作業療法士国家試験過去問第57回午後
オプション
問題文正答率:50.00%
1
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。 2つ選べ。
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問題文正答率:50.00%
2
62 歳の女性。くも膜下出血。回復期リハビリテーション病棟に入院している。CAT〈Clinical Assessment for Attention〉の結果を示す。
結果の解釈として適切なのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
厚労省によると、採点対象から除外された問題となっている。
参考程度に以下の解説を示してみた。
1.× 短期記憶障害とはいえない。なぜなら、短期記憶((1)Digit Span:数唱、(2)Tapping Span視覚性スパン)は、平均の範囲内であるため。
2.× 半側空間無視とはいえない。なぜなら、②Cancellation and Detection Test(抹消検出課題:選択性の注意機能)の正答率(上から3~4番目の項目)は、平均の範囲内であるため。ちなみに、半側空間無視を判断する評価として他にも、BIT(行動性無視検査)、線分末梢試験がある。
3.× 持続性注意の障害とはいえない。なぜなら、⑦ Continuous Performance Test (CPT:持続性注意)は、平均の範囲内であるため。
4.〇 正しい。選択性注意の障害を認める。なぜなら、Visual Cancellation(選択性の注意機能を評価)の所要時間が平均範囲よりも超過しているため。2つ目の赤丸を参考にしてほしい。
5.〇 正しい。ワーキングメモリーの障害を認める。なぜなら、Memory Updating(作動記憶:ワーキングメモリーを評価)は、3・4スパンともに平均範囲を下回り、4スパンはカットオフ値より低値であるため。ちなみに、カットオフ値は、▼で示している。
CAT〈Clinical Assessment for Attention〉とは、標準注意検査で注意機能全般を評価する検査である。7つの下位検査から成り立っている。
① Span
1)Digit Span(数唱):聴覚性の短期記憶
2)Tapping Span(視覚性スパン):視覚性の短期記憶
② Cancellation and Detection Test(抹消検出課題):選択性の注意機能を評価する
1)Visual Cancellation Task(視覚性抹消検査)
2)Auditory Detection Task(聴覚性検出課題)
③ Symbol Digit Modalities Test(SDMT):分配性注意機能を評価する
④ Memory Updating Test(記憶更新検査):作動記憶(ワーキングメモリー)を評価する
⑤ Paced Auditory Serial Addition Test(PASAT):分配性注意機能を評価する
⑥ Position Stroop Test(上中下検査):転換性注意機能を評価する
⑦ Continuous Performance Test (CPT):持続性注意、選択性注意機能を評価する
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問題文正答率:50.00%
60 歳の男性。脳血管障害による右片麻痺。ベッドから車椅子への移乗は1人で何とか可能である。
ベッドから車椅子への移乗場面の初回評価において、ベッド、車椅子および作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。本症例は、ベッドから車椅子への移乗は1人で何とか可能であるが、ベッドから車椅子への移乗場面の初回評価である。したがって、転倒のリスク管理は常に必要であり、もしものことがあってもすぐに支えられるポジショニングが求められる。患者が起き上がった際に、療法士は麻痺側となり患者を支えられる位置にいる。また、非麻痺側に車椅子を設置することができており、角度も20°~45°程度である。また、患者と車椅子の間に作業療法士が立つことで、①介助を手助けや、②バランスを崩した際などに対応できる位置である。
2.× 車椅子の位置が足側になっているため、起き上がる際に車椅子を跨ぐ必要がある。また、移乗の際は、麻痺側下肢が軸足となるため不安定になりやすい。
3.× 療法士の位置が、車椅子の後方であるため、なにかあった際にはすぐに対応できない恐れがある。本症例は、ベッドから車椅子への移乗は1人で何とか可能であるが、ベッドから車椅子への移乗場面の初回評価である。したがって、転倒のリスク管理は常に必要であり、もしものことがあってもすぐに支えられるポジショニングが求められる。
4.× 車椅子の位置が麻痺側に配置しているため、患者は麻痺側へ起き上がる必要がある。起き上がれても移乗の際は、麻痺側下肢が軸足となるため不安定になりやすい。
5.× 車椅子の位置が麻痺側に配置しているため、患者は麻痺側へ起き上がる必要がある。起き上がれても移乗の際は、麻痺側下肢が軸足となるため不安定になりやすい。療法士の位置も、車椅子の後方であるため、なにかあった際にはすぐに対応できない恐れがある。
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問題文正答率:50.00%
40 歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。「手を腰の後ろに回してください」、「肘を曲げずに腕を前から水平位まで上げてください」の指示に左上肢はそれぞれ図のようになった。
左上肢の状態として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 基本的共同運動の最初の要素が出現している状態は、BrsⅠ~Ⅱへの移行期である。弛緩期から痙性が出現してきた時期である。
2.× 痙縮の発現期である状態は、BrsⅡである。
3.× 痙縮が最も強い時期である状態は、BrsⅢである。
4.〇 正しい。基本的共同運動から逸脱した運動が出現している状態は、BrsⅣである。逸脱した運動(分離運動)が少し出現してきている時期である。症例の左上肢の状態を指している。
5.× 分離運動が自由に可能である状態は、BrsⅥである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4222🔗
問題文正答率:50.00%
5
胸部単純エックス線写真を示す。
所見として正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 心拡大ではなく、滴状心となる。過膨張した肺により、心臓が圧迫されるため起こる。ちなみに、心拡大は心不全などで生じる。
2.× 胸水貯留は認められない。胸水貯留は、①CPangle(肋骨横隔膜角)が、90°よりも大きい(鈍い)場合や消失していたりする所見で疑われる。ちなみに、胸水貯留は心不全などで生じる。
3.〇 正しい。肺の過膨張を認める。肺胞障害により、肺のコンプライランスが上昇するため、肺の過膨張が生じる。肺コンプライアンスとは、簡単に言うと肺や胸郭系などの伸びやすさを表す。
4.× すりガラス陰影は、間質性肺炎で見られる所見である。気管支や肺胞などの空気が入る空間を間質といい、間質で炎症が起きると淡いすりガラスのような影が見える。
5.× 肋間腔は、狭小化ではなく「拡大」する。なぜなら、肺の過膨張が起こるため。
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問題文正答率:50.00%
30 歳の男性。右前腕部の悪性腫瘍に対し前腕切断術が施行された。断端の長さは標準断端であった。創治癒後、義手を製作することになった。
義手装着訓練において正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 屈曲手継手を選択する優先度が低い。なぜなら、本症例は創治癒後、義手を製作する段階であるため。「義手装着訓練において」優先度が高いものは他にある。屈曲手継手とは、殻構造用の義手パーツで、ボタン操作で、掌・背屈、回旋、手先具の取外しを簡単に行うことができる継手のこと。したがって複雑な要素に対応できる応用操作、さらなる操作スキルの向上、ADL・IADL・仕事に活用できるレベルまでの操作能力の獲得後に検討するのが望ましい。
2.〇 正しい。義手訓練は幻肢の軽減に有効である。切断後は、あたかも切断した指があるように感じる幻肢というものを感じる場合がある。原因としては、末梢から脳へ送られる情報パターンが、切断したことでそのパターンが崩れ、正しい情報を送ることができず、幻肢や幻肢痛などを起こす。そこで義手を装着することで、腕があるように脳へ錯覚させ、幻肢・幻肢痛を軽減させることができる。
3.× 義手の手部先端は、健側の中指先端と合わせるといった明確な規定はない。義手は中指先端に限らず、健側に近い形でそれぞれの指の長さで作成されることが多い。(※明確な決まりがあれば教えて下さい。)
4.× 逆である。術後の断端管理として、弾性包帯を「末梢部」から「中枢部」に向けて巻く。なぜなら、末梢部から巻くことで浮腫の予防・断端の成熟に寄与するため。ただし、デメリットとして、①外れやすい、②時間がかかる、③技術取得に訓練が必要、④患者1人で巻くのが難しいなどがあげられる。
5.× 装着しての手先具単体の最大開き幅が「50%以上」ではなく「70%以上(前腕義手の場合)」であるかを判定する。開き幅が不十分な場合、ケーブルが長すぎたりたるみがあると考えられる。ちなみに、開き幅が50%以上なのは上腕義手の場合である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4224🔗
問題文正答率:50.00%
7
60 歳の女性。関節リウマチ。Steinbrocker のステージⅡ、クラス2。この患者の日常生活場面を示す。
関節保護の指導をすべき動作はどれか。
解説・コメント
1.〇 ①鍋を持つ際は、写真のように両手鍋(両手)を使用する。片手でフライパンを持つことは、手指や手関節に負担がかかるため控えたほうが良い。
2.〇 ②お茶を注ぐ際は、写真のように両手を使用する。片手で急須の蓋を押さえながら注ぐことは、手指や手関節に負担がかかるため控えたほうが良い。
3.〇 ③荷物を持つ際は、写真のように前腕にかける。手指を握って行うことは、手指や手関節に負担がかかるため控えたほうが良い。
4.〇 ④材料をかき混ぜる際は、写真のように電動ミキサーを使用する。手動は、手指や手関節に負担がかかるため控えたほうが良い。
5.× 関節保護の指導をすべき動作である。写真の⑤椅子から立ち上がる動作(プッシュアップ動作)は、手指や手関節に負担がかかるため控えたほうが良い。 椅子から立ち上がる際は、座面を高くするため補高マットを敷く。
https://ja.mondder.com/fq?id=4225🔗
問題文正答率:50.00%
8
28 歳の女性。頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)。車椅子とベッド間の移乗は前・後方移動で自立し、ADLは自助具や環境整備で自立の見込みを得た。住宅改修を図に示す。
正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。①の廊下幅は、歩行者とのすれ違いのために140cmにした。高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)の第17条には、「廊下などは、幅120cm以上、50mごとに車いすの転回が可能なスペースを設けること」が規定されている。
2.× ②のポーチの幅は車椅子を回転させるために、100cmではなく「150cm」の幅が必要である。②のポーチで、玄関の鍵をかけたり、⑤屋外スロープへの方向転換が必要であるため広いほうが良い。
3.〇 正しい。③の廊下と居室の開口部通過の幅は90cmにした。車椅子の90°の方向転換に「85〜90cm」必要である。
4.× ④のシャワーフックの位置の高さは、「150cm」と固定ではなく、高さを調整できる方(垂直に取り付けられたバーに沿ってスライドし高さを調整できるもの)が良い。浴室用車いすやシャワーチェア等に座った状態で手が届くようにする。固定の場合は、高い位置(立位用:150〜170cm)と低い位置(座位用:60〜80cm)に2つつけるのが望ましい。ただし、本症例の場合、頸髄損傷(第6髄節まで機能残存)であるため、固定式の場合は低い位置(座位用:60〜80cm)に設定すべきである。ちなみに、シャワーホースの長さは150cmが望ましい。
5.× ⑤の屋外スロープの勾配は、1/4ではなく「1/12以下」にする。1/15~1/20が推奨されている。
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問題文正答率:50.00%
9
13 歳の男子。現在、Duchenne 型筋ジストロフィーのステージ6(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による。)。
学校生活を送る上で優先的に行う支援はどれか。
解説・コメント
1.× 歩行器の導入は優先度が低い。なぜなら、本症例はステージ6で歩行困難であるため。歩行器の導入を検討するのはステージ4以前に検討する。
2.× 給食の食形態変更は時期尚早である。なぜなら、本症例は13歳の男子、Duchenne型筋ジストロフィーのステージ6であり、大きな嚥下機能の障害は生じていない可能性が高いため。Duchenne型筋ジストロフィーは、10歳後半より咬合障害や巨舌などによる準備期・口腔期の異常が出現し、さらに20歳頃より咽頭残留などの咽頭期障害が出現する。口腔・咽頭の通過障害は固形物の方が強く、咽頭残留は液体の方が多い。対策として、咬合訓練による咬合力の改善や口腔周囲筋のストレッチによる可動域の拡大、食道入口開大不全に対するバルン法の有効性について報告がある。摂食による疲労を考慮した食事介助やポジショニング対策も重要である。
3.× 長下肢装具の導入は優先度が低い。長下肢装具の適応は、Brunnstrom法ステージⅡ以下の弛緩性麻痺患者の立位練習や歩行練習などに使用されることが多い。また、本症例はステージ6で歩行困難である。Duchenne型筋ジストロフィーに対して、長下肢装具を用いることもあるが、立位保持や進行の予防の視点が強く、学校生活を送る上で優先的に行う支援とはいえない。
4.〇 正しい。電動車椅子の導入は学校生活を送る上で優先的に行う支援である。なぜなら、本症例はステージ6で歩行困難であるため。他の移動手段を検討した場合、座位の保持が可能であるため電動車椅子の導入が当てはまる。
5.× トイレの手すり設置は優先度が低い。なぜなら、ステージ4でイスからの立ち上がりは不能となるため。本症例(ステージ6)は、手すりを使用しても立ち上がり動作が困難である。
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問題文正答率:50.00%
10
70 歳の男性。慢性心不全。NYHA 分類Ⅱ度。安静時心拍数70/分、Karvonen法による運動時の1分間の目標心拍数はどれか。
ただし、係数は 0.5 とする。
解説・コメント
①Karvonen法による運動時の1分間の目標心拍数を出す計算式に当てはめる。
目標心拍数=〔(220-年齢)-安静時心拍数〕×運動強度%(k:係数)+安静時心拍数
目標心拍数=〔(220-70)-70〕×0.5(50%)+70
=110
したがって選択肢3.110がKarvonen法による運動時の1分間の目標心拍数として正しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4228🔗
問題文正答率:50.00%
11
65 歳の男性。喫煙者。10 年前から高血圧、高脂血症、糖尿病で内服治療をしている。 4週前に外傷性第5胸髄損傷、完全対麻痺で入院。入院時の血糖は350mg/dL、HbA1cは8.0%。入院後1週で離床訓練が開始された。この患者が上肢エルゴメーター運動を実施中に、急に動悸と左肩周囲の違和感を訴えた。直ちに運動を中止し安静にさせたところ症状は数分で消失した。症状消失後のバイタルサインに異常を認めなかった。
この症状の原因として考えられるのはどれか。
解説・コメント
1.× 低血糖症状の可能性は低い。なぜなら、基準値と症状が当てはまらないため。本症例の入院時の血糖は350mg/dL、HbA1cは8.0である。ちなみに、血糖値の基準は、80~90mg/dl、HbA1cは5.9以下である。また、低血糖症状は、血糖値が低下するとカテコラミン(インスリン拮抗ホルモン)の分泌が上昇し、交感神経刺激症状が出現する。さらに血糖値が低下すると脳・神経細胞の代謝が低下し、中枢神経症状が出現する。頭痛や空腹感などの比較的軽度な症状から始まるが血糖値が低下し続けると昏睡に至る。
2.× 起立性低血圧の可能性は低い。なぜなら、起立性低血圧の場合は起きた直後に症状が起こるため。起立性低血圧とは、寝た姿勢や座った姿勢から急に起き上がったり、立ち上がった際に血圧が低下し、めまいが起こる症状である。症例は運動時に症状が生じている。
3.× 急性心筋梗塞の可能性は低い。なぜなら、本症例の場合、安静にて数分で症状が消失しているため。急性心筋梗塞とは、冠状動脈内に血栓が形成され、動脈を閉塞し心筋が壊死することである。心筋の壊死が生じるため血液検査にて、CRP値は1〜3日後に上昇する。
4.〇 正しい。労作性狭心症である。労作性狭心症とは、激しい運動をした際に起こる狭心症である。冠動脈が動脈硬化によって狭くなっている状態で、激しい運動をすると血流が悪くなり、胸の痛みや左肩の痛みなどが生じる。症例の症状も運動時に動悸と肩痛が出現し、運動を中断したことで症状が消失したことから労作性狭心症ということが分かる。
5.× 自律神経過反射の可能性は低い。なぜなら、本症例は、安静にて数分で消失し、バイタルサインに異常がなかったため。自律神経過反射は、T5~6以上の脊髄損傷患者において、損傷部以下の臓器からの刺激によって起こる自律神経の異常反射である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4229🔗
問題文正答率:50.00%
12
55 歳の女性。乳癌。ステージⅣ。今回、両下肢の脱力を認めて受診した。腰椎と肋骨の多発病的骨折と診断された。L2以下の不全対麻痺を認め、放射線治療終了後に作業療法開始となった。ベッド上生活で食事以外には介助を要していた。 Performance Status は4である。患者は「足が動かないが、家族と暮らしたい」、家族は「できれば家につれて帰りたい」と希望した。
この患者への作業療法について適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 退院の時期を決定するのは時期尚早である。なぜなら、本症例は、放射線治療が終了し、作業療法が開始となった時点であるため。また、作業療法の予後予測だけで、退院の時期を決定することはできない。また、患者だけでなく、家族や医療チームで話し合い、自宅へ退院するのであれば環境調整や介護力など調整などが必要となる。
2.× 下肢機能訓練は「行わない」のではなく「行う」。なぜなら、関節可動域訓練は関節拘縮の予防と介助量軽減のため必要である。本症例は、L2以下の不全対麻痺で、両下肢の脱力もみられ、「足が動かない」という訴えもある。過度な負担は、乳癌、多発病的骨折により骨折しやすいため注意が必要である。
