薬剤師国家試験 過去問 第104回2日目(2) 一般問題(薬学実践問題)
オプション
問題文正答率:50.00%
問246−247 42歳女性。5年前に出産後、しばしば複視が出現した。他の症状は認められなかったが、2年経過後、眼瞼下垂、四肢の疲労感が出現し始めた。半年前からは、夕方になると増悪し、台所仕事ができない、しゃべりにくいなどの症状が出現したため、近医を受診した。血液検査で抗アセチルコリン受容体抗体の値が23nmol/L(正常値0.0−0.2nmol/L)であり、重症筋無力症と診断され、治療開始となった。
(処方)
ピリドスチグミン臭化物錠60mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 3日分
ピリドスチグミン臭化物錠60mgの内服を開始後、3日目の早朝から体調不良を訴え、救急外来を受診した。医師は投与量の妥当性を確認するために、注射剤としてエドロホニウム塩化物2mgを投与したところ、発汗、腹痛などの症状が増悪した。
問246(実務)
発汗、腹痛などの症状の改善及び今後の治療継続に必要なのはどれか。2つ選べ。
問247(薬理)
前問で選択した治療処置により、患者の症状は緩和された。この症状が緩和される機序はどれか。2つ選べ。
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問題文正答率:50.00%
問248−249 77歳女性。下記の眼科の処方箋を薬局で応需した。持参したお薬手帳には、他院で処方され現在服用中の内容が記載されていた。さらに患者にどんな病気で薬を服用しているのかインタビューをしたところ、処方医への問合せが必要になった。
(処方)
- ラタノプロスト点眼液0.005%(2.5mL/本) 1本
1回1滴 1日1回 就寝前 両眼点眼
- ドルゾラミド点眼液0.5%(5mL/本) 1本
1回1滴 1日3回 朝昼夕 両眼点眼
- チモロール点眼液0.25%(5mL/本) 1本
1回1滴 1日2回 朝夕 両眼点眼
(お薬手帳記載内容)
ランソプラゾール口腔内崩壊錠15mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分
酸化マグネシウム細粒83% 1回0.8g(1日2.4g)
1日3回 毎食後 28日分
アトルバスタチン錠10mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分
ワルファリンK錠1mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル100μg吸入用エアゾール 100吸入1本
1回1吸入 1日2回朝夕 吸入
問248(実務)
患者へのインタビュー及びお薬手帳に記載されている薬剤から判明した患者の既往症に対して今回処方された薬剤が禁忌となるため、今回処方した眼科医へ問合せが必要となった。このような判断に至ったお薬手帳記載の薬剤はどれか。1つ選べ。
問249(薬理)
前問で問合せをする根拠に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
248
患者は気管支喘息であると考えられる
チモロールは気管支を収縮させるため、気管支喘息の患者には使用できない
249
1→プロスタノイド受容体を刺激する
2→Dマンニトールの記述である
3→くも膜下出血による脳血管攣縮などを抑制する
5→腎機能障害によって血中濃度が上昇して副作用が生じやすくなる
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問題文正答率:50.00%
問250−251 75歳男性。7年前にパーキンソン病と診断され、レボドパ・ベンセラジド塩酸塩配合錠の投与によって日常生活は問題のないレベルを維持してきた。胃がんの手術のため外科病棟に入院したところ、この配合錠を正しく服用しているにもかかわらず、症状の日内変動(wearing−off現象)が認められるようになった。
問250(実務)
外科の主治医から病棟担当薬剤師に、wearing−offの治療に関する相談があり、一剤追加することになった。提案すべき併用薬物として適切なのはどれか。2つ選べ。
問251(薬理)
前問で提案すべき併用薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
250
wearing-off現象にはイストラデフィリン、エンタカポン、セレギリン、ゾニサミドが使用される
251
2→クロルプロマジン、ハロペリドールがある
3→ドロキシドパの記述である
5→中枢性抗コリン薬の記述である
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問題文正答率:50.00%
問252−253 79歳女性。この3年間、心不全(NYHA Ⅲ度)に対して同一の薬剤で薬物治療を行ってきた。この度、体動時の息切れがひどくなり、精査加療のために入院となった。検査の結果、体液貯留と浮腫の増悪が認められた。カンファレンスで薬物治療が再検討され、新たに1つの薬剤が追加となった。検討後の処方内容は以下のとおりである。
