薬剤師国家試験 過去問 第104回2日目(1) 一般問題(薬学実践問題)
オプション
問題文正答率:50.00%
問196−197 62歳女性。体重55kg。5年前に慢性心不全と診断され、リシノプリル錠とビソプロロールフマル酸塩錠による治療を受けてきた。最近、息苦しさや疲労感が強くなってきたため以下の処方が追加された。なお、患者の腎機能が低下していたため(血清クレアチニン値1.6mg/dL、eGFR26.2mL/min/1.73m2)、低用量で投与を開始することになった。
(処方)
ジゴキシン錠0.125mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後14日分
入院して7日後の朝に患者から採血し、測定したジゴキシンの血中濃度は3.7ng/mLであった。診察した医師より、ジゴキシンの血中濃度が高いにもかかわらず患者にはジゴキシン中毒の症状が認められないので、その理由について薬剤師に問合せがあった。そこで、薬剤師は採血を行った臨床検査技師に以下の質問をした。
- (ア)採血したのは、患者がジゴキシンを服用する前でしたか、後でしたか。
- (イ)ジゴキシンの測定に用いた測定キットは何ですか。
- (ウ)別法でジゴキシンの測定を行い、比較することはできますか。
問196(実務)
上記の薬剤師の質問により明らかにしたかったこととして適切なのはどれか。2つ選べ。
問197(物理・化学・生物)
前問の質問に対する回答から、今回用いた血中濃度測定法は、ジゴキシンに対するポリクローナル抗体を用いる蛍光偏光イムノアッセイ(FPIA)法であることが判明した。そこで、モノクローナル抗体を用いるenzymemultiplied immunoassay technique(EMIT)法によって再測定を依頼した結果、0.8ng/mLの値が得られた。免疫測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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問題文正答率:50.00%
問198−199 52歳女性。若い頃からビール(350mL)を毎日6缶飲んでいた。腹部膨満感、嘔吐、四肢の浮腫を訴えて受診したところ、アルコール過剰摂取による肝硬変と診断された。受診時の検査データを以下に示す。
検査値
Na138mEq/L、Cl99mEq/L、K3.9mEq/L、T-Bil10mg/dL、Alb2.5g/dL、AST120U/L、ALT99U/L、BUN15mg/dL、血清クレアチニン1.1mg/dL、腹水(+)
患者は断酒とナトリウム摂取制限、スピロノラクトンによる薬物治療を始めた。後日の血液検査では血清カリウム値が5.0mEq/Lに上昇していた。
問198(実務)
血清カリウム値が上昇した理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問199(物理・化学・生物)
薬剤師は前問で考慮した理由以外に、今回用いた血清カリウム値の測定法(ピルビン酸キナーゼを用いる酵素法)におけるナトリウムの影響も疑った。そこで、他の測定法についても検討した。血清サンプル中のカリウム値の他の測定法として適しているのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
198
二次性アルドステロン症を呈しており、スピロノラクトンを服用しているため、血清カリウム値を上昇させる
199
1→2価以上の金属イオンがEDTAとの間で行うキレート生成反応を用いる容量分析である
4→カリウムの測定には適さない
5→還元性物質の測定に用いられる
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問題文正答率:50.00%
問200−201 50歳女性。身長160cm。体重72kg。地域の健康フェアで指の穿刺血液による空腹時血糖値とHbA1c値の測定を行った。測定結果は空腹時血糖値が95mg/dL、HbA1c値が5.6%(NGSP値)であった。後日、女性は近隣の薬局に測定結果の相談に訪れた。女性の仕事はデスクワーク中心で、職場までは自家用車で通勤しており、運動不足であった。また、洋菓子と果実ジュースが好きで毎日間食し、ワインを毎晩グラス1杯飲んでいた。
問200(実務)
相談を受けた薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
問201(物理・化学・生物)
この健康フェアで行われている血糖値の簡易測定においては、グルコース脱水素酵素あるいはグルコース酸化酵素が用いられており、検出には酵素比色法及び酵素電極法が用いられている。今回用いられている血糖値測定法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
200
1→診断基準値内のため受診する必要はない
2→診断基準値内である
5→自己血糖測定器を用いる
201
1→マルトース測定の妨害となる
3→500nmで測定する
