作業療法士国家試験過去問 第57回午前
オプション
問題文正答率:50.00%
Daniels らの徒手筋力テスト(段階5及び4)で、検査者が抵抗を与える位置が正しいのはどれか。 2つ選べ。
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問題文正答率:50.00%
2
背臥位のまま右手でスマートフォンを持ち電子書籍を閲覧していた。図のように、この時の肩関節は屈曲 40 度、肘関節は屈曲 90 度であった。
文字が見づらいためゆっくり肘を曲げて画面を顔に近づける際に活動する筋と収縮様式の組合せで正しいのはどれか。解説・コメント
1~2.× 上腕二頭筋は、遠心性収縮/等張性収縮ではなく求心性収縮である。ちなみに、遠心性収縮とは、筋は収縮しても筋長は伸びている収縮様式である。これは最大張力の場合だけでなく、種々の筋張力レベルで起こる。日常の運動動作は、重力方向との関係で身体の種々の部分で遠心性収縮が起きている。遠心性収縮は、筋力増強効果が大きいとされるが、筋の損傷も大きい。筋力増強効果は、遠心性→等尺性→求心性の順に大きい。また、等張性収縮とは、筋張力が変化せずに収縮する状態である。筋自身は収縮あるいは伸長のいずれの状態でも起こりうる。求心性収縮と混同されやすいが、求心性収縮では短縮時に張力が変化することもある。等張性運動は心肺機能の維持・改善に適する筋の収縮・弛緩の反復によるポンプ効果で、血液循環がよくなる。
3.〇 正しい。上腕三頭筋は、遠心性収縮が起こっている。
4~5.× 上腕三頭筋は、求心性収縮/等張性収縮ではなく遠心性収縮である。ちなみに、求心性収縮とは、筋は負荷に打ち勝つだけの張力を発生して、筋の短縮が起こっている状態である。骨格はてこ・関節は支点として働く。
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問題文正答率:50.00%
3
50 歳の女性。末神経麻痺により、円回内筋、長掌筋、橈側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋(示指・中指)、長母指屈筋、方形回内筋、短母指外転筋、短母指屈筋(浅頭)、母指対立筋、第1・2虫様筋が麻痺している。
適応する装具で正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 短対立装具(Bennett型)は、正中神経麻痺(低位型)やC7頸髄損傷などで適応となる。母指を対立位に保持し、手関節を保持する。
2.〇 正しい。長対立装具(Rancho型)は、手関節駆動式把持スプリントともいい、正中神経麻痺(高位型)やC6レベルまで残存している脊髄損傷に対して用いる。
3.〇 正しい。手関節駆動型把持装具(RIC型)は、C6の機能残存に適応で、手関節背屈運動により対立つまみを可能にする。屈筋腱固定術の原理を利用して、手関節背屈によって示指・中指のMP関節を他動的に屈曲させ、対立位にある母指との間で把持を行わせるものである。
4.× Thomas型装具は、橈骨神経麻痺(下垂手)に対する上肢装具である。
5.× ナックルベンダーは、尺骨神経麻痺(鷲手)に対する上肢装具である。
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問題文正答率:50.00%
9歳の男児。痙直型四肢麻痺の脳性麻痺。頭部保持は可能で、座位保持は両手の支持が必要である。立位は介助があればわずかにできる。
この児が机上で道具の操作を練習する際に両手を使用するための姿勢として最も難しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 車椅子で体幹ベルトを用いた座位より、選択肢の中で難しい姿勢がある。本症例の座位保持は、「両手支持で可能」であり、車椅子座位は股・膝関節屈曲位できる。さらに体幹ベルトを用いれば、比較的安定性を得られると考える。
2.〇 正しい。床上で両肘を机上に置いた長座位は、姿勢として最も難しい。長座位とは、上半身が起こしたまま両足を伸ばした状態(股関節屈曲位、膝関節伸展位)の座位を指す。下肢の後面と臀部を基底面にしているが、座位と比べると、重心が後方へ逸脱しやすく、上半身が不安定になりやすい。また、持続した姿勢でいると疲労しやすいのが特徴である。この姿勢を保つには、身体が後方に倒れないよう、股関節の屈曲に関わる大腿部の後側などの筋力が必要になる。つまり、そもそも長座位は、重心が後方に片寄りやすく、難易度が高い。本症例に、机上で道具の操作を練習する際に両手を使用するための姿勢に長坐位を選択することは難しいと考える。
3.× 床上で両肘を机上に置いた割り座より、選択肢の中で難しい姿勢がある。なぜなら、割り座は、膝関節屈曲位で支持基底面内の中央に重心が落ちやすく安定しやすいため。ちなみに、割り座とはいわゆる”お姉さん座り”や”トンビ座り”である。ただし、割り座は股関節内転・内旋を助長するため、痙直型両麻痺児に推奨するべき肢位ではない。
4.× 座位保持装置を使用した座位より、選択肢の中で難しい姿勢がある。厚生労働省の告知資料では、座位保持装置とは『機能障害の状況により、座位に類した姿勢を保持する機能を有する装置を含むもの』とされている。つまり、座る姿勢を保持する機能がついた「椅子」である。体幹ベルトがそもそもついているものが多く、比較的安定性を得られると考える。
5.× 立位台を使用した立位より、選択肢の中で難しい姿勢がある。立位のみであれば支持基底面が小さく不安定であるが、立位台(写真参照)を用いることで、前方に寄り掛かることができ安定(支持基底面の拡大)する。また、角度も調整することができるため、本症例の立位レベルに応じて、机上で道具の操作を練習するが行える。
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問題文正答率:50.00%
13 歳の男子。1か月前から膝の疼痛が生じ、近医を受診。精査が必要となり大学病院へ紹介された。左大腿骨遠位に境界不明瞭な腫瘤を触れる。単純エックス線写真を示す。化学療法が始まり、リハビリテーション治療が処方された。
リハビリテーション治療について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。易感染性に注意する。なぜなら、本症例は化学療法を行っているため。化学療法とは、抗がん剤を用いて癌を治療することをいう。抗がん剤には、癌細胞の増殖を抑えたり、再発や転移を防いだりする効果がある。また、骨肉腫(悪性腫瘍)の場合、好中球やマクロファージによる貪食細胞機能やオプソニン効果の低下や液性・細胞性免疫、抗原提示能が障害されており、通常健常人には感染をおこさない病原性の弱い病原菌による感染(日和見感染)を生じやすいため。他にも、糖尿病・肝硬変・腎不全・低栄養・無ガンマグロブリン血症などの基礎疾患をもつ患者や、重症外傷・広範囲熱傷患者、ステロイド・抗癌剤・免疫抑制剤の投与、放射線治療を受けた患者などは注意が必要である。
2.× 積極的に患部のマッサージを行うことへの優先度は低い。なぜなら、マッサージは主に、リンパ性の浮腫や精神的疼痛の緩和などに対し行うため。
3.× 患側の運動負荷は健側と「同様」ではなく、「減らすべき」である。なぜなら、骨肉腫は進行すると骨が弱くなり、軽いけがでも骨折することがあるため。 そのため、骨折による受診をきっかけに骨肉腫が発見されることもある。
4.× 骨端線に近い場合、病巣の有無に関わらず、温熱療法(超音波療法)は「効果的」ではなく「禁忌」である。ちなみに、超音波療法の禁忌として、①眼への照射(眼に超音波を照射すると組織の空洞化を起こす)、②成長時の骨端、③心臓、生殖器官、内分泌器官、④良性または悪性腫瘍、麻痺部、⑤ペースメーカーの入っている部位(ペースメーカーを損傷する可能性)、⑥脊髄疾患(多発性硬化症、脊髄灰白質炎、脊髄空洞症)があげられる。また、悪性腫瘍の場合は腫瘍の助長を促す温熱療法は、緩和ケアなどを除いて禁忌である。
5.× 健側のリハビリテーション治療は、化学療法後ではなく「前」から行う。化学療法とは、抗がん剤を用いて癌を治療することをいう。抗がん剤には、癌細胞の増殖を抑えたり、再発や転移を防いだりする効果がある。化学療法後、副作用としてアレルギー反応、だるさ、吐き気、下痢などが起こる。したがって、健側は化学療法前に可能な限りの機能向上を図る。
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問題文正答率:50.00%
50 歳の男性。糖尿病。1か月前からインスリンによる治療が開始されている。空腹時血糖 150mg/dL、HbA1cは7.5% であった。これまでに低血糖症状は認めていない。
血糖コントロールの改善に向けた運動療法、生活指導で誤っているのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。歩数計を活用する。なぜなら、歩数は運動量を視覚化しやすく、男性は歩数計の数字が増えることに対し達成感を抱きやすいため。また、「20分で○歩」と目標の一つとしても活用しやすく、歩行スピードの維持(ボルグスケールで『楽である』〜『ややきつい』)にもつながる。
2.〇 正しい。運動は食後1時間後に行う。本症例は、「これまでに低血糖症状は認めていない」が、糖尿病患者に対する運動療法は、食後1〜2時間後に行うべきである。
3.〇 正しい。階段を使用するように助言する。なぜなら、階段を使用することで運動量の確保につながるため。
4.〇 正しい。低強度でのレジスタンス運動を行う。レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返し行う運動のことをいう。対象者にあったものを選択するのがよいが、歩行が最も簡便である。
5.× 「1週間で合計60分」ではなく「1回の運動時間は20〜30分(週3回以上)」の有酸素運動を行う。なぜなら、1週間で合計60分では「1回60分でも60回1分の運動を」やればいいだけになるため。運動は、①頻度、②強度、③量は決める必要がある。
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問題文正答率:50.00%
65 歳の女性。Parkinson 病。Hoehn & Yahr の重症度分類ステージⅢ。屋内歩行は伝い歩きをしている。薬物コントロールができ次第、退院予定である。
運動機能維持を目的とした作業療法で優先順位が低いのはどれか。
解説・コメント
1.〇 立位でのボール入れは、運動機能維持を目的とした作業療法となる。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢは、軽~中等度パーキンソニズム・姿勢反射障害がみられる時期である。立位でのボール入れは、体幹伸展を促し、前傾姿勢の進行予防ができる。また、両上肢屈曲を促し固縮・無動の進行予防ができる。最後に、立位をとることで、姿勢反射障害に対するバランス運動も担っていると考えられる。
2.〇 階段昇降は、運動機能維持を目的とした作業療法となる。Parkinson病には、矛盾性運動(逆説的運動)が特徴である。矛盾性運動(逆説的運動)とは、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。すくみ足の症状があっても、床の上の横棒をまたぐことができること、リズムをとったり、視覚的な目標物を踏み越えてもらうと、本来難易度が高いはずであるが、スムーズに足が出るといった現象である。ちなみに、階段昇降もこれに含まれ、平地歩行に比べて障害されにくい。階段昇降は、歩行の改善、下肢筋力強化の効果も期待される。
3.〇 座位でのコーン入れ/座位でのキャッチボール?(ゴムボール)は、運動機能維持を目的とした作業療法となる。上肢屈曲を促し固縮・無動の進行予防ができる。また、座位保持にてリーチ動作を促すため、座位バランス訓練につながる。
5.× 陶芸は、運動機能維持を目的として、選択肢の中で最も優先順位が低い。なぜなら、運動範囲が狭いため。また、前傾姿勢をさらに強める可能性が高い。ちなみに、陶芸のメリットとして、①創造性の向上、②気分転換、③ストレス解消、④満足感や達成感などがあげられ、主な疾患としては認知症やうつ病に対して行うことが多い。
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問題文正答率:50.00%
25 歳の女性。交通事故による外傷性脳損傷(右前頭葉)。職場復帰を希望している。WAIS-Ⅲでは言語性IQが76、動作性IQが106、全検査IQが89。RBMTが19点、TMT-Aが81秒、TMT-Bが90秒、BADSが104点、FIMが120点。対人交流は良好である。
2か月後の事務職への職場復帰を目的とした練習として適切なのはどれか
解説・コメント
1.× 電話の受付は優先度が低い。なぜなら、本症例は言語性IQが境界域で、注意力の低下のほうが大きいため。優先度が高いものが他の選択肢にある。境界領域は、明らかな知的障害とはいえず、環境を選べば、自立して社会生活ができると考えられるが、状況によっては理解と支援が必要なレベルである。電話の受付は、ある程度決められた応対マニュアルがある。ただし、応用的に質問が来た時など臨機応変に対応しなければならないため、電話の受付も練習する必要はある。
2.× 企画書の作成は優先度が低い。なぜなら、職場にもよるが事務職において企画書を作成すること自体稀であるため。そもそも企画書とは、「新しいアイデアや提案をまとめた資料」のことである。主に、事務職ではなく企画部が担当となる。ちなみに、企画書の作成は、会社全体の不足部分を客観的に見れ、その企画の構成を考え、わかりやすくまとめ、パソコンを使用して打ち込み、書類を作成するという能力が必要となる。
3.〇 正しい。書類の片付けは、2か月後の事務職への職場復帰を目的とした練習である。なぜなら、書類を仕分けは、特に注意の持続性と転換(導)性が必要になるため。また書類を仕分けは、多くの会社の事務職として就職して早々に任されたり手伝ったりする項目である。カテゴリーごとに手元の書類を覚えて、その位置振り分ける必要がある。
4.× 会議の要約報告は優先度が低い。なぜなら、職場にもよるが事務職において会議の要約報告をすること自体稀であるため。会議の要約報告は、その場で理解し端的に分かりやすく言語をまとめないとならない。本症例は、言語性IQが境界域であるため負担が大きいため、職場の理解が必要である。
5.× 金銭の会計処理は優先度が低い。なぜなら、中小企業でも金銭の会計処理は経理担当者が行うため。仮に事務職(本症例)が行う場合でも、一つのミス(桁を一つ間違えるなど)で会社に大きな損害を被る重要な業務であるため、任されること自体低いと考えられる。本症例のTMT-A:81秒、TMT-B:90秒(標準値はA30秒以下、B64秒以下である。)であるため、間違いやすい可能性が考えられ、復職への自信喪失にもつながりやすい。
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問題文正答率:50.00%
41 歳の男性。右手で腕相撲中に骨折した。直後の単純エックス線写真を示す。
最も合併しやすいのはどれか。
解説・コメント
1.× 猿手は、正中神経低位麻痺で起こる。短母指外転筋、母指対立筋、短母指屈筋浅頭が麻痺し母指球が萎縮する。
2.× 書痙は、局所ジストニア(手のジストニア)の一つであり、字を書く際に筋が過緊張し、手が震えたり、前腕に痛みが発生するなどで書字が困難となる書字障害である。原因としては、書字をすることが多い方(事務職や作家などの職業)に生じやすく、書字動作を繰り返することで前腕筋が過緊張し、末梢神経障害を引き起こす。
3.× 鷲手は、尺骨神経低位麻痺で起こる。手内筋の萎縮を認め、骨間筋が麻痺するため、手指伸展位での内外転運動が困難となる。環指はMP関節が過伸展、PIP、DIP関節が屈曲する。
4.〇 正しい。下垂手は最も合併しやすい。下垂手は、橈骨神経高位麻痺で起こる。上腕骨骨折で出現することが多い。下垂手は、手関節・手指の伸筋群と、長母指外転筋・短母指伸筋の麻痺により、手関節背屈、示指から小指のMP関節伸展、母指伸展・外転が困難となるため生じる。
5.× 肩手症候群は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)の1つと考えられており、脳卒中後片麻痺に合併することが多い。他にも骨折や心臓発作などが誘因となる。症状は、肩の灼熱性疼痛と運動制限、腫脹などを来す。それら症状は、自律神経障害によるものであると考えられている。治療目的は、①疼痛緩和、②拘縮予防・軽減である。治療は、①星状神経節ブロック、②ステロイド治療、③アームスリング装着を行う。リハビリは、①温熱療法、②マッサージ、③関節可動域訓練(自動他動運動)、④巧級動作練習を行う。脳卒中後の肩手症候群が起こる割合でも20%といわれている。本症例の上腕骨骨幹部骨折でも発症することも考えられるが、設問から「最も合併しやすい」ものを問われているため選択肢から除外できる。
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問題文正答率:50.00%
10
19 歳の男性。バイク事故で受傷。脊髄損傷完全麻痺(第10胸髄節まで機能残存)。ADL は自立し、今後は車椅子マラソンを行うことを目標に作業療法に取り組んでいる。車椅子を示す。
マラソン用車椅子はどれか。
解説・コメント
1.× ①はバスケットボール用の車椅子である。タイヤをハの字にすることで、ターンがしやすくなることと横方向の安定性を高める効果がある。14~20°程角度がついている。また、車椅子の前方にバンパーを取り付けることで接触時に競技者の足を保護し、かつ車体の強度を上げている。接触の多い競技のため後方にはリアキャスターが取り付けられており、後方への転倒を防止する。
2.〇 正しい。②はマラソン用車椅子である。一般の車椅子と異なり、3輪式になっている。前輪は20インチ程度で、後輪は競技者の体格に応じて26~27インチのものが使用されている。車体にはカーボンなどの軽量な素材が使用されており、競技者の負担を軽減している。
3.× ③はラグビー用の車椅子である。車椅子ラグビーの車椅子には、攻撃型と守備型があり、写真は攻撃型である。激しいぶつかり合いに耐えられるよう装甲者のようになっている。機敏な動きができる用タイヤはハの字となっている。タイヤにはタックルからの保護や引っ掛かり部分を減らす目的で、スポークカバーが装着されている。
4.× ④はテニス用の車椅子である素早く向きを変えてボールを打ち返す位置につくことができるように軽量で回転性能や敏捷性が得られるよう作られている。
5.× ⑤は卓球やバドミントンなどの衝撃が加わらないスポーツ用の車椅子である。素早いターンや方向転換を可能にするため、適度なキャンパー角を設定できる。キャンパー角をつけることにより、軽い力で移動したい方向に旋回することができる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4328🔗