(処方)
- フロセミド錠40mg 1回2錠(1日2錠)
- スピロノラクトン錠25mg 1回2錠(1日2錠)
- トルバプタン錠15mg 1回1錠(1日1錠)
- ロサルタンK錠25mg 1回2錠(1日2錠)
- ワルファリンK錠1mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 7日分
- カルベジロール錠2.5mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 7日分
問252(実務)
追加された薬剤の投与開始日から、頻回に測定する必要性が最も高い検査値はどれか。1つ選べ。
問253(薬理)
この患者の背景から新たに追加された薬物の作用機序を踏まえ、前問の検査値を測定する理由として適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
252
フロセミド、スピロノラクトンを使用しても効果不十分の場合トルバプタンが使用される
253
2→スピロノラクトンの記述である
3→ロサルタンの記述である
4→ネフローゼ症候群の浮腫改善に使用される
5→ワルファリンの記述である
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問題文正答率:50.00%
問254−255 38歳女性。乳がん検診で腫瘤を指摘され、精査のため来院した。右乳房外側の腫瘤の針生検の結果、ER(2+)、PgR(+)、HER2(1+)、Ki−67 11%であり、pT1bの乳がんと診断された。腫瘤径は1cmだったため、乳房温存術(リンパ節郭清なし)が実施された。患者は閉経前であることが確認されている。
問254(実務)
この患者の術後治療に使用される抗がん薬として適切なのはどれか。1つ選べ。
問255(薬理)
前問で適切と考えられた術後治療に使用される薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
254
2→HER2陰性患者に使用される
3→閉経後乳がんに使用される
4→HER2タンパク過剰発現の患者に使用される
5→ホルモン療法が優先されるため不適切である
255
1→トラスツズマブの記述である
2→アナストロゾールの作用機序である
3→ドセタキセルの記述である
5→リュープロレリンの記述である
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問題文正答率:50.00%
問256−257 76歳男性。軽度の認知症、糖尿病、高血圧、うつ病のため、以下の処方薬を常用している。1年前から頻尿、残尿感及び排尿困難感があったが放置していた。風邪気味であったため、2日前に自宅の常備薬である市販の総合感冒薬を服用した。昨日の昼から尿がほとんど出なくなったため、かかりつけ薬剤師に相談に来た。
(処方)
- カンデサルタン口腔内崩壊錠4mg 1回1錠(1日1錠)
- シタグリプチンリン酸塩水和物錠50mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 30日分
- イミプラミン塩酸塩錠25mg 1回3錠(1日6錠)
1日2回 朝夕食後 30日分
- ボグリボース錠0.2mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食直前 30日分
- リバスチグミン経皮吸収型製剤18mg 1回1枚(1日1枚)
上腕部に貼布 30日分
また、総合感冒薬に含まれている成分は以下のとおりである。
- アセトアミノフェン
- d−クロルフェニラミンマレイン酸塩
- ジヒドロコデインリン酸塩
- dl−メチルエフェドリン塩酸塩
- 無水カフェイン
問256(実務)
この患者が常用している処方薬の中で、この総合感冒薬と併用すると排尿障害が増悪する可能性の高い薬剤はどれか。1つ選べ。
問257(薬理)
前問で選択した薬物と総合感冒薬に含まれている1成分は同一の作用機序で、この患者の排尿障害を増悪させた。その機序として正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
256
抗コリン作用の強い薬剤同士の併用では、症状が悪化することがある
257
1→シロドシンの記述である
2→ナフトピジルの記述である
3→ミラベグロンの記述である
4→クレンブテロールの記述である
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問題文正答率:50.00%
問258−259 63歳男性。根治切除不能な悪性黒色腫と診断され、外来化学療法でニボルマブが投与されることになった。薬剤師が初回投与時に患者のもとを訪れ、抗がん薬の特徴や注意すべき副作用の説明を行うことになった。
問258(実務)
ニボルマブの市販後に報告されている以下の副作用のうち、その作用機序から考えて、間接的に生じると思われる副作用として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問259(薬理)