3.〇 正しい。福祉用具の適応を検討する。なぜなら、本症例は、ベッド上生活で食事以外には介助を要しており、作業療法が開始されて間もないため。本症例の評価を行い、福祉用具や残存機能を用いて生活することが大切である。また、患者・家族とも「自宅で生活する方向」を希望している。入院中の環境設定が退院後の生活に参考となる。ちなみに、福祉用具とは、日常生活に支障のある障害者や要介護者・要支援者の生活の便宜を図るための用具、及び機能訓練のための用具のことである。義肢や車椅子などの補装具と呼ばれる機能補助用具も福祉用具の一種である。
4.× 現時点から積極的な離床を図ることの優先度が低い。なぜなら、本症例は放射線治療後の副作用を考慮するため。放射線治療後の副作用は、頭部で脱毛、口腔で口の渇き、味覚の異常、胸部で咳、息切れ、腹部で軟便や下痢などがみられる。したがって、リハビリ強度は易疲労性を考慮し緩やかに上げる必要がある。
5.× ADL訓練時にはコルセットは「装着しない」のではなく「装着する」。なぜなら、本症例は腰椎と肋骨の多発病的骨折を認められて骨折しやすい状態であるため。ちなみに、病的骨折とは、正常な強度をもっていない骨(病的な状態にある骨)が、普通なら骨折を起こさないような軽微な1回の外力によって折れることをいう。基本的には、リハビリ(作業療法中)はコルセットを基本的に装着するし、コルセットを外して行うADL訓練(入浴や更衣動作)を行いたい場合は、主治医に支持を仰ぎ、主治医の許可を書面にもらうことが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4230🔗
問題文正答率:50.00%
13
50 歳の女性。脳出血後の左片麻痺。発症後2か月経過し、Brunnstrom 法ステージ上肢Ⅴ、手指Ⅴであった。
図の作業活動のうち、この患者が困難なのはどれか。
解説・コメント
1.× 革細工(レザークラフト)は可能である。革細工(レザークラフト)の作業の中で、スーベルカッターやモデラで後を付けることが最も細かな動作となり、ほかは木槌で革に模様を付けるなど粗大的運動が多い作業である。
2.× 陶芸は可能である。陶芸の工程として主に9つ(①土もみ、②成形、③装飾、④乾燥、⑤素焼き、⑥絵付け、⑦施釉、⑧再乾燥、⑨本焼き)あるが、様々な方法や代用手段を用いることで、症例も十分可能と考える。電動ろくろを使用しないひも作り法の難易度は低い。
3.〇 正しい。マクラメは最も困難である。マクラメは、紐を交差させて結び、結び目で模様を作り装飾品などに細工する作業である。結ぶ動作がメインとなるため、代用手段も少なく高度な手指機能が必要とされる。また、設問のように、机上ではなく滞空操作のまま結んでいくのは、本症例の上肢Ⅴでは困難であると考えられる。
4.× 木工は可能である。大工は、ノコギリで板を切ったり、金槌で釘を打ったりと比較的に粗大運動の多い作業である。設問の図のように3〜4横指でハケをつかみ操作することも可能と考えられる。
5.× 和紙ちぎり絵は可能である。ちぎり絵は、ちぎった紙は乱雑でも問題なく、貼り付ける箇所も目標物を大きくすることで難易度の調整も可能である。設問の図のように3横指分に紙をちぎることは、症例も可能と考えられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4231🔗
問題文正答率:50.00%
14
43 歳の女性。アルコール依存症。高校卒業後、就職。20代から職場での緊張感で晩酌をする習慣があった。40歳ころから酒量が増え、二日酔いのまま出勤するようになった。上司に勤務態度を注意されたことで無断欠勤が目立つようになり、最近、泥酔状態で保護されて精神科病院に入院となった。離脱症状が落ち着いた後、作業療法が処方された。
この時点での作業療法評価で最も重要度が高いのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。基礎体力は、この時点での作業療法評価で最も重要度が高い。なぜなら、入院前の不規則な生活や偏った食事から体力が落ちていることが多いため。アルコール依存症の初期治療では、身体的治療・離脱症状の管理と治療が行われる。これらの治療が終わった後は、生活リズムをつくることや、体力作りが作業療法の中心となる。その後は、心理教育、内省などによって治療への動機づけを行いながら、仲間づくりや断酒会などの自助グループへの参加、生活設計の立て直しを行っていく。
2.4.5.× 対人関係技能/復職への意欲/問題解決能力(ストレス対処行動の獲得)は、作業療法の導入期には時期尚早である。回復期が終了して社会復帰を目指す時期に行う。
3.× 断酒への意志は、作業療法の導入期には時期尚早である。アルコール依存症の集団精神療法では、自己の飲酒問題を認め、断酒の継続を行うことが治療上極めて有効である。自助グループ(セルフヘルプグループ、当事者グループ)に、同じ問題や悩みを抱える者同士が集まり、自分の苦しみを訴えたり、仲間の体験談を聞いたりすることで問題を乗り越える力を養っていく。断酒継続のための自助グループ(当事者グループ)としてよく知られているものに、断酒会とAA(Alcoholics Anonymous:アルコール依存症者匿名の会)がある。断酒会は日本独自のもので、参加者は実名を名乗り、家族の参加も可能である。AAはアメリカで始まり、世界各地にある。匿名で参加し、家族は原則として同席しない。
https://ja.mondder.com/fq?id=4232🔗
問題文正答率:50.00%
15
24 歳の女性。大学卒業後に事務職として勤務していたが、汚物が付着していないかと気になり、頻繁に手を洗い何度も確認するようになった。確認行為により仕事に支障をきたすようになり退職した。家族は本人の確認行為に応じていた。精神科を受診したところ強迫性障害と診断され、外来での作業療法が処方された。
作業療法士から家族へのアドバイスとして最も適切なのはどれか
解説・コメント
1.× 「常に本人を監視するように伝える」とアドバイスする必要はない。強迫性障害とは、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために不合理な行動(強迫行為)を繰り返す状態をいう。監視されているからといって、強迫行為を止めることにはつながらず、むしろより意識し助長する可能性が考えられる。
2.× 「本人の再就職を促すように伝える」とアドバイスする優先度が低い。なぜなら、本症例は外来での作業療法が処方された段階で、現在の強迫行為が見られている状態で、仕事に支障をきたすようになり退職しているため。選択肢の中に優先度が高いものが他にある。
3.× 「家の中の消毒を徹底するように伝える」とアドバイスする必要はない。強迫性障害は、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために不合理な行動(強迫行為)を繰り返す状態をいう。消毒したからといって、「汚物が付着していないか?」という強迫行為を止めることにはつながらない。
4.× 「病気の原因を本人と話し合うように伝える」とアドバイスする必要はない。強迫性障害は、自分の意志に反する不合理な観念(強迫観念)にとらわれ、それを打ち消すために不合理な行動(強迫行為)を繰り返す状態をいう。話し合いで病気の原因(強迫観念)にとらわれず、強迫行為を止めることにはつながらない。強迫性障害の治療法の一つで認知行動療法(曝露反応妨害法)がある。ある強迫観念に曝された時に、それに対する強迫行為を我慢(反応妨害)させることで徐々に不安や恐怖に慣れさせるものである。不安の弱い曝露反応から順番に繰り返していくことで効果を発揮していく。
5.〇 正しい。本人からの確認の要求に応じないように伝えることは、作業療法士から家族へのアドバイスで最も優先度が高い。なぜなら、強迫性障害は本人も不合理な行動だと自覚しているため。強迫行為が始まれば、作業を中止させたり指摘したり、要求に応じる必要はない。なぜなら、「症状へのとらわれ」を助長させてしまうおそれがあるため。強迫行為が始まってもなるべく早く作業に復帰するように促すことが重要である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4233🔗
問題文正答率:50.00%
16
21 歳の男性。2か月前から「自分しか知らないはずのことを皆が知っている」と訴えるようになった。1か月前から自室にこもるようになり、一人きりで誰かに応答しているような様子がみられた。1週前から「変な味がする」と言い、母が作る食事を食べなくなった。家族が精神科の受診を勧めたが、本人は「自分はどこも悪くない」と言って頑なに拒んだ。
この患者にみられない症状はどれか。
解説・コメント
1.× 観念奔逸は、この患者にみられない症状である。なぜなら、躁病でみられるため。観念奔逸とは、考えが次々と方向も決まらずにほとばしり出る状態である。
2.〇 思考伝播は、この患者にみられている症状である。思考伝播は、統合失調症で見られ、自分の考えが他者に伝わっているように感じる症状である。設問の「自分しか知らないはずのことを皆が知っている」という訴えと合致する。
3.〇 対話性幻聴は、この患者にみられている症状である。対話性幻聴は、統合失調症で見られ、自分に話しかける声、自分のことを噂していることなどが聞こえてき、それに対して反応することである。周囲の人は1人で誰かと話しているように見える。設問の「一人きりで誰かに応答している」という訴えと合致する。
4.〇 彼毒妄想は、この患者にみられている症状である。被毒妄想は、統合失調症で見られ、食べ物に毒を入れられた感じ、食べることができなくなる症状である。設問の「母が作る食事を食べなくなった」という訴えと合致する。
5.〇 病識欠如は、この患者にみられている症状である。病識欠如は、統合失調症で見られ、自分の病気を認識することができず、「自分は病気ではない」と思い込む症状である。問題文の「自分はどこも悪くない」と受診を拒んだことと合致する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4234🔗
問題文正答率:50.00%
17
43 歳の女性。うつ病。半年前に子供が1人暮らしを始めてから気分が落ち込み、布団で寝たままでいることが増えた。家事を夫が行うようになると、「夫に迷惑をかけている自分は生きている価値がない」と口にするようになり、夫に連れられ精神科クリニックを受診した。服薬治療が開始され、症状が改善してきたため外来作業療法が処方された。
導入時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× スケジュール表に従った参加を促す必要はない。なぜなら、うつ病は、几帳面で完璧主義、責任感が強い人が多いため。スケジュール表があると、体調が悪くても参加しようとし、さらに症状が悪化してしまう恐れがある。作業基準としては、安全で受身的で非競争的である方が良い。
2.〇 正しい。枠組みのある構成的作業を導入する。【作業基準】①工程がはっきりしている。②短期間で完成できる。③安全で受身的で非競争的である。④軽い運動(いつでも休憩できる)といったものが望ましい。ちなみに、構成とは文芸・音楽・造形芸術などで、表現上の諸要素を独自の手法で組み立てて作品にすることである。
3.× 患者が作製した作品について賞賛する必要はない。なぜなら、うつ病は、他者からの評価を気にするため、賞賛されると「次も頑張らなければいけない」とプレッシャーになってしまう恐れがあるため。うつ病の特徴として、意欲低下、精神運動抑制などの症状のため、自己評価が低く、疲労感が強い傾向にある。
4.× 意欲の低下が認められた場合は作業遂行を促す必要はない。なぜなら、うつ病は、几帳面で完璧主義、責任感が強い人が多いため。うつ病は、体調が悪かったり、意欲が低下している時も担当の仕事があれば無理に作業を完遂しようと試みたり、その中で作業療法士が作業を促すとさらに症状悪化の恐れがある。そのため、このような時は休むことを促すようにする。【対応】①気持ちを受け入れる。②共感的な態度を示す。③心理的な負担となるため、激励はしない。④無理をしなくてよいことを伝える。⑤必ず回復することを繰り返し伝えていく。⑥静かな場所を提供することが大切である。
5.× 体調とともに気分も改善はしやすいが、心配ないと励ます必要はない。なぜなら、励ましは心理的な負担となるため。また心配ないとしても、うつ病患者には大きな心配となっている可能性がある。「心配ない」と一方的かつ否定的ともとれる発言をするよりは、①気持ちを受け入れ、②共感的な態度を示すよう心掛けることが大切である。
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問題文正答率:50.00%
18
19 歳の男性。てんかん及び軽度知的障害(IQ 60)。特別支援学校卒業後にクリーニング店に就職した。「接客態度が悪い」と注意されたことをきっかけに仕事に行けなくなり、引きこもりとなった。時々家族に暴力を振るうために、家族が主治医に相談して外来作業療法が処方された。本人、家族とも復職を希望している。
この患者に対して優先すべき対応はどれか。
解説・コメント
1.× 暴力の内省を促す優先度は低い。内省とは、自分の考えや言動、行動について深く省みることである。知的障害は、暴力などの問題行動などに対して悪意を感じることが難しい。また、注意されたことを叱責と捉えるなど自信がなく、自分の気持ちを表現することが苦手である。内省を促すことを第一選択肢にするのではなく、暴力を振るってしまう原因は何か?家族の対応にも視野を広げ対応が必要である。
2.〇 正しい。対人技能の訓練を行うことはこの患者に対して優先すべき対応である。本症例は、「接客態度が悪い」と注意されたことをきっかけに仕事に行けなくなり、引きこもりとなってはいるが、本人・家族とも復職を希望している。知的障害は、状況の判断能力が低く、他者の発言を悪く受け取るなどで、対人技能が低下しているが、本人に分かるよう説明することで、他者からの発言を上手に受け取ることができるようにアプローチしていく。
3.× 注意力を高める作業を行う優先度は低い。なぜなら、本症例の設問文から、現状注意力の問題点は読み取れないため。ただし、知的障害において、ADHDや自閉症などの発達障害や、抑うつや双極性障害、不安障害などの精神疾患を併発しているケースが多いことも報告されているため、評価していく必要はある。
4.× てんかんの疾病教育を行う優先度は低い。なぜなら、本症例の設問文から、現状てんかんの問題点は読み取れないため。ただし、てんかんの疾病教育は、仕事をするうえで「服薬による眠気やふらつき」など理解できるため大切な項目である。社会復帰が近づいてきたら行うようにする。
5.× 運動能力を高めるためのスポーツ活動を行う優先度は低い。本人、家族とも復職を希望しているため、まずは復職に視点をあてて考えていく。知的障害は、運動機能の発達も伴っているため、スポーツ活動を苦手とすることが多い。
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問題文正答率:50.00%
19
22 歳の男性。注意欠如・多動性障害。大学卒業後に営業職に就いた。顧客との約束や書類を忘れるなどの失敗が続き、上司が度々指導をしても改善しなかった。子供のころから不注意傾向があり、母親は「しつけをしてこなかった自分に非がある」という。その後も失敗が続いて自信を喪失し、1週前から欠勤し精神科の受診に至った。入院となり作業療法が処方された。
この時期の作業療法士の対応として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 「仕事に適性がない」と伝えて転職を勧める必要はない。なぜなら、失敗が続いて自信を喪失している時期であるため。「仕事に適性がない」と伝えることで、さらに自信を喪失する恐れもある。退職・転職など重要事項の判断・決定は先延ばしにする。
2.〇 正しい。休養に専念し職場復帰を焦らないように伝えることは、この時期の作業療法士の対応である。本症例は、注意欠如・多動性障害(ADHD)であるが、失敗が続いて自信を喪失し欠勤となっている。つまり、気持ちの落ち込み(うつ症状)もみられている可能性が高い。うつ病での対応として①調子が悪いのは病気のせいであり、治療を行えば必ず改善すること。②重要事項の判断・決定は先延ばしにする。③自殺しないように約束してもらうことなどが必要になる。
3~4.× 「母親のしつけの失敗の影響が残っている」と告げる/「上司の指導方法が病気の誘因であること」を説明する必要はない。ADHDの症状が起こる確かな原因はまだ解明されていないが、「脳障害の説」と「環境要因の説」があり研究されている。ただでさえ、本症例の母親「しつけをしてこなかった自分に非がある」と自責になっている。上司の指導方法が原因だと説明してしまうと、仮に職場復帰した際に上司へ不満を抱えてしまう恐れがある。単純に「育て方やしつけ、指導方法」が原因ではないことを伝え、行動療法から行っていくことが多い。
5.× 現場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧めるのは時期尚早である。本症例は、入院となり作業療法が処方された作業療法の導入時期である。現場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧めるのは回復期が終了して社会復帰を目指す時期に行うことが多い。
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問題文正答率:50.00%
20
33 歳の男性。ミュージシャンを志していたが、21歳時に統合失調症を発症し、2回の入院歴がある。3か月前から就労移行支援事業所への通所を開始し、支援によってコンサートホールの照明係のアルバイトに就いた。就労移行支援事業所のスタッフは、定期的に職場訪問を実施して本人と雇用主の関係調整を行っており、主治医やケースワーカーとも連携して支援活動をしている。
この患者に行われているプログラムはどれか。
解説・コメント
1.× CBT(Cognitive Behavioral Therapy:認知行動療法)とは、歪んだ認知を自覚させて、行動を変化さえるよう働きかける治療法である。適応疾患として、不安障害、うつ病、パニック障害、恐怖症(広場恐怖や社会恐怖が含まれます)、ストレス、過食症、強迫性障害、外傷後ストレス障害(PTSD)、双極性障害および重度の精神障害などがあげられる。
2.〇 正しい。IPS<Individual Placement and Support>は、この患者に行われているプログラムで最も優先度が高い。IPS<Individual Placement and Support>は、患者への信頼と可能性を信じることをベースとして、症状の安定度や職業準備性よりも就労意欲を重視し、仕事の中で自分を高め(ストレングス)、最終目的を疾患からの回復(リカバリー)とするものである。つまり、精神障害者の就労を支援するものである。
3.× NEAR<Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation:認知矯正療法>は、統合失調症患者を対象とし、記憶力・集中力・物事の段取りを考えて実行する能力などの認知機能障害の改善を図るためのリハビリテーションである。参加可能基準は、主に7つ挙げられ、①年齢は13歳~65歳、②知的レベルは境界以上、③取りレベルは小学4年生以上、④現時点で物質及びアルコール乱用者ではない、⑤何らかの中毒における解毒から1ヵ月以上経過している、⑥過去3年間に頭部外傷歴がない、⑦セッションの間座っていられる程度に精神症状が安定していることがあげられる。