問題文正答率:50.00%
11
57 歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年が経過。四肢と体幹に重度の運動麻痺を生じてベッド上の生活となり、ADLは全介助。球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚している。
この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 舌での入力は困難である。なぜなら、本症例は球麻痺(舌の萎縮)が生じているため。自分での舌運動は負担が大きくかつ困難な可能性が高い。
2.4.× 口唇/手指での入力は困難である。本症例は発症から5年が経過しており、口唇/手指とも動かすことは困難と考えられる。上肢末端(母指球など)から筋萎縮が始まり緩徐に進行する。予後は極めて不良で、一般に発症から3~5年程度で呼吸筋麻痺や誤嚥性肺炎などで死亡する。
3.× 呼気での入力は困難である。なぜなら、本症例は設問から「安静時も呼吸困難を自覚している」状態である。したがって、呼気を使用するのは負担が大きいと考えられる。一般に発症から3~5年程度で呼吸筋麻痺や誤嚥性肺炎などで死亡する。場合によっては、本症例も人工呼吸器が必要な状態である。
5.〇 正しい。外眼筋は、この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段である。なぜなら、外眼筋をはじめ眼球運動を支配する筋は障害を受けにくいため。筋萎縮性側索硬化症の4大陰性徴候として眼球運動障害がある。
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問題文正答率:50.00%
12
26 歳の男性。C6レベルの頸髄損傷完全麻痺。仕事中の事故により受傷し入院。翌日からリハビリテーションが開始され継続している。受傷後1か月での徒手筋力テストの結果を表に示す。
受傷後2か月で到達可能と予測される動作はどれか。
長短橈側手根伸筋 | 3 |
円回内筋 | 2 |
腕橈骨筋 | 4 |
上腕二頭筋 | 4 |
上腕三頭筋 | 0 |
解説・コメント
1.3.5.× (自助具を用いた)更衣/プッシュアップ/ベッドから車椅子への移乗は、C7レベル以上が必要となる。
2.× 自己導尿は、男性の場合C6レベル、 女性の場合C8レベルで可能である。本症例は男性であり、女性ほど自己導尿が難しくないため、ゆくゆくは獲得可能である。ただ、選択肢の中に自己導尿より難易度が低く、先に獲得できるものがある。ちなみに、女性の場合の事故導尿は、男性に比べ尿道口が見えにくく、陰部の確認を目で直接行うことが困難であるため、手指の動きや感覚が重要となり、男性よりも高い機能が求められる。
4.〇 正しい。万能カフを用いた食事は、受傷後2か月で到達可能と予測される動作である。なぜなら、C5レベル以上で行えるため。MMTの結果でも、現時点で行えている機能はあると推測でき、万能カフの操作方法など練習していくことで、受傷後2か月で到達可能と予測される動作である。
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問題文正答率:50.00%
13
22 歳の女性。幼少期に両親と死別したが、祖父母の支援などで問題なく学校生活を過ごした。学業成績は良かったが、感情が不安定で自傷行為を繰り返し、精神科クリニックに通院しながら高校を卒業した。卒業後は事務職として就職したが、感情が不安定でしばしばトラブルを起こした。最近、些細なことで友人と喧嘩になり、激怒して大量服薬して入院となった。入院後、早期に作業療法が開始された。
この患者にみられる特徴はどれか。
解説・コメント
1.× 心理学で用いられる「完璧主義」とは、万全を期すために努力し、過度に高い目標基準を設定し、自分に厳しい自己評価を課し、他人からの評価を気にする性格を特徴とする人のことをいう。強迫性障害にみられやすい症状の1つである。
2.× 作為体験(させられ体験)とは、自分が他者に操られ、他者の意のままに行動させられているという体験である。主に、統合失調症にみられる。
3.〇 正しい。衝動行為は、この患者にみられる特徴である。衝動行為とは、欲動(衝動)がそのまま意志の理性的抑制を全く受けない状態で、 突然に激しい行動に現れることである。境界性パーソナリティー障害の特徴として、①『二極思考・対人関係の障害』、②『衝動行為』、③『自傷行為』、④『見捨てられ不安』、⑤『抑うつ、不眠』などである。他者の愛情や優しさ、注目に対する飢餓感が強く、慢性的な見捨てられ不安に苦しんでいることが多い。
4.× 脱力発作(情動に誘発されて力が急に抜ける)は、ナルコレプシーの症状の一つである。他にもナルコレプシーの症状として、睡眠発作(日中突然眠くなる)、睡眠麻痺、入眠時幻覚がみられる。入眠時幻覚の特徴は、生々しい現実感、恐怖感を伴った夢を見る場合が多い。
5.× 振戦せん妄とは、アルコール断酒後に起こる離脱症状の一つである。断酒2~3日後には、振戦せん妄が生じる。離脱症状とは、飲酒中止後に生じ、精神的、肉体的な症状を呈する。最終飲酒から数時間後から出現し、20時間後にピークを迎える早期離脱症候群(振戦、自律神経症状、発汗、悪心・嘔吐、けいれん、一過性の幻覚)と最終飲酒後72時間頃から生じ数日間持続する後期離脱症候群(早期離脱症状に加え意識変容を呈したもの、振戦せん妄といわれる。小動物幻視や日頃やり慣れた動作、例えば運転動作を繰り返す、夜間に目立つ)に分けられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4331🔗
問題文正答率:50.00%
14
32 歳男性。統合失調症。入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている。
この患者に対する作業面接で、オープンスペースを用いた場面設定として最も適切な図はどれか。
解説・コメント
1.× 平行法を用いること自体は間違いではないが、本症例は「入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている」。したがって、患者によっては四方に壁や療法士がいれば、閉塞感や負担と感じてしまう可能性もある。オープンスペースを用いた場面設定を想定しているため、「解放感」を利点とした環境設定が必要と考える。
2.× 対面法より選択肢の中で優先度が高いものが他にある。なぜなら、対面法は、クライエントが緊張し対話しにくくなる特徴を持つため。「入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている」本症例には適さない。ちなみに、対面法は、机を間に挟んで療法士とクライエントが向かい合い(対面かつ真正面)座る方法である。顔や目線から読み取ることのできる情報が非常に多くクライアントの感情と表情の連動などを洞察することが可能であるが、クライエントが緊張し対話しにくくなる特徴を持つ。
3.〇 正しい。直角法で患者の後方にはスペースが存在する環境設定が望ましい。カウンセラーとクライエントが机の角を間に挟んで、直角になるような状態で座る方法である。視線が直接合わないため、クライエントが緊張せずに対話することが出来る。さらに、患者の背後を壁ではなくオープンにすることで安全感が保たれ、作業に取り組むことができる。
4.× 直角法を用いること自体は間違いではないが、本症例は「入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている」。したがって、患者によっては「壁」が囲まれていると、閉塞感や負担と感じてしまう可能性もある。オープンスペースを用いた場面設定を想定しているため、「解放感」を利点とした環境設定が必要と考える。
5.× 療法士が後方に立つより選択肢の中で優先度が高いものが他にある。療法士が視界に入らないため、作業に取り組みやすいように見えるが、患者によっては背後に座られることや、療法士が視界にいないことに対して不安を抱く可能性がある。また、作業療法士は患者の後方にいるため、表情を把握することができない。
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問題文正答率:50.00%
15
21 歳の男性。大学生。1年前から様々な場面で不安感が出現し、急に動悸やめまいがして大量の汗をかくようになった。最近は特に理由もなく、いらいらして落ち着かず、窒息感や脱力感、抑うつ、吐き気がひどくなり、大学にも通えず日常生活にも支障が出るようになった。精神科クリニックを受診し、外来作業療法を受けることになった。
この患者の作業療法場面でみられる特徴はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 演技的行動は、広い範囲の対人関係において、過度に注意を引こうとする行動である。演技性パーソナリティー障害の症状の一つである。
2.〇 正しい。呼吸促迫は、この患者の作業療法場面でみられる特徴である。呼吸促拍とは、呼吸が速くなり息苦しくなることである。全般性不安障害の症状の一つである。
3.〇 正しい。集中困難は、この患者の作業療法場面でみられる特徴である。集中困難とは、不安感にかられ作業に集中することができなくなることである。全般性不安障害の症状の一つである。
4.× 常同行為は、同じ行為・言語・姿勢などを長時間にわたって反復・持続する症状である。自閉症や知的障害などの発達障害、前頭側頭型認知症に見られる症状の一つである。
5.× 連合弛緩は、思考のテーマが次々と脈絡なく飛躍し、連想に緩みが生じて話にまとまりがなくなる症状である。統合失調症の症状の一つである。これが高度になると支離滅裂な思考となる(滅裂思考)となる。
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問題文正答率:50.00%
16
16 歳の男子。乳幼児健診で異常を指摘されたことはなかったが、乳幼児期、母親の後追いをせず、履いている靴がボロボロになっても他の靴では嫌だと強いこだわりを見せた。大人びた話し方をし、小学校では自分の関心事について熱中して一方的に話すために、友達から避けられるようになって孤立していた。中学校入学後は不登校になり、ゲームに熱中するようになったため、心配した母親が児童思春期専門の医療機関を受診させた。
評価に用いるテストとして適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。ASQ(Autism Screening Questionnaire:自閉症スクリーニング質問紙)は、問診形式による自閉症チェックリストである。自閉症にみられる症状を39項目の質問事項とし、それに「はい」「いいえ」で答える質問紙である。Aspergar症候群(アスペルガー症候群)は、自閉症スペクトラム障害のうち、知能や言語の遅れがないものをいう。
2.× HTP(House-tree-person test:投影描画法)は、描き手は「家」「木」「人」の絵をかいてもらう。描かれた絵には描き手の心理が投影されている。
3.× WAIS-Ⅲ(Wechsler Adult Intelligence ScaleⅢ:ウェクスラー成人知能検査・改訂版)は、記憶の包括的検査であり、知能の個人内差の診断が可能な成人用個別式検査である。高次脳機能障害の評価として用いられる神経心理学的検査において、①動作性検査(絵画完成、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組み合わせ)と②言語性検査(単語、類似、算数、数唱、知識、理解、語音整列)の14項目で構成される検査である。適応年齢16歳0ヶ月~89歳 11 か月の偏差IQ(知能指数)を求めることができる。
4.× バウムテストとは、「実のなる木」を1本自由に描いてもらう描画検査(投影法の人格検査)である。コッホによって開発された。「バウム(Baum)」がドイツ語で「木」という意味である。幼児以上の幅広い年齢が対象となる。
5.× CAARS(Conners’ Adult ADHD Rating Scales)は、18歳以上を対象とした、注意欠如・多動性障害(ADHD)の症状重症度を把握するための評価尺度である。検査用紙は「自己記入式」「観察者評価式」の2種類があり、複数の回答者からの情報をもとに包括的に評価を行う。観察者は、家族、友人、同僚など最近の対象者をよく知る人を指す。「自己記入式」「観察者評価式」は、尺度・項目に整合性があり、回答者間の情報を容易に比較できることが特徴である。
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問題文正答率:50.00%
17
68 歳の男性。半年前から睡眠中に奇声をあげたり、気分が沈みがちになることがあった。次第に物忘れや立ちくらみ、手の震えが出現した。最近、「玄関に小人が立っている」と言うことが増えたため、家族に付き添われて精神科病院に入院し、作業療法が開始された。
この患者にみられる特徴はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1〜2.〇 正しい。動きが緩慢になる(動作緩慢)/症状が変動しやすい(認知機能の変動・動揺)は、この患者(Lewy小体型認知症)にみられる特徴である。
3.× 毎食のメニューにこだわる(常同行動)/周囲に対し一方的な要求をする(脱抑制)は、前頭側頭型認知症の特徴である。
5.× 環境からの刺激を受けても集中できる(過集中)は、アスペルガー症候群にみられる。
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問題文正答率:50.00%
18
16 歳の女子。高校進学後から体型を笑われたように思い、極端な減量をして痩せが目立つようになった。2か月前から登校できなくなって入院治療を受けることになった。入院後、気分転換と早期の復学を目的とした作業療法が処方された。
この患者に対する導入期の作業療法で最も適切なプログラムはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。簡単なアクセサリーを作る創作活動プログラムは、導入期の作業療法で最も適切なプログラムである。神経性無食欲症の患者の性格的な特徴として、頑固で競争心が強い傾向である。周囲に対して過剰に適応してしまう特徴があるため、集団プログラムよりアクセサリー作りのような机上でできる個人作業が望ましい。
2.× 柔軟な思考を得るための小集団でのプログラムは優先度が低い。神経性無食欲症の患者の性格的な特徴として、頑固で競争心が強い・自己評価は低い傾向である。他の患者にも影響を与えかねない。小集団プログラムを実施するより個別作業が望ましい。
3.× 体力増強のための機器を用いた運動プログラムは優先度が低い。神経性無食欲症の患者は、痩せるために過活動になってしまうことが多いので、身体運動は逆効果になる恐れがある。
4.× 調理メニューのカロリー計算を行う教育的プログラムは優先度が低い。主な特徴として、病的な痩せ願望と極端な食べ物制限、下剤などの乱用がみられる。より食べ物への関心が強まり逆効果である。可能な限り食べ物以外へ関心を向けるように働きかけていく。
5.× 退院後の生活のためのADLを中心とした退院準備プログラムは優先度が低い。なぜなら、神経性無食欲症はADLの障害は起こりにくいため。また、設問で問われているのは「この患者に対する導入期の作業療法」である。退院準備プログラムは、退院日や退院の目安がついてから行っていくことが多い。
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問題文正答率:50.00%
19
7歳の男児。幼児期から落ち着きがなく、一つのおもちゃで遊べないなどの行動があった。小学校入学後、長時間椅子に座れない、順番を待てない、注意散漫などの問題行動があり、外来作業療法を受けることになった。作業療法では、次第に活動に継続して取り組めるようになってきたが、協調動作が必要な作業は苦手である。知能検査では知的障害は認められなかった。
作業療法を行う上での留意点として適切なのはどれか。
解説・コメント
1.× 複数の課題を「同時」ではなく「一つずつ」に提示する方が良い。なぜなら、注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴である注意欠如や衝動性により、複数の課題を同時にこなすことが難しいため。
2.× 順番が守れない場合は、厳しく注意する必要はない。なぜなら、注意・叱責は強く行うのは、自信喪失や自尊心の低下につながるため。順番が守れない行動をした場合は、注意がそれないような環境調整にすることが大切である。子どもの周囲の環境(学習環境、生活環境など)で、子どもの良い行動を引き出すようにする。
3.〇 正しい。周囲に受け入れられる行動は積極的に褒める。褒められることは男児にとって快感であり、適正な行動をすれば褒められて快感が得られることを学習するようになり、適正な行動が増えてくる。
4.× 数週間継続して取り組める連続課題を実施する優先度が低い。なぜなら、注意散漫となりやすいため。また、本症例の場合、幼児期は落ち着きがなく、一つのおもちゃで遊べないと記載されている。その日に完成することができる作業が望ましい。ちなみに、①連続課題(オープンスキル)とは、身体運動の始まりや終わりが明らかでない課題で、自動車の運転などをいう。一方、②不連続課題(クローズドスキル)は、運動に明らかな始まりと終わりがあるもので、ゴルフスイングなどをいう。
5.× 作業台の上にいろいろな道具や材料を揃えておく必要はない。なぜなら、視野内に道具や材料が多くあると、目移りしてしまい作業に集中しにくくなるため。したがって、作業台の上には最低限の物品のみ置くようにする。
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問題文正答率:50.00%
20
35 歳の男性。母親との2人暮らし。大学卒業後に就職した。統合失調症を発症したために退職し、精神科に外来通院しながら自閉的な生活をしていた。主に家事を行っていた母親が体調を崩したために同居生活が困難となり、精神科に入院した。入院6か月で自宅退院となり、母親の負担軽減のために日中の家事援助を受けることになった。
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に規定されるサービスの中でこの患者が利用できるのはどれか
解説・コメント
1.× 共同生活援助(グループホーム)は、主に夜間や休日に精神障害者が共同生活を営む住居で、食事の世話・服薬指導など、相談や日常生活の援助を行う。本症例は、母親と自宅で一緒に住み、家事動作のみの介助を要する。
