薬剤師国家試験 過去問 第107回2日目(1) 一般問題(薬学実践問題)
オプション
問題文正答率:50.00%
一般問題(薬学実践問題)【物理・化学・生物、衛生/実務】
問196−197 17歳男性。身長175cm、体重72kg。悪性軟部肉腫に対し、以下の処方で初期治療を行うことになった。
- (処方)
- ドキソルビシン塩酸塩注射用 120mg
- 生理食塩液50mL 1本
- 30分かけて点滴静注
問196(実務)
この処方を調製する際には、難溶性の凝集体が生成することがある。確実に溶解させるための操作として、適切なのはどれか。2つ選べ。なお、処方にない溶解液を用いる場合は、医師に確認した上で行うものとする。
問197(物理・化学・生物)
前問の難溶性凝集体が生成する相互作用として、適切なのはどれか。1つ選べ。
なお、ドキソルビシン塩酸塩の構造式は以下のとおりである。
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問題文正答率:50.00%
問198−199 20歳女性。身長158cm、体重38kg。貧血症状に対して入院加療することになった。入院時の所見は次のとおりであり、注射剤による治療が開始された。
- (身体所見)
- 体温36.3℃、血圧108/62mmHg、脈拍数95拍/分(整)、顔面蒼白
- (検査所見)
- 白血球数3,500/μL、赤血球数240×104/μL、Hb6.0g/dL、Ht21%、血小板数22×104/μL、血清鉄(SI)3.4μg/dL、総鉄結合能(TIBC)360μg/dL、フェリチン8.9ng/mL、AST18IU/L、ALT16IU/L、総ビリルビン0.4mg/dL、直接ビリルビン0.2mg/dL
- (処方)
- 含糖酸化鉄注射液40mg/2mL(注) 1回2管
- 1日1回 午前9時 静脈注射
- (注)コロイド性静脈注射用鉄剤、[Fe(OH)3]m[C12H22O11]n、pH9.0~10.0、1管2mLは鉄として40mgに相当
問198(実務)
薬剤師は、鉄の過剰投与を防止するため、調剤に先立ち、総投与鉄量を計算し、投与期間を確認することにした。投与期間として最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、総投与鉄量(貯蔵鉄を加えた鉄量)の計算式は次のとおりとする。
総投与鉄量(mg)={2.72×(16-X)+17}×W
ここでXはヘモグロビン値(g/dL)、Wは体重(kg)である。
問199(物理・化学・生物)
処方されたコロイド性静脈注射用鉄剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
198
総投与鉄量={2.72×(16-6.0)+17}×38=1679.6㎎
1679.6㎎÷80㎎/day≒21日
199
2→コロイドは安定化するため鉄イオンは遊離しない
4→凝集沈殿を引き起こすため塩化ナトリウムを用いることは望ましくない
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問題文正答率:50.00%
問200−201 68歳女性。痰を伴う咳、発熱、悪寒、息苦しさ、倦怠感を訴え、かかりつけ医を受診した。
- (身体所見)
- 体温38.5℃、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)94%、心音異常なし、呼吸音 左肺前胸部に水泡音、胸部X線 肺浸潤影あり
- (検査所見)
- 白血球数16,000/μL、CRP4.8mg/dL
- 副作用歴 ペニシリン系抗生物質により発疹
以上の情報から、市中肺炎と診断された。
問200(実務)
この患者に推奨される抗菌剤はどれか。2つ選べ。
問201(物理・化学・生物)
前問の抗菌剤投与により、症状が改善し、SpO2が94%から97%になった。このSpO2の測定には、パルスオキシメータが用いられている。パルスオキシメータによるSpO2の測定及びその値に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
200
市中肺炎に使用される薬物としてペニシリン系、マクロライド系が用いられる
201
5→SpO₂とPaO₂は正の相関があるが直線性を示すものではない
そのため1.03倍になるとはいえない
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問題文正答率:50.00%
問202−203 60歳女性。背中の粉瘤(注)が感染を起こしたため皮膚科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