4.× SST<Social Skills Training:社会生活技能訓練>は、社会生活を送るうえでの技能を身につけ、ストレス状況に対処できるようにする集団療法の一つ(認知行動療法の一つ)である。精神科における強力な心理社会的介入方法である。患者が習得すべき行動パターンを治療者(リーダー)が手本として示し、患者がそれを模倣して適応的な行動パターンを学ぶという学習理論に基づいたモデリング(模倣する)という技法が用いられる。
5.× WRAP< wellness recovery action plan:元気回復行動プラン>は、重篤な精神科患者であっても元気になって回復できる方法があり、そのためのプランについて、自分や同じような悩みをもつ人の体験やアイデアについて語り合うものである。①リカバリーに大切なこと、 ②元気に役立つ道具箱をベースに6つのプラン「①日常生活管理プラン、②引き金になる出来事に気づき対応するための行動プラン(外的要因)、③注意サインに気づき対応するための行動プラン(内的要因)、④調子が悪くなってきているときのサインに気づき対応するための行動プラン、⑤クライシス(緊急状況)プラン、⑥クライシス後プラン」について、自分や同じような悩みをもつ人の体験やアイデアについて語り合うものである。
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問題文正答率:50.00%
21
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に規定されるサービス利用方法について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 障害支援区分は、6区分ではなく「7区分(非該当含む)」ある。障害支援区分とは、障害者総合支援法におけるサービス利用申請に対する支給を障害や心身の状態などにより必要な支援を(非該当)~1~6段階に分けた区分である。 1が支援の度合いが低く、6がもっとも高くなっている。
2.× 地域包括支援センターではなく、市町村(相談支援事業者)に申請する。ちなみに、地域包括支援センターは介護保険の申請場所である。地域包括支援センターとは、介護保険法で定められた、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う機関である。
3.× 介護給付の申請に医師の意見書は必要である。ちなみに、訓練等給付を希望する場合、医師の意見書は不要である。
4.× 家族もサービス利用計画書を作成できる。ただし、手間と負担がのしかかるのでマネジメントしてくれる相談支援専門員が行うことが多い。
5.〇 正しい。障害区分の認定有無に関係なく訓練等給付に申請できる。訓練等給付は、機能訓練や生活訓練および就労移行支援などを提供するものである。訓練等給付及び地域生活支援事業については、障害支援区分認定は不要であるが、介護給付を受けるためには、障害支援区分1以上の認定が必要である。
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問題文正答率:50.00%
22
図に示す神経支配領域と末梢神経の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。①は、腋窩神経(上外側上腕皮神経)である。
2.× ②は、肋間上腕皮神経ではなく「後上腕皮神経(橈骨神経)と下外側上腕皮神経」である。
3.× ③は、尺骨神経ではなく「内側前腕皮神経」である。
4.× ④は、橈骨神経ではなく「外側前腕皮神経(筋皮神経)」である。
5.× ⑤は、正中神経ではなく「橈骨神経」である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4240🔗
問題文正答率:50.00%
23
痛みの種類について正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。侵害受容性疼痛は器質的疾患に多い。器質的疾患は、感染や炎症、あるいは血管障害、変性疾患、などで細胞、あるいは組織が破壊、あるいは変化を受けた結果、症状として現れる疾患のことをさす。
2.× 心因性疼痛は、多くの要因が複雑に関与しているわけではない。心因性疼痛(中枢神経障害性疼痛)とは、脳自体で感じている痛みである。不安やイライラなどの心理状態が、無意識下でこれらと向き合うことを避けるために身体の特定部位に疼痛を引き起こしている。ちなみに、多くの要因が複雑に関与するのは、(末梢)神経障害性疼痛である。(末梢)神経障害性疼痛は、CRPS〈複合性局所疼痛症候群〉のⅡ型である。Ⅱ型は神経損傷後に発生して起こる慢性の神経障害性疼痛である。
3.× (末梢)神経障害性疼痛は、非ステロイド性抗炎症薬は有効ではない。非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>は、炎症などを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、抗炎症作用や解熱、鎮痛に働く。副作用として、消化器症状(腹痛、吐き気、食欲不振、消化性潰瘍)、ぜんそく発作、腎機能障害が認められる。したがって、非ステロイド性抗炎症薬が効果的であるのは、侵害受容性疼痛である。
4.× 痛み感覚の神経経路が障害され支配領域に痛みを感じるのは、侵害受容性疼痛ではなく「(末梢)神経障害性疼痛」である。神経障害性疼痛とは、感覚神経が障害されて生じる痛みである。神経が過敏になり、痛みの信号が出過ぎてしまう状態である。
5.× 末梢の受容器が熱や機械的刺激で活性化し痛みを感じるのは、神経障害性疼痛ではなく「侵害受容性疼痛」である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4241🔗
問題文正答率:50.00%
24
Barthel Index の評価項目で車椅子とベッド間の移乗に含まれないのはどれか
解説・コメント
1~3/5.〇 ①ベッドに移動する、②ブレーキをかける、③フットサポートを上げる、⑤臥位になるは、Barthel Indexの評価項目で車椅子とベッド間の移乗に含まれる。
4.× 靴を脱ぐことは、Barthel Indexの評価項目で車椅子とベッド間の移乗に含まれない。
https://ja.mondder.com/fq?id=4242🔗
問題文正答率:50.00%
25
観察に基づく評価法はどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。AIMSの評価は、①(Arthritis Impact Measurement Scales:関節炎影響測定尺度)と②(Alberta Infant Motor Scale:運動発達検査法)がある。①Arthritis Impact Measurement Scales:関節炎影響測定尺度は、関節リウマチ患者自身による運動機能評価である。ADL関連6指標と社会活動、痛み、仕事など6指標の計12指標をアンケートでの自己記入により解答する。QOLの評価法として国際的に用いられている。②Alberta Infant Motor Scale:運動発達検査法は、観察による評価法である。生後0~18ヶ月までを対象年齢として、粗大運動発達を評価する。検査時間は10~20分で実施可能である。
2.〇 正しい。AMPS(Assessment of Motor and Process Skills:運動技能とプロセス技能の評価)は、観察に基づく評価法である。ADLとIADLに関わる16の運動技能と20の遂行技能を観察し、たとえば地域で自立生活を送るのが可能かどうかを評価する。
3.× COPM(Canadian Occupational Performance Measure:カナダ作業遂行測定)は、患者が現時点で改善したいと考える活動と、それらの重要度(出来栄え)、満足度をそれぞれ10点満点で、患者が主観的に評価する。
4.× MMSE(Mini Mental State Examination)は、認知障害の簡便な評価方法である。各項目を質問形式にこたえていく。見当識、記銘力、注意と計算、 想起、言語、組み立ての各項目がある。30点満点のうち、26点以下で軽度認知隊害の疑い、23点以下では認知障害の可能性が高いことを示す。
5.× OSAⅡ(Occupational Self AssessmentⅡ) (Occupational Self Assessment:作業に関する自己評価)は、人間作業モデルの作業に関する自己評価を行うための方法である。質問紙により、患者が現在の自分自身の作業機能状態を評価し、改善したい項目の優先度を記す。これに基づいて、患者が作業療法士と協働して作業機能を高めていくものである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4243🔗
問題文正答率:50.00%
26
ICF の構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類されるのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× コミュニケーションは、「活動と参加」に分類される。
2.〇 正しい。資産は、ICFの構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類される。
3.× 住居の入手は、「活動と参加」に分類される。
4.× 人権は、「活動と参加」に分類される。
5.〇 福祉用具を用いて、物的環境の調整(住宅改修)と考えるのであれば、ICFの構成要素である「環境因子」の第2レベルに分類される。
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問題文正答率:50.00%
27
SIAS で使用する検査器具はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
脳卒中機能評価法<SIAS>は、脳卒中の多様な症状を、運動機能障害だけでなく、言語機能、感覚機能など非麻痺側機能を含めて総合的に評価する方法である。
1.4~5.× 音叉/秒針付き時計/30cmメジャーは、SIASで使用しない。
2.〇 正しい。握力計はSIASで使用する。〈健側機能〉の握力の項目の際に、握力計を使用する。座位で握力計の握り幅を約5cmにして計測する。健側の具体的kg数を記載すること。参考として、0:握力0kg、1:握力10kg以下、2:握力10~20kg、3:握力25kg以上となる。
3.〇 正しい。打腱器はSIASで使用する。上肢腱反射、下肢腱反射の項目の際に、 打腱器を使用する。上腕二頭筋反射、上腕三頭筋反射、膝蓋腱反射、アキレス腱反射を実施する。
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問題文正答率:50.00%
28
関節リウマチについて正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 渦流浴(温熱療法)は、禁忌ではない。温熱療法により、こわばりや心理的な安定を図り疼痛の軽減につながる。ちなみに、温熱療法の禁忌は、①急性炎症、②悪性腫瘍、③感覚障害と意識障害、④出血傾向、⑤循環障害・動脈硬化などである。
2.× 家事の実施は、午前中より「午後」が良い。なぜなら、朝、起きたとき(午前中)は、朝のこわばりがみられるため。この関節の動かしにくさを感じることが多い。
3.〇 正しい。疼痛の特徴として圧痛がある。関節リウマチの活動性の指標を評価するものとして、DAS28(disease activity score 28)があげられる。これは、①圧痛関節数、②腫脹関節数、③赤血球沈降速度、④全般的健康状態を評価する。観察対象関節は、肩関節2、肘関節2、手関節2、手指(DIP除く)20、膝関節2で、合計28関節を評価する。
4.× 疼痛に対して装具は使用する。なぜなら、関節保護の観点のため。手関節手指固定装具(オッペンハイマー型)の適応疾患は、関節リウマチや痙性麻痺手、橈骨神経麻痺の下垂手の際に用いる。オッペンハイマー型の特徴としては、MP関節の伸展補助機能がある。
5.× 非ステロイド性抗炎症薬で疼痛は軽減する。非ステロイド性抗炎症薬<NSAIDs>は、炎症などを引き起こすプロスタグランジンの生成を抑え、抗炎症作用や解熱、鎮痛に働く。副作用として、消化器症状(腹痛、吐き気、食欲不振、消化性潰瘍)、ぜんそく発作、腎機能障害が認められる。したがって、非ステロイド性抗炎症薬が効果的であるのは、侵害受容性疼痛である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4246🔗
問題文正答率:50.00%
29
WeeFIM について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 5段階ではなく「7段階」で評価される。
2.× 総得点は、100点ではなく「126点」である。
3.× 対象年齢は、0~18歳ではなく「6か月~7歳未満」である。
4.× 移動の「階段」を「伝い歩き」で評価しない。移動の「歩行」において、車椅子移動や這い這いが認められている。6項目で小児への応用を考慮した修正が加えられている。
5.〇 正しい。評価は生活場面の直接観察や聴取で行う。所要時間は15~20分で、十分に実用的なスクリーニングおよび経過観察の手順として利用可能である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4247🔗
問題文正答率:50.00%
30
上腕能動義手の適合検査項目とその不適合の原因との組合せで正しいのはどれ か。
解説・コメント
1.× 肘プーリーユニット取り付け位置の不良では、義手装着時の「肩関節」ではなく「肘関節」可動域に影響を与える。肘継手部にプーリーユニット(滑車)を装着した継手である。プーリーの利用により、伝達効率が向上し、肩甲胸郭間切断、肩離断、上腕短断端などの高位切断でも適応できる。
2.× 前腕部(肘継手)の屈曲可動域は、ソケットのトリミング不良ではなく、「①前腕ソケットの屈曲側のくりが不十分、②肘継手の調整が不良、③コントロールケーブルシステムの問題」である。
3.〇 正しい。肘の最大屈曲に要する肩関節の屈曲角度は、ケーブルの長さの不良で起こる。主に、「①ハーネスの調整不良、②コントロールケーブルシステムの問題、③肘継手の問題、④断端や肩関節の問題」があげられる。
4.× 回旋力に対する安定性は、ハーネスの調整不良ではなく「コントロールケーブルシステムの問題」があげられる。
5.× 引っ張り荷重(下垂力)に対する安定性は、リテーナーの位置不良ではなく「コントロールケーブルシステムの問題」があげられる。ケーブルの走路問題や余計な摩擦・干渉によって伝達が妨げられると効率は悪化する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4248🔗
問題文正答率:50.00%
31
Alzheimer 型認知症について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 男性ではなく「女性」に多い。男女比は、1:2~3となっている。ちなみに、男性に多いのは血管性認知症である。
2.× 階段状ではなく「緩徐(ゆるやかで徐々に)」に増悪する。ちなみに、階段状に進行するのは血管性認知症である。
3.× 意味記憶の障害ではなく「物忘れや見当識障害」から発症することが多い。ちなみに、血管性認知症は、意味記憶の障害(知識をうまく使えない)や動作緩慢の症状から発症することが多い。
4.〇 正しい。人物の見当識より「時間の見当識」が障害されやすい。また、時間のほかにも場所に対する認識が混乱することが多い。
5.× 軽度認知障害の「約80%」ではなく「約70%」は、Alzheimer型認知症に移行する。認知症で最も多いのは、アルツハイマー型認知症であり、約70%を占める。次に多いのは脳血管性認知症で約20%。次にレビー小体型認知症は4.3%である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4249🔗
問題文正答率:50.00%
32
切断部位と義手の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 上腕骨頸部切断は、上腕義手ではなく「肩義手」である。
2.× 上腕骨70%残存での切断は、肘義手ではなく「上腕義手」である。
3.〇 正しい。橈尺骨35%残存での切断は、前腕義手である。
4.× 手関節離断は、手部義手ではなく「手義手」である。
5.× 手根骨レベルの離断は、指義手ではなく「手部義手」である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4250🔗
問題文正答率:50.00%
33
脳卒中による片麻痺 Brunnstrom 法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅳの患者における治療について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 緊張性頸反射を利用する優先度は低い。緊張性頸反射は、①非対称性緊張性頸反射(ATNR)と②対称性緊張性頸反射(STNR)あり、どちらも原始反射である。原始反射は知覚や姿勢に入力された刺激が大脳の指令を受けずに脊髄や脳幹レベルで処理されることで、無意識下で筋肉が動く現象である。随意運動が発達すると徐々に原始反射は消失する。これは、新生児期の反射中枢は脊髄レベルであり、月齢とともに、脳幹部、中脳、大脳皮質と反射中枢は高次に達するため。
2.〇 正しい。立位時は、麻痺側下肢に荷重を促す。なぜなら、麻痺側下肢に体重を乗せることができると日常生活(歩行)が自立しやすくなるという報告があるため。歩行能力に麻痺側下肢荷重量が関係し、体重比50~60%で屋内歩行が自立するという報告がある。
3.× 長下肢装具使用による歩行訓練を行う優先度は低い。なぜなら、本症例のBrunnstrom法ステージ下肢IVであるため。長下肢装具は、立位訓練開始から装具をつけ、介助下での平行棒な歩行訓練が必要なレベルの麻痺に適応となる。
4.× 麻痺側上肢では重錘を用いた反復運動を行う優先度は低い。なぜなら、本症例のBrunnstrom法ステージ上肢Ⅲであるため。まずは抵抗をかけず、分離運動の獲得を目指す方が優先度は高い。
5.× 非麻痺側上肢を拘束し麻痺側を強制的に使用させる。なぜなら、CI療法の適応外であるため。CI療法の適応には、①血圧の安定や認知機能が正常であること、②施設や病院に入所しておらず自宅で生活していること、③麻痺側手関節の随意的伸展が20°以上可能である(母指を含めた3本指のIP/MP関節の随意的伸展が10°以上可能)ことが条件である。ちなみに、CI療法とは、脳卒中による片麻痺患者に対して、非麻痺側の動きを制限することで麻痺側の運動を誘導する治療法である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4251🔗
問題文正答率:50.00%
34
多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
1.× 男性ではなく「女性」に多い。ちなみに、男女比は1:2~3である。
2.〇 正しい。脱髄病変がみられる。多発性硬化症とは、中枢神経系の種々の部位に多発性の脱髄病変を起こし多彩な症状がみられる。
3.× 発症は、70代以上ではなく「15~50歳に多く、約30歳がピーク」に多い。
4.× 神経症状の進行は稀ではなく「寛解・増悪」を繰り返す。長期的な経過をたどるためリハビリテーションが重要な意義を持つ。