2.〇 正しい。居宅介護(ホームヘルプ)は、障害者総合支援法に規定されるサービスの中で本症例が利用できる。居宅介護は、居宅において食事や入浴などの生活動作、調理や洗濯などの家事動作に関する援助を行うサービスである。対象は、障害者支援区分が区分1以上である者である。本症例は、障害者支援区分1〜2相当で、調理や洗濯などの家事動作に介助を要する。
3.× 重度訪問介護は、重度の精神障害、知的障害や、重度の肢体不自由者など生活場面でかなり介助を要し、常時介護が必要なものに対して、居宅に置いて食事や入浴などの生活動作、調理や洗濯などの家事動作に関する援助を行うサービスである。また、それに加え外出時における移動中の介護なども含まれる。対象は、障害支援区分が区分4以上である。
4.× 短期入所(ショートステイ)は、居宅において介護者の疾病やその他の理由により、当事者の介護が行えない場合に、障害者支援施設、児童福祉施設などに短期間入所するサービスである。入所中は食事や入浴などの生活動作を支援する。対象は、障害者支援区分が区分1以上である者である。症例の男性は、6ヵ月の入院を経て自宅退院し、「母親の負担軽減のために日中の家事援助を受けること」を目的にサービスを検討しているため、短期入所は該当しない。
5.× 同行援護とは、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等が外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報の提供や、移動の援護等、外出時に必要な援助を行うものである。
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問題文正答率:50.00%
21
ICF で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。ICD-10と相互補完的な関係がある。国際疾病分類ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録・分析・解釈および比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。
2.× 「社会経済的要因による健康」のみではなく、国際生活機能分類(ICF)の範囲である。つまり、「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3レベルに分類されたうえで、さらに「個人因子」「環境因子」の観点が加えられている。
3.× 「2015年」ではなく「1990年」に世界保健機関で承認されている。最新の分類は、10回目の改訂版として、1990年の第43回世界保健総会において採択されたものであり、ICD-10 (1990年版)と呼ばれている。
4.× 生活機能に、個人因子と環境因子は含まれない。「心身機能・身体構造」「活動」「参加」が当てはまる。
5.× 生活機能の肯定的側面を表すことはできないのではなく「できる」。なぜなら、国際生活機能分類(ICF)は、障害者のみならず、すべての人を対象として、障害を「生活機能」というプラス面からみるように視点を転換した分類法であるため。
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問題文正答率:50.00%
22
感度・特異度について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 血液検査は特異度が高いとは一概に言えない。そもそも、何の検査と比較して、特異度が高い・低いを求めているかあいまいな問題である。特異度とは、疾病を有さないものを正しく疾病なしと診断する確率をいう。つまり、「特異度が高い」=「偽陽性が少ない」=「疾患がない人を、きちんと健康と診断できるか」を示している。
血液検査をする目的は、①病気の原因を調べる、②診断の確認をする、③病気の進行度合を調べる、④治療効果を確認する、⑤病気の早期発見・早期治療である。また、血液検査の基準値は正常値ではないことに注意する。ひとつの検査だけを見て判断するのではなく、検査結果を総合的に見て判断する必要がある。
2.× 感度が高いと見落としが、多いのではなく「少ない」。感度とは、疾病を有するものを正しく疾病ありと診断する確率をいう。
3.〇 正しい。特異度が高いと過剰診断が少ない。なぜなら、疾病を有さないものを正しく疾病なしと診断する確率(特異度)が高いと、そもそも診断ができないため。過剰診断(overdiagnosis)とは、本当は生涯の間にトラブルになるような症状やそのことによって、死に繋がらないといえる疾患を見つけて診断すること。つまり、「決して症状がでたり、そのために死んだりしない人を、病気であると診断すること」である。、がん検診はがんによる死亡を防ぐことを目的に、がんによる症状が発現する前に発見し、治療するために行われる。ここには、がんは放置すると進行し致死的となるという前提が存在するが、放置しても、致死的とはならないがんも、一定割合で存在する。端的な例はがんが進行して症状が発現する前に、他の原因で死亡してしまうようながんを早期に発見する場合である。こうした例は、がんの成長速度が極めてゆるやかであったり、極めて早期にがんを発見した場合、あるいは、がんが発見された人が高齢者であったり重篤な合併症を有する場合に生じやすい。このようながんを診断し、治療することは、受診者にとっての不利益につながることから、過剰診断と呼ばれる。
4.× 信頼区間が広いと再現性が、高くなるのではなく「低くなる」。95%信頼区間とは、母平均が95%の確率でその範囲にあるということをさす。
5.× エックス線による肺がんの発見は、感度の高い検査とは言いにくい。なぜなら、肺がん検診は、①胸部エックス線検査と②喀痰細胞診の組み合わせで行われるため。また、 実施方法・算出方法によってかなりの差があるが、胸部X線検査の感度(肺がんがある場合に検査が陽性となる確率)は63~88%、特異度は95~99%という報告もある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4340🔗
問題文正答率:50.00%
23
作業療法における効果判定について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 再評価は、異なる尺度ではなく「同じ尺度」で行う。なぜなら、同じ尺度でないと正確な比較とならないため。ちなみに、尺度とは、「長さをはかる道具、ものさし」が転じて、計算・評価などの規準・標準という意味である。
2.× 自然回復の影響も考慮する。あらゆる影響を考慮する必要があり、どれか一つでも影響を排除した場合はバイヤス(偏り)が生じる恐れがある。臨床試験で高いエビデンスを得るためには様々なバイアス(偏り)を排除しなければならない。
3.× 可能な限り「質的」ではなく「量的」なデータで示す。なぜなら、量的データは身長や年齢、年収など、数量で測定可能なものであるため。 一方、質的データは分類(カテゴリー)として把握されるもので、大きく「名義尺度」と「順序尺度」に分けられる。
4.× 結果の前後比較のみでは判断することは少ない。なぜなら、作業療法において、その過程や作業姿勢、作業の意欲など体と心の両方の問題を判断する必要があるため。
5.〇 正しい。プログラム再検討の判断材料とする。医療・介護過程の展開において、PDCAサイクルを用いることが多い。PDCAサイクルは、計画(P)→実施(D)→再評価(C)→アセスメント(A)というサイクルのことを指す。
https://ja.mondder.com/fq?id=4341🔗
問題文正答率:50.00%
24
作業分析の目標として適切でないのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。治療手段としての作業を体系的に理解する。体系的とは、個々の物事が一つの理論的な秩序・まとまりの中に組み込まれているさま、統一的な原理のもとにある様子などを意味する表現である。例えば、立ち上がり動作練習は、トイレ動作の一部としての理解が必要である。
2.〇 正しい。治療過程を段階づける。特に支援計画において、段階づけて実施する。FIMのように、日常生活動作の練習を現在何%にいて、予後はどれほどか段階付けることは大切である。
3.× 作業の材料、道具を分類することは、作業分析の目標ではない。なぜなら、作業の材料、道具を操作することが必要になるため。分類とは、 ある基準に従って、物事を似たものどうしにまとめて分けることである。
4.〇 正しい。作業遂行に必要な患者の能力を明確にする。例えば、洗髪には肩関節屈曲90°必要であることトイレ動作には移動動作や立ち上がり動作が必要であることなど。
5.〇 正しい。作業実施の環境因子を明確にする。「環境因子」の定義は、「人々が生活し、人生を送っている物的な環境や社会的環境、人々の社会的な態度による環境を構成する因子のことである」。トイレ動作を例に取ると、自室のトイレは、①洋式か和式か、②手すりの有無、③便座の高さなど明確にした上で、作業療法を実施するとさらに効果的といえる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4342🔗
問題文正答率:50.00%
25
栄養評価に適した項目はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。体重は、栄養評価に適した項目である。6か月間で2~3㎏以上減ると、フレイルの体重減少の項目に当てはまる。
2.× 血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことである。高値で糖尿病や心筋梗塞・肝硬変にかかりやすい。
3.× 「前腕」ではなく、「上腕」・「下腿」周囲径は、栄養評価に適した項目である。上腕は21cm以下、下腿は30cm以下が基準である。
4.× 上腕三頭筋筋力ではなく「握力」は、栄養評価に適した項目である。
5.〇 正しい。血清アルブミン値は、栄養評価に適した項目である。血清アルブミン値は、正常:4.0g/dL以上、低栄養予備軍:3.5〜3.9g/dL、低栄養:3.5g/dL未満である。栄養状態を検査できる項目として、血清総たんぱく(TP)、アルブミン(Alb)、 コリンエステラーゼ(ChE)、ヘモグロビン(Hb)、総リンパ球数(TLC)である。血清アルブミンの血中半減期は、約15~21日であり、2~3週間前の静的栄養状態を示す。
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問題文正答率:50.00%
26
身長170cm、体重60kgの人のBMIで正しいのはどれか。
ただし、値は小数点以下第1位を四捨五入するものとする。
解説・コメント
BMI = 体重(kg)/[身長(m)×身長(m)]
BMI = 60/1.72×1.72
= 20.761…
したがって、選択肢 4.21が正しい。
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問題文正答率:50.00%
27
カーテン徴候が陽性の場合、嚥下が障害される期はどれか。
解説・コメント
1.× 先行期は、飲食物の形や量、質などを認識する。
2.× 準備期は、口への取り込み。飲食物を噛み砕き、飲み込みやすい形状にする。
3.× 口腔期は、飲食物を口腔から咽頭に送り込む。
4.〇 正しい。咽頭期は、カーテン徴候が陽性の場合、嚥下が障害される期である。なぜなら、カーテン徴候は、咽頭後壁も健側に牽引されるため。咽頭期は、飲食物を咽頭から食道に送り込む。
5.× 食道期は、飲食物を食道から胃に送り込む。
https://ja.mondder.com/fq?id=4345🔗
問題文正答率:50.00%
28
上肢の形態計測と方法の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。上腕周径は、「上腕の最大周囲」で測定する。「上腕中点」で測定する参考書もある。
2.〇 正しい。上肢長は、肩峰から中指先端までの長さである。
3.× 前腕長は、上腕骨外側上顆の外側突出部から橈骨茎状突起までである。
4.× 手長は、「三角骨と大菱形骨を結ぶ線の中点」ではなく、橈骨茎状突起と尺骨茎状突起を結ぶ中点から、第3指先端までの長さを測定する。
5.× 手厚は、「第1中手指節関節部」ではなく「第3中手骨頭」での手背面から手掌面までの直線距離である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4346🔗
問題文正答率:50.00%
29
評価法と障害の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× BADS(Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome:遂行機能障害症候群の行動評価)は、カードや道具を使った6種類の下位検査と1つの質問紙から構成されている。下位検査は0~4点の5段階で点数化し24点満点で評価する。気分障害は、POMS(Profile of mood states:気分プロフィール検査)があげられる。
2.× MMPI(Minnesota Multiple Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)は、質問紙法による人格検査である。550の質問に対して「あてはまる」「あてはまらない」「どちらでもない」を選択する3件法が用いられている。注意障害は、TMT(trail making test)があげられる。
3.× POMS(Profile of mood states:気分プロフィール検査)は、うつ状態の評価を含む尺度である。最近1週間の気分の状態(緊張、抑うつ、怒り、活気、疲労、混乱の6尺度)を測定するものである。被検者が答える質問紙法の検査である。視知覚障害は、VPTA(Visual Perception Test for Agnosia:標準高次視知覚検査)があげられる。
4.× SPTA(Standard Performance Test for Apraxia:標準高次動作性検査)は、失行症および行為障害を系統的に評価する検査である。記憶障害は、MMSE(mini mental state examination)/HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)があげられる。
5.〇 正しい。WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類テスト)は、遂行機能障害に適応となる。計画をたてること・計画を達成するためにとるべき行動を決めること、状況の変化に対応すること、衝動的に行動することを抑えるなどの「前頭葉の実行機能」を調べる検査である。提示されたトランプのようなカードを色・数・形のどれに基づいて分類するかを判断する。高次脳機能障害の検査などに用いられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4347🔗
問題文正答率:50.00%
30
日常生活活動の評価で自記式の評価法はどれか。
解説・コメント
1.× PULSES(パルセス)は、ADLの評価であるが自記式ではない。6つの評価項目(①内臓や脳障害などの身体状況、②上肢・下肢、③発語や資格、④聴覚などの感覚的要素、⑤排泄管理、⑥知的・情緒の状態)からなり、それぞれ1~4点で評価する。点数が多いほど介助量が多い。最大の特徴は、⑥知的・情緒的状態などの精神的側面や、家族単位の援助、経済力など支援要素などの本人以外の要素を考慮するところである。
2.× Barthel Indexは、「できる日常生活動作」の評価であるが自記式ではない。評価項目は10項目(①食事、②椅子とベッド間の移乗、③整容、④トイレ動作、⑤入浴、⑥移動、⑦階段昇降、⑧更衣、⑨排便コントロール、⑩排尿コントロール)あり、100点満点で評価される。
3.〇 正しい。老研式活動能力指標は、日常生活活動の評価で自記式の評価法である。日常生活動作に関する13 項目を他者が観察して評価するのではなく、IADL(Instrumental ADL:手段的日常生活動作)13項目を本人に「はい」または「いいえ」で答えさせて評価する
4.× 障害老人の日常生活自立度判定基準の自立度は、ADLの評価であるが自記式ではない。①生活自立(ランクJ)、②準寝たきり(ランクA)、③寝たきり(ランクB、C )に分けて評価する。全介助の場合はランクCである。
5.× Katz Activities of Daily Living Index(Katzの日常生活動作スケール)は、ADLの評価であるが自記式ではない。6項目(①入浴、②更衣、③トイレへの移動、④移乗、⑤排尿・排便コントロール、⑥食事)について、自立(2点)・軽〜中介助(1点)・重介助〜全介助(0点)の3段階で評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4348🔗
問題文正答率:50.00%
31
関節リウマチの手指にみられる変形のうち、足指にもみられるのはどれか
解説・コメント
1.× Z変形(ダックネック変形、あひるのくび変形)は、MP関節屈曲、IP関節が過伸展する。
2.〇 正しい。マレット指は、手指・足指にみられる。槌指変形(マレット指)とは、DIP関節が曲がったまま伸ばせなくなった状態である。
3.× ボタン穴変形(ホール変形)は、MP関節過伸展、PIP関節屈曲、DIP過伸展、中央索の伸長・断裂が起こる。
4.× オペラグラス変形(ムチランス変形)は、中手骨や指節骨の吸収により指が短縮する変形をいう。
5.× スワンネック変形は、MP関節屈曲、PIP関節過伸展、DIP関節屈曲する変形をいう。
https://ja.mondder.com/fq?id=4349🔗
問題文正答率:50.00%
32
Perthes 病で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。男児に多い。男女比は4:1である。
2.× 好発年齢は、2~3歳ではなく「6~7歳」である。元気のいい小柄な男児(6~7歳)に多く見られる。
3.× 両側性は、約50%ではなく「約10%」に認められる。発生率は1万人に1.5人と言われ、そのうち約10%が両側に発症するが、たいていは片方がなってから2年以内の違う時期に反対側が発症する。
4.× 阻血性壊死をきたすのは、大腿骨遠位骨端部ではなく「大腿骨頭、頚部」である。Perthes病は、小児期における血行障害による大腿骨頭、頚部の阻血性壊死が原因で骨頭・頚部の変形が生じる骨端症である。
5.× 発症初期のエックス線像の変化は、顕著ではなく「分かりにくい」。進行すると大腿骨頭骨端部の色が白く潰れていくため顕著となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4350🔗
