薬剤師国家試験 過去問 第105回2日目(2) 一般問題(薬学実践問題)
オプション
問題文正答率:50.00%
問246−247 30歳女性。少し前から物が二重に見えることがあり、最近は階段を上るときに下肢のだるさを感じるようになった。また、夜は歯磨き程度でも腕が疲れるようになったため受診した。早期の重症筋無力症と診断され、以下の薬剤が処方された。
- (処方1)
- ピリドスチグミン臭化物錠60mg 1回1錠(1日3錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 7日分
- (処方2)
- プレドニゾロン錠5mg 1回2錠(1日2錠)
- 1日1回 朝食後 7日分
- (処方3)
- タクロリムスカプセル1mg 1回3カプセル(1日3カプセル)
- 1日1回 夕食後 7日分
問246(実務)
この患者の処方に関する記述のうち適切なのはどれか。2つ選べ。
問247(薬理)
処方薬の服用により、症状の改善がみられたが、帯状疱疹を発症するとともに、下痢が顕著になった。帯状疱疹と下痢の発症のそれぞれに関係する薬物の作用機序として最も適切なのはどれか。2つ選べ。
https://ja.mondder.com/fq?id=6068🔗
問題文正答率:50.00%
問248−249 55歳男性。コンピューター関連企業に勤務しており、勤務時間中は長時間コンピューターの画面を見ることが多い。1年前、目のかすみや視野がぼやけることがあり眼科を受診したところ、緑内障と診断され処方1にて治療を行っていた。今回の受診の際、眼圧が高くなっていることを指摘され、処方2が追加となった。
- (処方1)
- ラタ眼液0.005%(2.5mL/本) 1本
- 1回1滴 1日1回 朝 両目点眼
- (処方2)
- チモプトール®XE点眼液0.5%(注)(2.5mL/本) 1本
- 1回1滴 1日1回 朝 両目点眼
- (注:チモロールマレイン酸塩持続性点眼液)
問248(実務)
追加された処方薬に対する薬剤師による指導内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。
問249(薬理)
薬剤師による適切な指導内容の根拠として正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
248
1→処方1を先に点眼すること
2→瞬きはしないこと
3→すぐに医療機関に連絡する必要性は低い
5→血圧上昇の報告はない
249
チモロールによる気管支収縮に対する指導であるため選択肢4が適切である
https://ja.mondder.com/fq?id=6069🔗
問題文正答率:50.00%
問250−251 75歳男性。大腸がんステージⅣに対して、mFOLFOX6療法により治療中である。原発巣の痛みに対し、処方1の薬剤が投与されていたが痛みのコントロールが不十分であった。そのため、処方2を追加(1週間ごとに増量)したところ、NRS(Numerical Rating Scale)は6/10から徐々に低下し持続痛はほとんどなくなり、開始16日目にはNRSは2/10となった。しかし、開始18日目に下痢、発汗、発熱、見当識障害が出現し、開始25日目に不眠、焦燥感、体重減少を訴え、処方薬による副作用が疑われ、血液検査を行った。
- (処方1)
- アセトアミノフェン錠500mg 1回2錠(1日8錠)
- 1日4回 朝昼夕食後・就寝前 28日分
- アミトリプチリン塩酸塩錠25mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 就寝前 28日分
- (処方2)
- (1~7日目)トラマドール塩酸塩口腔内崩壊錠25mg
- 1回1錠(1日4錠)
- 1日4回 朝昼夕食後・就寝前 7日分
- (8~14日目)トラマドール塩酸塩口腔内崩壊錠25mg
- 1回2錠(1日8錠)
- 1日4回 朝昼夕食後・就寝前 7日分
- (15日目~)トラマドール塩酸塩口腔内崩壊錠25mg
- 1回3錠(1日12錠)
- 1日4回 朝昼夕後・就寝前 14日分
- 検査値:血清クレアチニン0.9mg/dL、BUN31mg/dL、AST38U/L、ALT45U/L、総ビリルビン1.2mg/dL6
問250(薬理)
副作用発現の作用機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問251(実務)
副作用の改善を目的とした医師への処方提案として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