(注)粉瘤(アテローム):皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称。
- (処方)
- セフジニルカプセル100mg 1回1カプセル(1日3カプセル)
- 1日3回 朝昼夕食後 5日分
- また、患者が持参したお薬手帳から、以下の薬剤を服用中であることがわかった。
- エナラプリルマレイン酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後28日分
- L-アスパラギン酸Ca錠200mg 1回2錠(1日6錠)
- レバミピド錠100mg 1回1錠(1日3錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 28日分
- クエン酸第一鉄ナトリウム錠50mg 1回2錠(1日2錠)
- プラバスタチンNa錠10mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 夕食後 28日分
問202(実務)
今回処方された医薬品と併用するにあたり、注意が必要な服用中の薬剤はどれか。1つ選べ。
問203(物理・化学・生物)
セフジニルには不斉炭素があり、旋光性を示すので、旋光度測定で確認することができる。日本薬局方セフジニル(C14H13N5O5S2:395.41)の旋光度の項には、以下のように記されている。
\([α]_D^{20}\):-58~-66°(0.25g、pH7.0の0.1mol/Lリン酸塩緩衝液、25mL、100mm).以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
202
セフジニルは鉄と難溶性のキレートを形成して吸収を低下させるため併用する際は3時間以上間隔をあける
203
1→重水素放電管ではなくナトリウムD線が用いられる
2→左旋性である
5→旋光度の値は2倍である
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問題文正答率:50.00%
問204−207 50歳男性。高血圧の治療のため、近隣の内科クリニックに通院中である。喫煙歴30年(1日40本)。かかりつけ薬剤師に患者から電話相談があり、「昨日、晴天の中ゴルフに出かけたところ、衣服から露出した部分が赤く日焼けのようになった」と相談があった。薬剤師が薬剤服用歴を確認したところ、光線過敏症の可能性が疑われたので、皮膚科受診を勧めた。
- 4月20日 処方内容(内科)
- テモカプリル塩酸塩錠4mg 1回1錠(1日1錠)
- ヒドロクロロチアジド錠12.5mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 28日分
- ゾルピデム酒石酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 就寝直前 28日分
- モサプリドクエン酸塩錠5mg 1回1錠(1日3錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 28日分
- ケトプロフェンテープ20mg 1回2枚(1日2枚)
- 1日1回 朝 腕・腰に貼付 7日分
問204(実務)
皮膚症状の原因として、考えられる薬剤はどれか。2つ選べ。
問205(実務) 前述の患者が皮膚科を受診し、光線過敏症の診断を受け、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
- (処方)
- トプシムスプレー0.0143%(注) 28g 1缶
- 1回適量 1日2回 朝夕 腕に噴霧
- (注)有効成分1g中にフルオシノニド0.143mgを含有する噴霧剤
皮膚科から処方された噴霧剤に関する説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問206(物理・化学・生物)
光線過敏症は、体表面に近い部分に分布した薬物が電磁波を吸収することにより誘発される。光線過敏症を誘発する電磁波に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問207(物理・化学・生物)
薬剤師は患者に対し、今後の対応として日焼け止め剤の利用を勧めることにした。日焼け止め剤に含まれている化合物のうち、光線過敏症の発症に予防的に機能することが期待されるものとして、適切でないのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
204
ヒドロクロロチアジドやケトプロフェンテープは光線過敏症を引き起こす可能性の高い薬物である