5.〇 正しい。視力低下が出現する頻度が高い。視覚障害(視神経炎)を合併することが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4252🔗
問題文正答率:50.00%
35
頸髄損傷完全麻痺(第4頸髄節まで機能残存)に使用しないのはどれか
解説・コメント
1.〇 万能カフは使用する。「万能カフ」とは、フォークやスプーンに巻きつけて使う補助具である。 握力の弱い方や手指の曲がらない方向けであり、 食事や文字書きが自然な動作でラクになる。C5から用いることが多いが、選択肢の中で最も使用しないといえるものがほかにある。
2.〇 電動車椅子は使用する。下顎などを用いて電動車いすを操作する。
3.× 透明文字盤は使用しない。透明文字盤は上肢が動かせず、発声ができず眼球運動かできないとき、伝えたい文字を相手との視線の中心に来るように動かして使うものである。頸髄損傷完全麻痺(第4頸髄節まで機能残存)は、発声・会話は可能である。
4.〇 環境制御装置は使用する。視線入力装置を介しての環境制御装置の操作が可能である。
5.〇 食事支援ロボットは使用する。用者のジョイスティック操作に従って、ロボットのアームが食卓上の食物を口元へ運ぶ作業を行う。
https://ja.mondder.com/fq?id=4253🔗
問題文正答率:50.00%
36
がんのリハビリテーションの緩和期の対応で正しいのはどれか
解説・コメント
緩和期とは、症状緩和を中心とした医療が行われるときである。がんの進行とともに体力が低下し、自分で動くことが難しくなってくる時期でもある。したがって、要望を十分に尊重し、残っている能力をうまく生かしながら、身体的、精神的、社会的に生活の質を高く保つことを目指して、リハビリテーション医療が行われる。
①自立生活の維持
②自分らしさの維持
③生活の負担軽減(環境整備)
1.× 余命延長が目的ではなく、主に①自立生活の維持、②自分らしさの維持、③生活の負担軽減(環境整備)などが目的になることが多い。
2.× 骨転移があっても安静臥床という決まりはない。疼痛の緩和(ペインコントロール)や本人の意思の尊重といった観点から、運動を処方したり、温熱療法・寒冷療法などの物理療法・マッサージなどが行われる。
3.〇 正しい。鎮痛薬は時刻を決めて規則的に使用する。WHO方式がん疼痛治療法の5原則として、①経口的に、②時刻を決めて規則正しく、③鎮痛ラダーにそって効力の順に、④患者ごとの個別的な量で、⑤その上で細かい配慮することから成り立っている。
4.× 余命3か月未満と診断された後開始するという決まりはない。緩和期とは、症状緩和を中心とした医療が行われるときである。
5.× PS(Performance Status)4では運動中止とするという決まりはない。PS(Performance Status)は、がん患者の身体機能評価である。ちなみに、4は、まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす状態である。できる運動(キッキングやSLRなど)を患者の意向を聞きながら行うことが多い。
PS(Performance Status:パフォーマンスステータス)
全身状態の指標の1つで、患者さんの日常生活の制限の程度を示したもの。
0:まったく問題なく活動できる。発症前と同じ日常生活が制限なく行える。
1:肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる。例:軽い家事、事務作業
2:歩行可能で、自分の身のまわりのことはすべて可能だが、作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす。
3:限られた自分の身のまわりのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす。
4:まったく動けない。自分の身のまわりのことはまったくできない。完全にベッドか椅子で過ごす。
https://ja.mondder.com/fq?id=4254🔗
問題文正答率:50.00%
37
健康維持・増進の活動について正しいのはどれか。
解説・コメント
疾病予防の概念
疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。
一次予防:「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」
二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」
三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。
1.× 肺がん予防のための禁煙指導は、「特異的2次予防」ではなく「1次予防」である。ちなみに、「特異的予防」とは、定期的な歯科医院での検診や歯科医院での初期虫歯へのフッ素塗布など処方してもらい疾病予防することである。特異的予防は、2次予防ではなく「1次予防」に分類される。
2.〇 正しい。保健指導では生活習慣病の改善のために行動変容を促す。ちなみに、特定保健指導とは、予備群や軽症でまだお薬を必要としない人に対しても働きかけ、生活習慣病にならないようなしくみである。
3.× 健康日本21(第二次)では心の健康の目標値も設定されている。
4.× ポピュレーションアプローチ(ポピュラーアプローチ、ポピュレーションストラテジーとも)では、個人への働きかけではなく「集団全体」に重点が置かれる。ポピュレーションアプローチとは、健康障害を起こす危険因子をもつ集団のうち、集団全体に働きかけてリスクを下げる方法である。対象は、主に低リスク群、境界域を含む集団全体である。役割は、一次予防である。主な事例として、生活習慣病予防キャンペーン(メタボリックシンドローム)や受動喫煙の防止などがある。
5.× ヘルスプロモーションとは、誰でも病院に受診することができる過程のことではなく、「人々が自らの健康とその決定要因をコントロールし、改善することができるようにするプロセス」と定義される。①健康な公共政策づくり、②健康を支援する環境づくり、③地域活動の強化、④個人技術の開発、⑤ヘルスサービスの方向転換などが挙げられる。
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問題文正答率:50.00%
38
MTDLP で正しいのはどれか。
解説・コメント
MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance:生活行為向上マネジメント)は、患者が本来もっている能力を引き出し、患者にとって意味のある在宅生活(生活行為)でその能力を生かせるように支援するためのツールである。
1.× 合意目標の遂行度を聞き取る項目はない。各チェックシート(①生活行為聞き取りシート、②生活行為向上マネジメントシート、③生活行為申し送り表)」に基づき計画を立てる。①生活行為聞き取りシートには、生活更衣目標の①実行度と②満足度を聞き取る。「生活行為聞き取りシート」まず対象者がどのような生活行為を向上したいかを把握することから始まる。対象者がしたい・望む生活行為を聞き取り生活行為の目標を明らかにする。対象者のやってみようという気持ちを高めるため自己評価を行う(介入の前後で実行度と満足度を確認し取り組み成果を可視化する)。
2.× 家族が困っている問題も聞き取る。①生活行為聞き取りシートの欄に「ご本人のことについて、もっとうまくできるようになってほしい、あるいはうまくできるようになる必要があると思う生活行為がありましたら教えてください」と家族への聞き取り項目が含まれている。
3.× アセスメントではICIDHの視点を用いない。MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance:生活行為向上マネジメント)は、患者が本来もっている能力を引き出し、患者にとって意味のある在宅生活(生活行為)でその能力を生かせるように支援するためのツールである。
4.× アセスメントシートには個人因子の分析ではなく「聞き取り」は含まれている。MTDLPは、8つのシートで構成される。3つのメインシート(生活行為聞き取りシート、生活行為向上マネジメントシート、生活行為申し送り表)と生活行為向上マネジメントシートを構成する2つのサブシート(生活行為アセスメント演習シート、生活行為向上プラン演習シート)の他に3つのシート(興味・関心チェックシート、生活行為課題分析シート、医療への申し送り表)がある。
5.〇 正しい。生活課題分析シートで対象者の活動を幅広く捉える。生活課題分析シートには、各基本動作、ADL、IADLの項目を①現状能力、②予後予測、③課題の重要性、④各課題の要因の分析、⑤課題解決目標、⑥最終評価、⑦考察、⑧今後の課題などを記入する。
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問題文正答率:50.00%
39
言語性記憶機能を測る検査はどれか。
解説・コメント
1.× RBMT(The Rivermead Behavioral Memory Test:リバーミード行動記憶検査)は、日常生活的な記憶障害の評価法である。その状況で素点、標準プロフィール点(SPS)、スクリーニング点(SS)を算出し年齢別のカットオフ値で評価する。1.氏名、2.持ち物、3.約束、4.絵、5.物語(直後・遅延)、6.顔写真、7.道順(直後・遅延)、8.用件、9.見当識で9つの項目である。特に展望記憶の検査項目が含まれているのが特徴である。
2.× WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類テスト)は、計画をたてること・計画を達成するためにとるべき行動を決めること、状況の変化に対応すること、衝動的に行動することを抑えるなどの「前頭葉の実行機能」を調べる検査である。提示されたトランプのようなカードを色・数・形のどれに基づいて分類するかを判断する。
3.〇 正しい。RAVLT(Rey Auditory Verbal Learning TestRey Auditory Verbal Learning Test:レイ聴覚性言語学習検査)は、言語性記憶機能を測る検査である。意味関連のない15語よりなる語系列(リストA)を読み上げ、直後に呈示順にかかわらずできる限り多くの単語を口頭で回答させ(即時再生)、次にこれとは異なる15の単語からなるリストBを同様の方法で回答させ、さらにその後にリストAのうちまだ覚えている単語を口頭で回答させる(遅延再生)検査である。視覚性の即時記憶と近時記憶をみる。
4.× Digit Span(デジットスパン)は、『読み上げた数字を順番または逆順に復唱する』課題である。ワーキングメモリーの評価である。
5.× Letter Cancellation Test(視覚的文字末梢検査)は、注意機能の検査である。1行52文字、6列の文字列から、1行につき約18個含まれるCとEを100秒の間に拾い出すという紙と鉛筆を用いた課題である。
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問題文正答率:50.00%
40
せん妄について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。急性に発症する。せん妄とは、疾患や全身疾患・外因性物質などによって出現する軽度~中等度の意識障害であり、睡眠障害や興奮・幻覚などが加わった状態をいう。
2.× 日内変動を伴う。夜間(夜間せん妄)に出現することが多い。他にも、心理的因子、薬物、環境にも起因する。
3.× 若年者ではなく「老年者(65歳以上)」に出現しやすい。特に高齢者のせん妄の期間は、一般的に長くなりやすい。
4.× 重度の意識混濁ではなく「軽度~中等度の意識障害」を伴う。
5.× 環境因子の影響を受ける。環境変化(手術、人院、明るさ、音など)で生じやすい。
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問題文正答率:50.00%
41
「持続性・安定性」と「自己認識」が下位尺度に含まれる社会機能の評価法はどれか。
解説・コメント
1.× SFS(Social Functioning Scale:社会機能評価尺度)は、慢性期の統合失調症における家族介入の効果を測定するため、コミュニティでの生活の維持において重要な機能を評価する尺度である。19項目の質問用紙で行う。
2.× Rehab(Rehabilitation Evaluation Hall and Baker:精神科リハビリテーション行動評価尺度)は、病院や施設で生活する人を対象に、逸脱行動、全般的行動の2領域について質問を行い評価する。比較的項目数が少なく(23項目)、簡便で繰り返し使用できるのが特徴である。
3.× SF-36(MOS 36-Item Short-Form Health Survey)は、質問紙法によって対象者の健康関連QOLを包括的に評価する尺度である。8つの健康概念【①身体機能、②日常役割機能(身体)、③体の痛み、④全体的健康感、⑤活力、⑥社会生活機能、⑦日常役割機能(精神)、⑧心の健康】を測定する。
4.〇 正しい。LASMI(Life Assessment Scale for the Mentally Ill:精神障害者社会生活評価尺度)は、「持続性・安定性」と「自己認識」が下位尺度に含まれる社会機能の評価法である。精神障害のある人の生活を包括的に評価するための尺度である。5つの大項目(①日常生活、②対人関係、③労働または課題遂行能力、④持続性・安定性、⑤自己認識)からなる。
5.× 精神障害者ケアアセスメント(日本作業療法士協会版)は、①主訴、②健康管理、③生活エピソード、④人的支援状況、⑤経済面、⑥生活習慣および介護状況、⑦住宅環境・福祉機器、⑧身体・日常生活能力、⑨精神機能活動の各項目について、ケア必要度尺度と社会的不利尺度により、地域生活維持に必要な能力を評定するものである。
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問題文正答率:50.00%
42
集団作業療法について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× レクリエーション活動は、開放集団でも実施できる。開放集団は、障害の程度、参加動機、趣味、嗜好、得手・不得手など、さまざまな特性を持つ参加者で構成されるという特徴を持っている。開放集団のレクリエーションの目的は、“楽しい体験”が最優先課題となる。
2.〇 正しい。調理活動は、開放集団よりも閉鎖集団の方が実施しやすい。なぜなら、料理は工程があるため。開放集団は、参加が自由な分、障害の程度、参加動機、趣味、嗜好、得手・不得手など、さまざまな特性を持つ参加者で構成されるという特徴を持っているため、必ずしも全員が同じ工程ができるとは限らない。
3.× 逆である。開放集団よりも閉鎖集団の方が参加者の凝集性が高まる。なぜなら、集団や個のプロセスが把握しやすいため。集団凝集性とは、集団が構成員を引き付けて、その構成員を集団の一員となるように動機付ける度合いのことである。集団凝集性が高いほど、組織そのものの拘束力や成果が高い傾向がある。
4.× 逆である。急性期には集団作業療法よりも個人作業療法が優先される。なぜなら、急性期は症状が不安定なことが多く、周りの参加者にも負担を強いることに繋がりかねないため。したがって、集団作業療法を勧めるのは回復期からが望ましい。回復期に集団作業療法に設けることで、①自己表出、②他者からの共感、③相互理解の場となる。
5.× 逆である。個人作業療法よりも集団作業療法で受容体験は得られやすい。受容体験とは、他人に受け入れられることで安心感を得られる体験のことをさす。
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問題文正答率:50.00%
43
アルコール依存症の治療について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。本人や家族に対する心理教育が有効である。初期の作業療法では、心理教育を行って、本人がアルコール依存症であることを理解してもらう必要がある。心理教育とは、症状の理解や服薬の必要性の理解など、病識の獲得と治療方法への理解が中心に行われる。家族心理教育とは、家族が病気を正しく理解し、適切な対応や望ましい接し方を身につけることを目的とする。病気による行動特性を理解し、症状に対する適切な対応と接し方を学ぶことができ、治療効果の増進・再発防止にもつながる。
2.× 作業療法を実施するのは、離脱への導入の時期からではなく「入院前から」行うことが多い。入院前の評価項目として、飲酒歴や飲酒行動パターン、病歴などである。家族にも依存症の理解や飲酒状況を聞く。ちなみに、離脱症状とは、生体が薬物に適応して、薬物の存在下で生理的平衡が保たれる状態になったあと、急に薬をやめることにより、生理的平衡が乱れて身体症状が生じるようになることをいう。
3.× Wernicke脳症(ウェルニッケ脳症)の予防には、ビタミンCではなく「ビタミンB1」を投与する。①意識障害、②眼症状(童顔神経麻痺)、③失調性歩行の3徴候とし、予後が不良である。
4.× 離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物を用いる。抗不安薬であり、身体依存を形成し、モルヒネ型の離脱症状に似た症状がみられる。
5.× 患者に拒否的な家族にも自助グループへの参加を勧める。自助グループ(セルフヘルプグループ、当事者グループ)は、家族の参加が必要なく同じ問題や悩みを抱える者同士が集まり、自分の苦しみを訴えたり、仲間の体験談を聞いたりすることで問題を乗り越える力を養っていくグループ活動である。心理教育、内省などによって治療への動機づけを行いながら、仲間づくりや断酒会などの自助グループへの参加、生活設計の立て直しを行っていく。
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問題文正答率:50.00%
44
統合失調症の回復過程の急性期における作業療法として適切なのはどれか
解説・コメント
1.× 身体感覚の獲得は、うつ病の回復期前期の作業療法である。他にも、①生活リズムの獲得、②着実に自信を回復していくことが重要である。ただし、生活リズムの回復は、亜急性期と回復期に共通の作業療法の目的である。亜急性期は、幻聴・妄想などが活発な急性期を過ぎ、多少の精神症状は残存していても睡眠覚醒などの生活リズムが確立しているが、疲労感が強い時期である。一方、回復期は、疲労感が軽減してこれから社会復帰の準備を始めようとする時期であり、服薬や金銭の自己管理を支援し、学校や職場との連携を図る時期である。それぞれ亜急性期は睡眠リズムの確立、回復期は社会復帰を目指す日常生活リズムの獲得の意味合いに持つ。
2.〇 正しい。現実への移行の準備は、統合失調症の回復過程の急性期における作業療法である。統合失調症の急性期は、幻覚(幻聴が多い)、妄想、自我障害(させられ体験、思考吹入、思考察知)、自閉、興奮が強い時期である。特に、幻覚や妄想、自我障害がみられているため、現実への移行の準備が必要である。回復期において、少しずつ現実世界へ関心を向けられるようアプローチしていく。
3.× 身辺処理能力の回復は、回復期(前期)の目標である。
4〜5.× 生活管理能力の改善(生活技能の改善)/対人交流技能の改善(社会への参加)は、維持期の目標である。
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問題文正答率:50.00%