250
血中のセロトニン濃度が上昇することにより、セロトニン症候群が生じたと考えられる
251
メサドンンは強オピオイド性鎮痛薬を使用して除痛できない場合に使用する
そのため選択肢4のオキシコドンに変更することが最も適切である
https://ja.mondder.com/fq?id=6070🔗
問題文正答率:50.00%
問252−253 23歳女性。母親に連れられて病院を受診した。母親の話では、幻覚や妄想と思われるような意味の分からないことを話すようになったとのこと。今年、大学を卒業して企業で働き始めたが、最近は欠勤気味であった。患者は統合失調症と診断され、ハロペリドールによる治療を開始した。しかし、手の震えなどの錐体外路症状の訴えが患者からあったため、医師より代替薬について相談があった。
問252(実務)
この患者に対し、薬剤師が推奨できる薬物として適切なのはどれか。2つ選べ。
問253(薬理)
医師に提案したそれぞれの薬物のもつ作用の特徴として、適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
252
1→D₂受容体遮断の選択制が高く錐体外路症状のリスクが高いので不適切である
2→選択肢1と同様である
5→他の抗精神病薬の効果が乏しい治療抵抗性統合失調症に使用される
253
2→眠気、体重増加が生じる
4.5→提案した薬物がもたない作用のため不適切である
https://ja.mondder.com/fq?id=6071🔗
問題文正答率:50.00%
問254−255 55歳男性。10年前に高血圧を指摘され、5年前からニフェジピン徐放錠を服用している。血圧は良好にコントロールされていたが、最近は軽い胸痛を感じることがあった。1週間前、出勤で階段を上っているときに胸部激痛と背部痛が出現し、冷や汗と呼吸困難、意識障害も生じたため救急搬送された。冠動脈造影検査にて左前下行枝の高度狭窄が認められ、心筋梗塞と診断された。直ちにカテーテル治療により薬剤溶出ステントが留置された。
身体所見:体温36.3℃、血圧145/90mmHg、脈拍75/分、呼吸数15/分
現在、以下の処方薬による治療を受けている。
- (処方1)
- クロピドグレル錠75mg 1回1錠(1日1錠)
- アスピリン腸溶錠100mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 7日分
- (処方2)
- ニフェジピン徐放錠40mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 7日分
しかし、血圧コントロール不良のため、降圧薬の追加について医師より薬剤師に相談があった。
問254(実務)
追加が推奨される心筋梗塞後に用いられる薬物として適切なのはどれか。2つ選べ。
問255(薬理)
前問で推奨された薬物の1つ(薬物Aとする)を追加して治療を行っていたが、狭心症発作を起こした。そこでジルチアゼムが追加処方されたが、徐脈が起きたため、ジルチアゼムとの相互作用を疑い薬物Aを中止した。中止した薬物Aの作用として正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
254
1→ニフェジピンと同種同効薬である
3→心機能に対しての影響が少なく負荷軽減作用が弱いため不適切である
5→反射性頻脈が起こりやすいため不適切である
255
メトプロロールは心筋のアドレナリンβ₁受容体を遮断して心機能を抑制する
https://ja.mondder.com/fq?id=6072🔗
問題文正答率:50.00%
問256−257 52歳女性。全身倦怠感と微熱、手足の関節痛と朝のこわばりを訴えて受診したところ、関節リウマチと診断された。メトトレキサート過敏症の既往歴があるため、代替薬について、医師より薬剤師に相談があった。
問256(実務)
医師に推奨すべきメトトレキサートの代替薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
問257(薬理)
医師に推奨すべきそれぞれの薬物の作用機序はどれか。2つ選べ。
解説・コメント
256
2→麻薬性鎮痛である
4→メトトレキサートとの併用が必須である
5→NSAIDsのプロドラッグである
257
1→スリンダクの作用機序である
4→インフリキシマブの作用機序である
5→モルヒネの作用機序である
https://ja.mondder.com/fq?id=6073🔗
問題文正答率:50.00%