5→グルコースオキシダーゼによりグルコースからグルコン酸が生成してヘキサシアノ鉄酸カリウムからヘキサシアノ鉄酸カリウム+電子が生成する。この際に生成する電子を測定する
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問題文正答率:50.00%
問202−203 73歳女性。体重48kg。高血圧の既往症があり、現在、オルメサルタン口腔内崩壊錠を服用している。この女性は毎日、血圧を測定しており、その値は正常値の範囲内で安定している。最近、咳が止まらず近医を受診したところ、肺非結核性抗酸菌症と診断された。本人が以下の処方箋を持って来局した。
(処方1)
リファンピシンカプセル150mg 1回3カプセル(1日3カプセル)
1日1回 朝食前 28日分
(処方2)
エタンブトール塩酸塩錠250mg 1回2錠(1日2錠)
1日1回 朝食後28日分
(処方3)
クラリスロマイシン錠200mg 1回2錠(1日4錠)
1日2回 朝夕食後 28日分
問202(実務)
服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。
問203(物理・化学・生物)
数日後、患者から尿が赤くなったという連絡があった。指導薬剤師は実務実習生になぜ尿が赤くなるのか、その理由について調べるように指導した。実習生は処方された3つの薬物の構造を調べ、尿の着色は、尿中に排出された処方薬の1つとその代謝物によるものであると推測した。そこで、その原因処方薬の紫外可視吸収スペクトルを調べたところ下図のようであった。以下の記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
202
1→代謝物の色のため使用は継続するよう説明する
2→一定期間は服用し続ける必要がある
4→オルメサルタンはCYPの影響を受けにくい特徴がある
203
1→吸光度の逆数の常用対数である
2→紫外線を吸収するためガラス製のセルは使えない
3→475nm付近の光の吸収によるものである
4→紫外領域のため目視できない
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問題文正答率:50.00%
問204−205 25歳男性。造血幹細胞移植6ヶ月目で移植片対宿主病(GVHD)を発症し、閉塞性細気管支炎と診断されたため、入院し酸素療法を開始した。体温38.2℃、動脈血酸素飽和度は85%、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)38Torr、動脈血pH7.4である。なお、患者は免疫抑制剤としてタクロリムスを服用している。
問204(実務)
この患者の病態及び治療として正しいのはどれか。2つ選べ。
問205(物理・化学・生物)
呼吸器疾患患者の病態を把握するには動脈血酸素分圧(PaO2)とヘモグロビン酸素飽和度の関係(下図)を理解することが重要である。実線は、正常pH(7.4)血液のヘモグロビン酸素飽和度を表し、点線は、低pH(7.2)血液のヘモグロビン酸素飽和度を表す。また、動脈血酸素飽和度はヘモグロビン酸素飽和度と同じとする。健常者及び前問の患者におけるガス交換や動脈血液ガスに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
なお、標準大気圧(1.013×105Pa)は上空から地上までに1m2あたり約1×104kgの気体が存在している状態である。水銀の密度は13.5g/mLである。
解説・コメント
204
1→ドナー由来のリンパ球が宿主の組織を攻撃する
3→再移植が必要な場合は移植により拒絶反応が出現した場合、移植により、移植前にあった病気が再発する場合である
4→増量する必要がある
205
2→101.325kPaである
3→60程度である
5→図の実線に近づく
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問題文正答率:50.00%
問206−207 60歳男性。体重50kg、体表面積1.5m2。再発直腸がんで外来通院しながら以下の化学療法(処方1、2)を受けることになり、化学療法施用当日の夕方17時に来院した。医師の指示のもと薬剤師が施用準備のため安全キャビネットでオキサリプラチン点滴静注液を輸液Aで希釈した。施用直前に患者が体調不良を訴えたため、翌日10時に再来し施用することになった。看護師は薬剤師に輸液Aで希釈したオキサリプラチン点滴静注液が翌日使用できることを確認し、速やかに冷所保存した。
(処方1)
カペシタビン錠300mg 1回5錠(1日10錠)
1日2回 朝夕食後 14日分
(処方2)
オキサリプラチン点滴静注液 200mg
輸液A
持続静注2時間かけて
問206(実務)
薬剤師がオキサリプラチン点滴静注液の希釈に用いた輸液Aはどれか。1つ選べ。
問207(物理・化学・生物)
オキサリプラチンの配位子及び配位子交換に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
206
塩化物イオンの高いもので希釈すると活性が低下することがあるため、ブドウ糖で希釈する
207
2→BよりもAの方が交換しやすい