205
2→使用することができる
3→使用することができない
4→眼圧亢進、緑内障を引き起こすことがあるため使用することができない
206
2→ラジオ波の記述である
3→マイクロ波の記述である
4→γ線の記述である
207
1→L-アスコルビン酸の構造である
2→トコフェロール酢酸エステルの構造である
3→レチノールパルミン酸エステルの構造である
5→ユビキノールの構造である
長い共役二重結合を有するものは紫外線を吸収する
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問題文正答率:50.00%
問208−209 45歳男性。喫煙歴20年(1日20本)。20歳代前半から血清コレステロールの高値を指摘されていたが、未治療のまま放置していた。男性は、会社の健康診断でLDL-C値が220mg/dLであると指摘され、年齢のことも考慮し近医を受診した。家族性高コレステロール血症と診断され、医師や薬剤師による生活習慣指導及び処方1による薬物治療が6ヶ月継続された。しかし、LDL-C値が管理目標まで下がらなかったため、本日の診察で薬剤の追加が検討された。生化学検査の結果、AST、ALT、総ビリルビンが高値を示し肝障害が疑われたため、処方2が追加された。なお、アドヒアランスは良好である。
- (処方1)
- ロスバスタチン錠5mg 1回4錠(1日4錠)
- 1日1回 就寝前 28日分
- (処方2)
- コレスチミド顆粒83% 1回1.81g(1日3.62g)
- 1日2回 朝夕食前 28日分
- (本日の検査値)
- 血圧122/74mmHg、LDL-C130mg/dL、HDL-C40mg/dL、TG(トリグリセリド)100mg/dL、AST120IU/L、ALT125IU/L、総ビリルビン2.0mg/dL、HbA1c5.5%(NGSP値)
問208(実務)
生活習慣指導及び服薬指導の内容として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
問209(物理・化学・生物)
コレスチミドは腸管において、胆汁酸であるタウロコール酸の再吸収を阻害し、肝におけるコレステロールから胆汁酸への異化を促進する。タウロコール酸の再吸収が阻害される機序に関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
208
2→有酸素運動を中心に行う
209
3→コレスチミドは陰イオン交換樹脂のためイオン結合が生成される
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問題文正答率:50.00%
問210−211 35歳女性。喫煙歴15年(1日20本)。以前から、ニコチンガムやニコチンパッチによる禁煙を試みたが失敗を繰り返していた。今回、禁煙外来を受診し、ニコチン受容体の部分刺激薬であるバレニクリン酒石酸塩錠による禁煙を試みることになった。女性は、医療機関でニコチン置換療法とは異なる治療法であると説明を受け禁煙に意欲的だが、また失敗するのではないかと不安にもなっている。
問210(実務)
薬剤師は患者の不安を和らげるため、今回の禁煙療法の特徴について説明した。説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問211(物理・化学・生物)
禁煙療法に用いられた薬物の構造から、ニコチン性アセチルコリン受容体との相互作用に関わる化学的性質として、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
210
2→症状が強く出たときは服用を中止して医師に連絡するよう説明する
4→併用すると副作用の発現率が上昇するため併用はできない
5→主に消化管から吸収されるため、服用を避ける必要はない
211
1→pKaは9付近である
3→アキラルな化合物である
4→S配置である
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問題文正答率:50.00%
問212−213 75歳女性。骨粗しょう症の治療のため、近隣の整形外科クリニックに通院しており、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。
- (処方)
- リセドロン酸Na錠2.5mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 起床時 14日分
この患者は、1ヶ月前からこの薬剤を継続服用している。薬剤師は患者の医薬品に関する理解度を高めるために、繰り返し、服用に関する注意点を説明することにした。