問258−259 23歳女性。医療系大学の学生で現在、学外実習を行っている。最近、実習先への電車移動中に腹痛を伴う下痢を経験するようになり、電車を利用するのが怖くなった。近医を受診し精密検査を受けた結果、下痢型の過敏性腸症候群と診断され、以下の処方による治療が行われている。
- (処方1)
- ビオフェルミン錠剤(注) 1回1錠(1日3錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 7日分
- (注:1錠中にビフィズス菌12mgを含有する)
- (処方2)
- メペンゾラート臭化物錠7.5mg 1回2錠(1日6錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 7日分
問258(実務)
2週間経っても症状の改善がみられなかったため、薬剤の追加が検討された。追加薬剤の候補として適切なのはどれか。2つ選べ。
問259(薬理)
候補となるそれぞれの薬物の作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
258
1→制吐作用や胃排出促進作用を有する
3→潰瘍性大腸炎やクローン病に使用される
4→抗コリン薬であり、すでに処方されているため不適切である
259
1→ドンペリドンの作用機序である
4→メサラジンの作用機序である
5→チキジウムの作用機序である
https://ja.mondder.com/fq?id=6074🔗
問題文正答率:50.00%
問260−261 57歳女性。大腿骨頸部骨折の治療を目的とした手術のために本日入院した。手術は4日後に予定している。病棟担当薬剤師が患者の持参薬を確認したところ、下記5種類の薬剤を所持していた。
- 持参薬
- アムロジピンべシル酸塩錠
- アトルバスタチンカルシウム水和物錠
- アルファカルシドールカプセル
- ラロキシフェン塩酸塩錠
- ロキソプロフェンナトリウム水和物錠
問260(実務)
医師に休薬を提案すべき薬剤として適切なのはどれか。1つ選べ。
問261(薬理)
手術前から休薬すべき薬剤のその理由となる副作用はどれか。1つ選べ。
解説・コメント
260
ラロキシフェンの副作用として静脈血栓塞栓症があるため、術前3日前には休薬すべき薬剤である
261
肝臓のエストロゲン受容体を刺激することで凝固因子の産生が亢進して副作用として血栓塞栓が引き起こされる
https://ja.mondder.com/fq?id=6075🔗
問題文正答率:50.00%
問262−263 53歳男性。2型糖尿病、高血圧症及び高コレステロール血症(非家族性)のため、生活習慣の改善に加え以下の処方による治療を行っている。しかし、LDL-Cの改善が認められたものの、そのコントロールが不十分なので処方の追加について医師から薬剤師に相談があった。
- (処方)
- テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物錠20mg 1回1錠(1日1錠)
- アゼルニジピン錠8mg 1回1錠(1日1錠)
- ロスバスタチン錠10mg 1回2錠(1日2錠)
- 1日1回 朝食後 28日分
家族歴:父親が50歳で心筋梗塞
検査値:血圧131/79mmHg、血清クレアチニン値1.1mg/dL、HbA1c6.7%(NGSP値)、LDL-C179mg/dL、HDL-C42mg/dL、TG(トリグリセリド)120mg/dL、CK(クレアチンキナーゼ)57U/L、AST53IU/L、ALT41IU/L
問262(実務)
医師へ提案する薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問263(薬理)
提案した薬物それぞれの作用機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
262
2→高トリグリセリド血症に使用される
4→ロスバスタチンと同種同効薬のため不適切である
5→高トリグリセリド血症に使用される
263
1→ロスバスタチンの記述である
3→肝臓でのTG合成を促進する
5→ベザフィブラートの記述である
https://ja.mondder.com/fq?id=6076🔗
問題文正答率:50.00%
問264−265 73歳男性。胃全摘出術後4日目に発熱があり、CRPも上昇していた。胸部単純レントゲン写真で右下肺野に浸潤影を認め、喀痰培養の結果にてMRSAが検出されたため、バンコマイシンの投与を開始した。7日間投与したが効果が得られなかったため、病棟担当薬剤師に薬剤の変更について医師から相談があり、作用機序の異なるリネゾリドの静脈内投与を提案した。