問題文正答率:50.00%
33
視覚失認について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 相貌失認は、表情の認知も困難である。相貌失認は、右後頭葉の視覚前野から側頭葉の側頭連合野にかけての障害で生じることが多い。表情を含め、顔を見ただけではその人が誰であるかわからないが、服装・声・髪形などの特徴を手掛かりにすれば誰なのか判断できる状態である。
2.〇 正しい。純粋失読は指でなぞると読むことができる。純粋失読(視覚性失読)は、優位半球(左)の後頭葉が障害されると起こる。失書を伴わない失読である。文字を指でなぞらえると読むことができ、自発書字・書取りも可能である。たいして、頭頂葉性失読は書字と読字がともに障害されている状態をいう。
3.× 同時失認は、個々の物体や人間の認識ができる。情景画の細部はわかるが全体としてどのような場面かわからない情景画の細部はわかるが全体としてどのような場面かわからない状態である。
4.× 色彩失認は、同じ色のものを選ぶことは可能である。色彩失認は、色知覚の非言語的課題では正常な成績をあげることができ、色彩失認の患者の色覚は保たれているが、見せられた色の名を言えず、検者が言った色を指示することも出来ない状態である。すなわち色覚が保たれているのに、特有の色を持つ物品の形は思い出せるが、その色が思い出せない。後頭葉の損傷で起こる。
5.× 視覚性物体失認は、優位半球前頭葉ではなく「劣位半球の頭頂~後頭葉」の障害により生じる。物体失認とは、物体は見えるがそれが何か理解できないという症状である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4351🔗
問題文正答率:50.00%
34
皮膚筋炎について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 男性ではなく「女性」に多い。40~60歳の女性に多い(男女比1:2~3)。
2.× 胸腺腫ではなく「悪性腫瘍・間質性肺炎」を合併することが多い。ちなみに、胸腺腫とは、胸腺の上皮から発生する腫瘍で、30歳以上に発生することが多く、男女同程度の発症頻度である。人口10万人あたり0.5%前後の発症頻度と、比較的稀な疾患である。
3.× 赤沈は亢進する。またCRPの上昇もみられる。赤血球沈降速度(赤沈)は、炎症反応の指標として、CRPと共に用いられる。赤沈が亢進する病態としては、炎症性疾患・悪性腫瘍・貧血・心筋梗塞・肝硬変・膠原病などが挙げられる。
4.× 嚥下障害をきたす。症状として、筋症状があげられ、筋萎縮、筋圧痛、嚥下障害、構音障害、呼吸困難を伴う。
5.〇 正しい。近位筋優位の筋力低下をきたす。下肢を初発とする筋力低下があり、近位筋が対称性に侵される。
https://ja.mondder.com/fq?id=4352🔗
問題文正答率:50.00%
35
治療法と対象の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。Frenkel体操は、脊髄性失調に有効である。Frenkel体操は、視覚で代償して運動制御を促通する運動療法であり、脊髄病性運動失調などに対して行われる。
2.× Codman体操(コッドマン体操)は、肩関節周囲炎の炎症期に使用する運動であり、肩関節回旋筋腱板の強化や肩関節可動域拡大を目的に使用する。患側の手に1~1.5㎏の重錘を持ち、振り子運動を行う。ちなみに、腰痛症は、Williams体操などが用いられる。
3.× 漸増抵抗運動(DeLorme法)は、筋力増強訓練に用いる。DeLormeの漸増抵抗運動 (PRE) は、①10RMの1/2負荷運動を10回、②10RMの3/4負荷を10回、③10RMを10回、これを3セット繰り返すことである。ちなみに、痙縮はTENS(経皮的電気刺激法)や寒冷療法などが用いられる。
4.× Williams体操は、腰痛症に対して腰部の負担を軽減するために用いられる。方法として、腹筋強化・大殿筋強化・ハムストリングス強化・背筋群のストレッチングを行う。閉塞性動脈硬化症とは、血液の通り道が狭窄、閉塞することにより、組織や臓器全体に血液が行き渡らなくなって(虚血)障害を起こす病気である。Buerger-AIIen(バージャー・アレン)体操が用いられる。下肢の挙上と下垂を繰り返して反射性充血を促し、側副血行路の形成を促進する体操である。
5.〇 正しい。ミラーセラピーは、幻肢痛に有効である。他にも、脳卒中患者の麻痺改善や複合性局所性疼痛症候群、腕神経叢引き抜き損傷患者の疼痛軽減効果などが報告されている。ちなみに、ミラーセラピー(mirror therapy)とは、鏡を使用して運動の視覚フィードバックを与える治療法である。矢状面で両肢間に鏡を設置し、鏡に映された一側肢が鏡に隠れた反対側肢の位置と重なるようにする。切断や麻痺などの患側肢の遠位部に健側肢の映った鏡像がつながって見えることで、患側肢が健常な実像であるかのように感じさせながら運動を行う。
https://ja.mondder.com/fq?id=4353🔗
問題文正答率:50.00%
36
全般性注意障害のある左片麻痺患者に対する動作指導について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 複数の方法を指導することは、配分性(多方向性)注意障害の観点から難しい。よって、「複数」よりも「単一」の方法を指導することが望ましい。
2.× 一連の動作を一度に指導することは、容量性(感度)注意障害の観点から難しい。多くの情報を一度に覚えられない。よって、一動作ずつ「区切って」指導するのが良い。
3.〇 正しい。外乱が少ない環境から開始する。全般性注意障害がある場合、作業時には余計な妨害刺激(外乱)が入らないように配慮する。
4.× 動作の誤りは口頭指示のみで修正することは、容量性(感度)注意障害の観点から難しい。多くの情報を一度に覚えられない。よって、動作の誤りは「口頭指示のみ」だけではなく、「誘導や模倣」で修正することも大切である。
5.× 動作の誤りは何度も繰り返し修正することは、持続性注意障害の観点から難しい。なぜなら、注意を一定の状態に維持することができず誤りを繰り返すことが多くため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4354🔗
問題文正答率:50.00%
37
廃用症候群における症状と治療の組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1~2.× 筋萎縮/骨萎縮に対し、装具固定/機能的電気刺激は優先度が低い。筋萎縮/骨萎縮は、低栄養・廃用の原因で起こることが多い。装具固定は、運動を制限するときに使用する。FES(機能的電気刺激療法)は、筋の活動を促すため、末梢神経を刺激し麻痺筋の収縮を補助するのに有効である。
3.× 下腿浮腫に対し、安静保持より「積極的な下肢運動」が有効である。下腿浮腫は、廃用により下腿の筋肉ポンプ作用が低下し、さらに皮膚緊張度も低下するため起こる。この下腿浮腫を廃用性浮腫ともいう。
4.× 起立性低血圧は、塩分制限より「積極的な離床」が有効である。なぜなら、廃用による起立性低血圧の原因として、①循環血液量低下、②血管運動調節機能障害、③心筋機能の低下などの原因があげられるため。
5.〇 正しい。深部静脈血栓症に対し抗凝固療法は有効である。深部静脈血栓症は、深部静脈系に血栓を生じ静脈閉塞を起こすものであり、下肢に発生することが多い。他にも、深部静脈血栓の予防法として、弾性ストッキング、下肢の運動が効果的である。なぜなら、静脈還流を促すことが期待できるため。
https://ja.mondder.com/fq?id=4355🔗
問題文正答率:50.00%
38
手背の熱傷に対する急性期のスプリントの関節角度で正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 手関節は、「屈曲」ではなく「伸展」(10~)30度である。ただし、本症例は急性期であるため、10度程度が望ましいといえる。
2.〇 正しい。MP関節屈曲50度で急性期のスプリントの関節角度を調整する。理想は、MP関節70~80度屈曲位であるが、本症例は急性期であるためまずはMP関節屈曲50度から始めるのが望ましい。
3~4.× PIP関節屈曲60度/DIP関節屈曲30度ではなく、PIP・DIP関節伸展0度が望ましい。
5.× 母指は、橈側外転60度ではなく「対立位かやや外転位」が望ましい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4356🔗
問題文正答率:50.00%
39
中央値の説明として正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× データの最大値から最小値を引いた値のことを「範囲」という。これが大きいほどデータが散らばっていることになる。
2.× 全データの中で最もデータの数が多い値のことを「最頻値」という。
3.× データの総和をデータの個数で割った値のことを「平均」という。
4.〇 正しい。データの値を小さい順に並べ変えたとき、真ん中に位置する値のことを「中央値」という。
5.× 各データから平均値を引いたものを2乗した総和をデータの個数で割った値のことを「全二乗値の平均値」という。ちなみに、各データに対して「(全データから計算した)平均値との差」のことを「偏差」という。
https://ja.mondder.com/fq?id=4357🔗
問題文正答率:50.00%
40
認知症の BPSD〈Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia〉の評価尺度はどれか。
解説・コメント
1.× ADAS(Alzheimer’s Disease Assessment Scale)は、記憶を中心とする認知機能検査である。主な目的は、アルツハイマー病に対するコリン作動性薬物による認知機能の評価である。評価項目は、11課題(①単語再生、②口語言語能力、③言語の聴覚的理解、④自発話における喚語困難、⑤口頭命令に従う、⑥手指および物品呼称、⑦構成行為、⑧観念運動、⑨見当識、⑩単語再認、⑪テスト教示の再生能力)から構成されている。0~70点の範囲で、得点は失点であるため、高得点になるにつれて、障害の程度が増す。認知症の重症度を判定するというよりは、継続的に複数回実施し、得点変化によって認知機能の変化を評価する検査である。2.× CDR(Clinical Dementia Rating:認知症の重症度評価法)は、認知症の重症度を総合的に評価する場合に用いられる。記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家族状況及び趣味、介護状況の6項目について、患者の診察や周囲の人からの情報で評価する。それらを総合して、健康(SDR0)、認知症の疑い(SDR0.5)、軽度認知症(SDR1)、中等度認知症(SDR2)、高度認知症(SDR3)のいずれかに評価する。
3.× MMSE(Mini Mental State Examination)は、認知障害の簡便な評価方法である。見当識、記銘力、注意と計算、 想起、言語、組み立ての各項目がある。30点満点のうち、26点以下で軽度認知隊害の疑い、23点以下では認知障害の可能性が高いことを示す。
4.〇 正しい。NPI(neuropsychiatric inventory) は、援助者からの聞き取りにより、「認知症の行動・心理症状(BPSD)」を評価する方法である。 「認知症の行動・心理症状(BPSD)」に関連する12項日につき、頻度を0~4の5段階で、重症度を1~3の3段階で評価し、点数が高いほど重症となる。
5.× PSMS(Physical Self-Maintenance Scale)は、ADLの評価尺度である。家族・介護者からの情報に基づき評価する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4358🔗
問題文正答率:50.00%
41
職場の作業に近い13種類の課題から構成される職業評価はどれか
解説・コメント
1.× 内田クレペリン精神検査は、性格検査・職業適性検査の一種である。被験者に一定時間計算させ続けることで、作業量・集中力・注意力などの作業能力と、性格傾向を知ることができる。
2.× GATB(General Aptitude Test Battery:厚生労働省編一般職業適性検査)は、多くの職業で必要とされる9つの能力=適性能(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ)を評価することにより、望ましい職業選択を行うための情報を提供することを目的として作成されたものである。本問のように、職場の作業に近い課題は実施しないため不適当である。
3.× 障害者用就職レディネス・チェックリスト(ERCD:Employment Readiness Checklist for the Disabled)のチェックリストは、9領域44項目で構成されている。これらの項目は、どのような仕事の種類や内容であっても、人が就職して働く場合に、職場の物理的・心理的・社会的環境に適応して成果を上げていくのに必要となる心理的・行動的条件を、心要最小限度の範囲で網羅しているものとなっている。
4.〇 正しい。マイクロタワー法は、職場の作業に近い13種類の課題から構成される職業評価である。ワークサンプル法を用いて職業能力適性を測定する作業見本法の一つである。13の作業課題を小集団で実施する。職場における作業に類似したサンプルを実際に用い、対象者の職業能力、作業態度や意欲、心身の耐久力など、総合的な職業適性をみる。
5.× MODAPTS(モダプツ:modular arrangement of predetermined time standards)は、作業能力評価法である。作業動作時間測定法であるMTM(Methods Time Measurement)に改良を加えた簡便な作業能力評価法である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4359🔗
問題文正答率:50.00%
42
統合失調症に対する作業療法で、ICF の構成要素の「活動」に分類されるのはどれ か。
解説・コメント
1.× 内田クレペリン精神検査は、性格検査・職業適性検査の一種である。被験者に一定時間計算させ続けることで、作業量・集中力・注意力などの作業能力と、性格傾向を知ることができる。
2.× GATB(General Aptitude Test Battery:厚生労働省編一般職業適性検査)は、多くの職業で必要とされる9つの能力=適性能(知的能力、言語能力、数理能力、書記的知覚、空間判断力、形態知覚、運動共応、指先の器用さ、手腕の器用さ)を評価することにより、望ましい職業選択を行うための情報を提供することを目的として作成されたものである。本問のように、職場の作業に近い課題は実施しないため不適当である。
3.× 障害者用就職レディネス・チェックリスト(ERCD:Employment Readiness Checklist for the Disabled)のチェックリストは、9領域44項目で構成されている。これらの項目は、どのような仕事の種類や内容であっても、人が就職して働く場合に、職場の物理的・心理的・社会的環境に適応して成果を上げていくのに必要となる心理的・行動的条件を、心要最小限度の範囲で網羅しているものとなっている。
4.〇 正しい。マイクロタワー法は、職場の作業に近い13種類の課題から構成される職業評価である。ワークサンプル法を用いて職業能力適性を測定する作業見本法の一つである。13の作業課題を小集団で実施する。職場における作業に類似したサンプルを実際に用い、対象者の職業能力、作業態度や意欲、心身の耐久力など、総合的な職業適性をみる。
5.× MODAPTS(モダプツ:modular arrangement of predetermined time standards)は、作業能力評価法である。作業動作時間測定法であるMTM(Methods Time Measurement)に改良を加えた簡便な作業能力評価法である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4360🔗
問題文正答率:50.00%
43
てんかんについて正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。不眠はてんかん発作を誘発しやすい。他にも①驚いたとき、②不安なとき、③光のちらつきを目にしたとき、④ストレスが加わったとき、⑤疲れているとき、⑥お薬を飲み忘れたとき、⑦ゲームをしているときなどでもある。それらの誘因はそれぞれの患者によって異なる。
2.× 重症度の評価に知能テストは、有効であるとは一概にいえない。なぜなら、知能は正常であるてんかんもあるため。例えば、側頭葉てんかんや小児欠神てんかん、Jacksonてんかん、覚醒時大発作てんかんなどである。
3.× てんかん発作時に、意識障害が必発とは一概にいえない。なぜなら、単純部分発作は、意識障害を伴わないため。ちなみに、意識障害を伴うものは、複雑部分発作である。
4.× West症候群の発症のピークは、3~5歳ではなく「乳幼児(4~12か月)」ある。
5.× 明らかな脳器質性の原因が認められるのは、特発性てんかんではなく「症候性てんかん」である。症候性てんかんは、特発性てんかんに比べ予後が良いのではなく悪い。なぜなら、症候性てんかん(器質的な脳の病変に起因するてんかん発作)は、抗てんかん薬で発作を抑えられる割合は50%前後であるため。症候性の原因には、脳の先天奇形、脳腫瘍、脳血管障害、神経変性疾患などがあげられる。一方、特発性てんかん(明らかな脳の病変が認められず、生まれ持った脳の性質に起因するてんかん)は、ある年齢に達すると自然と発作がなくなるため予後は良好である。20歳以後の発症は、症候性が多く、特に高齢者の場合は、脳血管障害や変性疾患を基盤とするものが多い。
https://ja.mondder.com/fq?id=4361🔗
問題文正答率:50.00%
44
前頭側頭型認知症の初期症状はどれか。
解説・コメント
1〜2.4.× 失禁/着替えができない(着衣失行)/買い物から帰れない(徘徊)は、アルツハイマー型認知症に特徴的な症状で中等度(中期)にみられる症状である。
3.× 物忘れが多くなるのは、年齢相応であれば問題ないと判断することが多い。忘れ物が日常生活に支障をきたすようになった場合、軽度認知障害(MCI)と判断されアルツハイマー型認知症に進行すると言われている。
5.〇 正しい。自分本位にふるまうのは、前頭側頭型認知症の初期症状である。前頭側頭型認知症は、アルツハイマー型認知症に類似するが、早期には記憶よりも人格(見当識)、注意力などが障害されるのが特徴である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4362🔗