問212(実務)
薬剤師が伝えるべき内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問213(物理・化学・生物)
処方薬の化学的性質として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
212
1→服用後30分は横にならないこと
3→本剤の吸収が低下するため服用しないこと
5→報告なし
213
5→塩基性溶液中には溶けるが加水分解はされにくい
https://ja.mondder.com/fq?id=6590🔗
問題文正答率:50.00%
問214−215 25歳女性。妊娠なし。最近、便秘気味のため一般用医薬品を求めて薬局を訪れた。薬剤師が症状を確認したところ、ふきでもの(にきび)や食欲不振もみられた。一方、吐き気や腹部の痛みはなかったことから、以下の一般用医薬品を勧めた。
- 大黄甘草湯エキス顆粒 12包入り(6日分)
- 成分・分量
- 本品2包(3.75g)中、以下の割合の大黄甘草湯エキス(1/2量)0.75gを含有する。
- 日局ダイオウ・・・・・2.0g 日局カンゾウ・・・・・1.0g
問214(物理・化学・生物)
この女性から当該医薬品の成分について聞かれたため、薬剤師は便秘の改善に関係する成分はAであることを女性に伝えた。Aの化学構造として、適切なのはどれか。1つ選べ。
問215(実務)
薬剤師は、この女性に「主にAによってBが起こることがありますが、心配ありません。」と伝えた。Bに入るものとして、適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
214
1→グリチルリチン酸の構造である 抗アレルギー作用を有する
2→センノシドの構造である
3→バイカリンの構造である 抗炎症作用を有する
4→エフェドリンの構造である 交感神経興奮作用を有する
5→βカロテンの構造である
215
激しい腹痛を伴う下痢が起こったときは服用を中止し医師に相談する
https://ja.mondder.com/fq?id=6591🔗
問題文正答率:50.00%
問216−217 38歳女性。抜け毛が気になり薬局を訪れた。医薬品ではなく、まずはサプリメントで様子をみたいと希望した。薬剤師は、体毛や皮膚を乾燥から守るため脂質成分が重要であることを説明し、ビオチンを含有するサプリメントを紹介した。
問216(物理・化学・生物)
脂質の生合成に関連する反応のうち、ビオチンが関与するのはどれか。1つ選べ。
問217(実務)
この患者がサプリメントを使用中、過剰に摂取しないように薬剤師から患者に指導すべきものはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
216
ビオチンはアセチルCoAカルボキシラーゼの補酵素として働く
217
卵白にはアビシンがビオチンと強固に結合してビオチンの吸収を阻害する
https://ja.mondder.com/fq?id=6592🔗
問題文正答率:50.00%
問218−219 60歳女性。右上葉原発性肺腺がんと診断され、右上葉切除術が施行された。その後、術後補助化学療法が施行され経過観察となった。術後4年経過時、胸部CT写真で右鎖骨上窩リンパ節に転移が認められ、再発と診断された。ALK融合遺伝子陽性が確認されたため、クリゾチニブ250mg、1日2回の投与による治療が開始された。投与13日目時点でリンパ節の腫瘍は縮小傾向を認めた。各時点における主な検査値は以下のとおりである。
肝機能検査値 | 投与前 | 8日目 | 13日目 |
---|---|---|---|
AST(IU/L) | 30 | 100 | 350 |
ALT(IU/L) | 30 | 120 | 400 |
ALP(IU/L) | 200 | 600 | 2,000 |
総ビリルビン(mg/dL) | 1.0 | 1.1 | 1.3 |
問218(実務)
医師との合同カンファレンスにおいて、医師から薬剤師へ投与13日目以降の薬物治療について意見を求められた。薬剤師の提案として、適切なのはどれか。1つ選べ。
問219(物理・化学・生物)
本症例では、遺伝子変異により生じたALK融合遺伝子及びALK融合タンパク質が検出されている。がんとこの遺伝子変異に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
218
1.2→同一用量のまま継続しない
3→腫瘍が縮小傾向にあるため緩和ケアのみの治療は不適切である
5→ソラフェニブトシル酸塩は肺がんに適応がない
219
3→遺伝子の逆位により生じたものである
4→BCR/ABL融合遺伝子の記述である
