソコンでアニメやゲームなどに興じている。心配した親が相談機関を訪れ、作業療法士が対応した。
この男子の特徴としてみられやすいのはどれか。
解説・コメント
1.× 手先は「器用」ではなく不器用なことが多い。
2.〇 正しい。特定の物事にこだわる。本症例は、アニメやゲームなどに熱中している様子があったが、他にも生活パターンや自分ルールを守るといった傾向もみられることがある。
3.× 特定の領域の学習は、「苦手」ではなく得意(熱中)する。なぜなら、特定の分野へのこだわりが強いため。Asperger症候群(アスペルガー症候群)は、①言語発達の遅れはなく、②知能は正常であることが多い。一方で、特定の領域の学習が苦手なのは学習障害である。
4.× 特定の場面で発語が困難(選択性緘黙)はみられない。精神疾患で起こり、発声器官には問題がなく言語理解も出来ているのに、離せなくなってしまう。5歳前後で発症することが多いが、話す機会の増える学校に入学するまで症状が顕在化しないことが多い。
5.× 意思を伝える際に身振りを多用することはない。むしろ、言語的コミュニケーション含め非言語的コミュニケーション(身振り・表情など)も苦手である。ただし、言語発達の遅れや知能は正常であることが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4133🔗
問題文正答率:50.00%
16
55 歳の男性。営業部の部長職に就いていたが、物や人の名前や地名が出てこないことを自覚し、その後は部下を同伴して仕事を継続していた。好きな日曜大工で使用していた工具を目の前にしてもそれを呼称できなくなり妻同伴で物忘れ外来を受診した。WAIS-Ⅲでは言語性IQが79、動作性 IQは131、全検査IQは103であった。その後も徐々に言いたいことが言葉にならず、仕事で著しく疲弊するようになり退職した。徐々に誰に対してもなれなれしくなり、節度を失うような人格変化も認められるようになった。
この患者の受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位はどこか
解説・コメント
1.× 側頭葉内側部(特に海馬)の萎縮は、主に記銘力低下を生じやすくアルツハイマー型認知症に特徴的な所見である。
2.× 前頭葉眼窩面の萎縮は、脱抑制が生じやすく前頭側頭型認知症に特徴的な所見である。脱抑制とは、状況に対する反応としての衝動や感情を抑えることが不能になった状態のことである。意味性認知症は、前頭側頭葉変性症に含まれるが、受診当初の本症例の様子からこの患者の受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位の優先度は低い。
3.× 頭頂連合野の萎縮は、半側空間無視・着衣失行・構成障害・身体部位失認などを生じやすくアルツハイマー型認知症(中期以降)に特徴的な所見である。
4.〇 正しい。側頭葉前部は、この患者の受診当初のMRI画像で予想される脳の萎縮部位である。側頭葉前部の萎縮で、意味性認知症が生じる。特に左優位萎縮では「一般物品」について、右優位萎縮では「人物」についての意味記憶障害を呈しやすい。
5.× 後頭葉の萎縮で、物体失認・相貌失認・色彩失認・運動視障害などを生じやすくレビー小体型認知症に特徴的な所見である。ちなみに、色彩失認は、色知覚の非言語的課題では正常な成績をあげることができ、色彩失認の患者は色覚は保たれているが、見せられた色の名を言えず、検者が言った色を指示することも出来ない状態である。すなわち色覚が保たれているのに、特有の色を持つ物品の形は思い出せるが、その色が思い出せない。
https://ja.mondder.com/fq?id=4134🔗
問題文正答率:50.00%
17
50 歳の男性。妻と二人暮らし。1年前に支店長に昇進してから仕事量が増え、 持ち前の几帳面さと責任感から人一倍多くの仕事をこなしていた。半年前に本社から計画通りの業績が出ていないことを指摘され、それ以来仕事が頭から離れなくなり、休日も出勤して仕事をしていた。2か月前から気分が沈んで夜も眠れなくなり、1か月前からは仕事の能率は極端に低下し、部下たちへの指揮も滞りがちとなった。ある朝、「自分のせいで会社が潰れる、会社を辞めたい、もう死んで楽になりたい」と繰り返しつぶやいて布団にうずくまっていた。心配した妻が本人を連れて精神科病院を受診し、同日入院となった。入院後1週間が経過した時に気分を聞くと、返答までに長い時間がかかり、小さな声で「そうですねえ」と答えるのみであった。
作業療法士の対応として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 退職を勧める必要はない。なぜなら、うつ病の急性期は判断力が低下しているため。重要事項(退職など)の決定は先延ばしにすることを指導する。他にも、①調子が悪いのは病気のせいであり、治療を行えば必ず改善すること、②自殺しないように約束してもらうことなどを指導する。
2.× 気晴らしを勧める必要はない。なぜなら、無理な気晴らしは時として患者の負担を増大させ逆効果になるため。また、うつ病は気分転換では改善しない。
3.〇 正しい。十分な休息を勧める。うつ病の治療で最も重要なことは、十分な休養をとることであり、これをしっかりと説明する必要がある。
4.× 自信回復のために激励する必要はない。なぜなら、激励や積極性を促すことは、患者の負担を増大させ逆効果になるため。うつ病患者は頑張りたいのに頑張れない点に苦痛を感じている。
5.× 現時点で、集団認知行動療法を導入する必要はない。なぜなら、本症例は入院1週間経過の急性期であるため。認知行動療法は、回復期の後期(~維持期)のうつ病に適切である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4135🔗
問題文正答率:50.00%
18
23 歳の男性。中学生の頃から対人緊張が強く、人前での食事で発汗や赤面、緊張が強まることがあった。大学進学後も実習の発表時に緊張が強く、動悸や発汗を苦にしていた。卒業後に病院で作業療法士として働いていたが、通勤中のバスに停留所から同僚が数人乗り込んでくると、動悸、振戦、発汗が生じるようになった。車内に知り合いがいなければ不安や自律神経症状を生じることはない。
考えられるのはどれか。
解説・コメント
1.× 解離性障害とは、心的外傷体験・人間関係などを原因として、それらの問題を抱えきれず、記憶・同一性の統合を失うことで当面の苦痛を回避する行動をいう。健忘、混迷状態、解離性同一性障害(多重人格)、Ganser症候群(偽認知症の一つで的外れ応答が特徴)などがみられる。疾病利得が根底に存在する。
2.× 強迫性障害とは、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために不合理な行動(強迫行為)を繰り返す状態をいう。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②森田療法、③認知行動療法などである。
3.× パニック障害とは、誘因なく突然予期せぬパニック発作(動悸、発汗、頻脈などの自律神経症状、狂乱・死に対する恐怖など)が反復して生じる状態をいう。また発作が起こるのではないかという予期不安を認め、しばしば広場恐怖を伴う。治療として、①SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、②抗不安薬、③認知行動療法などである。
4.〇 正しい。社交(社会)不安障害が考えられる。社交(社会)不安障害とは、比較的少人数の集団内(社交場面)で、他の人々から注視をされたり、低い評価を受けたり、辱められたりすることに対する強い恐れを主な症状として、そのような場所をできるだけ避けようとするものである。本症例のように、対人場面において過剰な不安や緊張が誘発されるあまり、動悸・震え・吐き気・赤面・発汗などの身体症状が強く発現する。
5.× PTSD<外傷後ストレス障害>とは、極めて強烈なストレスを受けた後、数週間から数ヵ月を経て(6ヵ月以上潜伏期間があることはまれ)、再体験、回避、認知や気分の異常、過覚醒の各症状が4週間以上持続し、著しい苦痛や社会的障害を生じている状態をいう。本症例は、発症が心的外傷を受けてから数日後と短く、また3週間と早期に消退しているため否定できる。
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問題文正答率:50.00%
19
8歳の男児。幼児期より落ち着きがなくじっとしていられず、家族で外出した際にはよく迷子になり、両親も養育に困難を感じていた。小学校に入学してからは、授業中に勝手に席を立って歩き出したり、順番を守ることも難しく、日常的に忘れ物や落とし物も多く、うっかりミスをして教師に注意されるが、その後も同じミスを繰り返していた。授業中は周囲の雑音に注意を削がれて勉強に集中できず、最近では学業不振が目立ち始めたため放課後等デイサービスで作業療法士が対応することになった。
作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。感覚統合療法を実施する。軽度発達障害の作業療法では子どもの協調運動障害や行動障害の改善を期待して、各種の感覚統合的アプローチが行われている。感覚統合療法とは、五感からの刺激を交通整理して適切な体の反応や動作を身につけるための訓練である。学習障害や自閉症、注意欠如・多動性障害(学習や行動、情動機能の偏り)に適応となることが多い。
2.〇 正しい。ペアレントトレーニングを実施する。ペアレントトレーニングとは、親(保護者)を対象に子どもの養育技術を獲得させるトレーニングのことである。日本では主に発達障害児の反社会的行動・不適応行動の改善を目的に行われるが、注意欠如・多動性障害(ADHD)の児の親に対しても有用である。
3.〇 正しい。社会生活技能訓練<SST>を実施する。社会生活技能訓練<Social Skills Training:SST>は、「人が地域社会で自立して円滑に生活できる」ための技能を習得することを目的とし、日常的な生活場面で適切な行動がとれるよう、具体的な場面を設定してロールプレイ(役割分担)を行いながら練習すること。認知行動療法の基本的な手技である。
4.〇 正しい。学校を訪問して授業の様子を観察する。なぜなら、先生や親から見る児の様子と、作業療法士視点は異なる可能性があるため。また、児の授業の様子を観察して行動の実態を把握し、作業療法の計画に役立てることができる。
5.× 担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する必要はない。なぜなら、注意や叱責は自信喪失や自尊心の低下につながるため。患児の行動特徴を周囲が理解し、適切に支援をしていくことが重要である。 サポートが良ければ、成長とともに過半数は改善していく。放置すると、思春期に感情障害、行為障害、精神病様状態に陥りやすい。
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問題文正答率:50.00%
20
32 歳の男性。統合失調症。これまで院内の外来作業療法に参加していたが、友人の就労を契機に本人も就労希望を口にするようになった。
担当の作業療法士が院内のカンファレンスで、この患者の就労移行支援事業所利用を提案するにあたって最も重要なのはどれか。
解説・コメント
1~3.5.× 罹病期間/幻聴の頻度/病識の程度/統合失調症の病型は、担当の作業療法士が院内のカンファレンスで、この患者の就労移行支援事業所利用を提案するにあたって最も重要とはいえない。なぜなら、それら選択肢は、すでに院内のカンファレンスにおいて共有されている事柄である可能性が高いため。院内カンファレンス中に、主治医や看護師がそれら報告漏れや差異があったら付け加えで担当作業療法士が報告することはあるが、今回就労移行支援事業を利用するにあたっての優先度は低い。院内カンファレンスにおいて、チーム全体に院内の外来作業療法中に「友人の就労を契機に本人も就労希望を口にするようになった」ことの報告が望ましい。
4.〇 正しい。就労への意欲は、担当の作業療法士が院内のカンファレンスで、この患者の就労移行支援事業所利用を提案するにあたって最も重要である。本症例は、院内の外来作業療法中に、友人の就労を契機に本人も就労希望を口にするようになっている。就労できる・できないにかかわらず、チーム内で共有し、今後の対応を検討する必要がある。
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問題文正答率:50.00%
21
感染症のスクリーニング検査の特異度で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 感染していない人で検査陽性と判定される割合は、「偽陽性率」という。
2.〇 正しい。感染していない人で検査陰性と判定される割合は、「特異度」という。
3.× 感染している人で検査陰性と判定される割合は、「偽陰性率」という。
4.× 検査が陰性で感染していない人の割合は、「陰性的中率」という。
5.× 検査が陽性で感染している人の割合は、「陽性的中率」という。
https://ja.mondder.com/fq?id=4139🔗
問題文正答率:50.00%
22
橈骨遠位端骨折におけるリハビリテーション治療について正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 「ギプス除去後から開始する」のではなくギプス固定中でもリハビリテーション治療(手指ROMや患部外の筋力トレーニングなど)を実施する。なぜなら、浮腫の軽減や拘縮予防、廃用性症候群の予防につながるため。
2.〇 正しい。就寝時には高挙するように指導する。骨折後は、RICE処置が必要になる。RICE処置とは、R(Rest):安静、I(Ice):冷却、C(Compression):固定、E(Elevation):挙上のことである。高挙することで水分が還流し、浮腫・腫脹の増悪を予防する。
3.× 骨癒合後早期は、「スポーツに復帰させる」のではなく、日常生活動作から開始する。なぜなら、スポーツは高負荷であり、骨癒合後早期では、十分な癒合が得られているとはいえないため。
4.× 変形治癒は、機能回復に影響を及ぼす。変形治癒とは、骨折した骨が、正常の形態とは異なった形態でくっつく(骨癒合)する場合を変形治癒という。 変形治癒は、交通事故による骨折の場合でもしばしば見受けられ、 外形上の問題にとどまる場合もあれば、機能障害や疼痛(痛み)を伴う場合もある。
5.× 加齢は、機能回復を遅らせる要因となる。なぜなら、加齢により創傷治癒の遅延がみられるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4140🔗
問題文正答率:50.00%
23
CMOP〈Canadian Model of Occupational Performance〉で誤っているのはどれか
解説・コメント
1.× 人を①身体面と②認知面の側面ではなく、①身体面、②認知面、③情緒面の3側面で捉える。
2.〇 正しい。COPM(Canadian Occupational Performance Measure:カナダ作業遂行測定)を実践するときに必要な基本的な考え方である。COPM (Canadian Occupational Performance Measure:カナダ作業遂行測定)は、クライエント中心の評価法で、CMOP(Canadian Model of Occupational Performance:カナダ作業遂行モデル)の理論をもとに、 クライエントが希望する「作業」の①重要度(セルフケア、生産活動、レジャーなど)、②遂行度(出来栄え)、③満足度をクライエント自身が主観的に評価する。
3.〇 正しい。個人と作業と環境が相互に関わりあった結果を説明できる。CMOP(Canadian Model of Occupational Performance:カナダ作業遂行モデル)は、(クライエントという)人、 (クライエントが日常生活で行う)作業、(クライエントを取り巻く)環境が、相互に関わり合った結果を説明できる。
4.〇 正しい。作業ニーズを満たすという作業療法の方向性を示している。CMOP(Canadian Model of Occupational Performance:カナダ作業遂行モデル)における作業遂行とは、クライエント自身が意味のある作業を選択し、自身が納得のいくように行う(作業ニーズを満たす)ことを意味しており、作業療法の方向性を示している。
5.〇 正しい。環境の要素には物理的、制度的、社会的、文化的に関する要素が含まれる。それぞれ①物理的(人間以外の側面)、②制度的(政策・財政・規則・法律など)、③文化的(慣習・信念・ 活動パターン・教育など)、④社会的(配偶者・家族や友人など、クライエントにかかわる重要な個人や社会グループ)に関する要素が含まれる。