問題文正答率:50.00%
45
躁病相の初期評価時に得るべき情報として適切でないのはどれか
解説・コメント
1.× 問題行動に対する本人の捉え方は、躁病相の初期評価時に得るべき情報としては優先度が低い。なぜなら、作業療法の初期評価では、他職種から得た医療情報と本人または家族との面接を通して得た情報から病前の生活状況を把握することが大切になるため。躁病の特徴である⑦目標指向性の異常亢進、⑧快楽的活動への没頭などで日常生活に収集がつかない状況にも陥りかねず、思考に関しては問診するのは後のほうが良い。
2.〇 正しい。本人が社会で担ってきた役割は、躁病相の初期評価時に得るべき情報である。なぜなら、躁病の特徴である②過度の自尊心・誇大的思考などで現実と乖離することがあるため。
3.〇 正しい。処方されている薬物は、躁病相の初期評価時に得るべき情報である。なぜなら、双極性障害は、気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患であるため。気分安定薬は、抗躁薬ともよばれている。躁状態の改善に有効であるが、気分障害に関連した疾患の再発防止にも有効である。抗躁薬の炭酸リチウムは効果が現れる血中濃度と副作用が現れる濃度の幅が狭いため、血中濃度をこまめに測定して中毒症状を予防する必要がある。重度で運動失調、せん妄、意識障害がみられる。
4.〇 正しい。睡眠の状態は、躁病相の初期評価時に得るべき情報である。なぜなら、躁病の特徴の特徴として、③睡眠欲求の減少がみられるため。
5.〇 正しい。併存疾患は、躁病相の初期評価時に得るべき情報である。併存疾患(併存症)とは、別の病気を併存している状態のことをいう。双極性障害には、アスペルガー症候群や注意多動性障害(ADHD)、不安障害などみられる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4363🔗
問題文正答率:50.00%
46
回復初期のうつ病患者への作業療法で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.3.× 指示は詳細に行う/励ましながら活動を行う必要はない。なぜなら、うつ病の人は几帳面で完璧主義、責任感が強い人が多いため。もし失敗したり工程を飛ばしてしまった場合、さらに症状が悪化する可能性がある。無理をしなくてよいことを伝える。
2.× 自己決定の経験を促す必要はない。なぜなら、自己決定が負担に感じてしまう可能性があるため。工程がはっきりしている方が良い。また、就職や転職、離婚など重要事項の判断・決定は先延ばしにする。
4.〇 正しい。1回の活動時間は短くする。うつ病の治療で最も重要なことは、十分な休養をとることであり、これをしっかりと説明する必要がある。
5.× 長期間継続できる作業を勧める必要はない。なぜなら、うつ病の治療で最も重要なことは、十分な休養をとることであるため。短期間で完成できるもので、いつでも休める作業が望ましい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4364🔗
問題文正答率:50.00%
47
パニック障害に対する作業療法導入初期の作業療法士の対応で適切なのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。リラクセーションを練習する。なぜなら、あまり負担をかけずに身体的回復を促し、リフレッシュ効果が見込めるため。治療の③認知行動療法(セルフコントロール)に該当する。
2.× 集団作業療法で役割を持たせる優先度は低い。なぜなら、集団作業療法は認知行動療法の基本的な手技ではあるが、導入時には負担が大きく、不安を助長することにつながりかねないため。
3.× 作業活動を通して自己洞察を促す必要はない。なぜなら、パニック障害は、誘因なく突然予期せぬパニック発作であるため。自己洞察することで、パニックを防げるわけではない。ちなみに、自己洞察とは、”自分自身の体調、心の状態をどれだけ分かるか”で自分の性格や思考、感情傾向、など、自分についての洞察(自分の心、体の状態を把握する)を得ることをいう。
4.× スポーツ活動で体力の向上を促す優先度は低い。なぜなら、導入時は、疲労を感じやすいため。休憩をこまめに早めにとり精神的にも負担をかけないことが重要である。
5.× パニック発作の不安がある場合は作業療法を中止する優先度は低い。なぜなら、不安対処能力の向上につながるため。不安が生じても、作業に集中してそれにとらわれない時間を過ごすことにより、症状の改善を図ることが目的となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4365🔗
問題文正答率:50.00%
48
ギャンブル障害(病的賭博)について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.× 女性ではなく「男性」に多い。全体で7:3(男女比)といわれている。若年期は男性に多く、女性は中年~高齢期で男性より多くなる。
2.〇 正しい。反復性である。反復性とは、同じことを何度も繰り返すことである。病的賭博(ギャンブル障害)は、ギャンブルへの病的な執着のために自己のギャンブル行動を制御できず、治療的アプローチがなければギャンブルへの強い欲求が再燃し、やめ続けることの困難な状態のことである。
3.〇 正しい。患者の利益を損なう。ギャンブルがやめられず経済的困窮に陥ることもある。ちなみに、「利益を損なう」とは、得られるはずであった利益が得られなくなる、または損をすることをいう。
4.〇 正しい。合理的な動機を欠いている。合理的とは、①目的に合っていて無駄のないさま、②道理や論理にかなっているさま、③むだなく能率的であるさまをいう。ギャンブル依存の原因について、まだはっきりとしたことはわかっていない。生物学的要因、遺伝的要因、環境要因が組み合わされて発症している報告もある。 また、薬物やアルコールと同じように、脳内の報酬系という神経回路が亢進しているため、という説もある。
5.〇 正しい。統制できない衝動に関連する。ギャンブル依存症(病的賭博)は、WHO国際疾病分類第10改訂(ICD-10)の診断カテゴリーでは「習慣及び衝動の障害」としてまとめられている。それに類似するものとしては、①病的放火、②病的窃盗、③抜毛症などがある。それらの疾患の基本特性としては、(1)明らかな合理的動機を欠く。(2)患者自身および他の人々の利益を損なう。(3)行動の反復性。(4)統制できない衝動に関連づけられるとされている。しかし以上の項目を満たしていたとしても、他の精神疾患のひとつの症候として現れる場合もあり、厳密な診断は困難である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4366🔗
問題文正答率:50.00%
49
作業療法実践時の標準的な感染症予防策として正しいのはどれか
解説・コメント
1.× 機器や道具の消毒は、1日1回ではなく「使用の前後」に行う。患者と医療従事者双方における医療関連感染の危険性を減少させるために標準的に講じる感染対策である。つまり、患者に直接接触する前 (入室前・診察前、検温や血圧測定など)に手指衛生(手洗いや手袋)は必要となる。
2.× 屋外での作業療法活動でも感染予防は「必要である」。なぜなら、標準予防策(standard precaution)とは、院内感染の防止策として推奨されている方法であり、感染の有無に関わらず入院患者すべてに適用される予防対策であるため。入院患者であれば、屋内・外の条件はない。
3.× 活動中は作業療法室内の湿度は、「40%以下」ではなく「60~70%」に保つ。なぜなら、粘膜が乾燥すると、細菌やウイルスの感染リスクが増すため。しかし、湿度管理は標準感染予防策には含まれていない。
4.× 手洗いは、抗菌性の石酸を使用し「5秒程度」ではなく「全行程40~60秒以上」かけて洗浄する。
5.〇 正しい。活動中に患者が出血した場合は、手袋をして対処する。感染予防策は、患者の血液や体液、分泌、排泄されるすべての湿性物質、粘膜、創傷の皮膚は感染のおそれがあるとみなして対応・行動する方法である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4367🔗
問題文正答率:50.00%
50
個人情報保護の観点から、事例報告における記載内容と記載方法の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 患者氏名を、K.R(イニシャル)と記載するのは不適切である。また、患者個人の特定可能な氏名(あだ名を含む)や入院番号も個人情報である。患者氏名をあえて載せたい場合は、A氏(別名)とする。
2.× 生年月日を、1970年12月1日と日付まで記載するのは不適切である。生年月日は、臨床経過を知る上で必要となることが多い。あえて載せたい場合は、年月までの記載に留めておく。ちなみに、事例報告に必要な日付は、原則として初診時を X 年とし、X-3 年、X+2 年などと記載する。ただし、日付が病態に関与する場合に限り、日付を記載してよいこととなっている。
3.〇 正しい。年齢は、50歳代前半と記載する。年齢、性別、年収、最終学歴、趣味、家族構成、血液型、身長、体重、出生地、本籍地等は、氏名と結びつく限り個人情報となる。
4.× 現住所は、東京都千代田区霞が関1-2-2と番地まで記載するのは不適切である。原則は患者の住所は記載しない。ただし、疾患の発生場所が病態等に関与する場合は区域までに限定して記載することを可となっている。
5.× 職業は、公務員(厚生労働省勤務)と厚生労働省の職員であることまで記載するのは不適切である。施設名は個人情報である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4368🔗
問題文正答率:50.00%
51
関節円板を有する関節はどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
関節円板を有する関節
①顎関節
②胸鎖関節
③肩鎖関節
④下橈尺関節
⑤橈骨手根関節
1.3.4〇 正しい。遠位橈尺関節/胸鎖関節/橈骨手根関節は、関節円板を有する関節である。ちなみに、関節円板は骨と骨がこすれないように、クッションの役割をする。
2.5.× 肩関節/腕尺関節は、関節円板を有する関節はない。
https://ja.mondder.com/fq?id=4369🔗
問題文正答率:50.00%
52
膝関節半月板について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 逆である。外縁は内縁より厚い。膝関節の外縁より、内縁の方が薄く浮遊している。
2.× 外縁は外側側副靭帯に付着していない。一方、内側半月板は内側側副靱帯に付着している。
3.〇 正しい。外縁は血行により栄養されている。外縁の約2/3が血管・神経が分布している。一方、内縁の約1/3が血管・神経の分布している。つまり、外縁は血液により栄養され直接的に血行による代謝が得られる。一方、内縁部は関節内の圧力の変化によるポンプ作用により代謝されるため、関節が動くことにより間接的に代謝を得ることができる。
4.× 内側半月板の形状は「O字状」ではなく「C字状」ある。
5.× プロテオグリカン量は、関節軟骨より「多い」のではなく「少ない」。プロテオグリカンとは、たんぱく質に糖が結合した糖たんぱく質のことである。軟骨の構成成分は、約70%が水分で、次にⅡ型コラーゲン、プロテオグリカンの順で多くを占めている。プロテオグリカンは、編み状に張り巡らされたⅡ型コラーゲンの間に存在し保水力が高い。したがって、軟骨の役割を果たすのに重要な粘弾性を与えている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4370🔗
問題文正答率:50.00%
53
深部反射と反射中枢の組合せで誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。上腕二頭筋反射は、C5・6(筋皮神経)である。上肢を軽度外転させ、肘をやや屈曲位にして、前腕を回内外中間位にする。上腕二頭筋付着部近くに検者の母指を当て、その上を叩打する。
2.〇 正しい。上腕三頭筋反射は、(C6)C7・8(橈骨神経)である。前腕部をつかみ、肘関節軽度屈曲位にて、肘頭上部の上腕三頭筋腱部を直接叩打する。
3.× 腕橈骨筋反射は、「C8・Th1」ではなく、「C5・6(橈骨神経)」である。手首をつかんで肘を軽く屈曲位にして、前腕を回内外中間位か、やや回内位にし、橈骨下端を直接に叩打する。
4.〇 正しい。膝蓋腱反射は、L2~4(大腿神経)である。①背臥位検査法、②座位検査、③増強法がある。
5.〇 正しい。アキレス腱反射は、S1・2(脛骨神経)である。背臥位検査の他に、①両下肢の股関節を軽度屈曲、外転、外旋位にして、膝関節を軽度屈曲させて両踵をつける。検者は足関節を背屈位にしてアキレス腱部を叩打する方法、②一側下腿の前面に健側下腿をのせ、足関節を背屈位にしてアキレス腱部を叩打する方法がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4371🔗
問題文正答率:50.00%
54
自律神経作用と支配する節前ニューロンの起始レベルとの組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 細気管支の収縮(副交感神経)は、頸髄ではなく「延髄」である。迷走神経により気管支の収縮を担っている。
2.× 顔面の汗腺の発汗(交感神経)は、延髄ではなく「上頸神経節」である。交感神経系から神経節を作っており脊髄の中間外側核(Th1~L2,3)が担っている。
3.× 消化管蠕動の亢進(副交感神経)は、腰髄ではなく「延髄」である。迷走神経により消化管蠕動の亢進を担っている。
4.〇 正しい。瞳孔散大筋の収縮(交感神経)は、「胸髄(上頸神経節)」である。瞳孔散大筋は、収縮することにより虹彩が外側に引っ張られ、瞳孔が拡大する。毛様脊髄中枢、交感神経(Th1)、頸部交感神経節から神経支配を受けている。
5.× 内尿道括約筋の収縮(交感神経)は、仙髄ではなく「腰髄」である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4372🔗
問題文正答率:50.00%
55
反回神経支配でないのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。横(輪状)披裂筋は、反回神経支配である。ちなみに、横(輪状)披裂筋の作用は、両側の披裂軟骨を近づけ、声門裂の後部を閉じる。つまり、声門を閉じる。
2.〇 正しい。甲状披裂筋は、反回神経支配である。ちなみに、甲状披裂筋の作用は、披裂軟骨を前方に引き、声帯ヒダを弛緩させる。声帯ヒダ前部を緊張させ、後部の厚みを増す。声帯ヒダの振動部分の長さ、太さを調節する。つまり、声帯を内転させる作用と声帯を短縮させ厚みを増す。
3.× 輪状甲状筋は、反回神経支配ではない。ちなみに、輪状甲状筋は声帯ヒダを伸ばして、緊張させ、声を高くする。支配神経は、上喉頭神経の外枝である。内喉頭筋の中で唯一反回神経支配ではない。
4.〇 正しい。後輪状披裂筋(声門開大筋とも)は、反回神経支配である。反回神経支配の中で唯一の声門開大筋である。ちなみに、後輪状披裂筋の作用は、披裂軟骨の筋突起を後方へ引き、軟骨を外転させる。つまり、左右の声帯ヒダは離れ、声門裂は開く(声門を開く作用)。
5.〇 正しい。披裂喉頭蓋筋は、反回神経支配である。ちなみに、披裂喉頭蓋筋の作用は、喉頭を上げて、舌根から喉頭までの空間を狭める(喉頭口を閉じる)。喉頭を引き上げるようにすることにより、主に嚥下時に働く。
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問題文正答率:50.00%
56
心臓について正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。右房室弁は三尖弁である。ちなみに、3尖は三尖弁(右房室弁)・大動脈弁・肺動脈弁である。
2.× 冠静脈洞は、「左心房」ではなく「右心房」に開口する。冠状静脈洞は心臓壁にある静脈の主幹で、心臓の後面にある冠状溝中に存在し、回旋枝と伴走する。
3.× 腱索が付着するのは、「大動脈弁」ではなく、「房室弁(僧帽弁と三尖弁)」である。乳頭筋は、心房内に反転しないように支える役割を果たす。
4.× Valsalva洞は、「肺動脈の起始部」ではなく「大動脈の起始部」に位置する。大動脈弁の直上にある大動脈の底の場所である。そこの壁が薄くなり、次第に瘤のように膨れてくるのをValsalva洞動脈瘤という。
5.〇 正しい。左冠状動脈(左前下行枝)は、心室中隔前方2/3に血液を送る。
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問題文正答率:50.00%
57
胃の解剖について正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。胃体部に胃底腺がある。胃底腺の分布する領域は、胃底部から胃体部であり、胃全体の2/3を占めている。胃底腺は胃粘膜を構成する外分泌腺の一種であり、胃酸、ペプシノーゲン、粘液を産生する3種類の細胞からなる複合管状腺である。
2.〇 正しい。食道と胃の境に噴門が位置する。ちなみに、幽門は十二指腸に連なる。また、噴門は第11胸椎や第7肋骨の位置に、第一腰椎の高さにあるのは幽門である。
3.× 角切痕から近位部は、幽門前庭ではなく「噴門」がある。遠位から順に幽門、幽門前庭、前庭部、胃角部となる。角切痕は幽門前庭部、胃角部の間に位置しており、近位部は胃角部となる。
4.× 胃酸を分泌する腺は、胃底部ではなく「胃体部」に多くみられる。胃酸は胃の近位3分の2(胃体部)に存在する壁細胞から分泌される。ちなみに、胃酸分泌に至る前として、食物によって引き起こされ、食物が胃の遠位3分の1(前庭部)に存在するガストリン分泌G細胞に対する迷走神経刺激に影響を及ぼす。
5.× 肝胃間膜によって肝臓と結合しているのは、大弯ではなく「小弯」である。ちなみに、大弯は、大網を介して横行結腸と結合する。間膜を2種類有するのは胃のみである。また、肝胃間膜と肝十二指腸間膜は、ともに肝臓の下面から胃(小弯)と十二指腸表面に連続する間膜である。
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問題文正答率:50.00%
58
副腎髄質から分泌されるホルモンはどれか。
解説・コメント
1.× レニンは、腎臓から分泌される。腎血流量の減少により作動し、血圧上昇させる働きがある。ちなみに、他にもエリスロポエチンや活性型ビタミンDが分泌される。
2~4.× アンドロゲン(男性ホルモン)/コルチゾール/アルドステロンは、副腎皮質から分泌される。