検査値:体温38.1℃、CRP5.8mg/L、Ccr44.5mL/min、赤血球数420×104/nL、白血球数4,000/μL、血小板数25×104/μL
問264(薬理)
リネゾリドの作用機序はどれか。1つ選べ。
問265(実務)
リネゾリドをこの患者に使用するとして適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
264
1→メトロニダゾールの記述である
2→ホスホマイシンの記述である
3→ニューキノロン系の薬剤の記述である
4→βラクタム系の抗菌薬の記述である
265
1→血中濃度測定の規定はない
2→時間は30分から2時間かけて行うという規定しかない
3→リネゾリドは腎機能により薬物動態に影響はないので減量する必要はない
https://ja.mondder.com/fq?id=6077🔗
問題文正答率:50.00%
問266−267 68歳男性。狭心症。かかりつけ医を受診し、定期的に処方1の薬剤を服用している。来局時の聞き取りにより、この患者は最近、他の医療機関で非小細胞肺がんと診断され、エルロチニブ塩酸塩錠による化学療法の実施が予定されているとのことであった。
- (処方1)
- アスピリン腸溶錠100mg 1回1錠(1日1錠)
- エソメプラゾールマグネシウム水和物カプセル20mg 1回1カプセル(1日1カプセル)
- ビソプロロールフマル酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 28日分
問266(実務)
薬剤師は、かかりつけ医に化学療法に関する聞き取りの内容を伝え、処方変更について提案した。その内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問267(薬剤)
処方変更をしない場合に問題となる、エルロチニブの体内動態の変化として適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
266
エルロチニブはPPIとの併用によって胃内pHが上昇する
そのため溶解性の低下に伴い吸収が低下する
267
266の解説と同様である
https://ja.mondder.com/fq?id=6078🔗
問題文正答率:50.00%
問268−269 65歳男性。花粉症のため近医を受診した。医師が服用中の薬について確認したところ、以下の処方による治療を受けていることがわかった。そこで、医師は地域連携の会議等でよく顔を合わせている薬剤師に電話して、抗アレルギー剤の選択について相談した。
- (処方)
- テルミサルタン錠40mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 14日分
- 沈降炭酸カルシウム錠500mg(高リン血症用) 1回2錠(1日6錠)
- 1日3回 毎食直後 14日分
問268(実務)
以下の抗アレルギー剤のうち、処方を避けることが望ましい薬剤として、医師に伝えるのはどれか。1つ選べ。
問269(薬剤)
その薬剤の処方を避けることが望ましい理由として、適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
268
患者は腎不全患者であると考えられる
レボセチリジンの尿中未変化体が73%であることより、腎不全患者では血中濃度が高くなる恐れがある
269
腎機能障害により、高い血中濃度が維持されているため不適切である
https://ja.mondder.com/fq?id=6079🔗
問題文正答率:50.00%
問270−271 58歳男性。体重60kg。生体腎移植を受けるため入院した。持病である胃潰瘍、高コレステロール血症及び三叉神経痛の治療のため、以下の薬剤を服用している。
- (処方)
- ラベプラゾールナトリウム錠10mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 28日分
- ピタバスタチンカルシウム口腔内崩壊錠1mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 28日分
- カルバマゼピン錠100mg 1回2錠(1日4錠)
- 1日2回 朝夕食後 28日分
この患者に対し、手術前にタクロリムス12mgに相当するタクロリムス水和物徐放性カプセルを経口単回投与した。タクロリムスの血中濃度を数回測定し、解析したところ、血中濃度時間曲線下面積が720ng・h/mLとなり、これは母集団平均値の約2倍であった。