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問題文正答率:50.00%
24
深部静脈血栓予防について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。水分補給は、深部静脈血栓予防になる。なぜなら、水分補給により、脱水を避けられるため。
2.〇 正しい。離床の促進は、深部静脈血栓予防になる。なぜなら、離床により、うっ血を避けられるため。
3.〇 正しい。足関節の自動運動は、深部静脈血栓予防になる。なぜなら、足関節の自動運動は筋収縮により、うっ血を避けられるため。
4.× 長時間の座位保持は、深部静脈血栓予防にならない。むしろ、静脈血がうっ滞するため深部静脈血栓の危険性が上がる。
5.〇 正しい。弾性ストッキングの着用は、深部静脈血栓予防になる。なぜなら、弾性ストッキングの圧迫によって、血管内の逆流防止弁が正常に作用することになり、血栓予防や血液のよどみを回避することができるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4142🔗
問題文正答率:50.00%
25
知覚機能を評価する検査法はどれか。
解説・コメント
1.× Romberg testは、深部感覚の検査である。被験者に足をそろえ、目を閉じて直立する検査で、陽性(閉眼時)では、脊髄性障害で動揺が大きくなる。ちなみに、開眼時・閉眼時ともに動揺がみられる場合は小脳障害を考える。
2.× Trail making test(TMT)は、注意の維持と選択、また視覚探索・視覚運動協調性を測定する検査である。
3.× Jobsen-Taylor hand function test(JHFT)は、上肢運動機能の評価である。カードめくり、食事の模倣などの7つの課題遂行に要する時間を測定する。
4.× Rey auditory verbal learning test(レイ聴覚性言語学習検査:RAVLT)は、言語性記憶検査である。①意味・関連のない15語よりなる語系列 (リストA) を読み上げる。②直後に呈示頂にかかわらずできる限り多くの単語を口頭で回答させる(即時再生)③次に、これとは異なる15の単語からなるリストBを同様の方法で回答させる。④さらにその後にリストAのうちまだ覚えている単語を口頭で回答させる(遅延再生)。
5.〇 正しい。Semmes-Weinstein monofilament test(静的触覚検査)は、知覚機能を評価する検査法である。最も細い「#1」から最も太い「#20」までの計20本のフィラメントを用いる。ノックしないで4~5秒間でゆっくりと当てて離す部位を指摘させる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4143🔗
問題文正答率:50.00%
26
検査と評価項目の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× GMFM(Gross Motor Functional Measure:粗大運動能力尺度)は、脳性麻痺児を対象とし、粗大運動脳能力の経時的な変化および医療的な介入の効果をみるために考案された評価尺度である。ちなみに、日常生活能力の検査は、主にFIMやBIなどである。
2.〇 正しい。WISC-Ⅳは、ワーキングメモリーが評価項目に含まれる。WISC-Ⅳ(Wechsler Intelligence Scale for Children-Fourth Edition:児童用ウェクスラー式知能検査第4版)は、知能検査であり、5~16歳11ヵ月までに適応可能で、学習障害の評価にも用いられる。ワーキングメモリー(作業記憶)とは、物事を思考・実行する際に情報を一時的に(数秒程度)保持しながら、それを意識的に操作する能力のことである。
3.× S-M社会生活能力検査は、子どもの社会生活能力を評価する。乳幼児~中学生を対象とし、保護者や担任教師などから聞き取る。6つの領域(①身辺自立、②移動、③作業、④コミュニケーション、⑤集団参加、⑥自己統制)から測定する。
4.× フロスティグ視知覚検査は、視知覚障害の評価検査である。適用年齢は4~8歳である。 個別、集団のいずれの方法でも行える。適応疾患として、問題行動、難聴、脳性まひ、知的発達の遅れ、情緒障害、LD(学力障害)などである。
5.× 遠城寺式乳幼児分析的発達検査は、達の傾向を全般的に渡って分析し、その子の発達の個性を見出すことを目的とした検査である。保護者からの聞き取り調査により、①移動運動、②手の運動、③基本的習慣、④対人関係、⑤発話、⑥言語理解の発達程度を評価するものである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4144🔗
問題文正答率:50.00%
27
半側空間無視の評価法はどれか。
解説・コメント
1.× BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)の行為計画検査の項目で、針金やコルクなどを使用する。「このコルクを試験官の外に出してください」と指示する。ちなみに、BADSは、様々な状況下における問題解決能力を、道具やカードを用いた6種類の下位検査と1つの質問紙を用いて検査する。下位検査は0~4点の5段階で点数化し24点満点で評価する。
2.〇 正しい。BIT(Behavioural inattention test:行動性無視検査)は、半側空間無視の評価法である。通常検査と日常生活場面を想定した行動検査の2つからなる。通常検査は、①線分抹消試験、②文字抹消試験、③星印抹消試験、④模写試験、⑤線分二等分試験、⑥描画試験である。行動検査は、①写真課題、②電話課題、③メニュー課題、④音読課題、⑤時計課題、⑥硬貨課題、⑦書写課題、⑧地図課題、トランプ課題である。
3.× CAT<Clinical Assessment for Attention:標準注意検査法>は、注意力の検査である。
4.× FAB(Frontal Assessment Battery:前頭葉機能検査)は、前頭葉機能に対するスクリーニング検査である。
5.× WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類テスト)は、計画をたてること・計画を達成するためにとるべき行動を決めること、状況の変化に対応すること、衝動的に行動することを抑えるなどの「前頭葉の実行機能」を調べる検査である。提示されたトランプのようなカードを色・数・形のどれに基づいて分類するかを判断する。高次脳機能障害の検査などに用いられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4145🔗
問題文正答率:50.00%
28
FIM の点数と ADL 評価の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 自助具を介助者に装着してもらい自力で摂取するのは、食事5点(監視・準備)である。介助者が身体に触れないで可能なレベルである。
2.× ループ付きタオルを使用して身体を洗うのは、清拭6点(修正自立)である。補助具を用いて自力で可能なレベルである。
3.× 1人の介助で15mまで歩行ができるのは、歩行2点(最小介助)である。1点は、2人介助など、患者の協力が得られない全介助であるレベルである。
4.× 日中は自立しているが夜間は介助者が監視しているのは、トイレ動作5点(監視・準備)である。時間帯によって介助量が異なる場合は、低い方の点数で評価される。
5.〇 正しい。短下肢装具の装着のみを手伝ってもらうのは、更衣(下衣)5点(監視・準備)である。更衣(下半身)の採点ポイントとして、装具は、主な更衣動作ではないので介助で装着しても5点までしか下がらない特徴がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4146🔗
問題文正答率:50.00%
29
ICF の環境因子に含まれるのはどれか。
解説・コメント
1~4.× 人生の出来事/困難への対処方法/社会生活への適応/コミュニケーションの能力は、個人因子である。個人因子は、主に年齢・性別・生活歴・価値観・ライフスタイルなどである。
5.〇 正しい。障害者に対する人々の態度は、環境因子である。環境因子は、主に①物的環境(住宅、福祉用具など)、②人的環境(家族、介護者など)である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4147🔗
問題文正答率:50.00%
30
Parkinson 病で姿勢反射障害および両側性の振戦があり、小刻み歩行で ADL が 自立している時の Hoehn & Yahr 重症度分類ステージはどれか。
解説・コメント
Hoehn&Yahr の重症度分類ステージ
ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。
1.× Ⅰは、片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
2.× Ⅱは、両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
3.〇 正しい。Ⅲは、歩行障害・姿勢保持反射障害が出現し、ADLの一部に介助が必要になる時期である。本症例は、本症例はADL自立ではあるものの「①姿勢反射障害、②小刻み歩行」が出現している。
4.× Ⅳは、日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
5.× Ⅴは、寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。
https://ja.mondder.com/fq?id=4148🔗
問題文正答率:50.00%
31
熱傷部位と背臥位時の肢位の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 前頸部は、「頸部屈曲」ではなく頸部伸展で保持する。なぜなら、頸部伸展制限をきたしやすいため。
2.〇 正しい。腋窩部は、肩外転90°で保持する。なぜなら、肩関節外転制限をきたしやすいため。
3.× 会陰部は、「両股関節外旋」ではなく両股関節外転位で保持する。なぜなら、股関節外転制限をきたしやすいため。
4.× 膝窩部は、「膝90°屈曲」ではなく膝関節伸展位で保持する。なぜなら、膝関節伸展制限をきたしやすいため。
5.× 足背部は、「底屈位」ではなく足関節背屈もしくは底背屈0°で保持する。なぜなら、背臥位では足関節背屈制限をきたしやすいため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4149🔗
問題文正答率:50.00%
32
高齢者の身体機能評価結果で転倒リスクが最も高いのはどれか
解説・コメント
1.× 膝関節90°屈曲位等尺性伸展筋力の20kgfより他の選択肢に転倒リスクが高いものがある。カットオフ値は1.2Nm/kgである。仮に、体重60kgと単位をkgfとすると、約7.3kgfに換算される。ちなみに、膝関節90°屈曲位等尺性伸展筋力は、Hand Held Dynamomeater (HDD)を用いて測定されることが多い。
2.〇 正しい。Timed Up and Go Test<TUG> の20秒は、選択肢の中から転倒リスクが最も高い。TUGのカットオフ値は13.5秒である。TUGの時間は、延長すればするほど、転倒のリスクが高まる。Timed Up and Go Test (TUG)の方法は、椅子から3mはなれたところにコーンなどを置き、被検者が椅子から立ち上がりコーンを回って再び椅子に戻るまでの時間を測定する。
3.× Berg Balance Scale<BBS> (=Functional Balance Scale<FBS>)の23点より他の選択肢に転倒リスクが高いものがある。カットオフ値は、①良好なバランス能力(41~56点)、②許容範囲のバランス能力(21~40点)、③バランス障害あり(0~20点)と評価する。Berg Balance Scale<BBS> (=Functional Balance Scale<FBS>は、14項目を0~4点の5段階で評価 (56点満点)し、得点が高いほどバランス機能良好である
4.× 片脚立位テスト<開眼>の60秒より他の選択肢に転倒リスクが高いものがある。カットオフ値は、15秒未満を運動器不安定症の基準としている(日本整形外科学会)。
5.× Functional reach testの30cmより他の選択肢に転倒リスクが高いものがある。Functional reach testは、前方への重心移動域を上肢の移動距離として測定する。カットオフ値は、①脳卒中片麻痺:15cm、②Parkinson病:31cmなど疾患によって異なるが、30cmまでバランスが保てていれば転倒のリスクは低い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4150🔗
問題文正答率:50.00%
33
仙骨部の褥瘡予防で適切なのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 円座の使用は褥瘡予防とならない。むしろ、円座は、患部周囲を圧迫し、阻血されるため褥瘡リスクが高まる。圧迫の分散のため全面接地が基本となる
2.〇 正しい。除圧動作を指導する。なぜなら、除圧動作は、圧迫を分散でき褥瘡予防となるため。
3.× 長時間の車椅子座位は褥瘡予防とならない。むしろ、長時間の車椅子座位は仙骨部が圧迫されるため褥瘡が発生しやすい。一般に2時間ごとに体位変換を行うことが基本とされる。
4.〇 正しい。保湿クリームを塗布する。なぜなら、乾燥は褥瘡の要因の一つとされているため。尿・便失禁がある場合の褥瘡予防ケアとして、洗浄剤による洗浄後に、肛門・外陰部から周囲皮膚へ皮膚保護のためのクリーム等の塗布を行ってもよいとしている。
5.× フットサポートを通常よりも高くするのは褥瘡予防とならない。むしろ、フットサポートを高くすることで、より仙骨部が圧迫されるため褥瘡が発生しやすい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4151🔗
問題文正答率:50.00%
34
病態と治療法の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 遮断除去法は、「半側空間無視」ではなく失語症である。遮断除去法は、Weiglによって提唱されたもので、ブロックされたものを解除するという考え方の治療法である。失語症者は、それぞれの言語モダリティ(言語理解・呼称・復唱・音読・書字など)で成績が異なることがよくある。良好なモダリティで反応させた後はそれまで正答できなかった言語モダリティで正答することがあり、これを「ディブロッキング(遮断除去)現象」とよびこれを利用している。例えば、音読は比較的良好にできるが聴理解が悪い場合に、前刺激としてカードに書かれた文字を提示し音読したあとに聴理解の刺激を与えると反応に改善がみられるといったものである。
2.〇 正しい。自己教示法は、遂行機能障害に適応である。自己教示法は、認知行動療法の一つである。恐怖やネガティブな感情が湧出した際に、実際に声を出して、あるいは心の中で「リラックスしよう」「心配ない」などの言葉を自分自身にかける。自らの言葉で自分自身に教示を与えることで、それが刺激となって自分の行動を変容させる方法である。遂行機能障害に対しても適応であり、解決方法や計画の立て方を一緒に考える。
3.× 間隔伸張(長)法は、「注意障害」ではなく認知症である。記憶したい事柄に対する質問をするまでの時間を次第に長くして、記憶を保持する期間を伸ばしていくことを目的とする手法である。
4.× 視覚走査法は、「記憶障害」ではなく半側空間無視である。視覚探索練習にて用いられる方法で右側から左側へ注意を誘導しながら、対象を認知できるようにしていく方法である。
5.× PQRST法は、「失語症」ではなく記憶障害である。5段階を経て覚えていくそれぞれ頭文字をとっており、①Preview:提示された文章全体からキーワードを抜き出す 、 ②Question:そのキーワードが答えとなる質問をつくる、 ③Read:質問に答えるために熟読する 、①Self-Recitation:読み終えた情報を能動的に覚える 、 ⑤Test:文章の内容(記憶)をテストする
https://ja.mondder.com/fq?id=4152🔗
問題文正答率:50.00%
35
生活行為向上マネジメントで正しいのはどれか。
解説・コメント
生活行為向上マネジメントとは?
MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance:生活行為向上マネジメント)は、患者が本来もっている能力を引き出し、患者にとって意味のある在宅生活(生活行為)でその能力を生かせるように支援するためのツールである。
1.× 「アメリカ」ではなく、日本作業療法士協会で開発された評価法である。
2.〇 正しい。作業療法士の臨床思考過程を分析して開発された。患者が本来もっている能力を引き出し、患者にとって意味のある在宅生活(生活行為)でその能力を生かせるように支援するためのツールである。
3.× 心身機能の回復に関するプログラムも含まれる。生活行為とは日常生活に関わるすべての行為をいい、心身機能は日常生活を送るうえで重要な因子である。
4.× 「作業療法士」ではなく、本人が重要と判断した作業に焦点を当てアセスメントする。また本人だけでなく、家族・支援者の連携が重要である。
5.× アセスメント項目に心身機能・身体構造に関する予後予測も含まれる。8つのシートで構成される。3つのメインシート(生活行為聞き取りシート、生活行為向上マネジメントシート、生活行為申し送り表)と生活行為向上マネジメントシートを構成する2つのサブシート(生活行為アセスメント演習シート、生活行為向上プラン演習シート)の他に3つのシート(興味・関心チェックシート、生活行為課題分析シート、医療への申し送り表)がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4153🔗
問題文正答率:50.00%
36
評価とその内容の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× COPM(Canadian Occupational Performance Measure:カナダ作業遂行測定)では、「作業の運動技能」ではなく、対象者の重要視する作業とその作業遂行能力を評価し、それをもとに援助することを目的として行われる。患者が現時点で改善したいと考える活動(①遂行度)と、それらの出来栄え(②重要度)、③満足度をそれぞれ10点満点で、患者が主観的に評価する。ちなみに、運動技能は自分自身や対象物を動かす技能であり、プロセス技能は道具の選び方、使い方などの技能である。これらの技能は、対象者の生活場面での状態を観察することにより日常生活技能を測定する方法であるAMPS(Assessment of Motor and Process Skills)で評価される。
2.× SF-36(MOS 36-Item Short-Form Health Survey)は、「介護負担」ではなく、質問紙法によって対象者の健康関連QOLを包括的に評価する尺度である。8つの健康概念【①身体機能、②日常役割機能(身体)、③体の痛み、④全体的健康感、⑤活力、⑥社会生活機能、⑦日常役割機能(精神)、⑧心の健康】を測定する。
3.× 意志質問紙は、「生活満足度」ではなく、作業や活動への取り組み度・集中度合いを観察する。14項目に対して各4点満点、計56点満点で評価するものである。
4.〇 正しい。GBSスケール(認知症状評価尺度)は、認知症の症状を評価する。開発者のGottfries・Brane・Steenの頭文字をとって命名された。5項目【①GBS-A (知的機能)、 ②GBS-B (自発性)、③GBS-C (感情機能)、 ④GBS-D(その他の精神症状)、 ⑤GBS-E(運動機能)】で構成され、ある程度量的な測定が可能である。対象者の観察や対象者をよく知るものからの行動観察情報により評価する。
5.× 興味チェックリストは、「作業の遂行度」ではなく、対象者のニーズを把握するために、各活動項目に対する興味の有無、また興味がある場合は関心の強さについて評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4154🔗
問題文正答率:50.00%
37
IADL の項目に含まれるのはどれか。
解説・コメント
IADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)は、電話使用、買い物、食事の準備、家事(清掃、身の回りの片づけなど)、洗濯、移動、服薬管理、財産の取り扱い管理が含まれる。日常生活を送るために必要な動作で、基本的ADLよりも複雑で高次な動作をいう。
1.× 化粧は、基本的ADLである。整容に含まれる。
2.× 義足の装着は、基本的ADLである。更衣動作に含まれる。
3.〇 正しい。バスの利用は、IADLに含まれる。
4.× 歩行器を使用した歩行は、基本的ADLである。歩行に含まれる。
5.× 車椅子からベッドへの移乗は、基本的ADLである。移乗に含まれる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4155🔗
問題文正答率:50.00%
38
小児の四肢切断について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 後天性四肢切断は、「女児」ではなく男児に多い。男女比は2:1である。理由として、男児は女児より活発であり、怪我をする機会が多いため。
2.× 義手の装着開始時期は、「4歳ころ」ではなく、生後6か月が適切である。ちなみに、義足は、生後8~10か月が適切である。
3.× 成長に伴い外反膝変形を生じやすいのは、「下腿切断」ではなく、ショパール離断である。ちなみに、下腿切断は、膝関節屈曲拘縮が生じやすい。なぜなら、成長に伴い膝伸筋と膝屈筋の不均衡が生じやすいため。
4.× 悪性骨腫瘍が原因で切断になる頻度は、減少傾向にある。なぜなら、治療として、①術前化学療法→②手術→③術後化学療法が確立され、化学療法の進歩と、人工関節などを利用して四肢を温存する方針が増え、患肢温存率が約90%に達している。
5.〇 正しい。後天性の切断における幻肢の出現頻度は成人より低い。なぜなら、小児ではボディ・イメージが十分に形成されていないため。幻肢だけでなく、幻聴や幻肢痛の出現も成人より低い。
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問題文正答率:50.00%
39
高次脳機能障害と脳の障害部位との組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 顔の左側の髭を剃り残す(左半側空間無視)は、「後頭葉」ではなく、右頭頂葉で起こる。
2.× 新しい道順を覚えられない(前向性健忘:記銘障害)は、「前頭葉」ではなく、側頭葉の大脳辺縁系(海馬など)で起こる。ちなみに、前頭葉障害は、ワーキングメモリ(作業記憶)の障害が生じる。
3.〇 正しい。何度も同じことを繰り返し聞く(前向性健忘:記銘障害)は、側頭葉の大脳辺縁系(海馬など)で起こる。
4.× 物事を順序立てて実行することが難しい(遂行機能障害)は、「後頭葉」ではなく、前頭葉(前頭連合野)で起こる。
5.× 見えていないのに見えているように振る舞う(Anton症候群)は、「頭頂葉」ではなく、後頭葉(両側の一次視覚野)で起こる。
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問題文正答率:50.00%
40
軽度の意識障害の評価に重要な検査はどれか。
解説・コメント
1.× 光トポグラフィーは、精神科領域(気分障害や統合失調症など)の検査・診断に利用される。光トポグラフィー検査とは、近赤外線光を利用して前頭葉や側頭葉における脳活動の変化を画像化し、反応パターンの違いで、健常者相当、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症などにほぼ分類することが可能である。精神科領域では確定診断の補助として活用されているが、他の領域では研究の側面が強く、限られた施設でのみ利用されている。
2.× 機能的MRI(fMRI:functional MRI)は、研究段階の検査である。神経活動が活発な脳領域の酸素量の増加をBOLD法により計測して、特定の機能を遂行している際の脳の活動部位を非侵襲的に画像化する技術である。
3.× MMPI(Minnesota Multiple Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)は、質問紙法による人格検査である。550の質問に対して「あてはまる」「あてはまらない」「どちらでもない」を選択する3件法が用いられている。
4.〇 正しい。脳波は、軽度の意識障害の評価に重要な検査である。脳波検査以外にも、必要に応じて、頭部MRI検査、脳血管撮影、髄液検査等も行われる。脳波は、てんかんの診断・病型分類、意識障害の評価、睡眠異常の診断、脳死判定、特殊な波形による疾患の推定などに用いられる。
5.× WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence Scale:ウェクスラー成人知能検査)は、質問やイラスト、積み木などの検査キットを用いて、言語性知能尺度・動作性知能尺度から総合の知能指数(IQ)を測定する。16~89歳までが対象となる。
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問題文正答率:50.00%
41
コンピューターゲームを用いた統合失調症患者の認知リハビリテーションはどれか。
解説・コメント
1.× IPS<Individual Placement and Support>は、患者への信頼と可能性を信じることをベースとして、症状の安定度や職業準備性よりも就労意欲を重視し、仕事の中で自分を高め(ストレングス)、最終目的を疾患からの回復(リカバリー)とするものである。つまり、精神障害者の就労を支援するものである。
2.× MCT<Metacognitive Training:メタ認知トレーニング>は、統合失調症の認知的な偏りを改善するトレーニングである。メタ認知とは、自分自身を客観的に評価し、考え方を修正・改善する能力をいう。
3.〇 正しい。NEAR<Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation:認知矯正療法>は、統合失調症患者を対象とし、記憶力・集中力・物事の段取りを考えて実行する能力などの認知機能障害の改善を図るためのリハビリテーションである。参加可能基準は、主に7つ挙げられ、①年齢は13歳~65歳、②知的レベルは境界以上、③取りレベルは小学4年生以上、④現時点で物質及びアルコール乱用者ではない、⑤何らかの中毒における解毒から1ヵ月以上経過している、⑥過去3年間に頭部外傷歴がない、⑦セッションの間座っていられる程度に精神症状が安定していることがあげられる。
4.× SCIT<Social Cognition and Interaction Training:社会認知と対人関係のトレーニング>は、統合失調症患者の社会認知の障害を治療ターゲットとする。対人関係改善のためのグループワークトレーニングである。
5.× SST<Social Skills Training:社会生活技能訓練>は、社会生活を送るうえでの技能を身につけ、ストレス状況に対処できるようにする集団療法の一つ(認知行動療法の一つ)である。精神科における強力な心理社会的介入方法である。患者が習得すべき行動パターンを治療者(リーダー)が手本として示し、患者がそれを模倣して適応的な行動パターンを学ぶという学習理論に基づいたモデリング(模倣する)という技法が用いられる。
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問題文正答率:50.00%
42
解離性けいれん発作について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 誘因なく突然起こるのは、真性てんかん発作である。一方で、解離性けいれん発作の誘因は、本人の意識には上がらない心理的要因である。無意識の領域に抑圧されている。
2.〇 正しい。解離性けいれん発作は、睡眠中や他者のいないところでは起こらない。なぜなら、「誰かの気を引きたい」という無意識の願望が根底にあるため。
3.× 発作持続時間は数分程度であるのは、真性てんかん発作である。一方で、解離性けいれん発作は、一般的に数十分~数時間に及ぶ。
4.× 必ずしも、発作時に意識は完全に消失するとはいえない。
5.× 転倒による打撲傷が頻繁にみられるのは、真性てんかん発作である。一方で、解離性けいれん発作は、失立失歩(立てなくなるのは立ちたくないから、歩けなくなるのは歩きたくない)場合は見られるが、転倒やけがをすることはまれである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4160🔗
問題文正答率:50.00%
43
症状性精神障害を引き起こす疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。Wernicke脳症は、ビタミンB1投与で治療する。Wernicke脳症は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏によって起こる脳症のこと。アルコール多飲、栄養障害などにより起こる。症状として、意識障害・眼球運動障害・混迷・記憶障害・作話を来す。
2.× 肝性脳症は、「芳香族アミノ酸投与」ではなく、芳香族アミノ酸の脳内への移行を阻害する分岐鎖アミノ酸製剤を投与する。肝性脳症は、肝臓の機能低下による意識障害である。直接の原因については不明な点が多いが、高度の肝機能障害や門脈-大循環シャントにより腸管内で産生された毒性物質が、肝臓で解毒されることなく透過性の亢進した血液脳関門を通過して脳に到達することで生じる。
3.〇 正しい。全身性エリテマトーデスは、副腎皮質ステロイド投与で治療する。全身性エリテマトーデスは、自己免疫疾患であり、全身に多様な症状が出現する。精神・神経症状としては、CNSループスとよばれる中枢神経症状がみられ、うつ・せん妄・認知障害などの精神症状や脳血管障害、けいれんなどがみられる。
4.× 尿毒性脳症は、「瀉血(しゃけつ:血液を抜くこと)」ではなく、透析などで治療する。尿毒症性脳症とは、尿毒症(腎不全により、身体の中に老廃物が蓄積する状態)の影響が脳に出ていることである。症状として、集中力の低下や幻覚・錯覚・抑うつ状態・手足の震えが現れる。血液検査や脳波検査、画像検査(CT検査、MRI検査など)によって詳しく調べ、尿毒症性脳症の治療は透析(老廃物を身体の外に出すこと)と、可能であれば腎臓の機能を回復させることである。
5.× ペラグラは、「葉酸投与」ではなく、ナイアシン服用で治療する。ペラグラ脳症は、代謝内分泌疾患の一つで、ナイアシン欠乏症(栄養失調)である。ビタミンB3の欠乏で起こる。症状は、皮膚炎 、下痢 、認知症、うつ、けいれんなどを来す。
https://ja.mondder.com/fq?id=4161🔗
問題文正答率:50.00%
44
統合失調症について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 症状寛解後も、薬物治療を継続することが多い。なぜなら、統合失調症は、症状の再発・再燃することが多くそれらを防止するため。むしろ、生涯にわたり薬物療法を続ける場合がほとんどである。
2.〇 正しい。家族心理教育を行うことで再発率が低下する。家族心理教育とは、家族が病気を正しく理解し、適切な対応や望ましい接し方を身につけることを目的とする。病気による行動特性を理解し、症状に対する適切な対応と接し方を学ぶことができ、治療効果の増進・再発防止にもつながる。