5→RT-PCR法である
https://ja.mondder.com/fq?id=6593🔗
問題文正答率:50.00%
問220−221 35歳女性。最近、日中頻尿と尿意切迫感で不眠が続いたので近医を受診した。過活動膀胱症状質問票(OABSS)トータルスコア10点の中等症と診断され、処方1による薬物治療を受けていた。再診時、OABSSトータルスコアは6点と改善したが尿意切迫感が十分に改善しないため、処方2が追加された。
再診時の主な患者情報:血圧130/60mmHg、脈拍数60拍/分、消化器症状なし、肝機能・腎機能正常、電解質異常なし。現在、妊娠はしていない。
- (処方1)
- ソリフェナシンコハク酸塩錠5mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 14日分
- (処方2)
- ミラベグロン錠50mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 14日分
再診7日後、薬剤師が継続的な服薬状況と患者状態を確認し、服薬指導を行うため、患者宅に電話した。
問220(実務)
副作用症状としてこの患者に起こる可能性が最も低いのはどれか。1つ選べ。
問221(物理・化学・生物)
この患者の下部尿路症状を改善させる生理的変化として、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
220
1→ミラベグロンの副作用である
2→畜尿により尿閉を起こす
3→抗コリン作用によるもの
4→ソリフェナシンコハク酸塩の副作用である
221
ソリフェナシンコハク酸塩はムスカリン受容体拮抗作用 ミラベグロンはアドレナリンB₃受容体刺激作用があるため膀胱排尿筋が弛緩する
https://ja.mondder.com/fq?id=6594🔗
問題文正答率:50.00%
問222−223 44歳女性。鼻、口唇の肥大、下顎の突出を認め精査となった。身長170cm、体重81kg、靴のサイズ26.5cm。75gブドウ糖負荷試験での成長ホルモンは25ng/mL(正常域0.4ng/mL未満)、IGF-1(血中インスリン様成長因子-1)は1,050ng/mL(正常域88~229ng/mL)であった。MRI検査で限局性腫瘤が認められたが、異所性病変は認めなかった。
問222(物理・化学・生物)
図は、女性の内分泌器官を表した模式図である。この患者の腫瘤の位置はどれか。1つ選べ。
問223(実務)
この患者は、その後、精密検査の結果、悪性腫瘍と診断された。腫瘍が大きく手術が困難であるため、薬物治療を行う方針となった。なお、放射線治療は薬物治療の効果をみてから検討する予定である。この患者の治療に用いる薬物の候補として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
222
1→脳下垂体
2→甲状腺
3→副腎
4→膵臓
5→卵巣
223
オクトレオチドを1日100μgまたは150μgより投与を開始して2~3回に分けて皮下投与する
https://ja.mondder.com/fq?id=6595🔗
問題文正答率:50.00%
問224−225 65歳女性。体重50kg。術後肺炎と診断され、喀痰から緑膿菌が検出された。医師の指示により、シプロフロキサシン注射液が静脈内投与された。
問224(物理・化学・生物)
検査部で、患者の痰から分離・同定した緑膿菌を培養し、薬剤感受性試験としてディスク法を実施した。
ディスク法の説明
寒天培地に一定量の菌を均一に広げた後、上にディスク(一定量の抗菌薬を染み込ませたろ紙)を置いて培養する方法(図1参照)。ディスクから培地に拡散した抗菌薬によって菌の発育阻止円ができ、その直径を測定する。
多剤耐性緑膿菌の場合、判定に用いる抗菌薬(b-ラクタム系、フルオロキノロン系及びアミノ配糖体系の3系統)の種類と判定に適した濃度は決められており、指定の条件で一定時間培養後、生じた阻止円の直径をもとに、感受性か耐性かを判断する。
今回は、この患者由来の緑膿菌と通常の緑膿菌基準株を用いた。また、指定されたイミペネム(IPM)、シプロフロキサシン(CPFX)、アミカシン(AMK)の3剤に加え、抗菌薬XとYも調べた。その結果を図2に示す。
本試験とその結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問225(実務)
薬剤感受性試験結果から考えられる、この患者に最も適切な抗菌薬療法はどれか。1つ選べ。なお、薬剤はすべて注射剤である。
解説・コメント
224
1→微量液体希釈法はディスク法よりもMICを算出するのに適している
4→緑膿菌は抗菌薬Xに耐性を示すため使用しない