45
自閉症スペクトラム障害患者が就労継続支援 A 型事業所を利用する際の作業療法士の対応として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× あえて「巧緻性が要求される」作業を任せる必要はない。むしろ、それがストレスとなり、蓄積され、心身の症状が悪化し、結果として表れることも考えられる。
2.〇 正しい。事業所での経験を振り返るための面接をする。なぜなら、振り返ることで、得意・不得意と不得意に対する対策の話し合いができるため。また患者自身で自己理解にも寄与される。振り返りシートを作成することにより、より面談内容が構造化・可視化され円滑に進む。
3.5.× 事業所内のルールについてはその都度伝えること/利用者同士で行う流れ作業から導入することの優先度は低い。なぜなら、ASD(自閉スペクトラム症)の多くは、変化に対処することを苦手とし、自分が決めた手順、興味ある事柄や活動などに強くこだわる傾向があるため。
4.× 利用開始時に苦手な場面から慣らしていくことの優先度は低い。なぜなら、ASD(自閉スペクトラム症)の多くは、変化に対処することを苦手とし、自分が決めた手順、興味ある事柄や活動などに強くこだわる傾向があるため。
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問題文正答率:50.00%
46
前頭側頭型認知症患者への作業療法士の対応として適切なのはどれか
解説・コメント
1.× あえて活動の中で「複雑な判断」を本人に求めるようにする必要はない。認知症の作業療法は、①自信や安心感を取り戻せる、②リハビリと感じにくいもの、③馴染みの作業(混乱・困惑を防ぐ)ことが望ましい。
2.× 口頭指示が理解できない場合は、「紙に書いて伝える」のではなく「実際に見せて模倣してもらう」。前頭側頭型認知症(Pick病)の聴覚への障害は起こらない。
3.× 参加の拒否に対しては、活動の内容を丁寧に説明する必要はない。認知症患者には、丁寧な説明や説得よりも、患者にペースを合わせて、共感・受容が大切である。
4.× 常同行動(同じことにこだわり繰り返す)に対しては、別の行動に切り替えるように促す必要はない。常同行動に対し、ルーティン化療法があり、よい習慣を毎日のスケジュールとしてルーティン化することで生活改善を行う。
5.〇 正しい。食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。認知症による過食は、一時的な症状だといわれていることが多い。他にも、過食に対する方法として、①食器をすぐに片付けない、②カロリー計算をして二次的な病気を起こさないようにする、③レクリエーションなどに誘うなどがあげられる。
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問題文正答率:50.00%
47
家族心理教育について正しいのはどれか。
解説・コメント
家族心理教育とは、家族が病気を正しく理解し、適切な対応や望ましい接し方を身につけることを目的とする。病気による行動特性を理解し、症状に対する適切な対応と接し方を学ぶことができ、治療効果の増進・再発防止にもつながる。
1.× 単発ではなく「複数回」の実施が一般的である。多くの場合、最初に1時間程度の情報提供があり、その後1時間から2時間のグループワークを行う。 これをワンクールで4~5回実施するが、もともとこの方法が最初に用いられた統合失調症の場合はその後、情報提供なしのグループセッションのみを4〜5回続ける場合が多い。
2.× 家族を精神疾患の原因と捉えるといったものではない。精神疾患の原因は主に①脳の器質的な障害(頭部外傷など)、②脳の何らかの機能異常(統合失調症など)、③心理的ストレス(PTSD)などである。
3.× 治療者から家族への指示が重視されるといったものではない。家族心理教育とは、家族が病気を正しく理解し、適切な対応や望ましい接し方を身につけることを目的とする。病気による行動特性を理解し、症状に対する適切な対応と接し方を学ぶことができ、治療効果の増進・再発防止にもつながる。
4.〇 正しい。家族の対処能力が向上することを目指す。なぜなら、感情表出(EE)の強い(高い)家族のもとでは患者の症状は悪化しやすいとされるため。患者との接触を増やし、家族には家族心理教育では感情表出を抑えるような指導教育が行われる。EE< expressed emotion >とは、感情表出のことである。患者と接するときに家族に生じた主に否定的な感情を家族がありのままに表すことをいう。
5.× 当事者と同居する家族のみが対象と限定されていない。ただ当事者と同居する家族のほうが家族心理教育の優先度は高くなる。
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問題文正答率:50.00%
48
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律〈心神喪失者等医療観察法〉について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 裁判官ではなく「検察官」が処遇を申し立てる。心神喪失等の状態で重大な他害行為を行い、不起訴や無罪になった人については、検察官から地方裁判所に、適切な処遇の決定を求める申立てがなされる。 申立てを受けた裁判所では、裁判官と精神科医(「精神保健審判員」という。)それぞれ1名から成る合議体を構成し、両者がそれぞれの専門性をいかして審判を行うことになる。
2.× 対象行為に窃盗が含まれない。「重大な他害行為」とは、①殺人、②放火、③強盗、④強姦、⑤強制わいせつ、⑥傷害の6つである。
3.〇 正しい。対象者の社会復帰の促進が目的である。医療観察法とは、重大な他害行為を行った精神障害者に医療を受けさせ、犯罪の再発を防ぎ社会復帰の促進が目的である。
4.× 入退院の処遇は、簡易裁判所ではなく「地方裁判所」で判断される。まず、検察官が地方裁判所に申し立てを行う必要がある。
5.× 社会復帰調整官は、指定入院医療機関の退院決定時からではなく「鑑定入院時から」対象者と関わる。対象者(精神障害者)の生活環境調査を行う。指定入院医療機関の退院決定からは、対象者の社会復帰に向けてのケア会議を開催するなど、本法での中心的な役割をもつ。
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問題文正答率:50.00%
49
就労した障害者が一般企業での就労を継続する際に、就職後6か月を経てから利用できる障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づくサービスはどれか。
解説・コメント
1.× 就労移行支援は、就業が可能と思われる65歳未満の障害者に対して、就業のために必要な知識や技能を身に付けてもらう。2年(特例で3年)が限度である。
2.× 就労継続支援A型(雇用型)は、通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者が対象である。期限の設定はない。
3.× 就労継続支援B型(非雇用型)は、通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労も困難である者が対象である。期限の設定はない。
4.〇 正しい。就労定着支援は、就労した障害者が一般企業での就労を継続する際に、就職後6か月を経てから利用できる障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)に基づくサービスである。就労定着支援とは、就労移行支援、就労継続支援などの利用を経て、通常の事業所に新たに雇用され6か月を経過したもので3年が限度である。障害者の就労や、就労に伴って生じている生活面での課題を解決し、長く働き続けられるようにサポートする。就労に伴う環境変化などの課題解決(①生活リズム、②家計や体調の管理など)に向けて、必要な連絡調整や指導・助言などの支援を実施する。
5.× 生活訓練(自立訓練)は、知的障害者・精神障害者に対して、自立した日常生活ができるように訓練や助言をするものである。現在、本症例は、ADLは自立し生活リズムも整っている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4267🔗
問題文正答率:50.00%
50
精神科作業療法のインフォームドコンセントについて適切なのはどれか
解説・コメント
インフォームドコンセントは、「十分な説明を受けたうえでの同意・承諾」を意味する。医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行うことを指す。診断結果の伝達には「癌の告知」という重要な問題も含まれる。インフォームドコンセントを受けることで医師、薬剤師とのコミュニケーションがよくなり、信頼関係が高まるほか、治療や薬の必要性が理解できるので、患者さんがより積極的に治療に参加できるようになる。また、医師の考えがわかれば患者さんも意見をいうことができ、不安感をなくすことにもつながる。
1.× 作業種目を変更する場合にも同意は必要である。治療法(作業種目)の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行う。
2.× 医療保護入院の入院患者にも同意は必要がある。本問題は、精神科作業療法のインフォームドコンセントについて問われており、医療保護入院の入院患者にも、医療者側から診断結果を伝え、治療法の選択肢を提示し、予想される予後などについて説明したうえで、患者自らが治療方針を選択し、同意のもとで医療を行う。ただし、医療保護入院については、本人の同意は得られないが保護者の同意が得られる場合、精神保健指定医1名の診察により行われる入院できる。
3.× 言語理解が困難な場合は、誘導しながら本人と同意を得ると後々家族や親族とトラブルになりかねない。患者に意識障害があったり、認知症などのために判断能力(意思能力)を欠くために、患者自身の意思が確認できない場合は、家族など代理人の同意にて実施する。
4.〇 正しい。活動内容の説明は、良好な患者―治療者関係の構築に必要である。インフォームドコンセントを受けることで医師、薬剤師とのコミュニケーションがよくなり、信頼関係が高まるほか、治療や薬の必要性が理解できるので、患者さんがより積極的に治療に参加できるようになる。また、医師の考えがわかれば患者さんも意見をいうことができ、不安感をなくすことにもつながる。
5.× 精神症状が重篤な場合でも、患者の同意よりも治療効果が優先されることはない。患者は一度同意しても、無条件でいつでも同意を撤回でき、精神症状が重篤な場合でも患者の同意が優先されるべきである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4268🔗
問題文正答率:50.00%
51
運動軸が2つの関節はどれか。
解説・コメント
1.× 環軸関節は一軸性関節である。ちなみに、車軸関節に分類される。
2.× 距腿関節は一軸性関節である。ちなみに、らせん関節に分類される。
3.× 肩鎖関節は多軸性関節(三軸性関節)である。ちなみに、平面関節に分類される。
4.〇 正しい。橈骨手根関節は二軸性関節である。ちなみに、顆状関節(楕円関節)に分類される。
5.× 腕尺関節は一軸性関節である。ちなみに、らせん関節に分類される。
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問題文正答率:50.00%
52
筋滑車がみられる筋はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 烏口腕筋の【起始】烏口突起、【停止】上腕骨の内側面の中部である。
2.〇 正しい。顎二腹筋は、筋滑車がみられる。ちなみに、顎二腹筋の【起始】側頭骨の乳突切痕(後腹)、【停止】(前腹)下顎骨全部後面の二腹筋窩である。下顎骨を固定時は舌骨を引き上げ、舌骨を固定時は下顎骨を引き下げる(開口)。
3.× 示指伸筋の【起始】尺骨後面下部、前腕骨間膜背面、【停止】第2指の指背腱膜である。
4.× 小胸筋の【起始】第2(3)~5肋骨表面、【停止】肩甲骨の烏口突起である。
5.〇 正しい。上斜筋は、筋滑車がみられる。眼球の動きにかかわり、上斜筋は滑車神経が司る。
https://ja.mondder.com/fq?id=4270🔗
問題文正答率:50.00%
53
神経核が橋に位置するのはどれか。
解説・コメント
中脳と橋、延髄にある脳神経核
【中脳】
Ⅲ:動眼
Ⅳ:滑車
Ⅴ:三叉
【橋】
Ⅵ:外転
Ⅶ:顔面
Ⅷ:前庭
【延髄】
Ⅸ:舌咽神経
Ⅹ:迷走神経
Ⅺ:副神経
Ⅻ:舌下神経
3.〇 正しい。顔面神経は、神経核が橋に位置する。他にも外転神経や前庭神経が存在する。
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問題文正答率:50.00%
54
運動神経線維のみの脳神経はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。滑車神経(Ⅳ)は、主に眼球の運動(上斜筋)を司る。運動神経である。
2.× 三叉神経(Ⅴ)は、主に咀嚼筋の咀嚼運動と顔面の皮膚感覚を司る。運動神経と感覚神経を含む。
3.× 顔面神経(Ⅶ)は、主に①表情筋の支配、②涙腺・唾液腺の分泌調整、③舌の前2/3からの味覚を伝える働きを持つ。運動神経と感覚神経、副交感神経を含む。
4.× 舌咽神経(Ⅸ)は、咽頭部の表在感覚を支配する。他にも、舌後1/3の味覚、 温痛覚、 触覚や耳下腺の唾液分泌を支配する。
5.〇 正しい。舌下神経(Ⅻ)は、舌の運動を支配する。運動神経である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4272🔗
問題文正答率:50.00%
55
脊髄について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体は、後根神経節に存在する。体性感覚性神経系には、触覚・固有覚(位置覚と振動覚)を伝える後索・内側毛帯路と、温痛覚(温度覚と痛覚)を伝える脊髄視床路の二つの伝導路がある。どちらの伝導路も、感覚受容器から大脳皮質に情報が伝わるまでに3種類のニューロンがかかわっている。このニューロンを末梢から順に一次・二次・三次ニューロンという。①一次ニューロンは、脊髄後根神経節に細胞体があり、そこから末梢の感覚受容器と脊髄の両側に軸索を伸ばしている。触覚・固有覚の経路(後索・内側毛帯路)では、一次ニューロンは脊髄に入ると同側の後索を上行する。第六胸髄以下のニューロンは後索の内側寄りにある薄束を通る。それより上のニューロンは後索の外側にある楔状束を通る。一次ニューロンは、延髄に入るとそれぞれ薄束核、楔状束核と呼ばれる神経核でシナプスを形成しニューロンを交代する。②二次ニューロンは、延髄で交叉(左右のニューロンが入れ替わる)し、内側毛帯と呼ばれる束になってさらに上行して視床の後外側腹側核(VPL核)に入り、三次ニューロンとシナプスを形成する。③三次ニューロンは、視床から大脳の内包後脚を通り、頭頂葉の中心後回(ブロードマンの脳地図の3,1,2野)にある感覚野に至る。
2.× 大部分を神経細胞の細胞体が占めるのは、「白質(髄質)」ではなく「灰白質(皮質)」である。
4.× 深部感覚は、前索ではなく「後索」を上行する。
振動覚、位置覚の経路は、「後根→後索(下肢からの線維は薄束を通って薄束核に終わり、上肢からの線維は楔状束を通って楔状束核に終わる)→延髄(後索核)→毛帯交叉→内側毛帯→視床後外側腹側核→感覚野」となる。
5.× 温痛覚は、後索ではなく「側索」を上行する。
外側脊髄視床路(温痛覚・粗大触圧覚)の経路は、「感覚神経→脊髄後角→(交叉)→脊髄側索→視床→後脚→大脳皮質体性知覚野」となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4273🔗
問題文正答率:50.00%
56
一側のみにある動脈はどれか。
解説・コメント
1~4.× 腋窩動脈/鎖骨下動脈/総頚動脈/内頚動脈は、左右どちらにもある動脈である。
5.〇 正しい。腕頭動脈は一側のみにある動脈である。左頭頸部と左上肢へは、それぞれ大動脈弓から左総頚動脈・左鎖骨下動脈に分かれる。
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問題文正答率:50.00%
57
腎臓について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 腎錐体は、皮質ではなく「髄質」にある。腎乳頭は、髄質の腎門に向かって、円錐形を呈する8~16個の腎錐体があり、その突出している先端の事である。つまり、腎髄質が腎盂部分に乳頭上に突出した部分である。
2.× 一側の重さは、約300gではなく「約120~150g」である。大きさは縦10~12cm、横5~6cmのそら豆程度といわれる。左腎のほうが右腎と比べて少し高い位置にある。
3.〇 正しい。エリスロポエチンを分泌する。エリスロポエチンは、腎臓から分泌され、赤血球を増加(骨髄での赤血球新生の促進)させる。他にも血液上昇を促す。腎臓は他にレニンが産生される。
4.× 左腎は右腎より約1.5cm「下位」ではなく「上位」にある。肝臓があるからといわれている。
5.× 安静時の腎血流は、心臓から拍出される血液の約5%ではなく「約20%」である。ちなみに、他の数値は、脳:15%、心臓を栄養する冠動脈:5%、腹部臓器:35%、筋肉:15%、その他皮膚や骨:10%である。
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問題文正答率:50.00%
58
胸部の解剖について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 縦隔後面は、心臓ではなく「大動脈や食道」である。縦隔とは、左右の肺に挟まれた空間で、心臓、大血管、気管気管支、食道、胸腺などの臓器が存在する場所を指す。
2.× 肺栄養血管は、肺動脈ではなく「気管支動脈」である。ちなみに、肺動脈は、心臓の右心室から肺へ血液を送り出す動脈であり、静脈血を運ぶ唯一の動脈である(胎児の臍帯動脈を除く)。
3.× 区域気管支は、左右5本ずつではなく「右10本、左8本」ある。左右差がある理由は、左肺は右肺に比べS1とS2が一緒になっていること、S7がないためである。
4.× 胸骨柄と関節を形成するのは、第3肋骨ではなく「第2肋骨」である。第3肋骨は、肋軟骨を介して胸骨体と接している。
5.〇 正しい。臓側胸膜と壁側胸膜は連続している。胸膜は、臓側と壁側とに分けられ連続しており、陰圧の胸膜腔を形成している。
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問題文正答率:50.00%
59
右足部の内側面を図に示す。
矢印の骨に付着する筋はどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。後脛骨筋は、舟状骨に付着する。後脛骨筋の【起始】下腿骨間膜の後面上半、下腿骨間膜に接する脛骨と腓骨、【停止】舟状骨粗面、内側、中間、外側楔状骨、立方骨、第2~3中足骨底である。
2.× 第三腓骨筋の【起始】前下腿筋間中隔の下部、腓骨の前縁、【停止】第5中足骨底背側である。
3.× 短腓骨筋の【起始】腓骨外側面、前下腿筋間中隔、【停止】第5中足骨粗面である。
4.× 短母指伸筋の【起始】踵骨前部の背面、【停止】母趾の基節骨底である。