3.× 精神病未治療期間の長短は、予後と関係する。他の疾患と同様、早期発見・早期治療が予後によい結果をもたらす。
4.× 服薬自己管理の練習は、「急性増悪期から」ではなく、回復期~後期に開始する。急性増悪期は、症状の理解や服薬の必要性の理解など病識の獲得と治療方法への理解を中心に行われる。
5.× 障害者試行雇用<トライアル雇用>の対象である。障害者試行雇用<トライアル雇用>は、職業生活に相当の制限や困難を伴う者(身体障害・知的障害・精神障害)を対象として、原則3か月間試用雇用をすることで適性や能力を見極め、継続就労のきっかけをつくってもらう制度である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4162🔗
問題文正答率:50.00%
45
作業療法における広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)への対応で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 攻撃的な行動に、大きな声で「ダメ」とだけ簡潔に言ったり、大きな声で叱責することは不適切である。なぜなら、本人をさらに精神的に不安定にさせるため。攻撃的な行動には、制止したうえで、可能ならそのような行動をとる理由を聞いてみる。
2.〇 正しい。作業の適用時には内容をあらかじめ伝える。なぜなら、作業の内容をあらかじめ伝えておくと、混乱が少なくなるため。
3.× こだわりに対して、行動変容を促す必要はない。なぜなら、こだわりを変える必要性に対し、本人は混乱・パニック状態に陥る可能性が高いため。まずは、こだわりを許容し、本人と信頼関係を築いたあとに、行動を変えることを納得させたうえで徐々に受け入れさせるのがよい。
4.× 作業は、「自由度の高いもの」ではなく、ある程度やることが決まっているものを用いる。なぜなら作業の自由度が高いと、本人は何をしたらよいのか見当がつかないことが多いため。
5.× 説明には、「言語的情報」ではなく、視覚的情報を多用する。聴覚(言葉で説明する)よりも視覚(絵やカード)に訴えた方が指示は伝わりやすい。
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問題文正答率:50.00%
46
正しい日時や場所などの情報を繰り返し提示する認知症患者への介入法はどれか。
解説・コメント
1.× 作業回想法とは、アルバムや昔の遊び道具や生活用品などを使い(昔懐かしい駄菓子を食べる、童謡などのなじみの歌を聴くなど)して、その当時のエピソードを思い出して話してもらい、人生を振り返り思い出を語ることにより、気持ちを安定できたり、感情・意欲を高揚できたりする方法である。記憶障害(認知症)に用いられる。
2.× ユマニチュード(フランス語:人間らしさを取り戻す)とは、認知力の向上を目指すケア・コミュニケーション技法である。 主に認知能力が低下した高齢者や認知症患者に対して行い、 「見る」「話す」「触れる」の3つのケア方法に「立つ」というケア方法を加える。「患者の尊厳をそこなわないようになべきである」とするケアの技法である。
3.× ルーティン化療法は、前頭側頭型認知症の症状である常同行動(同じことにこだわり繰り返す)に対して行う技法である。よい習慣を毎日のスケジュールとしてルーティン化することで生活改善を行う。
4.× バリデーション療法(確認する、認めるという意味)は、認知症の高齢者と適切なコミュニケーションをとり症状改善や尊厳回復を目指す療法である。認知症患者のつくる虚構の世界を否定せずに、受容し、また、患者が好む感覚をみつけて、それを使うなどの様々な技法が含まれる。
5.〇 正しい。リアリティオリエンテーションは、正しい日時や場所などの情報を繰り返し提示する認知症患者への介入法である。「今がいつなのか?」「ここはどこなのか?」「周りの人が誰なのか?」がわからない見当識障害の症状があると、患者さんは強い不安を感じる。医療スタッフが日常会話の中で患者さんに正しい情報を繰り返し伝えることにより、現実見当識の維持が期待できる。これを「リアリティ・オリエンテーション法」いう
https://ja.mondder.com/fq?id=4164🔗
問題文正答率:50.00%
47
措置入院を規定する法律はどれか。
解説・コメント
措置入院とは、自傷他害のおそれのある患者に対して、患者本人の同意が必ずしも必要せず、2名の精神保健指定医が入院の必要性を認めた場合に入院させることができる入院形態をいう。都道府県知事または政令指定都市の市長の命令による
1.× 障害者基本法は、障害者施策について基本事項を定め、障害者の自立と参加を総合的かつ計画的に推進することを目的としている。
2.〇 正しい。精神保健及び精神障害者福祉に関する法律<精神保健福祉法>は、措置入院を規定する法律である。精神障害者の入院について5つの入院形態(任意入院・医療保護入院・応急入院・措置入院・緊急措置入院)を定めている。
3.× 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律<障害者差別解消法>は、すべての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的としている。
4.× 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律<障害者総合支援法>は、必要な支援により障害者・児の福祉の増進を図り、障害の有無に関わらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的としている。自立支援給付、地域生活、社会事業、費用負担について定めている。
5.× 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律<医療観察法>とは、重大な他害行為を行った精神障害者に医療を受けさせ、犯罪の再発を防ごうというものである。平成15年に制定され、平成17年施行した。「重大な他害行為」とは、①殺人、②放火、③強盗、④強姦、⑤強制わいせつ、⑥傷害の6つである。鑑定入院の後で、裁判官と精神保健審判員からなる合議体(裁判官と精神保健審判員からなる)が処罰の審判を下す。重大な他害行為を行った精神障害者に対して適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的としている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4165🔗
問題文正答率:50.00%
48
地域で生活している精神障害者の家族支援に関する内容として誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。活用できる社会資源について情報提供をする。社会資源とは、生活するうえでおこるさまざまな問題の解決を担う福祉制度や施設などのことである。 例えば、制度は①高額医療制度、②傷病手当、③生活保護などで、施設は、①居宅介護、②ショートステイ、③グループホームなどである。これらについて情報提供することは、患者本人を含む家族の支援につながる。
2.〇 正しい。家族が地域社会から孤立しないように助言を行う。なぜなら、患者自身と同様に精神障害者の家族も、ストレス(疾患への絶望感と周囲の偏見からくる孤立感、将来に対する著しい不安感)を抱えているため。自助グループ(セルフヘルプグループ、当事者グループ)に、同じ問題や悩みを抱える者同士が集まり、自分の苦しみを訴えたり、仲間の体験談を聞いたりすることで問題を乗り越える力を養っていく。絶望感や孤立感、不安感を傾聴し、できるだけ解消できるよう対処法について一緒に考えていく。
3.〇 正しい。再発の兆候に気づいた時は主治医に相談するように伝える。なぜなら、家族が再燃の兆候に早期に気づくことは多いため。症状の悪化を防いだり、必要なら入院などの処置をとったりすることができる。
4.〇 正しい。家族自身のストレスが軽減するよう対処法について一緒に考える。なぜなら、患者自身と同様に精神障害者の家族も、ストレス(疾患への絶望感と周囲の偏見からくる孤立感、将来に対する著しい不安感)を抱えている。絶望感や孤立感、不安感を傾聴し、できるだけ解消できるよう対処法について一緒に考えていく。
5.× EE<Expressed Emotion>が「高い」ではなく低い場合に、患者との接触を増やすよう勧める。EE< expressed emotion >とは、感情表出のことである。患者と接するときに家族に生じた主に否定的な感情を家族がありのままに表すことをいう。感情表出(EE)の強い(高い)家族のもとでは患者の症状は悪化しやすいとされるため、患者との接触を減らし、家族には家族心理教育では感情表出を抑えるような指導教育が行われる。家族には少しずつ、高EE的態度は良い結果を招かないことを認識してもらい、できる限り高EE的な態度を見せないことを意識させる。
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問題文正答率:50.00%
49
精神障害者の就労支援について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 精神障害者は、障害者雇用義務の対象である。ちなみに、平成30 (2018) 年4月1日以降、身体障害者と知的障害者だけであったが、精神障害者も含まれた。
2.× ジョブコーチは、事業主への支援を行う。ジョブコーチとは、障害者が事業所で働くため(就労支援)に、障害者と企業の双方を支援する役割をするもの。障害者が属する社会福祉法人の職員や事業所の社員などが行う。
3.× 精神障害者は、障害者職業能力開発校の支援対象である。障害者職業能力開発校は、「職業能力開発促進法」に基づき、障害者が就職に必要な知識、技能・技術を習得して職来的に自立し、生活の安定と地位向上を図ることを目的として、国が設置し各自治体が運営する施設である。基本的に障害者手帳を持っている人が対象である。※だだし、コースによっては、精神障害者保健福祉手帳を所持しており、心身の状態が安定していることが条件となったり、精神障害者手帳を持っていなくても医師の診断を受けていることが条件となっていることもある。
4.× 障害者就業・生活支援センターは、職場実習を斡旋(あっせん:交渉や商売などで、間にはいって、両方の者がうまくゆくように取りはからうこと)している。障害者就業・生活支援センターとは、国及び県から委託を受けた地域の社会福祉法人等が運営する障害者の就労支援機関である。 就業およびそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障害者に対し、就業と生活における一体的な相談支援を実施している。
5.〇 正しい。就労継続支援B型事業所では最低賃金が保障されていない。なぜなら、労働者ではなく「訓練生」の扱いとなるため。一般的な雇用形態とは異なる福祉的就労である。したがって、各種労務関係法規(労働基準法や最低賃金法など)は適用されない。
https://ja.mondder.com/fq?id=4167🔗
問題文正答率:50.00%
50
標準予防策〈standard precautions〉について正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 手洗いは、「7秒以内」ではなく、最低でも20~30秒かけて行う。(※WHO手指衛生ガイドラインより)
2.× 手袋着用前でも手洗いの必要がある。手洗いは、手袋の着脱前後に実施する。
3.× 感染症患者を隔離することは含まれない。なぜなら、「感染経路別予防策」の空気予防策に含まれるため。
4.× 患者同士の接触による感染予防が目的ではない。なぜなら、「感染経路別予防策」の接触予防策に含まれるため。
5.〇 正しい。すべての患者の排泄物は感染性があるとみなす。なぜなら、排泄物は湿性生体物質であるため。標準予防策は、「すべての湿性生体物質(汗を除く)は感染のおそれがある」とみなし、対応・行動する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4168🔗
問題文正答率:50.00%
51
脳底動脈から直接分岐する血管はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
脳底動脈は左右の椎骨動脈が結合したもの。
脳底動脈は前下小脳動脈、上小脳動脈を分岐した後、後大脳動脈になります。
前小脳動脈は小脳半球外側面や橋を栄養。
上小脳動脈は小脳上部や中脳を栄養。
脳底動脈から直接分岐する血管は、選択肢4~5.上小脳動脈/前下小脳動脈である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4169🔗
問題文正答率:50.00%
52
脳構造について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 小脳テントは、「脳底槽」ではなく、大脳と小脳の間に存在する厚い硬膜である。脳底槽(鞍上槽:ペンタゴン)は、鞍上部周囲のくも膜下腔にヒトデ型の領域である。
2.× 脳静脈洞は、「硬膜下腔の中を通る」のではなく、硬膜内層と硬膜外層の間、または、硬膜内層と硬膜内層が合わさった部分に静脈血が流れる管腔構造が存在する。ちなみに、硬膜下腔の中を通るのは、架橋静脈である。架橋静脈は、脳表と硬膜をつなぐ血管である。
3.× 大脳鎌は、Sylvius裂内には位置していない。大脳鎌とは、脳硬膜の内層が合わさり、正中線に沿って幕状に垂れ下がって大脳半球を左右に分けている部分である。大脳縦裂内に大脳鎌が位置する。ちなみに、Sylvius裂(外側溝)は側頭葉の上縁に位置する。
4.〇 正しい。くも膜と軟膜の間がくも膜下腔である。「頭蓋骨→硬膜→くも膜→クモ膜下腔(この中に脳脊髄液が存在)→軟膜」という構造となっている。
5.× 第三脳室と第四脳室の間にあるのは、「透明中隔」ではなく、中脳水道である。透明中隔とは、脳梁上部にあり、両側側脳室を隔てる板状構造をしている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4170🔗
問題文正答率:50.00%
53
骨について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 骨梁から形成されるのは、「皮質骨(緻密骨)」ではなく海綿骨である。骨は、皮質骨(緻密骨)と海綿骨からなる。
2.× 幼児期の骨髄は、「黄色骨髄」ではなく赤色骨髄である。全骨髄が造血作用をもつ赤色骨髄であるが、骨格発育が進み必要な造血領域を越えるようになると脂肪髄である黄色骨髄に置き換わっていく。黄色骨髄は、造血機能はない。
3.× 骨膜で覆われているのは、「海綿骨の表面」ではなく皮質骨(緻密骨)である。つまり、海綿骨の表面は、骨膜ではなく皮質骨(緻密骨)で覆われており、その外層に骨膜が存在する。
4.〇 正しい。皮質骨には、Havers〈ハバース〉管が存在する。骨の長軸方向に伸びている血管が通る管をHavers〈ハバース〉管という。ちなみに、海綿骨にはハバース管が存在しない。Havers〈ハバース〉管を中心に同心円状に層をなし、骨単位となっている。
5.× プロテオグリカン(タンパク質と糖からなる軟骨成分)を豊富に含むのは、骨より軟骨(関節軟骨)である。大量の水と結合してコラーゲンとのすき間を埋めるクッションのような働きをする。関節を衝撃から保護する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4171🔗