5→治療候補となる
225
試験結果よりイミペネム、シプロフロキサシン、アミカシンに対して耐性を持っているため選択肢5が適切である
https://ja.mondder.com/fq?id=6596🔗
問題文正答率:50.00%
問226−227 早期の大腸がんは症状がないことが多く、便潜血検査が早期発見に有効であることが知られている。以下の表は、免疫学的便潜血検査による大腸がんのスクリーニング結果を示したものである。
問226(実務) この検査法での感度と特異度の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。
問227(衛生)
図は、大腸がんの多段階発がんの過程を示したものである。A及びBに該当するがん抑制遺伝子の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
226
感度 32/40×100=80
特異度 8669/9430×100≒91.9
227
1.2→遺伝性乳がんの発症にかかわる
大腸がんはAPC変異→KRAS活性化→p53変異→DCC変異の流れである
https://ja.mondder.com/fq?id=6597🔗
問題文正答率:50.00%
問228−229 70歳男性。自宅にて、39℃の発熱及び全身倦怠感を認め、同日中に呼吸困難となったため、家族が救急搬送を依頼した。救急病院に到着後、インフルエンザウイルスの迅速抗原検出キットにて検査したところ、B型陽性であり、インフルエンザウイルス感染症と診断された。なお、インフルエンザワクチンは未接種だった。また、本人からは高熱による頭痛の訴えがあった。救命救急センター担当医師と薬剤師は、治療方針について、カンファレンスを実施した。
問228(実務)
この患者への対応について、薬剤師が提案する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問229(衛生)
この患者の家族から、今後のインフルエンザワクチン接種について薬剤師に質問があった。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
228
1→抗菌薬である
2→インフルを予防するものである
5→A型インフルエンザに適応がある
229
1→A類疾病に分類される
2→市町村による公的補助の対象となる
5→インフルエンザは不活化ワクチンであるため、発症することはない
https://ja.mondder.com/fq?id=6598🔗
問題文正答率:50.00%
問230−231 43歳男性。身長170cm、体重85kg、喫煙歴なし。運動不足であり、食事については特に気にせず、油ものを好んでいた。今回、妻と一緒に近隣で開催の健康フェアに行き、健康相談コーナーで薬剤師に今後必要な生活習慣について相談した。その際、勤務先で実施した特定健康診査結果を持参していた。なお、これまでに健診で生活習慣の改善を指摘されていたが受診歴はなく、現在も服用薬はない。
- (検査結果)
- 腹囲95cm、血圧142/87mmHg、HDL-C38mg/dL、中性脂肪160mg/dL、空腹時血糖93mg/dL、HbA1c5.2%(NGSP値)
問230(実務)
特定健康診査で、この男性は特定保健指導の対象になった。その原因となった検査項目として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
問231(衛生)
この男性に対して行われた特定健康診査における階層化として、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
230
特定保健指導の基準として必須となるものが腹囲、BMIのいずれかと脂質、血圧、血糖のうち2つ以上が該当することとされている
231
特定保健指導はリスクの程度に応じ動機付け支援、積極的支援がある
積極的支援の方がよりリスクの高いものが該当する
https://ja.mondder.com/fq?id=6599🔗
問題文正答率:50.00%
問232−233 39歳女性。今回初めて妊娠した。8週目の妊婦健診でB型肝炎の検査を実施したところ、HBs抗原が陽性であった。
問232(実務)
この妊婦への対応として、適切なのはどれか。1つ選べ。
問233(衛生)
この妊婦から出生した児に対して行うB型肝炎ウイルス感染に関する予防処置を時系列で示した(A~C)。正しい組合せはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
232
2.3→HBs抗原陽性の妊婦から出生した子に対して行われる