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問題文正答率:50.00%
問208−209 65歳男性。労作時胸部圧迫感を訴え医療機関を受診している。冠動脈造影により左冠動脈前下行枝に75%の強度狭窄を認め、以下の処方薬を服用していた。3週間後に狭窄部分を押し広げる治療法である経皮的冠動脈インターベンション(PCI)による薬剤溶出ステント留置を行う目的で病院に入院することになった。
(処方)
アスピリン腸溶錠 100mg 1回1錠(1日1錠)
プラスグレル塩酸塩錠 3.75mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 30日分
問208(実務)
入院後に持参薬(上記処方)に関するPCI施行前後の服薬計画を立案するにあたって、薬剤師から医師に提案する内容として正しいのはどれか。2つ選べ。
問209(物理・化学・生物)
プラスグレルは生体内の代謝により活性代謝物Cに変換されて効果を発揮するプロドラッグである。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
208
1→PCI施行日のみ中止する
4→2剤を服用する必要がある
5→2剤を服用する必要がある
209
2→エステラーゼの作用が必須である
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問題文正答率:50.00%
問210−211 35歳女性。数日前から咳き込むようになった。市販の咳止め薬を服用していたが、治まらないので病院を受診したところ、呼吸器科で気管支喘息と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。薬剤師が面談したところ、過去に内服ステロイド薬により満月様顔貌(ムーンフェイス)などの副作用を経験したことが分かった。今回処方された吸入ステロイド薬についても副作用を心配している。なお、この女性は今回初めて吸入薬を使用する。
(処方)
パルミコート200μgタービュヘイラー56吸入(注) 1本
1回1吸入 1日2回 朝夕 吸入
(注:ブデソニド1回吸入量200μgのドライパウダー吸入式ステロイド薬)
問210(実務)
この患者に対する服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。
問211(物理・化学・生物)
ブデソニドは肝臓において、活性が低く水溶性の高い代謝物に代謝され、速やかに排泄される。主な代謝経路で起こる反応について正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
210
2→口腔カンジダの予防のため、吸入後のうがいを推奨する
4→徐々に減量する必要がある
5→すみやかに病院へ受診するようすすめる
211
2→ブデソニドの互変異性は代謝経路で起こる反応ではない
3→水溶性の高い代謝物にならないため不適切である
4→脂溶性が上がるため不適切である
5→脂溶性が上がるため不適切である
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問題文正答率:50.00%
問212−213 60歳男性。喘息のため吸入ステロイド薬と共にテオフィリンを服用している。今回、右腰のまわりに痛みを伴う水疱が出現したので皮膚科を受診したところ、帯状疱疹と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
(処方1)
アシクロビル錠400mg 1回2錠(1日10錠)
1日5回 朝食後・昼食後・おやつどき・夕食後・就寝前 7日分
面談により、この患者には、過去に口唇ヘルペスでバラシクロビル錠の服用の経験があることが分かった。また、営業職であるため忙しく、1日5回の服用を守ることは困難であると訴えた。そこで、皮膚科の医師に疑義照会したところ、以下の処方に変更となった。
(処方2)
バラシクロビル錠500mg 1回2錠(1日6錠)
1日3回 朝昼夕食後 7日分
なお、この患者のクレアチニンクリアランスは50mL/minであった。
問212(実務)
この患者に処方されたバラシクロビル錠に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
問213(物理・化学・生物)
バラシクロビルに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
212
2→アシクロビルがテオフィリンの代謝を阻害するため血中濃度が上昇することがある
3→アシクロビルと同程度の副作用が生じる
5→消失することはないとは言い切れない
213
1→消化管からの吸収性を改善を意図している
3→C=OとOの間が切断される
4→アシクロビルの末端の水酸基がリン酸化されることによる
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問題文正答率:50.00%