問題文正答率:50.00%
54
腱板を構成する筋はどれか。
解説・コメント
https://ja.mondder.com/fq?id=4172🔗
問題文正答率:50.00%
55
足関節外側面において、外果の前方を走行する筋はどれか。
解説・コメント
外果の前方を走行する筋=足関節背屈に作用すると考えられる。ちなみに、足関節背屈筋は、①前脛骨筋、②第三腓骨筋、③長趾伸筋、④長母指伸筋である。
1.× 後脛骨筋の作用は、足関節底屈・内返しである。
2.× 短腓骨筋の作用は、足関節底屈・外返しである。
3.× 長腓骨筋の作用は、足関節底屈・外返しである。
4.〇 正しい。第3腓骨筋の作用は、足関節背屈・外返しである。
5.× 長母指屈筋の作用は、足関節底屈・母趾屈曲である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4173🔗
問題文正答率:50.00%
56
体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体があるのはどれか。
解説・コメント
体性感覚性神経系には、触覚・固有覚(位置覚と振動覚)を伝える後索・内側毛帯路と、温痛覚(温度覚と痛覚)を伝える脊髄視床路の二つの伝導路がある。どちらの伝導路も、感覚受容器から大脳皮質に情報が伝わるまでに3種類のニューロンがかかわっている。このニューロンを末梢から順に一次・二次・三次ニューロンという。
①一次ニューロンは、脊髄後根神経節に細胞体があり、そこから末梢の感覚受容器と脊髄の両側に軸索を伸ばしている。触覚・固有覚の経路(後索・内側毛帯路)では、一次ニューロンは脊髄に入ると同側の後索を上行する。第六胸髄以下のニューロンは後索の内側寄りにある薄束を通る。それより上のニューロンは後索の外側にある楔状束を通る。一次ニューロンは、延髄に入るとそれぞれ薄束核、楔状束核と呼ばれる神経核でシナプスを形成しニューロンを交代する。
②二次ニューロンは、延髄で交叉(左右のニューロンが入れ替わる)し、内側毛帯と呼ばれる束になってさらに上行して視床の後外側腹側核(VPL核)に入り、三次ニューロンとシナプスを形成する。
③三次ニューロンは、視床から大脳の内包後脚を通り、頭頂葉の中心後回(ブロードマンの脳地図の3,1,2野)にある感覚野に至る(参考:Wikiより)。
したがって、選択肢5.脊髄後根神経節が正しい。すべての感覚神経(体性感覚)の一次ニューロンの細胞体は、脊髄後根神経節に存在する。
1.3.× 延髄/脊髄後角は、二次ニューロンである。
2.4.× 視床/大脳皮質は、三次ニューロンである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4174🔗
問題文正答率:50.00%
57
橈骨神経が支配する筋はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。肘筋の支配神経は、橈骨神経である。
2.〇 正しい。回外筋の支配神経は、橈骨神経深枝である。
3.× 背側骨間筋の支配神経は、尺骨神経である。
4.× 方形回内筋の支配神経は、正中神経である。
5.× 短母指外転筋の支配神経は、正中神経である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4175🔗
問題文正答率:50.00%
58
動脈と脈拍の触知部位との組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。総頚動脈は、胸鎖乳突筋の前縁(頚部の前外側)で触知する。
2.× 上腕動脈は、「上腕二頭筋腱の外側縁」ではなく、上腕遠位部の上腕二頭筋腱の内側(肘関節肘窩:上腕前面の尺側)で触知する。
3.× 橈骨動脈は、「前腕掌側面の内側近位部」ではなく、前腕遠位側の橈側で行う。
4.× 大腿動脈は、「鼠径部の腸腰筋の外側」ではなく、大腿三角(Scarpa三角)内の縫工筋の内側で触診する。大腿三角(Scarpa三角)とは、鼠径靭帯・縫工筋・長内転筋である。腸腰筋は触診するのは困難であるが、大腿動脈は腸腰筋内側に位置している。
5.× 足背動脈は、「外果の後方」ではなく、足背の長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触知する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4176🔗
問題文正答率:50.00%
59
尿路について正しいのはどれか。
解説・コメント
便宜上1を正解としましたが正答値表が空欄となっていました。
選択肢に正解がない為、不適切問題となっている
以下に理由をみていく。
1.× 膀胱の粘膜は、「扁平上皮」ではなく移行上皮である。扁平上皮は、硬膜粘膜、直腸、膣・子宮頸部などにみられる。移行上皮は膀胱粘膜の伸縮性が部位に対応する。蓄尿・排尿の容積変化に応じて上皮層の厚さが変化する。
2.× 内尿道括約筋は、「横紋筋」ではなく平滑筋からなる。尿道括約筋は、下腹神経の刺激により収縮する不随意筋であり、排尿を抑制する。ちなみに、外尿道括約筋は陰部神経支配の随意筋(横紋筋)であり、収縮することで排尿を抑制する。
3.× 尿管内部に逆流防止弁は存在しない。尿管は膀胱壁を斜めに貫くが、この構造が弁の働きをし、膀胱内の尿が尿管に逆流するのを防いでいる。これを受動的逆流防止機構という。また、能動的逆流防止機構というものもあり、排尿時の膀胱三角部筋・尿管縦走筋の収縮と尿管周囲の鞘による固定で尿の逆流を防ぐ。
4.× 成人の膀胱の最大容量は、「約1,200mL」ではなく約800mLである。成人では、平均して300~500mLで最大尿意に達する。
5.× 成人の初発尿意の膀胱容量は、「300~350mL」ではなく100~150mLである。さらに尿意を我慢すると300~500mLで最大尿意に達する。
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問題文正答率:50.00%
60
DNA に含まれないのはどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
61
三叉神経が関与するのはどれか。
解説・コメント
1.× 咽頭反射は、【求心性神経】舌咽神経、【遠心性神経】迷走神経である。咽頭反射は、気管に異物が入らないようにするための反射で、咽頭後壁や舌根部を舌圧子などで刺激すると嘔吐が誘発される。
2.〇 正しい。角膜反射は、【求心性神経】三叉神経、【遠心性神経】顔面神経である。角膜反射とは、角膜にものが触れると眼を閉じる反射である。角膜への刺激は、両側の顔面神経核に伝わるため両目が閉じる。
3.× 咳反射は、【求心性神経】舌咽神経、【遠心性神経】迷走神経である。咳反射は、咽頭・喉頭・気管の粘膜にカテーテルなどで刺激を与えると咳嗽が誘発される反射である。
4.× 前庭眼反射は、【求心性神経】前庭神経(内耳神経)、【遠心性神経】動眼神経、外転神経である。前庭眼反射とは、外耳道への注水により眼振が誘発される反射である。
5.× 対光反射は、【求心性神経】視神経、【遠心性神経】動眼神経である。瞳孔反射の一つであり、光の強さにより瞳孔の直径を変化させ、網膜に届く光の量を調節する反射である。瞳孔の収縮の有無を観察する。
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問題文正答率:50.00%
62
交感神経および副交感神経の両方の刺激で促進されるのはどれか
解説・コメント
1.× 発汗は、交感神経優位で分泌活動が増加する。
2.× 心拍は、交感神経優位で増加する。
3.× 胃の蠕動は、副交感神経優位で増加する。
4.〇 正しい。唾液腺分泌は、交感神経優位でネバネバした唾液(粘液性)、副交感神経優位でサラサラ唾液(漿液性)が増加する。どちらの神経も分泌を促す。唾液腺は耳下腺・舌下腺・顎下腺の3つであり、いずれも副交感神経と交感神経の二重支配を受けている。
5.× 立毛筋収縮は、交感神経優位で収縮(鳥肌)となる。
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問題文正答率:50.00%
63
伸張反射について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 筋紡錘が筋の長さを検知する。筋紡錘は、骨格筋の収縮を感知する感覚器(筋の長さとそれが変化する速さを感知する感覚器)であり、腱をたたいて骨格筋を急速に伸ばすと起こる筋単収縮(伸張反射)に関与する。
2.× 痙縮は、伸張反射が亢進する。痙縮は「腱反射亢進を伴った緊張性伸張反射(tonic stretch reflex)の速度依存性増加を特徴とする運動障害で、伸張反射の亢進の結果生じる上位運動ニューロン症候群の一徴候」と定義されている。痙縮は、上位運動ニューロン障害に生じる症状の一つであり、上位運動ニューロンによる抑制が効かなくなるために、伸張反射が出続けることで生じる。下位運動ニューロン障害では、痙縮は出現しない。
3.〇 伸張反射は、単シナプス反射である。伸張反射とは、外力により急に筋が引き伸ばされるとその筋が収縮する反射のことである。
4.〇 正しい。Ⅰa群神経線維は、α運動神経に結合する。筋紡錘が引き延ばされたことをⅠa群神経線維が伝え、a運動神経が筋を収縮させる。
5.〇 錘外線維が伸ばされると錘内線維(筋紡錘)は活動を増す。筋紡錘(錘内筋線維)は、筋力を出す錘外筋線維(いわゆる骨格筋)と平行になっており小さいのが特徴である。錘外筋線維は長いものでは30cmにもなるが、筋紡錘は1cm程度である。錘外筋線維が伸張されると筋紡錘(錘内筋線維)も伸張されて、感覚神経終末で受容器電位が発生する。
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問題文正答率:50.00%
64
心筋について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 心筋は不随意筋であるが、「平滑筋」ではなく横紋筋である。筋組織は随意収縮が可能な骨格筋、不随意収縮の平滑筋と心筋の3種類に分けられる。
2.× 心筋の収縮は単収縮である。強縮は起こらない。1つの活動電位によって生ずる収縮を単収縮という。筋収縮の基本型は単収縮である。骨格筋では、単収縮が加重し融合すると収縮力の大きな強縮となる。なぜなら、骨格筋は活動電位の持続時間(不応期)が短いため。これは、円滑なポンプ作用を保つために重要である。
3.× ギャップ結合はみられる。ギャップ結合とは、細胞の介在板にみられる構造で、直径2nmの通路を隣接する細胞間で形成し、その通路をイオンや小分子が通過し、心筋の同期性収縮(繰り返される収縮のこと)に寄与していることである。これは心筋や平滑筋に見られ、この結合を介して興奮伝導が行われる。
4.〇 正しい。心筋の静止張力は、骨格筋よりも大きい。心筋は、全身に血液を巡らせるため、弛緩期に伸展し強い収縮力を発生する必要がある(Starlingの法則)ため、骨格筋より心筋の静止張力は大きくなっている。静止張力とは、筋が活動していなくても筋を伸展させるのに必要な力である。筋を引き延ばすためには筋の長さが長くなると大きな力が必要である。
5.× 活動電位持続時間は、「約5msec」ではなく約500msec(約0.5sec)である。心筋活動電位はプラトー相を有することが特徴であり、このために活動電位の持続時間が非常に長いのが特徴である。心筋は、骨格筋や神経に比べて再分極相が非常に緩やかである。ちなみに、神経の活動電位持続時間は数msecである。
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問題文正答率:50.00%
65
排便機構について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。骨盤神経は便意に関与する。便が直腸に入ることで直腸内壁が伸展すること(直腸壁伸展)で、その重さの刺激は骨盤神経を伝わり、仙髄の排便中枢→大脳に伝わり便意となる。
2.× 内肛門括約筋の弛緩は、「随意的」ではなく不随意的(平滑筋)に起こる。骨盤神経を介して置換する。ちなみに、随意的なのは外肛門括約筋(横紋筋)である。
3.× 排便反射の抑制は、大脳・脳幹の上位中枢から受けている。ちなみに、排便反射は、仙髄にて生じる。排便を我慢すると、排便抑制の刺激が骨盤神経、陰部神経に伝わり、内肛門括約筋、外肛門括約筋を緊張させ便意が消失する。
4.× 大腸の蠕動運動は、「縦走筋」ではなく、縦走筋と輪状筋(主に輪状筋)によって生じる。輪状筋は食塊の口側で収縮し、肛門側で弛緩して食塊を肛門側に押し出す。ちなみに、縦走筋の収縮は、振り子運動で内容物を混和する。
5.× 外肛門括約筋は、「下腹神経」ではなく、陰部神経支配(体性神経支配)の作用で弛緩する。内肛門括約筋とは異なり、体性神経支配であるため意識化でコントロールが可能である。ちなみに、内肛門括約筋は、骨盤内臓神経(副交感神経支配)である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4183🔗
問題文正答率:50.00%
66
体温について正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 高齢者は小児よりも低い。なぜなら、小児は体温調整機構が未熟で外気温に左右されやすく、新陳代謝が活発であるため。10歳ころより、体温調整機構は成人とほぼ同じになる。一方、高齢者は、温度刺激に対する中枢の反応閾値が高く、皮膚温の変化に対する感受性も低くなっている。
2.× 直腸温は、腋窩温よりも高い。なぜなら、直腸は体の中心部に近いため。「直腸温>口腔温>腋窩温」の順に高い。
3.× 体温調節中枢は、「小脳」ではなく視床下部(間脳)にある。視床下部は、行動・本能の中枢でもあり、体温調整、下垂体ホルモンの調整、摂食行動、飲水行動、性行動、睡眠などを司る。
4.〇 正しい。体温は、午前よりも午後にかけて高くなる日内変動がみられる。
5.〇 正しい。基礎体温は、早朝覚醒安静時の体温である。基礎体温とは、朝の覚醒状態の安静状態で、口腔内舌下にて測った体温のことをいう。
https://ja.mondder.com/fq?id=4184🔗
問題文正答率:50.00%
67
卵巣について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 重量は成人で、「約50g」ではなく約14g(一つ当たり)である。卵巣は子宮の左右に一つずつあり、大きさは約2〜3cmほどであり、扁平な母指頭大の楕円体である。子宮のやや後方に位置しており、卵子を貯蔵する役割を持つ。
2.〇 正しい。卵巣の実質は、皮質(外側にある白色)と髄質(灰白色の髄質:血管帯)に分けられる。
3.× 卵胞が成熟すると、「卵巣腔」ではなく卵胞腔を持つ(二次卵胞〜成熟卵胞)。卵胞腔の中は卵胞液で満たされており、卵胞液の増加に伴って成熟卵胞は卵巣表面に膨隆する。ちなみに、卵巣腔ができると、卵巣嚢胞(卵巣腫瘍)という婦人科腫瘍の一つであり、子宮筋腫と同じく最も発生頻度が高い腫瘍である。
4.× 原始卵胞は新生児期には、「約1万個」ではなく約200万個存在する。ちなみに、胎生期には600万個存在する。原始卵胞は、胎生期につくられると出生後新たに産生されることはなく、排卵や閉鎖卵胞になることによって減少していく。したがって、月経が始まるまでに約180万個が消失し、思春期・生殖年齢に達すると約20〜30万個まで減少する。