4→妊娠中の安全性は確立していない
5→危険度を的確に把握して妊婦の健康管理を行う
233
出生直後にHBIG1㎖を筋肉注射 HBワクチンを0.25㎖皮下注射
1か月後 HBワクチン0.25㎖を皮下注射
6か月後 HBワクチン0.25㎖を皮下注射
9-12か月後 HBs抗原 抗体の検査を行う
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問題文正答率:50.00%
問234−235 74歳女性。身長160cm、体重50kg。飲酒及び喫煙歴はない。てんかんの既往があり、以下の薬剤を10年以上服用し、外来受診時には脳波検査を行ってきた。1年以上、発作は起こっていない。今回、市が主催する骨密度検診で、骨密度の低下が指摘されたので、かかりつけの医療機関を受診し血液検査と骨密度測定を実施した。その結果をもとに、医師と薬剤師がカンファレンスを行った。
- (処方)
- フェニトイン錠100mg 1回1錠(1日3錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 28日分
- (検査値)
- 血清クレアチニン値1.6mg/dL、AST32IU/L、ALT29IU/L
- ALP410IU/L、補正Ca値7.0mg/dL
- intact-PTH92pg/mL(標準値:10~65pg/mL)
- フェニトイン血中濃度10μg/mL
- 腰椎骨密度測定値 若年成人平均値(YAM)の65%
問234(衛生)
この患者の病態に関連するビタミンやミネラルについての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問235(実務)
薬剤師が医師に処方提案する薬剤として、適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
234
3→血清カルシウム値は増加する
4→ビタミンDの記述である
5→腸管からのカルシウム吸収が阻害される
235
1→骨粗しょう症の疼痛に用いられる
3.4.5→低カルシウム血症の方には禁忌である
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問題文正答率:50.00%
問236−237 68歳男性。身長168cm、体重58kg。6年前に胃の全摘手術を受けている。1週間前から息切れと全身倦怠感を感じていた。今回、著しい食欲不振のため食事が摂れなくなり、めまいも伴うので外来を受診した。血液検査の結果は、以下のとおりである。
(検査値)
BUN11.1mg/dL、血清クレアチニン値0.6mg/dL、赤血球数221×104/μL、Hb9.7g/dL、MCV122.2fl、MCH43.9pg、MCHC35.9%、血清鉄101μg/dL、フェリチン56μg/dL、PT-INR1.10、便潜血 陰性
問236(実務)
この患者において、欠乏が疑われるビタミンはどれか。1つ選べ。
問237(衛生)
この患者に欠乏していると考えられるビタミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
236
胃の全摘手術により不足するビタミンはビタミンB₁₂である
237
2→ビタミンCの記述である
3→複合体として胃での分解を避けた後ビタミンB₁₂と内因子の複合体として吸収される
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問題文正答率:50.00%
問238−239 10月14日(月曜日)に小学校において、50名の児童が発熱・嘔吐・下痢の症状で欠席し、翌日にも同様の症状でさらに65名が欠席し児童の多くが病院を受診しているとの連絡が保健所にあった。早速、これらの患者のうち、60名の検体について検査を行ったところ、48名の検体から同一の病因物質を検出した。患者らの共通食は学校給食のみであり、10月11日(金曜日)に遠足のために給食を食べなかった学年に有症者がいないことから、給食が食中毒の原因と断定した。なお、衛生検査用に冷凍保存されていた同じ給食を調べた結果、原材料の鶏肉からも同じ病因物質を検出した。これを顕微鏡で観察したところ、写真の様に細長い、らせん状の形態を示していた。
問238(衛生)
下図は、病因物質(A~E)による食中毒の患者数と事件数の年次別推移を示したものである。この給食による食中毒の病因物質はどれか。1つ選べ。
問239(実務)
今回、病院を受診した患者の一部には、重篤な食中毒症状がみられた。その患者に投与すべき薬剤として、適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
238