問270(実務)
病棟担当薬剤師は、術後の投与量設定を医師と打ち合わせるため、タクロリムスの血中濃度が高値となった原因を探索した。原因として可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
問271(薬剤)
術後、タクロリムス水和物徐放性カプセルを経口投与し、定常状態におけるタクロリムスの平均血中濃度を10ng/mLとしたい。この患者に対するタクロリムスの1日投与量(mg/day)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、この患者におけるタクロリムスの全身クリアランス及びバイオアベイラビリティは腎移植前後で変化しないものとする。
解説・コメント
270
1→タクロリムスの代謝はCYP3A4群である
3→併用に問題はない
4→併用に問題はない
5→カルバマゼピンはCYP誘導を起こすので、タクロリムスの血中濃度が低下する
271
Dpo/τ=10ng/ml*12mg*F/720ng*h/ml/F
=1/6
1日投与量を求めるため4となる
https://ja.mondder.com/fq?id=6080🔗
問題文正答率:50.00%
問272−273 54歳女性。152cm、48kg。高血圧、脂質異常症、深在性皮膚真菌症の治療のため処方1と処方2の薬剤を服用していた。その後、深部静脈血栓塞栓症を発症し、その治療のため処方3が追加となった。
- (処方1)
- アムロジピン口腔内崩壊錠5mg 1回1錠(1日1錠)
- イトラコナゾール錠100mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食直後 14日分
- (処方2)
- イコサペント酸エチル粒状カプセル900mg 1回1包(1日2包)
- 1日2回 朝夕食直後 14日分
- (処方3)
- ワルファリンカリウム錠1mg 1回3錠(1日3錠)
- 1日1回 朝食後 7日分
PT-INRを治療目標域に到達させるため、ワルファリン投与量の調節を試みたが、PT-INRが3.0~6.0で推移し、コントロールが困難であった。医師は患者や薬剤師と相談し、薬物動態関連遺伝子の多型を検査することにした。
問272(薬剤)
多型を検査すべき遺伝子として、適切なのはどれか。1つ選べ。
問273(実務)
遺伝子多型検査の結果、ホモの変異を有することが判明し、医師は代替薬について薬剤師に相談した。医師に提案すべき抗血栓薬として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
272
ワルファリンの遺伝的多形が疑われるため選択肢1が適切である
273
深部静脈血栓塞栓症の治療薬としてアピキサバン、リバーロキサバンが使用されるが、リバーロキサバンはイトラコナゾールと併用禁忌のため選択肢1が適切である
https://ja.mondder.com/fq?id=6081🔗
問題文正答率:50.00%
問274−275 14歳女児。身長160cm、体重52kg。造血幹細胞移植後の真菌感染症予防のため、フルコナゾールカプセルで管理を行っていた。しかし、画像診断や検査値などからアスペルギルス症が疑われ、注射用ボリコナゾールが投与されることになった。
検査値:AST25IU/L、ALT37IU/L、γ-GTP40IU/L、血清クレアチニン値0.7mg/dL
問274(実務)
病棟担当薬剤師は、注射用ボリコナゾールの投与にあたり、処方監査を行い、投与後のモニタリングについて検討した。薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
問275(薬剤)
初日はボリコナゾールとして1回300mgを1日2回、2日目以降は1回200mgを滴静注し、治療を行ったが、症状やレントゲン陰影の改善はみられなかった。この患者におけるボリコナゾールの定常状態での平均血漿中濃度は1.0mg/Lであったため、薬剤師は治療域に達していないと判断した。
この患者における定常状態における平均血漿中濃度を2.5mg/Lとしたい。ボリコナゾールの1日投与量(mg/day)として最も適切なのはどれか。1つ選べ。ただし、ボリコナゾールの定常状態における平均血漿中濃度と体内からの消失速度の関係はMichaelis-Menten式で表され、Km値は0.50mg/Lとする。
解説・コメント
274
1→小児は注射剤から投与を開始すること