5.〇 正しい。排卵後の黄体からエストロゲンが産生される。排卵後の卵胞は黄体となり、プロゲステロンとエストロゲンを産生・分泌する。プロゲステロンは厚くなった子宮内膜を、さらに受精卵が着床しやすい状態にする。
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問題文正答率:50.00%
68
水溶性ホルモンはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× エストロゲン(性ホルモン)は、卵巣から分泌される。卵胞の発育、排卵を起こさせる作用がある。
2.〇 正しい。グルカゴンは、膵臓から分泌される水溶性ホルモンである。血糖を上昇させる作用がある。
3.× コルチゾールは、副腎皮質から分泌される。血圧調節、免疫抑制、糖新生促進作用がある。
4.× サイロキシンは、甲状腺から分泌される。代謝亢進作用がある。
5.〇 正しい。バゾプレッシンは、下垂体後葉から分泌される水溶性ホルモンである。抗利尿作用がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4186🔗
問題文正答率:50.00%
69
身体活動のエネルギー代謝で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.× 逆である。20分以上の有酸素運動では、糖質に代わって脂質の消費率が高まる。長時間の運動では、有酸素系によりエネルギーが供給される。筋収縮のATPの供給方法は、①クレアチンリン酸、②嫌気的解糖、③酸化的リン酸化である。
2.〇 筋収縮エネルギーとして、ATPが利用される。ATPを分解した際のエネルギーを利用して骨格筋の筋収縮が行われる。有酸素系エネルギー代謝によって大量のATPが産生される。
3.〇 無酸素性閾値は、心肺負荷試験で算出できる。無酸素性閾値(AT)は、運動強度の増加によって酸素の供給が追いつかず、解糖系のエネルギー産生へと転換する地点を表す。運動強度の限界点としても捉えられるため、運動耐容能を示す指標にもなる。心配運動負荷試験は、至適運動強度の設定や無酸素性閾値(AT)を求めることに用いられる。
4.〇 最大酸素摂取量は、運動持久力を反映する。なぜなら、体内に取り込める酸素量が多い(最大酸素摂取量の増加)ほど、エネルギー産生量も多くなり、より長く運動を続けることができるため。ちなみに、最大酸素摂取量とは、1分間に体重1㎏当たりに取り込むことができる酸素量である。
5.〇 グリコーゲンの解糖により、乳酸を生じる。解糖系のエネルギー酸性では、筋肉に蓄えられたグリコーゲンが「ピルビン酸→乳酸」へと変換される。これは、嫌気的条件下(酸素不要)で行われるため、嫌気的代謝(嫌気的解糖)とよばれる。
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問題文正答率:50.00%
70
肩関節外転 150°の時の肩甲上腕関節外転角度で正しいのはどれか
解説・コメント
肩関節を外転させていく際の肩甲上腕リズムの比率は「肩甲上腕関節:肩甲胸郭関節=2:1」である。
150°外転の場合は、150 × 2/3(2:1)= 100となるため、肩甲上腕関節が100°、肩甲胸郭関節が50°となる。
したがって、選択肢4.100°が正しい。
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問題文正答率:50.00%
71
右下腿の外側面を図に示す。矢印の筋の作用で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
矢印の筋は、長腓骨筋である。長腓骨筋の作用は、足関節底屈・外返しである。したがって、選択肢1/4.足の底屈/足の外がえしが正しい。ちなみに、足の底屈に関わるその他の筋は、下腿三頭筋、後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋がある。ちなみに、足の外がえしに関わる他の筋は、短腓骨筋、第三腓骨筋、長趾伸筋がある。
2.× 足の背屈に関わる筋は、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、第三腓骨筋がある。
3.× 足の内がえしに関わる筋は、前脛骨筋、後脛骨筋、長母趾伸筋、長母趾屈筋、長趾屈筋がある。
5.× 第2~5指の伸展は、長趾伸筋の作用である。
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問題文正答率:50.00%
72
筋と股関節への作用との組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1.〇 正しい。腸腰筋の作用は、股関節屈曲・外旋・骨盤前傾である。
2.× 小殿筋の作用は、股関節外転・内旋である。
3.〇 正しい。梨状筋の作用は、股関節外転・外旋である。
4.× 大腿方形筋の作用は、股関節外旋である。
5.× 恥骨筋の作用は、股関節屈曲・内転である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4190🔗
問題文正答率:50.00%
73
脊椎の回旋運動について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 逆である。下位頚椎に比べ、上位頚椎の方が可動域が大きい。なぜなら、上位頚椎は、環椎後頭関節や環軸関節であるため。ちなみに、上位頚椎はC1~2、下位頚椎はC3~C7で構成されている。
2.× 逆である。胸椎に比べ、腰椎の方が可動域が小さい。なぜなら、椎間関節の関節面の傾きは、胸椎では前額面に近く、腰椎では矢状面に近いため。したがって、脊椎の可動性は、「頚椎>胸椎>腰椎」の順に大きくなる。
3.× 胸鎖乳突筋の作用は、同側回旋に働くのはなく、「両側が同時に作用すると首をすくめて顎を突き出す。片側が働けば顔面を対側に回す。吸息の補助。」である。つまり対側回旋である。
4.〇 正しい。頭板状筋の作用は、「片側が働けば頭と頚をその側に回転し、かつその方向に傾ける。両側が同時に働けば頭と頚を後ろに反らせる(背屈)。」である。つまり、頭頸部の伸展、頚部の同側側屈、同側回旋である。
5.× 中斜角筋の作用は、「対側回旋に働く」のではなく「肋骨を引き上げて胸郭を広げる(吸息)。肋骨を固定すれば頸椎を前方に傾け、片側だけでは同側へ曲げる。」である。回旋作用に関しては、いまだにはっきりとは解明されていないが、回旋した頭頸部を中間位に戻す作用があるとも言われる。しかし、選択肢4のほうがはっきりと正しいといえる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4191🔗
問題文正答率:50.00%
74
腕神経叢後神経束の障害で筋力低下が生じるのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
腕神経叢の後神経束から分岐するのは、①腋窩神経と②橈骨神経である。
1.× 上腕二頭筋の支配神経は、筋皮神経である。外側神経束からの分岐である。
2.〇 正しい。上腕三頭筋の支配神経は、橈骨神経である。
3.× 大胸筋の支配神経は、内・外側胸筋神経である。内側胸筋神経は、内側神経束からの分岐である。外側胸筋神経は、外側神経束由来である。
4.× 前鋸筋の支配神経は、長胸神経である。腕神経叢根の最も近位である根(C5~C7)からの分岐である。
5.〇 正しい。三角筋の支配神経は、後神経束(腋窩神経)からの分岐である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4192🔗
問題文正答率:50.00%
75
がんとその原因となる病原体との組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1.× 膀胱癌の原因は、喫煙が主である。ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃癌の病原菌である。感染した胃は萎縮性胃炎、腸上皮化生などを経て胃がんに至る。
2.〇 正しい。肝細胞癌は、90%以上がウイルス感染によるものである。B型肝炎やC型肝炎ウイルスが感染することで肝細胞に炎症をきたし、慢性肝炎を経て肝硬変に移行する。
3.〇 正しい。子宮頭癌は、ヒトパピローマウイルスへの感染が原因である。これは主に性交渉によって感染する。子宮頭癌の発症は20代半ば〜30歳前後での発症が多い。
4.× Epsteir Barrウイルス(EBウイルス)は、Burkittリンパ腫(バーキットリンパ腫)との関連性が強いとされキスを介して感染する。感染者のほとんどは無症状であるが、稀にBurkittリンパ腫(バーキットリンパ腫)や上咽頭癌の一因となることがある。成人T細胞白血病は、HTLV-Ⅰ(ヒトT細胞白血病ウイルス)というウイルス感染が原因である。このウイルスに感染した白血球中のT細胞ががん化し、それが無制限に増殖することで発症する。主に母乳を介して母子感染し、長い潜伏期間を経た後、成人T細胞白血病を発症することが多い。
5.× 慢性骨髄性白血病の95%以上は、フィラデルフィア染色体という特殊な遺伝体が原因である。臓血管細胞に染色体転座が生じ発症する骨髄増殖性疾患である。HTLV-Ⅰは、成人T細胞白血病の病原体である。リンパ性白血病である成人T細胞白血病は、九州・沖縄地方で頻度が多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4193🔗
問題文正答率:50.00%
76
急性炎症と比較した場合の慢性炎症の特徴はどれか。
解説・コメント
急性炎症(数分~3週間まで)の5大徴候:①腫脹、②発赤、③熱感、④疼痛、⑤機能障害。
急性炎症が長引いたものを慢性炎症という。慢性炎症(4週間以上経過後)の特徴として、血管形成や線維化・瘢痕形成などが挙げられる。
1.× 局所の浮腫は、急性炎症で生じる。急性炎症が起こると通常より透過性が高くなり、組織内のタンパク質濃度が高くなる。その結果、炎症が引き起こす血管からのリンパ生成の過剰(組織への蛋白拡散と液性滲出)によって浮腫が生じる。
2.× 白血球の集積は、急性炎症で生じる。好中球が放出した酵素の作用により、白血球の集積・疼痛を引き起こす。局所の血液量が増加し、血漿および白血球が血管外へと移動し、組織に浸潤する。
3.× フィブリン析出は、急性炎症で生じる。フィブリン析出は、創傷治癒の急性期に欠損部位を修復するために生じるものである。フィブリン(繊維素)が血球等と凝血塊を形成することで創部を止血し、瘢痕組織を形成していく。出血を伴うこともあり、破壊性の強い炎症である。
4.〇 正しい。毛細血管の退縮は、慢性炎症の特徴である。急性炎症では、毛細血管が拡張し血流が増加するが、急性期を脱して慢性炎症へと移行する頃には血管の退縮が生じる。血管の退縮とは、器官が縮小あるいは通常の容積に戻ることである。肉芽組織の毛細血管網は退縮し、瘢痕組織(膠原線維性組織)へと置き換わる。
5.× 血管透過性の亢進は、急性炎症で生じる。血管の透過性亢進によってタンパク質に富んだ液体が血管外に染み出すことで局所の浮腫が起こる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4194🔗
問題文正答率:50.00%
77
痙縮の治療に用いられるボツリヌス毒素の作用部位はどれか
解説・コメント
ボツリヌス毒素は、神経筋接合部における運動神経終末内でアセチルコリンの放出を抑えることで、神経-筋間の伝達を阻害し、筋弛緩作用を発現する。ボツリヌスによって抑えられた神経は、新たな神経枝を伸ばすことが可能なため、筋弛緩作用は数ヶ月で消失する。したがって、選択肢4.運動神経終末が正しい。運動神経終末は、アセチルコリンの受け渡しによって筋収縮を司る。
1.× 筋小胞体は、筋肉内に存在する膜系の構造物である。活動電位が細胞内に伝わってきた際に、カルシウムイオンを含んだ筋がイオンを放出することで筋を収縮させる。
2.× 脊髄前角には、運動ニューロンの神経細胞体が集合している。上位運動ニューロンから下位運動ニューロンへの乗り換えが起こる。
3.× 脊髄前根は、脊髄神経根のうち遠心性の運動神経根のことである。つまり、下位運動ニューロンの通り道となる。
5.× 脊髄後根神経節は、脊髄神経後根にある神経節で、末梢から中枢への感覚情報伝達の中継点の役割を持つ。つまり、求心性線維で構成され、一次感覚ニューロンの通り道である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4195🔗
問題文正答率:50.00%
78
抗コリン薬の作用で生じにくいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 尿閉は、交感神経亢進による作用である。ちなみに、前立腺肥大症に、抗コリン薬を使用は禁忌である。なぜなら、交感神経系が緊張状態となり、尿閉を悪化させるため。
2.〇 便秘は、消化管の蠕動運動が抑えること(交感神経亢進)によって生じる。さらなる便秘を助長することになる。
3.× 生じにくい。流涎(りゅうぜん:よだれのこと)は、唾液分泌過多(副交感神経優位)や閉口障害、嚥下障害で生じやすい。反対に、口渇が抗コリン薬を使用すると生じやすい。
4.〇 せん妄は、中枢性の抗コリン作用の影響で生じる。せん妄とは、高齢者に多く発症する一種の意識精神障害であり、症状として「突然暴れだす、攻撃的になる(交感神経亢進)」などである。高齢者の場合、眠気に加え、精神状態(認知機能障害やせん妄など)が生じやすい。そのほかのせん妄を起こす原因として、抗精神病薬の多剤併用やアルコール依存症などがある。
5.〇 めまいや頭痛が精神症状系の副作用の1つとして現れることがある。中枢神経系のムスカリン受容体を遮断するため、中枢神経系が抑制されるためめまいが生じやすい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4196🔗
問題文正答率:50.00%
79
障害受容に至る5つの過程において、一般的に2番目に現れるのはどれか
解説・コメント
1.× 混乱期は、「あの時違う行動をとっていれば良かった」など、後悔や自責的な発言がみられる。
2.× 受容期は、「障害を認めてこれからも生きていこう」と前向きな感情が湧いてくる時期である。
3.〇 正しい。否認期は、障害受容に至る5つの過程において、一般的に2番目に現れる。否認期は、「障害を負ったことを認めたくない」という時期である。
4.× ショック期は、急な病気や障害に対して感情が鈍麻し、思考が鈍る時期である。
5.× 解決への努力期(再起)は、今後の生活を考え、自己の努力を始める時期である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4197🔗
問題文正答率:50.00%
80
防衛機制として誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.× 誤っている。「転移」は、精神分析療法に関する概念である。転移とは、患者のこれまでの人生の中の重要人物に対する感情を治療者に向けることをいう。好ましい感情を抱くことを陽性転移、ネガティブな感情を抱くことを陰性転移という。
2.〇 「抑圧」は、認めたくない自己の欲求を無意識のうちに抑えつけてしまう防衛機制である。