問214−215 50歳女性。3ヶ月前から、ふくらはぎがつることで眠れないなどの症状が出たので、市販の漢方薬Aを服用していた。今回、両下腿浮腫が発現したので、近医を受診し、胸部レントゲン検査にて心拡大を認めたため入院となった。血圧160/64mmHg、脈拍78回/分、血清カリウム値3.1mEq/L。動脈血ガス検査にて代謝性アルカローシスを認めた。心電図は正常。心臓超音波検査にて、心機能正常だが心嚢液貯留を認めた。
問214(実務)
漢方薬Aはどれか。1つ選べ。
問215(物理・化学・生物)
前問における漢方薬A服用後の症状の発現の原因となる生薬成分は、腸内細菌による加水分解を受けたのちに吸収される。加水分解後の化学構造はどれか。1つ選べ。
解説・コメント
214
2→腎炎やネフローゼに使用される
3→不安神経症や不眠症に使用される
4→腹痛や腹部膨満感に使用される
5→排尿困難、頻尿に使用される
215
1→バイカリンの構造である
2→ゲニピンの構造である
3→サントニンの構造である
4→ウルソデオキシコール酸の構造である
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問題文正答率:50.00%
問216−217 78歳女性。体重45kg。骨粗しょう症、うつ病及び不眠症のため下記の処方薬を服用していた。最近、食欲がなくなり、とても体がだるいとの訴えを聞いた家族が、この女性を通院中の病院に連れて来たところ、そのまま入院となった。
(処方)
アルファカルシドールカプセル0.5μg 1回1カプセル(1日1カプセル)
1日1回 夕食後 30日分
パロキセチン錠10mg 1回3錠(1日3錠)
1日1回 夕食後 30日分
ゾピクロン錠10mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 就寝前 30日分
入院時の検査の結果、低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム高値、高張尿が見られた。しかし、脱水症状は無く、腎機能及び副腎皮質機能が正常であり、上記以外の疾患はなかった。その結果、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)と診断された。診断した医師から薬剤師に薬学的管理について相談があった。
問216(実務)
この患者の薬学的管理に関する提案として適切なのはどれか。2つ選べ。
問217(物理・化学・生物)
この患者の検査結果で見られた異常の原因として適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
216
1→報告なし
3→報告なし
5→水分摂取は控えるべきである
217
1→プロテインキナーゼを活性化させる
3→フロセミドの記述である
4→バソプレシンの作用ではない
5→バソプレシンの分泌促進により生じる
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問題文正答率:50.00%
問218−219 27歳女性。1年前に結婚し、近いうちに子供が欲しいと考えている。自分の母子手帳を確認したところ、麻しんワクチンの接種記録が1回であった。近隣の病院に設置されたお薬相談コーナーに、麻しんワクチン接種の相談に訪れた。麻しんワクチン製剤は現時点で入手の見通しが立たないので接種できないが、当該病院には麻しん風しん混合ワクチン製剤の在庫がある。
問218(実務)
相談を受けた薬剤師が、この女性に行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
問219(物理・化学・生物)
この女性への説明事項の根拠として適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
218
1→2回接種が推奨される
2→ワクチンによる予防接種は必要である
4→妊婦には禁忌である
219
1→気道粘膜で増殖する
2→ヘルペスウイルス-3に関する記述である
3→空気感染もする
https://ja.mondder.com/fq?id=5747🔗
問題文正答率:50.00%
問220−221 88歳男性。独居。現在、高血圧症で以下の処方により在宅療養中であり、日中もほとんど寝たきりの生活をしている。
(処方)
アムロジピン口腔内崩壊錠5mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分
患者は過去に貼付剤による接触性皮膚炎を発症したことがある。また、患者は1人で服薬できないため、50歳の一人娘が毎朝出勤前に薬の管理と服薬介助をしている。娘はこれ以上の介護負担は困難だと考え、将来に不安を感じている。医師からは、血液検査結果に異常は認められないが、最近、患者の嚥下能力が低下し始めているので、誤嚥に注意するように言われている。
問220(物理・化学・生物)
患者の娘が仕事帰りに薬局に立ち寄り、「誤嚥はどのようにして起こるのですか」と薬剤師に質問した。正常な嚥下及び誤嚥の過程について、下図を用いた薬剤師の説明として正しい組合せはどれか。1つ選べ。なお、下図は、口腔から食道・気管までの断面図である。
- 咽頭口部への移送