5.〇 正しい。ノルアドレナリンは、副腎髄質から分泌されるホルモンである。①アドレナリン、②ノルアドレナリン、③ドーパミンがあり、これらを総称してカテコールアミンという。
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問題文正答率:50.00%
59
光が角膜から網膜に達する経路で正しいのはどれか。
解説・コメント
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問題文正答率:50.00%
60
右手背部の写真を示す。
矢印が示す腱はどれか。
解説・コメント
1.× 短母指伸筋腱ではない。ちなみに、短母指伸筋の【起始】橈骨中部背面、前腕骨間膜の背面、【停止】母指基節骨底背外側部、一部は指背腱膜に加わる。
2.〇 正しい。長母指伸筋腱は、矢印が示す腱である。ちなみに、長母指伸筋の【起始】尺骨体中部背面、前腕骨間膜背面、【停止】母指の末節骨底の背側である。
3.× 母指内転筋腱ではない。ちなみに、母指内転筋の【起始】横頭:第3中手骨掌面の全長
斜頭:有頭骨を中心とした手根骨、第2~3中手骨底の掌側面、【停止】種子骨、母指基節骨底、一部は指背腱膜である。
4.× 短母指外転筋腱ではない。ちなみに、短母指外転筋の【起始】舟状骨結節、屈筋支帯の橈側端前面、【停止】種子骨、母指基節骨底、一部は指背腱膜である。
5.× 長母指外転筋腱ではない。ちなみに、長母指外転筋の【起始】尺骨と橈骨の中部背側面、前腕骨間膜背面、【停止】第1中手骨底背面外側付近である。
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問題文正答率:50.00%
61
骨格筋の収縮について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。筋小胞体はCa2+を貯蔵している。筋収縮の機序として、筋小胞体から放出されたCa2+がトロポニンと結合する。その後、ATPエネルギーを利用したミオシンの頭部首振り運動が起こり、アクチンフィラメントを引き寄せながらミオシンフィラメント上を滑走して筋収縮が起こる。
2.〇 正しい。活動電位は筋収縮に先行して発生する。活動電位が先行し、筋細胞に加わり閾値を超えることで筋収縮が発生する。
3.〇 正しい。神経筋接合部にはニコチン受容体が分布する。神経筋接合部には、アセチルコリン受容体が分布する。ニコチン受容体は、アセチルコリン受容体の1種である。ニコチン性アセチルコリン受容体(ニコチン受容体)に作用してアセチルコリンと同様の効果をしめす。ちなみに、神経筋接合部における抗アセチルコリン受容体抗体によって引き起こされる神経筋疾患が重症筋無力症である。また、アドレナリン受容体は、主に血管や心筋の神経接合部に存在している。
4.× 支配神経に単一の刺激を加えると「強縮」ではなく、「単収縮」が起こる。単収縮が加重し融合すると収縮力の大きな強縮となる。
5.〇 正しい。単収縮が連続して起こると階段現象がみられる。階段現象とは、筋に対し同じ強さの刺激を一定頻度以上で与えると、単収縮が連続して重なり合うように起こり、筋収縮が階段状に強くなる現象のことである。
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問題文正答率:50.00%
62
シナプス前膜の脱分極に続いて軸索終末に流入するのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。カルシウムイオンは、シナプス前膜の脱分極に続いて軸索終末に流入する。
2.× ガンマアミノ酪酸(GABA)の作用が増強すると他の神経の活動を抑制するため、不安が軽減するといわれている。
3.× グルタミン酸は、非必須アミノ酸の1つで、体内ではアラニン、アスパラギン酸、セリンをつくる際に必要なアミノ酸である。また、グルタミン酸はグルタチオンやガンマアミノ酪酸(GABA)の原料となる。脳内ではアンモニアと結合し、グルタミンとしてアンモニアを無毒化する。
4.× ナトリウムイオンは、活動電位発生時の急速な脱分極に寄与する。
5.× リン酸イオン(リン)は、リンは骨や歯の正常な発達に不可欠な成分である。生体内のリン酸濃度は、副甲状腺ホルモンなどの働きにより、腎臓からの再吸収や、骨への沈着と骨から血液中への溶出を制御することで一定に保たれている。
https://ja.mondder.com/fq?id=4380🔗
問題文正答率:50.00%
63
TypeⅡと比べてTypeⅠの筋線維の特徴で正しいのはどれか
解説・コメント
1.3~5.× 易疲労性がある/収縮速度が速い/ミオグロビンが少ない/ミトコンドリアが少ないのは、タイプⅡB(速筋)の特徴である。ミオグロビンは、赤色筋肉(持久力に関わる筋肉)に存在し、酸素が不足した場合に対応できるように酸素を蓄える働きをする。ミトコンドリアは、細胞に必要なエネルギー産生、細胞呼吸を行う。
2.〇 正しい。解糖系酵素活性が低いのは、タイプⅠ(遅筋)の特徴である。解糖系とは、酸素を使わずに糖を乳酸に分解してエネルギーを生成させる無酸素系のことである。
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問題文正答率:50.00%
64
心音または心電図波形と心周期における現象との組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1.〇 正しい。心音のⅠ音は、僧帽弁の閉鎖である。心室収縮時に起きる音で、おもに僧帽弁閉鎖音、大動脈弁開放音となる。
2.× 心音のⅡ音は、大動脈弁の開放ではなく「閉鎖」である。心室拡張の始まりに起きる音で、おもに大動脈弁閉鎖音(ⅡA)と肺動脈弁閉鎖音(ⅡP)となる。
3.× 心電図のP波は、His束の伝導ではなく「心房の興奮(脱分極)」を意味する。
4.× 心電図のQRS波は、洞房結節の伝導ではなく「ヒス束、プルキンエ線維、心室筋の興奮」を意味する。
5.× 心電図のT波は、心室筋の脱分極ではなく「心室の脱分極からの回復時に生じる波形(再分極)」を意味する。心室の電気的回復などと呼ばれる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4382🔗
問題文正答率:50.00%
65
抗体を産生するのはどれか。
解説・コメント
1.× 赤血球の主な機能は、酸素運搬である。また、他に炭酸脱水酵素を含みpH調節に関与する機能を持つ。
2.× 好中球は、サイトカインを産生する。サイトカインとは、主に免疫系細胞から分泌されるタンパク質である。他にも、マクロファージが産生する。
3.× 好酸球は、寄生虫に対する免疫反応や、Ⅰ型アレルギーに関与する。
4.〇 正しい。リンパ球(特にB細胞)が抗体を産生する。リンパ球は、脊椎動物の免疫系における白血球のサブタイプの一つである。リンパ球には①ナチュラルキラー細胞、②T細胞、③B細胞がある。B細胞は体液性免疫を担当し、B細胞から活性化して形質細胞となり抗体を産生する。
5.× 血小板は、血液凝固に作用する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4383🔗
問題文正答率:50.00%
66
脂質の消化吸収について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 胆汁は、胆嚢ではなく「肝細胞」で生成される。肝細胞で肝胆汁が産生され、胆嚢に貯蔵されて濃縮されて胆嚢胆汁となり、胆嚢から胆嚢管を経て総胆管に分泌される。ちなみに、胆細管は、肝細胞から肝胆汁が産生され、「毛細胆管(胆細管)→小葉間胆管→左右の肝管」への管である。
2.〇 正しい。胆汁酸はコレステロールから生合成される。胆汁はビリルビン、胆汁酸、コレステロール、リン脂質からなり、消化酵素は含まれない。胆汁は消化酵素の働きを助ける作用がある。
3.× トリプシンが、トリグリセリドではなく「タンパク質」を分解する。トリプシンは、タンパク質分解酵素である。膵液に含まれる消化酵素はトリプシン、キモトリプシン、ヌクレアーゼ、膵アミラーゼ、リパーゼである。トリプシンとキモトリプシンは蛋白を、ヌクレアーゼは核酸を、アミラーゼはデンプンと糖質を、リパーゼは脂質を分解する。
4.× Oddi括約筋(オッディ括約筋、胆膵管膨大部括約筋)の弛緩により胆汁が、空腸ではなく「十二指腸下行部」へ放出される。オッディ括約筋とは、十二指腸下行部に開口する総胆管及び膵管の出口に当たる、大十二指腸乳頭周囲に存在する括約筋である。
5.× ミセル内の脂質消化物は、輸送蛋白により小腸上皮細胞内ではなく「腸管」から吸収される。ちなみに、小腸上皮細胞は、水に溶けやすいグリセロールをそのまま吸収する働きを持つ。一方、ミセル内の脂質消化物(モノグリセリドと脂肪酸)は、腸内に分泌された胆汁酸の働きによりミセルという親水性の非常に小さい分子に取り込まれ腸管から吸収される。胆汁中には消化酵素は存在しないが、胆汁中に含まれる胆汁酸は乳化作用とミセル形成作用を有するため、脂肪の消化吸収に重要な役割を果たす。
https://ja.mondder.com/fq?id=4384🔗
問題文正答率:50.00%
67
排便機構で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 排便中枢は、「第5腰髄」ではなく「第2~4仙髄」にある。
2.× 「S状結腸」ではなく「直腸壁(が伸張すると)」に糞便が到達すると便意を感じる。直腸に到達した内容物により、直腸内圧が30~40mmHg以上になると、直腸壁が伸張し、骨盤神経を介して興奮が仙髄の排便中枢、さらには大脳に伝わり便意が生じる。
3.× 直腸壁からの求心路は、「陰部神経」ではなく「骨盤神経」を経由する。排便反射の中枢は副交感神経の骨盤神経が求心路である。
4.〇 正しい。骨盤神経の刺激で内肛門括約筋抑制が起こる。便が直腸に入り、直腸内壁が便により伸展すると、その刺激が仙髄の排便中枢に伝達され、直腸の収縮、内・外肛門括約筋の弛緩が起こって排便が起こる(排便反射)。
5.× 大腸内容物を肛門側に輸送するのは、「分節運動」ではなく「蠕動運動」である。縦走筋と輪状筋(主に輪状筋)によって生じる。輪状筋は食塊の口側で収縮し、肛門側で弛緩して食塊を肛門側に押し出す。ちなみに、縦走筋の収縮は、振り子運動で内容物を混和する。また、分節運動とは、哺乳類の小腸などにみられる運動である。 一定の間隔で腸管が収縮してくびれ、多数の分節に分けたようになるのが特徴で、腸内容物と消化液とを混合する役をする。
https://ja.mondder.com/fq?id=4385🔗
問題文正答率:50.00%
68
月経について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。分泌期は14日間である。分泌期は、内膜から分泌物が出る時期である。
2.× 基礎体温が高温相になるのは、月経期ではなく「分泌期」である。排卵が起こると、その後、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が始まるので、低温期より0.3~0.5℃、基礎体温が上昇する高温期に入る。
3.〇 正しい。月経期は、子宮内膜の機能層が剥離する。排卵した後、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の作用によって子宮内膜はさらに厚みを増し、受精卵の受け入れ体制を整える。妊娠が成立しないと、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が低下し、機能層が壊死して子宮内膜が剥がれ落ちる。
4.〇 正しい。子宮内膜の増殖は、卵胞ホルモン(プロゲステロン)の作用による。排卵した後、プロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の作用によって子宮内膜はさらに厚みを増し、受精卵の受け入れ体制を整える。
5.〇 正しい。増殖期には、子宮内膜の厚さは約5mmとなる。ちなみに、月経終了直後は約1mmとなる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4386🔗
問題文正答率:50.00%
69
エネルギー代謝で誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.× 安静時代謝量は基礎代謝量より、小さいのではなく「大きい」。安静時代謝量とは、快適な室温の部屋で、座って安静にしている状態で消費されるエネルギー量のことである。通常、基礎代謝量の約1.2倍(早朝空腹時では約1.1倍)とされている。ちなみに、基礎代謝とは、体温維持、心臓や呼吸など、人が生きていくために最低限必要なエネルギーのことである。基礎代謝量は、体重・体表面積・性と年齢などの要因に依存する。安静・空腹時のエネルギー消費量で、一般に女性より男性の方が高い。
2.〇 正しい。基礎代謝量は、ホルモンの影響を受ける。甲状腺機能が亢進すると物質代謝や基礎代謝量が増大するため、心拍数の増加、体温の上昇、発汗の増加などがみられるようになる。この状態がバセドウ病である。
3.〇 正しい。安静時代謝量は、体重減少により低下する。体重が重い時の方(筋肉量が増すため)が、安静にしていてもエネルギー量を多く使う。
4.〇 正しい。呼吸商は、脂肪の燃焼が多くなると低下する。呼吸商とは、酸素消費量に対する二酸化炭素排出量の比である。呼吸商は栄養素によって異なり、ブドウ糖が1.0、タンパク質は約0.8、脂質が0.7である。したがって、脂肪をよく燃焼している場合の呼吸商は0.8程度、脂肪を燃焼していない場合は1.0になる。
5.〇 正しい。代謝当量1単位は、酸素3.5mL/kg/分の摂取量を基準としている。「METs」とは、安静座位での酸素消費量を1として、その何倍の酸素消費量に当たるかを示したもの(代謝当量)である。各個人の安静坐位時の酸素摂取量(3.5ml/kg/min)が1METsである。
https://ja.mondder.com/fq?id=4387🔗
問題文正答率:50.00%
70
右下肢の運動の様子を図に示す。
関与する主な筋はどれか。
解説・コメント
1.× 膝窩筋の作用は、膝関節屈曲・脛骨内旋である。
2.〇 正しい。大腿二頭筋の作用は、股関節伸展・外旋、膝関節屈曲である。膝関節屈曲した状態では、下腿を外旋する作用を持つ。肢位によって筋線維の走行や筋線維長が変化し作用が変わる。ちなみに、大腿二頭筋の【起始】長頭:坐骨結節、短頭:大腿骨体の粗線の外側唇、外側大腿筋間中隔、【停止】腓骨頭の走行である。
3.× 薄筋の作用は、股関節内転、膝関節屈曲と内旋である。
4.× 半腱様筋の作用は、股関節伸展・内転・内旋、膝関節屈曲である。
5.× 縫工筋の作用は、股関節屈曲・外転・外旋、膝関節屈曲・内旋である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4388🔗
問題文正答率:50.00%
71
手関節橈屈に作用する筋はどれか。
解説・コメント
1.× 長掌筋の作用は、手関節の掌屈、手掌腱膜を張る。ちなみに、【起始】上腕骨の内側上顆、前腕筋膜内面、【停止】手掌で手掌腱膜となる。
2.× 短母指屈筋の作用は、母指基節骨屈曲である。ちなみに、【起始】浅頭:屈筋支帯の橈側部、深頭:大小菱形筋、有頭骨、第2中手骨底、【停止】種子骨、母指基節骨である。
3.〇 正しい。長母指屈筋の作用は、母指の中手指節関節と指節間関節の屈曲、(※手関節橈屈)である。ちなみに、【起始】橈骨前面、前腕骨間膜、【停止】母指末節骨底である。
4.× 短母指外転筋の作用は、母指外転、屈曲である。ちなみに、【起始】舟状骨結節、屈筋支帯の橈側端前面、【停止】種子骨、母指基節骨底、一部は指背腱膜である。
5.〇 正しい。長母指外転筋の作用は、母指外転、(※手関節橈屈)である。ちなみに、【起始】尺骨と橈骨の中部背側面、前腕骨間膜背面、【停止】第1中手骨底背面外側付近である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4389🔗
問題文正答率:50.00%
72
膝関節屈曲運動の制限に関与するのはどれか。
解説・コメント
1.× 斜膝窩靭帯の緊張は、膝関節伸展、外旋を制限する。走行は、半膜様筋腱と関節包後内側が合流し、腓腹筋外側頭に付着する。
2.× 前十字靭帯の緊張は、大腿骨に対する脛骨の前方へのすべり出しを抑制する。
3.〇 正しい。大腿後面と下腿後面の接触は、膝関節屈曲運動の制限に関与する。正常なエンドフィールは3種類ある。「骨性」「関節包・靭帯性」「軟部組織性」である。正常な膝関節屈曲は、弾力性のある軟部組織(特に筋腹や脂肪組織)が圧迫されて運動が止まるエンドフィールである。(大腿後面と下腿後面が圧迫し合うことによって運動が止まる)。
4.× 大腿骨の脛骨上の転がり運動は、最終可動域ではみられない。初期に転がり運動がみられ、最終域周辺では滑り運動のみである。①伸展位からの屈曲初期は転がり運動。②中間域は複合運動。③最終段階は滑り運動となる。
5.× 内側側副靭帯の緊張は、膝関節外反を抑制する。内側側副靭帯損傷の場合、外反ストレステストが陽性の場合疑える。
https://ja.mondder.com/fq?id=4390🔗
問題文正答率:50.00%
73
遠心性収縮が生じるのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.3~4.× 頭上に手を挙げるときの三角筋前部線維/腕立て伏せで肘を伸ばすときの上腕三頭筋/は求心性収縮である。求心性収縮とは、筋は負荷に打ち勝つだけの張力を発生して、筋の短縮が起こる状態のこと。骨格はてこ・関節は支点として働く。
2/5.〇 正しい。懸垂で体を下ろすときの上腕二頭筋/しゃがみ込むときのヒラメ筋は遠心性収縮である。遠心性収縮とは、加えられた負荷が筋張力よりも大きく、筋は収縮しているが伸びる状態のこと。これは最大張力の場合だけでなく、種々の筋張力レベルで起こる。日常の運動動作は、重力方向との関係で身体の種々の部分で遠心性収縮が起きている。遠心性収縮は、筋力増強効果が大きいとされるが、筋の損傷も大きい。筋力増強効果は、遠心性→等尺性→求心性の順に大きい。
4.× 椅子から立ち上がるときの大腿四頭筋は、等尺性収縮(離殿まで)と求心性収縮(伸展相)である。ただし、二関節筋である大腿直筋は、離殿までの相も求心性収縮である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4391🔗
問題文正答率:50.00%
74
10m歩行において歩幅45cm、歩行率80歩/分を示す。
このときの歩行速度(m/秒)はどれか。
解説・コメント
・本症例は、歩行率80歩/分であるため、1分当たり80歩歩く。
60で割ると、1秒間に約1.3歩である。
・次に、10mを歩幅45cm(0.45m)で歩くと何歩になるか?