5.× 虫様筋の【起始】4つある。長趾屈筋の4腱から出る。第1虫様筋:第2趾腱の母趾側。第2~4虫様筋:隣り合う腱の相対する面(2頭)、【停止】第2~5趾の趾背腱膜、基節骨である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4277🔗
問題文正答率:50.00%
60
細胞小器官のうち ATP を合成するのはどれか。
解説・コメント
1.× 小胞体は、脂質やステロイドの合成、タンパク質の折りたたみや成熟化、カルシウム貯蔵、および解毒を担う。
2.× 中心小体は、細胞分裂の開始に関わる。細胞分裂を開始する前に中心小体が分裂し、紡錘体を形成するなどの役割を持つ。
3.× ゴルジ装置(Golgi装置)は、蛋白質を修飾する。リボソームで生成され送り込まれてきた蛋白質に糖鎖を付け加える、濃縮するなどの修飾をする機能を持つ。
4.× リソゾーム(リソソーム、ライソゾーム、水解小体とも)は、細胞質内代謝物の消化と貯蔵に関与する。
5.〇 正しい。ミトコンドリアはATP(エネルギー)を合成する。TCAサイクルに関与する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4278🔗
問題文正答率:50.00%
61
遺伝情報伝達について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 染色体のDNAは、三重鎖らせん構造ではなく「二重鎖らせん構造」をしている。塩基にはプリン塩基であるアデニンとグアニン、ピリミジン塩基であるシトシン、チミン、ウラシルがある。アデニン、グアニン、シトシンはDNA・RNAに共通であるが、チミンはDNAにのみ、ウラシルはRNAにのみ存在する。特殊な例を除き、DNAは2本鎖、RNAは1本鎖である。
2.× DNAから塩基配列が転写されるのは、tRNA(転移RNA)ではなく、伝令RNA(mRNA)である。一方、tRNA(転移RNA)の働きは、アミノ酸を結合し、タンパク質の合成の場(リボソーム)に供給する。
3.× スプライシングを受けるのは、リボソームRNAではなく「mRNA(伝令RNA)」である。スプライシングとは、DNAから転写されたmRNA(伝令RNA)前駆体に含まれるタンパク質合成に不必要な部分(イントロン)を除き、必要な部分(エキソン)を連結する反応である。一方、リボソームRNAはリボソームの骨格をなすRNA分子で、タンパク質合成の中枢を担う全生物にとって必須の分子である。リボソームRNAは、量的にも細胞中の全RNAの約60%を占める最多のRNA分子である。
4.〇 正しい。mRNA(伝令RNA)の3つの塩基の組合せがアミノ酸を決定する。3個の塩基の組み合わせが1つの暗号(コドン)の単位を形成し、RNAはチミンがなく、代わりにウラシルが存在する。
5.× ゲノム上のイントロンの遺伝情報が、蛋白へ翻訳されるのではなく「されない」。スプライシングとは、DNAから転写されたmRNA(伝令RNA)前駆体に含まれるタンパク質合成に不必要な部分(イントロン)を除き、必要な部分(エキソン)を連結する反応である。つまり、タンパク質合成に不必要な部分(イントロン)は、転写はされるが最終的に機能する転写産物からスプライシング反応によって除去される塩基配列である。 つまり、アミノ酸配列(蛋白)には翻訳されない。 スプライシングによって除去されず、最終的にアミノ酸配列に翻訳される部位をエキソンと呼ぶ。
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問題文正答率:50.00%
62
深部腱反射について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 感覚入力は、Ⅲ群求心性線維ではなく「Ia群求心性線維」を介する。ちなみに、Ⅲ群求心性線維は、温度感覚・痛覚刺激の求心性線維である。
2.〇 正しい。運動出力はα運動神経を介する。筋紡錘が引き延ばされたことをIa群神経線維が伝え、a運動神経が筋を収縮させる。
3.× 受容器となるのは、錘外筋線維ではなく「筋紡錘」である。Ia群求心性線維(Aα)は、筋紡錘を支配している。筋が伸張したことを伝える。一方、α運動線維(Aα)は、錘外筋線維を支配する。収縮命令を伝える。
4.× 反射闘値は一定ではない。Jendrassik法(イェンドラシック法)を用いることで機能的に低下した反射を増強できる。
5.× 高齢者では亢進ではなく「低下」する。ただし、非対称である場合と増強法を用いても反射がみられない場合は異常である。反射が低下する要因の一つとして、神経の伝達速度の低下があげられる。これは、加齢により神経を取り囲む髄鞘に変性が起きるためといわれている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4280🔗
問題文正答率:50.00%
63
自律神経の二重支配を受けるのはどれか。
解説・コメント
1.× 汗腺(発汗)は、交感神経優位で分泌活動が増加する。
2.〇 正しい。膵臓は自律神経の二重支配を受ける。交感神経でインスリン分泌低下、副交感神経でインスリン分泌亢進を行う。
3.× 脾臓は、交感神経(大内臟神経)の支配を受ける。脾臓は、乳幼児期の血球(赤血球・白血球・血小板)産生の担い手である。また、古くなった血球を処分したり、血液を貯えたりする働きのほかに、リンパ球(白血球の一種)の産生や血液中の異物の処理など免疫に関する働きもする。
4.× 立毛筋(立毛筋収縮)は、交感神経優位で収縮(鳥肌)となる。
5.× 副腎髄質は、交感神経支配を受ける。副腎髄質から分泌されるホルモンは、①アドレナリン、②ノルアドレナリン、③ドーパミンがあり、これらを総称してカテコールアミンという。
https://ja.mondder.com/fq?id=4281🔗
問題文正答率:50.00%
64
酸塩基平衡で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 正常の動脈血のpHは、6.4ではなく「7.4±0.05」である。血液やリンパ液などの体液は、すべて弱アルカリ性である。pHが高くなるほどアルカリ性へと傾く。
2.× 嘔吐では代謝性アシドーシスではなく「代謝性アルカローシス」になる。なぜなら、嘔吐により胃液(酸性)が失われるため。
3.〇 正しい。過換気では呼吸性アルカローシスになる。なぜなら、過換気により呼気に含まれる二酸化炭素(酸性)が失われるため。
4.× 呼吸性アルカローシスでは尿は、酸性ではなく「アルカリ性」になる。なぜなら、体液循環により、アルカローシスの状態(アルカリに傾いている状態)から元に戻そうとする作用を示すため。
5.× Kussmaul呼吸がみられるのは、代謝性アルカローシスではなく「代謝性アシドーシス」である。Kussmaul呼吸とは、深く大きい呼吸のことである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4282🔗
問題文正答率:50.00%
65
唾液分泌について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 1日の分泌量は、約100mLではなく「1000〜1500mL」である。ただし、個人差も多く、季節・年齢・性別・身体状況・服用薬剤などによって変動する。
2.× 分泌速度が増すとpHは、低下ではなく「上昇」する。なぜなら、唾液には緩衝作用(pHを中性に戻す作用)や抗菌作用があるため。口腔内のpHは、平均6.8(中性に近い弱酸性)である。食事をすると、口腔内細菌が食物中の砂糖を餌にして酸を産生し、口腔内はさらに酸性へと傾く。それに対し、唾液が緩衝作用の働きをする。
3.× 加齢により分泌量は、増加ではなく「減少」する。その結果、細菌が増殖しやすくなり口臭が目立つようになる。
4.× 唾液分泌中枢は、中脳ではなく「延髄」にある。唾液腺の副交感神経と交感神経の一次中枢はそれぞれ延髄の外側網様体と胸髄の上部に位置している。これらの中枢は主に視床下部の支配下にあり、これに加えて口腔感覚の中継核や大脳辺縁系、大脳皮質が影響を及ぼすと考えられる。
5.〇 正しい。糖質(デンプン)を分解する。唾液に含まれる唾液アミラーゼ(プチアリン)は、デンプンを二糖類の麦芽糖(マルトース)に分解する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4283🔗
問題文正答率:50.00%
66
近位尿細管に分泌されるのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。H+は、近位尿細管から分泌される。他にも、遠位尿細管や集合管から分泌されている。
2.× K+を近位尿細管が再吸収している。ただし、遠位尿細管や集合管から分泌されている。
3.× Na+は、遠位尿細管から分泌される。
4〜5.× Ca2+/HCO3-(重炭酸イオン)を遠位尿細管が再吸収している。
https://ja.mondder.com/fq?id=4284🔗
問題文正答率:50.00%
67
下垂体前葉から分泌されるホルモンはどれか。
解説・コメント
1.× メラトニン(概日リズム調整ホルモン)は、松果体から分泌される。他にも、松果体は、性腺刺激ホルモンの分泌抑制に関与する。
2.× オキシトシンは、下垂体後葉から分泌される。射乳の促し、分娩を促進する。
3.× バソプレシン(ADH:抗利尿ホルモン)は、下垂体後葉から分泌される。
4.〇 正しい。プロラクチン(催乳ホルモン)は、下垂体前葉から分泌されるホルモンである。ちなみに、プロラクチン放出ホルモンは視床下部から分泌される。乳腺の発育と乳汁の産生に働く。
5.× テストステロン(アンドロゲン、男性ホルモン)は、主に精巣(睾丸)で、わずかに副腎皮質から分泌される。
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問題文正答率:50.00%
68
体温について正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
厚労省の採点結果では、回答なし問題となっている。
以下の参考程度に解説を示してみる。
1.× 体温調節中枢は、延髄ではなく「間脳の視床下部」にある。視床下部の働きは、体温調節、下垂体ホルモンの調節、摂食行動、性行動、睡眠などの本能行動の中枢である。
2.〇 正しい。末梢血管収縮で熱放散が低下する。なぜなら、皮膚の血流量は減少するため。
3.× 体表で測定できるのは、「核心温度」ではなく「外殻温度」である。一方、核心温度は、環境の変動によっても温度が変化しない生態の核心部(中心部)の温度である。外殻温度と異なり体温調節により一定に調節されている。実際に、核心温度を常時測定するのは不可能であるが、最も核心温度に近いのは、直腸の温度であり37℃を超える。直腸温と腋窩温は1℃近くの差がある。
4.× 甲状腺ホルモンは、熱生産を低下ではなく「増加」させる。なぜなら、代謝亢進作用があるため。
5.× 乳幼児は成人より体温調節機能が「高い」のではなく低い。なぜなら、成人と比べて、乳幼児は体温を調整する機能が未熟であるため。また、他の理由としては、外的因子が体温に影響を及ぼしやすいため。室温や衣類、食事、外出、運動、入浴などでも、一時的に体温が上昇しやすい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4286🔗
問題文正答率:50.00%
69
強制吸気時に働くのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。横隔膜/外肋間筋は、強制吸気時(安静吸気)に働く。強制吸気とは、治療用噴霧、吸入、呼吸装置や治療用噴霧、吸入、呼吸装置などの分野において活用される。安静吸気が微弱であることがベースであるため、強制吸気時でも安静吸気時に働いている。
2.× 腹直筋は、努力呼気に働く。胸郭の前部を引き下げまたは骨盤の前部を引き上げ、また脊柱を前方に曲げる。
3.× 肋下筋は、内肋間筋に連続して存在し、内肋間筋の後方に存在する。ちなみに、内肋間筋は努力呼気に働く。外肋間筋と反対に肋骨を引き下げて胸郭を狭める(呼息)。
5.× 内腹斜筋は、上体を同側に回す。また、腹圧を高め、腹式呼吸のとき呼息を行う。
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問題文正答率:50.00%
70
筋と作用の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 頬筋は、頬をふくらませるのではなく「頬をすぼめる」。また、風船を膨らませるように強く空気を吹き出す時に働く歯と頬壁の間に挟まった食物を追い出す。
2.× 咳筋は、下顎を引き下げるのではなく「引き上げる」。頬筋は、口裂を閉鎖する。頬壁を形成し、これを歯列に押しつける、風船を膨らませるときのような強く空気を吹き出す時に働くしたがって口唇を狭めるときに作用する。
3.〇 正しい。前頭筋は、眉を持ち上げる。眉弓を引き上げ前頭部に皺(しわ)を作る。
4.〇 正しい。側頭筋は、下顎を持ち上げる。咀嚼筋は一般に、①咬筋、②側頭筋、③外側翼突筋、④内側翼突筋の4種類である。
5.× 内側翼突筋は、唇をすぼめるのではなく「下顎を引き上げる」。
https://ja.mondder.com/fq?id=4288🔗
問題文正答率:50.00%
71
肩甲骨の上方回旋に作用する筋はどれか。
解説・コメント
1.× 広背筋の作用は、肩関節内転、伸展、多少内旋である。ちなみに、【起始】第6~8胸椎以下の棘突起、腰背腱膜、腸骨稜、第(9)10~12肋骨および肩甲骨下角、【停止】上腕骨の小結節稜である。
2.〇 正しい。前鋸筋の作用は、全体:肩甲骨を前方に引く。下2/3:下角を前に引いて肩甲骨を外方に回旋し、上腕の屈曲と外転を補助。最上部:肩甲骨をやや引き上げる。ちなみに、【起始】第1~8(~10)肋骨前外側面、【停止】第1,2肋骨とその間の腱弓からの筋束は肩甲骨上角。第2,3肋骨からは分散して広く肩甲骨内側縁。第4肋骨以下からは下角。である。
3.× 菱形筋(大・小ともに)の作用は、肩甲骨を内上方に引く。
4.× 肩甲下筋の作用は、肩関節内旋である。ちなみに、【起始】肩甲骨肋骨(肩甲下窩)と筋膜内面、【停止】上腕骨前面の小結節、小結節稜上端内側である。
5.× 肩甲挙筋の作用は、肩甲骨を内上方に引く。ちなみに、【起始】第1~(3)4頸椎の横突起後結節、【停止】肩甲骨の上角と内側縁の上部である。
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問題文正答率:50.00%
72
膝関節屈曲と足関節底屈の両方に作用する筋はどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1.× 足の長指屈筋の作用は、足関節底屈・足趾屈曲である。【起始】脛骨後面、【停止】第2~5末節骨底である。
2.× 後脛骨筋の作用は、足関節底屈、内返しである。【起始】下腿骨間膜の後面上半、下腿骨間膜に接する脛骨と腓骨、【停止】舟状骨粗面、内側、中間、外側楔状骨、立方骨、第2~3中足骨底である。内返しは、回外・内転・底屈の複合であるため、△とした。
3.× 膝窩筋の作用は、膝関節屈曲・脛骨内旋である。【起始】大腿骨外側上顆の外側面、【停止】脛骨後面上内側部(ヒラメ筋線より上)である。
4.〇 正しい。足底筋の作用は、下腿三頭筋の働きを助ける。【起始】大腿骨外側上顆および膝関節包、【停止】踵骨隆起である。
5.〇 正しい。腓腹筋の作用は、膝関節屈曲、足関節底屈、踵の挙上である。【起始】外側頭:大腿骨外側上顆、内側頭:大腿骨内側上顆、【停止】踵骨腱(アキレス腱)となり踵骨隆起後面の中部である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4290🔗
問題文正答率:50.00%
73
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と移動軸の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 股屈曲の【移動軸】は、下腿中央線ではなく「大腿骨(大転子と大腿骨外果の中心を結ぶ線)」である。ちなみに、【基本軸】体幹と平行な線、【測定部位及び注意点】は、①骨盤と脊柱を十分に固定する、②屈曲は背臥位(膝屈曲位で行う)、③伸展は腹臥位(膝伸展位で行う)。
2.× 股内旋の【移動軸】は、大腿骨ではなく「下腿中央線(膝蓋骨中心より足関節内外果中央線)」である。ちなみに、【基本軸】膝蓋骨より下した垂直線、【測定部位及び注意点】は、①背臥位で、股関節と膝関節を90°屈曲位にして行う。②骨盤の代償を少なくする。
3.〇 正しい。股外転の【移動軸】は、大腿中央線(膝蓋骨中心を結ぶ線)である。ちなみに、【基本軸】両側の上前腸骨棘を結ぶ線への垂直線、【測定部位及び注意点】は、①背臥位で骨盤を固定する、②下肢は外旋しないようにする内転の場合は、反対側の下肢を屈曲挙上してその下を通して内転させる。
4.× 膝屈曲の【移動軸】は、脛骨ではなく「腓骨(腓骨頭と外果を結ぶ線)」である。ちなみに、【基本軸】大腿骨、【測定部位及び注意点】は、屈曲は股関節を屈曲位で行う。
5.× 足底屈の【移動軸】は、第1中足骨ではなく「足底面」である。ちなみに、【基本軸】矢状面における腓骨長軸への垂直線、【測定部位及び注意点】は、膝関節を屈曲位で行う。(2022年改定)
https://ja.mondder.com/fq?id=4291🔗
問題文正答率:50.00%
74
正常歩行について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。足関節は1歩行周期に背屈と底屈とが2回生じる。
2.× 股関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが、2回ではなく「1回」生じる。
3.× 膝関節は1歩行周期に伸展と屈曲とが、1回ではなく「2回(二重膝作用:ダズルニーアクション)」生じる。
4.× 一側下肢の立脚相と遊脚相の割合は、7:3ではなく「6:4」ある。
5.× 高齢者では歩行比が、大きくなるではなく「下がる」。歩行比とは、歩幅と単位時間当たりの歩数との比のことである。歩行比=歩幅÷歩行率で求められる。ちなみに、高齢者の歩行では、「歩行速度・歩幅・歩行率」が減少する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4292🔗
問題文正答率:50.00%
75
組織の再生能力が最も高いのはどれか。
解説・コメント
1.× 角膜(上皮)の基底細胞は、活発に細胞分裂を行っている。上皮細胞のターンオーバーは、通常7~10日といわれている。ただし、角膜内皮細胞は、一度死ぬと二度と再生することはない。
2.〇 正しい。骨髄の再生能力が選択肢の中で最も高い。骨髄は、骨の中心部のことを指し、血液細胞(白血球、赤血球、血小板)をつくる組織のことである。骨髄には、造血幹細胞と呼ばれる、すべての血液細胞に成長でき、かつ自分自身も複製することができる「血液の種」のような細胞が存在している。造血幹細胞はいろいろな血液細胞を作る能力だけでなく、自分自身を複製する能力も持っている。このため造血幹細胞は高い再生能力を示し、骨髄移植などの再生医療に用いられている。
3.5.× 横紋筋(骨格筋や心筋)は、③細胞分裂しない細胞である。心筋梗塞などによって壊死した心筋は再生しない。
4.× 神経の再生は、損傷の程度による。一過性神経伝導障害(ニューラプラキシア:neurapraxia)の場合、損傷部で伝導が障害されてはいるが一過性であり、早期に自然回復するため、末梢神経損傷で予後が最も良い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4293🔗