ニボルマブは別の薬物を併用すると作用増強が現れる。理論的に考えて、同一細胞における別の標的分子に働くことで、ニボルマブと相乗作用を示すと考えられる併用薬の作用点として適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
258
1.3.4.5→免疫関連副作用として現れることがある
259
3→イピリムマブはCTLAA-4に対するモノクローナル抗体製剤である
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問題文正答率:50.00%
問260−263 58歳男性。高血圧症と脂質異常症の既往歴がある。1年前に頸動脈狭窄症を発症し、ステント留置術が施行された。今回、狭窄の状態を精査するために検査入院となった。病棟担当薬剤師が、患者に対して初回面談を行ったところ、「再発が怖いので、お医者さんから出された薬は毎日欠かさず飲んでいます。ただ、3日前からみぞおち付近に軽い痛みを感じて、便も黒い色をしています。」との情報を得た。病棟担当薬剤師は、この状況を主治医に報告し、薬物を1種類追加することを提案した。
(入院時の持参薬の処方)
- クロピドグレル錠75mg 1回1錠(1日1錠)
- アスピリン腸溶錠100mg 1回1錠(1日1錠)
- アムロジピン口腔内崩壊錠5mg 1回1錠(1日1錠)
- ロサルタンK錠50mg 1回1錠(1日1錠)
- アトルバスタチン錠10mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分
問260(実務)
提案すべき薬物として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問261(薬理)
前問で提案された薬物の作用機序はどれか。1つ選べ。
問262(実務)
半年経過後、胃部不快感、嘔気を自覚するようになった。半年間、薬の服用に変更はない。胃の内視鏡検査を施行したところ、早期胃がんが発見されたため、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を実施することになった。ESDは大出血のリスクは小さいが、出血の頻度が高い処置である。主治医は患者の既往歴を考慮し、抗血栓薬は継続したいと考えている。そこで、周術期の抗血栓療法について薬剤師に相談があった。この患者の抗血栓薬の中止・継続・代替療法について適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、ESD当日は休薬することとする。
問263(薬理) 前問の選択肢1~5に挙げた薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
260
2→抗血小板薬である
3→収斂作用のある止瀉薬である
4→NSAIDsである
5→局所麻酔薬である
261
1→トリメブチンの記述である
2→出血傾向を示す
3→NSAIDsの記述である
5→メピバカインの記述である
262
内視鏡術の延期が困難な場合にはアスピリンまたはシロスタゾールを単独投与すること
263
2→ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害する
4→アンチトロンビンⅢによる第Ⅹa因子やトロンビンなどの血液凝固因子の不活性化作用を有する
5→リバーロキサバンの記述である
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問題文正答率:50.00%
問264−267 58歳男性。糖尿病の診断を受け近医で薬物療法を継続していたが、定期的に受診せず、アドヒアランスも良好ではなかった。今回、吐き気、食欲不振、呼吸困難を訴え受診したところ、重症の尿毒症のため入院となった。血液検査の結果は以下のとおりであった。
検査値:体表面積未補正eGFR14.6mL/min、HbA1c7.7%(NGSP値)、ALT14IU/L、AST22IU/L
お薬手帳を確認したところ、以下の薬剤が処方されていた。尿毒症の治療を開始するとともに、退院に向けて本剤を中止し、代替薬を検討することになった。
(処方)
メトホルミン塩酸塩錠500mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 朝夕食後 14日分
問264(薬剤)
カンファレンスにおいて薬剤師は、体表面積未補正eGFRが異なる2つの群に対し、メトホルミン塩酸塩錠500mgを経口単回投与した時の腎クリアランス及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)をまとめた表を示した。表に基づいた説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。ただし、いずれの群も、メトホルミンのバイオアベイラビリティは60%とし、血漿タンパク結合は無視できるものとする。
問265(薬理)
この患者がメトホルミンを処方どおりに服用し続けた場合、起こり得る副作用とその機序の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。