2→成人と同じ量から投与を開始する
4→定常状態には5~7日で達するので、採血はそれ以降に実施
275
投与量=600mg/day*2.5mg/l/0.50mg/l+2.5mg/l=500mg/day
https://ja.mondder.com/fq?id=6082🔗
問題文正答率:50.00%
問276−277 47歳男性。1年前に潰瘍性大腸炎と診断され、メサラジンで治療を受けていた。しかし、コントロール不良のため、アザチオプリンが投与されることになった。薬剤師が処方監査の際、検査値を確認したところ、あるウイルスの既感染者であることに気付き、ウイルスの再活性化に注意しながらアザチオプリンを投与するように医師に提案した。
検査値:ALT13IU/L、AST20IU/L、HCV抗体(-)、HBs抗原(-)、HBs抗体(-)、HBc抗体(+)、eGFR39mL/min/1.73㎡
問276(実務)
検査値から判断して、この患者において、再活性化に注意すべきウイルスはどれか。1つ選べ。
問277(薬剤)
アザチオプリンで治療を継続していたところ、9ヶ月後にウイルスの再活性化が確認され、患者の腎機能を考慮して、核酸アナログであるテノホビルアラフェナミドフマル酸塩に変更されることになった。テノホビルアラフェナミドはテノホビルの経口吸収性を改善したプロドラッグであり、同様のプロドラッグとしてテノホビルジソプロキシルが臨床で先行使用されている。いずれのプロドラッグも血漿中や標的細胞中で加水分解されてテノホビルとなり、さらに細胞内でリン酸化されて活性代謝物のテノホビル二リン酸となり、抗ウイルス作用を発現する。また、テノホビルアラフェナミドのアは、テノホビルジソプロキシルに比べてイ。その結果、テノホビルアラフェナミドを投与すると、標的細胞内において、テノホビル二リン酸がより高い濃度で産生される。
ア及びイに適する語句の組合せとして最も適切なのかどれか。1つ選べ。解説・コメント
276
HBc抗体+のため過去にB型肝炎ウイルスに感染していたことがわかる
277
テノホビルニリン酸が標的細胞内で高濃度で産生されることでTDFの1/10程度の投与量で同等の抗HBV作用を発揮する
https://ja.mondder.com/fq?id=6083🔗
問題文正答率:50.00%
問278−279 5歳女児。熱や咳の症状があり母親に連れられて受診し、下記内容の処方箋を持って来局した。母親との会話において、子どもは以前にも散剤や顆粒剤を服用したことがあり、問題なく飲めたとのことであった。また、母親が右手に包帯をしており、物を取扱いにくいため、一包にまとめて欲しいと医師に申し入れ済みとのことであった。
- (処方)
- アスベリン®散10% 1回0.1g(1日0.3g)
- 幼児用PL配合顆粒 1回2g(1日6g)
- 以上、混合
- 1日3回 朝昼夕食後 5日分
問278(薬剤)
薬剤師はこの処方の調剤方法を検討するため、アスベリン®散と幼児用PL配合顆粒の処方量を十分に振とう混合してみた。このときの状態を模式的に表す図として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問279(実務)
前問での検討結果を踏まえて、この患者に対する最も適切な調剤方法はどれか。1つ選べ。
解説・コメント
278
散剤と顆粒剤では粒子径が異なる
そのため選択肢1が適切である
279
散剤を計量するときは賦形剤でかさ増しを行うが顆粒剤には賦形剤でかさ増しは行わない
https://ja.mondder.com/fq?id=6084🔗
問題文正答率:50.00%
問280−281 食道がん全摘出後の患者(体重65kg)の栄養管理として、高カロリー輸液による中心静脈栄養法が実施されていた。NST(栄養サポートチーム)が患者ラウンドを行った際に、患者の皮膚状態が乾燥し、鱗状になっていることを発見した。NSTの薬剤師は、必須脂肪酸欠乏を疑い、医師らとともに他の臨床症状や検査値を確認した。協議の結果、静注用脂肪乳剤(イントラリポス®輸液20%、100mL、1本)を投与することになった。
問280(実務)
看護師から病棟薬剤師に、静注用脂肪乳剤を投与すについて質問があった。薬剤師による説明として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問281(薬剤)
今回投与されることになった静注用脂肪乳剤には以下の成分が含まれている。前問における説明の理由として正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