10m ÷ 0.45m
=約22.2歩となる。
・1秒間に1.3歩で歩く人が、10m歩くのに22.2歩かかる。
→10m歩くのにかかる時間を求めることができる。
22.2 ÷ 1.3
=17秒(10m歩くのにかかる時間)
よって、歩行速度は、10(m)÷ 17(秒) =0.58(m/秒)
選択肢3. 0.6m/秒が正しい。
https://ja.mondder.com/fq?id=4392🔗
問題文正答率:50.00%
75
前癌病変になる進行性病変はどれか。
解説・コメント
1.× 萎縮は、生理的加齢によって脳の容積が縮小しているときの細胞の状態である。萎縮とは、組織や臓器を構成する細胞の個々の容積が減少する①単純萎縮と、構成細胞の数が減少する②数的萎縮にわけられる。その他の原因としては、血流の低下、機械的圧迫、低栄養老化などがある。
2.× 肥大とは、細胞や組織・臓器の大きさが増して容量が増大する事である。病的肥大には、高血圧症や弁膜症に伴う心肥大、前立腺肥 大に伴う膀胱壁の筋肥大などがある。
3.× 変性とは、細胞傷害によって起きた不可逆的な病理形態像のことをいう。
4.〇 正しい。異形成は、前癌病変になる進行性病変である。異形成とは、(癌ではないが)細胞や細胞配列が乱れる病変のことである。その程度によって、①軽度異形成、②中等度形成、③高度異形成に分類される。ちなみに、高度異形成は、子宮頸癌の前癌病変とされる。
5.× アポトーシスとは、プログラムされた細胞死である。核・細胞質は萎縮する。生体内のマクロファージに食べられる。一方、壊死(ネクローシス)とは、局所の組織の不可逆的な障害による細胞死をさし完全に区別される。
https://ja.mondder.com/fq?id=4393🔗
問題文正答率:50.00%
76
脳波検査について誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。開眼するとα波が抑制される。これをαブロッキングという。
2.〇 正しい。周波数はα波よりβ波の方が大きい。α(アルファ)の周波数は【8.0~13.0Hz】であり、一方でβ(ベータ)は【14.0~30.0Hz】である。
3.〇 正しい。ノンレム睡眠(浅い睡眠)では高振幅徐波が出現する。徐波とは、 α(アルファ)波より周波数が低いものをいう。つまり、①δ(デルタ)波【0.5~4.0Hz】、②θ(シータ)波【4.0~8.0Hz】に分けられる。 両者とも覚醒状態にある正常成人の安静閉眼時には、ほとんど出現しない。
4.〇 正しい。小児では成人に比べて背景活動の周波数が低い。小児では徐波が多く、老人ではα波の徐波化がみられる。
5.× 成人の安静覚醒閉眼時の背景活動は、「θ帯域」ではなく「α帯域(アルファ)【8.0~13.0Hz】」である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4394🔗
問題文正答率:50.00%
77
非ステロイド性抗炎症薬の副作用として正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。胃潰瘍は、非ステロイド性抗炎症薬の副作用である。
2.4~5.× 多幸感/骨粗鬆症/中心性肥満は、ステロイドの副作用である。副腎皮質ステロイド薬の副作用は、①易感染性、②骨粗鬆症、③糖尿病、④消化性潰瘍、⑤血栓症、⑥精神症状(うつ病)、⑦満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満などである。
3.× 低血糖ではなく、高血糖は、ステロイドの副作用である。ちなみに、低血糖が副作用である薬は、インスリンやインスリン分泌促進薬である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4395🔗
問題文正答率:50.00%
78
記憶と関係部位の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 長期記憶は、視床ではなく「海馬や大脳皮質」が主に関与する。視床は、嗅覚を除き、視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質へ中継する。
2.× 手続き記憶は、扁桃体ではなく「小脳」が主に関与する扁桃体は、情動に伴う現象などを司る。
3.× プライミング(入れ知恵記憶)は、小脳ではなく「大脳皮質」が主に関与する。プライミング記憶(入れ知恵記憶)とは、以前に入力された情報が無意識に記憶され、その後の認識などの脳機能に影響を与える記憶のことをいう。例えば、「じゃんけん」という文字を事前に見ていれば、「じ〇〇けん」という穴埋めを見たときに、「じゃんけん」と想起しすい。
4.× エピソード記憶は、松果体ではなく「海馬や大脳皮質」が主に関与する。松果体の主な働きは、概日リズムを調節するホルモン、メラトニンを分泌する。ちなみに、エピソード記憶とは、自分の生活史や思い出など、自分の過去の経験を伴う記憶のことである。「高校受験に失敗した」などである。
5.〇 正しい。ワーキングメモリーは、前頭葉が主に関与する。ワーキングメモリー(作業記憶)は、環境から新しく入ってくる短期記憶を保持する過程と、保持された短期記憶の情報と、長期記憶から取り出される情報とを適合して処理する過程の両方に関与している。物事を実行したり考えたりする際に、一時的に情報を蓄えておく記憶のシステムである。いわゆる短期記憶と異なるのは、情報を保持している間に他の情報処理を行うことである。
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問題文正答率:50.00%
79
成人期中期に発症しやすいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。うつ病は成人期中期に発症しやすい。ただし、女性の場合は、30~40歳代がピークとなりやすい。なぜなら、産後うつ病の影響も大きいため。産後うつ病とは、産褥婦の約3%にみられ、産褥1か月以内に発症することが多い。強い抑うつ症状を呈し、育児にも障害が出る。産後うつ病の患者への適切な対応が大切である。抑うつ状態の患者に対し、まずは患者の不安に寄り添い、共感的態度をとることが基本である。
2.× 統合失調症は、思春期~30歳までで70〜80%を占める。妄想型は30歳前後、破瓜型は思春期発症が多い。
3.× 血管性認知症は、60歳~70歳台の男性に起こりやすい。脳梗塞や脳出血によって引き起こされ、全認知症のうち19.5%が血管性認知症である。高血圧や糖尿病、脂質異常症といった基礎疾患、ストレスや喫煙、肥満、メタボリックシンドローム、大量の飲酒などの脳卒中の危険因子は、血管性認知症の発症リスクを高める。
4.× 社交不安障害(社会恐怖)は、学童期~思春期の発症が多い。一方、25歳以上での発症はまれといわれている。対人場面において、過剰な不安や緊張が誘発されるあまり、動悸・震え・吐き気・赤面・発汗などの身体症状が強く発現する。
5.× 神経性無食欲症は、10~思春期の発症が多い。一方、40才以上はまれといわれている。90%が女性である。摂食障害には、拒食症(神経性無食欲症)と過食症(神経性過食症)がある。思春期~青年期の若い女性に発症しやすい。病的な痩せ願望があり、ゆがんだボディーイメージ(痩せているのに太っていると思い込む)のために極端な食事制限や下剤の乱用を行う。その結果、極端なやせ、月経の停止、うぶ毛の増加などがみられる。性格的には頑固で競争心が強く、活動性も高いため、学業成績は優秀なことであることが多い。
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問題文正答率:50.00%
80
リエゾン精神医学における医療スタッフのベッドサイドマナーとして適切でないのはどれか。
解説・コメント
リエゾン精神医学の概念とは、身体疾患で入院中の患者に対して、患者の精神的・心理的トラブルの改善を図り、身体的疾患の回復を促すことを目的とした医学である。他科の医師およびスタッフの要請に応じてその協力のもと、身体・心理・社会・倫理的な全人的医療を行う。
【リエゾン精神医医療ベッドサイドマナー12カ条】
①座ること
②患者のためにちょっとした何かをしてあげること
③患者に触れること
④笑顔で接すること
⑤最初に患者について知っていることを話すこと
⑥今一番心配なことを訊くこと
⑦病気についての患者の解釈や不安をよく聴いておくこと
⑧患者の仕事や家族に対して、病気が与えている影響についてよく聞いておくこと
⑨患者が誇りに思っている活動や業績を知っておき、時にそれを誉めること
⑩患者が遭遇している人間としての苦境に理解を示すこと
⑪病気を検討することの必要性と目的を共有し、共同観察者の役割を担ってもらうこと
⑫診察の終わりには何か有益な情報を患者にもたらすこと
1~3.5.〇 正しい。④笑顔で接する/①座って対応する/⑥心配なことを聞く/⑨患者が誇りに思うことを称賛することは、リエゾン精神医学における医療スタッフのベッドサイドマナーである。
4.× 抽象的な情報ではなく、「⑫有益な情報」を与える。
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問題文正答率:50.00%
81
質問紙法によって行われるのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.〇 正しい。MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)は、質問紙法による人格検査である。550の項目にyes/noで答えさせ(自己記入式)、10の臨床尺度および4の妥当性尺度により被験者の人格プロフィールを表す。
2.× WCST(Wisconsin Card Sorting Test:ウィスコンシンカード分類テスト)は、前頭葉の機能を調べる検査であり、主に高次脳機能障害の評価に用いられる。あえて分類すると作業検査法である。4つの色と形が描かれた4枚のカードがあらかじめ並べられていて、被験者が手元にあるカードを分類カテゴリーに従って順次並べていくものである。
3.〇 正しい。YG性格検査は、質問紙法による性格検査の1つである。120項目で12の性格特性を測定する。また、測定結果で5つの類型に分類することも可能である。はい、いいえ、どちらでもない、の3件法である。
4.× バウムテストとは、「実のなる木」を1本自由に描いてもらう描画検査(投影法の人格検査)である。コッホによって開発された。「バウム(Baum)」がドイツ語で「木」という意味である。
5.× Rorschachテストは、投影法による性格検査の一つである。被験者にインクのしみを見せて何を想像するかを述べてもらい、その言語表現を分析することによって被験者の思考過程やその障害を推定するものである。
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問題文正答率:50.00%
82
ASIA の評価法における脊髄髄節とその key muscle との組合せで正しいのはど れか。
解説・コメント
1.〇 正しい。C5は、肘関節屈筋群(上腕二頭筋や上腕筋)である。
2.× 肘関節伸筋群は、C6ではなく「C7(上腕三頭筋)」である。ちなみに、C6は手関節背屈である。
3.× 小指外転筋は、C7ではなく「T1」である。
4.× 膝関節伸筋群は、L2ではなく「L3(大腿四頭筋)」である。ちなみに、L2は股関節屈筋群である。
5.× 足関節背屈筋群は、L3ではなく「L4(前脛骨筋)」である。
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問題文正答率:50.00%
83
フレイルの指標とサルコペニアの評価で共通する項目はどれか。 2つ選べ
解説・コメント
フレイルとは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態のことをいう。多くは、「健康状態」→「フレイル」→「要介護状態」と経過する。
定義:加齢とともに心身の活動(運動機能や認知機能など)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態である。
診断基準に含まれるのは【①体重減少、②主観的疲労度、③日常生活活動量の低下、④歩行速度の低下、⑤握力の減弱】である。
サルコペニアは、加齢に伴う骨格筋量と骨格筋力の低下によって身体的な障害やQOLの低下を招いている状態のことをいう。サルコペニアの診断には、四肢骨格筋量の低下があることに加えて身体機能(歩行速度)の低下または、筋力(握力)の低下、下腿周径、5回椅子立ち上がりテストがある。
1.3.〇 正しい。握力低下/歩行速度低下は、フレイルの指標とサルコペニアの評価で共通する項目である。
2.4.5.× 体重減少/主観的疲労感増大/日常生活活動減少は、フレイルの診断基準に含まれる。
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問題文正答率:50.00%
84
前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺に共通するのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。感覚は正常である。前骨間神経と後骨間神経は、前腕の橈骨と尺骨という2つ骨の間を繋ぐ骨間膜の前後を走る神経である。両者とも触覚に異常がないのが特徴である。神経炎以外にも、外傷、絞扼性神経障害でも生じる。
2.× 尺骨神経の分枝ではない。前骨間神経は正中神経、後骨間神経は橈骨神経の分岐である。
3.× 肘部管のTinel徴候が陽性となるのは尺骨神経である。前骨間神経は正中神経、後骨間神経は橈骨神経の分岐である。ちなみに、Tinel徴候とは、手根部や肘部の神経圧迫部位を叩打すると支配領域に放散痛が生じる現象をいう。肘部管症候群は、尺骨神経が肘関節背面内側にある尺側骨手根屈筋下の肘部管を通過する際に生じる絞拒性障害である。尺骨神経麻痺を来し、指の開閉運動障害や鷲手変形を生じる。
4.× 中・環・小指の伸展動作が困難であるのは、尺骨神経麻痺(鷲手)の特徴である。
5.× 母指と示指のつまみ動作が困難であるのは、前骨間神経麻痺の特徴である。
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問題文正答率:50.00%
85
言語発達で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。喃語は6か月ころからみられる。6か月以前の「アー」という母音だけの状態から、一音一音明確に発音できるまでになった音を「喃語」という。つまり、「アーウー」や、「バ・バ・バ」というような音のことである。
2.× 有意味語の発語は、8か月ころではなく「1歳ごろ」からみられる。有意味語は、ある特定の対象や事象を表わすための特定の語である。つまり、ごはんや母親を「マンマ」とよぶといった語である。
3.〇 正しい。言語的意味理解は10か月ころからみられる。遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表によると、9か月で「いけません」と言うと、ちょっと手を引っ込めるしぐさがみられる。
4.× 2語文(わんわんきた)の発話は、1歳ころではなく「2歳ごろ」にみられる。1歳ころは、2語言える程度である。
5.× 言語獲得の臨界期は、3歳ころではなく「12〜15歳」といわれている。臨界期とは、ある年齢を過ぎると言語の習得が不可能になる時期のことである。多くの場合、子どもが思春期に達する前後の12〜15歳が臨界期の終わりと考えられているが、これに対しては一致した結論はまだ出ていない。
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問題文正答率:50.00%
86
FIM について正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 見当識の評価項目はない。評価の項目は、①運動項目(食事、整容、清拭・入浴、更衣(上・下)、トイレ動作、排尿・排便、移乗、歩行、階段昇降など)と②認知項目(理解・表出、社会交流、問題解決、記憶)である。
2.〇 正しい。社会的交流を評価する。FIMの社会的交流とは、相手に迷惑をかけているかどうか、自分の言動が人にどう思われているかがわかるという事である。病室や訓練室、自宅、地域のなかで他人と折り合い、集団に参加して行く能力が含まれる。これは自分の要求とともに、他人の要求をどう処理するかも評価の対象になるという事である。
3.× 見守りが必要な場合は、4点ではなく「5点(要監視)」と判定する。
4.〇 正しい。更衣は、上半身と下半身を分けて評価する。それぞれ7点として評価項目は別々となっている。
5.× 杖を使用して歩行が自立すれば、完全自立(7点)ではなく「修正自立(6点)」と判定する。なぜなら、杖は歩行補助具に該当するため。
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問題文正答率:50.00%
87
アキレス腱断裂について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× つま先立ちは、可能ではなく「困難」である。アキレス腱断裂の場合、Thompson sign(トンプソン サイン)は陽性となる。被検者の腓腹筋を検者がつまみ、足関節底屈するかどうかをみる検査である。
2.× 受傷好発年齢は、10歳代ではなく「30〜40歳代」である。アキレス腱断裂は、踏み込み・ダッシュ・ジャンプなどの動作で下腿三頭筋が急激に収縮した時や、着地動作などで急に下腿三頭筋が伸ばされたりした時に発生する。したがって、スポーツ愛好家に多く、レクリエーション中の受傷が多いのが特徴である。
3.〇 正しい。高齢者では日常活動での受傷が多い。一方、若年層は主にスポーツ活動中のジャンプやダッシュなどでアキレス腱に強い力がかかったときに起こる。
4.× 患側の足関節可動域訓練を行うのは、術直後からではなく「1~2週目」である。なぜなら、術直後は「ギプス固定で荷重なし」となっているため。ギプス固定を外して装具での全荷重へと移行するのが「1~2週目」である。
5.× ステロイド注射は、アキレス腱断裂を予防するものではない。ステロイド注射は、強力な抗炎症作用と鎮痛効果が期待できることから、炎症に伴う腫れや痛みが激しい場合に検討されている。効果は、数週間~数か月持続するといわれており、痛みの改善に関してはヒアルロン酸よりも高い改善効果が期待できるという報告もある。
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問題文正答率:50.00%
88
骨形成不全症で正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 遺伝性疾患である。常染色体優性遺伝の場合もあれば、常染色体劣性遺伝の場合もある。
2.〇 正しい。聴覚障害を合併する。具体的な症状として、易骨折性、骨変形などの長管骨の骨脆弱性と脊椎骨の変形に加え、成長障害、青色強膜、歯牙(象牙質)形成不全、難聴、関節皮膚の過伸展などがみられる。さらに、脊柱変形による呼吸機能障害、心臓弁(大動脈弁、僧帽弁に多い)の異常による心不全などが引き起こされることがある。
3.× 四肢・体幹の変形は少ないのではなく「多い」。特に、二次的に側弯症を発症しやすい。その後、脊柱変形による呼吸機能障害、心臓弁(大動脈弁、僧帽弁に多い)の異常による心不全などが引き起こされる。
4.× 逆である。骨折の頻度は、思春期より小児期で高い。骨折は、乳児期や歩行の不安定な1~2歳ごろと運動をする機会が増える小学生で多いとされている。したがって、骨折や骨変形は、長管骨に多く見られる。
5.× 出生1.000人あたり1~2人の割合ではなく、「出生1.000人あたり0.05人」とされている。つまり、約2万人に1人といわれている。
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問題文正答率:50.00%
89
原発性骨粗鬆症について正しいのはどれか。 2つ選べ。
解説・コメント
1.× 男性ではなく、「女性」に多い。閉経後の女性が、約8割を占める。
2.〇 正しい。海綿骨の減少を伴う。なぜなら、閉経後のエストロゲンの減少により骨吸収が骨形成を上回るため。骨には、①外側(皮質骨)と②内側(海綿骨)がある。骨粗鬆症では、まず初めに骨の内側(海綿骨)がもろく弱くなっていく特徴がある。