問266(実務)
代替薬を提案するにあたり、医薬品インタビューフォームから得られた情報を参考に、薬剤師は候補薬のリストを作成した。リストの内容に基づいて提案する薬剤として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問267(実務)
前問で選んだ薬剤について、薬剤師が患者に行う説明として最も適切なのはどれ か。1つ選べ。
解説・コメント
264
1→主に糸球体ろ過によって排出されるわけではない
3→1/3に低下していない
5→平均血中濃度は2.45である
265
1→アガルボースの記述である
2→インスリン製剤の記述である
3→イプラグリフロジンの記述である
4→リナグリプチンの記述である
266
1→重篤な腎機能障害のある患者には禁忌である
2→低血糖の危機がある
3→低血糖の危険性がある
4→低血糖の危険性がある
267
1→SGLT2阻害剤の記述である
2→αグルコシダーゼの記述である
3→インクレチンの分解を抑える薬物である
4→ビグアナイド系の記述である
https://ja.mondder.com/fq?id=5769🔗
問題文正答率:50.00%
問268−269 60歳男性。脂質異常症及び高血圧症の診断により、現在、処方1による薬物治療を行っている。本日、処方2が追加された。
(処方1)
ピタバスタチンCa錠2mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 夕食後 28日分
ロサルタンK錠50mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後 28日分
(処方2)
イコサペント酸エチル粒状カプセル900mg 1回1包(1日2包)
1日2回 朝夕食直後 28日分
検査値
血圧126/76mmHg、血清クレアチニン値0.9mg/dL、HbA1c5.9%(NGSP値)、LDL−C98mg/dL、HDL−C62mg/dL、TG(トリグリセリド)220mg/dL
問268(実務)
処方2を追加した主目的として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問269(薬剤)
イコサペント酸エチル粒状カプセルを食直後に服用する理由として、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
268
TGが高値なため、イコサペント酸エチルが処方されている
269
イコサペント酸エチルは脂溶性が高いため食直後に服用することにより溶解性の向上が期待できる
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問題文正答率:50.00%
問270−271 60歳男性。高血圧の治療のため、内科から以下の薬剤が処方され服用していた。最近、薬剤の服用後にめまいやふらつきを感じることがあり薬局を訪れた。
(処方)
ニソルジピン錠10mg 1回1錠(1日1錠)
1日1回 朝食後14日分
問270(実務)
薬剤師がこの患者に聞き取りを行ったところ、最近、夜にグレープフルーツジュースを飲むようになったとのことであった。薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
問271(薬剤)
この患者におけるグレープフルーツジュース中の原因物質とニソルジピンの相互作用について、発現機序と考えられるのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
270
ニソルジピンによる副作用である低血圧症状が出ている
Ca拮抗薬はCYP3A4で代謝されるためGFJの摂取で血中濃度が上昇する
271
CYPの活性中心である鉄と共有結合して小腸CYP3A4の活性を不可逆的に阻害する
https://ja.mondder.com/fq?id=5771🔗
問題文正答率:50.00%
問272−273 36歳男性。10年前に双極性障害の診断を受け、処方1による治療を行っている。
(処方1)
炭酸リチウム錠 200mg 1回3錠(1日3錠)
1日1回 就寝前 28日分
患者は、10日前に腰痛により自宅近くの整形外科を受診し、処方2の薬剤の服用を開始した。
(処方2)
ロキソプロフェンNa錠60mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 14日分
2日前より下痢や嘔吐が出現し、今朝、ふらつきと発語困難を生じたため、緊急搬送された。リチウムの血清中濃度は、2.2mEq/L(血中濃度1.8mEq/Lに相当)と測定された。薬剤師が残薬を確認したところ、指示どおりの服薬状況であった。
問272(実務)
この患者への対応において、薬剤師が行うべき提案のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
問273(薬剤)