- 咽頭喉頭部への移送
- 喉頭蓋による気道の閉鎖
- アへの移送
- イへの移送
問221(実務)
本日の訪問診療で、医師は軽度アルツハイマー型認知症と診断し、薬局に処方提案を依頼した。依頼を受け、薬剤師はアルツハイマー型認知症に適応のある医薬品の用法及び剤形を表のようにまとめた。患者の生活状況、全身状態、疾患などを考慮して、訪問医に追加提案する薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
表医薬品(一般名) | 用法 | 剤形 |
---|---|---|
ドネペジル塩酸塩 | 1日1回内服 | フィルムコーティング錠、口腔内崩壊錠、細粒、ドライシロップ、内服ゼリー、口腔内崩壊フィルム |
ガランタミン臭化水素酸塩 | 1日2回内服 | フィルムコーティング錠、口腔内崩壊錠、内用液 |
リバスチグミン | 1日1枚貼付 | 経皮吸収型製剤 |
メマンチン塩酸塩 | 1日1回内服 | フィルムコーティング錠、口腔内崩壊錠 |
解説・コメント
220
ア→気管 イ→食道である
221
2→1日2回の内服のため服薬介助が行えないので不適切である
3→1日2回の内服のため服薬介助が行えないので不適切である
4→接触性皮膚炎が生じているため不適切である
5→メマンチンは中~高度の認知症に使用される
https://ja.mondder.com/fq?id=5748🔗
問題文正答率:50.00%
問222−223 78歳男性。経営している会社の業務量が最近急増し、デスクワークが毎日続いたため、眼精疲労と肩こりを強く感じ、一般用医薬品を購入するため来局した。男性が所持していたお薬手帳により、服用中の薬を確認した。男性はパーキンソン病で以下の処方薬を服用していることが判明した。
(処方)
レボドパ錠200mg 1回4錠(1日12錠)
1日3回 朝昼夕食後 30日分
問222(実務)
現在、薬局には以下の成分を含む一般用医薬品がある。この男性に販売するのに適切なのはどれか。2つ選べ。
問223(物理・化学・生物)
前問において、販売すべきでないと薬剤師が総合的に判断した根拠のうち、レボドパの代謝に関わる反応とそれに必要なビタミンの組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
222
1→末梢でドパミンに変換される量が増加するため不適切である
2→症状に適さないため不適切である
5→ピリドキシンが含有されているため不適切である
223
VB₆を含む製剤を服用することで末梢でドパミンに変換される量が増加するため販売すべきではない
https://ja.mondder.com/fq?id=5749🔗
問題文正答率:50.00%
問224−225 7歳女児。卵アレルギーがある。小学校で給食を食べた直後、女児が異常を訴えた。ゼーゼーとした呼吸音(喘鳴)、皮膚の赤み、唇とまぶたの赤みを担任教諭が確認し、アドレナリン注射液(エピペン®注射液)を投与して、その後の適 切な対応により改善した。この女児が引越しに伴い転校することになり、転校先の 学校に母親より女児の受け入れ後の対応について相談があった。
問224(物理・化学・生物)
この女児の症状を引き起こした生体内反応として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問225(実務)
この相談を受け、万が一に備えて小学校から学校薬剤師にアドレナリン注射液(エピペン®注射液)の使用法講習の依頼があった。学校薬剤師が説明する重要なポイントとして、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
224
1→Ⅱ型アレルギーの記述である
2→Ⅲ型アレルギーの記述である
4→Ⅳ型アレルギーの記述である
5→自己免疫の記述である
225
4→お尻を避けて大腿部の前外側の筋肉に注射するべきである
https://ja.mondder.com/fq?id=5750🔗
問題文正答率:50.00%
問226−227 58歳男性。健康診断の結果が、体重72kg、血清クレアチニン値1.0mg/dL、BUN20mg/dL、空腹時血糖値122mg/dL、HbA1c(NGSP値)6.5%、BMI25.6であったため、かかりつけ医を受診した。かかりつけ医での検査の結果、耐糖能異常と診断され、食事療法と運動療法を開始した。仕事上、夜勤があり、食生活が不規則で十分な改善効果が得られなかったため、以下の薬剤を処方され薬局を訪れた。患者は、この薬剤の服用は初めてで、服用方法や副作用につい て不安を抱いている様子であった。
(処方)
ボグリボース口腔内崩壊錠 0.2mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食直前 14日分
問226(実務)
薬剤師がこの患者に行う服薬指導として適切なのはどれか。2つ選べ。
問227(衛生)
前問の服薬指導の根拠となる糖質の消化・吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
226
2→腎機能低下の副作用は報告されていない