3.〇 「合理化」は、欲求が満たされないときに無理矢理にでも理由をつけてその事象に対処しようとする防衛機制である。
4.〇 「反動形成」は、満たされない欲求を対照的な欲動によって打ち消す防衛機制である。
5.〇 「スプリッティング(分裂)」は、満たされない欲求と出会ったときに、自分の願いを満たしてくれる相手や状況のみを善、自分の願いに反するものを悪として、多角的に物事を判断しようとせずに単純化することで対処しようとする防衛機制である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4198🔗
問題文正答率:50.00%
81
オペラント条件付けが用いられる認知行動療法の技法はどれか
解説・コメント
オペラント条件付けとは、好ましい行動が行われたときに報酬を与えることによって、好ましい行動をより強化していく技法のことをいう。「道具的条件付け」ともいう。これと対になるものとして、レスポンド条件付け(古典的条件付け)がある。これはいわゆる「パブロフの犬」のことである。食べ物とベルを同時に刺激として与え続けると、食べ物という誘発刺激がなくてもベルの音を聞いただけで唾液が分泌されるような条件付けのことである。
1.× 系統的脱感作法は、古典的条件付けに基づく認知行動療法である。ウォルピにより創始された。不安を感じる刺激を与えて徐々に慣れさせる方法をとる。道具を使用しない。適応疾患は、神経症性障害や摂食障害である。
2.× 漸進的筋弛緩法とは、筋肉の収縮と弛緩を繰り返すことで身体をリラックスさせるリラクセーション法の一つである。道具を使用しない。
3.× 曝露反応妨害法は、強迫性障害や恐怖症の治療法の一つである。ある強迫観念に曝された時に、それに対する強迫行為を我慢することで徐々に不安を受け入れていくことが可能となる。不安の弱い曝露反応から順番に繰り返していくことで効果を発揮していく。道具を使用しない。
4.× フラッディング法とは、あえて患者に強い恐怖や不安を覚えさせることで治療していく方法であり、曝露反応妨害法に似ている。両者の違いは、曝露反応妨害法が徐々に刺激を強くしていくのに対し、フラッディング法ではいきなり最強の刺激を加える点にある。道具を使用しない。
5.〇 正しい。トークンエコノミー法は、オペラント条件付けに関連する物で、良いことをすれば報酬としてトークン(代用通貨)を与え、良い体験として記憶させるものである。
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問題文正答率:50.00%
82
左小脳半球梗塞で生じやすい症状はどれか。
解説・コメント
1.× 左右に関係なく小脳梗塞では、感覚障害は生じない。ちなみに、感覚障害は、主に視床・脊髄視床路・大脳感覚野の障害で見られる症状である。
2.× 上下肢失調症は、「右上下肢」ではなく左上下肢に起こる。小脳半球の障害では、病巣と同側の上下肢に運動失調を呈する。
3.× 左右に関係なく小脳梗塞では、運動麻痺は生じない。ちなみに、運動麻痺は、錐体路(大脳皮質運動野-放線冠-内包後脚-大脳脚-延髄-脊髄交叉-脊髄前角細胞)で生じる。
4.× 聴覚障害は生じない。なぜなら、聴覚を司る内耳神経核は橋〜延髄にかけて存在するため。ちなみに、聴覚障害は、①内耳孔付近の障害で聴覚を司る内耳神経が障害された場合(聴神経鞘腫など)は難聴となり、②一次聴覚野、聴覚野周辺の障害では、聴覚聾(ちょうかくろう:極めて重度の難聴)、環境音失認(動物の鳴き声が認識できないなど)が起こる。
5.〇 正しい。小脳障害では構音障害が生じる。流暢に話すことができず発語が不明瞭であったり、爆発性言語、爆発性言語が聞かれる。
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問題文正答率:50.00%
83
ASIA の評価法における脊髄の髄節とその感覚支配領域検査ポイントの組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× C5は、「鎖骨上窩」ではなく肘窩外側(腕橈骨筋起始:上腕骨外側顆)である。ちなみに、鎖骨上窩はC3である。
2.〇 正しい。T4は、乳頭(第4肋間)である。
3.× T12は、「臍」ではなく鼠径靭帯の中点である。ちなみに、臍はT10である。
4.× L3は、「鼠径靭帯」ではなく大腿骨内側上窩である。ちなみに、鼠径靭帯はT12である。
5.× S4は、「膝窩」ではなく肛門周囲(肛門皮膚粘膜移行部)である。ちなみに、膝窩はS2である。
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問題文正答率:50.00%
84
筋量減少が診断基準に含まれるのはどれか。
解説・コメント
1.× フレイルとは、「虚弱」「脆弱」という意味であり、加齢するにつれて体力や活力が弱まっている状態のことを指す。診断基準に含まれるのは【①体重減少、②主観的疲労度、③日常生活活動量の低下、④歩行速度の低下、⑤握力の減弱】である。
2.〇 正しい。サルコペニアは、筋量減少が診断基準に含まれる。サルコペニアは、加齢に伴う骨格筋量と骨格筋力の低下によって身体的な障害やQOLの低下を招くものである。サルコペニアの診断には、四肢骨格筋量の低下があることに加えて身体機能(歩行速度)の低下または、筋力(握力)の低下、下腿周径、5回椅子立ち上がりテストである。
3.× ポストポリオ症候群は、ポリオの後遺症として60歳前後で筋力低下や手足のしびれ、疼痛などの症状が現れる障害である。診断基準はポリオの確実な既往があること、機能的・神経学的にほぼ完全に回復し、15年以上も安定した期間を過ごせていたにも関わらずその後に疲労や関節痛、筋力低下などの症状が発現した場合である。Halstead(ハルステッド)の診断基準を使用されることもある。
4.× メタボリックシンドロームは肥満、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が蓄積された状態にあることをいう。特に内臓脂肪型の肥満が問題とされることが多い。診断基準には【①ウエスト周計、②中性脂肪とコレステロール値、③血圧、④空腹時血糖値】が含まれる。
5.× ロコモティブシンドローム(運動器疾患)は、運動器自体の障害や加齢に伴う身体機能の低下が原因で移動能力の低下をきたした状態を表す。診断には実際の日常生活動作(片足立ちで靴下を履く、階段を登る、時間内に横断歩道を渡り切るなど)が遂行可能かが用いられる。
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問題文正答率:50.00%
85
中脳が中枢となるのはどれか。
解説・コメント
1.× Moro反射(モロー反射)の中枢は、脳幹である。Moro反射(モロー反射)は、背臥位の子どもの後頭部に手をやって15 cmほど頭を持ち上げ、頭を落下させると、両上肢が伸展、外転し、続いて内転が起こる。
2.× Galant反射(ガラント反射)の中枢は、脊髄である。Galant反射(ガラント反射)は、脊柱の外側に沿って上から下へこすると刺激側の背筋が収縮して側屈する。
3.〇 正しい。Landau反応(ランドウ反応)の中枢は、中脳である。Landau反応(ランドウ反応)は、乳児の腹部を検者の手掌で支えて水平にすると、頭を上げ体幹をまっすぐにし,さらに下肢を伸展する。3つの頭部の立ち直り反応すべての効果が合わさった反応。第1相:頸部、体幹軽度屈曲、四肢軽度屈曲。第2相:頸部水平、体幹軽度屈曲、四肢軽度屈曲。第3相:頸部伸展挙上、体幹伸展、四肢伸展傾向。
4.× 陽性支持反射の中枢は、脊髄である。陽性支持反射は、新生児の腋窩を支えて抱き上げて足底を床につけると下肢、体幹が伸展し、起立する反応。これに対し新生児を同姿勢で空中に抱き上げると下肢を逆に屈曲する反応を陰性支持反射という。
5.× 非対称性緊張性頚反射の中枢は、脳幹である。非対称性緊張性頚反射は、背臥位にした子どもの顔を他動的に一方に回すと、頸部筋の固有感覚受容器の反応により、顔面側の上下肢が伸展し、後頭側の上下肢が屈曲する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4203🔗
問題文正答率:50.00%
86
一次性の変形性関節症にみられるのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× ボタン穴変形は、関節リウマチが原因で起こることが多い。MP関節過伸展、PIP関節屈曲、DIP過伸展、中央索の伸長・断裂が起こる。つまり二次性の変形性関節症である。
2.× Charcot(シャルコー)関節は、神経病性関節症とも呼ばれ、急速破壊型の関節症である。重度の神経障害(糖尿病など)の基礎疾患を背景とした二次性の変形性関節症である。痛覚・深部感覚などの体性感覚の障害により、関節の過負荷を自覚しにくくなった結果、関節を酷使して、関節破壊と高度な変形を生じる。
3.〇 正しい。Bouchard(ブシャール)結節は、一次性の変形性関節症である。指の第二関節(PIP関節)が変形する病気である。Heberden結節に合併する場合もある。
4.〇 正しい。Heberden(ヘバーデン)結節は、一次性の変形性関節症である。指の第一関節(DIP関節)が変形する病気である。中年以降の女性に好発する。
5.× スワンネック変形は、関節リウマチが原因で起こることが多い。MP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節屈曲、手内在筋の拘縮・過緊張が起こる二次性の変形性関節症である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4204🔗
問題文正答率:50.00%
87
炎症と原因の組合せで誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 外傷は、機械的外力であるため物理的原因である。
2.〇 日光は、紫外線であるため物理的原因である。
3.〇 寄生虫は、生物学的原因である。
4.× 誤っている。放射線は、「化学物質」ではなく物理的原因である。なぜなら、電気や紫外線と同類に分類されるため。
5.〇 アルカリは、化学物質であるため化学的原因である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4205🔗
問題文正答率:50.00%
88
ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染で生じにくいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 末梢神経障害は、免疫力の低下によりHIV感染慢性期に生じやすい。また、緑膿菌・クリプトコッカス・ニューモシスチス・カンジダ・サイトメガロウイルスなどに代表される弱毒菌、ウイルス、真菌による日和見感染を発生しやすくなる。
2.〇 無菌性髄膜炎は、HIV急性感染期に生じやすい。無菌性髄膜炎とは、髄膜炎症状の患者の髄液を培養しても細菌が検出されず、原因菌を明らかにできないものをいう。多くはウイルス性であるため、臨床では「ウイルス性髄膜炎」を指す場合が多い。
3.× 生じにくい。Creutzfeldt-Jakob病は、脳に異常蛋白であるプリオンが蓄積することで発症し、急速な認知症の進行、歩行障害、視覚障害などを呈する疾患である。発病から半年以内で寝たきりの状態となり、その後呼吸筋麻痺や全身衰弱などで死亡する。感染機序や遺伝性については明らかにされていない。
4.〇 ニューモシスチス肺炎は、免疫力の低下により発症する日和見疾患の1つである。最も頻度の高いエイズ指標疾患である。
5.〇 進行性多巣性白質脳症〈PML〉は、免疫力の低下によりJCウイルスが脳内の乏突起膠細胞(オリゴデンドログリア)に感染し、脱髄病巣を作る疾患である。欧米ではこの疾患の80%以上がエイズ発病者であると言われている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4206🔗
問題文正答率:50.00%
89
多発性硬化症について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。女性(特に15~50歳)に多く、男女比は1:2〜3である。
2.× 高体温で症状は悪化する。これをウートフ徴候という。したがって、入浴や運動には注意が必要である。
3.× 有病率が高いのは、高緯度地域である。欧米や寒冷地方に比較的多く、アジアやアフリカでは比較的少ない傾向がみられる。
4.× Phalenテスト(ファーレンテスト)は陰性である。ちなみにPhalenテストは、手根管症候群の診断に用いられ、正中神経障害によって陽性となる。
5.× 多発性硬化症の原因は不明とされている。自己免疫不全が発病の原因として有力ではあるが、まだはっきりとは解明されていない。
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問題文正答率:50.00%
90
頭部 CTを示す。 出血部位はどれか。
解説・コメント
1.× 後頭葉は、出血部位よりも後方である。
2.× 頭頂葉は、これより上部のスライスである。
3.× 尾状核は、出血部位よりも前方で、側脳室の後方にある。
4.× 被殻は、出血部位よりも前方にある。
5.〇 正しい。CTで視床の部分に高吸収域が見られるため、視床出血である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4208🔗
問題文正答率:50.00%
91
特発性肺線維症について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 特発性間質性肺炎の中で特発性肺線維症の予後は悪い。一般的に咳や息切れなどの初期症状が現れてからの生存年数は、3~5年(診断時から生存中央値:約3年)といわれている。5年生存率は20~40%である。また、急性増悪した際の平均生存期間は、2ヶ月程度とされている。問質性肺炎は一般に予後は良好であることが多い。
2.〇 正しい。胸部で捻髪音を聴取することが多い。特に両側下肺野を中心に、吸気終末期に捻髪音が聴取できる。捻髪音は、息を吸った時に硬くなった肺胞に一気に空気が流れ込むことで、「パチパチ」「バリバリ」といった断続性の高音が聴取される。間質領域の病変では捻髪音に加えて水泡音が聴取されることもある。
3.× 「湿性咳嗽」ではなく乾性咳嗽である。なぜなら、間質性肺炎では気道内の分泌物が少ないため。痰のからんだような湿性咳嗽は稀である。
4.× 「閉塞性換気障害」ではなく拘束性換気障害である。拘束性換気障害は、肺結核・肺線維症などがあげられる。
5.× 両側肺野への新たな浸潤影、すりガラス様陰影の出現とともに風邪症状の後に急激に呼吸困難感が出現するといった特発性肺線維症の急性増悪を起こすこともある。これは原因不明であり、その場合の生命予後は不良である。急性増悪の発症率は5~10%/年とされている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4209🔗
問題文正答率:50.00%
92
狭心症について正しいのはどれか。
解説・コメント
狭心症は心臓への酸素供給量が減少することで、一時的な胸痛や圧迫されたような不快感を感じる疾患である。狭心症は酸素需要量が増大する運動時に発症しやすく、安静にすると回復する傾向がある。診断には血液検査や画像所見、自覚症状に基づいて下される。