3.〇 正しい。喫煙は危険因子である。危険因子とされている理由として、タバコは胃腸の働きを抑え、食欲をなくし、カルシウムの吸収を妨げるため。また、女性では骨から血液中へのカルシウムの流出を防ぐ女性ホルモンの分泌を防ぐなどといった機序を持つ。したがって、喫煙の他にも、生活習慣(食事、運動、アルコールなど)が発症に大きく影響する。
4.× 低カルシウム血症を伴わない。なぜなら、骨吸収が促進され、骨から血中にカルシウムが移動するため。つまり、血中のカルシウム濃度が上昇する。
5.× 骨折好発部位は、尺骨ではなく「椎体(圧迫骨折)」である。骨折好発部位は、女性は椎体が多いが、男性は長管骨(特に大腿骨頸部骨折や橈骨)である。
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問題文正答率:50.00%
90
脳梗塞の発生部位と出現する症状の組合せで正しいのはどれか
解説・コメント
1.× Broca領域の障害は、遂行機能障害ではなく「運動失語(Broca失語)」を伴う。ちなみに、遂行機能障害は前頭葉障害で生じる。
2.× 右小脳半球は、左ではなく「右(同側)」上下肢の運動失調が伴う。小脳半球(新小脳)は、四肢(特に上肢)の協調運動を司っている(失調性歩行、企図振戦、構音障害など)。失調性歩行は、ワイドベースや酩酊歩行、よろめき歩行ともいう。
3.〇 正しい。右内包後脚は、左上下肢の運動麻痺を伴う。運動麻痺は、錐体路(大脳皮質運動野-放線冠-内包後脚-大脳脚-延髄-脊髄交叉-脊髄前角細胞)で生じる。
4.× 左半側空間無視は、左前頭葉ではなく「右頭頂葉後方」の障害で伴いやすい。
5.×感覚性失語(Wernicke失語)は、左放線冠ではなく「左側頭葉(Wernicke野)」の障害で伴いやすい。
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問題文正答率:50.00%
91
筋電図検査について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 針筋電図の神経原性変化(脊髄性筋萎縮症)では、低振幅・短持続電位波形ではなく「振幅は増大し、持続時間は延長する」。ちなみに、低振幅・短持続電位波形がみられるのは、筋原性変化(筋ジストロフィーやミオパチー)の場合である。重症筋無力症の場合、振幅が漸減(waning:ウィニング)する。
2.× 軸索変性がある場合、活動電位の振幅は「低下しない」のではなく「低下する」。軸索変性がある疾患として、シャルコ・マリー・トゥース病があげられる。
3.〇 正しい。脱髄病変では神経伝導速度が低下する。脱髄病変とは、神経線維の髄鞘が、変性脱落することにより生ずる疾患の総称である。つまり、神経線維の髄鞘が脱落すると、跳躍伝導が行えないため神経伝導速度が低下する。脱髄病変のひとつに、多発性硬化症があげられる。多発性硬化症は、中枢神経系の種々の部位に多発性の脱髄病変を起こし多彩な症状がみられる。緩解と増悪を繰り返し、脱髄部位は視神経(眼症状や動眼神経麻痺)、脊髄、脳幹、大脳、小脳の順にみられる。有痛性強直性痙攣(有痛性けいれん)やレルミット徴候(頚部前屈時に背部から四肢にかけて放散する電撃痛)、ユートホフ現象(体温上昇によって症状悪化)などが特徴である。
4.× 感覚神経の伝導速度も測定できる。運動神経と感覚神経の両方支配する三叉神経や舌咽神経、迷走神経などの測定も可能である。
5.× 筋疾患では神経伝導速度が低下するのではなく「変化しない」。脱髄病変では神経伝導速度が低下する。脱髄病変とは、神経線維の髄鞘が、変性脱落することにより生ずる疾患の総称である。つまり、神経線維の髄鞘が脱落すると、跳躍伝導が行えないため神経伝導速度が低下する。
https://ja.mondder.com/fq?id=4409🔗
問題文正答率:50.00%
92
食道癌について正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 女性ではなく「男性」に多い。男性では1年間に10万人あたり31.0人、女性では5.6人と、男性に多い傾向(男女比6:1)がみられる。
2.× 腺癌ではなく「扁平上皮癌」が90%を占める。皮膚は表皮・真皮・皮下組織といった層構造を形成している。扁平上皮癌はこのうち表皮に存在する表皮角化細胞と呼ばれる細胞が悪性増殖してできる。
3.× リンパ行性転移は、稀ではなく「初期」から起こりうる。他の臓器に発生したがんと比較して、食道がんでは早期の段階からリンパ節転移が生ずるとされている。リンパ行性転移とは、癌細胞の発生場所から、リンパ管に入り込み、リンパ液の流れに乗って、途中のリンパ節に流れ着いて増殖することである。
4.〇 正しい。飲酒・喫煙は発症に関与する。原因は、アルコール、喫煙、熱い食事、Barrett食道、アカラシアなどである。ちなみに、Barrett食道(バレット食道)とは、食道下部の粘膜が、胃から連続して同じ円柱上皮に置き換えられている状態をいう。
5.× 逆である。「下部食道」よりも「中部食道」の発症率が高い。好発部位は、①中部食道(胸部)、②下部(腹部)、③上部(頚部)の順に多い。ちなみに、頚部・腹部食道は約5%である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4410🔗
問題文正答率:50.00%
93
感染性心内膜炎が原因で生じやすいのはどれか。
解説・コメント
1.× 女性ではなく「男性」に多い。男性では1年間に10万人あたり31.0人、女性では5.6人と、男性に多い傾向(男女比6:1)がみられる。
2.× 腺癌ではなく「扁平上皮癌」が90%を占める。皮膚は表皮・真皮・皮下組織といった層構造を形成している。扁平上皮癌はこのうち表皮に存在する表皮角化細胞と呼ばれる細胞が悪性増殖してできる。
3.× リンパ行性転移は、稀ではなく「初期」から起こりうる。他の臓器に発生したがんと比較して、食道がんでは早期の段階からリンパ節転移が生ずるとされている。リンパ行性転移とは、癌細胞の発生場所から、リンパ管に入り込み、リンパ液の流れに乗って、途中のリンパ節に流れ着いて増殖することである。
4.〇 正しい。飲酒・喫煙は発症に関与する。原因は、アルコール、喫煙、熱い食事、Barrett食道、アカラシアなどである。ちなみに、Barrett食道(バレット食道)とは、食道下部の粘膜が、胃から連続して同じ円柱上皮に置き換えられている状態をいう。
5.× 逆である。「下部食道」よりも「中部食道」の発症率が高い。好発部位は、①中部食道(胸部)、②下部(腹部)、③上部(頚部)の順に多い。ちなみに、頚部・腹部食道は約5%である。
https://ja.mondder.com/fq?id=4411🔗
問題文正答率:50.00%
94
心房細動に対する治療として誤っているのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。β遮断薬は、心房細動に有効である。通常、慢性心不全の方は心機能が低下しているため、交感神経が活発化している。しかし、長期間このような状態が続くと、心不全はだんだんと悪化していく。β遮断薬は、この神経の働きを抑えることで、無理をしている心臓の動きを少し休める作用がある。長期的に服用することで心不全の悪化を防ぐ薬である。
2.〇 正しい。抗凝固薬は、心房細動に有効である。血栓塞栓予防薬(抗凝固薬)は、血圧の低下に寄与する。ワルファリンがあげられる。
3.〇 正しい。電気的除細動は、心房細動に有効である。電気的除細動とは、心臓に強い電流を流し、バラバラになってしまった心臓の筋肉の動きを正常なリズムに戻す治療である。効果は短く、その後にお薬で治療することが多い。
4.〇 正しい。アブレーションは、心房細動に有効である。カテーテルアブレーションとは、カテーテルという直径2mm程度の細い管を、足の付け根の大腿静脈(または動脈)から心臓に挿入し、不整脈発生部位にカテーテルを当てて暖め、不整脈を根治する治療法である。
5.× ニトログリセリンは、主に狭心症、他に心筋梗塞、心臓喘息、アカラジアの一時的緩解などに用いる。狭心症は冠動脈の内腔が一時的に閉塞、狭窄する。ニトログリセリンに代表される硝酸薬は血管平滑筋を弛緩させ、血管を拡張させる作用がある。
https://ja.mondder.com/fq?id=4412🔗
問題文正答率:50.00%
95
がんについて正しいのはどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。環境は発生要因である。職業や職業的に多く暴露する化学物質は、ヒトの発がんリスクを上げる。先進国では、職場環境が改善され、発がんの可能性のある化学物質の使用の禁止や、暴露の制限がされているが、発展途上国は、対応が十分ではないため、今後も問題となる可能性がある。
2.× 緩和ケアは、術後に開始すると決まっているわけではない。緩和ケア病棟では、手術の有無にかかわらずその人らしく過ごすことができるようなケアを求められる。
3.× 年齢調整死亡率は、上昇ではなく減少している。年齢調整死亡率とは、観察集団と基準集団の年齢構成の違いを考慮して補正した死亡率のことである。つまり、もし人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう死亡率のことである。人口の高齢化の影響を除いた年齢調整率で見ると、がんの罹患は2010年前後まで増加しその後横ばい、死亡は1990年代半ばをピークに減少している。
4.× 一つのがん抑制遺伝子により発症するわけではない。むしろ、がん抑制遺伝子は、がんの発生を抑制する機能を持つタンパク質をコードする遺伝子である。がん抑制遺伝子は細胞の増殖を抑制したり、細胞のDNAに生じた傷を修復したり、細胞にアポトーシス(細胞死)を誘導したりする働きをする。代表的なものは「p53遺伝子」、「RB遺伝子」、「MLH1遺伝子」などが確認されている。
5.× 我が国のがん死亡数は、胃癌ではなく「肺癌」が最も多い。1位肺癌、2位大腸癌、3位胃癌の順となる。
https://ja.mondder.com/fq?id=4413🔗
問題文正答率:50.00%
96
てんかん発作で意識障害を伴わないのはどれか。
解説・コメント
1.× 間代発作は意識障害を伴う。てんかん発作の全般発作に分類される間代発作は「ガクンガクンとした一定リズムのけいれんが特徴である。
2.× 強直発作は意識障害を伴う。てんかん発作の全般発作に分類される間代発作は強直発作「突然意識を失い、全身が硬く突っ張る」のが特徴である。
3.× 欠神発作は意識障害を伴う。てんかん発作の全般発作に分類される欠神発作は、「突然の動作停止、数秒間ボートする」のが特徴である。虚空(こくう:何もない空間)を注視する。
4.〇 正しい。Jackson発作は意識障害を伴わない。Jacksonてんかん(ジャクソンてんかん)は、部分性単純発作に分類され、焦点運動発作が身体の一部に起こり、これが大脳隣接部分に次々に波及して身体部位に発作が進行していく。予後は比較的良好で、知能は正常である。
5.× 非定型欠神発作は意識障害を伴う。非定型欠神発作は、Lennox-Gastaut症候群(レノックス・ガストー症候群)などのことをいう。Lennox-Gastaut症候群(レノックス・ガストー症候群)は、3~5歳で発症し、急に四肢が硬くなり脱力発作が起こる。知的障害を伴う。
https://ja.mondder.com/fq?id=4414🔗
問題文正答率:50.00%
97
後頭葉の血流量低下が特徴的なのはどれか。
解説・コメント
1.× HIV認知症とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が脳に感染することで精神機能が進行性に悪化する病気ある。他の大半の種類の認知症と異なり、HIV関連認知症は比較的若い人に発生する傾向がある。特徴として、注意力および思考力の低下、見当識障害、覚醒(意識)レベルの変動が挙げられる。また、 多くの病気、薬剤、毒物などが、せん妄の原因になりえる。
2.× 血管性認知症は、基礎疾患に高血圧・糖尿病・心疾患があることが多く、感情失禁を特徴とする。
3.× 前頭側頭型認知症(Pick病)は、人格変化・精神荒廃を特徴とし、性的逸脱行為や滞続言語がみられ最終的に植物状態まで進行し、2~8年で衰弱して死亡することが多い。
4.〇 正しい。Lewy小体型認知症は、後頭葉の血流量低下が特徴的である。したがって、幻視といった症状が出やすい。Lewy小体型認知症とは、Lewy小体が広範な大脳皮質領域で出現することによって、①進行性認知症と②パーキンソニズムを呈する病態である。認知機能の変動・動揺、反復する幻視(人、小動物、虫)、パーキンソニズム、精神症状、REM睡眠型行動障害、自律神経障害などが特徴である。
5.× Alzheimer型認知症は、①初期から病識が欠如、②著明な人格崩壊、③性格変化、④記銘力低下、⑤記憶障害、⑥見当識障害、⑦語間代、⑧多幸、⑨抑うつ、⑩徘徊、⑩保続などもみられる。
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問題文正答率:50.00%
98
睡眠・覚醒のパターンを記録する睡眠日誌(睡眠表)の記載が最も有用なのはどれか。
解説・コメント
1.× 原発性不眠症(不眠症)は、睡眠障害の代表といえる症状で、充分に眠る時間が確保できていても眠れない状態である。夜の寝つきが悪く、眠ろうとするとかえって目が冴えたり、途中で目がさめてしまう、普段より朝早く目が覚めるなどの症状が続くものである。睡眠導入剤などの薬物療法に加え、生活の改善や睡眠へのこだわりをとる認知行動療法なども有効である。
2.× ナルコレプシーは、日中の過度の眠気や、通常起きている時間帯に自分では制御できない眠気が繰り返し起こったり、突然の筋力低下(情動脱力発作)も伴う睡眠障害である。入眠時はレム睡眠となるため、入眠時の金縛り、中途覚醒、リアルな悪夢によってうなされることが多い。覚醒状態の維持やその他の症状(入眠時の幻覚、睡眠麻痺)をコントロールするために薬物療法を行う。
3.〇 正しい。睡眠相後退症候群は、睡眠日誌(睡眠表)の記載が最も有用である。睡眠相後退症候群とは、原因が、体内時計が遅れているため、睡眠が遅い時間帯のほうにずれてしまうことにある。症状として、明け方近くまで寝つけず、いったん眠ると昼過ぎまで目が覚めないという状態に陥る。無理をして起床すると、眠気や強い倦怠感などの症状がみられる。
4.× レム睡眠行動障害は、レム睡眠の時に体が動く睡眠障害のことである。原因ははっきりわかっていないが、6割程度はストレスなどによるもの、4割程度が神経変性の病気などとの関連で発症すると考えられている。
5.× 閉塞性睡眠時無呼吸障害は、眠っている間に呼吸が止まる病気である。医学的には、10秒以上の気流停止を無呼吸とし、無呼吸が一晩に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上を診断基準とすることが多い。治療は、①持続陽圧呼吸療法(CPAP)、②口腔内装置、③気道の外科手術などがある。
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問題文正答率:50.00%
99
疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。
解説・コメント
1.× 電気けいれん療法は、PTSDではなく「重度うつ病」の混迷状態や強度の希死念慮を抱いている場合、緊張病状態などに用いられる。ちなみに、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)に対しても、選択肢4.曝露反応妨害法が用いられる。
2.× 持続エクスポージャー法(エクスポージャー:曝露)の適応疾患は、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)である。心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)の認知の特徴は「世界はすべて危険なものだ」「自分はそれに対して無力だ」ととらえてしまうことであるとし、患者を安全でトラウマを十分に回想できる状況に置いて、出来事の記憶の中には様々な要素があることに気づかせ、「そのようにとらえる必要はない」というように認知を修正できるようにする方法である。ちなみに、心気障害は病気ではないのに何か重大な病気にかかっているのではないかと不安な状態である。治療の主体は、精神療法や認知行動療法が主に用いられる。
3.× 自律訓練法は、シュルツにより開発された。自己催眠により全身をリラックスさせ、心身のコントロールを行うものである。適応疾患は、成人の心身症・不安神経症・強迫性障害である。ちなみに、解離性健忘(解離症の一種)は、通常のもの忘れでは一般的に失われることのない重要な個人的情報を想起できなくなる病態である。心的外傷またはストレスによって引き起こされることが多い。治療は精神療法やときに催眠法または薬剤を使用する面接法を併用する。
4.〇 正しい。強迫性障害に対し、曝露反応妨害法は適応疾患である。他にも、心的外傷後ストレス障害(Post Traumatic Stress Disorder:PTSD)に用いられる。曝露反応妨害法とは、行動療法の一つであり、不安を起こさせる弱い刺激にさらすとともに不安を抑える行動を禁止(反応妨害)し、不安は何もしなくても時間とともに軽減していくことを体験させ、徐々に刺激を強くしていく方法である。例えば、不潔恐怖の場合に手洗いをさせない(反応妨害)などである。
5.× 系統的脱感作法は、古典的条件付けに基づく行動療法の一つであり、ウォルピにより創始された。不安や恐怖の治療法として開発され適応疾患として、神経症性障害・摂食障害である。徐々に不安を感じる刺激を大きくして慣れさせる方法をとる。ちなみに、身体化障害(身体症状症)は、身体的訴えが多発性で繰り返し起こり、しばしば変化する身体症状を主とするものである。多くの医療機関を受診して、身体的症状を説明する原因はないといわれても受診を続け、本人は抑うつや不安が持続し、周囲との人間関係も悪くなる。治療の主体は支持的精神療法と認知行動療法である。抗不安薬などの薬物療法は依存を招く可能性があるため行わないことが多い。
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問題文正答率:50.00%
100
ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用はどれか。
解説・コメント
1.〇 正しい。下痢/運動失調は、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用である。ベンゾジアゼピン系睡眠薬のルネスタ(エスゾピクロン錠)の副作用に下痢がみられる。また、運動失調は、睡眠薬や抗不安薬など一般的に処方されている薬剤でも出現する。
3.× アカシジア(鎮座不能症とも)とは、ムズムズした感覚が下肢を中心に起こり,じっと座っていることができなくなる症状である。抗精神病薬による錐体外路症状として起こる。抗精神病薬の投与初期に起こりやすく、薬剤性パーキンソニズムの一種である。アカシジアは抗精神病薬、抗うつ薬、制吐薬・胃腸薬などによっても引き起こされることがある。
4.× 逆行性健忘とは、発症以前の過去の出来事に関する記憶を思い出すことの障害である。ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用として、前向性健忘があげられる。
5.× Parkinson症候群は、ドーパミンを抑制する薬に見られることが多い。例えば、精神神経用薬、消化性潰瘍用薬、胃腸運動調整薬、血圧降下剤などである。
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解説・コメント
1.× 前腕回内の抵抗の位置は、「前腕遠位部」である。設問の図の抵抗位置は、手背になっている。
2.× 対立運動の抵抗の位置は、「母指と小指の中手指節関節」である。設問の図の抵抗位置は、母指と小指のDIP関節になっている。
3.× 肘関節屈曲の抵抗の位置は、前腕遠位部である。設問の図の抵抗位置は、手掌になっている。
4.〇 正しい。肩関節水平外転の抵抗の位置は、「上腕遠位部」である。
5.〇 正しい。肩甲骨内転と下方回旋の抵抗の位置は、「上腕遠位部」である。