4→食直前に服用する必要がある
5→口腔粘膜から吸収させる薬ではないため、水または唾液で服用する
227
1→吸収効率は低い
3→α1→β2結合である
5→ミグリトールの記述である
https://ja.mondder.com/fq?id=5751🔗
問題文正答率:50.00%
問228−229 15歳女性。身長150cm、体重29kg。精神的ストレスから最近6ヶ月で10kgの体重減少があり、月経もない。診察の結果、神経性無食欲症(拒食症)と診断された。特に最近3週間はほとんど食事を摂っておらず意識障害を生じたため、両親に伴われ来院し、緊急入院となった。入院後も食事に強い拒否を示したため、NST(栄養サポートチーム)の管理下で中心静脈栄養法を行うこととなった。
問228(衛生)
入院直前のこの患者の栄養状態に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。15歳女性の基礎代謝基準値(kcal/kg体重/日)を25とする。
問229(実務)
この患者に行う中心静脈栄養法及びその注意事項として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
228
1→低い値を示す
4→エネルギー産生には利用されない
5→推定エネルギー必要量は1500である
229
1→高血糖となり危険なため低カロリーから開始する
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問題文正答率:50.00%
問230−231 28歳女性。8月10日の夜間に下痢、発熱、腹痛を訴えて救急外来を受診した。医師が問診したところ、同日の昼間に料理教室で卵を用いた洋生菓子を作り、それを食べたとのことであった。一緒に料理教室に行った友人5人も同じ物を食べ、同じ症状を訴えているという。問診の結果から、医師は細菌性食中毒を疑い抗菌薬を投与することにした。
問230(実務)
患者の受診当日、医師は、処方可能な経口抗菌剤について薬剤師にアドバイスを求めた。薬剤師が提案すべき薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問231(衛生)
後日、洋生菓子の原材料である液卵(卵黄)と当該患者の下痢便から共通して医師が予想したものと同じ細菌が分離・同定された。細菌性毒素は検出されなかった。この患者の食中毒の原因菌として最も可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
230
サルモネラ食中毒の可能性があるため、第一選択薬はニューキノロン系である
231
1→真空パックした食品の中で生存する
2→原因菌として鶏肉が最も多い
4→原因食品として米飯類がある
5→おにぎりなど手作り食品が原因となる
https://ja.mondder.com/fq?id=5753🔗
問題文正答率:50.00%
問232−233 5歳女児。保育園でシラミ症が集団発生し、母親と共に皮膚科を受診した。皮膚科医より第二類医薬品であるスミスリン®Lシャンプー(注)で頭を洗うように指示を受け、薬局を訪れた。
(注:スミスリン®Lシャンプー:成分 フェノトリン(4mg/mL))
問232(実務)
薬剤師が母親に説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
問233(衛生)
スミスリン®Lシャンプーに含まれるフェノトリンは殺虫剤の成分である。フェノトリンの構造式はどれか。1つ選べ。
解説・コメント
232
2→出席停止すべき感染症に該当しない
4→繰り返し使用することで効果がでる
5→再発症することがある
233
1→DDTの構造である
2→カルバリルの構造である
3→イミダクロプリドの構造である
5→パラチオンの構造である
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問題文正答率:50.00%
問234−235 60歳男性。ジェノタイプ2型のC型慢性肝炎と診断され、初回治療としてDAAs(Direct acting antivirals)が投与されることになった。なお、この患者の腎機能は正常である。
問234(衛生)
この患者から聴取した生活習慣や過去の経験のうち、C型慢性肝炎に罹患した原因として可能性が低いのはどれか。2つ選べ。
問235(実務)
この患者に投与する抗ウイルス薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
234
1→E型肝炎である
4→A型肝炎である
235
1→HIV治療薬である
3→B型肝炎治療薬である
4→インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを阻害する
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問題文正答率:50.00%
問236−237 58歳男性。CD20陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、R-CHOP療法による治療が行われることになった。