1.× 強い胸痛が30分以上続くことは稀である。典型的な狭心症は運動によって引き起こされ、安静にすることで数分以内に回復することが多い。強い胸痛が30分以上続く場合、急性心筋梗塞や解離性大動脈瘤などを疑う。
2.× 心エコーを発作時に当てると虚血所見(局所の壁運動低下・消失の出現がある場合)をとらえることができる。無症状時は異常をとらえることができないため、検査時にはあえて運動負荷を与えるなどして症状を再現することもある。
3.× 不安定狭心症は、心筋梗塞に移行するリスクが高い。不安定狭心症とは、安定性狭心症と比べて発作の回数が増えたり安静時にも胸痛がみられる重症・増悪型の狭心症である。冠動脈内において動脈硬化に起因する不安定プラークの破綻などにより血栓が形成され、それによって急激に冠動脈内が狭窄し、心筋虚血に至った状態である。また、心臓の栄養血管である冠動脈の高度な狭窄を反映していることが多い。つまり、心筋梗塞の前兆で突然死に至る可能性があり、早急な対処が必要である。
4.× 負荷心電図におけるST低下が特徴的である。冠動脈が狭窄している場合にはST低下(労作性狭窄症)、冠動脈が完全に閉塞する心筋梗塞ではST上昇するのが一般的である。
5.〇 正しい。薬物療法としてニトログリセリンが用いられる。ニトログリセリンは血管を拡張させる作用があり、効果発現までの時間が非常に短いことが特徴である(1分半〜3分程度)。
https://ja.mondder.com/fq?id=4210🔗
問題文正答率:50.00%
93
移植片対宿主病〈graft versus host disease:GVHD〉について正しいのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。腸管(消化管)に好発する。腸管に好発し、皮膚や肝臓も攻撃を受ける。腸・皮膚・肝臓への攻撃が典型例として挙げられる。下痢や皮膚の発疹、黄疸などの症状が現れる。
2.× 慢性GVHDの予後は悪いことが多い。なぜなら、一次療法である副腎皮質ステロイドの治療効果が薄い場合、標準的な二次療法は確立されていないため。急性経過で終わるタイプもあるが、慢性化して数週ないし数か月の治療を要する例も多く、治療期間が数年以上に及ぶこともある。また、汎血球現象や多臓器不全を来し予後不良に至ることもある。
3.× 自己遊離皮弁術後に生じることはない。なぜなら、自己遊離皮弁術は、自分自身の移植組織を血管ごと切り取って欠損部の血管とつなぎ合わせるため。したがって、造血幹細胞の不適合は生じない。
4.× 「好中球」ではなく、リンパ球による免疫反応である。移植片対宿主病(GVHD)は、ドナーの造血幹細胞に含まれるリンパ球が患者の組織を非自己と認識して攻撃する疾患である。
5.× 血液型が一致しても発症は防止できない。同種移植とは、血縁者あるいは非血縁者で、HLA(ヒト白血球抗原または組織適合抗原)と呼ばれる白血球の血液型が一致、あるいは類似している健常人、またはHLAの条件が合ったさい帯血から造血幹細胞の提供を受けて移植のことである。つまり、血液型(赤血球の型)ではなく、白血球の型が同じである必要がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4211🔗
問題文正答率:50.00%
94
人工透析患者の死亡原因として最も多いのはどれか。
解説・コメント
日本透析学会の発表によると、透析患者の死亡原因の第1位は「心不全」、第2位は「感染症」、第3位は「脳血管障害」である。
腎機能が低下すると尿量の低下や塩分の過剰摂取が体内の水分量を増加させるため、透析での除水量が不十分な場合には過剰な水分が心臓への負担を増加させ、それによって心不全を招きやすくなる。また、腎性貧血によって心臓の働きを障害することも心不全を生じる要因となる。したがって、選択肢2.心不全が最も多い。腎不全による高血圧症、骨ミネラル代謝異常などが動脈硬化を促進し、心血管系疾患を招く。
1.× 肺炎は、第2位である。感染症での死亡原因には、肺炎のほか、シャント感染、尿路感染も含まれる。
3.× 脳出血は、第3位である。透析患者は、出血傾向があり、健常者と比較して5~10倍、脳出血が起こしやすい。
4.× 悪性腫瘍は、第4位である。慢性透析患者に合併しやすい腎嚢胞には、腎細胞癌が発生することもあり、また膀胱癌、消化器系の癌、腎細胞癌なども起こりやすい。
5.× 慢性肝炎の原因の70%はC型肝炎、ついで20%がB型肝炎である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4212🔗
問題文正答率:50.00%
95
理学療法士法及び作業療法士法で正しいのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1.× 制定されたのは、「昭和45年」ではなく昭和40年である。理学療法士法及び作業療法士法は、資格を定めるとともに、業務の適正運用や医療の向上を目指している。
2.× 免許の交付は、「都道府県知事」ではなく厚生労働大臣である。基本的に国家資格は厚生労働大臣が交付している。
3.× 免許証返納後も守秘義務は解除されない。
4.〇 正しい。免許の取り消し理由に大麻中毒がある。他にも、①罰金以上の刑に処せられた者、②前号に該当する者を除くほか、理学療法士又は作業療法士の業務に関し犯罪又は不正の行為があつた者、③心身の障害により理学療法士又は作業療法士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるものとされている。
5.〇 正しい。理学療法士、作業療法士は名称独占である。名称独占資格とは、資格がなくてもその業務に従事する事はできるが、資格取得者のみ特定の資格名称(肩書き)を名乗ることができ、資格を所有していない者が法律に定める特定の名称を名乗ることができない資格のことをいう。つまり、理学療法士の仕事は、資格を無くても行うことができるが、「私は理学療法士です」と名乗ることはできないということである。一方、業務独占とは、国家資格を持たないものが、その名称を用いて当該業務に従事することはできないこと。(例:医者など)
https://ja.mondder.com/fq?id=4213🔗
問題文正答率:50.00%
96
男性に多いのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 依存性パーソナリティ障害は女性に多い。患者は自分1人では何もできないという不安から他者に依存する傾向があり、過度に服従的である。
2.× 演技性パーソナリティ障害は女性に多い。患者は常に注目されていたいと願い、そうでない場合に抑うつ症状をきたす場合がある。感情表現が激しく話が誇張されていたり、関係性の割に馴れ馴れしい態度を取ったりする。
3.× 境界性パーソナリティ障害は女性に多い。患者は見捨てられ不安が強く、感情のコントロールが苦手である。しばしば衝動的な自傷行為や破壊行動に走ったりすることがあり、自殺率は一般人の40倍高いと言われている。
4.〇 正しい。強迫性パーソナリティ障害は男性に多い。患者は完全主義で柔軟性が欠如しており、あらゆるものごとが決められた方法で行われるべきだ、との考えに支配されたりする。その結果、余暇時間が無くなったり人間関係を破綻したりすることもある。
5.〇 正しい。反社会性パーソナリティ障害は男性に多く、強い遺伝要素がある。患者は社会的、金銭的に無責任であり違法行為を犯しても罪悪感がない場合が多い。望みを叶えるためには手段を選ばず他者の権利にも無関心である一方で、最初はとても流暢に感じ良く話をすることから初対面の相手には魅力的にうつる傾向がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4214🔗
問題文正答率:50.00%
97
てんかん患者が複雑部分発作を起こして部屋を歩き回った際の対応として正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 発作中は、体をゆすったり押さえつけたりしても効果ない。むしろ、患者に怪我を与えてしまうことがあるため行わないほうが良い。
2.× 発作中は、大声をかけたり名前を呼んだりしても効果ない。
3.〇 正しい。一緒に移動して、周囲の危険物に注意して体を打撲しないようにする。発作後、患者自身が発作前にいた場所と違うところにいることで発作を自覚する(健忘を伴う)ため、一緒に移動し発作後に必要に応じて声をかける。
4.× 発作中に口の中に物を入れてはいけない。割り箸などの硬い物を噛ませると口の中を傷つけたり歯が折れたり、嘔吐を誘発するため危険である。嘔吐後の誤嚥性肺炎となったケースもある。
5.× 室内に一人きりにするのは危険であるため、本人の安全に注意して見守る。
https://ja.mondder.com/fq?id=4215🔗
問題文正答率:50.00%
98
疾患と症状の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× パーキンソニズムは、「Alzheimer型認知症」ではなく、Lewy小体型認知症や進行性核上性麻痺、多系統萎縮症の症状である。ちなみに、Alzheimer型認知症の主な症状として、妄想・作話・徘徊がみられる。
2.〇 正しい。血管性認知症は、「情動失禁」が生じる。前頭葉の機能が低下することで起こる。血管性認知症は、脳細胞の死滅によって起こる認知症であり、その部位や範囲によって症状は様々である。他の症状として、巣症状(失語、失行、失認など脳の局所性病変によって起こる機能障害)や階段状に認知障害が進行することが特徴である。
3.× 他人の手徴候は、「進行性核上性麻痺」ではなく、大脳皮質基底核変性症や脳梗塞などでみられる。責任病変は、脳梁前部と右前頭葉内側部である。ちなみに、他人の手徴候とは、左手が本人の意思とは関係なく他人の手のように勝手に動く現象である。また、進行性核上性麻痺の特徴として、垂直性核上性注視麻痺・転倒・頸部後屈・パーキンソニズムが特徴である。
4.× 幻視は、「大脳皮質基底核変性症」ではなく、Lewy小体型認知症の症状である。ちなみに、大脳皮質基底核変性症は,大脳皮質と基底核が萎縮・変性し、他人の手徴候、肢節運動失行、パーキンソニズム、錐体外路症状、失行、認知症など多彩な症状を呈する。
5.× アテトーゼは、ゆっくりと体をねじるような動きが特徴的であり、脳性麻痺や錐体外路系の障害、代謝異常によって起こる不随意運動である。ちなみに、Lewy小体型認知症の特徴的な症状には、幻視、パーキンソニズム、睡眠障害、起立性低血圧がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4216🔗
問題文正答率:50.00%
99
アルコール依存症患者の断酒継続に有効とされるのはどれか
解説・コメント
1.× パーキンソニズムは、「Alzheimer型認知症」ではなく、Lewy小体型認知症や進行性核上性麻痺、多系統萎縮症の症状である。ちなみに、Alzheimer型認知症の主な症状として、妄想・作話・徘徊がみられる。
2.〇 正しい。血管性認知症は、「情動失禁」が生じる。前頭葉の機能が低下することで起こる。血管性認知症は、脳細胞の死滅によって起こる認知症であり、その部位や範囲によって症状は様々である。他の症状として、巣症状(失語、失行、失認など脳の局所性病変によって起こる機能障害)や階段状に認知障害が進行することが特徴である。
3.× 他人の手徴候は、「進行性核上性麻痺」ではなく、大脳皮質基底核変性症や脳梗塞などでみられる。責任病変は、脳梁前部と右前頭葉内側部である。ちなみに、他人の手徴候とは、左手が本人の意思とは関係なく他人の手のように勝手に動く現象である。また、進行性核上性麻痺の特徴として、垂直性核上性注視麻痺・転倒・頸部後屈・パーキンソニズムが特徴である。
4.× 幻視は、「大脳皮質基底核変性症」ではなく、Lewy小体型認知症の症状である。ちなみに、大脳皮質基底核変性症は,大脳皮質と基底核が萎縮・変性し、他人の手徴候、肢節運動失行、パーキンソニズム、錐体外路症状、失行、認知症など多彩な症状を呈する。
5.× アテトーゼは、ゆっくりと体をねじるような動きが特徴的であり、脳性麻痺や錐体外路系の障害、代謝異常によって起こる不随意運動である。ちなみに、Lewy小体型認知症の特徴的な症状には、幻視、パーキンソニズム、睡眠障害、起立性低血圧がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4217🔗
問題文正答率:50.00%
100
うつ病について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 脱感作法は、行動療法の一種で、恐怖症や不安障害、摂食障害の治療に用いられる。ジョセフ・ウォルピにより創始された古典的条件付けに基づく行動療法である。系統的脱感作法とは、患者に不安を引き起こす刺激を順に挙げてもらい(不安階層表の作成)、最小限の不安をまず想像してもらう。不安が生じなかったら徐々に階層を上げていき、最終的に源泉となる不安が消失する(脱感作)ことを目指す手法である。ちなみに、うつ病へは認知行動療法を実施することが多い。
2.× 心理教育を行うこともある。心理教育を用い、自分の思考パターンや落ち込みやすい考え方をポジティブなものへと修正することで、気分を安定させる方法を学習していく。また、家族を含め病気への理解や服薬管理、自殺防止の指導、心理教育などを実施していく。
3.〇 正しい。繰病相がないか確認する。繰病相がある場合には「双極性障害」と呼ばれる。なぜなら、両者は薬物療法が異なるため。ちなみに、うつ状態で受診した患者が、治療中に躁状態となることがある。これを「躁転」という。
4.× うつ病は、修正型電気けいれん療法が、「無効」ではなく適応である。修正型電気けいれん療法(mECT)は、頭部に通電することで難治性の精神疾患の症状軽減を目指すものである。特に①不安・焦燥が大きい場合や②自殺企図の危険性の高い場合、③強い抑止を伴う場合などは、急速な症状の改善を期待して行われることが多い。抗うつ薬は、即効性がなく、効果の発現には1~3週間を要す。
5.× 薬物療法の第一選択は、抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:SSRI、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬:SNRI)である。ちなみに、ベンゾジアゼピン系薬物は、睡眠薬や抗不安薬に分類される。
https://ja.mondder.com/fq?id=4218🔗
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解説・コメント
1.〇 正しい。三角筋前部線維は、求心性収縮している。なぜなら、設問の肩関節は屈曲しているため。三角筋前部線維は、肩関節屈曲に作用する。
2.× 三角筋後部線維は、「求心性収縮」ではなく遠心性収縮している。なぜなら、設問の肩関節は屈曲しているため。三角筋後部線維は、肩関節伸展に作用する。
3.× 上腕二頭筋は、「求心性収縮」ではなく遠心性収縮している。なぜなら、設問の肘関節は伸展しているため。上腕二頭筋は、肘関節屈曲に作用する。
4.× 上腕三頭筋は、「遠心性収縮」ではなく求心性収縮している。なぜなら、設問の肘関節は伸展しているため。上腕三頭筋は、肘関節伸展に作用する。
5.× 腕橈骨筋は、「求心性収縮」ではなく遠心性収縮している。なぜなら、設問の肘関節は伸展しているため。上腕二頭筋は、肘関節屈曲に作用する。