問題文正答率:50.00%
76
骨転移を最も生じやすいのはどれか。
解説・コメント
骨転移の頻度が特に高いのは、女性では乳癌・男性では前立腺癌である。各がん種の骨転移患者の割合は以下の通りである。①乳がん 21.6(%)、②肺がん 21.2(%)、③前立腺がん 7.6(%)、④腎がん 7.5(%)、⑤胃がん 6.8(%)、⑥子宮がん 6.6(%)、⑦肝臓がん 5.1(%)、⑧大腸がん 4.0(%)、⑨甲状腺がん 3.5(%)、⑩膀胱がん 1.7(%)、⑪食道がん 1.6(%)、⑫膵臓がん 1.4(%)である。
1.× 胃癌は、6.8(%)である。
2.× 肝臓癌は、5.1(%)である。
3.〇 正しい。前立腺癌は、選択肢の中で骨転移を最も生じやすい。骨転移の頻度が特に高いのは、女性では乳癌・男性では前立腺癌である。全体でも前立腺がん は、7.6(%)を占める。
4.× 大腸癌は、4.0(%)である。
5.× 膀胱癌は、1.7(%)である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4294🔗
問題文正答率:50.00%
77
呼吸機能検査について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。呼吸筋力の低下で肺活量は低下する。なぜなら、呼吸筋力が低下することで、十分な空気を吸い込むことが困難になるため(肺活量の低下)。他にも、血中酸素の低下(低酸素血症)、二酸化炭素の上昇(高炭酸血症)が起こる。ちなみに、肺活量とは、[最大吸気量 + 予備呼気量]のことをいう。つまり、限界まで吸い、限界まで吐いたときの空気の量である。
2.× 気道抵抗が増加すると1秒率は、上昇ではなく「低下」する。気道抵抗とは、気道を流れる空気の「通りにくさ」を意味し、気道内径の変化を伴う気道障害の指標となる。喘息など閉塞性換気障害のある人では、呼気時の気道抵抗は著明に上昇する。一方、1秒率とは、息を努力して吐き出したときに呼出される空気量のうち最初の一秒間に吐き出された量の割合である。つまり、1秒率の上昇は「呼出される空気の量が増加」したこととなり良い指標となる。
3.× 肺拡散能の低下では最大呼気流量は、低下ではなく「増加」する。肺拡散能とは、肺胞から肺胞の毛細血管に酸素などのガスを供給する能力のことである。COPDの場合は、肺胞の破壊による肺胞ガス交換面積の減少と肺毛細血管床の減少(毛細血管の破壊)のために、肺拡散能が低下する。
4.× 肺コンプライアンスが低下すると機能的残気量は、増加ではなく「低下」する。肺コンプライアンスとは、肺の膨らみやすさの指標である。肺、胸郭にはたえず縮まろうとする性質(弾性)があり、コンプライアンスは弾性の逆数で表される。肺が線維化して固くなる疾患では肺コンプライアンスは低下し、逆に肺の過膨張をきたす肺気腫等の疾患では上昇する。一方で機能的残気量とは、安静時呼気位の後に残っている空気量のことをいう。機能的残気量は、胸郭の弾性収縮力の障害が大きい疾患(肺線維症、胸郭変形、胸膜肥厚)で減少する。
5.× 換気血流比不均等では肺胞気-動脈血酸素分圧較差が、低下ではなく「増加」する。換気/血流比不均等とは、肺胞換気量と肺循環血流量の比がばらつき、ガス交換効率の低下した状態をいう。 例えば、血流が換気よりも大きく障害された場合には、換気は可能であるがガス交換のための血流に乏しい状態が生じる。これを死腔様効果と呼ぶ。一方、肺胞気/動脈血酸素分圧較差とは、肺胞レベルのガス交換障害を判定する際に用いられる数値である。 正常値は5~15(年齢によって異なる)。 肺疾患によってガス交換に異常をきたすと較差が開大し、数値が増加する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4295🔗
問題文正答率:50.00%
78
下肢の深部静脈血栓症により塞栓をきたすことが最も多い臓器はどれか
解説・コメント
正解は2番の肺塞栓症である。
肺塞栓症とは、肺動脈に血栓が詰まる病気のこと。血栓の9割以上は脚の静脈内にでき、この血栓を「深部静脈血栓症」といい、それが血液の流れに乗って右心房、右心室を経由して肺動脈まで運ばれてきて、肺塞栓症の原因となる。肺塞栓症と深部静脈血栓症は、極めて関係が深い病気で、二つを合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれる。深部静脈血栓症患者の約50%は潜在性の肺塞栓症を有し、肺塞栓症患者の30%以上は証明可能な深部静脈血栓症患者を有すると報告されている。したがって選択肢2.肺が下肢の深部静脈血栓症により塞栓をきたすことが最も多い臓器といえる。
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問題文正答率:50.00%
79
欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平衡を保とうとする防衛機制はどれか。
解説・コメント
1.× 置き換えは、受け入れ難い自己の感情を、対象を別のものに移すことで解消すること。例:親を攻撃する代わりに飼っているネコをいじめる。
2.× 合理化は、欲求が満たされないとき、その耐え難い感情をかなり強引な理屈づけを行って処理しようとすること。異性に振られたとき、「あんな奴と付き合わない方が自分のためになる」などと思い込む。
3.〇 正しい。反動形成は、欲求を満たせないときに、正反対の欲求を発展させ心的平衡を保とうとする防衛機制である。
4.× 否認は、容認したくない感情、経験を実際には存在しなかったかのように振る舞うこと。異性から振られたのに自分から振ったのだと思い込む。
5.× 抑圧は、容認し難い自分の欲求を無意識のうちに抑えつけてしまうこと。例:性的欲求、攻撃性などを無意識のうちに抑える。
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問題文正答率:50.00%
80
自己暗示により催眠状態を作り出し心身をリラックスさせる方法はどれか
解説・コメント
1.× コラム法(思考記録表)は、嫌な感情が起こったときの状況、 気分、 自動思考などを表(コラム)に記述し、それらを改めるような思考を促すものである。
2.〇 正しい。自律訓練法は、自己暗示により催眠状態を作り出し心身をリラックスさせる方法である。自律訓練法は、シュルツにより開発された。自己催眠により全身をリラックスさせ、心身のコントロールを行うものである。適応疾患は、成人の心身症・不安神経症・強迫性障害である。
3.× 自由連想法(精神分析療法)は、無意識のうちに抑圧されていた葛藤を意識化させ、洞察し解決に向かわせるというものである。神経症性障害に適応がある。
4.× 漸進的筋弛緩法は、筋肉の収縮と弛緩を繰り返すことで身体をリラックスさせるリラクセーション法の一つである。道具を使用しない。Jakobson(ヤコプソン)法ともいう。
5.× マインドフルネス(マインドフルネスストレス低減法)とは、意識的に現在の瞬間に、そして瞬間瞬間に展開する体験に判断を加えず注意を払うことです。カバットジン,J.によって提唱された「注意集中」とも言い換えることができ、心の動きに惑わされることなく、刻一刻と変化する内的状態を冷静に観察することである。
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問題文正答率:50.00%
81
障害受容に至る5つの過程において3番目に現れるのはどれか
解説・コメント
1.× 解決への努力期は、4番目に現れる。自己の努力を始める時期である。
2.× ショック期は、1番目に現れる。感情が鈍磨した状態である。
3.〇 正しい。混乱期は、3番目に現れる。攻撃的あるいは自責的な時期である。
4.× 受容期は、5番目に現れる。新しい価値観や生きがいを感じる時期である。
5.× 否認期は、2番目に現れる。現実に起こった障害を否認する。
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問題文正答率:50.00%
82
リハビリテーション室で訓練中に意識を失った患者への対応としてまず行うのはどれか。
解説・コメント
1.× 主治医に報告するのは、バイタルサインを確認後に行う。なぜなら、主治医に「リハビリテーション室で訓練中に意識を失った」と報告されても情報量が少ないため。情報量が少ない分、主治医による対応や処理も遅れる可能性がある。
2.× あえてベッドに移動させる必要はない。むしろベッドに移動することにより、患者に負担がかかるためできればその場で安全確保のうえ、安楽肢位(気道確保)を行う。
3.× 心臓マッサージを行うのは、呼吸状態を確認後に行う。30回の心臓マッサージと2回の人工呼吸のサイクル(30:2)を繰り返す。
4.〇 正しい。リハビリテーション室で訓練中に意識を失った患者への対応として、バイタルサインを確認することが最優先事項である。今回、リハビリテーション室での想定であるため、安全確保が保証されているものと考える。
5.× 自動体外式除細動器〈AED〉を準備するのは、協力者に求めることが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4300🔗
問題文正答率:50.00%
83
脊髄損傷の自律神経過反射でみられるのはどれか。 2つ選べ
解説・コメント
1,3.〇 正しい。発汗/高血圧は、脊髄損傷の自律神経過反射でみられる。
2.× 頻脈ではなく「徐脈」がみられる。血圧が上昇する結果、脈拍60以下の徐脈になることが多い。
4.× 低血糖は、糖尿病にみられやすい。低血糖症状すべてが脊髄損傷の自律神経過反射で見られるとは言えない。特に頻脈など。
5.× 疼痛は四肢ではなく「頭」に起こる。
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問題文正答率:50.00%
84
多発性筋炎にみられる所見はどれか。
解説・コメント
1.× 蝶形紅斑は、頬の両側に蝶が羽を開いたような赤い発疹が出ている状態である。全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus: SLE)でみられる。
2.× 深部腱反射の亢進がみられる病気としては、痙直型四肢麻痺などにみられやすい。深部腱反射は、骨格筋につながる腱をハンマーなどでたたいた時、筋が不随意に収縮する反射である。筋紡錘が腱の伸びを筋の伸びとして感知したことにより、筋の収縮(緊張)を生み出すことが原因である。単収縮は単一の刺激によって引き起こされる筋収縮である。
3.× 手袋靴下型感覚障害は、糖尿病にみられやすい。糖尿病性神経障害の症状のひとつである。
4.× 筋電図での高振幅電位波形は、Lambert-Eaton症候群(ランバート・イートン症候群)である。ちなみに、筋萎縮性側索硬化症でみられるのは、針筋電図にて随意収縮時に高振幅電位、安静時に線維束性収縮電位、筋生検にて筋線維の群集萎縮がみられる。
5.〇 正しい。血清クレアチンキナーゼ(血清CK値)上昇は、多発性筋炎にみられる所見である。なぜなら、多発性筋炎は、膠原病または自己免疫疾患に属し、骨格筋に炎症をきたす疾患であるため。ちなみに、血清クレアチンキナーゼ(血清CK)は、筋肉に多量に存在する酵素で、筋肉細胞のエネルギー代謝に重要な役割を果たしている。したがって、筋肉に障害があると、血液中のクレアチンキナーゼは高値になる。 他にも、急性心筋梗塞や進行性筋ジストロフィーで高い値になる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4302🔗
問題文正答率:50.00%
85
発達評価はどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。DDSTⅡは発達評価である。改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査は、1967年に標準化した「デンバー式発達スクリーニング検査」(略称、DDST)の日本版である。発達検査は時代に即応した改訂が必要であり、1992年にDDSTが改訂されDDSTⅡとなった。それに伴い、日本小児保健学会によってDDSTⅡの標準化が進められ、現在は『改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査』(略称、JDDST-R )が用いられる。
2.× K-ABCⅡ(Kaufman Assessment Battery for ChildrenⅡ:心理・教育アセスメントバッテリー)は、子どもの知的能力を、認知処理過程と知識・技能の習得度の両面から評価するものである。K-ABCとの違いは、①継次処理能力、同時処理能力、計画能力、学習能力、流動性推理や結晶性能力など幅広い能力を測定できる。②K-ABCは12歳が上限であったが、K-ABCⅡでは上限が18歳まで延長されている。
3.× WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence ScaleⅢ:ウェクスラー成人知能検査・改訂版)は、記憶の包括的検査であり、知能の個人内差の診断が可能な成人用個別式検査である。高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理学的検査において、①動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)と②言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)の14項目で構成される検査である。適応年齢16歳0ヶ月~89歳 11か月の偏差IQ(知能指数)を求めることができる。
4.× WISC-Ⅲ(Wechsler Intelligence Scale for Children-Third Edition:児童用ウェクスラー式知能検査第3版)は、児童~思春期(5歳以上16歳11か月以下)に用いられる知能検査である。学習障害の評価にも用いられる。
5.× WPPISI-Ⅲ(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence-Ⅲ:読み方ウィプシ・スリー)は、適用範囲が2歳6か月~7歳3か月に用いられる知能検査である。
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問題文正答率:50.00%
86
高齢者の大腿骨近位部骨折について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 男性ではなく「女性」に多い。男女比は1:4との報告がある。
2.× 骨転位は、稀ではなく「多々」ある。骨転位とは、骨折などで骨片が本来の位置からずれた状態にあることをいう。なぜなら、大腿骨近位部骨折は、股関節の回りの大きな筋肉が同時に収縮するため、その力が転位を起こしやすいため。
3.× 骨頭壊死は生じないと一概にいえない。むしろ、大腿骨近位部骨折の頸部骨折は骨頭壊死が生じやすい。なぜなら、大腿骨頭の部分を栄養する血管は主に頚部の表面にあるため。頸部骨折で骨転位の程度が大きいと、血管が破壊されて血液の流れが途切れ骨頭壊死が生じやすい。
4.〇 正しい。認知症は危険因子である。他にも、女性・高齢・低骨密度・既存骨折・低体重あるいは低BMI、飲酒・喫煙・骨折家族歴・ステロイド使用・転倒に関連した因子が危険因子である。
5.× 発生原因は、交通事故ではなく「転倒」が最も多い。高齢者の転倒による骨折として、①大腿骨近位部骨折、②脊椎圧迫骨折、③上腕骨近位部骨折、④橈骨遠位端骨折があげられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4304🔗
問題文正答率:50.00%
87
腰部脊柱管狭窄症で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 先天発症ではなく「後天発症」が多い。先天発症とは、生まれつき脊柱管が狭いといった生まれつきで発症することである。後天発症とは、椎間板や椎間関節の変性により発症するなどである。加齢も原因と言われ、50・60歳代~70歳代までで多く発症する傾向にある。
2.× 内反尖足ではなく「下垂足」を生じる。しびれや疼痛、脱力などが症状としてあげられる。
3.〇 正しい。間欠性跛行を生じる。間欠性跛行とは、歩行を続けると下肢の痛みと疲労感が強くなり、足を引きずるようになるが、休むと再び歩けるというものである。閉塞性動脈硬化症などでも見られる。血管が閉塞するため、筋に酸素の供給が困難となる。
4.× 腰椎前屈ではなく「腰椎後屈」症状が増強する。なぜなら、腰椎後屈で脊柱管が狭くなるため。したがって、腰椎前屈では症状が軽減するのが特徴である。
5.× 下肢の深部腱反射は、亢進ではなく「低下」する。一方で、運動・知覚障害は認めないことも多い。神経根障害では圧迫を受けている神経根の支配領域の神経学的欠落症状を認めることが多く、根性疼痛と呼ばれる強い下肢痛を伴うことが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4305🔗
問題文正答率:50.00%
88
二分脊椎で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 髄膜瘤は神経障害を伴うとは一概にいえない。脊髄披裂あるいは脊髄髄膜瘤児は、生下時より両下肢の運動・知覚障害、膀胱直腸機能障害などの脊髄・脊髄神経の機能障害を認めることが多いが、これらの症状の重症度は病巣の位置する脊髄レベルとその病理学的変化の程度に依存する。したがって、S2以下に病巣が位置すれば、運動神経や足関節の変形は見られない。
2.× 脊髄係留症候群の好発年齢は、2~3歳ではなく「学童期や思春期」になって転びやすくなる、尿を漏らすようになるなどの症状が出てくることある。脊髄脂肪腫などの潜在性二分脊椎症に脊髄係留症候群が起こる。生下時には神経機能障害のないことも少なくないが、加齢とともにみられる。ちなみに、脊髄係留症候群とは、脊髄がある場所に係留(引きとどまる)して神経が引き伸ばされることで神経に何らかの障害をきたした状態をいう。
3.× 脊髄係留症候群は、上肢ではなく下肢の感覚障害を伴う。症状としては、排便障害(約70%)、下肢運動障害(約80%)、痛みなどの感覚障害(約80%)がみられる。両下肢の運動障害として、足が動かない(麻痺)、足の変形、左右の足が非対称、足が細いなどがみられる。
4.× 脊髄髄膜瘤ではChiari奇形の合併は、稀ではなく「大いに」ある。特に脊髄髄膜瘤では約90%に水頭症、ほぼ前例にChiariⅡ型奇形(小脳扁桃、小脳中部下部、延髄、第4脳室が大孔を通って頸椎管内へ下降変位したもの。第2頚髄を越えて陥入することが多い)を合併する。
5.〇 正しい。脊髄髄膜瘤では水頭症を合併する。水頭症の3大徴候として、①歩行障害、②尿失禁、③認知症がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4306🔗
問題文正答率:50.00%
89
痛みとして灼熱感を生じるのはどれか。
解説・コメント
1.× Lhermitte徴候(レルミット徴候)は、頚部屈曲時に感電したような痛みや刺すような痛みが、背中から両脚、片方の腕、体の片側へ走ることをいう。多発性硬化症に特徴的な症状であるが、他にも頚髄症、椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍なども出現する。
2.× Morleyテスト(モーレイテスト)は、胸郭出口症候群誘発テストである。方法は、検者が患者の鎖骨上縁の斜角筋三角部を指先で1分間圧迫する。患側頚部から肩・腕および手指にかけての痛み・しびれ・だるさなどが出現すれば陽性である。
3.× 緊張型頭痛とは、頭の周囲が締め付けられるように痛くなるタイプの頭痛である。一般的な頭痛といえる。
4.× Tinel徴候(チネル徴候)は、手根部や肘部の神経圧迫部位を叩打すると支配領域に放散痛(チクチク感や蟻走感)が生じる現象をいう。これにより神経の損傷部位が特定でき、また、神経の回復状況も把握できる。
5.〇 正しい。視床痛は、痛みとして灼熱感を生じる。視床痛とは、脳血管障害の後遺症であり障害側の上下肢に不快な痛みを伴うような症状の代表例である。この病気は、慢性的であるため患者は抑うつ的な気分になりやすく、リハビリがうまくいかないことが多い。 また、有効な治療法が見つかっていないため、痛みを和らげる治療を続ける。肩手症候群にも起こりやすい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4307🔗
問題文正答率:50.00%
90
悪性腫瘍はどれか。
解説・コメント
1.× 下垂体腺腫は、下垂体前葉由来の良性腫瘍である。トルコ鞍近傍で好発する。下垂体腺腫では、視交叉が圧迫されると視神経の一部が障害され両耳側半盲となる。視力・視野障害の他にも、下垂体前葉機能障害(成長ホルモン低下症状や卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの低下症状など)や視床下部障害(尿崩症)が起こる。
2.× 頭蓋咽頭腫は、良性腫瘍である。トルコ鞍近傍で好発する。頭蓋咽頭腫は、視交叉圧迫による視力障害、下垂体機能低下、視床下部障害などを特徴とする。
3.× 神経鞘腫は、小脳橋角部に最も多い脳腫瘍である。内耳神経に生じる聴神経鞘腫が多く、ほとんど良性腫瘍である。女性にやや多く、初期症状は難聴・耳鳴であり、腫瘍の増大により症状が進行すると、運動失調や歩行障害などの小脳症状や、水頭症による頭蓋内圧亢進症状を呈する。
4.〇 正しい。膠芽腫(グリオブラストーマ)は、悪性腫瘍であり予後が最も悪い。神経膠腫(グリオーマ)の中で成人に最も多く認められる。
5.× 髄膜腫は、最も多い原発性脳腫瘍で全脳腫瘍の27%を占める。皮膜をもつ良性の充実性腫瘍である。ちなみに、充実性腫瘍とは、充実成分(固形成分)でできた腫瘍のことである。液体がたまった「のう胞性腫瘍」が、触るとぶよぶよした感じであるのに対し、「充実性腫瘍」はしこりのような硬さがある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4308🔗
問題文正答率:50.00%
91
原発性自然気胸について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。男性に多い。40歳未満で背が高い男性の喫煙者に最もよくみられる。
2.4.× 肥満者/低身長者ではなく「背の高い痩せ型」に多い。
3.× 再発は、稀ではなく「最大で50%」である。
5.× 60歳以上ではなく「40歳未満」に多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4309🔗
問題文正答率:50.00%
92
糖尿病性腎症で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 血尿ではなく「タンパク尿」が特徴的である。他にも、腎臓の機能が低下するため、乏尿、貧尿が特徴である。この際、血尿は伴わない。
2.〇 正しい。糸球体の硬化が起こる。糖尿病性腎症の原因としては、糖尿病による高血糖状態が長期間続くことで、全身の動脈硬化が進行し(高血圧)、毛細血管の塊である腎臓の糸球体でも細かな血管が壊れ、網の目が破れたり詰まったり(硬化)して、老廃物をろ過することができなくなるとされているが、根本的な原因ははっきりと解明されていない。
3.× 低血糖発作ではなく「高血糖状態」が原因となる。糖尿病性腎症の場合、徐々に病気が進行するため、できるだけ早期に発見し、適切な治療をすることが重要である。
4.× 糖尿病の初期にはほとんど自覚症状はない。厳格な血糖コントロール、降圧治療、タンパク質制限が必要になる時期(第3期A:顕性腎症期)にむくみ・息切れ・胸苦しさ・食欲不振・満腹感などの自覚症状が現れる。
5.〇 正しい。透析導入の原因疾患として最も多い。次いで、慢性糸球体腎炎、腎硬化症の順で多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4310🔗
問題文正答率:50.00%
93
多発性骨髄腫にみられるのはどれか。
解説・コメント
1.× 肝障害ではなく「腎障害」が起こる。
2.〇 正しい。病的骨折は、多発性骨髄腫にみられる。
3.× 血液データは、赤血球増多ではなく、白血球や血小板が減少する。多発性骨髄腫は形質細胞がクローン性に増殖するリンパ系腫瘍である。いわゆる血液のがんである。
4.× 血清総蛋白量は減少するとは言いきれない(増加もしくは減少する)。M蛋白が増加するため、血清総蛋白量が増加することもある。ちなみに、M蛋白とは、均一な分子構造を持つ免疫グロブリン(抗体)のことである。一方、血清総蛋白とは、血清中に含まれているタンパク質の濃度を測定したものである。基準値は6.5~8.0g/dlで、低蛋白血症は6.0g/dl以下、高蛋白血症は8.5g/dl以上である。
5.× 低カルシウム血症ではなく、高カルシウム血症が起こる。なぜなら、骨組織融解による症状を伴うため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4311🔗
問題文正答率:50.00%
94
症候と内分泌異常の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 先端巨大症は、下垂体前葉ホルモン「欠損」ではなく「過剰分泌」により生じる。ちなみに、下垂体前葉ホルモン欠損するとアジソン病や小人病となる。
2.× 中心性肥満は、副腎皮質機能低下ではなく、コルチゾールの過剰分泌により生じる。ちなみに、副腎皮質機能低下で、アドソン病となる。副腎皮質機能亢進でCushing症候群(クッシング症候群)である。
3.〇 正しい。テタニーは、副甲状腺機能低下で起こる。テタニーとは、血中カルシウム濃度が低下することで筋の異常収縮による硬直、痙攣、知覚障害などを生じる病態をいう。副甲状腺機能低下症では、パラトルモンの分泌低下により、血清カルシウム値が低下し、テタニーをきたす。
4.× 尿崩症:抗利尿ホルモン(バソプレシン)「分泌亢進」ではなく「分泌低下」により起こる。尿崩症は多尿 (3L/日以上)を呈する。尿崩症には2種類あり、①中枢性尿崩症(抗利尿ホルモンの分泌低下)と、②腎性尿崩症(ホルモンの作用障害)がある。
5.× 頻脈は、甲状腺機能「低下」ではなく「亢進」で生じる。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状として、発汗や食欲亢進、体重減少、下痢、振戦、メルセブルグ3徴(眼球突出、甲状腺腫、頻脈)がみられる。甲状腺機能低下症が認知機能低下の原因として有名である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4312🔗
問題文正答率:50.00%
95
介護保険法に規定される特定疾病はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 間質性肺炎は含まれないが、「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」は、介護保険法に規定される特定疾病である。
2.× 拡張型心筋症は含まれない。ちなみに、拡張型心筋症とは、心臓(特に左心室、時として両心室)の筋肉の収縮する能力が進行性に低下することにより左心室が通常よりも大きくなってしまい、血液を適切に全身に送ることができなくなって心不全や不整脈を生じる病気である。
3.5.〇 正しい。脊髄小脳変性症/閉塞性動脈硬化症は、介護保険法に規定される特定疾病である。
4.× 変形性肘関節症ではなく「両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症」は、介護保険法に規定される特定疾病である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4313🔗
問題文正答率:50.00%
96
イネイブラー〈enabler〉である家族と患者との共依存が問題となる疾患はどれか
解説・コメント
イネイブラー(enabler)とは、嗜癖その他の問題行動を陰で助長している身近な人のことを指す。「世話焼き人」などと訳されることが多い。
1〜2.4〜5.× うつ病/統合失調症/Alzheimer型認知症/自閉スペクトラム症は、イネイブラー(enabler)である家族と患者との共依存が問題となる疾患となる第一選択とは言いにくい。
3.〇 正しい。アルコール依存症は、イネイブラー(enabler)である家族と患者との共依存が問題となる疾患である。アルコール依存症者が飲み続けることを可能にする(周囲の人の)行為を「イネイブリング(enabling)」、それをしてしまう人(後援者)のことを「イネイブラー(enabler)」という。責任の肩代わりをすると本人が感じるべき後悔や痛みを軽減してしまうため、本人は嫌な思いをせずに済む。その結果、「喉元過ぎれば」で、飲み続けることを可能にしてしまう悪循環になる。家族、友人、同僚、上司など、本人のことを大切に思っている人ほど「イネイブラー(enabler)」になりやすい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4314🔗
問題文正答率:50.00%
97
適応障害について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.4.〇 日常生活に支障を生じる/抑うつ気分を伴うことが多い。適応障害は、大きな生活の変化(進学、就職、転居など)やストレス性の出来事(離別、死別など)に対して、順応するまでに様々な症状(抑うつ気分、不安など)を呈するものをいう。例えば、憂うつな気分や不安感が強くなるため、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりといった症状が出て日常生活に支障を生じる。
2.〇 認知行動療法は有効である。認知療法とは、認知(物事にたいする捉え方)のゆがみに気づかせて、それを行動療法的に修正していこうとする治療法である。「行動のゆがみも認知のゆがみによるものである」との考えから、最近では、認知療法と行動療法をまとめて認知行動様法と呼ばれるようになっている。社会生活技能訓練<Social Skills Training:SST>、自己教示法などがあげられる。
3.× 治療の中心になるのは、薬物療法ではなく「精神療法」である。薬物療法は補助的役割で処方する。例えば、不眠症状がある場合は対症療法的に睡眠導入薬を処方したり、重症化した際はSSRIや抗不安薬を出したりなどである。
5.〇 適応的なストレス・コーピング技能を養う必要がある。コーピング技能とは、普段の生活を振り返り、ストレスと上手に付き合うための方法のことである。適応障害は、大きな生活の変化(進学、就職、転居など)やストレス性の出来事(離別、死別など)に対して、順応するまでに様々な症状(抑うつ気分、不安など)を呈するものをいう。
https://ja.mondder.com/fq?id=4315🔗
問題文正答率:50.00%
98
統合失調症について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 男性に多いといった報告はなく、発症の男女比はほとんどない。ちなみに、予後は女性の方が良い。
2.× 「急性発症」ではなく「徐々に発症・進行」することが多い。なぜなら、統合失調症の中で最も多いタイプがこの破瓜型であるため。ちなみに、急性の発症するのは、緊張病型である。緊張型は、20歳前後に発病することが多く、激しい興奮状態と昏迷状態(周囲に対する反応が極端に鈍くなる状態)という正反対の症状が現れる。具体的には、じっと動かなくなる、奇妙な姿勢を取るなどといった症状がみられる。一定期間を過ぎると症状は良くなるが、症状が良くなったからといって治療を止めると再発する恐れが高い。
3.× 若年の発症は予後が「良い」のではなく「悪い」。思春期発症に発症する破瓜型(解体型)は予後不良である。徐々に発症・進行し、陰性症状が主で、思考障害が著しい。
4.× 発症することが多いのは、「中年期以後」ではなく「思春期から30歳まで」である。統合失調症の人の70〜80%を占める。
5.〇 正しい。高EEの家族のもとで再発率が高くなる。EE(Expressed Emotion)とは、「感情表出」といい、感情の表し方(表情、口調、態度など)という意味である。患者と接するときに家族に生じた主に否定的な感情をありのままに表すことをいう。感情表出が強い(=高EE)場合は、患者の症状は悪化しやすいとされ、家族心理教育では感情表出を抑えるような指導教育が行われる。統合失調症の患者は、周囲の人たちの接し方にとても敏感である。特にご家族をはじめとする身近な人たちの感情の表し方は、病気の再発に大きな影響を与えるといわれている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4316🔗
問題文正答率:50.00%
99
ステロイド薬による精神障害について正しいのはどれか。
解説・コメント
厚労省の採点結果では、採点除外問題となっている。
以下に参考程度に解説を示す。
ステロイドの副作用
重度:消化管潰瘍、糖尿病、感染症、骨粗鬆症・骨壊死、筋炎、精神症状(抑うつ、せん妄)
軽度:中心性肥満、体重増加、満月様顔貌
1.× 幻覚はみられることが多い。ステロイド薬による精神神経症状の中で、最もよくみられるのは抑うつ状態であり、次いで多いのがせん妄である。
2.? 高齢者は発症しやすいというのは、何と比較しているのか不明であるため、発症しやすい・発症しにくいの解答はできない。
また、ステロイド薬に限らず、高齢者は薬剤よってせん妄が引き起こされる場合も多いため。
3.× 発現率は、80%ではなく数%と報告がある。精神神経科医のもとで薬物治療を必要とするような副作用の頻度は数%である。
4.? 意識障害を伴うことは少ないという記載は、何と比較しているのか不明であるため、少ない・多いの解答はできない。意識障害と「関連し合っている」。精神神経症状は、必ずしも独立して起こるわけではなく、縦断面で不安焦燥状態~抑うつ状態~せん妄と移行したり、横断面でも抑うつ状態に軽度の意識混濁や健忘を伴う場合がある。
5.× 精神症状はステロイド薬の投与量に「関係し出現する」。
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問題文正答率:50.00%
100
知的障害の原因となるのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。Down症候群は、知的障害の原因となる。ダウン症候群(Down症候群)とは、染色体異常が原因で知的障害が起こる病気である。常染色体以上疾患の中で最多である。Down症候群になりうる異常核型は、3種に大別される。①標準トリソミー型:21トリソミー(93%)、②転座型(5%)、③モザイク型(2%)である。発症率は、平均1/1000人である。しかし、35歳女性で1/300人、40歳女性1/100人、45歳女性1/30人と、出産年齢が上がるにつれて確率が高くなる。症状として、①特異な顔貌、②多発奇形、③筋緊張の低下、④成長障害、⑤発達遅滞を特徴とする。また、約半数は、先天性心疾患や消化管疾患などを合併する。特異顔貌として、眼瞼裂斜上・鼻根部平坦・内眼角贅皮・舌の突出などがみられる。
2.〇 正しい。ネコ鳴き症候群(クリ・デュ・チャット症候群)は、知的障害の原因となる。ネコ鳴き症候群(クリ・デュ・チャット症候群)は、5番染色体の異常によって生じる遺伝子疾患である。甲高い子猫のような泣き声が特徴的であり、中等度〜重度の精神運動遅滞を認める。そのほか身体的特徴として、小頭症、小顎、心臓欠陥、脊柱側弯症、鼠径ヘルニアなどがある。てんかんや心疾患の程度により予後が左右される。
3.× Korsakoff症候群は、知的障害の原因とならない。なぜなら、Korsakoff症候群はアルコール多飲、栄養障害などのビタミンB1(チアミン)欠乏によって起こるため。ビタミンB1(チアミン)欠乏症では、①末梢神経の症状として脚気、②中枢神経の症状としてKorsakoff症候群(コルサコフ症候群)が生じる。Korsakoff症候群(コルサコフ症候群)の特徴的な症状は、①健忘、②記銘力低下、③見当識障害、④作話である。ビタミンB1の欠乏による脳障害が原因であり、治療はビタミンB1の投与である。完治しにくく後遺症を残す可能性が高い。
4.× Wallenberg症候群(左延髄外側症候群)は、知的障害の原因とならない。なぜなら、Wallenberg症候群は椎骨動脈や後下小脳動脈の閉塞により起こるため。症状は、①小脳失調、②顔面の温痛覚脱失(障害側)、③Horner症候群:額無汗、眼瞼下垂、眼裂の狭小化、縮瞳(障害側)、④嚥下困難、嗄声、味覚障害、⑤健側の頚部以下の温痛覚脱失、⑥回転性めまい、頭痛、悪心、嘔吐である。
5.× Guillain-Barré症候群は、知的障害の原因とならない。なぜなら、Guillain-Barré症候群は、感冒様症状や腹部症状から1~3週間後に四肢の筋力低下をきたし、運動神経障害を主症状とする筋性脱髄性多発性神経根であるため。末梢神経障害のため、麻痺は四肢の遠位部から起こり、徐々に近位部へ進行する。麻痺の回復経過はその逆で、近位部から遠位部に向けて回復する。重症例では、麻痺が体幹にも及び呼吸筋も侵すため呼吸障害を生じる。発症の1~3週前に感冒症状・下痢・腹痛などが見られ、その1~2週間で急逝に神経症状が発症して弛緩性四肢麻痺や呼吸筋麻痺、脳神経障害などの症状がみられる。症状は、1か月で完成し、その後3か月から1年で徐々に近位部から遠位部にむけて回復する。
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解説・コメント
1.× 肩甲帯屈曲の【基本軸】両側の肩峰を結ぶ線、【移動軸】頭頂と肩峰を結ぶ線である。設問の図の基本軸が、背面となっている。
2.× 肩外旋の【基本軸】肘を通る前額面への垂直線、【移動軸】尺骨である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、①上腕を体幹に接して、肘関節を前方90°に屈曲した肢位で行う、②前腕は中間位とする。設問の図は、前腕回内位となっている。
3.〇 正しい。手屈曲(掌屈)の【基本軸】橈骨、【移動軸】第二中手骨である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、前腕は中間位とする。
4.〇 正しい。股外転の【基本軸】両側の上前腸骨棘を結ぶ線への垂直線、【移動軸】大腿中央線(膝蓋骨中心を結ぶ線)である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、①背臥位で骨盤を固定する、②下肢は外旋しないようにする内転の場合は、反対側の下肢を屈曲挙上してその下を通して内転させる。
5.× 足底屈の【基本軸】矢状面における腓骨長軸への垂直線、【移動軸】足底面である。ちなみに、【測定部位及び注意点】は、膝関節を屈曲位で行う。設問の図は、膝関節伸展位となっている。(2022年改定)