1→ノロウイルス
2→カンピロバクター
3→ウェルシュ菌
4→腸管出血性大腸菌
5→サルモネラ
239
1→止瀉剤のため不適切
3.4.5→抗コリン作用の胃腸運動抑制作用を有するため不適切
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問題文正答率:50.00%
問240−241 12月に行われた少年スポーツクラブの大会で、金属製のやかんを使って、粉末のスポーツドリンクを水道水で溶かし、そのスポーツドリンクを飲んだ子供たちが吐き気や嘔吐を発症した。8人の患者が近医を受診し、血液検査及び便検査を行った。血液検査の結果、血清中の亜鉛濃度90~101μg/dL(正常値;80~130μg/dL)、銅濃度278~314μg/dL(正常値;70~132μg/dL)、セレン濃度11.2~13.2μg/dL(正常値;10.6~17.4μg/dL)の範囲であり、他の重金属や中毒物質は検出されなかった。また、便検査の結果、食中毒の原因と考えられる細菌及びウイルスは検出されなかった。
一方、後日、やかんに残っていたスポーツドリンクを衛生研究所で分析したところ、以下のようなイオンが検出された。
ナトリウム520mg/L、カリウム214mg/L、カルシウム22mg/L、マグネシウム6mg/L、銅200mg/L
問240(実務)
これらの患者に対する治療薬として、適切なのはどれか。1つ選べ。
問241(衛生)
この中毒の原因となった物質の解毒にはたらく生体分子はどれか。1つ選べ。
解説・コメント
240
1→ダビガトランの中和に用いる
2→麻薬性鎮痛薬の呼吸抑制の改善に用いる
4→ベンゾジアゼピン系による呼吸改善に用いる
5→有機リン中毒に用いる
241
1→過酸化水素を水と酸素に変換する酵素
2→過酸化水素を水に変換する酵素
3→異物の酸化還元反応を触媒する
5→ヘムの分解代謝物である
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問題文正答率:50.00%
問242−243 連日、猛暑のために熱中症警戒アラートが発表されている。そこで、高校の体育教員が経口補水液を買いに薬局に来て、薬剤師に熱中症や暑さ指数(WBGT)について質問をした。
問242(実務)
熱中症や暑さ指数(WBGT)に関する説明として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
問243(衛生)
熱中症及び暑さ指数(WBGT)について説明したところ、「近々開催する運動会の当日に暑さ指数を測定したいので、必要な器具を紹介して欲しい」との依頼があった。暑さ指数(WBGT)を求めるために必要な測定器具はどれか。2つ選べ。
解説・コメント
242
5→黒球温度計を用いる
243
2→乾カタ冷却力の測定に用いる
3→湿カタ冷却力の測定に用いる
5→一酸化炭素 二酸化炭素の測定に用いる
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問題文正答率:50.00%
問244−245 校舎が老朽化したため、一部の教室の改築が行われた。改築した教室を利用した生徒から、目、鼻、のどの刺激、めまいの訴えが続いたため、養護教諭から学校薬剤師に相談があった。学校薬剤師がこの教室内の空気中の化学物質を検査したところ、「学校環境衛生基準」で定められている2つの物質が高濃度で検出された。
問244(実務)
生徒の症状の原因と考えられる物質の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。
問245(衛生)
前問で選択した原因物質1及び原因物質2を測定するための試験法の組合せとして、正しいのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
244
問題文よりシックハウス症候群を発症していると考えられる
ホルムアルデヒド キシレン トルエン エチルベンゼン スチレン バラシクロロベンゼンが症状を引き起こす物質である
245
ホルムアルデヒド→高速液体クロマトグラフ法
キシレン トルエン エチルベンゼン スチレン バラシクロロベンゼン→ガスクロマトグラフ法
家ダニ→酵素免疫測定法
一酸化炭素 二酸化炭素→検知管法
二酸化窒素→ザルツマン法
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0
解説・コメント
196
1→難溶性塩凝集体ができるため誤り
4→pH変化をさせるため使用しない
5→塩化ナトリウム液はナトリウム欠乏時の電解質補給に用いられる
197
芳香環π電子系を重ねることによって難溶性凝集体さ生成する