280
1→遮光の必要はない
3→単独投与が望ましい
4→脂肪乳剤のため使用は避けるべきである
5→脂肪乳剤用のフィルターを使用する
281
急性症状を引き起こす可能性があるためゆっくり投与する
https://ja.mondder.com/fq?id=6085🔗
問題文正答率:50.00%
問282−283 73歳女性。卵巣がんStageⅢcに対してTC(パクリタキセル+カルボプラチン)療法を施行していたが6ヶ月後に再発した。そこで2次療法として、ドキソルビシン塩酸塩をMPEG-DSPE(注)修飾リポソームに封入した注射剤(ドキシル®注)を導入することになった。
(注:N-(Carbonyl-methoxypolyethylene glycol 2000)-1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine sodium salt)
問282(薬剤)
ドキシル®注に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問283(実務)
5コース目の投与中に、患者から、刺入部に耐え難い焼かれるような痛みを感じ、赤く腫れているとの訴えがあり、ドキシル®注の血管外漏出が疑われた。本剤の血管外漏出の対処法として、適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
282
1→卵由来の成分は入っていないので注意する必要はない
2→受動的ターゲティング製剤である
3→5%ブドウ糖注射液を用いて希釈する
283
1→冷却する
2→直ちに抗がん剤の投与は中止するが、針は抜かない
3→5%ブドウ糖注射液を使用する
https://ja.mondder.com/fq?id=6086🔗
問題文正答率:50.00%
問284−285 68歳女性。肝及び腎機能の検査値は正常範囲内であった。変形性関節症と膀胱炎のため、処方1の薬剤で治療を受けていた。
- (処方1)
- ヤクバン®テープ40mg(注1) 1回1枚
- 1日2回 両膝に各1枚貼付 7日分(全28枚)
(注1:1枚中に有効成分としてフルルビプロフェンを40mg含有する。14時間単回貼付時のCmaxは39ng/mL、AUC0‒∞は902ng・h/mL。)
- ロキソプロフェンナトリウム錠60mg 1回1錠(1日3錠)
- ノルフロキサシン錠100mg 1回1錠(1日3錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 7日分
外来診察時に患者より、「痛みが治まらず、もっと効く薬が欲しい。」と訴えがあり、以下の処方2に変更された。
- (処方2)
- ロコア®テープ(注2) 1回1枚
- 1日1回 両膝に各1枚貼付 7日分(全14枚)
(注2:1枚中に有効成分としてエスフルルビプロフェンを40mg、ハッカ油を36.2mg含有する。24時間単回貼付時のCmaxは751ng/mL、AUC0‒∞は19,000ng・h/mL。)
- ロキソプロフェンナトリウム錠60mg 1回1錠(1日3錠)
- ノルフロキサシン錠100mg 1回1錠(1日3錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 7日分
問284(薬剤)
ロコア®テープには、フルルビプロフェンの光学異性体のうち活性体のみが配合されており、従来のフルルビプロフェン貼付剤と比較して鎮痛効果が高い製剤として臨床で使用されている。この高い鎮痛効果を示す薬剤学的な理由として考えられる最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問285(実務)
処方を受け取った薬剤師が行う内容として、優先度が高いのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
284
ハッカ油の配合によってエスフルルビプロフェンの経皮吸収が高くなった薬剤
285
1→疑義紹介に必要はない
4→患者の年齢より妊娠の可能性は引くことがわかる
5→ノルフロキサシンもロメフロキシサン2剤ともエスフルルビプロフェンと併用禁忌である
https://ja.mondder.com/fq?id=6087🔗
0
解説・コメント
246
1→根治を目的としておらず、対処療法である
3→高血糖ほ引き起こす
4→血清カリウム値を上昇させる薬剤との併用が禁忌である
247
3→プレドニゾロンの作用機序である
4→プレドニゾロンの作用機序である
5→バシリキシマブの作用機序である