緊急搬送時でのこの患者におけるリチウムの全身クリアランス(L/hr)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、計算には血中濃度を用い、測定したリチウム濃度は定常状態における平均濃度であるものとする。また、リチウムのバイオアベイラビリティは100%とし、炭酸リチウム(Li2CO3)の分子量は73.9である。
解説・コメント
272
患者はリチウム中毒であるため利尿剤、補液を投与する
273
CLtot=16.2*1.0/1.8/24=0.375≒0.38
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問題文正答率:50.00%
問274−275 70歳男性。切除不能な胃がんの治療のため、S−1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)/シスプラチン療法を施行している。数日前から右下肢に痙れん様のふるえが認められている。精密検査の結果、左脳にがん転移が認められ、緊急入院となった。痙れん発作の予防としてフェニトインの服用を開始した。
(処方)
フェニトイン錠100mg 1回1錠(1日3錠)
1日3回 朝昼夕食後 7日分
問274(実務)
薬剤師が本患者のがん治療においてモニタリングをすべき項目として、最も優先度が低いのはどれか。1つ選べ。
問275(薬剤)
同一処方でさらに1週間継続服用したところ、せん妄様症状が認められ、その時のフェニトイン血中濃度は50μg/mLであった。この患者の定常状態におけるフェニトインの平均血中濃度を16μg/mLとしたい。1日あたりの投与量(mg)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
ただし、測定したフェニトイン濃度は定常状態における平均血中濃度であるものとし、フェニトインの体内からの消失速度はMichaelis−Menten式で表され、Michaelis定数を4μg/mL、バイオアベイラビリティを100%とする。なお、S−1/シスプラチン療法は今後も同じ用法・用量で継続するものとする。
解説・コメント
274
1→テガフールの副作用の発現頻度は累積投与量に依存していないのでモニタリングの優先度は低い
275
1.0*投与量=324*16/4+16=259.2
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問題文正答率:50.00%
問276−277 70歳女性。気管支喘息のため吸入療法を行っている。本日、デバイスが異なる吸入剤へ変更したため、医師から薬剤師に吸入指導の依頼があった。薬歴を確認したところ、前回の処方1から処方2へ変更になっていた。
(処方1)アドエア250ディスカス60吸入(注1) 1個
1回1吸入 1日2回 朝就寝前 吸入
(注1:サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルを含有する吸入粉末剤。1吸入で、サルメテロールとして50μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μgを吸入できる。)
(処方2)アドエア125エアゾール120吸入(注2) 1個
1回2吸入 1日2回 朝就寝前 吸入
(注2:サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルを含有する吸入エアゾール剤。1吸入で、サルメテロールとして25μg及びフルチカゾンプロピオン酸エステルとして125μgを吸入できる。)
患者に確認したところ、認知機能、視力、聴力及び手指筋力の低下は認められなかった。
問276(実務)
薬剤師がこれまでのデバイスとの吸入方法等の違いを指導するポイントとして適切なのはどれか。2つ選べ。
問277(薬剤)
処方1と処方2の製剤の特徴に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
276
2→ゆっくりと深く吸引する
3→ゆっくり吸引する
5→両方に共通するものである
277
2→処方2の記述である
3→処方2の記述である
4→耐圧性の密封容器である
https://ja.mondder.com/fq?id=5774🔗
問題文正答率:50.00%
問278−279 医師からプロポフォールの取扱いについての問合せがあり、集中治療部門の薬剤師が多職種カンファレンスでプロポフォールに関する情報提供を行うことになった。以下は院内採用医薬品であるプロポフォール注射剤1%の医薬品添付文書情報の一部である。
添加剤(1mL中) |
---|
ダイズ油50mg、中鎖脂肪酸トリグリセリド50mg、精製卵黄レシチン12mg、濃グリセリン25mg、オレイン酸ナトリウム0.3mg |
問278(実務)
カンファレンスで共有する情報として適切なのはどれか。2つ選べ。
問279(薬剤)
このプロポフォール注射剤1%に含まれている添加剤の本剤中での役割として、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
278
3→静脈内に投与する
4→残液は廃棄する
5→ろ過フィルターを使用して投与してはいけない
279
1→乳濁性注射剤である