問236(実務)
R-CHOP療法時に用いられる注射剤のうち、ヒトで催奇形性又は発がん性が報告されている、あるいは疑われており、かつ揮発性を有するため、薬剤調製時に閉鎖式接続器具の使用が最も望ましいのはどれか。1つ選べ。
問237(衛生)
前問で選んだ薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
236
閉鎖式接続器具の使用が望ましい薬剤はシクロホスファミド、イホスファミド、ベンダムスチンがある
237
1→二次発がん物質である
4→DNAが求核的に反応する
5→発がんイニシエーションである
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問題文正答率:50.00%
問238−239 小学生が大麻を吸引した事件が起きた。事件が発生した地域の学校薬剤師会の依頼により麻薬取締官が、学校薬剤師を集めて大麻の成分、作用や分析法について講義を行った。
問238(衛生)
大麻に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
問239(実務)
後日、学校薬剤師が保護者への説明会で伝えるべき大麻の特徴や問題点として正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
238
3→代謝を受けやすいため、未変化体で尿中に排泄されない
239
3→対象となる
4→精神依存がある
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問題文正答率:50.00%
問240−241 58歳男性。地元のがんセンターに入院し、検査の結果、去勢抵抗性の前立腺がんと診断された。骨転移も認められている。主治医は、患者に対し、放射性医薬品による骨転移巣の治療を検討していることを説明した。
問240(衛生)
治療の目的で用いられる放射性医薬品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問241(実務) 去勢抵抗性の前立腺がんの治療に用いられる放射性医薬品として最も適切なのは どれか。1つ選べ。
解説・コメント
240
2→半減期は長いものが多い
3→塩化ラジウムが用いられる
5→数分から数日程度のものが多い
241
1→悪性腫瘍の診断に使用
2→甲状腺疾患に治療に使用
3→CD20陽性の再発または難治性の低悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫に使用
4→骨髄疾患の診断に使用
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問題文正答率:50.00%
問242−243 73歳女性。友人に勧められたミネラルウォーターで医薬品を服用して良いか、かかりつけ薬剤師に相談した。そこで薬剤師は女性のお薬手帳を確認した。現在服用中の薬とミネラルウォーターの成分一覧は以下のとおりであった。
- (処方薬1)アレンドロン酸錠35mg
- (処方薬2)ワルファリンK錠1mg
- (処方薬3)グリメピリド錠1mg
- (処方薬4)アセトアミノフェン錠300mg
- (処方薬5)シプロフロキサシン錠200mg
問242(衛生) このミネラルウォーターの総硬度(mg/L)はどれか。1つ選べ。ただし原子量 は以下のとおりとする。
問243(実務)
このミネラルウォーターで服用すると吸収に影響があると考えられる処方薬はどれか。2つ選べ。
解説・コメント
242
総硬度=1100+298.89
=1398.89
243
2→VKとの食品との併用に注意が必要
3→問題にはならない
4→問題にはならない
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問題文正答率:50.00%
問244−245 学校校舎の老朽化のために一部(図工準備室)の建替えが行われた。建替えた校舎を利用した生徒から、目、鼻、のどの刺激、めまいの訴えが続いた。養護教諭から学校薬剤師に相談があり、学校薬剤師はこの教室内の空気中の化学物質検査を行うことにした。
問244(実務)
学校環境衛生基準に指定されている物質であり、生徒の症状の原因と考えられるのはどれか。2つ選べ。
問245(衛生)
前問で選択した原因物質を測定するための学校環境衛生基準に基づいた測定法はどれか。2つ選べ。
解説・コメント
244
シックハウス症候群を引き起こすものとして、アセトアルデヒド、スチレン、パラジクロロベンゼン、ホルムアルデヒド、トルエン、クロルピリホスがある
245
1→一酸化炭素の測定法である
2→窒素酸化物の測定法である
5→ダニ、ダニアレルゲンの測定法である
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解説・コメント
196
問題文より、ジゴキシン様免疫反応物質の存在を考慮した質問であると考えられ、またTDMはトラフ付近で行うことより正解は選択肢3.5である
197は便宜上1を正解としましたが解なしとなっていました。