3.4→o/w型乳濁性注射剤にするための乳化剤である
5→等張化剤である
https://ja.mondder.com/fq?id=5775🔗
問題文正答率:50.00%
問280−281 80歳女性。老人福祉施設に入所中に仙骨部に褥瘡を認めた。経過を観察していたが、改善しなかったため、褥瘡の治療目的で入院となった。入院当初、創部は滲出液が多く、黒色の壊死組織を伴っていた。
問280(薬剤)
患者の創部に塗布する外用剤の基剤として最も適しているのはどれか。1つ選べ。
問281(実務)
2週間後の褥瘡対策チームによる回診で、患者の創部に壊死組織はほとんど見られず、滲出液の減少、赤色期の肉芽形成の開始が確認された。褥瘡対策チームの薬剤師は、今後の治療で必要な外用剤の提案を求められた。推奨する薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
280
創傷部に漏出液が多い時は、漏出液を吸収するマクロゴール軟膏が使用される
281
2.3→褥瘡に感染や炎症が伴っている場合に適している
4→漏出液が多い場合に適している
https://ja.mondder.com/fq?id=5776🔗
問題文正答率:50.00%
問282−283 66歳男性。身長168cm、体重51kg。胃がんによる胃全摘術後に中心静脈栄養法を実施している。糖尿病の既往があり、血糖値上昇が見られたため、インスリンを投与することになった。輸液セットは感染予防のためフィルターを組み込んだ閉鎖回路としている。医師より「インスリン ヒト(遺伝子組換え)注射液100単位/mLを生理食塩液で希釈して50単位分調製し、投与する」よう指示があった。看護師から調製したインスリン注射液の投与法について質問があったため、薬剤師は、以下の模式図を書いて説明を行った。
問282(実務)
調製したインスリン注射液の投与法として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問283(薬剤)
前問の投与法を選択した理由に最も深く関係する事象はどれか。1つ選べ。
解説・コメント
282
インスリンを急速静脈注射すると低血糖を引き起こす
283
疎水性相互作用により結合してインスリンを吸着させる
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問題文正答率:50.00%
問284−285 45歳男性。結腸がんによる結腸切除術後に全身に転移が見られ、処方1により疼痛コントロールを行っていた。今回、疼痛増悪による疼痛コントロール目的で入院となり、処方2に変更となった。
(処方1)
- オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠20mg 1回1錠(1日2錠)
- オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠10mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 8時、20時 14日分
- オキシコドン塩酸塩水和物散10mg 1回1包
- オキシコドン塩酸塩水和物散5mg 1回1包
疼痛時10回分
(処方2)
- オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠40mg 1回1錠(1日2錠)
1日2回 8時、20時 3日分
- オキシコドン塩酸塩水和物散20mg 1回1包
疼痛時5回分
入院時に薬剤師が行った痛みの評価では、「午後になると痛みが強くなる、NRS(Numerical Rating Scale):8/10」、「どのタイミングか不明だが突然痛みが出る。痛みが出始めるとすぐに強い痛みとなる、NRS:8/10」とのことであった。
処方2の薬剤服用開始後に行った評価は、「午後になると強くなる痛みは改善、NRS:3/10」、「突然痛くなる状況は変化がない、NRS:8/10」であり、この結果を受けて緩和ケアチームで患者の処方を検討することになった。
問284(実務)
緩和ケアチームの薬剤師は、オキシコドン塩酸塩水和物散からの処方変更を提案した。代替の薬剤として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問285(薬剤)
前問での提案の理由として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
284
1→徐放性製剤のため不適切である
3→徐放性製剤のため不適切である
4→結腸がんの手術が行われているため不適切である
5→経口投与可能なため、不適切である
285
効果発現までの時間を短縮できる薬剤が使用されるべきである
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解説・コメント
246
ピリドスチグミンを服用後に体調が悪化したため、ChE阻害剤の服用中止、それに伴い抗コリン薬の投与が適切である
247
1→Achの濃度は低下する
4→スキサメトニウムの記述である
5→ピリドスチグミンの記述である